JP2011138648A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする問題は、イオンのドリフト時間の短縮による更なる応答速度の向上、電子なだれによるガス増幅の高効率化とイオン検出効率の向上、および低真空二次電子像の像質改善である。
【解決手段】本発明では、試料を保持する試料台と、当該試料台を格納する試料室と、荷電粒子線を当該試料室内に照射する照射光学系と、前記荷電粒子線を試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置において、前記荷電粒子線照射によって試料より放出される二次荷電粒子を検出する検出器を前記対物レンズと前記試料の間の空間に有し、当該検出器は、正電圧が印加された第一の電極と、前記正の電圧より低い電圧が印加され当該第一の電極を挟む少なくとも2枚の第二の電極から構成され、前記電極のいずれかもしくは全てに流れる電流を信号電流として検出することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、荷電粒子線装置に関し、特に、荷電粒子線装置の試料室を低真空(1〜数1000Pa)に保った状態で観察可能な荷電粒子線装置の二次荷電粒子の検出器、およびその検出方法に関わる。すなわち、観察面の情報を持った二次荷電粒子を試料室内に供給された電界によって加速し、増幅されたイオン/電子が検出電極に向かって移動することによって流れる正/負の誘導電流を検出して画像を形成する荷電粒子線装置および試料像形成方法に関する。
検出原理にガス増幅を用いた荷電粒子線装置は、一次荷電粒子線の照射により試料より放出される二次荷電粒子を低真空雰囲気中で増幅してから検出し、この検出信号を用いて画像を形成する装置であり、高真空時の検出原理と装置構成は異なっている。
一次荷電粒子線の照射により試料から放出される二次荷電粒子は、電界によって加速され、残留ガス分子と衝突しガス増幅作用をもたらす。ガス増幅作用により発生したイオン/電子は指数関数的に増幅し、これらの増幅されたイオン/電子を検出電極に流れる正/負の誘導電流の形で検出することにより画像を形成する。
ここで、誘導電流が発生する原理を、図9を用いて説明する。
検出器の等価回路はコンデンサ901で表される。ここで、電圧Vが印加された容量C,電極間距離Lのコンデンサ空間内に電荷q902があるときを考える。電荷qは、コンデンサ空間内の電界V/Lによって電極に垂直な方向へ移動する。このときの微小移動量をdxとすると、電極間のポテンシャルはdφ=(V/L)・q・dxだけ変化する。ポテンシャルの変化分を補うため、コンデンサには電荷dQが誘起される。ポテンシャルのつりあいの式は、dφ=V・dQで与えられ、結果、dQ=(q/L)・dxとなる。I=dQ/dtであることから、I=(q/L)・vとなる。これが誘導電流903である。ここでv=dx/dtであり、電荷qの速度である。
実際には、コンデンサ内にはガス増幅によってイオンと電子が混在している。このとき、電子は高電位の電極に向かい、イオンは低電位の電極に向うため結果的に同じ方向に誘導電流が流れる。
検出方式には二通りがあり、低電圧側の電極を検出電極として増幅回路を接続し、正の誘導電流を検出する方式904と、高電圧側の電極を検出電極として増幅回路を接続し、負の誘導電流を検出する方式905とがある。両者で物理原理は全く同じだが、試料室内に供給される電位勾配や、電界供給用の電極(電界供給電極)の形状などが異なっており、用途に応じて様々な検出器形態が存在している。
ここで、コンデンサ電界に対して垂直な向き(図9のx軸に垂直方向)に移動する電荷は誘導電流として検出されない点に注意する。また、検出器のレスポンスは、移動が遅いイオンの移動時間によって決まっていることに注意する。一般にイオンの移動時間は増幅回路の応答時間に比べて長い。
荷電粒子装置における画像形成の方法として、試料室内の残留ガス分子を用いて二次荷電粒子を増幅させ、イオン電流を検出する方法は様々試みられている。この原理に関する内容については、非特許文献1に記載されている。
具体的な方法は、特許文献1に高真空二次電子像を観察する際に二次電子コレクタ電極として用いている板状電極を、低真空の二次電子像を観察するために電界供給電極として用いて、イオン電流検出電極として試料台を用いる方法が開示されている。この時、前記のコンデンサ空間は電界供給電極(高真空時の二次電子コレクタ電極)と試料台の間に形成される。
特許文献2では、電界供給電極として二次電子コレクタ電極を用いて、イオン電流検出電極として、試料台とは別の電極を用いる方式が開示されている。これは、電離増幅作用が起こる経路上に検出電極を設けることで、イオンの検出効率を向上させるためである。
特許文献3では、電界供給電極として二次電子コレクタ電極とは別の電極を用い、イオン電流検出電極として電界供給電極の周囲にイオン電流検出専用の電極を設ける方式が開示されている。これにより、イオンの移動時間を短縮し、かつ検出効率の向上が図られている。特許文献2,特許文献3の検出器のコンデンサ空間は、電界供給電極と検出電極の間に形成される。
特開2001−126655号公報 特開2003−132830号公報 特開2006−228586号公報
セコンダリー エレクトロン イメージング インザ バリアブル プレッシャー スキャニング エレクトロン マイクロスコープ スキャニング 20、436−441(1998)
特許文献1,2,3の構造では、電界供給電極の電界が検出器から漏れてしまい、試料近傍からガス増幅が起こる。電界供給電極の電界が試料表面に届くと、試料表面の凹凸に応じて電界が集中し、ガス増幅によって生成されたイオンが引き寄せられ、試料表面で中和作用が起こってしまい、試料表面から二次電子が放出されても、見かけ上放出されていないように見える。よって、その時取得される像は二次電子像特有のエッジコントラストが強調されにくい。また、特許文献1,2に開示される技術では試料室内部にコンデンサ空間となる一定の空間が必要であり、かつコンデンサ空間が広いため、イオンのドリフト時間に依存する応答速度の問題と、生成されたイオンの検出効率に問題がある。特許文献3では、電界供給電極の近傍に検出電極を配置することで、応答速度と検出効率の改善が図られているが、TVスキャン(30フレーム/秒程度のスキャン)には対応できていない。
本発明が解決しようとする問題は、イオンのドリフト時間の短縮による更なる応答速度の向上、電子なだれによるガス増幅の高効率化とイオン検出効率の向上、および低真空二次電子像の像質改善である。
本発明では、試料を保持する試料台と、当該試料台を格納する試料室と、荷電粒子線を当該試料室内に照射する照射光学系と、前記荷電粒子線を試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置において、前記荷電粒子線照射によって試料より放出される二次荷電粒子を検出する検出器を前記対物レンズと前記試料の間の空間に有し、当該検出器は、正電圧が印加された第一の電極と、前記正の電圧より低い電圧が印加され当該第一の電極を挟む少なくとも2枚の第二の電極から構成され、前記電極のいずれかもしくは全てに流れる電流を信号電流として検出することを特徴とする。
上記構成によれば、ガス増幅を起こすための初期の二次荷電粒子が極めて少量であったとしても、効果的にガス増幅を起こすことができるため、収量の向上が可能である。また、電界供給電極と試料表面の間に接地電位である検出電極を置き、試料近傍での電離増幅作用を抑制することで像質の改善を行うことができる。
検出器の配置位置に関する実施例1に関わる荷電粒子線装置の構成例を示す図。 実施例1に関わる二次荷電粒子検出器の構成例を示す図。 実施例1に関わる二次荷電粒子検出器の断面図。 検出電極19の形状。 メッシュ状電極。 スリット状電極。 同心円状電極。 実施例2に関わる二次荷電粒子検出器の構成例を示す図。 実施例2に関わる二次荷電粒子検出器の断面図。 実施例2に関わる二次荷電粒子検出器のシミュレーション結果。 実施例3に関わる二次荷電粒子検出器の構成例を示す図。 実施例3に関わる二次荷電粒子検出器の断面図。 実施例3に関わる二次荷電粒子検出器のシミュレーション結果。 実施例4に関わる二次荷電粒子検出器の構成例を示す図。 実施例4に関わる二次荷電粒子検出器の断面図。 実施例5に関わる二次荷電粒子検出器の構成例を示す図。 検出器の配置位置に関する実施例6に関わる荷電粒子線装置の構成例を示す図。 本検出器の基本構成を示す図。 二次電子の軌道と電位勾配を示す図。 誘導電流を説明するための図。
以下に本発明の代表的な実施例について図を用いて説明する。それに先立ち、本発明における検出器の基本構成と原理を図8−A,図8−Bで説明する。図8−Aは試料より放出された二次荷電粒子が電子(二次電子)であった場合の検出器の構成である。一次荷電粒子線の照射によって試料より放出された二次電子の軌道上に電位勾配を構成する場合、一例として図8−Aのように電界供給電極801,検出電極802を配置する。一般的に電界供給電極801は正の電位であり、検出電極802は接地電位である。検出器内部に導入された二次電子は二次電子軌道803のような軌道を描く。このときガス増幅作用は増幅領域804で頻繁に起こる。
検出器内部に導入された二次電子が二次電子軌道803のような軌道を描く理由を、図8−Bを用いて説明する。検出器内部は、電位勾配805,電位勾配806が形成される。所定の速度を持った二次電子は電位勾配805,806に沿って移動するため、二次電子軌道803のような軌道となる。
なお、本明細書では接地電極を検出電極として増幅回路を接続することで正の誘導電流を増幅し、検出する方式について説明するが、電界供給電極を検出電極としてフローティング増幅回路を接続し、負の誘導電流を検出してもよい。
本実施例では、一次荷電粒子線の照射により試料表面から放出される二次荷電粒子の軌道上において、電位勾配を形成する二次荷電粒子検出器を備えた荷電粒子線装置のうち、特に二次荷電粒子検出器が一次荷電粒子線の光軸を中心として配置された軸上型二次荷電粒子検出器について説明する。
図1には、軸上型二次荷電粒子検出器を備えた荷電粒子線装置の外観構成を模式的に示した。図1に示す荷電粒子線装置は、対物レンズ8を含む荷電粒子線光学鏡筒,試料室1,検出された二次電子起因の正の電流信号を信号処理して画像を形成する情報処理部2,画像処理部に接続された画像処理端末3等により構成される。画像処理端末3には、形成画像を表示するための表示手段や、当該表示手段に表示されるGUIに対して装置の操作に必要な情報を入力する情報入力手段等を備えている。なお、電子光学鏡筒内の各構成要素、例えば一次荷電粒子線の加速電圧,各電極に印加する電流・電圧などは、自動もしくは、ユーザが画像処理端末3上で所望の値を入力し、観察条件制御部4により調整される。
荷電粒子線光学鏡筒は、荷電粒子源5,荷電粒子源5より発生する一次荷電粒子線6,それを集束させる作用を持つコンデンサレンズ7,対物レンズ8、および荷電粒子線を偏向させるための偏向器9などにより構成される。以下に各構成部品について説明する。コンデンサレンズ7,対物レンズ8は、試料10上の所望の観察部位に適した光学条件になるように荷電粒子線6を集束させる。偏向器9は試料10上の荷電粒子線6を所望の観察範囲に従って走査させる。荷電粒子線6の照射に伴って試料10の表面より、二次荷電粒子である二次電子11および反射電子100が発生する。
試料10が収められた試料室1内部の真空度は、当該試料室1への大気導入口12のニードルバルブ13の調整により制御される。本荷電粒子線装置は低真空観察だけではなく、高真空観察も可能である。
高真空観察時における試料室内部の真空度は10-3Pa以下の高真空状態に保たれる。この時、試料10より発生する二次荷電粒子の一つである二次電子11は高真空用二次電子検出器14により検出される。本実施例で用いられた高真空二次電子検出器14は、シンチレータと光電子増倍管で構成されるEverhart Thornley型検出器である。このとき、二次電子11の捕集効率を向上させるため、典型的に+300V程度の電圧を印加したコレクタ電極15により試料室内に電位勾配を形成する。
また、一次荷電粒子線の照射によって発生した反射電子100は対物レンズ下面に配置された反射電子検出器16によって検出される。反射電子検出器16は、半導体検出器またはマイクロチャンネルプレートを用いる。半導体検出器を用いた場合、低真空観察モードでも反射電子検出が可能である。以降、反射電子検出器16は半導体検出器であるとする。
検出された二次電子、反射電子起因の信号は電気的に増幅された後、画像処理部2でA/D変換され、一次荷電粒子線6の走査と同期させて、画像処理端末3に表示する。これにより、観察視野範囲の画像が得られる。
低真空で観察を行うために、ニードルバルブ13の開閉により試料室1内の圧力を1〜数1000Pa程度のガス圧に維持する。また、高真空用二次電子検出器14のコレクタ電極15は接地電位になる。
本実施例の二次荷電粒子検出器17は、対物レンズ8の下面に配置された反射電子検出器16の検出立体角を損なわないように中心に穴が設けられ、中心穴は一次荷電粒子線6の光軸と一致し、試料面に対して水平に配置される。二次荷電粒子検出器17(点線枠内)は電界供給電極18と検出電極19を備えている。電界供給電極18には、典型的に電源20によって100〜500V程度の正の電圧が印加され、検出電極19は典型的に接地電位である。検出電極19には、誘導電流を増幅するための増幅回路21が結線されている。また、対物レンズの下面に配置された二次荷電粒子検出器17は絶縁物22により、対物レンズと絶縁される。
試料10から放出された数eV程度のエネルギーを持つ二次電子11は、電界供給電極18により供給される電界によって、電界供給電極18に向かって加速され、二次荷電粒子検出器17の内部に導入される。二次荷電粒子検出器17内部に導入された二次電子11は、電界供給電極18の近傍で試料室内部の残留ガスとの相互作用によりガス増幅作用が起こり、ガス増幅作用によって生成された電子23とガス増幅作用によって生成されたイオン24が生成される。ガス増幅作用によって生成されたイオン24は、電界供給電極18と検出電極19の間に形成されるコンデンサ空間を移動する。このイオン24の移動により検出電極19にはイオン24に起因する誘導電流25が流れる。
増幅回路21は、誘導電流25を所望のゲインで増幅する。増幅した信号を画像処理部2でA/D変換し、一次荷電粒子線6の走査と同期させ、画像処理端末3に表示する。これにより、一次荷電粒子線6の走査範囲に準じた観察視野範囲の画像が得られる。
ガス圧力を調整するニードルバルブ13,各電極に印加する電圧は観察条件制御部4により、観察条件に適した条件に設定される。ガス圧力,電界供給電極18に印加される電圧は、ユーザが画像処理端末3上のGUIから所望の値に設定しても良い。二次荷電粒子検出器17の固定は、対物レンズもしくは試料室内壁に固定された図示しないホルダによって保持される。
図2−Aの模式図を用いて、二次荷電粒子検出器17の詳細を説明する。上記のように一次荷電粒子線6の照射により試料10の表面より放出された数eV程度のエネルギーを持つ二次電子11は、電界供給電極18の供給する電界によって加速され、二次電子軌道201のような軌道を描きながら二次荷電粒子検出器17の内部へと導入される。二次電子11の軌道において、電界供給電極18の電圧を適当な値にすることで、二次荷電粒子検出器17と試料10の間に形成されるコンデンサ空間202で起こる電離増幅作用を抑制することができる。また、検出電極19の下側を設置することもンデンサ空間202で起こる電離増幅作用を抑制することに寄与している。これは、コンデンサ空間202でガス増幅作用が起こった場合に生成されるイオン203が、試料10の表面に帰着し、試料10より放出される二次電子11と再結合することを低減する効果がある。この効果は、二次荷電粒子検出器17によって得られる画像をより鮮明な二次電子画像に近づける。
二次荷電粒子検出器17に導入後の二次電子11は、電位勾配に沿って201のような軌道となる。201のような軌道を描く二次電子11は、加速と減速を繰返し、特に電離増幅作用発生領域204で頻繁にガス増幅作用を起こす。
図2−B1に実施例1の二次荷電粒子検出器17の断面構造を示す。検出電極19は、図2−B2のように中心に穴があればよい。電界供給電極18は、図2−B3のメッシュ,図2−B4のスリット,図2−B5の同心円など電子が往復運動できるように無数の穴を有する構造とする。
図3−Aに図2−Aに示した二次荷電粒子検出器17とは異なる形状の二次荷電粒子検出器17Bの模式図を示す。二次荷電粒子検出器17B以外の構成は、実施例1と同様とする。図3−Bは二次荷電粒子検出器17Bの断面を模式的に示したものである。電界供給電極18の形状は実施例1と同様である。
ここで、二次荷電粒子検出器17Bの荷電粒子源側検出電極を19A、試料側検出電極を19Bとする。検出電極19Bは、メッシュ状,スリット状,同心円状等の構造とすることで一次荷電粒子線6に対して角度を持った二次電子301を二次電子軌道302のような軌道で二次荷電粒子検出器17Bの内部へ導入することができる。二次荷電粒子検出器17Bの内部に導入された二次電子301は、電離作用発生領域303で電離増幅作用に起因することとなり、より効率的に電離増幅が起こる。
図3−Cに、実施例2で提案する形状でシミュレーションを行った結果を示す。真空条件は高真空である。実施例1の二次荷電粒子検出器17の構造では、二次電子導入領域305からのみ二次電子11が導入される。実施例2では、新たに二次電子導入領域306からの二次電子11も電界供給電極18の供給する電界によって二次荷電粒子検出器17の内部に導入されていることを確認した。よって実施例1の検出器よりさらに高収量化を可能とする。
尚、メッシュ状,スリット状,同心円状の試料側検出電極19Bは、電界供給電極18による漏れ電界によって、二次荷電粒子検出器17Bと試料10の間に形成されるコンデンサ空間304で、電離増幅が起こらない程度の粗さのものとする。
図4−Aに図2−Aおよび図3−Aに示した二次荷電粒子検出器17とは異なる形状の二次荷電粒子検出器17Cを示す。二次荷電粒子検出器17C以外の構成は実施例1と同様とする。図4−Bは二次荷電粒子検出器17Cの断面を模式的に示したものである。
図2−Aおよび図3−Aの二次荷電粒子検出器の形状では検出器の末端まで到達した二次電子11が検出器の外部に逃げてしまう。そこで、二次荷電粒子検出器17Cは、外部に逃げてしまう二次電子11を再び検出器内部に戻すための振り戻し電極401を備えたものである。振り戻し電極401は、二次電子11を振り戻すため典型的に負の電圧が印加されている。二次荷電粒子検出器17Cの内部に振り戻された二次電子11は、二次電子軌道402の軌道を描く。二次電子軌道402の軌道上で、振り戻された二次電子11は、新たに電離作用発生領域403で電離増幅を起こす。これにより、実施例1,実施例2で示した二次荷電粒子検出器よりも高収量化できる。
図4−Cに実施例3で提案する形状でシミュレーションを行った結果を示す。真空条件は高真空である。実施例2のシミュレーション結果では、検出器外部へ二次電子11が放出されてしまっているが、図4−Cの領域404では、二次電子11の軌道を見ても分かるように、振り戻し電極401で二次電子11が検出器内部へ戻っている。これにより、一度検出器内部に導入された二次荷電粒子は、検出器内部を何度も往復するような軌道を描き、検出効率の高効率化が図れる。
図5−Aに二次荷電粒子検出器17Dの模式図を示す。二次荷電粒子検出器17Dの構造は、実施例3の二次荷電粒子検出器構造に新たに電界供給電極18Bと検出電極19Cを追加し、検出器の構造を2段化したものである。これにより、ガス増幅作用を起こす領域を増加させることができる。本実施例では簡略的に2段の構造を用いて説明を行ったが、さらに高収量化が必要な場合は2段以上の構造(多段構造)としても良い。図5−Bは二次荷電粒子検出器17Dの断面を模式的に示したものである。
図6−Aは、軸外における二次荷電粒子検出器の配置を説明した図である。軸外の二次荷電粒子検出器17Eの構造は、これまで説明した何れの構造でも良い。二次荷電粒子検出器の配置以外は実施例1と同様である。以上のような構成とすることで、試料10と対物レンズ8の距離において二次荷電粒子検出器によるWDの制限がない。また、試料台を傾斜させた場合にも検出器が試料に追従するため、試料10と二次荷電粒子検出器の干渉を避けることができる。
図7−Aは、軸外における二次荷電粒子検出器の配置を説明した図である。軸外の二次荷電粒子検出器17Fの構造は、これまで説明した何れの構造でも良い。二次荷電粒子検出器の配置以外は実施例1と同様である。本実施例で、軸外二次荷電粒子検出器17Fは、試料10の表面より下側に配置される。この構成によると、試料10と対物レンズ8の距離において二次荷電粒子検出器によるWDの制限がない。試料台を傾斜させた場合にも検出器が試料に追従するため、試料10と二次荷電粒子検出器の干渉を避けることができる。さらに、一次荷電粒子線6の照射によって発生する反射電子12の捕集を低減できる。よって、本検出器で得られる画像は、高真空の二次電子画像により近いものとなる。
また、試料10を薄膜化することで、透過画像の取得も可能となる。
1 試料室
2 情報処理部
3 画像処理端末
4 観察条件制御部
5 荷電粒子減源
6 一次荷電粒子線
7 コンデンサレンズ
8 対物レンズ
9 偏向器
10 試料
11 二次電子
12 大気導入口
13 ニードルバルブ
14 高真空用二次電子検出器
15 コレクタ電極
16 反射電子検出器
17,17B,17C,17D,17E,17F 二次荷電粒子検出器
18,18B,801 電界供給電極
19,19C,802 検出電極
19A 荷電粒子源側検出電極
19B 試料側検出電極
20 電源
21 増幅回路
22 絶縁物
23 電子
24 イオン
25 イオン24に起因する誘導電流
100 反射電子
201,302,402,803 二次電子軌道
202,304 コンデンサ空間
203 コンデンサ空間202で生成されたイオン
204 電離増幅作用発生領域
205,305,306 二次電子導入領域
301 角度を持った二次電子
303,403 電離作用発生領域
401 振り戻し電極
404 領域
804 増幅領域
805,806 電位勾配
901 コンデンサ
902 電荷q
903 誘導電流
904 正の電流を検出する方式
905 負の電流を検出する方式

Claims (8)

  1. 試料を保持する試料台と、当該試料台を格納する試料室と、荷電粒子線を当該試料室内に照射する照射光学系と、前記荷電粒子線を試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線照射によって試料より放出される二次荷電粒子を検出する検出器を前記対物レンズと前記試料の間の空間に有し、
    当該検出器は、正電圧が印加された第一の電極と、前記正の電圧より低い電圧が印加され当該第一の電極を挟む少なくとも2枚の第二の電極から構成され、前記電極のいずれかもしくは全てに流れる電流を信号電流として検出することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1の荷電粒子装置において、
    前記第一の電極および第二の電極は、対物レンズの下部に配置され、荷電粒子線が通過する開口部を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1の荷電粒子線装置において、
    第一の電極は、試料から放出された二次荷電粒子および前記試料室内で発生した二次荷電粒子が通過する通過領域を複数備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項3の荷電粒子線装置において、前記第二の電極の試料に対向する側の電極は、試料から放出された二次荷電粒子が通過する通過領域を複数備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1の荷電粒子線装置において、前記第二の電極の試料に対向する側の電極が試料と同電位であることを特徴とする荷電粒子装置。
  6. 請求項1の荷電粒子線装置において、
    前記検出器の前記第一の電極および第二の電極の端部にさらに電極を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1の荷電粒子線装置において、
    前記検出器は、第一の電極および第二の電極の組を複数有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 試料を保持する試料台と、当該試料台を格納する試料室と、荷電粒子線を当該試料室内に照射する照射光学系と、前記荷電粒子線を試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置による二次荷電粒子の検出方法おいて、
    前記荷電粒子線照射によって試料より放出される二次荷電粒子を検出する検出器を前記対物レンズと前記試料の間の空間に有し、
    当該検出器は、正電圧が印加された第一の電極と、前記正の電圧より低い電圧が印加され当該第一の電極を挟む少なくとも2枚の第二の電極から構成され、
    前記試料から放出された二次荷電粒子を前記検出器内に導入し、前記第一の電極と前記第二の電極の間で往復運動をさせ、前記試料室内に残留するガスとの相互作用により、さらに二次荷電粒子を発生させ、
    前記電極のいずれかもしくは全てに流れる電流を信号電流として検出することを特徴とする荷電粒子線装置による二次荷電粒子の検出方法。
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