JP2011140549A - 摺動部材用シート - Google Patents

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Kazuhiko Maruyama
和彦 丸山
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Abstract

【課題】
低摩擦性を有するにもかかわらず、耐摩耗性と成形加工性を維持するとともに吸湿に対する寸法安定性変化が等方的に高い摺動部材用シートであり、軸受け等の低摩擦性、耐摩耗性が特に重視される用途において好適に用いることができる摺動部材用シートを提供する。
【解決手段】
熱可塑性樹脂(A)、外部滑剤(B)および無機フィラー(C)を含有する摺動部材用シート。前記摺動部材用シートを打ち抜く工程を有する摺動部材の製造方法。

【選択図】なし

Description

本発明は、摺動部材用シートに関するものである。
従来、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂、ポリアミド樹脂は低摩擦性、耐摩耗性に優れていることから摺動部材として用いられている。これら摺動部材は、例えば、電気・電子機器、航空用機器、宇宙機器、自動車機器、輸送機器、事務用機器、一般産業機器その他各種機器の部品である歯車、カム、プーリー、スリーブ、軸受け、ワッシャー、シーリング材、クッションシート、バルブ部品、保護カバー等に使用されている。
摺動部材の使用条件よってはこれらの樹脂単独では摺動部材として充分な性能が得られないため、例えばアルミニウム合金等の軟質金属材を相手とする摺動条件において充分な低摩擦性、耐摩耗性を満足するために、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂に球状のアルミナを含有することが知られている(特許文献1)。
また摺動部材がモータ等に実装される場合、シート状態の摺動部材の打ち抜き加工が必要である。このときシート状態の摺動部材の波打ちやカールなどの変形より、目的の寸法、形状とならないため、摺動部材には寸法安定性や平坦性が求められる。ポリアミド樹脂はポリエーテル芳香族ケトン樹脂同様に低摩擦性、耐摩耗性に優れており(特許文献2)、コストの面でも比較的安価であるが、吸湿性が高いため比較的寸法変化を起こしやすい。その結果、打ち抜き加工時にそのシート状態が変形し目的の寸法、形状が得られない場合がある。
特開2003−73540号公報 特開平6−32978号公報
本発明は、寸法安定性、低摩擦性および耐摩耗性に優れた摺動部材用シートを提供することを目的とするものである。
本発明に係る摺動部材用シートは、前記熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂であるとすることができる。
本発明に係る摺動部材用シートは、前記外部滑剤(B)が固形パラフィンであるとすることができる。
本発明に係る摺動部材用シートは、前記無機フィラー(C)が球状フィラーまたは板状フィラーもしくはこれらの混合物であるとすることができる。
本発明に係る摺動部材の製造方法は、前記摺動部材用シートを打ち抜く工程を有する摺動部材の製造方法。

本発明に係る摺動部材用シートは、熱可塑性樹脂(A)をベース樹脂とし、外部滑剤(B)及び無機フィラー(C)を含有するため、低摩擦性を有するにもかかわらず、耐摩耗性と成形加工性を維持しており、さらに吸湿に対する寸法安定性変化が等方的高いため、軸受け等の低摩擦性、耐摩耗性が特に重視されるシートに広く用いることができる。
摺動部材用シートの評価に用いる動摩擦係数測定用装置の断面模式図である。 摺動部材用シートの評価に用いる摩耗性測定用装置の断面模式図である。
(熱可塑性樹脂)
本発明において用いられる熱可塑性樹脂(A)には、フィルムに耐摩耗性、摺動性を付与するという観点からは、結晶性樹脂を用いることがこのましい。更にポリエーテル芳香族ケトンまたはポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特に成形加工性やコストという観点からはポリアミド樹脂が好ましい。
前記ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、または、ナイロン66、ナイロン46を主体とする周知の方法で得られるものを使用することができ、寸法安定性の観点からはナイロン66または、ナイロン46が好ましく、低コスト化という観点からはナイロン6が好ましい。
(外部滑剤)
本発明において用いられる外部滑剤(B)は、本発明のシートから作製された摺動用部材と摺動機構を有する装置との接触面での潤滑性を向上させ好適な低摩擦性を付与させる
効果を有する。ここで、外部滑剤とは、例えばプラスチックと加工機械の接触面での潤滑性を向上させるものであり、より具体的には炭化水素、アミド、金属せっけん、エステル、脂肪酸等が挙げられる。比較的少量で滑性効果を得るためには、外部滑剤(B)としては固形パラフィンを用いることが好ましいと考えられる。
外部滑剤(B)の配合量は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して1.5重量部以上2.5重量部以下であることが好ましい。上記範囲下限値以上とすることにより、シートに好適な低摩擦性を付与することが可能となり、上記範囲上限値以下とすることによりシート加工時の安定性に優れる。
(無機フィラー)
本発明において使用する無機フィラー(C)は、特に制限は無く樹脂充填材用途に用いられている公知のもの等が使用できるが、得られるシートの吸湿に対する寸法安定性の面から、形状としては球状または板状のものが好ましい。具体的には、シリカやタルク等が挙げられる。
本発明において使用する無機フィラー(C)は平均粒子径が1μm以上10μm以下のものが好ましい。平均粒子径が前記下限値以上であることにより樹脂への分散性が安定し、前記上限値以下であることによりシート表面の平滑性が優れるものとなるとともにフィラーの脱落を低減し、好適な外観を有するシートを得ることができる。また、無機フィラー(C)のアスペクト比(フィラー粒子径長辺/フィラー粒子径短辺)が3以下となるものが好ましい。上記範囲とすることにより、シート寸法の異方性を抑えることが可能となる。
フィラーの配合量(C)は、熱可塑性樹脂100重量部に対して15重量部以上25重量部以下とすることが好ましい。前記範囲下限値以上とすることにより、寸法安定性に優れるものとなり、前記範囲上限値以下とすることにより好適な耐摩耗性を付与ことができる。
(シートの製造方法)
本発明に係るシートは、配合原料を混合・混練した上で、シート成形することにより得ることができる。混合・混練方法は特に限定されることはなく各種混合・混練手段が用いられる。例えば、予め粉体原料のみをヘンシェルミキサー、ボールミキサー、ブレンダー、タンブラー等の混合機を利用して乾式予備混練して、さらに溶融混練機にて溶融混練することができる。またシート成形方法としては基材となる樹脂に適当な成形方法を適用することができる。例えば、射出成形、溶融押出成形、注型成形、圧縮成形等の各種成形方法である。生産性の点からは溶融押出シート成形が好ましい。ただし、成形方法については特に限定するものではない。
溶融押出によりシートを成形する場合は、溶融押出直後に引き取り冷却ロールにより冷却固化させることが好ましい。冷却ロールを用いる場合、ロール表面粗さを溶融樹脂が固化する際にシート表面へ転写させることによりシート表面に所定の表面粗さを付与することが可能である。シート表面粗さの制御により更にシートの耐摩耗性を向上させることができる。
本発明に係る摺動部材用シートの厚みを特に限定されるものではなく、例えば5〜5000μmのものを包含するが、好ましい範囲は10μm以上500μm以下である。前記範囲下限値以上とすることによりシートの搬送中における変形等を抑制し、前記範囲上限値以下とすることにより、シート巻取り等の生産性を安定化させることができる。
(シートの使用方法)
本発明に係る摺動部材用シートは、打ち抜き加工等により各種摺動部材として使用することができる。具体的な例をしては、打ち抜き加工によりスラスト軸受け材として用いること等が挙げられる。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(試験用シートの作製)
ナイロン6(宇部興産株式会社製、品番:1030B2)、タルク(日本タルク株式会社製、ミクロエースL−1)、固形パラフィン(日本精蝋株式会社製、Hi−Mic−1080)を表1に示す配合比率で混合後、二軸押出機でシリンダー温度225℃の条件にて溶融混練した後、温度225℃のダイス(ストランドダイス)から出てきた軟化状態のストランドを水槽の水中に押出して冷却固化させる。水槽を通過したストランドをストランドカッターでペレット化してペレットを得た。
得られたペレットを70℃×17時間の条件で乾燥させた後、単軸押出機でシリンダー温度260℃の条件にて溶融混練した後、温度260℃のダイス(Tダイ)から出てきた軟化状態のシートを徐々に冷却させて厚み250μmのシートを得た。
(シート加工性の評価)
シート加工性は基準により評価を行った。
○:シート加工が安定して可能である。
△:安定したシート加工が不可能である。(シート加工は可能であるが、シート押出し時の吐出が不安定、もしくはシート引き取り時の破断が発生)
×:シート成形不可(常時吐出不安定、シート引き取り時にシート破断してシートにならない)
得られた各樹脂シートについて、以下の評価を行った。
(摩擦性)
大きさ約25cm×約25cmの試験片を試験テーブル上に両面テープで固定する。大きさ6.5cm×6.5cm、質量200gの滑り片に試験片(大きさ6.5cm×約15cm)を巻き付け、試験テーブルに固定した試験片上に置く。滑り片はスプリングを通してオリエンテック社製テンシロンRTF−1250に接続した。滑り片を150mm/minの速度で引張り、その時の動摩擦係数を測定。3測定の平均を取った。評価基準は以下のようなものである。
◎:0.25未満
○:0.25以上、0.30未満
△:0.30以上、0.35未満
×:0.35以上
(摩耗性)
約10cm×10cmの試験片に直径6.35mmの孔を中心にあけ、質量を計測する。試験片をTABER社製テーバー摩耗試験機ABRASER 5130の支持円板に取り付ける。摩耗輪CS−10Pはリフェイス(S−11)で25回転させた後、装置に取り付け、アームを下ろし、試験片上に摩耗輪を置く。摩耗輪に500gの荷重をかけ、摩耗粉吸引装置(吸引圧1.5kPa〜1.6kPa)を始動し試験片の回転を開始する。回転数は1,000回、回転速度は60min−1とする。 回転が停止した後、試験片を取り出し、質量を測定する。試験前後の質量差を摩耗量とした。評価基準は以下のようなものである。
◎:7mg未満
○:7mg以上9mg未満
△:9mg以上、11mg未満
×:11mg以上
(寸法安定性)
シートの押出方向、幅方向それぞれに引いた約14cm間隔の標線間の距離をコーガク社製大型測定顕微鏡LM−33で測定後、水(23℃)に24時間浸漬。水中浸漬後、上記の方法で標線間の距離を測定し、以下の方法で算出した。
各シートで、(浸漬前標線間距離―浸漬後標線間距離)/浸漬前標線間距離×100を算出し、その絶対値を吸水変化率とする。3測定の平均を取る。3測定の平均値のうち、装置方向、幅方向の数値が大きい方を代表値とする。評価基準は以下のようなものである。
◎:1.0%未満
○:1.0%以上、1.5%未満
△:1.5%以上、2.0%未満
×:2.0%以上
本発明の実施例と比較例1を比較するとポリアミド樹脂単独で用いた比較例1に比較して、外部滑剤1.5重量部、タルク20重量部を添加することで、耐摩耗性、成形加工性を損なわずに、低摩擦性、吸湿に対する寸法安定性が向上することがわかる。
比較例2,3,4について、外部滑剤を添加せず、タルク添加量が少ない場合には低摩擦性および吸湿に対する寸法安定性改善の効果を発揮できず、また添加量が多すぎる場合には成形加工性が非常に悪化し、耐摩耗性もやや悪化し優れた摺動部材と成り得ないことがわかる。
本発明に係る摺動部材用シートは、低摩擦性、耐摩耗性および成形加工性に優れ、さらに吸湿に対する寸法安定性変化が高いため、軸受け等の低摩擦性、耐摩耗性が特に重視されるシートに広く用いることができる。


1・・・試験テーブル
2・・・両面テープ
3・・・試験片
4・・・試験片
5・・・滑り片
6・・・スプリング
7・・・試験片
8・・・摩耗輪
9・・・試験片の回転軸
10・・動摩擦係数測定用装置
20・・摩耗性測定用装置の断面の模式図







Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂(A)、外部滑剤(B)および無機フィラー(C)を含有する摺動部材用シート。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂である請求項1記載の摺動部材用シート。
  3. 前記外部滑剤(B)が固形パラフィンである請求項1または2記載の摺動部材用シート。
  4. 前記無機フィラー(C)が球状フィラーまたは板状フィラーもしくはこれらの混合物である請求項1乃至3のいずれか1項記載の摺動部材用シート。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の摺動部材用シートを打ち抜く工程を有する摺動部材の製造方法。
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