JP2011142272A - 積層構造による受光素子、該受光素子により構成された撮像素子 - Google Patents

積層構造による受光素子、該受光素子により構成された撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】二次元フォトニック結晶の面内方向の外側に漏れる光のロスと、発光に寄与せず吸収層として働いてしまうことによる活性層での吸収ロスとを抑制し、光の利用効率を向上させることが可能となる二次元フォトニック結晶面発光レーザを提供する。
【解決手段】基板上に、特定の光を吸収するシリコンを含む光吸収層によって形成された光電変換層が、前記基板面に対して垂直な方向に積層された積層構造による受光素子であって、
前記光電変換層が、前記特定の光の波長に対応した光共振器を形成する前記積層構造中に配された一対の多層膜反射鏡によって狭持された構造を備え、
前記一対の多層膜反射鏡による光共振を可能とした構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層構造による受光素子、該受光素子により構成された撮像素子に関する。
CMOSイメージセンサーでは、赤、緑、青(以下これをRGBと記す)の各色の画素ごとにマイクロレンズ、カラーフィルター、受光素子により、それぞれの色について輝度信号を電気信号に変換をしている。
このようなセンサーでは、受光素子の光電量子変換効率の向上が望まれている。これらに対処する方法の1つとして、RGBの色を同一の受光面で捉えることにより、従来の約3倍の受光面積が得られる積層型のフォトダイオードが知られている(特許文献1)。
その動作原理は、3つのpn接合を積層した構造において、シリコン材料の光吸収係数が色により異なることを利用し、RGBの各色の色分離を行うものである。
また、特許文献2では、有機材料等異なる波長の光吸収材料を使用してRGBの光吸収特性を改善し、吸収層下に吸収波長を反射する層を設ける提案がなされている。
米国特許5965875号明細書 特開2007−287930号公報
しかし、上記特許文献1のようなシリコン材料の光吸収を利用して色分離をする積層型のフォトダイオードでは、RGBにおける各光吸収層の厚さを薄くすることで改善が図られているが、薄いシリコン層による場合には、光電変換効率を低下させる問題が生じる。
また、積層型のフォトダイオードでは、積層構造によることからデバイス全体の高さが高くなる傾向にあり、そのため隣接画素との間での光信号のクロストークの課題が生じる。
また、上記特許文献2の構造においては、シリコンを使用することができないため、有機材料等の光吸収層の材料や作製プロセスの新たな開発が必要となり、このような開発などの作製面の課題や、デバイスの信頼性や歩留まりの確保などの面において課題を生じる。
本発明は、上記課題に鑑み、シリコンを含む光吸収層によって形成された複数の光電変換層を積層した受光素子を形成するに際し、波長選択性と感度の向上を図ることが可能な積層構造による受光素子、該受光素子により構成された撮像素子の提供を目的とする。
本発明は、つぎのように構成した積層構造による受光素子、該受光素子により構成された撮像素子を提供するものである。
本発明の光共振器構造を備えた受光素子は、基板上に、特定の光を吸収するシリコンを含む光吸収層によって形成された光電変換層が、前記基板面に対して垂直な方向に積層された積層構造による受光素子であって、
前記光電変換層が、前記特定の光の波長に対応した光共振器を形成する前記積層構造中に配された一対の多層膜反射鏡によって狭持された構造を備え、
前記一対の多層膜反射鏡による光共振が可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の撮像素子は、上記した積層構造による受光素子が、2次元のアレイ状に並べて構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、シリコンを含む光吸収層によって形成された複数の光電変換層を積層した受光素子を形成するに際し、波長選択性と感度の向上を図ることが可能となる積層構造による受光素子、該受光素子により構成された撮像素子を実現することができる。
本発明の実施形態及び実施例1における積層構造による受光素子の構成例について説明する図。 本発明の実施形態及び実施例1におけるフェムト秒レーザによる多層膜反射鏡の作製プロセスについて説明する図。 本発明の実施例1における光素子の層構造および膜厚を示す図。 本発明の実施形態における各色を中心波長とする3ペアa−Si/c−Siからなる反射鏡の波長依存性を示す図。 本発明の実施形態の受光素子における反射率の入射波長依存性の計算値を示す図。図5(a)は図1に示す受光素子表面における反射率の波長依存性、図5(b)は本実施形態の受光素子を2次元のアレイ状に並べて構成されている撮像素子の構成を示す図。 本発明の実施例2における積層構造による受光素子の構成例について説明する図。 図7(a)は本発明の実施例2における受光素子の層構造および膜厚を示す図。図7(b)は実施例2における受光素子の表面反射率の波長依存性を示す図。 図8(a)は本発明の実施例3における積層構造による光共振器を備えた受光素子の構成例について説明する図。図8(b)は実施例3におけるにおける表面反射率の波長依存性を示す図。 本発明の実施例4における積層構造による受光素子の構成例について説明する図。 図10(a)は本発明の実施例4における層構造および膜厚を示す図。図10(b)は実施例4における表面反射率の波長依存性を示す図。 図11(a)は本発明の実施例5における積層構造による受光素子の構成例について説明する図。図11(b)は実施例5における表面反射率の波長依存性を示す図。
図1を用いて、本実施形態における基板上に、特定の光を吸収するシリコンを含む光吸収層によって形成された光電変換層が、前記基板面に対して垂直な方向に積層された積層構造による受光素子の構成例について説明する。
図1において、100は受光素子、101は第1光共振器、102は第2光共振器、103は第3光共振器、121、122は下部多層膜反射鏡、123、124は上部多層膜反射鏡である。
図1に示すように、本実施形態における受光素子の基本構造は、それぞれの接合位置においてpn接合されている。
そして、接合位置に形成された下部多層膜反射鏡121、122と上部多層膜反射鏡123、124とによる一対の反射鏡によって狭持され、3つの領域が形成されている。
これらの積層構造中における上記3つの領域は、RGBの光電変換領域(光電変換層)にそれぞれ対応している。
また、反射鏡は、図2に示すフェムト秒レーザによる結晶シリコン(c−Si)の相変化により形成した非結晶シリコンであるアモルファスシリコン(a−Si)で構成される。
つぎに、本実施形態の受光素子における機能について説明する。
図1に示すように、自然光(Light)が素子表面に入射すると、図中に示す第1光共振器101において、青色の波長460nmを中心とする波長に光共振が起こり、選択的に吸収され緑色、赤色の光は透過する。
第2光共振器102では同様に、緑色の波長540nmを中心に選択的光吸収が起こり、赤色の光を透過する。
最後に、同様に第3光共振器で赤色が共鳴吸収される。
光共振の条件は、共鳴波長において高反射が得られる1/4波長膜と1波長の共振器を作ることで得られる。
RGBの各色を3ペアの多層膜で形成した場合の上記多層膜反射鏡の反射帯域は、図4となることが計算結果から示されている。
図5(a)に上記のプロセスで作製した本実施形態の受光素子における反射率の入射波長依存性の計算値を示す。
図5(a)に示すようにRGBに対応する波長において光が透過されており、RGBを分離可能な良好な積層構造による光共振器が形成されていることを示している。
本実施形態では、すべてのRGB三色の積層構造におけるデバイス深さは合計で640nmとなる。
次に受光素子の表面反射抑制のため、10nmのSiO膜を形成後、Si膜を50nm堆積を行う。
この構造により赤色(670nm)に対して最小で表面反射を5%程度まで低減することができる。
光共振の波長、共振スペクトル、スペクトルピーク数は、共振器長さにより制御できる。
以上の本実施形態の受光素子の構成では、共振器内部に光電変換層が構成されることから、材料吸収に起因する光電変換効率は共振器の長さに律則される。
したがって、材料吸収による光電変換効率は共振器を長くすることによって得られるが、共振器が長くなると共振スペクトルが複雑になるため、3波長分以下であることが必要である。
なお、好ましくは共振器長さを1波長分とすることが最適である。
本実施形態の受光素子の構成によると、スペクトル幅はおよそ150nmでサブピークのない単一のスペクトルピークが色の再現と感度を両立でき、共振器長さが1波長の場合に良好な特性が得られる。
図5(b)に、上記のように作製した受光素子を、2次元のアレイ状に並べて構成されている撮像素子の構成を示す。
レイアウトの基本は、受光素子の周辺に信号の選択、リセット動作、信号の増幅を行うMOSトランジスターをそれぞれ配置する領域があり、その領域の上部に、信号線、リセット、VDDなどの配線を積層する領域がある。撮像素子はこのようなレイアウトで構成される。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1として、図1を用いて、本発明を適用した積層構造による受光素子の構成例について説明する。
本実施例の受光素子は、つぎのような製造方法により作製される。
まず、受光素子の基板となるpのSiウェハーを用意し、高品質なデバイス層を形成するためエピタキシャル成長させる。
エピタキシャルウェハーは、ドーピング濃度1×1019cm−3程度のP−Siウェハーであり、結晶成長前に表面酸化膜の除去を行った後に、CVDなど結晶成長装置により、成長温度900℃の高温で3μm程度で成長させる。
この成長で表面から1μm程度はキャリア濃度1×1014cm−3以下の高純度領域であり、高品質なpn接合が形成可能な層が形成される。
結晶成長後に、受光素子を積層構造により形成するため、最下層の第1層目のn型層111、該n型層の上の第2層目のp型層112、該p型層の上の第3層目のn型層113用に3回のイオン注入を行う。
まず、第1層目のn型層111を形成するため、金属マスクをウェハー表面に形成し、選択的にn型不純物を注入する。
注入条件は、リンなどV族元素を例えばMeV程度の高エネルギーで1×1012cm−2程度注入する。
次に、同様に700keVでボロンなどIII族元素を1×1012cm−2程度注入し、最後に第3層目のn型層113を形成のため、同様に例えば数百keV、1×1012cm−2程度のエネルギーで注入する。
注入後の不純物活性化と注入領域の結晶性回復は、800℃程度のランプアニール装置など熱処理により行う。
イオンの注入深さはnpnpの順に接合を形成するため、それぞれの20、159、381nmとなるようにエネルギーを調整している。
つぎに、受光素子内に多層膜によるアモルファスシリコン(a−Si)層(多層膜反射鏡)を形成する方法を説明する。
上記した製造方法により第3層目のn型層を形成した後に、シリコンの透過レーザ光を多光子吸収が起こる光高強度で照射し、所定の焦点位置で加熱することにより、結晶シリコン(c−Si)をa−Siに変質させる。
変質層の位置は3次元駆動ステージで、変質層の厚みは光学系および照射光強度を調整することで制御する。
その際、図2に示すフェムト秒レーザ装置が用いられる。
この装置は、図2に示すようにフェムト秒レーザなど超短パルスレーザから出射された光をXYZステージに導くための反射ミラー、レーザスポットを作り出す集光レンズ、等で構成されている。
レーザスポットをc−Si内部でXYZステージを用いてスキャニングすることで、所定の深さ、位置においてc−Siの変質層であるa−Siを形成できる。レーザの照射条件として、波長1.2μm、フルーエンスは約0.2mJ/cm、スポットサイズは0.3μmφで照射回数は1スポットに1回となる。
スキャニングの方法として、例えばX方向に繰り返し周波数1kHzで速度10mm/秒で所定の領域を走査し、0.3mmY軸方向にずらした後、同様にX方向にスキャンを行う。
a−Si/c−Siの多層膜の形成は上記のa−Si変質層をレーザ照射とXYZステージの移動によって形成後、デバイスの深さを調整し、同様な処理によって同様なa−Si変質層を形成する。
この工程によりa−Si/c−Siの多層膜が製作可能となる。デバイスの深さ方向に形成した多層膜の形成の順序は、変質膜をレーザが透過することを避けるために、深い位置にa−Si変質層を形成した後、その上部で変質処理を行う。
多層膜反射膜の形成条件として、例えば赤色用では、加工するc−Si層の厚みはa−Siの波長670nmにおける屈折率n=4.6の1/4波長となる36nmである。
この変質層厚みを得るには、上記したように焦点位置およびレーザ強度を調整する。
この方法により1層a−Si層をレーザにより形成することで反射膜が形成される。
その際、深さ680nmの位置に下部の多層膜反射鏡となるa−Si層が形成される。
また、その上部にc−Siの一波長共振器厚=167nmを挟んで、深さ471nmの位置に上部の多層膜反射鏡となる、同様な厚み36nmの上部a−Si層を形成することで、図1に示す第1共振器構造が形成される。
つぎに、緑用の光共振器である第2光共振器の製造方法について説明する。
まず、赤用の光共振器である第3共振器の反射鏡を形成するa−Si層121の上に、33nmのc−Si層を挟んで29nmのa−Si層による緑用の下側反射鏡122を形成する。
次に、135nmのc−Si層を挟んで、緑用の上側反射鏡123を形成する。層厚みは上部と同様に29nmとする。
つぎに、青用の第3共振器の製造方法について説明する。
まず、緑用の上側反射鏡123を形成するa−Si層の上に、25nmのc−Si層を挟んで23nmの青用の上側反射鏡124を形成する。
次に、青用の第3共振器として、100nmのc−Si層上に、a−Si膜125を形成する。a−Si層厚みは下部反射膜と同様に23nmとする。
図3に上記の層構造および膜厚を記す。共振器間のa−Si/c−Siの多層反射膜はそれぞれの色(青:460nm、緑:540nm、赤:620nm)を中心に調整されている。
本実施例では、各色において1波長の共振器と1ペアの多層反射膜で構成されている。
この構造の利点は、a−Si層の数を少なくできるため加工時間が少なく、3色すべて光共振による光電変換層の薄膜化が可能なことである。
本実施例では、このように光電変換層の薄膜化が可能なことから、積層構造による本実施例の受光素における全体の高さが高くなることを抑えることができるので、隣接画素との光信号のクロストークを抑制することが可能となる。
[実施例2]
実施例2として、図6を用いて実施例1と異なる形態の積層構造による受光素子の構成例について説明する。
図6において、200は受光素子、201は第1光共振器、202は第2光共振器、203は第3光共振器、221、222は下部多層膜反射鏡、223、224は上部多層膜反射鏡である。
図6に示すように、本実施形態における受光素子の基本構造は、それぞれの接合位置においてpn接合された3つの領域が形成される。
それらの接合位置に下部多層膜反射鏡221、222と上部多層膜反射鏡223、224とによる1対の反射鏡を備えた構造とされている。
そして、これらのpn接合されて形成された上記3つの領域は、RGBの光電変換領域(光電変換層)にそれぞれ対応している。
本実施例の構造は光吸収係数の小さな赤色、緑色について反射率を上げ大きな共振効果を得る構造となっている。
図7(a)に層構造および各層の厚みを示す。
基本的な考え方として、青色、緑色の共振器については、その上部の多層膜がそれぞれ青色(460nm)、緑色(540nm)を中心波長とする多層膜構造であり、赤色のみ上下の多層膜が赤色(620nm)を中心波長として調整されている。
多層膜の枚数は上から1,2,3,4ペアと共振器を挟むごとに、1ペアずつ増加させている。
これは先にも述べたように材料の光吸収係数が長波長になるにつれて小さくなるのを、多層膜のペア数を増やし共振効果を強くすることで補っているものである。
また、共振器長さを1波長分に調整することで、単一の共振ピークで共振スペクトルの幅が撮像素子のカラーフィルターに好ましい特性が得られている。
pn接合の形成は実施例1と同様に3つの接合位置をイオン注入法により形成する。
注入位置はそれぞれ20nm、165nm、428nmとなるように注入エネルギーを選ぶ。
不純物のドーズ量、アニールによる不純物の活性化は実施例1と同様である。次に表面の反射防止膜形成工程も実施例1と同様となる。
図7(b)は上記の方法で作製した積層光鏡新型受光素子200における表面反射の波長依存性である。
図7(b)に示すように、緑、赤色において実施例1よりも大きな共振効果が得られる。
[実施例3]
実施例3として、図8(a)を用いて、青色用の第1光共振器、緑色用の第2光共振器、赤色用の受光素子部を備えた構成例について説明する。
図8(a)において、300は受光素子、301は青色用の第1光共振器、302は緑色用の第2光共振器、303は赤色用の受光素子、321、322は下部多層膜反射鏡、323、324は上部多層膜反射鏡である。
図8(a)における素子の構造を製造する方法は、基本的に実施例1と同様である。
本実施例の構造は、青色、緑色における光増感は上記各実施例と同様であり、赤色は従来構造とされている。
実施例2と同様に多層反射膜の中心波長の条件は、直下の共振器と同様の波長に調整されている。
多層反射膜の枚数は青色共振器が上下2ペア、緑色共振器が上部2ペア、下部4ペアとなっており、赤色用の光電変換部となる最下部のpn接合には共振器は形成されていない。
この構造におけるデバイス表面からの反射率を図8(b)に示す。
図8(b)に示したように青色、緑色の波長において共振を示す深い谷が形成されることが確認でき、実施例1にに比べ、青色、緑色における共振効果が大きい。
実施例2と比較すると、長波長側のスペクトル形状、谷の深さなどに違いがあることがわかる。
これは、図8(b)の赤色における光共振を示すスペクトルの谷が見えるが、これは他の共振器からの影響によるものと思われる。実施例2と比較すると、長波長側のスペクトル形状、谷の深さなどに違いがあることがわかる。
青色、緑色用の共振器、多層膜の膜厚は実施例1、実施例2と同様である。
デバイス深さ方向に対するpn接合の先端位置も実施例1、実施例2と同様に各共振器の中心位置となる。
赤色のpn接合の先端は2μmと深い位置に形成し、ドーズ量を実施例1、実施例2に比べ1/10となるように、例えば1×1011cm−2としている。
この構造の利点は、赤色の共振器を無くし、青色、緑色用の多層反射鏡の反射率を高くして、図8(b)に示すように実施例1よりも青色、緑色について大きな光共振効果が得られていることである。
赤色を吸収する長い光電変換層と組み合わせることで、大幅にa−Siの層数を増やすことなく、良好な色分離特性と高感度な素子が作製できる。
[実施例4]
実施例4として図9を用いて、シリコンもしくはシリコンとゲルマニウムの混晶によるSiGe1−x/Siを用いた積層構造による光共振器を備えた受光素子の構成例について説明する。
図9において、400は受光素子、401は第1光共振器、402は第2光共振器、403は第3光共振器、421、422は下部多層膜反射鏡、423、424は上部多層膜反射鏡である。
図9における素子構造の作製方法の違いは約1μmの受光素子層の形成を分子線エピタキシー法(MBE)で行うことである。
SiGe1−x/Siの成長の条件として、成長表面の平坦性が確保できる臨海膜厚以内で行っている。本実施例ではGeの濃度を8%とし、Si0.92Ge0.08の総膜厚を200nmにすることなどにより転位の導入を抑制している。
結晶成長は実施例1におけるCVD成長Si表面上に、成長温度500℃において真空度1×10−6Torr程度の真空中で行っている。材料は固体Si、Geを真空中で熱することで得られる分子線であり、それぞれの分子線量を温度により制御を行っている。MBE成長前後の作製プロセスは実施例1と同様である。
図10(a)にMBEにより作製した本実施例の素子構造を示す。
図10(a)に示した作製した素子の表面反射率を図10(b)に示す。
実施例1と同様にRGBに対応する波長スペクトルの谷が見え光共振が起こっていることがわかる。実施例1との違いは、SiとSi0.92Ge0.08の屈折率差が小さいため光共振の効果が小さいことである。
この構造の利点は、超短パルスレーザによるa−Si層の形成が必要なく、MBEによる結晶成長により、多層反射鏡および共振器を高精度に作製できることである。
また、ELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)の技術を応用することで、ポーラスSi/結晶Siによる界面構造を形成することが可能であり、これらにより多層膜反射鏡および共振器を形成することができる。
なお、ポーラスSi/結晶Siによる界面構造の形成については、非特許文献1(IEICE TRANS.ELECTRON.,Vol.E80−C, No.3 1997 pp378−388)に紹介されている。
[実施例5]
実施例5として、図11(a)を用いて、青色用の受光素子部、緑色用の第1光共振器、赤色用の第2光共振器を備えた構成例について説明する。
図11(a)に緑色用、赤色用が共振型受光素子、青色が受光素子となる積層光共振型受光素子の構造を示す。
図11(a)において、500は受光素子、501は青色用の受光素子、502は緑色用の第1光共振器、503は赤色用の第3光共振器、521、522は下部多層膜反射鏡、523は上部多層膜反射鏡である。
図11(a)における素子の構造作製の方法は実施例1と同様となる。
本実施例の構造は赤色、緑色における光増感はそのままに、青色は従来構造としている。
実施例2と同様に多層反射膜の中心波長の条件は、直下の共振器と同様の波長に調整されている。
多層反射膜の枚数は緑色共振器が上下1ペア、赤色共振器が上下1ペアとなっており、青色用の光電変換部となる最上部のpn接合には多層反射鏡は形成されていない。
この構造におけるデバイス表面からの反射率を図11(b)に示す。
赤色、緑色の共振器、多層膜の膜厚は実施例1、実施例2と同様である。デバイス深さ方向に対するpn接合の先端位置も実施例1、実施例2と同様に各共振器の中心位置となる。
この構造の利点は、光吸収係数の大きな青色の多層反射鏡を無くすことで、感度の低下を最小限としてa−Siの総数を実施例の中で最も少なくでき、なおかつ緑色、赤色において光共振による感度の増加が得られている点にある。
100:受光素子
101:第1光共振器
102:第2光共振器
103:第3光共振器
111:第1層目のn型層
112:第2層目のp型層
113:第3層目のn型層
121、122:下部多層膜反射鏡
123、124:上部多層膜反射鏡

Claims (8)

  1. 基板上に、特定の光を吸収するシリコンを含む光吸収層によって形成された光電変換層が、前記基板面に対して垂直な方向に積層された積層構造による受光素子であって、
    前記光電変換層が、前記特定の光の波長に対応した光共振器を形成する前記積層構造中に配された一対の多層膜反射鏡によって狭持された構造を備え、
    前記一対の多層膜反射鏡による光共振が可能に構成されていることを特徴とする積層構造による受光素子。
  2. 前記光共振器は、共振器長さが1波長の長さとされていることを特徴とする請求項1に記載の積層構造による受光素子。
  3. 前記多層膜反射鏡は、結晶もしくは非結晶のシリコンによって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層構造による受光素子。
  4. 前記多層膜反射鏡は、シリコンもしくはシリコンとゲルマニウムの混晶によって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層構造による受光素子。
  5. 前記積層構造中に配された一対の多層膜反射鏡によって、赤、緑、青の各色の光電変換層にそれぞれ対応する光電変換領域が構成され、
    これらの多層膜反射鏡によって赤色用の共振器、緑色用の共振器、青色用の共振器がそれぞれ構成されている請求項1から4のいずれか1項に記載の積層構造による受光素子。
  6. 前記積層構造中に配された一対の多層膜反射鏡によって、赤、緑、青の各色の光電変換層にそれぞれ対応する光電変換領域が構成され、
    これらの多層膜反射鏡によって赤色用の受光素子部、緑色用の共振器、青色用の共振器がそれぞれ構成されている請求項1から4のいずれか1項に記載の積層構造による受光素子。
  7. 前記積層構造中に配された一対の多層膜反射鏡によって、赤、緑、青の各色の光電変換層にそれぞれ対応する光電変換領域が構成され、
    これらの多層膜反射鏡によって赤色用の共振器、緑色用の共振器、青色用の受光素子部がそれぞれ構成されている請求項1から4のいずれか1項に記載の積層構造による受光素子。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の積層構造による受光素子が、2次元のアレイ状に並べて構成されていることを特徴とする撮像素子。
JP2010003213A 2010-01-08 2010-01-08 積層構造による受光素子、該受光素子により構成された撮像素子 Pending JP2011142272A (ja)

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