JP2011144413A - 超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレット - Google Patents

超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレット Download PDF

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Abstract

【課題】チタン合金の中では超音波透過性が比較的劣る材料であるAMS4981で規定されるチタン合金製で、しかも、直径がφ150mm以上の大型のビレットであっても、他の金属製品の場合と同様に、一般的に用いられている超音波探傷法で、内部欠陥の検査を行うことができ、しかも、量産することが可能な、超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットを提供する。
【解決手段】直径がφ150mm以上で円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心部の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、全組織中に占める、一次α相の面積率が20%以上であると共に、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率が12%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、チタン合金製品の製造工程で得られる中間素材のチタン合金ビレットに係り、超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットに関するものである。
Ti−6Al−4V合金に代表される高強度α+β型チタン合金は、軽量、高強度、高耐食性に加え、溶接性、超塑性、拡散接合性などの利用加工諸特性を有することから、航空機産業を中心に多用されてきた。これらの特性を更に活用すべく、近年では、ゴルフ用品をはじめとしたスポーツ用品にも使用されるようになってきており、自動車部品、土木建築用素材、各種工具類などの民生品分野や、深海やエネルギー開発用途などへの適用拡大も進んでいる。
チタン合金製品は、まず、原材料の溶解、ビレット鍛造という工程を経て中間素材であるチタン合金ビレットを製造し、そのチタン合金ビレットを、鍛造、熱処理、機械加工することによって製造される。
航空機向け部材にあっては、疲労強度等の製品特性を害するサブミリメートル以上の内部欠陥の検査は、超音波探傷法によって、ビレットおよび熱処理後の鍛造品の2回の製造段階で実施されるのが一般的である。
しかし、チタン合金は他の金属素材と比較して超音波探傷試験における欠陥検出能力が低く、特に直径がφ150mm以上の大型のチタン合金ビレットにおいては、φ0.8mmより小さい欠陥を検出することは困難であった。
従来からのチタン合金ビレットで、超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れるビレットとしては、特許文献1、2ならびに非特許文献1に記載のUFG(Uniform Fine Grain)ビレットを挙げることができる。このUFGビレットは、ビレット製造時の鍛造方法を制御して均一且つ微細な等軸α組織を得ることで、超音波探傷試験における欠陥検出能力を高めたビレットである。しかしながら、このUFGビレットを製造するには、低歪速度での鍛造が必要であり、試験的な製造は行うことができるものの、量産を行うことはできず、実際の製造現場で生産することは不可能であった。また、前記の鍛造方法で大型のUFGビレットを製造することは不可能であった。
また、本出願人は、直径がφ150mm以上の大型のビレットであっても、他の金属製品の場合と同様に、一般的に用いられている超音波探傷法で、従来よりも微細な内部欠陥の検査を行うことができ、しかも、量産することが可能な、超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットとして、AMS4928で規定されるチタン合金ビレットに関する発明を、特願2008−154462号として既に提案している。
しかしながら、このAMS4928で規定されるチタン合金ビレットは、チタン合金ビレットの中では超音波透過性に優れる材料であり、AMS4928で規定されるチタン合金ビレットより超音波透過性に劣るAMS4981で規定されるチタン合金ビレットに関しては、上記特性を備えた超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットは、まだ開発されていないのが現状であった。
米国特許第6596099号明細書 米国特許第6370956号明細書
Vasisht Venkatesh、「Ti−2007 Science and Technology,The Japan Institute of Metals」、Japan、2007、p.957−960
本発明は、上記従来の問題を解決せんとしてなされたもので、チタン合金の中では超音波透過性が比較的劣る材料であるAMS4981で規定されるチタン合金製で、しかも、直径がφ150mm以上の大型のビレットであっても、他の金属製品の場合と同様に、一般的に用いられている超音波探傷法で、従来よりも微細な内部欠陥の検査を行うことができ、また、量産することが可能な、超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットを提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、直径がφ150mm以上で円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心軸を中心とした直径の1/4の内部範囲の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、全組織中に占める、一次α相の面積率が20%以上であると共に、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率が12%以上であることを特徴とする超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットである。
請求項2記載の発明は、前記チタン合金ビレットの中心軸を中心とした直径の1/4の内部範囲の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、存在する一次α相の平均アスペクト比が3.0以下であることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットである。
本発明の超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットによると、チタン合金の中では超音波透過性が比較的劣る材料であるAMS4981で規定されるチタン合金製で、しかも、直径がφ150mm以上の大型のビレットであっても、一般的に用いられている超音波探傷法により、内部欠陥の検査を問題なく行うことができ、また、量産することが可能である。
チタン合金ビレットの実施例で、そのチタン合金ビレットから採取するサンプルの位置の一例を示す斜視図である。 Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金ビレットの中心部の軸方向に平行な任意の断面の一例を示す400倍の組織観察写真である。 実施例で用いた超音波探傷試験装置を示す説明図である。
本発明者らは、AMS4981で規定されるチタン合金製で、直径がφ150mm以上の大型のビレットを製造し、実験により調査することで、チタン合金の中では超音波透過性が比較的劣る材料であるAMS4981で規定されるチタン合金ビレットであっても、超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットとすることができる発明を見出すために鋭意研究を進めた。
その結果、一次α相の面積率を増大させることで、超音波探傷試験時の超音波透過能を増大させることができることを見出し、また、一次α相の等軸化度を促進し、一次α相のアスペクト比を小さくすることで、超音波探傷試験時の超音波ノイズの発生源となるコロニー(同一方位の針状α相の集合体)のサイズを小さくすることができることを見出した。これらの要件を採用することで、チタン合金の中では超音波透過性が比較的劣る材料であるAMS4981で規定されるチタン合金製で、しかも、直径がφ150mm以上の大型のビレットであっても、従来からのチタン合金ビレットを超える超音波探傷試験における欠陥検出能力を備えたチタン合金ビレットを得ることができることを確認した。
以下、本発明を実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、直径がφ150mm以上で略円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心軸を中心とした直径の1/4の内部範囲(以下、中心部という。)の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、全組織中に占める、一次α相の面積率と、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率が、共に増加するに伴い、超音波探傷試験における欠陥検出能力が向上することを確認した。一次α相の面積率の下限は20%、より好ましくは30%である。また、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率の下限は、12%以上であれば効果を得ることができる。この面積率の下限は、より好ましくは20%、更に好ましくは30%である。
尚、AMS4981で規定されるチタン合金ビレットの成分組成は、主添加元素として、Al、Sn、ZrおよびMoを含有し、その含有量は、Al:5.50〜6.50質量%、Sn:1.75〜2.25質量%、Zr:3.50〜4.50質量%、Mo:5.50〜6.50質量%であって、残部はTiおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、おおよそN:0.04質量%、C:0.08質量%、H:0.015質量%、Fe:0.15質量%、O:0.15質量%を含有する。
ここで、略円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの直径をφ150mm以上としたのは、直径がφ150mm未満であれば、サイズが小さいことから、特に本発明のような組織制御を行わなくても超音波探傷法によって、内部欠陥の検査を行うことが可能であるという理由からである。
また、チタン合金ビレットの中心部の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域を要件としたのは、その総面積が40万μm未満であると、得られるデータが少な過ぎ、正確な数値を得ることができない可能性が懸念されるからである。
また、略円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心部の軸方向に平行な断面における組織を基準としたのは、中心部が最も内部欠陥が発生しやすく、また、ビレット製造後において超音波探傷試験時の超音波ノイズの発生源となるコロニーが残存しやすいため、最も内部欠陥の検査が行い難い部位であるという理由からである。
尚、全組織中に占める、一次α相の面積率と、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率を条件としたが、本発明のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの面積率の分母である組織には、この一次α相と二次α相のほか、β相が存在する。
本発明者らは、直径がφ150mm以上で略円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心部の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、全組織中に占める、一次α相の面積率が20%以上、且つ、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率を12%以上とした上で、更に、存在する一次α相の平均アスペクト比の上限を規定することで、より優れた超音波探傷試験における欠陥検出能力のチタン合金ビレットを得ることができることも確認した。
その一次α相の平均アスペクト比の上限は3.0である。一次α相の平均アスペクト比の上限を3.0とすることで、より優れた超音波探傷試験における欠陥検出能力のチタン合金ビレットを得ることができる。また、その平均アスペクト比の上限は、より好ましくは2.5、更に好ましくは2.0である。
次に、本発明のチタン合金ビレットの製造条件について説明する。
通常、AMS4981で規定されるチタン合金ビレットは、β鍛造→α−β鍛造→β熱処理→α−β鍛造の各工程を経て製造されるが、原材料の化学組成や工程の順序並びに工程毎の諸条件という複数の条件によって、製造されるチタン合金ビレットの物性や組織状態は変化するので、一連の製造工程として総合的に条件を選択して決定すべきであって、必ずしも工程の順序や工程毎の条件を厳密に規定することは適切ではない。
そのような前提条件をもとに、本発明者らは本発明のチタン合金ビレットの製造条件を検討した。通常AMS4981で規定されるチタン合金ビレットを製造するには、α−β域での鍛造の総鍛錬比を、350000÷R(Rはビレット直径で、その単位はmm)という数式から得られる数値未満程度とするか、鍛造時の歪速度を、10−2−1以上程度とすることで製造されているが、本発明の要件を満たす超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットを製造するためには、1)α−β域での鍛造の総鍛錬比を通常程度(350000÷Rという数式から得られる数値未満程度)として、歪速度を10−2−1未満とする。或いは、2)鍛造時の歪速度については通常程度(10−2−1以上程度)として、α−β域での鍛造の総鍛錬比を350000÷Rという数式から得られる数値以上とすること、のいずれかを採用すれば良いことを確認した。更には、これに併せて、最終のα−β域での鍛造回数を3回以上とすることが必要であることを確認した。
更には、これに併せて、最終鍛造後に、920℃以下のα−β温度域で熱処理を加えても良い。また、β熱処理後の冷却中に鍛造を加えても良い。また、更には、α−β鍛造における鍛造前の均熱保持時間を通常よりも長時間としても良い。これらの条件を適切に組み合わせることで、本発明の要件を満たし、更に超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットを製造することができる。
以下実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例の試験では、まず、φ840mmのTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo鋳塊をβ鍛造し、その後、α−β鍛造→β熱処理→α−β鍛造という工程を経て、直径がφ205mmで略円柱状の、AMS4981で規定されるチタン合金ビレットの一例であるTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金ビレットを製造した。一部のTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金ビレットには、最終α−β鍛造後に熱処理を加えた。α−β域での鍛造の総鍛錬比、最終のα−β域での鍛造回数、最終α−β鍛造後の熱処理温度(鍛造温度)と処理時間(鍛造時間)、並びに歪速度を表1に示す。
また、表1からα−β域での鍛造の総鍛錬比を、350000÷R(Rはビレット直径で、その単位はmm)という数式から得られる数値以上とすることで、本発明の要件を満たす超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレットを確実に製造することができることが分かる。
試験では、図1に示すTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金ビレット1の中心部の軸方向に平行な任意の断面において、任意の10箇所から切断することによって、組織観察用サンプルを採取した。その任意の10箇所の断面の総面積は437500μmである。その断面を仕上げ研磨並びにエッチングすることにより観察面に仕上げ、光学顕微鏡にて400倍の倍率で組織観察した。400倍の倍率で観察した理由は、400倍が、広範囲の微細組織の観察ができる最適の倍率であるからである。
その観察結果の写真の一例を図2に示す。写真には、略球形の一次α相と、針状の二次α相が確認できる。β相は、α相の境界部の黒色部である。
それら10箇所の組織観察用サンプルの断面写真を適宜拡大、印刷し、OHPシートにアスペクト比が2.0以下の一次α相のみをトレースした。トレースしたOHPシートをスキャナによりパソコンに取り込み、画像解析ソフトImage−Pro PLUSを用いて各視野の、一次α相の面積率、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率、一次α相の平均アスペクト比を夫々求めた。得られた結果を表1に示す。
本発明の要件を満たすチタン合金ビレットが超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れることは、SN比(底面エコー高さ÷ノイズ高さ)を測定することで確認した。その測定方法には水侵法を採用した。まず、図1に示すTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金ビレット1の中心部の軸方向の任意の10箇所から、□30mmの立方体形状のサンプルを切断することにより採取し、表面を6S仕上げした後に、図3に示す試験装置で、超音波探傷試験(Cスコープ法)を実施した。尚、超音波探傷試験における超音波入射方向は、図1に示す2方向とした。
この試験で、立方体形状のサンプルのSN比を測定算出し、全10サンプルから得られた合計20面(=2面×10サンプル)のSN比のうち、その最小値をサンプルのSN比とした。更に、従来の製造ビレット(現行材)と試験で求めたサンプルのSN比から換算SN比(=サンプルのSN比÷現行材のSN比)を算出し、この換算SN比をSN比の評価値とした。この試験では換算SN比が1.25以上であれば合格とする。得られた結果を表1に示す。
また、超音波透過能としてB1エコー高さを測定した。まず、図1に示すTi−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金ビレット1の中心部の軸方向の任意の10箇所から、□30mmの立方体形状のサンプルを切断することにより採取し、表面を6S仕上げした後に、図3に示す試験装置で、超音波探傷試験(Aスコープ法)によりサンプルの中心部を測定した。その際、まず、現行材(比較例5)のサンプル底面からのエコー高さ(B1エコー高さ)の平均値が80%になるよう調整し、その後、他のサンプルの測定も実施した。超音波透過能は、B1エコー高さが75%以上であれば合格とする。得られた結果を表1に示す。
Figure 2011144413
No.1〜9は、AMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心部の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、全組織中に占める、一次α相の面積率が20%以上であると共に、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率が12%以上である。また、一次α相の平均アスペクト比は3.0以下である。
これらNo.1〜9は、前記した超音波探傷試験で得られた評価値(換算SN比)は、1.3〜1.8であり、一次α相の面積率と、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率を、本発明で規定した値とすることで、現行材(No.12)よりも超音波探傷試験における欠陥検出能力が優れるものとすることができ、更には、換算SN比を合格判定基準の1.25以上とすることができることを確認した。また、超音波透過能(B1エコー高さ)は、78〜80%であり、合格判定基準の75%を上回り、現行材(No.12)と同等のB1エコー高さを確保することができたといえる。
一方、No.10は、最終α−β鍛造後の熱処理(焼鈍)温度が930℃と高すぎたため、一次α相の面積率が17%と低くなってしまった事例である。その結果、超音波透過能(B1エコー高さ)が69%と低くなってしまった。
また、No.11は、最終α−β鍛造後の熱処理(焼鈍)を実施しなかったため、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率が11%と低くなってしまった事例である。その結果、超音波探傷試験で得られた評価値(換算SN比)が1.20で現行材(No.12)よりは高かったものの、合格判定基準の1.25より低かった。
以上の結果は、直径がφ150mm以上で円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心部の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、全組織中に占める、一次α相の面積率を20%以上とすると共に、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率を12%以上とすることで、超音波探傷試験における欠陥検出能力が優れたチタン合金ビレットが得られることを示している。
1…Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo合金ビレット
2…軸方向の縦断面

Claims (2)

  1. 直径がφ150mm以上で円柱状のAMS4981で規定されるチタン合金ビレットの中心軸を中心とした直径の1/4の内部範囲の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、全組織中に占める、一次α相の面積率が20%以上であると共に、アスペクト比が2.0以下の一次α相の面積率が12%以上であることを特徴とする超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレット。
  2. 前記チタン合金ビレットの中心軸を中心とした直径の1/4の内部範囲を中心とした直径の1/4の内部範囲の軸方向に平行な任意の断面の総面積が40万μm以上である領域において、存在する一次α相の平均アスペクト比が3.0以下であることを特徴とする請求項1記載の超音波探傷試験における欠陥検出能力に優れたチタン合金ビレット。
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