JP2018151037A - 内燃機関のクランク軸用主軸受 - Google Patents

内燃機関のクランク軸用主軸受 Download PDF

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志歩 田中
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Abstract

【課題】異物排出性に優れた内燃機関のクランク用主軸受を提供すること。
【解決手段】ジャーナル部を回転自在に支持するための主軸受であって、第1および第2の半割軸受は、組み合わされたとき、それぞれの突合せ部分の内周面側に、主軸受の軸線方向全長に亘って延びる軸線方向溝を共に形成するように構成され、第1および第2の半割軸受は、半割軸受の周方向中央部を含む主円筒部と、クラッシュリリーフ部とを有し、第1の半割軸受の内周面に、油溝が形成され、油溝の周方向両端部は、第1の半割軸受の周方向両端面に開口し、第2の半割軸受の内周面に、部分溝が形成され、部分溝は、第2の半割軸受の2つの周方向端面のうち、クランク軸の回転方向の前方側の周方向端面にのみ開口し、油溝と部分溝の溝幅中心が互いに整合して、油溝と部分溝とが互いに流体連通する関係にあり、流体連通部において、部分溝の溝深さが、油溝の溝深さよりも大きい。
【選択図】図2

Description

本願発明は、内燃機関のクランク軸を支承するための主軸受に関するものである。
内燃機関のクランク軸は、そのジャーナル部において、一対の半割軸受から成る主軸受を介して内燃機関のシリンダブロック下部に支承される。主軸受に対しては、オイルポンプによって吐出された潤滑油が、シリンダブロック壁内に形成されたオイルギャラリーから主軸受の壁に形成された貫通口を通じて、主軸受の内周面に沿って形成された油溝内に送り込まれる。また、ジャーナル部の直径方向には第1潤滑油路が貫通形成され、この第1潤滑油路の両端開口が主軸受の油溝と連通するようになっている。さらに、ジャーナル部の第1潤滑油路から、クランクアーム部を通る第2潤滑油路が分岐して形成され、この第2潤滑油路が、クランクピンの直径方向に貫通形成された第3潤滑油路に連通している。このようにして、シリンダブロック壁内のオイルギャラリーから貫通口を通じて主軸受の内周面に形成された油溝内に送り込まれた潤滑油は、第1潤滑油路、第2潤滑油路および第3潤滑油路を経て、第3潤滑油路の末端に開口した吐出口から、クランクピンとコンロッド軸受の摺動面間に供給される(例えば特許文献1参照)。
シリンダブロック壁内のオイルギャラリーから主軸受の油溝に送られる潤滑油は、例えば各部品の加工の際に生じた残留異物を随伴する可能性がある。この異物は、ジャーナル部と主軸受の間の摺動面およびクランクピンとコンロッド軸受の間の摺動面に損傷を与える恐れがあり、したがって潤滑油の流れから速やかに外部に排出する必要がある。
そこで、主軸受を構成する一対の半割軸受のうちの一方の半割軸受の内周面に沿って形成される油溝の周方向端部を半割軸受の内周面の周方向両端部に形成したクラッシュリリーフ部や軸線方向溝と連通させることで、油溝内に侵入した異物をクラッシュリリーフ部の隙間や軸線方向溝を介して主軸受の外部へ排出する主軸受が提案されている(特許文献2、3)。
なお、クラッシュリリーフは、半割軸受の周方向端面に隣接する領域の壁厚を周方向端面に向かって薄くなるように形成することによって、支承する軸との間に形成される隙間領域であり(例えばSAE J506(項目3.26および項目6.4)、DIN1497(セクション3.2)、JIS D3102参照)、一対の半割軸受を組み付けた状態における、半割軸受の突合せ面の位置ずれや変形を吸収する事を企画して形成される(例えば特許文献2参照)。
内燃機関用すべり軸受に対する潤滑油の供給については、まず、クランク軸ジャーナル部用主軸受の外部から該主軸受の内面に形成された油溝内に供給され、その潤滑油がクランク軸ジャーナル部用主軸受の摺動面、および、クランクピン用コンロッド軸受の摺動面に供給される。
内燃機関の運転時には、クランク軸ジャーナル部用主軸受の油溝に供給される潤滑油中に、潤滑油路内に残留した異物が混入しがちである。異物とは、油路を切削加工した時の金属加工屑や鋳造時の鋳砂等を意味する。この異物は、クランク軸の回転によって潤滑油の流れに付随し、従来の内燃機関用主軸受では、クランク軸の回転方向の前方側の軸受周方向端部領域に形成されるクラッシュリリーフや軸線方向溝を通じて潤滑油と共に排出される。
しかしながら、軸受の壁に形成された貫通口から油溝内に潤滑油とともに進入した異物は、軸受周方向端部領域のクラッシュリリーフや軸線方向溝に達する前に、ジャーナル部の第1潤滑油路の入口開口から第1潤滑油路内に潤滑油とともに進入してしまうものも多い。第1潤滑油路に進入した異物の一部は、再度、潤滑油とともに油溝に逆流するので早期に軸受の外部へ排出され難い。
詳しくは、図17Aおよび17B、ならびに図18Aおよび18Bを用いて、従来技術の作用について説明する。図17Aおよび17Bに示すようにジャーナル部6の表面の潤滑油路6aの入口開口6cが下側の半割軸受142の主円筒面171に位置している間は、ジャーナル部6の表面と半割軸受142の主円筒面171との間の隙間が狭いので、入口開口6cは半割軸受142の主円筒面171に閉鎖され、クランク軸の回転による遠心力の影響により潤滑油路6a内の入口開口6c付近の潤滑油の圧力は極めて高い状態にある。
図18Aおよび18Bに示すように、ジャーナル部6の表面の潤滑油路6aの入口開口6cとクラッシュリリーフ170とが連通を開始する瞬間、潤滑油路6a内部の潤滑油の圧力と、クラッシュリリーフ170およびジャーナル部6の表面の間の隙間(リリーフ隙間)内の潤滑油の圧力との差により、瞬間的に潤滑油路6aからリリーフ隙間側への油の噴射流(逆流)が一時的に形成される。
その際、油の噴射流とともにリリーフ隙間へ進入した異物Fは、リリーフ隙間内を直進し、慣性力によって軸線方向溝177を通り越して、他方の半割軸受141の油溝141gに進入してしまう。このため、従来の主軸受は、異物が早期に軸受の外部へ排出され難い。
特開平8−277831号公報 特開平4−219521号公報 特開2005−69283号公報
本発明の目的は、異物排出性に優れた内燃機関のクランク用主軸受を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明の1つの観点によれば、
内燃機関のクランク軸のジャーナル部であって、円筒胴部と、前記円筒胴部を貫通して延びる潤滑油路と、前記円筒胴部の外周面上に形成された前記潤滑油路の少なくとも1つの入口開口とを有しているジャーナル部を回転自在に支持するための主軸受であって、
前記主軸受は、それぞれの周方向端面同士を突き合わせることによって円筒形状に組み合わされる第1および第2の半割軸受を有し、
前記第1および第2の半割軸受は、組み合わされたとき、それぞれの突合せ部分の内周面側に、前記主軸受の軸線方向全長に亘って延びる軸線方向溝を共に形成するように構成され、
前記第1および第2の半割軸受は、該半割軸受の周方向中央部を含む主円筒部と、前記主円筒部よりも壁厚が薄くなるように該半割軸受の周方向両端部に軸線方向全長に亘って形成されたクラッシュリリーフ部とを有し、
前記第1の半割軸受の内周面に、油溝が形成され、該油溝の周方向両端部は、前記第1の半割軸受の前記周方向両端面に開口し、
前記第2の半割軸受の内周面に、部分溝が形成され、該部分溝は、前記第2の半割軸受の2つの周方向端面のうち、クランク軸の回転方向の前方側の周方向端面にのみ開口し、
前記油溝と前記部分溝の溝幅中心が互いに整合して、前記油溝と前記部分溝とが互いに流体連通する関係にあり、該流体連通部において、前記部分溝の溝深さが、前記油溝の溝深さよりも大きいことを特徴とする主軸受が提供される。
上記主軸受にて、好適には、
前記部分溝が、前記第2の半割軸受の前記クランク軸の回転方向の前方側の周方向端面から円周角θ(ただし、円周角θの最小値=5°、円周角θの最大値=45°)の範囲に形成されている。
上記主軸受にて、好適には、
前記流体連通部において、前記油溝の溝深さ(D1)と、前記部分溝の溝深さ(D2)とが、関係式D2=(1.1〜2)×D1を満たす。
上記主軸受にて、好適には、
前記流体連通部において、前記部分溝の溝幅(W2)が前記油溝の溝幅(W1)よりも大きい。
上記主軸受にて、好適には、
前記流体連通部において、前記部分溝の溝幅(W2)と、前記油溝の溝幅(W1)とが、関係式W2=(1.1〜2)×W1を満たす。
(1)本発明によれば、主軸受は、第1および第2の半割軸受を有し、第1の半割軸受の内周面に、主軸受の外部から潤滑油が供給される油溝が形成され、該油溝の周方向両端部は、第1の半割軸受の周方向両端面に開口し、第2の半割軸受の内周面に、第2の半割軸受の2つの周方向端面のうち、クランク軸の回転方向の前方側の周方向端面にのみ開口する部分溝が形成される。
図15Aおよび15Bに示すように、本願発明においても、ジャーナル部6の表面の潤滑油路6aの入口開口6cが第2の半割軸受42の主円筒面71(主円筒部の内面)に位置している間は、入口開口6cは第2の半割軸受42の主円筒面71に閉塞されるが、潤滑油路6a内の潤滑油は、クランク軸の回転による遠心力によって入口開口6c側へ向かって押圧されるために、特に内燃機関の運転でクランク軸の回転速度が大きいときには、潤滑油路6a内の入口開口6c付近の潤滑油の圧力は極めて高い状態にある。
図16Aおよび16Bに示すように、ジャーナル部6の表面の潤滑油路6aの入口開口6cと第2の半割軸受42の部分溝42gとが連通を開始する瞬間には、潤滑油路6a内部の潤滑油の圧力と、部分溝42g内の潤滑油の圧力との差によって、潤滑油路6aから部分溝42g内に瞬間的に噴出し逆流する高圧の潤滑油の噴射流が形成される。潤滑油路6aに混入した異物Fは、この潤滑油の噴射流により部分溝42gに進入する。部分溝42gに進入した異物Fは、部分溝42gの開口へ向かって流れる。このとき、潤滑油に対し比重が大きい異物Fは、遠心力の作用により部分溝42の溝底面に沿って流れる。
油溝41gと部分溝42gの溝幅中心が互いに整合して、油溝41gと部分溝42gとが互いに流体連通する関係にあり、該流体連通部において、部分溝42gの溝底が、油溝41gの溝底よりも、主軸受1の外周面側に偏位している。換言すれば、流体連通部において、部分溝42gの溝深さD2が、油溝41gの溝深さD1の溝深さよりも大きくなっている。この構造では、互いに接触状態にある2つの周方向端面72に位置する部分溝42gの開口の一部である溝底面側領域が、油溝41gを有する第1の半割軸受41の周方向端面72で塞がれる。したがって、開口の一部遮蔽構造が、部分溝42gの溝底に沿って開口まで移動してくる異物Fに対する障壁になり、異物Fの周方向移動速度が低下し、異物Fの直進運動の慣性力が低下する。
一方、第1の半割軸受41の周方向端面72と第2の半割軸受42の周方向端面72との突き合わせ接触界面に沿って、それら周方向端面72の軸受内周面側に位置する2つの角縁部に傾斜面76が形成されて、主軸受4の軸線方向幅全体に亘る軸線方向溝77が形成されている。この構造により、部分溝42gと、これに連通する軸線方向溝77に沿って流れる潤滑油に、周方向移動速度の低下した前記異物Fが付随し易く、異物Fが潤滑油と共に主軸受1の軸線方向端部から円滑に排出される。
軸線方向溝77については、この横断面積を過大にすると、潤滑油の漏れ量が増大するため、異物Fの排出が可能な限りにおいて、可及的に横断面積を小さくすることが好ましい。具体的には、乗用車用等に搭載される小型内燃機関の場合には、軸線方向溝77の溝幅を、0.2mm〜1mm、溝深さを0.2mm〜1mmにすることが好ましい。ただし、油溝の幅や深さの寸法は内燃機関の仕様によって決まるものであり、この寸法に限定されない。
(2)潤滑油に比して比重の大きな異物Fは、部分溝42g内を流体連通部へ移動する間、遠心力の作用で溝底に沿う。そのため、部分溝42gの上部領域(溝底に近い下部領域ではなく、クランク軸に近い側の上部領域)を流れる潤滑油中の異物量が少ない(図5参照)。この部分溝42gの上部領域を流れる異物量の少ない潤滑油は、部分溝42gと流体連通する油溝41g内に円滑に流れるので、主軸受4からの潤滑油の漏れ量を低減できる。
以上は、油溝41gの溝深さ(D1)と、部分溝42gの溝深さ(D2)とが、D1<D2を満たす関係の場合であるが、D1≧D2の場合には、部分溝42gの溝底面に沿って移動する異物Fが、油溝41g内に送られ易い。また、D1<D2を満たす場合であっても、本発明の主軸受4と異なって、部分溝42gに流体連通する軸線方向溝77が存在しない場合には、部分溝42gの開口(開放溝端)に到達した異物Fが第1の半割軸受41の油溝41g内に送られ易い。
(3)本発明の主軸受4では、部分溝42gと油溝41gとの流体連通部分において、部分溝42gの開口(開放溝端)の一部である溝底面側領域が、油溝41gを有する第1の半割軸受41の周方向端面72で塞がれる構造になっており、この構造が、部分溝42gの溝底に沿って開口(開放溝端)まで転動してくる異物に対する遮断効果を発揮する。この遮断効果を最大限にするために、部分溝42gおよび油溝41gの溝底幅が十分に大きくなるように、溝底を平坦面にすることが好ましい。
(4)本発明の好適形態として、部分溝42gが、第2の半割軸受42のクランク軸の回転方向の前方側の周方向端面72から第2の半割軸受42の周方向中央部側へ向かって円周角θの範囲(ただし、円周角θの最小値=5°、円周角θの最大値=45°)に形成された場合について説明する。
円周角θを5°以上にすると、部分溝42gの十分な長さが確保されて、潤滑油の噴射流とともに部分溝42gに進入した異物Fは、前記流体連通部分に達するまでの間に周方向移動速度が低下しやすい。このため、異物Fは、前記流体連通部分の軸線方向溝77によって軸受の外部へ排出されやすい。円周角θを5°未満にすると、この効果が不十分で、異物Fは、軸線方向溝77を通り越して、第1の半割軸受41の油溝41gに進入してしまうものが多くなる。
円周角θの最大値を45°にした理由は、部分溝42gを有する第2の半割軸受42の主荷重受部(クランク軸から大きな荷重が作用する、半割軸受42の周方向中央領域)を避けて部分溝42gを形成し、大きな作用荷重に対する第2の半割軸受42の強度を確保するためである。
(5)本発明の好適形態として、流体連通部において、油溝41gの溝深さ(D1)と、部分溝42gの溝深さ(D2)とが、関係式D2=(1.1〜2)×D1を満たす構成を採用したことについて説明する。部分溝42gの溝底に沿って前記流体連通部位置まで移動してくる異物Fの速度を低下させるため、部分溝42gの溝深さ(D2)を油溝41gの溝深さ(D1)に対して1.1倍以上にして、部分溝42gの溝深さの約9%以上が、油溝41gを有する第1の半割軸受41の周方向端面72によって遮蔽されるようにすることが好ましい。一方、部分溝42gの下流側の第1の半割軸受41の油溝41gに異物Fを含まない潤滑油(部分溝内の溝深さ方向で溝底から離れた溝上部領域を流れる潤滑油)を流れるようにするために、部分溝の溝深さ(D2)は、油溝の溝深さ(D1)の2倍以下とし、流体連通部において、部分溝の溝深さ(D1)の半分以上を油溝の溝深さ(D1)に対して開放状態にすることが好ましい。なお、油溝41gの幅、深さの寸法は内燃機関の仕様によって決まるものであり、本発明で規定される部分溝42gとの関係が成立する限り、前記油溝41gの幅、深さの寸法に制約はない。
内燃機関のクランク軸を、ジャーナル部およびクランクピン部でそれぞれ截断した模式図。 本発明の実施例1に係る主軸受の正面図。 図2に示す主軸受の第1の半割軸受の内周面を見た平面図。 図2に示す主軸受の第2の半割軸受の内周面を見た平面図。 図2に示す主軸受の機能説明図。 図2〜図4に示す主軸受の第1の半割軸受の周方向端面を示す図(図5におけるVI線矢視図)。 図2〜図4に示す主軸受の第1の半割軸受の周方向端面を示す図(図5におけるVII矢視図)。 本発明の実施例2に係る主軸受の第1の半割軸受の内周面を見た平面図。 実施例2に係る主軸受の第2の半割軸受の内周面を見た平面図。 図8、図9に示す主軸受の機能説明図。 本発明の実施例3に係る主軸受の正面図。 図11に示す主軸受の第1の半割軸受の内周面を見た平面図。 図11に示す主軸受の第2の半割軸受の内周面を見た平面図。 本発明の主軸受に形成される油溝および部分溝の溝断面形状の一例を示す図。 本発明の主軸受の作用を説明するための、軸受内側から見た図。 本発明の主軸受の作用を説明するための、正面図。 本発明の主軸受の作用を説明するための、軸受内側から見た図。 本発明の主軸受の作用を説明するための、正面図。 従来技術の主軸受の作用を説明した、軸受内側から見た図。 従来技術の主軸受の作用を説明した正面図。 従来技術の主軸受の作用を説明した、軸受内側から見た図。 従来技術の主軸受の作用を説明した正面図。
(軸受装置の全体構成)
図1に示すように、本実施例の軸受装置1は、シリンダブロック8の下部に支承されるジャーナル部6と、ジャーナル部6と一体に形成されてジャーナル部6を中心として回転するクランクピン5と、クランクピン5に内燃機関から往復運動を伝達するコンロッド2とを備えている。そして、軸受装置1は、クランク軸を支承するすべり軸受として、ジャーナル部6を回転自在に支承する主軸受4と、クランクピン5を回転自在に支承するコンロッド軸受3とをさらに備えている。
なお、クランク軸は複数のジャーナル部6と複数のクランクピン5とを有するが、ここでは説明の便宜上、1つのジャーナル部6および1つのクランクピン5を図示して説明する。図1において、紙面奥行き方向の位置関係は、ジャーナル部6が紙面の奥側で、クランクピン5が手前側となっている。
ジャーナル部6は、一対の半割軸受41、42によって構成される主軸受4を介して、内燃機関のシリンダブロック下部81に軸支されている。図1でシリンダブロック下部に取り付けられる上側の第1の半割軸受41には、内周面に油溝41gが周方向に形成されおり、軸受キャップ82に取り付けられる下側の第2の半割軸受42には、内周面に部分溝42gが形成されている。また、ジャーナル部6は、直径方向に貫通する潤滑油路6aを有し、ジャーナル部6が矢印X方向に回転すると、潤滑油路6aの両端の入口開口6cが交互に主軸受4の油溝41gに連通する。
クランクピン5は、一対の半割軸受31、32によって構成されるコンロッド軸受3を介して、コンロッド2の大端部ハウジング21(ロッド側大端部ハウジング22およびキャップ側大端部ハウジング23)に軸支されている。
上述したように、主軸受4に対して、オイルポンプによって吐出された潤滑油が、シリンダブロック壁内に形成されたオイルギャラリーから主軸受4の壁に形成された貫通口を通じて第1の半割軸受41の内周面に沿って形成された油溝41g内に送り込まれる。
さらに、ジャーナル部6の直径方向に第1の潤滑油路6aが貫通形成され、第1の潤滑油路6aの入口開口6cが油溝41gと連通している。そして、ジャーナル部6の第1の潤滑油路6aから分岐してクランクアーム部(図示せず)を通る第2の潤滑油路5aが形成され、第2の潤滑油路5aが、クランクピン5の直径方向に貫通形成された第3の潤滑油路5bに連通している。
このようにして、潤滑油は、第1の潤滑油路6a、第2の潤滑油路5aおよび第3の潤滑油路5bを経て、第3の潤滑油路5bの端部の吐出口5cから、クランクピン5とコンロッド軸受3の間に形成される隙間に供給される。
(半割軸受の構成)
そして、本実施例の主軸受4は、一対の半割軸受41、42の周方向の端面を突き合わせて、全体として円筒形状に組み合わせることによって形成される。それぞれの半割軸受41(または42)は、図2に示すように、鋼板上に軸受合金を薄く接着させたバイメタルによって半円筒形状に形成されたものである。半割軸受41、42は、周方向の中央部を含んで形成された主円筒部71と、周方向の両端部に形成されたクラッシュリリーフ部70、70を備えている。
クラッシュリリーフ部70とは、半割軸受41、42の周方向端面に近い部分の軸受壁を内周面側で除去することによって形成された、軸受内周面の曲率中心とは異なる曲率中心を有する減厚領域(周方向端面に向かって厚さを減じた領域を指し、SAE J506(項目3.26、項目6.4参照)、DIN1497、§3.2で規定されるとおりである)を意味する。
図2〜図4に、第1の半割軸受41および第2の半割軸受42から成る、クランクジャーナル6用主軸受4を示す。主軸受4は、一対の半割軸受41、42の周方向端面72を突き合わせて、全体として円筒形状に組み合わせることによって形成される(図2参照)。油溝41gは、周方向端面72から72まで、第1の半割軸受41の周方向全体に亘って形成されている。したがって、油溝41gは、両方の周方向端面72に開口(開放溝端)を有する。なお、油溝41gの溝底は図6に示されるように平坦である。
また、第1の半割軸受41の周方向端面72の内側(主軸受4の軸線側)に位置する角縁部が、軸受幅方向全体に亘って面取り状に欠截されて傾斜面76になっている。
第2の半割軸受42の内周面には、クランク軸回転方向(矢印X参照)の前方側の周方向端面72から測定して円周角θの範囲に、周方向長さの短尺な部分溝42gが形成されている。部分溝42gの溝幅中心と、油溝41gの溝幅中心とは、突き合わされた周方向端面72、72において、互いに整合する。なお、部分溝42gの溝底は図7に示されるように平坦である。
なお、第2の半割軸受42の部分溝42gの周方向端部(半割軸受42の周方向中央部側の端部)は、図4等に示すように主円筒部71の内周面に位置するようにすることが好ましいが、これに限定されないで、部分溝42gの周方向端部がクラッシュリリーフ部70に位置していてもよい。
また、第2の半割軸受42の周方向端面72の内側(主軸受4の軸線側)に位置する角縁部が、軸受幅方向全体に亘って面取り状に欠截されて傾斜面76になっている。
この第2の半割軸受41の傾斜面76は、第1の半割軸受41の傾斜面76と対をなし、主軸受4の軸線方向幅全体に亘って延在する断面V字形の軸線方向溝77を画成する。
以上の構成により、互いに接触する第1の半割軸受41と第2の半割軸受42の周方向端面72、72において、油溝41gと部分溝42gとが流体連通し、また、これら両溝41g、42gと、軸線方向溝77とが流体連通する。
油溝41gと部分溝42gの寸法関係
(1)油溝41gおよび部分溝42gの溝幅: 両溝41g、42gの溝幅W1、W2は互いに等しい(W1=W2)(図3、図4参照)。
(2)油溝41gおよび部分溝42gの溝深さ: 互いに接触する周方向端面72、72位置には、軸線方向溝77が存在するので、周方向端面72、72位置における溝41g、42gの深さを直接規定できない。しかしながら、軸線方向溝77が存在しない場合の主軸受の仮想内周面を基準とした時、油溝41gの溝深さ(D1)と、部分溝42gの溝深さ(D2)との間には、D1<D2なる関係が設定されている。D1<D2なる関係を別の表現にすると、「部分溝42gの溝底が、油溝41gの溝底よりも、主軸受の外周面側に偏位している」と云える。
第1の半割軸受41と第2の半割軸受42の斯かる構成によれば、突き合わされた周方向端面72、72において、油溝41gと部分溝42gとが流体連通状態にあるが、油溝41gと部分溝42gの溝深さの関係が、前記のとおり、D1(油溝41gの溝深さ)<D2(部分溝42gの溝深さ)であるから、部分溝42gの開口(開放溝端)の一部、すなわち溝底に隣接する領域が、第1の半割軸受41の周方向端面72によって遮蔽される。この遮蔽作用によって、部分溝42gの溝底に沿って移動する異物Fの移動速度が、周方向端面72への接近に伴って次第に低下する。部分溝42gと油溝41gとの連通部における、異物Fの周方向への直進慣性力低下により、部分溝42gから軸線方向溝77に流れる潤滑油に付随して、異物Fが、主軸受4の軸線方向端部から容易に軸受外部に排出される。
一方、部分溝42gの溝底から離れた溝上部領域を流れる潤滑油中の異物量は少ないが、その潤滑油は、部分溝42gと流体連通する油溝41gへ流れるので、主軸受4からの潤滑油の流出を抑制できる。
図8〜図10に示された実施例2について説明する。実施例2は、一部を除いて、実施例1と同じ構成を有する。以下、相違点についてのみ説明する。
油溝41g(第1の半割軸受41の溝)の溝幅(W1)と、部分溝42g(第2の半割軸受42の溝)の溝幅(W2)とが、関係式:W2>W1を満たす。
W1とW2の好適な関係は、1.1×W1<W2<2×W1である。
W2>1.1×W1なる関係は、部分溝42gの溝内両側の各4.5%以上の溝幅領域であって、溝底に隣接する領域が、周方向端面72によって遮蔽されるように構成することが好ましいということを意味する。
また、W2<2×W1なる関係は、部分溝42gから油溝41gに十分な量の潤滑油を供給するための流路断面積を確保するために必要な関係である。
斯かる構成によれば、部分溝42gと油溝41gの流体連通部近傍において、部分溝42g内を流れる潤滑油が、特に溝底に隣接する領域で、第2の半割軸受42の周方向端面72にぶつかって、軸線方向溝77に沿って流れて軸受軸線方向両端部に向かう。部分溝42gの溝底に沿って、潤滑油と共に周方向端面72に向かう異物Fは、部分溝42gと油溝41gの流体連通部近傍において、軸線方向溝77に向かう潤滑油の流れに付随して、図10に示すように両溝側面に接近する態様で周方向端面72にぶつかって、軸線方向溝77に沿って移動して軸受軸線方向両端部から潤滑油と共に外部に排出される。
図11〜図13に示す、主軸受4は、第1の半割軸受41および第2の半割軸受42から成る。第2の半割軸受42は、実施例1における第2の半割軸受42と同一品である。第1の半割軸受41は、以下の点で、実施例1における第1の半割軸受41と違っている。油溝41gの溝深さは、第1の半割軸受41のクランク軸の回転方向(矢印X方向)の後方側の周方向端面72において最小で、クランク軸の回転方向の前方側の周方向端面72に向かって徐々に大きくなっている。なお、クラッシュリリーフ部70における油溝41gの溝深さは、クラッシュリリーフを形成しなかった場合の仮想の主円筒部71の内周面を基準とした溝深さを意味する。そして、実施例1の場合と同様に、油溝41gの溝幅(W1)と、部分溝42gの溝幅(W2)とは互いに等しくなされている(W1=W2)。
以上の実施例において、油溝41gおよび部分溝42gの横断面形状を、図14に示すように逆台形状、すなわち両側面を傾斜面にして、溝底幅に比して溝頂部幅を大きくしてもよい。ただし、この場合の油溝41gおよび部分溝42gの溝幅(W1、W2)は、溝底で測定する値である。
また、実施例1、2では、油溝41gの溝深さを、第1の半割軸受41の周方向の全体に亘って一定にしたが、本発明の主軸受は、これに限定されず、例えば、油溝41gの深さを、第1の半割軸受41の周方向中央部分から周方向両端面72に向かって次第に小さくなるように、または、大きくなるように形成してもよく、あるいはまた、クランク軸の回転方向(矢印X方向)の後方側の周方向端面72からクランク軸の回転方向の前方側の周方向端面72に向かって小さくなるように形成してもよい。
なお、実施例1〜3において、第2の半割軸受42のクランク軸の回転方向の後方側の周方向端面72側に、部分溝42gと同様な部分溝を設けて、第2の半割軸受42を左右対称形状にしてもよい。このような左右対称形状を採用することにより、主軸受4の誤った組立作業を未然に防止できる。また、第2の半割軸受42のクランク軸の回転方向の後方側の周方向端面72側に、部分溝42gと異なる形状、寸法の他の部分溝を形成してもよい。
2 コンロッド
3 コンロッド軸受
4 主軸受
5 クランクピン
5a、5b 潤滑油路
5c 吐出口
6 ジャーナル部
6a 潤滑油路
6c 入口開口
41、42 半割軸受
41g 油溝
42g 部分溝
70 クラッシュリリーフ部
71 主円筒部
72 周方向端面
77 軸線方向溝
F 異物

Claims (5)

  1. 内燃機関のクランク軸のジャーナル部であって、円筒胴部と、前記円筒胴部を貫通して延びる潤滑油路と、前記円筒胴部の外周面上に形成された前記潤滑油路の少なくとも1つの入口開口とを有しているジャーナル部を回転自在に支持するための主軸受であって、
    前記主軸受は、それぞれの周方向端面同士を突き合わせることによって円筒形状に組み合わされる第1および第2の半割軸受を有し、
    前記第1および第2の半割軸受は、組み合わされたとき、それぞれの突合せ部分の内周面側に、前記主軸受の軸線方向全長に亘って延びる軸線方向溝を共に形成するように構成され、
    前記第1および第2の半割軸受は、該半割軸受の周方向中央部を含む主円筒部と、前記主円筒部よりも壁厚が薄くなるように該半割軸受の周方向両端部に軸線方向全長に亘って形成されたクラッシュリリーフ部とを有し、
    前記第1の半割軸受の内周面に、油溝が形成され、該油溝の周方向両端部は、前記第1の半割軸受の前記周方向両端面に開口し、
    前記第2の半割軸受の内周面に、部分溝が形成され、該部分溝は、前記第2の半割軸受の2つの周方向端面のうち、クランク軸の回転方向の前方側の周方向端面にのみ開口し、
    前記油溝と前記部分溝の溝幅中心が互いに整合して、前記油溝と前記部分溝とが互いに流体連通する関係にあり、該流体連通部において、前記部分溝の溝深さが、前記油溝の溝深さよりも大きいことを特徴とする主軸受。
  2. 前記部分溝が、前記第2の半割軸受の前記クランク軸の回転方向の前方側の周方向端面から円周角θ(ただし、円周角θの最小値=5°、円周角θの最大値=45°)の範囲に形成されていることを特徴とする請求項1に記載された主軸受。
  3. 前記流体連通部において、前記油溝の溝深さ(D1)と、前記部分溝の溝深さ(D2)とが、関係式D2=(1.1〜2)×D1を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された主軸受。
  4. 前記流体連通部において、前記部分溝の溝幅(W2)が前記油溝の溝幅(W1)よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された主軸受。
  5. 前記流体連通部において、前記部分溝の溝幅(W2)と、前記油溝の溝幅(W1)とが、関係式W2=(1.1〜2)×W1を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された主軸受。
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