JP2011140969A - 内燃機関のすべり軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関のクランク軸20を支承する円筒形すべり軸受である。すべり軸受が第一および第二の半円筒形状軸受24,28から成り、少なくとも第一の半円筒形状軸受24の内周面に円周方向に延在する油溝26が形成されている。油溝の一方の終端が、第一の半円筒形状軸受の一方の円周方向端面24Aに位置する。該一方の円周方向端面は、クランク軸の回転方向Xと同じ方向を向いた端面である。第二の半円筒形状軸受28が異物受容溝30を有する。該異物受容溝は、第二の半円筒形状軸受の二つの円周方向端面24A,28Aのうち、第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面に当接する円周方向端面28Aから第二の半円筒形状軸受の外周面に沿って形成された凹所である。油溝26と異物受容溝30とが、互いに当接せしめられた円周方向端面24A,28Aで連通状態にある。
【選択図】図2
Description
内燃機関の最初の運転時には、クランク軸用すべり軸受の円周方向油溝に供給される潤滑油中に、油路内に残留した異物が混入しがちである。異物とは、油路を切削加工した時の金属加工屑や鋳造時の鋳砂等を意味する。この異物は、クランク軸の回転によって潤滑油の流れに付随し、従来の内燃機関用すべり軸受では、軸受円周方向端部に形成されるクラッシュリリーフや面取等の隙間部を通じて潤滑油と共にすべり軸受の外部に排出される。しかしながら、近年の内燃機関は、クランク軸の高回転化により、潤滑油よりも比重の大きな異物に作用する慣性力(異物が円周方向に沿って前進しようとする慣性力)が大きくなって、前記隙間部分から異物が排出されずに、油溝を有しない側のすべり軸受(相手側半円筒形状軸受)の摺動面部分に進入し、異物による軸受摺動面の損傷が発生し易くなっている。
かくして、本発明の目的は、軸受摺動面領域に異物が進入し難い内燃機関のすべり軸受を提供することである。
内燃機関のクランク軸を支承する円筒形すべり軸受であって、該すべり軸受が第一および第二の半円筒形状軸受から成り、少なくとも第一の半円筒形状軸受の内周面に円周方向に延在する油溝が形成されている前記すべり軸受において、
前記油溝の一方の終端が、前記第一の半円筒形状軸受の一方の円周方向端面に位置し、該一方の円周方向端面は、前記クランク軸の回転方向と同じ方向を向いた端面であり、
前記第一の半円筒形状軸受と対をなす第二の半円筒形状軸受が異物受容溝を有し、該異物受容溝は、前記第二の半円筒形状軸受の二つの円周方向端面のうち、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面に当接する円周方向端面から前記第二の半円筒形状軸受の外周面に沿って形成された凹所であり、
前記油溝と前記異物受容溝とが、互いに当接せしめられた前記円周方向端面で連通状態にあることを特徴とする内燃機関のすべり軸受。
(1)前記一方の終端における前記油溝の溝底幅(W1)と、前記第二の半円筒形状軸受の前記円周方向端面における前記異物受容溝の溝底幅(W2)とが、関係式:W1≦W2を満たすように構成されたすべり軸受。
(2)前記油溝と前記異物受容溝との連通部における、前記油溝の溝底面と、前記異物受容溝の溝底面との間の距離が0.3mm以上になされたすべり軸受。
(3)前記第二の半円筒形状軸受の外周面における前記異物受容溝の形成範囲が、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面と当接する前記円周方向端面から、少なくとも円周方向長さ1.0mm、最大で円周角25°(θ)の範囲に相当する円周方向長さになされたすべり軸受。
(4)前記異物受容溝の溝底面が溝長さ方向に沿って直線的に延在し、該溝底面が前記第二の半円筒形状軸受の外周面と交差する位置を通る、前記外周面に対する接線を含む平面と、前記直線的溝底面とが成す角度(α)が45°以上になされたすべり軸受。
(5)前記第一の半円筒形状軸受の内周面に沿って形成された前記油溝の溝底面が、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面(すなわち、クランク軸の回転方向と同じ方向を向いた端面)に隣接する領域で、傾斜面として形成され、該傾斜面により、前記油溝の溝深さが前記一方の円周方向端面に向かって増大しているすべり軸受。
(6)前記第一および/または前記第二の半円筒形状軸受の外周面に、前記異物受容溝に連通するとともに、少なくとも一方の軸受幅方向端面で終わっている潤滑油誘導溝が形成されているすべり軸受。
(7)前記油溝と前記異物受容溝とが連通状態にある、前記第一および第二の半円筒形状軸受の円周方向端面において、前記第一および第二の半円筒形状軸受の各々の前記円周方向端面と外周面とが作る一対の角縁部分の少なくとも一方の角縁部分が面取り加工によって欠截され、それによって形成された軸線方向溝が前記潤滑油誘導溝である前記項目6に記載されたすべり軸受。
内燃機関のクランク軸を支承する円筒形すべり軸受を含む軸受装置であって、前記すべり軸受が第一および第二の半円筒形状軸受から成り、少なくとも第一の半円筒形状軸受の内周面に円周方向に延在する油溝が形成されている、前記軸受装置において、
前記油溝の一方の終端が、前記第一の半円筒形状軸受の一方の円周方向端面に位置し、該一方の円周方向端面は、前記クランク軸の回転方向と同じ方向を向いた端面であり、
前記第一の半円筒形状軸受と対をなす第二の半円筒形状軸受が異物受容溝を有し、該異物受容溝は、前記第二の半円筒形状軸受の二つの円周方向端面のうち、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面に当接する円周方向端面から前記第二の半円筒形状軸受の外周面に沿って形成された凹所であり、
前記油溝と前記異物受容溝とが、互いに当接せしめられた前記円周方向端面で連通状態にあることを特徴とするすべり軸受を含む内燃機関の軸受装置。
内燃機関の最初の運転時には、前記のとおり、クランク軸用すべり軸受を構成する一対の半円筒形状軸受のうちの一方である第一の半円筒形状軸受の内周面に形成された円周方向油溝内に供給される潤滑油中に、油溝を含むクランク軸の油路内に残留した異物が混在しがちである。この異物は、クランク軸の回転に伴ない、油溝に沿って第一の半円筒形状軸受の円周方向端面に向かって流れる。この時、異物は、主として、金属屑または鋳砂であり、潤滑油よりも比重が大きいので、クランク軸の回転に従って流動する潤滑油中の異物に作用する遠心力で、油溝内の溝底面に沿って異物が転動しながら移動する。第一の半円筒形状軸受の円周方向端面に達した異物は、油溝と連通状態にある、第二の半円筒形状軸受の異物受容溝内に進入する。異物受容溝内に進入する前の異物は、遠心力の作用で油溝の溝底面に沿って移動するので、油溝の終端で、第二の半円筒形状軸受の円周方向端面に突き当たって油溝内で潤滑油と共に攪乱されてクランク軸側に浮揚して軸受摺動面領域に進入する通常の現象は生じ難く、異物は、遠心力および慣性力の作用下で、円滑に異物受容溝内に進入する。異物受容溝は、第二の半円筒形状軸受の外周面で開放されているが、前記のとおり、軸受ハウジング内に組み込まれたすべり軸受は、軸受ハウジングの内周面とすべり軸受の外周面とが密着した状態で軸受ハウジングによって保持されている。従って、異物受容溝は、事実上袋小路のような状態にあり、潤滑油で充填された異物受容溝の内外間での潤滑油の流動はほとんどなく、異物受容溝内の潤滑油は滞留状態になっている。故に、一旦異物受容溝内に進入し捕捉された異物が、潤滑油の逆流に付随して油溝に戻るような現象は生じない。すなわち、異物受容溝に対しては、遠心力および慣性力の作用の下で、専ら異物の進入があるに過ぎない。
潤滑油中に混在する異物のサイズは最大で0.3mm程度である。異物は油溝の溝底面を転動しながら移動し、油溝と異物受容溝の連通部に達する。連通部において、油溝の溝底面と異物受容溝の溝底面との間の距離を0.3mm以上にすれば、異物受容溝内に首尾よく異物を進入させることができる。なお、油溝と異物受容溝の連通部における油溝の溝底面と異物受容溝の溝底面との間の距離の上限値は、油溝と異物受容溝の連通部においてトンネル構造が得られる限り制約はないが、第二の半円筒形状軸受の壁厚を0.5mm以上残すことが好ましい。
なお、第一の半円筒形状軸受の油溝は、通常、軸受幅方向の中央部に設けられる。油溝の幅は、内燃機関の仕様により決まり、一定ではないが、例えば市販乗用車用の小型内燃機関の場合、油溝の溝底面幅が約2〜8mmになされる。
異物受容溝内に進入し捕捉された異物を異物受容溝内に留めておくためには、異物受容溝の円周方向長さは、少なくとも第二の半円筒形状軸受の円周方向端面から1.0mm以上必要である。円周方向長さが1.0mm未満であると、異物受容溝内に捕捉された異物が、第二の半円筒形状軸受の油溝に再び戻る可能性がある。
また、前記円周方向長さは、第二の半円筒形状軸受の円周方向端面から最大25°の円周角(θ)に相当する範囲にする必要がある。これは、異物受容溝内に捕捉された異物が、第二の半円筒形状軸受の外周面と軸受ハウジング内面との間に噛み込まれることを防ぐためである。内燃機関の運転による動荷重負荷により、第一および第二の半円筒形状軸受の外周面と軸受ハウジング内面との間に微少な滑動(相対位置の偏位)が繰り返して起こる。この微少滑動が最も起き易いのは、第一および第二の半円筒形状軸受の各周方向端面から円周角45°近傍位置である。前記滑動発生時に、第二の半円筒形状軸受の外周面と軸受ハウジング内面との間に異物が噛み込まれるという危険性が高い。異物の噛み込みが生じた箇所では、第二の半円筒形状軸受の内周面が内径側に局所的に隆起するという問題が起こる。
一方、仮に、第二の半円筒形状軸受の外周面全長に亘って異物受容溝を形成した場合には、第二の半円筒形状軸受の二つの円周方向端面で第一の半円筒形状軸受の油溝と連通する構造になるため、異物受容溝の進入側である円周方向端面とは異なる反対側の円周方向端面において、第一の半円筒形状軸受の前記油溝内に異物が帰還する結果になり、すべり軸受の摺動面(すなわち、クランク軸に対する摺動面)領域に異物が進入する可能性が高くなる。このことを考慮して、異物受容溝の形成範囲は第二の半円筒形状軸受の周方向端面から円周角25°以下にすることが好ましい。第一および第二の半円筒形状軸受は、分割型軸受ハウジングに組み付けられるが、第一および第二の半円筒形状軸受の突き合せ端面近傍では、分割側軸受ハウジングを締結するためのボルト締結力による影響を受け、その他の箇所に比べて、第二の半円筒形状軸受の外周面と軸受ハウジング内面との間の前記滑動が生じ難い範囲が、前記円周角25°以下である。
異物は、潤滑油よりも比重が大きく、クランク軸の回転による遠心力で、第一の半円筒形状軸受の油溝の溝底面に沿って転動しながら円周方向に移動する。この異物が第二の半円筒形状軸受の異物受容溝内に進入する際にも、異物は、遠心力と、直進方向への慣性力によって支配され、異物受容溝内に進入した異物は、油溝の溝底面による拘束から離れて、軸受半径方向外方に向かう。この進行方向と整合するように、異物受容溝の溝底面の角度(α)を45°以上にすることにより、油溝から異物受容溝への異物の進入がより円滑に行われる。
前記のとおり、第一の半円筒形状軸受の油溝の溝底面に沿って転動しながら円周方向に移動する異物には、遠心力と周方向に直進しようとする慣性力とが働く。故に、クランク軸の回転方向と同じ方向を向いた第一の半円筒形状軸受の円周方向端面に隣接する領域で、油溝の溝底面を傾斜面として形成することにより、遠心力と慣性力に支配される異物が異物受容溝に向けて円滑に誘導される。
内燃機関のクランク軸の高速回転時に、第二の半円筒形状軸受の外周面に形成された異物受容溝内の潤滑油の圧力が高くなると、異物が、油溝から異物受容溝内に入り難くなる場合がある。その対策として、異物受容溝内の潤滑油を軸受外部に逃がすための潤滑油誘導溝を形成すると、クランク軸の高速回転時にも、異物が円滑に異物受容溝内に進入する。潤滑油誘導溝の典型例は、異物受容溝に連通するように、第一および/または第二の半円筒形状軸受の円周方向端面の軸受外周面側の縁を面取り加工し、もって、異物受容溝から軸受幅方向端面に至る軸線方向溝を形成することである。別例では、第二の半円筒形状軸受の外周面に、異物受容溝から軸受幅方向端面に至る溝を形成して潤滑油誘導溝とする。潤滑油誘導溝の溝断面積は、過度に大きくすると油の漏れ量が多くなり過ぎるので、可及的に小さくすることが好ましい。
また、ジャーナル20は、その直径方向貫通孔20aを有し、ジャーナル20が矢印X方向に回転すると、貫通孔20aの両端開口が交互に油溝26に連通する。
さらに、ジャーナル20、図示されないクランクアーム、および、クランクピン10を貫通して潤滑油路22が、クランク軸内部に形成されている。
油溝26内を流れる潤滑油に付随する異物Fは、クランク軸の回転の影響で、潤滑油および異物Fに作用する遠心力により、油溝26の溝底26a上を転動しながら、矢印Zで示されるように円周方向端面24Aに向かう。半円筒形状軸受24の円周方向端面24Aと、半円筒形状軸受28の円周方向端面28Aとの接触面では、油溝26と異物受容溝30との連通部34が存在し、油溝26の終端に達した異物Fは連通部34を通って異物受容溝30内に進入する。連通部34を除き、異物受容溝30の開放部分は、半円筒形状軸受24の円周方向端面24A、および軸受ハウジングで遮蔽されているので、既に潤滑油で充填されている異物受容溝30内に、潤滑油は進入し難い。しかしながら、異物Fは、潤滑油よりも比重が大きいので、連通部34において軸受円周方向へ直進する慣性力が大きく、連通部34を通過して異物受容溝30内に進入する。異物受容溝30内での潤滑油の動きはほぼないので、一旦異物受容溝30内に進入した異物Fが連通部34を通じて油溝26内に戻るようなことは事実上ない。この意味で、異物受容溝30は、異物Fの捕捉凹所である。
斯様に、異物受容溝30が潤滑油に付随する異物Fを捕捉して保持するため、異物によるクランク軸およびすべり軸受の損傷が防止される。
半円筒形状軸受24の円周方向端面24Aと、半円筒形状軸受28の円周方向端面28Aとの当接面に沿って、軸受幅全体に亘って延在する潤滑油誘導溝40が形成されている。この潤滑油誘導溝40は、円周方向端面24A,28Aの外縁を面取り加工(40a,40b)して形成したものである。潤滑油誘導溝40は、円周方向端面28Aで開放されている異物受容溝30と連通する(特に、図14参照)。
潤滑油誘導溝40を設けることによって、異物受容溝30内の潤滑油を軸受外部に逃がすことができる。それによって、異物受容溝30内の潤滑油圧力が高まって、異物が、油溝26から異物受容溝30内に入り難くなるといった不具合発生を回避できる(段落0018参照)。
なお、潤滑油誘導溝40は、異物受容溝30内の潤滑油を軸受外部に逃がすための手段であり、面取り加工(40a,40b)は、40a,40bのうちいずれか一方のみであってもよく、異物受容溝30の片側領域(すなわち、一方の軸受幅方向端面に向かう領域)においてのみ、円周方向端面24Aおよび/または28Aの外縁を面取り加工してもよい。また、円周方向端面外縁の面取り加工に限らず、半円筒形状軸受28の外周面上に、異物受容溝30から半円筒形状軸受28の幅方向端面に至る任意の溝(潤滑油誘導溝)を設けてもよい。
油溝26は、油溝の一方の終端が半円筒形状軸受24のクランク軸の回転方向と反対の向を向いた円周方向端面24Bに至らないようにすることができる。
また、半円筒形状軸受24、28は、従来の内燃機関のクランク軸用の半円筒形状軸受と同じく、半円筒形状軸受の壁厚を、半円筒形状軸受の周方向中央から半円筒形状軸受の周方向両端部に向かって次第に薄くするように偏肉させ、あるいはまた、半円筒形状軸受の内周面の周方向両端部領域にクラッシュリリーフを形成してもよい。クラッシュリリーフとは、一対の半円筒形状軸受の円周方向端面に隣接する部分の軸受壁を内周面側で除去することによって形成された、軸受内周面の周方向中央を含む領域の曲率中心とは異なる曲率中心を有する減厚領域(円周方向端面に向かって厚さを減じた領域を指し、SAE J506(項目3.26、項目6.4参照)、DIN1497、§3.2で規定されるとおりである)を意味する。
12 コンロッド
14 大端部ハウジング
14A コンロッド側大端部ハウジング
14B キャップ側大端部ハウジング
16A 半円筒形状軸受
16B 半円筒形状軸受
20 クランク・ジャーナル
22 潤滑油路
24 半円筒形状軸受
24A,24B 円周方向端面
26 油溝
26a 油溝の溝底
26b 傾斜面
28 半円筒形状軸受
28A,28B 円周方向端面
30 異物受容溝
32 溝底
34 連通部
40 潤滑油誘導溝
A 異物に作用する遠心力と慣性力の合成力の方向
D 連通部における油溝と異物受容溝の間の距離(または間隔)
F 異物
W1 油溝の溝幅
W2 異物受容溝の溝幅
X クランク軸の回転方向
Z 異物の移動方向
Claims (9)
- 内燃機関のクランク軸を支承する円筒形すべり軸受であって、該すべり軸受が第一および第二の半円筒形状軸受から成り、少なくとも第一の半円筒形状軸受の内周面に円周方向に延在する油溝が形成されている前記すべり軸受において、
前記油溝の一方の終端が、前記第一の半円筒形状軸受の一方の円周方向端面に位置し、該一方の円周方向端面は、前記クランク軸の回転方向と同じ方向を向いた端面であり、
前記第一の半円筒形状軸受と対をなす第二の半円筒形状軸受が異物受容溝を有し、該異物受容溝は、前記第二の半円筒形状軸受の二つの円周方向端面のうち、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面に当接する円周方向端面から前記第二の半円筒形状軸受の外周面に沿って形成された凹所であり、
前記油溝と前記異物受容溝とが、互いに当接せしめられた前記円周方向端面で連通状態にあることを特徴とする内燃機関のすべり軸受。 - 前記一方の終端における前記油溝の溝底幅(W1)と、前記第二の半円筒形状軸受の前記円周方向端面における前記異物受容溝の溝底幅(W2)とが、関係式:W1≦W2を満たすことを特徴とする請求項1に記載された内燃機関のすべり軸受。
- 前記油溝と前記異物受容溝との連通部における、前記油溝の溝底面と、前記異物受容溝の溝底面との間の距離が0.3mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された内燃機関のすべり軸受。
- 前記第二の半円筒形状軸受の外周面における前記異物受容溝の形成範囲が、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面と当接する前記円周方向端面から、少なくとも円周方向長さ1.0mm、最大で円周角25°(θ)の範囲に相当する円周方向長さであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された内燃機関のすべり軸受。
- 前記異物受容溝の溝底面が溝長さ方向に沿って直線的に延在し、該溝底面が前記第二の半円筒形状軸受の外周面と交差する位置を通る、前記外周面に対する接線を含む平面と、前記直線的溝底面とが成す角度(α)が45°以上であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された内燃機関のすべり軸受。
- 前記第一の半円筒形状軸受の内周面に沿って形成された前記油溝の溝底面が、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面に隣接する領域で、傾斜面として形成され、該傾斜面により、前記油溝の溝深さが前記一方の円周方向端面に向かって増大していることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された内燃機関のすべり軸受。
- 前記第一および/または前記第二の半円筒形状軸受の外周面に、前記異物受容溝に連通するとともに、少なくとも一方の軸受幅方向端面で終わっている潤滑油誘導溝が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された内燃機関のすべり軸受。
- 前記油溝と前記異物受容溝とが連通状態にある、前記第一および第二の半円筒形状軸受の円周方向端面において、前記第一および第二の半円筒形状軸受の各々の前記円周方向端面と外周面とが作る一対の角縁部分の少なくとも一方の角縁部分が面取り加工によって欠截され、それによって形成された軸線方向溝が前記潤滑油誘導溝であることを特徴とする請求項7に記載された内燃機関のすべり軸受。
- 内燃機関のクランク軸を支承する円筒形すべり軸受を含む軸受装置であって、前記すべり軸受が第一および第二の半円筒形状軸受から成り、少なくとも第一の半円筒形状軸受の内周面に円周方向に延在する油溝が形成されている、前記軸受装置において、
前記油溝の一方の終端が、前記第一の半円筒形状軸受の一方の円周方向端面に位置し、該一方の円周方向端面は、前記クランク軸の回転方向と同じ方向を向いた端面であり、
前記第一の半円筒形状軸受と対をなす第二の半円筒形状軸受が異物受容溝を有し、該異物受容溝は、前記第二の半円筒形状軸受の二つの円周方向端面のうち、前記第一の半円筒形状軸受の前記一方の円周方向端面に当接する円周方向端面から前記第二の半円筒形状軸受の外周面に沿って形成された凹所であり、
前記油溝と前記異物受容溝とが、互いに当接せしめられた前記円周方向端面で連通状態にあることを特徴とするすべり軸受を含む内燃機関の軸受装置。
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