JP2011143278A - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

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【課題】乾燥の仕上がりを良くする。
【解決手段】衣類が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させた回転ドラム3と、この回転ドラム3を駆動するモータ4と、前記回転ドラム3を支持する筐体1を有し、前側に設けられた前記開口部から前記衣類を出し入れするドラム式洗濯乾燥機において、乾燥運転中に、前記回転ドラム3に収容された前記衣類に0.8m3/min以上の風量を有する温風を吹きつける手段と、前記回転ドラム3の上部前側に設けられて前記衣類に向かってスチームを吹きかける手段を備えた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、衣類を乾燥する手段を備えたドラム式洗濯乾燥機に関する。
洗濯から乾燥までを連続して行える洗濯乾燥機による衣類の乾燥は、送風ファンと熱源により高温・低湿度の空気を作り、これを洗濯槽内に吹き込み、衣類の温度を高くし、衣類から水分を蒸発させ、蒸発した水分を機外へ排出することにより行う。蒸発した水分の除去方法としては、そのまま洗濯乾燥機外へ排出する排気方式(常に新しい空気を供給)と蒸発した水分を冷やし結露させて水分を除去する除湿方式(同じ空気を循環させる)があるが、家庭用では洗濯乾燥機を設置した室内へ水分が出ることがない除湿方式が多く用いられている。
洗濯乾燥機には、(1)乾燥時間が短いこと、(2)消費電力が少ないこと、(3)乾燥の仕上がりがよい(衣類のしわが少ない)こと、(4)衣類へのダメージが少ないこと等が求められている。このうち、(1)と(2)に関しては、空気の風量や温度を乾燥の進み具合に応じて適切に制御することで乾燥を効率よく行う洗濯乾燥機がある。また、洗濯槽内での衣類の動きを良くして、衣類から効率よく水分を蒸発させるようにした洗濯乾燥機がある。さらに、除湿方式として水冷方式を利用し、冷却水を風路の壁面全体に均一に流れるようにして高温多湿の温風との熱交換効率を高めた洗濯乾燥機がある。(4)に関しては衣類の温度が上がりすぎないように温風の温度を制限した(ヒータの入力を抑える)低温乾燥コースを備えた洗濯乾燥機がある。(3)に関しては、しわは乾燥中に衣類が絡んだり捻れたりすることにより発生するため、衣類の絡みや捻れが起きにくい洗濯乾燥機がある。
特開昭62−44299号公報 特開平9−774号公報 特開2005−080946号公報 特開2002−346272号公報
洗濯乾燥機の使用実態を調査すると、天候や湿度などの要因で室内や屋外で干した衣類が生乾きのとき、これを完全に乾かすために使用することが多い。しかし、乾燥はできても、衣類についているしわをとることはできない。これは、洗濯じわを完全になくしてから乾かす人はまずおらず、軽くしわを取った程度で干す人がほとんどで、しわは生乾き程度まで乾燥が進行すると固定化してしまうからである。また、衣類の量が多すぎると、逆にしわを増加させてしまうこともある。このため使用者は、しわが気になる衣類には、乾燥後にアイロンがけを行っている。ただし、アイロンがけを上手に行うためには技術が必要で、手間がかかることや上手にできないことから、アイロンがけは家事の中で嫌いな作業の上位にランクされている。
本発明の目的は、アイロンがけの手間を大幅に省くことが出来、しわが付いた衣類のしわをとることができるドラム式洗濯乾燥機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、衣類が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させた回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを支持する筐体を有し、前側に設けられた前記開口部から前記衣類を出し入れするドラム式洗濯乾燥機において、乾燥運転中に、前記回転ドラムに収容された前記衣類に0.8m3/min以上の風量を有する温風を吹きつける手段と、前記回転ドラムの上部前側に設けられて前記衣類に向かってスチームを吹きかける手段を備えた。
このように構成したドラム式洗濯乾燥機は、衣類を均一に湿らすことができ、衣類のしわを取れやすい状態にすることができる。また、この衣類の水分を大きな風量の温風により蒸発させ、しわの少ない乾燥仕上がりを実現できる。
このため、乾燥後に衣類にアイロンをかける手間や電気代を軽減でき、広い意味での省エネ化も実現できる。
本発明のドラム式洗濯乾燥機を示す外観図である。 本発明のドラム式洗濯機の筐体の一部を切断して内部構造を示す斜視図である。 本発明のドラム式洗濯機の背面カバーを外して内部構造を示す背面図である。 本発明のドラム式洗濯機の内部構造を示す側面図である。 本発明のドラム式洗濯機の筐体の上部を切断して内部構造を示す上面図である。 温風吹き出し口を設けた外槽カバーの正面図である。 図7における温風吹き出し口のA−A断面図である。 風速と乾燥後の衣類の仕上がりの官能評価値の実験結果である。 ノズルから吹き出した高速の風が衣類に当たった時の模式図である。 力(風量と風速の積)と乾燥後の衣類の仕上がりの官能価値の実験結果である。 力と乾燥後の衣類の仕上がりの布量ごとの仕上がり官能評価値の実験結果である。 力と容積比の積と仕上がり官能評価値の実験結果である。 送風ユニットの風量圧力特性を測定する装置である。 官能評価値と衣類の仕上り具合を示す写真である。 吊り干し乾燥の仕上がり具合と、吊り干し衣類を仕上げ乾燥した仕上がり具合を示す写真である。 図2に示した洗濯乾燥機の制御系のブロック線図である。 本発明のドラム式洗濯機の操作パネルを示す正面図である。 図16に示した制御系のコントローラにおけるマイクロコンピュータが実行する制御処理の一部を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態例に係るドラム式洗濯乾燥機の外観図である。図2は内部の構造を示すために筐体の一部を切断して示した斜視図、図3は内部の構造を示すために背面カバーを取り外した背面図、図4は内部の構造を示す側面図、図5は内部の構造を示すために筐体の一部を切断して示した平面図である。
1は、外郭を構成する筐体である。筐体1は、ベース1hの上に取り付けられており、左右の側板1a,1b,前面カバー1c,背面カバー1d,上面カバー1e,下部前面カバー1fで構成されている。左右の側板1a,1bは、コの字型の上補強材(図示せず),前補強材(図示せず),後補強材(図示せず)で結合されており、ベース1hを含めて箱状の筐体1を形成し、筐体として十分な強度を有している。
9は、前面カバー1cの略中央に設けた衣類を出し入れするための投入口を塞ぐドアで、前補強材に設けたヒンジで開閉可能に支持されている。ドア開放ボタン9dを押すことでロック機構(図示せず)が外れてドアが開き、ドアを前面カバー1cに押し付けることでロックされて閉じる。前補強材は、後述する外槽の開口部と同心に、衣類を出し入れするための円形の開口部を有している。
6は、筐体1の上部中央に設けた操作パネルで、電源スイッチ39,操作スイッチ12,13,表示器14を備える。操作パネル6は、筐体1下部に設けた制御装置38に電気的に接続している。
3は、回転可能に支持された円筒状の洗濯兼脱水槽(回転ドラム)であり、その外周壁および底壁に通水および通風のための多数の貫通孔を有し、前側端面に衣類を出し入れするための開口部3aを設けてある。開口部3aの外側には洗濯兼脱水槽3と一体の流体バランサ3cを備えている。外周壁の内側には軸方向に延びるリフタ3bが複数個設けてあり、洗濯,乾燥時に洗濯兼脱水槽3を回転すると、衣類はリフタ3bと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するように動きを繰り返す。洗濯兼脱水槽3の回転中心軸は、水平または開口部3a側が高くなるように傾斜している。
2は、円筒状の外槽であり、洗濯兼脱水槽3を同軸上に内包し、前面は開口し、後側端面の外側中央にモータ4を取り付ける。モータ4の回転軸は、外槽2を貫通し、洗濯兼脱水槽3と結合している。前面の開口部には外槽カバー2dを設け、外槽内への貯水を可能としている。外槽カバー2dの前側中央には、衣類を出し入れするための開口部2cを有している。本開口部2cと前補強材37に設けた開口部は、ゴム製のベローズ10で接続しており、ドア9を閉じることで外槽2を水封する。外槽2底面最下部には、排水口2bが設けてあり、排水ホース26が接続している。排水ホース26の途中には排水弁(図示せず)が設けてあり、排水弁を閉じて給水することで外槽2に水を溜め、排水弁を開いて外槽2内の水を機外へ排出する。
外槽2は、下側をベース1hに固定されたサスペンション5(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽2の上側は上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、外槽2の前後方向へ倒れを防ぐ。
19は、筐体1内の上部左側に設けた洗剤容器で、前部開口から引き出し式の洗剤トレイ7を装着する。洗剤類を入れる場合は、洗剤トレイ7を図1の二点鎖線で示すように引き出す。洗剤容器19は、筐体1の上補強材に固定されている。
洗剤容器19の後ろ側には、給水電磁弁16や風呂水給水ポンプ17,水位センサ(図示せず)など給水に関連する部品を設けてある。洗剤容器19は、外槽2に接続されている。給水電磁弁16は多連弁で、16bは主給水電磁弁で洗剤容器19を通し外槽2へ洗濯水を供給する。16cは柔軟仕上げ剤給水電磁弁で、洗剤容器19を通し外槽へ給水する。16dは冷却水給水電磁弁で水冷除湿機構(図示せず)へ給水する。16dはミスト給水電磁弁で後述するミスト生成部へ給水する。上面カバー1eには、水道栓からの給水ホース接続口16a,風呂の残り湯の吸水ホース接続口17aが設けてある。
29は筐体1の背面内側に縦方向に設置した乾燥ダクトで、ダクト下部は外槽2の背面下方に設けた吸気口2aにゴム製の蛇腹管B29aで接続される。乾燥ダクト29内には、水冷除湿機構(図示せず)を内蔵しており、給水電磁弁16から水冷除湿機構へ冷却水を供給する。冷却水は乾燥ダクト29の壁面を伝わって流下し吸気口2aから外槽2に入り排水口2bから排出される。
乾燥ダクト29の上部は、筐体1内の上部右側に前後方向に設置したフィルタダクト27に接続している。フィルタダクト27の前面には開口部を有しており、この開口部に引き出し式の乾燥フィルタ8を挿入してある。乾燥ダクト29からフィルタダクト27へ入った空気は、乾燥フィルタ8のメッシュフィルタ8aに流入し糸くずが除去される。乾燥フィルタ8の掃除は、乾燥フィルタ8を引き出してメッシュ式のフィルタ8aを取り出して行う。また、フィルタダクト27の乾燥フィルタ8挿入部の下面には開口部が設けてあり、この開口部は吸気ダクト33が接続しており、吸気ダクト33の他端は送風ユニット28の吸気口と接続している。
送風ユニット28は、駆動用のモータ28a,ファン羽根車(図示せず),ファンケース28bで構成されている。ファンケース28bにはヒータ31が内蔵されており、ファン羽根車から送られる空気を加熱する。送風ユニット28の吐出口は温風ダクト30に接続する。温風ダクト30は、ゴム製の蛇腹管A30a,蛇腹管継ぎ手30bを介して外槽カバー2dに設けた温風吹き出し口32に接続している。本実施例では、送風ユニット28が筐体1内の上部右側に設けてあるので、温風吹き出し口32は外槽カバー2dの右斜め上の位置に設け、温風吹き出し口32までの距離を極力短くするようにしてある。
排水口2b,送風ユニット28の吸気口及び吐出口には温度センサ(図示せず)が設けてある。
本発明の特徴は、高速の風で水のミストを生成し、これをしわが付いた衣類に直接当て衣類に水分を付与ししわを取れやすい状態にした後、高速の風を衣類に当て乾燥しながらしわを伸ばすことにある。このためには、高速の風を発生する送風ユニット28とこの風を直接衣類に当てる温風吹き出し口32と水の供給手段が必要となる。送風ユニットに必要な性能に関しては、後述する。温風吹き出し口32の詳細を図6,図7を用いて説明する。図6は温風吹き出し口32設置部の外槽カバー2dの正面図、図7は図6の二点鎖線A−Aで切断して示した温風吹き出し口32の断面図である。
温風吹き出し口32は、外槽カバー2dの前側から開口部2cに沿って設けてあり、内部に流路32b,32cが形成されている。温風吹き出し口32の入口には蛇腹管継ぎ手30bが取り付けてあり、流路32cの出口にはノズル32dが形成されている。洗濯兼脱水槽3と外槽カバー2dとのすき間に衣類が入り込まないよう、外槽カバー2dの開口部2cの内径と洗濯兼脱水槽3の開口部3aの内径は、ほぼ同一に設定されている。このため、温風吹き出し口32の出口部32aを開口部2cの内周面より内側に飛び出すように形成し、ノズル32dが洗濯兼脱水槽3内に向かって開口するようにしてある。このようにすることで、ノズル32dから出た温風は直接洗濯兼脱水槽3内の衣類に当たる。
なお、出口部32aの飛び出し量が多すぎると、洗濯や乾燥時に衣類の動きを阻害するため、図7に示すようにノズルを扁平のスリット形状として飛び出し量を小さくし、かつ開口部2cと出口部32aの表面形状がスムーズ変化するようにしてある。また、流路32bと流路32cは無駄な突起や、急激な流れ方向の変化が無いようにし、かつノズル32dに向かい流路面積が徐々に小さくなるようにしてある。こうすることで、高速の風が流路32b,32cを流れるときに発生する圧力損失や流体音を小さくすることが出来る。
60は流路32b内へ水を供給する給水口で、ミスト給水電磁弁16eと給水ホース61で接続している。
乾燥運転時の風の流れは次のようになる。送風ユニット28を運転し、ヒータ31に通電すると、ノズル32dから洗濯兼脱水槽3内に高速の温風が吹き込み(矢印41)、湿った衣類に当たり、衣類を温め衣類から水分が蒸発する。高温多湿となった空気は、洗濯兼脱水槽3に設けた貫通孔から外槽2に流れ、吸気口2aから乾燥ダクト29に吸い込まれ、乾燥ダクト29を下から上へ流れる(矢印42)。乾燥ダクト29の壁面には、水冷除湿機構からの冷却水が流れ落ちており、高温多湿の空気は冷却水と接触することで冷却除湿され、乾いた低温空気となりフィルタダクト27へ入る(矢印43)。フィルタダクト27に設けたメッシュフィルタ8aを通り糸屑が取り除かれ、吸気ダクト33に入り、送風ユニット28に吸い込まれる(矢印44)。そして、ヒータ31で再度加熱され、洗濯兼脱水槽3内に吹き込むように循環する。この間、洗濯兼脱水槽3を低速で正逆回転させ、衣類をノズル32dの近くまで持ち上げ、高速の温風が衣類に直接当たるようにする。
水のミストの生成は次のように行う。送風ユニット28を運転し高速の風がnノズル32dから吹き出しているときにミスト給水電磁弁16eを開くと、水は給水口60から流路32b内に供給される。そして、空気の流れとともに流路32bを流れノズル32dから洗濯兼脱水槽3内に流れ出る。ノズル32dから噴出する高速の風及び水と、洗濯兼脱水槽3内の空気とは大きな速度差があるので、この速度差で水は強力に攪拌されミスト化する。そして、高速の風とともに洗濯兼脱水槽3内に拡散し、衣類に付着し衣類を略均一に湿らせる。水の量は、効率よくミスト化し、衣類に均一に行き渡らせるために、風量,風速に応じて設定する必要がある。水の量が少ないと、均一性はよくなるが衣類を湿らせるのに時間がかかり、水の量が多いと均一性が悪くなり湿りむらが生じるが短時間で湿らせることができる。たとえば、風量が毎分1.5m3で、風速が100m/sの場合は、0.05〜0.2L/min程度が好ましい。
また、上記実施の形態では、水を流路32b内に供給したが、ヒータ31がシーズヒータの場合、水をヒータ表面に供給することでスチームを生成し、これを高速の風とともに衣類に吹きつけるようにしてもよい。スチームはミストよりもサイズが小さいため、衣類の隅々まで行き渡りやすく、衣類を均一に湿らせることができる。
図8は、上記のような乾燥運転を行った場合のノズル32dを噴出する風速と乾燥後の衣類の仕上がり具合を調べた結果の一例である。風速と風量はモータ28aの回転数とノズル32dの面積を変えることで調節した。なお、風速は、送風ユニット28の風量圧力特性を測定した結果から計算した値である。風量圧力特性は、図13に示す装置で測定を行った。均圧箱の吸気口と送風ユニット28の吐出口にオリフィスを取り付け、オリフィスの直径とモータ28aの回転数を種々変えながら風量と送風ユニット28の吸気口及び吐出口の圧力を測定し、風量圧力特性を求めた。そして、送風ユニット28を洗濯乾燥機へ実装した時の送風ユニット28の吸気口と吐出口の圧力を測定し、上記の風量圧力特性から風量を求め、この風量をノズル面積で割った値を風速とした。
実験条件は、図中に示すとおりであり、試験機は、直径600mmで容積75Lの洗濯兼脱水槽を有するドラム式洗濯乾燥機で、布量は2kgである。仕上がりの評価は各種衣類で行ったが、最もしわ付きが顕著だった薄手の綿パジャマズボンの結果を示している。評価は目視による5段階の官能評価であるが、官能評価値に対する仕上がり具合の例を図14に示す。ノズル32dからの風の吹き出し方向は、略洗濯兼脱水槽3の底壁中央に向くようにした。結果は、評価者3名の平均値である。参考に、洗濯後乾燥せずにそのまま吊り干しした場合の仕上がり具合を図15に示す。(a)は脱水後そのまま乾かした場合、(b)は脱水じわを軽く伸ばした後乾燥させた場合である。(a)は脱水じわが付いたまま乾いており、官能評価値では4程度、(b)は脱水じわが少なくなっているが浅いしわはまだ多く残っており、官能評価値で4.5程度である。
図から、(A)風速が高くなるにつれて仕上がりがよくなる。しかし、風速に対して仕上がりは飽和し、風速が高すぎると逆に仕上がりが悪化する傾向も見られる。また、風量が多いほど、仕上がりが飽和する風速は低くなる。風量0.8m3/minの場合は風速約140m/sで官能評価値は約3、風量1.0m3/minでは風速約130m/sで官能評価値約3.3、風量1.3m3/minでは風速120m/sで官能評価値約3.9、風量1.5m3/minでは風速約110m/sで官能評価値約4.0、風量1.7m3/minで約100m/sで官能評価値約4.2となり、これ以上風速を増しても仕上がりはほとんど向上しない。また、風量1.5m3/min以上では吊り干し乾燥と同等の仕上がりが得られる。
(B)同じ風速であれば風量が多い方が仕上がりはよいが、風量1.5m3/minから1.7m3/minに上昇した場合の仕上がりの改善度合いは小さくなっている。このことから、必要以上に風量を増しても、仕上がりの改善は期待できない。
このように、風速,風量が大きいほど仕上がりが良くなる。風量と風速は、どちらか一方を大きくするのではなく、両者のバランスを考えて設定するのが望ましい。具体的には、仕上がりだけでなく、電流値(家庭用の100V商用電源の場合は、送風ユニット28とヒータ31,モータ4,制御装置38の合計で15A以下)や乾燥性能,風が循環するダクトの流路面積,洗濯乾燥機への実装などを考慮して風速と風量を決定する必要がある。
官能評価値が3以上であれば、乾燥後にアイロンをかける場合でも簡単に仕上げることが出来、官能評価値4以上であれば、乾燥後の衣類をそのまま着用しても不満が少ない。官能評価値3以上とするためには、風量0.8m3/minで風速約140m/s以上、風量1.0m3/minで約110m/s以上、風量1.3m3/minで風速約92m/s以上、風量1.5m3/minで風速約75m/s以上、風量1.7m3/minで風速約70m/s以上となり、最低でも0.8m3/minの風量が必要である。なお、風量は乾燥性能に大きく影響するが、風量が少なすぎると乾燥時間が延びるため、乾燥性能の観点からも風量は0.8m3/min以上必要である。
しわがつきにくい衣類の場合は、上記より低い値でも官能評価値3以上の仕上がりが得られるが、種々の衣類を同時に乾燥するのが一般的であり、しわになりやすい衣類に合わせて風速を決定するほうが良い。
高速の風を衣類に当てることにより、衣類のしわが減少する理由について図9を用いて述べる。図9(a)はノズル32dから出た高速の風41が衣類に当たった時の模式図である。ここでは、衣類の背面に他の衣類がある場合を示している。風が衣類に当たると、衣類には風で押し広げられる力(矢印(1))と、衣類に当たった後流れ方向を変え衣類表面に沿って流れる風で左右に引っ張られる力(矢印(2))が作用する。この(1)と(2)の力で衣類のしわは伸ばされる。洗濯兼脱水槽3内の衣類の量が多い場合は、直接風が当たる衣類の周囲に他の衣類が多く自由に動きにくいため、主に(1)の力でしわが伸ばされる。衣類の量が少ない場合は、衣類が自由に動き、風が当たった衣類は風の流れ方向に押されながら吹き流しのようになり、衣類表面に沿って流れる風による(2)の力も作用ししわが伸ばされる。衣類の量が少ない場合は、乾燥中に衣類が広がりやすく、しわが発生しにくいので、ここでは(1)の力について考える。
(1)の力Fは、図9(b)に示すように、ノズル32dから吹き出す風の風量をQ、風速をVとすると、QとVの積で表すことができる。また、ノズル32dから吹き出す風(噴流)は、周囲の空気との大きな速度差と空気の粘性の作用で、周囲の空気を巻き込み流れの幅を広げながら、またその際噴流自身は速度Vを減少させながら下流方向へ流れていく(ただし、ノズル32dからの距離Xが非常に小さい場合(噴流のコア領域,円形ノズルの場合でノズルからノズル径の約6倍の位置まで)は、速度Vはほぼ一定である)。すなわち、ノズル32dからの距離Xが増加するに従い、単位面積当たりの衣類が受ける力(衣類が風から受ける圧力)は減少していく。従って、ノズル32dに衣類を近づけるほど、しわを伸ばす効果は大きくなる。
図8の結果を力Fで整理し直すと、図10のようになる。なお、図8では風量Qを体積流量で表示しているが、これに空気の密度(20℃で1.24kg/m3)をかけて質量流量に変換した。図から分かるように、力Fが増加するに従い仕上がり官能評価値は上昇して行くが、力Fが3.5N以上でほぼ飽和し、官能評価値約4.7程度となる。官能評価値は多少ばらつくが、図の破線の範囲内に入る。官能評価値3以上とするためには、力Fを約2.2N以上とすればよいことが分かる。
図11は、布量1kgから4kgまでの実験結果を図10と同様にまとめたものである。布量が多くなるほど同じ官能評価値を得るために大きな力Fが必要となることが分かる。これは、布量が多いほど洗濯兼脱水槽3の容積に対する衣類の量が増加し、衣類が広がりにくくなるため、しわを伸ばすのに大きな力が必要となるからである。また、ある力以上では官能評価値が飽和するため、布量に応じて、最適な力を作用させるよう、風量,風速を制御することにより、無駄な風を流すことなく、最良の仕上がりが得られ、消費電力を削減できる。風量,風速の制御方法としては、送風ユニット28の回転数を制御する(布量が増えるほど回転数を高くする)方法が最も容易であるが、ノズル32dの面積を可変にして面積を制御する方法でも良い。
布量が増すに従い、官能評価値の最大値が減少して行き、布量1kgでは官能評価値が約4.8、布量2kgで約4.7、布量3kgで約4.2、布量4kgで約3.5、布量5kgで約2.6となる。本図から、官能評価値3以上のために必要な力Fは、布量1kgの場合で約0.8N以上、3kgで約3.0N以上、4kgで約3.4N以上となる。本実験では布量5kgでは官能評価値3を達成できなかった。以上から、布量が少ない場合でも力Fは0.8N以上となるようにした方がよい。
このように、洗濯兼脱水槽3の容積と布量により、必要とする仕上がりを得るための力が異なる。そこで、布量当たりの洗濯兼脱水槽3の容積を容積比(=洗濯兼脱水槽3の容積/布量)と定義する。そして、力Fと容積比の積で図10の結果を整理すると、図12が得られる。図から分かるように、力と容積比の積に対して仕上がり官能評価値は、図の破線の範囲内に入る。本図は、乾燥仕上がりに関係する指標(力F,洗濯兼脱水槽3の容積,布量)を含んだ物であり、本図を使用することで、目標とする仕上がりを得るための条件を導くことが出来る。
官能評価値3以上とするためには、力と容積比の積を約62N・L/kg以上とすればよい。一例として、洗濯兼脱水槽3の容積75L、布量4kgの時に官能評価値3以上を得るための条件を求める。
容積比=75/4=18.75L/kgで、力F=62/18.75=3.31Nとなる。次に風量を、乾燥性能を考慮し1.65m3/min(=0.0341kg/s)と決めると、風速は約97m/s(=3.31/0.0341)となる。従って、この風量,風速を得るためにノズル32dの面積を2.83×10-42(283mm2)とすればよい。
本実施の形態例では、送風ユニット28はファン羽根車径140mm,羽根厚さ8.1mmで回転数を毎分15000回転としている。これによりファン吐出圧力が約7000Pa(空気温度30℃時)となり、上記の風量,風速を得ている。
以上述べてきたように、仕上がりを良くするには力Fを大きくし(風量Qを増やすか風速Vを増す)、ノズルと衣類との距離Xを小さくすればよい(衣類をノズルに近づける)。
風量Qを増やすためには、送風ユニット28のファンの回転数を高めたり、ファンの外径や羽根高さを増やしたりする必要がある。また、温風が通るダクトの面積を大きくして圧力損失を小さくした方が良い。特に、除湿に水を使用する水冷方式の場合、乾燥ダクト29を流れる空気の流速が速すぎると、冷却水が風に吹き飛ばされる現象が発生する。冷却水がフィルタ8aやヒータ31まで到達すると、フィルタ8aが濡れることによる圧力損失の増加やヒータ31で冷却水が蒸発し温風の温度が低下することなどで、乾燥効率の大幅な低下につながるため、乾燥ダクト29の流路面積を大きくすることが必須である。このため、風量を大幅に増やすと、ダクトや送風ユニットのサイズが大型化し、筐体1のサイズの大型化につながり、洗濯乾燥機を家庭へ設置しにくくなる。
一方、風速Vを増やすためには、送風ユニット28を圧力タイプのものにしてノズル面積を小さくすればよい。送風ユニット28として、一般的なターボファンを使用した場合、低い回転数でファン羽根車を大径化する方法と、ファン羽根車の径は小さいままで回転数を高くする方法とがあるが、高速回転化は、従来と同一の筐体に実装できる利点がある。
図8で示した仕上がりの実験結果では、風速が高すぎると、仕上がりが悪化する現象が見られた。このことは、上記では説明ができない。実験中の衣類の動きを観察すると、風速が高すぎると風の勢いで衣類が捩れるような現象が生じていることが分かった。従って、このことが仕上がり悪化の原因である。
ノズル32dと衣類の距離Xを小さくするためには、洗濯兼脱水槽3の回転数を適切に制御し、衣類をノズル32dの近くまで持ち上がるようにし、できるだけ高速の風が衣類に直接当たるようにする。衣類は、洗濯兼脱水槽3の回転による遠心力とリフタ3bで引っかけることで上方に持ち上がる。このため、回転数は洗濯兼脱水槽3の直径に応じて最適値があり、直径が大きいほど回転数は低くなる。また、リフタ3bは高い方がよい。ただし、リフタ3bの高さが高いと、水に浸かった衣類を持ち上げるのに高トルクが必要となり、モータ4を高出力の物にする必要があるため、モータの出力を考慮しリフタ3bの形状を決定する必要がある。
ノズル32dと衣類との距離Xをさらに短くするためには、乾燥時に衣類が必ず通る場所の近くにノズル32dを設ければよい。すなわち、ノズル32dの位置を、リフタ3bが衣類を持ち上げる洗濯兼脱水槽3の下側(外槽カバー2dの下側)にすればよい。
図16は、洗濯乾燥機の制御装置38のブロック図である。50はマイクロコンピュータで、各スイッチ12,13,13aに接続される操作ボタン入力回路51や水位センサ34,温度センサ52と接続され、使用者のボタン操作や洗濯工程,乾燥工程での各種情報信号を受ける。マイクロコンピュータ50からの出力は、駆動回路54に接続され、給水電磁弁16,排水弁25,モータ4,送風ユニット28,ヒータ31などに接続され、これらの開閉や回転,通電を制御する。また、使用者に洗濯機の動作状態を知らせるための7セグメント発光ダイオード表示器14や発光ダイオード56,ブザー57に接続される。
図17は、操作パネル6の詳細である。13,13a〜13hは操作スイッチ、14eから14kは7セグメント発光ダイオード表示器、56aから56dは発光ダイオードで、発光ダイオードが点灯することで操作パネル6上の文字をハイライトにする。13aは洗濯コース、13bは洗濯乾燥コース、13cは乾燥コースの設定を行うときに操作する。13eから13hは、洗い,すすぎ,脱水,乾燥の時間や回数を手動設定する場合に使用するスイッチで、これらの操作に応じて発光ダイオード表示器14eから14hに設定値を表示する。13dは、高仕上げスイッチで、仕上がりの良い乾燥を行うときに使用し、スイッチが押されると発光ダイオード56dが点灯する。
前記マイクロコンピュータ50は、電源スイッチ39が押されて電源が投入されると起動し、図18に示すような洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。
ステップS101
洗濯乾燥機の状態確認及び初期設定を行う。
ステップS102
操作パネル6の表示器14を点灯し、操作スイッチ13からの指示入力にしたがって洗濯/乾燥コースを設定する。洗濯のみを行う場合は13aの洗濯スイッチを、洗濯から乾燥までを連続して行う場合は13b洗乾スイッチを、乾燥のみを行う場合は13c乾燥スイッチを押して、コースを設定する。これらの操作ボタンスイッチを押すと、発光ダイオード56aが点灯する。操作ボタンスイッチを押すごとに点灯する発光ダイオードが切り替わり、標準→念入り→手造りのように移動し、設定したコースの運転内容が切り替わる。本実施の形態例では、乾燥スイッチ13cと高仕上げスイッチ13dを押し仕上げコースを選んだ場合について述べる。仕上げコースに設定すると表示器14hに、マイクロコンピュータ50に予め記憶されている設定値(乾燥時間)を表示する。必要な場合は、ここで13hのスイッチを押して設定値を変更することができる。
ステップS103
操作パネル6のスタートスイッチ12からの指示入力を監視して処理を分岐する。図には記載していないが、スタートスイッチ12が押されたら、布量センシングを実施する。布量センシングは、例えば、洗濯兼脱水槽3を低速で回転させ、あるいは規定の回転数まで加速させ、そのときのモータ4の電流値から測定する。そして、表示器14kに乾燥が終了するまでの時間を表示する。
ステップS104
乾燥運転1を実行する。洗濯兼脱水槽3を低速(毎分30〜50回転)で正逆回転させながら、送風ユニット28を高速回転で運転し、ヒータ31に通電(弱モード)して温風を洗濯兼脱水槽3内に吹き込み衣類の温度を上昇させる。ヒータ31を弱モードにするのは、送風ユニット28を高速回転すると風量が増え、ヒータ31の電流が増加し、ヒータを強モードにすると許容電流値(15A)を越えてしまうからである。本実施の形態例では、送風ユニット28の回転数を毎分15000回転に設定している。毎分15000回転時の送風ユニット28の入力電流は約4A、ヒータ31が約6A、モータ4と制御装置38で約1Aとなっている。同時に、ミスト給水電磁弁16eを開き、水をミスト状にして衣類に吹きかける。ミストは温風とともに洗濯兼脱水槽3内に広がりながら拡散していく。これにより、衣類は温まりながらほぼ均一に湿り気を帯びてゆく。ミストの一部は温風で暖められスチーム化するため、衣類全体へ行き渡りやすく、さらに衣類を均一に湿らせることができる。
なお、本ステップで、ヒータ31に通電しないでミストを衣類に吹きかけるようにしてもよい。この場合、スチームが発生しないため、衣類を均一に湿らせるためには、供給する水の水量をヒータ通電時よりも少なく設定するとよい。こうすることで、ミストの大きさが小さくなり、均一なミスト散布が可能となる。
ステップS105
乾燥開始からの経過時間が既定の時間になったかどうかを確認して処理を分岐する。次のステップS106で衣類についているしわを容易に取ることができるよう衣類を湿らす必要があり、衣類の乾燥度(=乾布の質量/湿布の質量)が0.95程度である。この時間は、供給する水の流量や衣類の量により異なるが、供給する水の流量は、ミスト給水電磁弁16eの仕様で決定するため、衣類の量に応じて時間を設定する。
ステップS106
乾燥運転2を実行する。洗濯兼脱水槽3の正逆回転と送風ユニット28の高速回転、ヒータ31の通電はそのままで、ミスト給水電磁弁16eを閉じる。洗濯兼脱水槽3内の湿らせた衣類に高速の風を吹きつけ、しわを伸ばしながら乾燥を行う。衣類は若干湿っているだけなので、比較的短時間(衣類1kg程度では30分以下)で乾燥としわ取りを終了することができる。図15(c)に本実施の形態例の仕上げ乾燥を行った綿パジャマズボンの状態を示す。このパジャマは、図15(a)を仕上げ乾燥したもので、しわがほぼ完全に取れていることが分かる。
ステップS107
ステップS102で乾燥時間が手動設定されている場合は所定の時間が経過したら、処理を分岐する。
ステップS108
冷却運転を実施する。洗濯兼脱水槽3の正逆回転はそのままで、送風ユニット28の回転数を低速にし(毎分9000回転)、ヒータ31の通電を止め、送風を行う。送風ユニット28の回転数を下げるのは、送風時に送風ユニット28が毎分13000回転のままにすると、ファンの圧縮仕事やファンモータ28aからの熱により、循環する空気の温度が下がりにくいため、送風運転時間が長くなってしまうからである。
予め規定された時間あるいは、循環する空気が所定の温度以下になるまで送風を行い、衣類を冷却して乾燥運転を終了する。この時、水冷除湿機構への冷却水の供給は継続したままにした方が、効率よく循環する空気の温度を下げることができる。
以上、本実施例によれば、乾燥運転の初期段階でしわの付いた衣類に高速の風とミストを直接吹きつけるので、衣類を均一に湿らすことができ、衣類のしわを取れやすい状態にする。そして、乾燥運転の後半で、高速の温風により衣類の水分を蒸発するとともに、風で衣類を押し広げ、衣類のしわが伸ばされて、しわの少ない乾燥仕上がりを実現できる。このため、乾燥後に衣類にアイロンをかける手間や電気代を軽減でき、広い意味での省エネ化も実現できる。
1 筐体
2 外槽
2d 外槽カバー
3 洗濯兼脱水槽
4,28a モータ
6 操作パネル
8 乾燥フィルタ
9 ドア
12,13 操作スイッチ
16 給水電磁弁
16e ミスト給水電磁弁
27 フィルタダクト
28 送風ユニット
28b ファンケース
29 乾燥ダクト
31 ヒータ
32 温風吹出し口
32d ノズル
33 吸気ダクト
38 制御装置
60 給水口

Claims (4)

  1. 衣類が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させた回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを支持する筐体を有し、前側に設けられた前記開口部から前記衣類を出し入れするドラム式洗濯乾燥機において、
    乾燥運転中に、前記回転ドラムに収容された前記衣類に0.8m3/min以上の風量を有する温風を吹きつける手段と、前記回転ドラムの上部前側に設けられて前記衣類に向かってスチームを吹きかける手段を備えたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  2. 衣類が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させた回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを内包し貯水を可能とする外槽と、前記回転ドラムを支持する筐体と、前記回転ドラム内に送風する送風ユニットと、この送風ユニットの吐き出し側に設けられたヒータを有するドラム式洗濯乾燥機において、
    前記回転ドラムの開口部側にある外槽カバーの上部に給水口を備え、乾燥運転中に、前記給水口から前記回転ドラム内に収容された前記衣類に水を吹きかけるとともに、前記送風ユニットを用いて、0.8m3/min以上の風量を有する温風を前記衣類に吹きつけることを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  3. 衣類が収容され、回転中心が水平又は開口部側が高くなるように傾斜させた回転ドラムと、この回転ドラムを駆動するモータと、前記回転ドラムを内包し貯水を可能とする外槽と、前記回転ドラムを支持する筐体と、前記回転ドラム内に送風する送風ユニットと、この送風ユニットの吐き出し側に設けられたヒータを有するドラム式洗濯乾燥機において、
    前記回転ドラムの開口部側にある外槽カバーの上部に給水口を備え、乾燥運転中に、前記給水口から前記回転ドラム内に収容された前記衣類に水を吹きかけるとともに、前記回転ドラムの外周壁内側に設けたリフタと遠心力により前記衣類が前記回転ドラムの回転にともなって持ち上がり重力で落下するような動きを繰り返し、前記送風ユニットを用いて、0.8m3/min以上の風量を有する温風を前記衣類に吹きつけることを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  4. 請求項2または3において、前記給水口から水を吹きかけるときは、前記ヒータに通電しないことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
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