JP2011140988A - クイックコネクタおよび配管接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】コネクタハウジングにパイプ体を挿入する際に要する工程を削減することにより製造の容易化および短時間化を図ると共に、パイプ体をコネクタハウジングに挿入するまでの間において異物が侵入することを確実に防止でき、さらに小型化を図ることができるクイックコネクタおよび配管接続構造を提供する。
【解決手段】クイックコネクタ1は、パイプ挿入部12の内部のうち環状シール部材22,23よりも軸方向他方側であってパイプ挿入部12に対して径方向にスライドするように設けられ、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する前の状態においてコネクタハウジング10の貫通孔を閉塞状態とする径方向第一位置に位置し、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する際のパイプ体3による押圧力によってコネクタハウジング10の貫通孔を連通状態とする径方向第二位置に向かって移動するスライドシール部材50を備える。
【選択図】図1
【解決手段】クイックコネクタ1は、パイプ挿入部12の内部のうち環状シール部材22,23よりも軸方向他方側であってパイプ挿入部12に対して径方向にスライドするように設けられ、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する前の状態においてコネクタハウジング10の貫通孔を閉塞状態とする径方向第一位置に位置し、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する際のパイプ体3による押圧力によってコネクタハウジング10の貫通孔を連通状態とする径方向第二位置に向かって移動するスライドシール部材50を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、クイックコネクタおよびクイックコネクタを用いた配管接続構造に関するものである。
クイックコネクタとして、例えば、特開2004−263729号公報(特許文献1)および特開2000−81185号公報(特許文献2)に開示されたものがある。これらの記載されているコネクタハウジングの内周面には、コネクタハウジングの内周面と挿入されるパイプ体の外周面との間をシールする環状シール部材が配置されている。この環状シール部材として、例えば、ゴム製のOリングなどが用いられる。そして、パイプ体がコネクタハウジングに挿入される前の状態において、環状シール部材を塵埃などの異物から保護するために、特許文献1には棒状の防塵キャップをコネクタハウジングの内部に挿入することが記載されており、特許文献2にはコネクタハウジングの開口側を被覆する防塵キャップが記載されている。
特許文献1に記載のクイックコネクタにおいては、コネクタハウジングの内部にパイプ体を挿入する際には、次のように行われる。まず、コネクタハウジングの内部に予め挿入されている防塵キャップを取り除く。その後に、パイプ体をコネクタハウジングに挿入する。このように、パイプ体をコネクタハウジングに挿入する前に、防塵キャップを取り除く工程が必要となる。さらに、防塵キャップを取り除いてから、パイプ体を挿入するまでの間において、塵埃などの異物がコネクタハウジングの内部に侵入するおそれがある。
また、特許文献2に記載のクイックコネクタにおいては、防塵キャップがコネクタハウジングの外側に被覆するように配置されている。従って、クイックコネクタ全体として大型化となっている。そして、コネクタハウジングの内部にパイプ体を挿入する際には、キャップの中央切れ目部分が弾性変形する。つまり、パイプ体がコネクタハウジングの内部に挿入されている間、常に、変形した状態となる。例えば、防塵キャップを合成樹脂により成形した場合には、劣化により弾性力を失い、時間が経過すると初期形状に戻らなくなる。これでは、パイプ体をコネクタハウジングから取り外して再度挿入する場合において、やはり異物が侵入するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コネクタハウジングにパイプ体を挿入する際に要する工程を削減することにより製造の容易化および短時間化を図ると共に、パイプ体をコネクタハウジングに挿入するまでの間において異物が侵入することを確実に防止でき、さらに小型化を図ることができるクイックコネクタおよび配管接続構造を提供することを目的とする。
(クイックコネクタ)
本発明のクイックコネクタは、
軸方向一方側に設けられチューブに接続されるチューブ接続部と、軸方向他方側に設けられ前記軸方向他方側からパイプ体を挿入可能に開口形成されたパイプ挿入部と、を備え、前記軸方向一方側から前記軸方向他方側に亘って貫通形成されるコネクタハウジングと、
環状に形成され、前記パイプ挿入部の内周面に設けられ、前記パイプ挿入部の内周面と挿入される前記パイプ体の外周面との間をシールする環状シール部材と、
前記パイプ挿入部の内部のうち前記環状シール部材よりも前記軸方向他方側であって前記パイプ挿入部に対して径方向にスライドするように設けられ、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前の状態において前記コネクタハウジングの貫通孔を閉塞状態とする径方向第一位置に位置し、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する際の前記パイプ体による押圧力によって前記コネクタハウジングの貫通孔を連通状態とする径方向第二位置に向かって移動するスライドシール部材と、
を備える。
本発明のクイックコネクタは、
軸方向一方側に設けられチューブに接続されるチューブ接続部と、軸方向他方側に設けられ前記軸方向他方側からパイプ体を挿入可能に開口形成されたパイプ挿入部と、を備え、前記軸方向一方側から前記軸方向他方側に亘って貫通形成されるコネクタハウジングと、
環状に形成され、前記パイプ挿入部の内周面に設けられ、前記パイプ挿入部の内周面と挿入される前記パイプ体の外周面との間をシールする環状シール部材と、
前記パイプ挿入部の内部のうち前記環状シール部材よりも前記軸方向他方側であって前記パイプ挿入部に対して径方向にスライドするように設けられ、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前の状態において前記コネクタハウジングの貫通孔を閉塞状態とする径方向第一位置に位置し、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する際の前記パイプ体による押圧力によって前記コネクタハウジングの貫通孔を連通状態とする径方向第二位置に向かって移動するスライドシール部材と、
を備える。
本発明によれば、パイプ体をパイプ挿入部に挿入する前の状態において、スライドシール部材がコネクタハウジングの貫通孔を閉塞状態としている。従って、パイプ体をパイプ挿入部に挿入する前の状態において、コネクタハウジングの内部のうち環状シール部材が配置される部位に、パイプ挿入部の開口側から塵埃などの異物が侵入することを防止できる。
さらに、スライドシール部材がコネクタハウジングの貫通孔を連通状態とする径方向第二位置への移動は、パイプ体がパイプ挿入部へ挿入される際の押圧力によって行われる。つまり、スライドシール部材の移動とパイプ体の挿入とは、実質的に同時に行うことができる。従って、特許文献1のように、防振キャップを取り除くための単独工程を削減することができる。さらに、本発明によれば、スライドシール部材の移動とパイプ体の挿入とが実質的に同時に行われるため、スライドシール部材によりコネクタハウジングの貫通孔を連通状態とした時には、既にパイプ体がパイプ挿入部に挿入されている状態となる。つまり、スライドシール部材がコネクタハウジングの貫通孔を連通状態としてから、パイプ体がパイプ挿入部に挿入されるまでの間に、時間差がない。従って、この間に塵埃などの異物がコネクタハウジングの内部に侵入することを、確実に防止できる。
さらに、本発明によれば、スライドシール部材は、パイプ挿入部の内部においてスライド可能に設けられている。換言すると、スライドシール部材は、コネクタハウジングの外部に設けられているものではない。従って、特許文献2のように、コネクタハウジングの外部に被覆するように防塵キャップを設ける場合に比べて、全体として小型化を図ることができる。
そして、上述したように、本発明のクイックコネクタによれば、パイプ体をパイプ挿入部に挿入する際に、スライドシール部材をパイプ挿入部の内部においてスライドすることによって、コネクタハウジングの貫通孔を連通状態としている。つまり、スライドシール部材は、特許文献2のように主要部分全体が弾性変形によって連通状態とするものではなく、移動によって連通状態とするものである。従って、スライドシール部材を樹脂により成形したとしても形状劣化せず、パイプ体をコネクタハウジングから取り外し再度挿入する場合においてもコネクタハウジングの貫通孔を閉塞状態にすることができる。
また、本発明のクイックコネクタにおいて、前記スライドシール部材は、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入した状態において、径方向第二位置にて前記パイプ挿入部に保持されているようにしてもよい。つまり、クイックコネクタの実際の使用状態において、スライドシール部材がコネクタハウジングに取り付けられた状態となる。これにより、廃棄部品を削減することができる。一方、特許文献1に記載のクイックコネクタにおいては、パイプ体をコネクタハウジングに挿入する際には、防塵キャップは不要な部品となる。また、特許文献2においては、防塵キャップが形状劣化してしまった場合には、やはり不要な部品となり、新品と交換しなければならなくなる。このように、従来は、不要部品が発生していたが、本発明によれば、不要な部品を確実に削減できる。
また、本発明のクイックコネクタにおいて、前記スライドシール部材は、分離可能な複数の部材により形成され、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する際にそれぞれ異なる径方向外側へ向かって移動することによって前記コネクタハウジングの貫通孔を連通状態としてもよい。これにより、スライドシール部材を廃棄部品とすることなく、且つ、連通状態となる径方向第二位置に内蔵されているスライドシール部材が、コネクタハウジングに対する径方向外方への突出量を小さくできる。つまり、パイプ挿入状態において、クイックコネクタの小型化を図ることができる。なお、本発明のクイックコネクタにおいて、スライドシール部材は、分離することなく一体的に形成された一部品とすることもできる。この場合には、上述した分離タイプに比べると、径方向外方への突出量が大きくなる可能性が高い。
また、本発明のクイックコネクタにおいて、前記パイプ挿入部には、軸中心から径方向外側に向かって延びる第一ガイドレールと、前記第一ガイドレールに対して前記軸中心を対称とする径方向外側に向かって延びる第二ガイドレールとが形成され、前記スライドシール部材は、分離可能な第一,第二スライドシール部材により構成され、前記第一スライドシール部材は、前記第一ガイドレールに沿ってスライドし、前記第二スライドシール部材は、前記第二ガイドレールに沿ってスライドするようにしてもよい。パイプ体をパイプ挿入部に挿入する際に、第一スライドシール部材と第二スライドシール部材とが、それぞれ反対側にスライドする。これにより、確実にクイックコネクタの小型化を図ることができる。また、第一,第二ガイドレールは、軸中心に対して対称となる方向であるため、パイプ挿入部に形成することが容易となる。
また、本発明のクイックコネクタにおいて、前記スライドシール部材は、最初に前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前において一体的に結合された状態で形成され、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に初めて挿入する際にそれぞれ分離するようにしてもよい。これにより、製造初期状態におけるスライドシール部材の加工が容易となり、製造初期状態の部品点数を少なくできる。また、初期状態位置において、スライドシール部材は、塵埃などの異物侵入を防止する効果を確実に発揮できる。
また、本発明のクイックコネクタにおいて、前記クイックコネクタは、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前において、前記スライドシール部材と前記パイプ挿入部との相対位置を前記閉塞状態とする前記径方向第一位置に位置決めする第一位置決め手段を備えるようにしてもよい。これにより、パイプ体がパイプ挿入部に挿入される前の状態において、確実に異物侵入を防止できる。
また、本発明のクイックコネクタにおいて、前記パイプ挿入部には、第一被係止部が形成され、前記スライドシール部材は、スライドシール部材本体と、前記スライドシール部材本体に対して弾性変形可能に設けられ、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前において弾性変形していない状態で前記第一被係止部に対して径方向に係止することで前記スライドシール部材を前記径方向第一位置に位置決めすると共に、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する際の前記パイプ体による押圧力によって弾性変形し前記第一被係止部との係合を解除する弾性脚部と、を備え、前記第一位置決め手段は、前記第一被係止部と前記弾性脚部とにより構成されるようにしてもよい。これにより、確実に閉塞状態の径方向第一位置に位置決めできると共に、連通状態の径方向第二位置に向かって移動することができる。
また、本発明のクイックコネクタにおいて、前記パイプ挿入部には、第二被係止部が形成され、前記弾性脚部は、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入した後において、弾性復帰して前記第二被係止部に対して径方向に係止することで、前記スライドシール部材を前記径方向第二位置に位置決めするようにしてもよい。
これにより、パイプ体がパイプ挿入部に挿入された後において、弾性脚部が弾性変形している状態を継続することを回避できる。仮に、パイプ体がパイプ挿入部に挿入された後においても、弾性脚部が弾性変形している状態を継続すると、弾性脚部の形状が変化するおそれがある。特に、スライドシール部材を樹脂により形成する場合には、弾性脚部の形状変化が著しい。そこで、本発明によれば、弾性脚部が弾性変形している状態を継続することを回避できるため、弾性脚部の形状が変化することを防止できる。従って、例えば、保守の際などにパイプ体をコネクタハウジングから外してから再度挿入するまでの間に、弾性脚部によるスライドシール部材の径方向第一位置への位置決め機能を確実に発揮させることができる。
なお、弾性脚部の弾性変形量は非常に僅かであるため、例えば、弾性脚部を樹脂製としたとしても形状劣化が起こりにくい。仮に、弾性脚部が形状劣化したとしても、スライドシール部材本体が形状劣化するわけではないので、スライドシール部材本体により閉塞状態とすることは可能となる。特許文献2のように閉塞状態とする部位が形状劣化する構成では、上述したように、再度閉塞状態とすることができなくなるおそれがあったが、本発明によれば、スライドシール部材本体による閉塞状態とすることは可能となる。
本発明のクイックコネクタにおいて、前記弾性脚部は、少なくとも複数からなり、前記クイックコネクタは、複数の前記弾性脚部を連結し、且つ、前記スライドシール部材が前記径方向第二位置に位置決めされている状態において径方向内側に押圧することにより複数の前記弾性脚部が同時に弾性変形して、前記第二被係止部との係合を解除する弾性脚部連結部材をさらに備えるようにしてもよい。
これにより、パイプ体をパイプ挿入部から外した際に、複数の弾性脚部を同時に弾性変形させることができるため、スライドシール部材を径方向第二位置から径方向第一位置へ容易に戻すことができる。
本発明のクイックコネクタにおいて、前記スライドシール部材は、前記径方向第二位置に位置する状態において、前記パイプ挿入部の内周面に当接し、前記スライドシール部材を前記径方向第一位置に戻すための付勢力を発生させる付勢部材をさらに備えるようにしてもよい。これにより、スライドシール部材を径方向第二位置から径方向第一位置に確実に戻すことができる。
本発明のクイックコネクタにおいて、
前記クイックコネクタは、前記パイプ挿入部内に嵌め付けられ、前記パイプ体を挿入可能な貫通孔が形成され、前記パイプ体の環状係合突部および前記コネクタハウジングのそれぞれに係合し、前記パイプ体と前記コネクタハウジングとの相互係合を補助するリテーナをさらに備え、
前記パイプ挿入部は、初期位置決め凹部と、前記初期位置決め凹部より軸方向一方側に形成される確認固定凹部と、を備え、
前記リテーナは、前記パイプ体の環状係合突部に係合するパイプ体係合部と、ハウジング係合突部と、を備え、
前記リテーナは、前記ハウジング係合突部を前記初期位置決め凹部に係合させることにより前記パイプ挿入部の軸方向第一位置にて保持され、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前の状態において、前記スライドシール部材により前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側への移動を規制され、
前記スライドシール部材は、前記軸方向第一位置に保持された状態の前記リテーナの貫通孔を前記パイプ体の前記環状係合突部が前記軸方向一方側に進行するとき、前記リテーナの前記軸方向一方側への移動を規制するように前記パイプ体係合部と係合し、
前記リテーナは、さらに、
前記軸方向第一位置に保持された状態の前記リテーナの前記パイプ体係合部に前記パイプ体の前記環状係合突部を係合させた状態において、前記スライドシール部材が前記径方向第二位置に向かって移動することにより、前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側への移動規制が解除され、
前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入させ且つ前記パイプ体の前記環状係合突部を前記パイプ体係合部に係合させた状態で、前記パイプ体と共に前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側に向かって移動し、
前記ハウジング係合突部の前記確認固定凹部への係合により前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側に位置する前記軸方向第二位置にて保持されるようにしてもよい。
前記クイックコネクタは、前記パイプ挿入部内に嵌め付けられ、前記パイプ体を挿入可能な貫通孔が形成され、前記パイプ体の環状係合突部および前記コネクタハウジングのそれぞれに係合し、前記パイプ体と前記コネクタハウジングとの相互係合を補助するリテーナをさらに備え、
前記パイプ挿入部は、初期位置決め凹部と、前記初期位置決め凹部より軸方向一方側に形成される確認固定凹部と、を備え、
前記リテーナは、前記パイプ体の環状係合突部に係合するパイプ体係合部と、ハウジング係合突部と、を備え、
前記リテーナは、前記ハウジング係合突部を前記初期位置決め凹部に係合させることにより前記パイプ挿入部の軸方向第一位置にて保持され、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前の状態において、前記スライドシール部材により前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側への移動を規制され、
前記スライドシール部材は、前記軸方向第一位置に保持された状態の前記リテーナの貫通孔を前記パイプ体の前記環状係合突部が前記軸方向一方側に進行するとき、前記リテーナの前記軸方向一方側への移動を規制するように前記パイプ体係合部と係合し、
前記リテーナは、さらに、
前記軸方向第一位置に保持された状態の前記リテーナの前記パイプ体係合部に前記パイプ体の前記環状係合突部を係合させた状態において、前記スライドシール部材が前記径方向第二位置に向かって移動することにより、前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側への移動規制が解除され、
前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入させ且つ前記パイプ体の前記環状係合突部を前記パイプ体係合部に係合させた状態で、前記パイプ体と共に前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側に向かって移動し、
前記ハウジング係合突部の前記確認固定凹部への係合により前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側に位置する前記軸方向第二位置にて保持されるようにしてもよい。
本発明によれば、リテーナが軸方向第一位置から軸方向第二位置へ移動することにより、パイプ体が正常にクイックコネクタに接続されているか否かを判断できる。この構成において、スライドシール部材が、上述した異物侵入の防止効果に加えて、パイプ体の環状係合突部がリテーナに挿入される前の状態においてリテーナの移動を規制する効果を発揮する。これにより、リテーナの移動を規制するための専用部材を用いる必要がなくなる。また、専用部材を用いる場合には、当該専用部材は、クイックコネクタの実使用状態において不要な部品となるおそれがあった。しかし、本発明において、スライドシール部材がパイプ挿入部における径方向第二位置にて保持できる場合には、リテーナの移動を規制するための部材としてのスライドシール部材をクイックコネクタの実使用状態において不要な部品ではなくすることができる。
(配管接続構造)
本発明の配管接続構造は、上述したクイックコネクタと、前記クイックコネクタの前記チューブ接続部に嵌め付けられるチューブと、前記クイックコネクタの前記パイプ挿入部に挿入されるパイプ体と、を備える。これにより、上述したクイックコネクタにおける効果を奏することができる。
本発明の配管接続構造は、上述したクイックコネクタと、前記クイックコネクタの前記チューブ接続部に嵌め付けられるチューブと、前記クイックコネクタの前記パイプ挿入部に挿入されるパイプ体と、を備える。これにより、上述したクイックコネクタにおける効果を奏することができる。
以下、本発明のクイックコネクタおよび配管接続構造を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態のクイックコネクタ1について、図1〜図4を参照して説明する。クイックコネクタ1は、自動車のガソリン燃料配管を構成するために用いられるものである。このクイックコネクタ1は、樹脂チューブ2に接続されると共に、パイプ体3が挿入される。つまり、クイックコネクタ1は、パイプ体3と樹脂チューブ2との配管接続を行い、ガソリン燃料を流通させる。このクイックコネクタ1は、コネクタハウジング10と、外周環状シール部材21と、内周環状シール部材22,23と、カラー30と、ブッシュ40と、スライドシール部材50と、リテーナ60とを備える。
第一実施形態のクイックコネクタ1について、図1〜図4を参照して説明する。クイックコネクタ1は、自動車のガソリン燃料配管を構成するために用いられるものである。このクイックコネクタ1は、樹脂チューブ2に接続されると共に、パイプ体3が挿入される。つまり、クイックコネクタ1は、パイプ体3と樹脂チューブ2との配管接続を行い、ガソリン燃料を流通させる。このクイックコネクタ1は、コネクタハウジング10と、外周環状シール部材21と、内周環状シール部材22,23と、カラー30と、ブッシュ40と、スライドシール部材50と、リテーナ60とを備える。
コネクタハウジング10は、例えば、ガラス繊維強化ポリアミド製であって、軸方向一方側から軸方向他方側に亘って貫通した筒状に形成されている。コネクタハウジング10は、図1および図2に示すように、軸方向一方側に樹脂チューブ2を接続するチューブ接続部11が設けられ、軸方向他方側にパイプ体3(図6に示す)を挿入可能に開口形成されたパイプ挿入部12が設けられている。なお、図1および図2において、軸方向一方側は図の左側に相当し、軸方向他方側は図の右側に相当する。
チューブ接続部11は、軸方向一端側に設けられ軸方向他方側に向かって拡径するように形成された第一断面台形状部111、この第一断面台形状部111の軸方向他方側に設けられる第一小径部112、この第一小径部112の軸方向他方側に設けられるフランジ状部113、このフランジ状部113の軸方向他方側に設けられる第二小径部114、この第二小径部114の軸方向他方側に設けられる第二断面台形状部115、および、この第二断面台形状部115の軸方向他方側に設けられる円筒状部116を一体的に備えて形成されている。
このチューブ接続部11の内部には、ガソリン燃料流路が貫通形成されている。また、第一小径部112の外周には、ゴム製の外周環状シール部材21が嵌められている。このように構成されるチューブ接続部11の外周には、樹脂チューブ2が軸方向他端から嵌め付けられて、樹脂チューブ2と接続される。チューブ接続部11のフランジ状部113の軸方向他端外周縁および第二断面台形状部115の軸方向他端外周縁は、樹脂チューブ2に食い込んで樹脂チューブ2に対する抜け止めとして機能する。
パイプ挿入部12は、チューブ接続部11の軸方向他方側に一体的に筒状に形成され、チューブ接続部11の外径よりも大径に形成され、さらに軸方向他方側に向かって段階的に大径となるように形成されている。このパイプ挿入部12は、チューブ接続部11の軸方向他方側に一体的に設けられたパイプ支持部13と、パイプ支持部13の軸方向他方側に設けられたシール部14と、シール部14の軸方向他方側に設けられたリテーナ保持部15とを備えている。パイプ挿入部12の外径および内径は、パイプ支持部13、シール部14、リテーナ保持部15の順に、大径となるように形成されている。
パイプ支持部13は、チューブ接続部11の外径よりも大径となる外径に形成され、チューブ接続部11の内径よりも大径となる内径に形成されている。このパイプ支持部13は、パイプ体3(図6に示す)の先端筒部31の外径とほぼ等しい内径を有し、パイプ体3の先端筒部の外周面をガタがないように支持する。シール部14の内径は、パイプ体3の先端筒部31の外径よりも大径に形成されている。このシール部14の内周側には、例えばフッ素ゴム製の一対の内周環状シール部材22,23と、一対の内周環状シール部材22,23の軸方向の間に挟まれるようにして樹脂製のカラー30を収容している。一対の内周環状シール部材22,23の内径は、パイプ体3の先端筒部31の外径よりも小径に形成されている。従って、パイプ体3の先端筒部31がシール部14に挿入されることで、一対の内周環状シール部材22,23が圧縮変形して、シール部14の内周面とパイプ体3の先端筒部31の外周面との間をシールすることができる。また、カラー30の内径は、パイプ体3の先端筒部31の外径とほぼ等しく形成されている。
また、シール部14の内周面の軸方向他方側には、樹脂製のブッシュ40が嵌め付けられている。ブッシュ40のうち軸方向中央より軸方向一方側の部位の内径は、パイプ体3の先端筒部31の外径とほぼ同一に設定されている。ブッシュ40のうちの軸方向他方側の内周面は、パイプ体3を挿入しやすくするために、軸方向他方側に向かって拡径している。
リテーナ保持部15は、スライドシール部材50およびリテーナ60を保持する。リテーナ保持部15は、径方向対称位置で、軸方向に延びる一対の第一溝部151,151が形成されている。さらに、リテーナ保持部15は、これらの一対の第一溝部151,151に対して周方向に90度ずれた径方向対称位置で、軸方向に延びる一対の第二溝部152、152が形成されている。つまり、リテーナ保持部15の内周面は、軸方向に見て十字状の孔が形成されているようになる。
一対の第一溝部151,151は、リテーナ60をリテーナ保持部15に挿入する際に、リテーナ60の一対のハウジング係合脚部63,63をガイドする。また、一対の第二溝部152,152は、リテーナ60をリテーナ保持部15に挿入する際に、リテーナ60の一対のパイプ体係合脚部62,62をガイドする。この一対の第二溝部152,152の溝側面には、軸直交方向断面形状が三角形状となる側面溝152a,152aが形成されている。この側面溝152a,152aは、スライドシール部材50をリテーナ保持部15に挿入する際に、スライドシール部材50の弾性脚部513の突起513aをガイドする。
さらに、リテーナ保持部15には、この一対の第一溝部151,151のうち軸方向中央部より軸方向他方端側の位置で径方向外側に開口する初期位置決め用孔153,153(初期位置決め用凹部)と、一対の第一溝部151,151のうち軸方向中央部より軸方向一方端側の位置で径方向外側に開口する確認固定孔154,154(確認固定凹部)が形成されている。さらに、リテーナ保持部15には、一対の第二溝部152,152のうち軸方向中央部より軸方向一方端側の位置で径方向外側に開口するスライドシール用ガイド孔155,155(第一、第二ガイドレール)が形成されている。このスライドシール用ガイド孔155,155は、それぞれ、軸中心を対称とする径方向外側に向かって延びるように形成されている。このスライドシール用ガイド孔155,155は、第一,第二スライドシール部材51,52のそれぞれを、径方向にガイドする。
さらに、スライドシール用ガイド孔155,155の径方向外側の開口端縁における周方向幅は、スライドシール用ガイド孔155の径方向内側における周方向幅よりも大きく形成されている。このスライドシール用ガイド孔155,155の径方向外側の開口端縁155aにおける周方向幅は、第二溝部152に両側の溝側面に形成される側面溝152a,152aの周方向幅とほぼ等しくされている。
スライドシール部材50は、樹脂製で一体的に形成されており、図1および図3に示すように、分割可能に形成された第一スライドシール部材51および第二スライドシール部材52により構成される。
第一スライドシール部材51は、厚みのある三日月型に形成された本体部511(スライドシール部材本体)と、本体部511の厚み方向端面側であって凹部側に半円弧状の閉塞板部512と、本体部511の厚み方向端面側であって凸部側に延びるように形成された一対の弾性脚部513,513と、本体部511の凹部側と閉塞板部512とを繋ぐように形成された傾斜部514とを備える。
本体部511における三日月型の角部間距離は、リテーナ保持部15に形成されるスライドシール用ガイド孔155の周方向の距離とほぼ等しく形成されている。つまり、本体部511は、スライドシール用ガイド孔155を径方向にスライド可能となるように形成されている。
そして、閉塞板部512と本体部511の端面とを合わせた形状は、ほぼ半円状となり、この半円状の大きさは、ブッシュ40の軸方向他方側の内周面開口の半分を被覆する大きさからなる。また、弾性脚部513,513は、相互に平行に形成されており、本体部511に対して弾性変形可能であって、それ自体も弾性変形可能となるように設けられている。一対の弾性脚部513,513は、本体部511における弾性脚部513,513の対向方向幅と同程度となるように設けられている。さらに、この弾性脚部513,513には、相互に対向する方向に対して外側に、突起513a,513aが一体的に形成されている。この突起513a,513aは、本体部511における弾性脚部513,513の対向方向幅方向に僅かに突出している。傾斜部514は、本体部511における三日月型の角部間幅に対してほぼ中央に設けられている。
第二スライドシール部材52は、第一スライドシール部材51と同じ形状である。そして、スライドシール部材50の製造初期状態においては、第一スライドシール部材51の閉塞板部512と第二スライドシール部材52の閉塞板部とが接合した状態となり、それぞれの弾性脚部513,513が反対方向に延びるように、一体的に形成されている。両者の接合部は、僅かな部分としており、力を付与することで、両者が分離できるような構成としている。
そして、第一,第二スライドシール部材51,52が一体的に接合されている状態において、両者の閉塞板部512と本体部511の端面とを合わせた形状は、ほぼ円形状となり、この円形状の大きさは、ブッシュ40の軸方向他方側の内周面開口の全体を被覆する大きさとなる。また、第一,第二スライドシール部材51,52が一体的に接合されている状態において、それぞれの本体部511の軸方向他方側の径方向内側の対向距離は、パイプ体3の先端筒部31の最先端湾曲部の外径に等しく設定されている。
このように一体的に形成されるスライドシール部材50は、コネクタハウジング10のリテーナ保持部15に軸方向他方側から軸方向一方側に向かって挿入される。このとき、スライドシール部材50は閉塞板部512が軸方向一方側に位置する状態として挿入される。また、弾性脚部513の突起513aがリテーナ保持部15の側面溝152aにガイドされながら、スライドシール部材50がリテーナ保持部15に挿入される。
リテーナ60は、図1および図4に示すように、支持部61と、一対のパイプ体係合脚部62,62と、一対のハウジング係合脚部63,63とを一体的に備える。リテーナ60は、例えば、ポリアミド製である。支持部61は、通過孔61aを有する円環状の薄肉に形成されている。支持部61の外径は、コネクタハウジング10のリテーナ保持部15の軸方向他端の外径とほぼ等しく形成されている。この支持部61の通過孔61aの内径は、パイプ体3の先端筒部31より根本側に設けられる環状係合突部32の外径よりも大きく設定されている。つまり、支持部61の通過孔61aを、パイプ体3の環状係合突部32が通過できる。
パイプ体係合脚部62,62は、支持部61の裏面(軸方向一方側の面)の径方向対称位置から軸方向一方側に延びるように形成されている。このパイプ体係合脚部62は、支持部61の裏面から軸方向一方側の延び支持部61と一体的に形成された 外方弾性変形脚部621と、外方弾性変形脚部621の軸方向一端部に一体的に設けられた係合固定部622(パイプ体係合部)とを備える。
一対のパイプ体係合脚部62,62のそれぞれの外方弾性変形脚部621,621が平行に対向するように設けられている。これらの外方弾性変形脚部621は、支持部61に対して径方向外側に向かって弾性変形可能に設けられている。外方弾性変形脚部621の径方向外側面は、軸方向断面形状において直線状に形成されている。そして、対向する外方弾性変形脚部621,621の径方向外側面の離間距離は、第二溝部152,152の溝底間距離より小さく設定されている。また、対向する外方弾性変形脚部621,621の径方向内側面の対向距離は、軸方向一方側から軸方向他方側に向かって拡大するように設定されている。弾性変形していない状態において、当該対向距離における軸方向一方側は、パイプ体3の先端筒部31の外径よりも大きく、且つ、パイプ体3の環状係合突部32の外径よりも小さく設定されている。さらに、当該対向距離における軸方向他方側は、支持部61の通過孔61aの内径とほぼ等しく設定されている。
係合固定部622は、外方弾性変形脚部621の軸方向一方端に、外方弾性変形脚部621に対して軸方向に連設するように設けられている。この係合固定部622の内周面には、周方向に溝622aが形成されている。一対の係合固定部622,622の溝622a,622aが、パイプ体3の環状係合突部32の外径よりも大きな環状溝の一部を形成するようにされている。つまり、係合固定部622において溝622aの軸方向一方側および軸方向他方側における内径は、パイプ体3の環状係合突部32の外径よりも小さく、且つ、パイプ体3の先端筒部31の外径よりも大きく設定されている。さらに、係合固定部622の径方向外側面のうち、周方向中央部には、逃がし凹部622bが形成されている。この逃がし凹部622bは、最終組付状態において、スライドシール部材50の傾斜部514に干渉しないようにするための部位である。
ハウジング係合脚部63,63は、支持部61の裏面の、パイプ体係合脚部62,62と周方向に90度ずれた径方向対称位置から軸方向一方側に延びるように形成されている。ハウジング係合脚部63,63は、支持部61の裏面から軸方向一方側に延び、支持部61と一体的に形成された内方弾性変形脚部631と、内方弾性変形脚部631の軸方向一端部に一体的に設けられ径方向外側に突出する係合突起部632(ハウジング係合突部)とを備える。
一対のハウジング係合脚部63,63のそれぞれの内方弾性変形脚部631,631が平行に対向するように設けられている。これらの内方弾性変形脚部631は、支持部61に対して径方向内側に向かって弾性変形可能に設けられている。内方弾性変形脚部631の径方向外側面は、軸方向断面形状において直線状に形成されている。そして、対向する内方弾性変形脚部631,631の径方向外側面の離間距離は、第一溝部151,151の溝底間距離とほぼ等しく設定されている。また、対向する内方弾性変形脚部631,631の径方向内側面の対向距離は、パイプ体3の環状係合突部32の外径より僅かに大きく設定されている。係合突起部632の軸方向他端面632aは、軸方向にほぼ直交するように形成されている一方、係合突起部632の軸方向一方側の面632bは、径方向外側に向かって軸方向他方側に傾斜している。
(組付工程)
次に、上述のように構成されたクイックコネクタ1にパイプ体3を接続して、本発明の配管接続構造を構成する場合の手順について図5〜図9を参照して説明する。
次に、上述のように構成されたクイックコネクタ1にパイプ体3を接続して、本発明の配管接続構造を構成する場合の手順について図5〜図9を参照して説明する。
まず、コネクタハウジング10に、内周環状シール部材22,23、カラー30、ブッシュ40、スライドシール部材50およびリテーナ60を初期状態位置において位置決めし、パイプ体3を挿入する前までの状態について、図5(a)〜図5(d)を参照して説明する。コネクタハウジング10のパイプ挿入部12のシール部14に、内周環状シール部材22、カラー30、内周環状シール部材23の順に、軸方向一方側に向かって挿入する。続いて、ブッシュ40を、シール部14の軸方向一方側に向かって挿入する。このようにして、コネクタハウジング10のシール部14の内周面とパイプ体3の先端筒部31の外周面とシールする部位を形成する(シール部形成工程)。
続いて、スライドシール部材50をパイプ挿入部12のリテーナ保持部15の軸方向他方側から軸方向一方側に向かって挿入する。このとき、スライドシール部材50を構成する第一,第二スライドシール部材51,52は、一体的に接合された状態である。この一体的なスライドシール部材50は、閉塞板部512が軸方向一方側を向くようにし、且つ、4カ所の弾性脚部513の突起513aが第二溝部152の側面溝152aにガイドされるように挿入される。閉塞板部512の軸方向一端面がブッシュ40の軸方向他端面に当接し、且つ、スライドシール部材50はブッシュ40の軸方向他方側の開口部を閉塞した状態となる。このようにして、スライドシール部材50は、スライド初期位置(径方向第一位置)に位置決めされる(スライドシール部材初期設置工程)。
続いて、リテーナ60をコネクタハウジング10のリテーナ保持部15の軸方向他方側から軸方向一方側に向かって挿入する。このとき、リテーナ60を構成する一対のパイプ体係合脚部62,62のそれぞれが、第二溝部152,152のそれぞれにガイドされながら挿入される。また、リテーナ60を構成する一対のハウジング係合脚部63,63のそれぞれが、第一溝部151,151のそれぞれにガイドされながら挿入される。この際、ハウジング係合脚部63の係合突起部632は、リテーナ保持部15の第一溝部151の溝底に干渉する。そのため、ハウジング係合脚部63の内方弾性変形脚部631が径方向内側に向かって弾性変形しながら、ハウジング係合脚部63は第一溝部151を軸方向一方側に進行する。そして、ハウジング係合脚部63の係合突起部632がリテーナ保持部15の初期位置決め用孔153に到達したときに、内方弾性変形脚部631が弾性復帰して、係合突起部632が初期位置決め用孔153に嵌り込む。この状態において、係合突起部632の軸方向他端面が、初期位置決め用孔153に引っ掛かり、リテーナ60がリテーナ保持部15から離脱することが防止されている(リテーナ初期位置決め工程)。
続いて、パイプ体3の先端筒部31を初期組付状態のクイックコネクタ1に挿入した状態について図6(a)〜図6(c)を参照して説明する(パイプ体最先端挿入工程)。パイプ体3をコネクタハウジング10のリテーナ保持部15に挿入する。リテーナ60の内側面はパイプ体3の先端筒部31に干渉しないため、パイプ体3の先端筒部31はリテーナ60を通過する。その後、パイプ体3の先端筒部31の最先端湾曲部が、スライドシール部材50を構成する第一,第二スライドシール部材51,52の本体部511の軸方向他方側の内側面に当接する。
さらに、パイプ体3を軸方向一方側に向かって進行させると、パイプ体3の先端筒部31の最先端湾曲部が、第一,第二スライドシール部材51,52に対してそれぞれ対称な径方向外側に向かって移動させる力を発揮する。その結果、第一,第二スライドシール部材51,52は、分離して、スライドシール用ガイド孔155にガイドされながら径方向外側にスライドする。
さらに、パイプ体3を軸方向一方側に向かって進行させると、パイプ体3の先端筒部31の最先端湾曲部が、第一,第二スライドシール部材51,52の傾斜部514に当接する。その結果、第一,第二スライドシール部材51,52は、さらに径方向外側に向かってスライドする。そして、パイプ体3の先端筒部31の最先端湾曲部が第一,第二スライドシール部材51,52を通過する。
ここで、第一,第二スライドシール部材51,52の弾性脚部513の突起513aは、リテーナ保持部15のスライドシール用ガイド孔155の周方向幅に対して突出している。従って、第一,第二スライドシール部材51,52がスライドシール用ガイド孔155を径方向外側にスライドする際には、弾性脚部513が弾性変形している。そして、第一,第二スライドシール部材51,52が径方向外側にスライドして、突起513aがスライドシール用ガイド孔155の開口端縁155aに到達したときに、弾性脚部513が弾性復帰する。このとき、突起513aが開口端縁155aに係合することで、第一,第二スライドシール部材51,52は径方向内側に向かう移動が規制されている。また、第一,第二スライドシール部材51,52の本体部511の径方向外側には、第二溝部152の溝底が対向しているため、第一,第二スライドシール部材51,52は第二溝部152の溝底よりも径方向外側へ移動することが規制されている。ただし、この時点においては、第一,第二スライドシール部材51,52の径方向外側面と第二溝部152の溝底との間には、まだ隙間が存在している。このようにして、第一,第二スライドシール部材51,52は、径方向第一段階位置に位置決めされる。
続いて、パイプ体3をさらに軸方向一方側に進行させて、パイプ体3の環状係合突部32をリテーナ60に係合させる状態について図7(a)〜図7(c)および図8(a)〜図8(c)を参照して説明する(パイプ係合工程)。図6(a)〜図6(c)の状態からパイプ体3をさらに軸方向一方側に進行させると、図7(a)〜図7(c)に示すように、パイプ体3の環状係合突部32がリテーナ60のパイプ体係合脚部62の外方弾性変形脚部621のテーパ状内周面を押圧する。そうすると、この外方弾性変形脚部621が径方向外側に弾性変形する。このとき、パイプ体係合脚部62の軸方向一端部は、第一,第二スライドシール部材51,52の本体部511の軸方向他端面に当接し、リテーナ60は軸方向一方側へ移動することを規制されている。従って、リテーナ60は軸方向の位置を移動せずに、パイプ体係合脚部62のみが径方向外側に弾性変形する。
そして、パイプ体3の環状係合突部32が外方弾性変形脚部621を軸方向一方側に通過すると、図8(a)〜図8(c)に示すように、外方弾性変形脚部621が径方向内側に弾性復帰すると共に、環状係合突部32が係合固定部622の溝622aに嵌り込む。
続いて、パイプ体3をさらに軸方向一方側に進行させて、パイプ体3をコネクタハウジング10に対して組付完了状態にさせる場合について図9(a)〜図9(c)を参照して説明する(パイプ係合工程)。
図8(a)〜図8(c)の状態からパイプ体3をさらに軸方向一方側に進行させると、パイプ体3の環状係合突部32にリテーナ60の係合固定部622が係合しているため、リテーナ60がパイプ体3と共に軸方向一方側へ進行する。そうすると、ハウジング係合脚部63の係合突起部632が、リテーナ保持部15の第一溝部151の溝底に干渉する。そのため、ハウジング係合脚部63の内方弾性変形脚部631が径方向内側に向かって弾性変形しながら、ハウジング係合脚部63は第一溝部151を軸方向一方側に進行する。そして、ハウジング係合脚部63の係合突起部632がリテーナ保持部15の確認固定孔154に到達したときに、内方弾性変形脚部631が弾性復帰して、係合突起部632が確認固定孔154に嵌り込む。この状態において、係合突起部632の軸方向他端面が、確認固定孔154に引っ掛かり、リテーナ60がリテーナ保持部15から離脱することが防止されている。
この動作と同時に、リテーナ60のパイプ体係合脚部62が軸方向一方側へ進行すると、パイプ体係合脚部62の軸方向一端の面取部622cが、第一,第二スライドシール部材51,52の本体部511の軸方向他方側の内側面に当接する。さらに軸方向一方側へ進行すると、パイプ体係合脚部62の軸方向一端の面取部622cが、第一,第二スライドシール部材51,52に対してそれぞれ対称な径方向外側に向かって移動させる力を発揮する。その結果、第一,第二スライドシール部材51,52は、スライドシール用ガイド孔155にガイドされながらさらに径方向外側にスライドする。このとき、第一,第二スライドシール部材51,52の本体部511の径方向外側面と、第二溝部152の溝底との間には、非常に僅かな隙間が残されている状態となる。このようにして、第一,第二スライドシール部材51,52は、径方向第二段階位置(径方向第二位置)に位置決めされる。
さらに、パイプ体3を軸方向一方側に向かって進行させることで、リテーナ60のパイプ体係合脚部62は、パイプ体3の環状係合突部32と共に、第一,第二スライドシール部材51,52の径方向内側に進入する。このとき、第一,第二スライドシール部材51,52の傾斜部514は、リテーナ60のパイプ体係合脚部62の係合固定部622に設けられた凹部622bに嵌り込む。これによって、リテーナ60と傾斜部514とが干渉することなく、リテーナ60およびパイプ体3が軸方向一方側へ進行することができる。
このとき、図9(c)に示すように、第一,第二スライドシール部材51,52の弾性脚部513の先端は、リテーナ保持部15のスライドシール用ガイド孔155の開口端縁よりも、僅かに突出する状態となっている。
以上説明したように、コネクタハウジング10にパイプ体3を接続する。続いて、一度接続したパイプ体3をコネクタハウジング10から外して、再度組み付ける場合について説明する。図9(a)〜図9(c)に示すように、コネクタハウジング10にパイプ体3が接続されている状態において、リテーナ60のハウジング係合脚部63の係合突起部632を径方向内側へ押圧しながら、リテーナ60を軸方向他方に引き抜く。そうすると、パイプ体3は、リテーナ60のパイプ体係合脚部62の係合固定部622に係合しているため、リテーナ60と共にコネクタハウジング10から引き抜かれる。
その後に、第一,第二スライドシール部材51,52を径方向内側へ向かってスライドさせる。このとき、第一,第二スライドシール部材51,52の弾性脚部513を弾性変形させながら、突起513aがスライドシール用ガイド孔155の開口端縁155aに引っかからないようにしながら行う。そして、突起513aが第二溝部152の側面溝152aに位置して、弾性脚部513が弾性復帰する状態にさせる。このようにして、コネクタハウジング10からパイプ体3を取り外すことができる。
続いて、再度パイプ体3をコネクタハウジング10に組み付ける場合には、まずリテーナ60を上述したようにコネクタハウジング10に初期位置決めし、その後にパイプ体3を挿入する。
本実施形態のクイックコネクタによれば、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する前の状態において、スライドシール部材50がコネクタハウジング10の貫通孔を閉塞状態としている。従って、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する前の状態において、コネクタハウジング10の内部のうち内周環状シール部材22,23が配置される部位に、パイプ挿入部12の開口側から塵埃などの異物が侵入することを防止できる。
さらに、スライドシール部材50がコネクタハウジング10の貫通孔を連通状態とする径方向第二段階位置(径方向第二位置)への移動は、パイプ体3がパイプ挿入部12へ挿入される際の押圧力によって行われる。つまり、第一,第二スライドシール部材51,52の移動とパイプ体3の挿入とは、実質的に同時に行うことができる。従って、パイプ体3をコネクタハウジング10に挿入する前にスライドシール部材50を取り除く必要が無く、従来に比べて工程を削減することができる。さらに、第一,第二スライドシール部材51,52の移動とパイプ体3の挿入とが実質的に同時に行われるため、スライドシール部材50によりコネクタハウジング10の貫通孔を連通状態とした時には、既にパイプ体3がパイプ挿入部12に挿入されている状態となる。つまり、スライドシール部材50がコネクタハウジング10の貫通孔を連通状態としてから、パイプ体3がパイプ挿入部12に挿入されるまでの間に、時間差がない。従って、この間に塵埃などの異物がコネクタハウジング10の内部に侵入することを、確実に防止できる。
さらに、第一,第二スライドシール部材51,52は、パイプ挿入部12の内部においてスライド可能に設けられている。つまり、第一,第二スライドシール部材51,52は、コネクタハウジング10の外部に設けられているものではない。従って、クイックコネクタ1全体として小型化を図ることができる。
また、クイックコネクタ1は、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する際に、スライドシール部材50をパイプ挿入部12の内部においてスライドすることによって、コネクタハウジング10の貫通孔を連通状態としている。そして、第一,第二スライドシール部材51,52の本体部511は弾性変形することなく、弾性脚部513が弾性変形することによって、スライド可能な状態としている。従って、スライドシール部材50を樹脂により成形したとしても本体部511が形状劣化せず、パイプ体3をコネクタハウジング10から取り外し再度挿入する場合においても本体部511を初期状態位置に位置決めすることができ、コネクタハウジング10の貫通孔を閉塞状態にすることができる。
さらに、第一,第二スライドシール部材51,52は、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入した状態において、径方向第二段階位置にてパイプ挿入部12に保持されているようにしている。つまり、クイックコネクタ1の実際の使用状態において、第一,第二スライドシール部材51,52がコネクタハウジング10に取り付けられた状態となる。これにより、廃棄部品を削減することができる。
また、スライドシール部材50は、分離可能な第一,第二スライドシール部材51,52により形成され、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する際にそれぞれ軸中心を対称とする径方向外側へ向かって移動することによってコネクタハウジング10の貫通孔を連通状態としている。これにより、連通状態となる径方向第二段階位置に内蔵されている第一,第二スライドシール部材51,52が、コネクタハウジング10に対する径方向外方への突出量を小さくできる。つまり、パイプ挿入状態において、クイックコネクタ1の小型化を図ることができる。特に、第一,第二スライドシール部材51,52は、軸中心を対称とする径方向外側のそれぞれに向かってスライドする。このことにより、より確実に小型化を図ることができると共に、パイプ挿入部12のスライドシール用ガイド孔155の成形が容易となる。
また、スライドシール部材50は、最初にパイプ体3をパイプ挿入部12に挿入する前において一体的に結合された状態で形成され、パイプ体3をパイプ挿入部12に初めて挿入する際にそれぞれ分離するようにしている。これにより、製造初期状態におけるスライドシール部材50の加工が容易となり、製造初期状態の部品点数を少なくできる。また、初期状態位置において、スライドシール部材50は、塵埃などの異物侵入を防止する効果を確実に発揮できる。
また、スライドシール部材50は、弾性脚部513の突起513aと第二溝部152の側面溝152aとによって初期状態位置に位置決めできる。さらに、パイプ体3をパイプ挿入部12に挿入した後において、弾性脚部513が弾性復帰して、スライドシール用ガイド孔155の開口端縁155aに係止する状態で、第一,第二スライドシール部材51,52は、径方向第二段階位置に位置決めされている。これにより、パイプ体3がパイプ挿入部12に挿入された後において、弾性脚部513が弾性変形している状態を継続することを回避できる。仮に、パイプ体3がパイプ挿入部12に挿入された後においても、弾性脚部513が弾性変形している状態を継続すると、弾性脚部513の形状が変化するおそれがある。特に、スライドシール部材50を樹脂により形成する場合には、弾性脚部513の形状変化が著しい。しかし、弾性脚部513が弾性変形している状態を継続することを回避できるため、弾性脚部513の形状が変化することを防止できる。従って、例えば、保守の際などにパイプ体3をコネクタハウジング10から外してから再度挿入するまでの間に、弾性脚部513によるスライドシール部材50の初期状態位置への位置決め機能を確実に発揮させることができる。
また、本実施形態のクイックコネクタ1によれば、リテーナ60が軸方向の初期位置決め位置(軸方向第一位置)から組付完了状態位置(軸方向第二位置)へ移動することにより、パイプ体3が正常にクイックコネクタ1に接続されているか否かを判断できる。この構成において、スライドシール部材50が、異物侵入の防止効果に加えて、パイプ体3の環状係合突部32がリテーナ60に挿入される前の状態においてリテーナ60の移動を規制する効果を発揮する。これにより、リテーナ60の移動を規制するための専用部材を用いる必要がなくなる。また、専用部材を用いる場合には、当該専用部材は、クイックコネクタ1の実使用状態において不要な部品となるおそれがあった。しかし、スライドシール部材50がパイプ挿入部12における径方向第二段階位置にて保持できるようにすることで、リテーナの移動を規制するための部材としてのスライドシール部材50をクイックコネクタ1の実使用状態において不要な部品ではなくすることができる。
<第二実施形態>
第二実施形態のスライドシール部材250について、図10〜図11を参照して説明する。図10(a)〜図10(f)に示すように、第二実施形態のスライドシール部材250は、第一実施形態のスライドシール部材50に対して、さらに連結部材515を備える。
第二実施形態のスライドシール部材250について、図10〜図11を参照して説明する。図10(a)〜図10(f)に示すように、第二実施形態のスライドシール部材250は、第一実施形態のスライドシール部材50に対して、さらに連結部材515を備える。
連結部材515は、一対の弾性脚部513の先端を連結し、連結方向の中央部が肉厚に形成され、連結方向の両端側が薄肉に形成されている。つまり、連結部材515の両端側が、中央部に比べて弾性変形しやすく形成されている。
そして、このスライドシール部材250を用いた場合において、コネクタハウジング10のパイプ挿入部12にパイプ体3を挿入すると、図11(a)〜図11(d)に示すように順に径方向外側にスライドする。この動作は、実質的に第一実施形態と同様である。ただし、第一,第二スライドシール部材251,252が径方向外側へスライドする際に、一対の弾性脚部513が相互に接近する方向に弾性変形すると同時に、連結部材515の両端側が弾性変形する。
さらに、パイプ体3をコネクタハウジング10に組み付けた後に、パイプ体3をコネクタハウジング10から取り外す場合、連結部材515の中央部を径方向内側に向かって押圧することで、弾性脚部513が弾性変形し、突起513aがスライドシール用ガイド孔155の開口端縁155aから係合離脱する。従って、連結部材515の中央部を径方向内側に押圧することによって、第一,第二スライドシール部材251,252が初期状態位置にスライドする。このように、第一,第二スライドシール部材251,252を径方向第二段階位置から初期状態位置へ容易に戻すことができる。
<第三実施形態>
第三実施形態のスライドシール部材350について、図12および図13を参照して説明する。図12(a)〜図12(f)に示すように、第三実施形態のスライドシール部材350は、第一実施形態のスライドシール部材50に対して、弾性脚部513の形状が相違する。このスライドシール部材350の弾性脚部516は、本体部511の外周面のうち、幅方向中央部に立設された支持部516aと、支持部516aから幅方向の両側にそれぞれ延びる弾性変形部516bと、それぞれの弾性変形部516bの先端側に幅方向外側に突出する突起516cとを備える。
第三実施形態のスライドシール部材350について、図12および図13を参照して説明する。図12(a)〜図12(f)に示すように、第三実施形態のスライドシール部材350は、第一実施形態のスライドシール部材50に対して、弾性脚部513の形状が相違する。このスライドシール部材350の弾性脚部516は、本体部511の外周面のうち、幅方向中央部に立設された支持部516aと、支持部516aから幅方向の両側にそれぞれ延びる弾性変形部516bと、それぞれの弾性変形部516bの先端側に幅方向外側に突出する突起516cとを備える。
このスライドシール部材350を用いた場合において、コネクタハウジング10のパイプ挿入部12にパイプ体3を挿入すると、図13(a)〜図13(d)に示すように順に径方向外側にスライドする。ここで、図13(a)(b)に示す初期設置工程において、突起516cが側面溝152aに係合することで位置決めされている。
そして、図13(a)(b)の状態から図13(c)の状態へ移動する際に、弾性脚部516の弾性変形部516bが弾性変形することによって、突起516cが側面溝152aに対して係合離脱する。そして、第一,第二スライドシール部材351,352が径方向外側へスライド可能な状態となる。その後、図13(c)(d)に示すように、パイプ体3がパイプ挿入部12に挿入された状態において、弾性脚部516の弾性変形部516bは弾性復帰して、突起516cは、スライドシール用ガイド孔155の開口端縁155aに係合する。スライドシール部材350を上述した構成とした場合にも、第一実施形態と同様の効果を奏する。
<第四実施形態>
第四実施形態のスライドシール部材450について、図14〜図17を参照して説明する。図14に示すように、第四実施形態のスライドシール部材450は、第一,第二スライドシール部材451,452により構成される。第一,第二スライドシール部材451,452は、第二実施形態の第一,第二スライドシール部材251,252に対して、さらに付勢部材517を備える構成からなる。そこで、第一,第二スライドシール部材251,252と共通する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第四実施形態のスライドシール部材450について、図14〜図17を参照して説明する。図14に示すように、第四実施形態のスライドシール部材450は、第一,第二スライドシール部材451,452により構成される。第一,第二スライドシール部材451,452は、第二実施形態の第一,第二スライドシール部材251,252に対して、さらに付勢部材517を備える構成からなる。そこで、第一,第二スライドシール部材251,252と共通する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
付勢部材517は、本体部511の外周面に設けられ、第二溝部152の溝底に対向するように設けられている。つまり、付勢部材517は、本体部511の外周面と第二溝部152の溝底との間に設けられている。そして、付勢部材517は、径方向内側に向かって弾性変形可能となるように、「へ」の字型に形成されている。
このように構成されるスライドシール部材450を用いた場合には、スライドシール部材初期設置工程において、図15(a)〜図15(c)に示すように、付勢部材517は、第二溝部152の溝底に対して、十分に距離を隔てている。そして、パイプ体3の先端筒部31をスライドシール部材450の内部に進入させた場合には、図16(a)〜図16(c)に示すように、付勢部材517は第二溝部152の溝底に対して押圧されて、径方向内側に弾性変形する。つまり、付勢部材517は、コネクタハウジング10のパイプ挿入部12に対して本体部511を径方向内側に向かって付勢している。
さらに、パイプ体3をクイックコネクタ1に対して組付完成状態となると、図17(a)〜図17(c)に示すように、付勢部材517は、さらに弾性変形して、コネクタハウジング10のパイプ挿入部12に対して本体部511を径方向内側に向かう付勢力を高める状態となる。このようにスライドシール部材450を構成することにより、スライドシール部材450を径方向第二段階位置から初期状態位置に確実に戻すことができる。
<第五実施形態>
第五実施形態のスライドシール部材550について、図18(a)〜図18(f)を参照して説明する。本実施形態のスライドシール部材550は、第一,第二スライドシール部材551,552により構成される。第一,第二スライドシール部材551,552は、第一実施形態の第一,第二スライドシール部材51,52に対して、弾性脚部518の形状が相違する構成からなる。その他の構成は、実質的に同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第五実施形態のスライドシール部材550について、図18(a)〜図18(f)を参照して説明する。本実施形態のスライドシール部材550は、第一,第二スライドシール部材551,552により構成される。第一,第二スライドシール部材551,552は、第一実施形態の第一,第二スライドシール部材51,52に対して、弾性脚部518の形状が相違する構成からなる。その他の構成は、実質的に同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
このスライドシール部材550の一対の弾性脚部518は、先端側に行くにつれて相互に対向する方向に接近するように湾曲形成されている。つまり、弾性脚部518は相互に対向する方向に弾性変形しやすい形状に形成されている。さらに、突起518aが、弾性脚部518の根元付近に形成されている。この場合にも第一実施形態と同様の効果を奏する。
<第六実施形態>
第六実施形態のクイックコネクタについて説明する。なお、本実施形態のクイックコネクタについては、図示しない。第一実施形態のクイックコネクタを構成するスライドシール部材50は、2つに分離するように構成した。この他に、スライドシール部材50は、初期設置状態においても、且つ、パイプ体3の移動に伴って径方向外側に移動する際においても、一体的に形成された状態を維持するようにしてもよい。つまり、スライドシール部材50は、常に一体的な部材に形成される。
第六実施形態のクイックコネクタについて説明する。なお、本実施形態のクイックコネクタについては、図示しない。第一実施形態のクイックコネクタを構成するスライドシール部材50は、2つに分離するように構成した。この他に、スライドシール部材50は、初期設置状態においても、且つ、パイプ体3の移動に伴って径方向外側に移動する際においても、一体的に形成された状態を維持するようにしてもよい。つまり、スライドシール部材50は、常に一体的な部材に形成される。
さらに、この状態において、スライドシール部材50は、パイプ体3をコネクタハウジング10に対して組付完成状態とした場合において、コネクタハウジング10から離脱できるように構成してもよい。
<第七実施形態>
第七実施形態のクイックコネクタ7について図19〜図23を参照して説明する。本実施形態のクイックコネクタ7は、パイプ体3に結合されるコネクタであって、コネクタハウジング70と、外周環状シール部材21と、内周環状シール部材22,23と、カラー30と、ブッシュ40と、リテーナ80と、コネクタハウジング70に外装保持され、コネクタハウジング70にパイプ体3が結合されたことを確認するためのチェック部材90と、から構成されている。以下に、各構成部品について、詳細に説明する。
第七実施形態のクイックコネクタ7について図19〜図23を参照して説明する。本実施形態のクイックコネクタ7は、パイプ体3に結合されるコネクタであって、コネクタハウジング70と、外周環状シール部材21と、内周環状シール部材22,23と、カラー30と、ブッシュ40と、リテーナ80と、コネクタハウジング70に外装保持され、コネクタハウジング70にパイプ体3が結合されたことを確認するためのチェック部材90と、から構成されている。以下に、各構成部品について、詳細に説明する。
コネクタハウジング70は、例えばガラス繊維強化ポリアミド樹脂製であって、軸方向一方側から軸方向他方側に亘って貫通した筒状に形成されている。コネクタハウジング70は、軸方向一方側に樹脂チューブ2を接続するチューブ接続部71が設けられ、軸方向他方側にパイプ体3を挿入可能な開口形成され且つチューブ接続部71と同軸的な位置にパイプ挿入部72が設けられている。チューブ接続部71は、第一実施形態のコネクタハウジング10のチューブ接続部11と同様の構成からなるため、説明を省略する。
パイプ挿入部72は、チューブ接続部71の軸方向他方側に一体的に筒状に形成され、チューブ接続部71の外径よりも大径に形成され、さらに軸方向他方側に向かって段階的に大径となるように形成されている。このパイプ挿入部72は、チューブ接続部71の軸方向他方側に一体的に設けられたパイプ支持部73と、パイプ支持部73の軸方向他方側に設けられたシール部74と、シール部74の軸方向他方側に設けられたリテーナ保持部75とを備えている。パイプ挿入部72の外径および内径は、パイプ支持部73、シール部74、リテーナ保持部75の順に、大径となるように形成されている。
ここで、パイプ挿入部72のパイプ支持部73およびシール部74は、第一実施形態におけるパイプ挿入部12のパイプ支持部13およびシール部14とほぼ同様の構成からなるため、説明を省略する。
リテーナ保持部75は、スライドシール部材50およびリテーナ80を保持する。リテーナ保持部75は、互いに平行に延びる一対の平坦壁部751,751と、各平坦壁部751,751の上端同士及び下端同士をそれぞれ一体的に接続する一対の円弧壁部752,752とからなる。そして、各円弧壁部752,752の周方向中央部には、半径方向に貫通し互いに対向するように周方向に配設された長方形状の窓部753,753がそれぞれ設けられている。
ここで、パイプ挿入部72の軸直角断面において、相互に対向するように配設された両窓部753,753の該対向方向と平行に延びる中心軸を第1の対称軸P(図22に示す)とし、この対称軸Pと直交する第2の対称軸Q(図22に示す)とする。この場合、両平坦壁部751,751は、この第1の対称軸Pと平行に延びている。また、上記両窓部753,753の二組の周方向端部753aは、第1の対称軸Pと平行に延びる対向平行面とされている。両窓部753,753は、第2の対称軸Qに対しても対称に形成されている。これらの構成により、パイプ挿入部72は、第1の対称軸Pに対して対称形状とされるとともに、第2の対称軸Qに対しても対称形状とされている。そして、チェック部材90も後述するように第2の対称軸Qに対して対称形状とされていることから、パイプ挿入部72に対して、チェック部材90を図22の右側からでも左側からでも装着することが可能となる。
さらに、リテーナ保持部75には、一対の窓部753,753に対して周方向に90度ずれた径方向対称位置であって、窓部753よりも軸方向一方側の位置に、径方向に貫通する一対のスライドシール用ガイド孔754,754が形成されている。このスライドシール用ガイド孔754は、第一実施形態のスライドシール用ガイド孔155に相当し、第一,第二スライドシール部材51,52のそれぞれを径方向に向かう移動をガイドする。このスライドシール用ガイド孔754の詳細形状は、図示しないが、第一実施形態のスライドシール用ガイド孔155とほぼ同様の形状に形成されている。つまり、スライドシール用ガイド孔754には、離間幅を拡大した側面溝および開口端縁が形成されている。従って、スライドシール部材50を初期状態位置に位置決めすることができ、第一,第二スライドシール部材51,52が径方向外側の第二段階径方向位置に位置決めすることができる。
リテーナ80は、弾性変形可能な例えばポリアミド樹脂製よりなり、リテーナ保持部75内に挿入保持されている。リテーナ80は、周方向両端部間に比較的大きな変形用隙間が設けられた断面C形状又はC字状(ほぼ環状)の本体部81を有する。この本体部81の内面は、変形用隙間と対向する部分を除いて軸方向一方側に向かって縮径する状態に形成されており、本体部81の軸方向一端部の内径は、変形用隙間と対向する部分を除いてパイプ体3の先端筒部31の外径とほぼ等しく設定され、環状係合突部32の外径よりも小さく設定されている。本体部81の変形用隙間と対向する部分の内面はほぼ円筒内面状に形成され、本体部81の変形用隙間と対向する部分の軸方向一端部には、切欠状凹部が形成されている。
本体部81の径方向対称位置には、径方向外側に突出した一対の爪部82,82が形成されている。各爪部82は、傾斜内面821と、係止段部822と、係止端部823とを有している。傾斜内面821は、リテーナ80がリテーナ保持部75内に挿入保持された状態で、リテーナ保持部75の軸方向他端の開口からから軸方向一方側に向かうにつれて径方向内側に傾斜している。この傾斜内面821の径方向断面形状は、円弧状に形成されている。そして、この傾斜内面821は、パイプ体3の挿入時に環状係合突部32が押圧摺接する。
係止段部822は、リテーナ保持部75の窓部753の軸方向端部と係止してリテーナ80の抜けを規制する。係止端部823は、パイプ体3とコネクタハウジング70との結合時に環状係合突部32と係止してパイプ体3の抜けを規制する。なお、各爪部82の軸方向一方側には、パイプ体3とコネクタハウジング70との結合時に環状係合突部32が入り込むスリット83,83が対向して形成されており、このスリット83,83の軸方向他方側がパイプ体3の抜けを規制する上記係止端部823を構成している。
本体部81の軸方向他端には、爪部82,82と対応した位置から軸方向他方側に向かって径方向外側に傾斜して延びる一対の操作アーム84,84が一体的に設けられており、各操作アーム84,84の軸方向他端には径方向外側に突出した操作端部が形成されている。操作アーム84,84の内面は、傾斜内面821に連続的に繋がるように、断面円弧状であって、軸方向他端側に向かって中心又は中心軸方向にほぼテーパ状に傾斜している。そして、パイプ体3を操作アーム84,84の操作端部側からリテーナ80の本体部81内に挿入するときに、パイプ体3の環状係合突部32が当該操作アーム84の内面または傾斜内面821に当接するように、操作アーム84の内面及び傾斜内面821が形成されている。なお、リテーナ80は、リテーナ保持部75内への挿入のし易さを考慮して、リテーナ保持部75に対して僅かに軸方向に相対移動可能な状態で保持されている。
チェック部材90は、C字形状部91と、一対の係止突起部92,92と、取手部93とを有しており、これらは樹脂により一体に形成されている。C字形状部91は、弾性変形により拡径可能な形状をなしている。一対の係止突起部92,92は、C字形状部91の両端部から内方に一体的に突出されている。取手部93は、リング状に形成されており、C字形状部91の周方向中央から半径方向外方に一体的に延設されている。この取手部93には、チェック部材90がリテーナ保持部75から引き抜かれる際に手指等が掛けられて、引き抜き力が作用する。なお、このチェック部材90は、C字形状部91の周方向の中央及び両係止突起部92,92間の中心を通る中心線を対称軸とした対称形状とされている。
このチェック部材90は、C字形状部91を弾性変形により拡径した状態にして、C字形状部91の両端部の係止突起部92,92をリテーナ保持部75の窓部753,753から挿入して、リテーナ保持部75に装着することができる。C字形状部91の内周面形状は、リテーナ保持部75の外周面形状と対応しており、チェック部材90がリテーナ保持部75に外装保持された状態で、C字形状部91の内周面はリテーナ保持部75の外周面と圧接状態で密接している。
各係止突起部92,92は、第一係止部921,921と、先端当接部922,922と、傾斜第二係止部923,923とをそれぞれ有している。第一係止部921,921は、パイプ体3がコネクタハウジング70に結合される前の状態で、リテーナ保持部75の窓部753の周方向端部753aと係止してチェック部材90がリテーナ保持部75から軸直角方向に引き抜かれることを規制する。
先端当接部922,922は、パイプ体3がコネクタハウジング70に結合される前の状態で、パイプ体3の挿入時における環状係合突部32の軌跡内に位置する。さらに、先端当接部922,922は、パイプ体3の挿入完了時に、環状係合突部32で押圧されて径方向外側に移動してC字形状部91を拡径させる。
傾斜第二係止部923,923は、パイプ体3の挿入完了時に、リテーナ保持部75の窓部753の周方向端縁と係止してC字形状部91の弾性復帰力によりチェック部材90がリテーナ保持部75から軸直角方向に外れることを規制する。さらに、傾斜第二係止部923,923は、パイプ体3の挿入完了後であって、チェック部材90をリテーナ保持部75から軸直角方向に引き抜く際に、リテーナ保持部75の窓部753の周方向端縁との摺接を介してC字形状部91をさらに拡径すべく、リテーナ保持部75の求心方向に向かって傾斜して延在する。
なお、チェック部材90がリテーナ保持部75に外装保持された状態において、係止突起部92は、リテーナ80の爪部82の係止段部822よりもリテーナ保持部75の軸方向一方側の位置で、リテーナ保持部75の窓部753からリテーナ保持部75内にそれぞれ挿入される。詳細には、リテーナ80のスリット83が形成されている軸方向位置に、チェック部材90の係止突起部92が挿入される。また、本実施形態では、各係止突起部92の先端当接部922は、チェック部材90がリテーナ保持部75に外装保持され、かつ、パイプ体3がコネクタハウジング70に結合される前の状態で、挿入されるパイプ体3の先端筒部31の外周面と摺接可能な位置までコネクタハウジング70内に進入している。つまり、係止突起部92の先端当接部922は、リテーナ80のスリット83を外側から内側に向かって通過している。
また、各係止突起部92におけるC字形状部91側の基端(係止突起部92とC字形状部91と境界)には、凹状の欠切部が設けられている。この欠切部と傾斜第二係止部923との境界部が第一係止部921とされている。また、リテーナ保持部75の各窓部753の各周方向端部同士を結ぶ直線と、リテーナ保持部75の平坦壁部751の外面との距離は、各第一係止部921,921同士を結ぶ直線と、C字形状部91の平坦部の内面との距離よりも若干大きくなるように、C字形状部91やリテーナ保持部75等の寸法が設定されている。
これらの構成により、チェック部材90がリテーナ保持部75に外装保持された状態、すなわちチェック部材90の各係止突起部92の各第一係止部921が窓部753の周方向端部と係止した状態で、チェック部材90のC字形状部91は若干弾性変形しており、この弾性力が各第一係止部921を各窓部753の各周方向端部に対して直角方向に押圧する力として作用している。その結果、チェック部材90の各第一係止部921とC字形状部91の内面との間で、チェック部材90が装着された側のリテーナ保持部75の側壁、すなわちC字形状部91の内面が圧接状態に密接しているリテーナ保持部75の側壁が、軸直角方向に挟持されている。
これにより、チェック部材90はリテーナ保持部75に強固に、かつ、確実に保持される。さらに、チェック部材90のリテーナ保持部75に対する遊動等が阻止されるとともに、チェック部材90をリテーナ保持部75から引き抜こうとしても容易には引き抜くことができないようにされている。
また、各係止突起部92の先端側の両側面は、先端に向かうにつれて互いの間隔が狭まるテーパ面とされている。このため、パイプ体3の挿入時、環状係合突部32が当該テーパ面に摺接、案内されて先端当接部922の内側に入り込み易くなっており、環状係合突部32により先端当接部922を径方向外側に移動させ易くなっている。
以上のように構成されたクイックコネクタ7では、パイプ体3をコネクタハウジング70に結合させる前の状態において、チェック部材90がリテーナ保持部75の外周面に軸直角方向から外装保持されている。このとき、チェック部材90の各係止突起部92は、リテーナ80の各爪部82の係止段部822よりもリテーナ保持部75の軸方向一方側の位置で各窓部753からリテーナ保持部75内にそれぞれ挿入されるとともに、各係止突起部92の第一係止部921は、各窓部753の周方向端部753aとそれぞれ係止している。このように、係止突起部92の第一係止部921が窓部753の周方向端部753aと係止することにより、チェック部材90がリテーナ保持部75から軸直角方向に引き抜かれることを確実に規制することができる。つまり、この状態でチェック部材90をリテーナ保持部75から軸直角方向に引き抜こうとしても引き抜くことはできない。また、この状態で、各係止突起部92の先端当接部922は、パイプ体3の挿入時における環状係合突部32の軌跡内に位置している。
そして、パイプ体3の先端筒部31をコネクタハウジング70内に挿入すると、パイプ体3の環状係合突部32は、リテーナ80の各爪部82の各傾斜内面821を押圧摺接することにより、各爪部82をその弾性に抗して半径方向外方に押し拡げ、各爪部82を通過する。これにより、各爪部82は径方向内側に弾性復帰し、各爪部82の係止端部823と環状係合突部32とが係止して、パイプ体3とコネクタハウジング70とはリテーナ80を介して結合状態とされる。
このパイプ体3の挿入完了時においては、環状係合突部32の軌跡内に位置していた各係止突起部92の各先端当接部922が環状係合突部32により押圧されて径方向外側にそれぞれ移動し、これによりC字形状部91が拡径される。このようにチェック部材90のC字形状部91が拡径すると、各係止突起部92の各傾斜第二係止部923がリテーナ保持部75の各窓部753の周方向端縁にそれぞれ当接して係止される。このように、係止突起部92の傾斜第二係止部923が窓部753の周方向端縁と係止することにより、C字形状部91の弾性復帰力によりチェック部材90がリテーナ保持部75から軸直角方向に外れることを規制されている。
そして、この状態でチェック部材90をリテーナ保持部75から軸直角方向に引き抜こうとすれば、各係止突起部92の各傾斜第二係止部923と各窓部753の各周方向端縁との摺接を介して、C字形状部91がさらに拡径されるので、チェック部材90をリテーナ保持部75から軸直角方向に容易に引き抜くことができる。これにより、パイプ体3とコネクタハウジング70との結合を確認することができる。
そして、このように構成されたクイックコネクタ7においても、第一実施形態と同様に、第一実施形態にて説明したスライドシール部材50による効果と実質的に同様の効果を奏する。
1:クイックコネクタ
2:樹脂チューブ
3:パイプ体、 31:先端筒部、 32:環状係合突部
10:コネクタハウジング、 11:チューブ接続部、 111:第一断面台形状部
112:第一小径部、 113:フランジ状部、 114:第二小径部
115:第二断面台形状部、 116:円筒状部
12:パイプ挿入部
13:パイプ支持部
14:シール部
15:リテーナ保持部、 151:第一溝部、 152:第二溝部、 152a:側面溝
153:初期位置決め用孔、 154:確認固定孔
155:スライドシール用ガイド孔、 155a:開口端縁
21:外周環状シール部材、 22,23:内周環状シール部材
30:カラー
40:ブッシュ
50:スライドシール部材、 51:第一スライドシール部材
52:第二スライドシール部材
511:本体部、 512:閉塞板部、 513:弾性脚部、 513a:突起
514:傾斜部、 515:連結部材
516:弾性脚部、 516a:支持部、 516b:弾性変形部、 516c:突起
517:付勢部材
518:弾性脚部、 518a:突起
60:リテーナ、 61:支持部、 61a:通過孔
62:パイプ体係合脚部、 621:外方弾性変形脚部、 622:係合固定部
622a:溝、 622b:逃がし凹部、 622c:面取部
63:ハウジング係合脚部、 631:内方弾性変形脚部、 632:係合突起部
632a:軸方向他端面、 632b:軸方向一方側の面(傾斜面)
7:クイックコネクタ、 70:コネクタハウジング、 71:チューブ接続部
72:パイプ挿入部、 73:パイプ支持部、 74:シール部
75:リテーナ保持部、 751:平坦壁部、 752:円弧壁部
753:窓部、 753a:周方向端部、 754:スライドシール用ガイド孔
80:リテーナ、 81:本体部、 82:爪部、 821:傾斜内面
822:係止段部、 823:係止端部、 83:スリット、 84:操作アーム
90:チェック部材、 91:C字形状部、 92:係止突起部
921:第一係止部、 922:先端当接部、 923:傾斜第二係止部
93:取手部
250,350,450,550:スライドシール部材
251,351,451,551:第一スライドシール部材
252,352,452,552:第二スライドシール部材
2:樹脂チューブ
3:パイプ体、 31:先端筒部、 32:環状係合突部
10:コネクタハウジング、 11:チューブ接続部、 111:第一断面台形状部
112:第一小径部、 113:フランジ状部、 114:第二小径部
115:第二断面台形状部、 116:円筒状部
12:パイプ挿入部
13:パイプ支持部
14:シール部
15:リテーナ保持部、 151:第一溝部、 152:第二溝部、 152a:側面溝
153:初期位置決め用孔、 154:確認固定孔
155:スライドシール用ガイド孔、 155a:開口端縁
21:外周環状シール部材、 22,23:内周環状シール部材
30:カラー
40:ブッシュ
50:スライドシール部材、 51:第一スライドシール部材
52:第二スライドシール部材
511:本体部、 512:閉塞板部、 513:弾性脚部、 513a:突起
514:傾斜部、 515:連結部材
516:弾性脚部、 516a:支持部、 516b:弾性変形部、 516c:突起
517:付勢部材
518:弾性脚部、 518a:突起
60:リテーナ、 61:支持部、 61a:通過孔
62:パイプ体係合脚部、 621:外方弾性変形脚部、 622:係合固定部
622a:溝、 622b:逃がし凹部、 622c:面取部
63:ハウジング係合脚部、 631:内方弾性変形脚部、 632:係合突起部
632a:軸方向他端面、 632b:軸方向一方側の面(傾斜面)
7:クイックコネクタ、 70:コネクタハウジング、 71:チューブ接続部
72:パイプ挿入部、 73:パイプ支持部、 74:シール部
75:リテーナ保持部、 751:平坦壁部、 752:円弧壁部
753:窓部、 753a:周方向端部、 754:スライドシール用ガイド孔
80:リテーナ、 81:本体部、 82:爪部、 821:傾斜内面
822:係止段部、 823:係止端部、 83:スリット、 84:操作アーム
90:チェック部材、 91:C字形状部、 92:係止突起部
921:第一係止部、 922:先端当接部、 923:傾斜第二係止部
93:取手部
250,350,450,550:スライドシール部材
251,351,451,551:第一スライドシール部材
252,352,452,552:第二スライドシール部材
Claims (12)
- 軸方向一方側に設けられチューブに接続されるチューブ接続部と、軸方向他方側に設けられ前記軸方向他方側からパイプ体を挿入可能に開口形成されたパイプ挿入部と、を備え、前記軸方向一方側から前記軸方向他方側に亘って貫通形成されるコネクタハウジングと、
環状に形成され、前記パイプ挿入部の内周面に設けられ、前記パイプ挿入部の内周面と挿入される前記パイプ体の外周面との間をシールする環状シール部材と、
前記パイプ挿入部の内部のうち前記環状シール部材よりも前記軸方向他方側であって前記パイプ挿入部に対して径方向にスライドするように設けられ、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前の状態において前記コネクタハウジングの貫通孔を閉塞状態とする径方向第一位置に位置し、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する際の前記パイプ体による押圧力によって前記コネクタハウジングの貫通孔を連通状態とする径方向第二位置に向かって移動するスライドシール部材と、
を備えることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項1において、
前記スライドシール部材は、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入した状態において、径方向第二位置にて前記パイプ挿入部に保持されていることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項2において、
前記スライドシール部材は、分離可能な複数の部材により形成され、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する際にそれぞれ異なる径方向外側へ向かって移動することによって前記コネクタハウジングの貫通孔を連通状態とすることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項3において、
前記パイプ挿入部には、軸中心から径方向外側に向かって延びる第一ガイドレールと、前記第一ガイドレールに対して前記軸中心を対称とする径方向外側に向かって延びる第二ガイドレールとが形成され、
前記スライドシール部材は、分離可能な第一,第二スライドシール部材により構成され、
前記第一スライドシール部材は、前記第一ガイドレールに沿ってスライドし、
前記第二スライドシール部材は、前記第二ガイドレールに沿ってスライドすることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項3または4において、
前記スライドシール部材は、最初に前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前において一体的に結合された状態で形成され、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に初めて挿入する際にそれぞれ分離することを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項1〜5の何れか一項において、
前記クイックコネクタは、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前において、前記スライドシール部材と前記パイプ挿入部との相対位置を前記閉塞状態とする前記径方向第一位置に位置決めする第一位置決め手段を備えることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項6において、
前記パイプ挿入部には、第一被係止部が形成され、
前記スライドシール部材は、
スライドシール部材本体と、
前記スライドシール部材本体に対して弾性変形可能に設けられ、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前において弾性変形していない状態で前記第一被係止部に対して径方向に係止することで前記スライドシール部材を前記径方向第一位置に位置決めすると共に、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する際の前記パイプ体による押圧力によって弾性変形し前記第一被係止部との係合を解除する弾性脚部と、
を備え、
前記第一位置決め手段は、前記第一被係止部と前記弾性脚部とにより構成されることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項7において、
前記パイプ挿入部には、第二被係止部が形成され、
前記弾性脚部は、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入した後において、弾性復帰して前記第二被係止部に対して径方向に係止することで、前記スライドシール部材を前記径方向第二位置に位置決めすることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項8において、
前記弾性脚部は、少なくとも複数からなり、
前記クイックコネクタは、複数の前記弾性脚部を連結し、且つ、前記スライドシール部材が前記径方向第二位置に位置決めされている状態において径方向内側に押圧することにより複数の前記弾性脚部が同時に弾性変形して、前記第二被係止部との係合を解除する弾性脚部連結部材をさらに備えることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項1〜9の何れか一項において、
前記スライドシール部材は、前記径方向第二位置に位置する状態において、前記パイプ挿入部の内周面に当接し、前記スライドシール部材を前記径方向第一位置に戻すための付勢力を発生させる付勢部材をさらに備えることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項1〜10の何れか一項において、
前記クイックコネクタは、前記パイプ挿入部内に嵌め付けられ、前記パイプ体を挿入可能な貫通孔が形成され、前記パイプ体の環状係合突部および前記コネクタハウジングのそれぞれに係合し、前記パイプ体と前記コネクタハウジングとの相互係合を補助するリテーナをさらに備え、
前記パイプ挿入部は、初期位置決め凹部と、前記初期位置決め凹部より軸方向一方側に形成される確認固定凹部と、を備え、
前記リテーナは、前記パイプ体の環状係合突部に係合するパイプ体係合部と、ハウジング係合突部と、を備え、
前記リテーナは、前記ハウジング係合突部を前記初期位置決め凹部に係合させることにより前記パイプ挿入部の軸方向第一位置にて保持され、前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入する前の状態において、前記スライドシール部材により前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側への移動を規制され、
前記スライドシール部材は、前記軸方向第一位置に保持された状態の前記リテーナの貫通孔を前記パイプ体の前記環状係合突部が前記軸方向一方側に進行するとき、前記リテーナの前記軸方向一方側への移動を規制するように前記パイプ体係合部と係合し、
前記リテーナは、さらに、
前記軸方向第一位置に保持された状態の前記リテーナの前記パイプ体係合部に前記パイプ体の前記環状係合突部を係合させた状態において、前記スライドシール部材が前記径方向第二位置に向かって移動することにより、前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側への移動規制が解除され、
前記パイプ体を前記パイプ挿入部に挿入させ且つ前記パイプ体の前記環状係合突部を前記パイプ体係合部に係合させた状態で、前記パイプ体と共に前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側に向かって移動し、
前記ハウジング係合突部の前記確認固定凹部への係合により前記軸方向第一位置より前記軸方向一方側に位置する前記軸方向第二位置にて保持されることを特徴とするクイックコネクタ。 - 請求項1〜11の何れか一項に記載のクイックコネクタと、
前記クイックコネクタの前記チューブ接続部に嵌め付けられるチューブと、
前記クイックコネクタの前記パイプ挿入部に挿入されるパイプ体と、
を備えることを特徴とする配管接続構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010002111A JP2011140988A (ja) | 2010-01-07 | 2010-01-07 | クイックコネクタおよび配管接続構造 |
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ID=44456985
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014169757A (ja) * | 2013-03-04 | 2014-09-18 | Bridgestone Corp | 管継手 |
CN107399357A (zh) * | 2017-08-03 | 2017-11-28 | 浙江春风动力股份有限公司 | 一种车辆及方向盘组件 |
US10823123B2 (en) | 2016-11-02 | 2020-11-03 | Hyundai Motor Company | Quick connector |
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WO2023191167A1 (ko) * | 2022-03-28 | 2023-10-05 | 주식회사 화영 | 커넥터 |
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2010
- 2010-01-07 JP JP2010002111A patent/JP2011140988A/ja active Pending
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