JP2011138034A - 反射増強膜の製造方法、反射増強膜及び反射増強膜形成用塗料 - Google Patents

反射増強膜の製造方法、反射増強膜及び反射増強膜形成用塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】金属反射膜上に、塗料を1回塗布して硬化させるだけで、高反射率を得ることができる反射増強膜の製造方法を提供する。また、この方法により得られる反射増強膜及びこの反射増強膜を得ることができる反射増強膜形成用塗料を提供する。
【解決手段】微粒子とバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率がバインダー成分の硬化後の屈折率よりも0.1以上低い塗料を、硬化後の膜厚が所定の厚さになるように反射基材上に塗布し、得られた塗布膜を未硬化の状態で保持した後に塗布膜を硬化する反射増強膜の製造方法、及びこの方法に好適な反射増強膜形成用塗料である。また、反射基材上に形成されてなり、微粒子と硬化後のバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率が硬化後のバインダー成分の屈折率よりも0.1以上低く、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、反射基材側における微粒子の含有量が表面側よりも大きい反射増強膜である。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射増強膜の製造方法、反射増強膜及び反射増強膜形成用塗料に関する。
反射体は、様々な分野に広く用いられている。例えば照明に関係する分野や液晶表示等におけるバックライトの分野においては、光源から四方に放射される光を特定の方向に反射・集光させて、照明や表示のために有効に用いるために反射体は不可欠な物であり、反射体の反射率が向上すれば、同一の光源を用いても照度や輝度の向上を計ることができる。また、例えば太陽電池分野においては、太陽電池を透過した光を、反射体を用いて反射させ太陽電池に戻し、電池出力を向上させているが、反射体の反射率が向上すれば、電池出力の更なる向上(太陽光の有効利用)を図ることができる。このように、反射光を利用する分野においては、反射体の反射率を向上させることが必須となっている。
従来用いられている最も単純かつ効果的な反射率の向上法は、基材の表面に高反射率の金属反射膜を形成する方法である。金属反射膜としては、銀や銀合金が代表的であり、例えば樹脂フィルムに対して銀をスパッタ成膜する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、金属反射膜を用いない方法としては、樹脂中に微細な気泡を含有させた反射層を形成する方法(例えば、特許文献2参照)や、多層膜構造の反射層を有するものとして複数層のポリマーフィルムを交互に積層した反射層(例えば、特許文献3参照)や誘電体多層膜による反射層(例えば、特許文献4参照)なども知られている。
ここで、基材の表面に高反射率の金属反射膜を形成する方法は、反射率が高く構造的に簡単であり成膜も容易なことから、広く用いられている。しかし、現在要求されている反射特性に対しては、まだ反射率が不十分であることから、より高い反射率を得るために、銀や銀合金を主体とする金属反射膜上に低屈折率層を設け、低屈折率層の表面にさらに高屈折率層を設けたいわゆる反射増強膜を設けることにより、反射率の向上を図ることが行われている(例えば、特許文献5、6参照)。
特表平10−505133号公報 特開2003−145657号公報 特表2003−511729号公報 特開2007−52305号公報 特開2005−135700号公報 WO2007/13269号公報
しかしながら、従来の反射増強膜を設けたものにおいては、主たる反射体である銀や銀合金を主体とする金属反射膜以外に、少なくとも低屈折率層と高屈折率層の2層の成膜が必要であり、さらにこの成膜はスパッタや蒸着などのドライプロセスにより行われるため、高コスト化を避けることができないという問題があった。また、成膜時は真空雰囲気であり、成膜時に膜の付着強度が向上するために100℃ないし200℃程度の温度とする必要があるため、軟質であったり、温度で劣化したりするような基材上に高反射率膜を形成することが難しかった。
一方多層膜を用いるものでは、波長依存性を有するため、各膜の成膜条件や膜特性を厳密に制御する必要がある。また、層数に対応して工程数が多いこと、さらに誘電体多層膜はドライプロセスによる成膜のため、この方法も高コスト化を避けることができないという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、銀や銀合金を主体とする金属反射膜上に、塗料を1回塗布して硬化させるという作業を行うだけで、従来の反射増強膜を設けた高反射体に匹敵する高反射率を得ることができる反射増強膜の製造方法を提供することを目的とする。また、この方法により得られる反射増強膜、及びこの反射増強膜を得ることができる反射増強膜形成用塗料を提供することを目的とする。
本発明者らは、微粒子とバインダー成分を含有する塗料、ならびに当該塗料を用いて形成される膜体について鋭意検討を重ねた結果、微粒子の粒子径と膜厚、ならびに微粒子の表面状態や微粒子と反射基材(金属反射膜を形成した基材)との親和性等を適宜調整することにより、微粒子とバインダー成分との比率を、形成した膜体中の膜厚方向で調整できる方法を見出し、当該方法を適用することで上記課題を解決した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 微粒子とバインダー成分とを含み、前記微粒子の屈折率が、前記バインダー成分の硬化後の屈折率よりも0.1以上低い塗料を、硬化後の膜厚が前記微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下の厚さになるように反射基材上に塗布し、得られた塗布膜を未硬化の状態で保持した後に、前記塗布膜を硬化する反射増強膜の製造方法。
[2] 前記微粒子の平均粒子径が10nm以上300nm以下である請求項1に記載の反射増強膜の製造方法。
[3] 前記微粒子が帯電処理されてなる[1]又は[2]に記載の反射増強膜の製造方法。
[4] 前記微粒子が内部に空隙を有する孔質シリカである[1]〜[3]のいずれかに記載の反射増強膜の製造方法。
[5] 反射基材上に形成されてなる反射増強膜であって、微粒子と硬化後のバインダー成分とを含み、前記微粒子の屈折率が、前記硬化後のバインダー成分の屈折率よりも0.1以上低く、硬化後の膜厚が前記微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、前記反射基材側における前記微粒子の含有量が、表面側よりも大きい反射増強膜。
[6] 前記膜厚が100nm以上600nm以下である[5]に記載の反射増強膜。
[7] 上記[5]または[6]に記載の反射増強膜を形成するための塗料であって、帯電した微粒子とバインダー成分とを含み、前記微粒子の屈折率が、当該バインダー成分の硬化後の屈折率よりも0.1以上低い反射増強膜形成用塗料。
本発明によれば、銀や銀合金を主体とする金属反射膜上に、塗料を1回塗布して硬化させるという作業を行うだけで、従来の反射増強膜を設けた高反射体に匹敵する高反射率を得ることができる反射増強膜の製造方法を提供することができる。また、この方法により得られる反射増強膜、及びこの反射増強膜を得ることができる反射増強膜形成用塗料を提供することができる。
[反射増強膜]
本発明の反射増強膜は、反射基材上に形成されてなり、微粒子とマトリックス材とを含み、微粒子の屈折率がマトリックス材の屈折率よりも0.1以上低く、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、反射基材側における前記微粒子の含有量が表面側よりも大きくなっている。
なおマトリックス材とは、塗料や塗布膜中のバインダー成分を硬化することにより形成されるものである。
反射材表面に設けられる一般的な反射増強膜は、反射材側が低屈折率であり表面側が高屈折率の2層構造を有するものであって、従来は低屈折率層と高屈折率層を個別に形成していたものである。
本願発明における反射増強膜としては、少なくとも微粒子とマトリックス材とを有しており、微粒子が反射基材側に偏析している。
微粒子が反射材側に偏析したものとしたので、反射基材側を低屈折率とするためには、微粒子の屈折率をマトリックス材の屈折率に比べて低くする必要がある。また両者の屈折率差は、0.1以上必要とされるが、これは、この差が0.1未満の場合には、微粒子が偏析しても反射増強膜中の微粒子偏析部(反射材側)と他の部分(表面側)との間で有効な屈折率差が得られず、反射増強膜としての効果が得られないためである。
微粒子とマトリックス材の選択には、上記の通り微粒子の屈折率がマトリックス材の屈折率に比べて0.1以上低いことのほか、使用する波長領域において光吸収を示さないものであることや、安定なことが条件となる。この条件に合う微粒子とマトリックス材の組み合わせであれば基本的には問題はなく、有機材料、無機材料のいずれでもよい。
ただし、膜全体としての屈折率が高くなった場合には、膜表面(膜と空気の界面)で発生する光の反射量が多くなり透過特性が低下するため、膜全体の屈折率を必要以上に上げないような組み合わせとすることが好ましい。
また、微粒子とマトリックス材との親和性が高い組み合わせを用いれば、微粒子表面とマトリックス材との親和性を高めるための表面処理を省略できるので、工程が簡略化でき、屈折率の調整も容易となるので好ましい。逆に微粒子とマトリックス材との親和性が低い場合には表面処理剤を使用するが、この場合、微粒子の屈折率は表面処理剤を含めた値となるので、注意する必要がある。
これらの点と経済効果を併せて考慮すると、微粒子やマトリックス材として、シリカ(二酸化ケイ素、常温での可視光屈折率:1.45〜1.46)を用いることが好適である。
微粒子としてシリカ微粒子を選択した場合、マトリックス材としては1.56を越える樹脂や無機酸化物ポリマーなどを選択すればよく、樹脂であれば例えばPET(Polyethylene Terephthalate)やPC(Polycarbonate)等を用いることができる。また、金属酸化物系材料としては、高屈折率の酸化ジルコニウム系や酸化チタン系の無機ないしは有機系ポリマーを用いることができる。酸化ジルコニウム系や酸化チタン系のポリマーを用いれば、シリカ微粒子の表面処理は不要となるので好ましい。
なお、酸化ジルコニウム系や酸化チタン系のポリマーは、後述のようにジルコニウムアルコキシドやチタンアルコキシドの加水分解により得られるが、酸化ジルコニウム系ポリマーや酸化チタン系ポリマーを単独で用いた場合には、マトリックス材としての強度や膜の形成性に問題が生じる場合がある。これらの問題を解消するため、膜形成性が良く強度も高いシリカ系ポリマーとの複合材として用いることも好ましい。
一方、マトリックス材としてシリカ系のポリマーであるシリケートポリマーを選択した場合や、屈折率が1.4から1.5程度の一般的な光学用樹脂、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を選択した場合には、微粒子としてより低屈折材料のものを用いる必要がある。ここで、微粒子自体の屈折率が1.36未満のものを用いる方法もあるが、中空状や多孔質状のように内部に空隙を有する孔質微粒子を用いれば、微粒子自体の屈折率は空隙を含む粒子全体の平均値となるので、容易に屈折率を低下できるので好ましい。内部に空隙を有する微粒子としては、微粒子サイズ、粒子特性やコスト面のほか、マトリックス材との表面親和性を面からも、中空状の孔質シリカが好適に用いられる。
特に、マトリックス材としてシリケートポリマー、微粒子として孔質シリカを用いれば、マトリックス材と微粒子の壁材が実質的に同一材料となるので、特に好ましい。
本発明の反射増強膜は、硬化後の膜厚が後述する微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であることが好ましく、3倍以上10倍以下であることがより好ましい。この範囲にあることで、反射増強特性に優れるとともに、光の透過ロスを抑えた反射増強膜とすることができる。
また、反射基材側における微粒子の含有量は表面側よりも大きくなっている。これにより、屈折率を膜厚方向に変化させることが可能となり、特性の良好な反射増強膜とすることができる。微粒子の含有量の分布は、例えば、反射増強膜の断面を、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)観察することで確認することができる。この場合、反射増強膜における反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差は、微粒子とマトリックス材との屈折率差にもよるが、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の10%以上であることが好ましく、20%以上であればより好ましい。
なお、断面は、反射増強膜を収束イオンビーム(FIB)を用いて断面方向に切断して形成してもよいが、反射増強膜を基材ごと折り、その破断面を用いてもよい。
ここで、微粒子とマトリックス材との質量比(微粒子/(微粒子+マトリックス材))は、10%以上かつ60%以下であればよいが、20%以上かつ50%以下であることが好ましく、30%以上かつ40%以下であればより好ましい。質量比が10%未満の場合には、微粒子量が少なすぎるために、反射基材側の微粒子含有量を高めることが難しくなるために、反射基材側と表面側との間で微粒子の含有量差に基づく屈折率差を生じさせることが難しくなることがあるためである。一方、質量比が60%を越える場合には、微粒子量が多すぎるために、表面側での微粒子含有量を低下させることが難しくなり、やはり反射基材側と表面側との間で微粒子の含有量差に基づく屈折率差を生じさせることが難しくなることがあるためである。また、質量比が60%を越える場合には、反射基材側の微粒子量が多くなりすぎるために、微粒子の結合材でもあるマトリックス材の量が過小となり、膜自体の強度が低下するおそれがある。
次に微粒子の粒子径について説明する。微粒子の平均粒子径は10nm以上かつ300nm以下であることが好ましく、10nm以上かつ100nm以下であればより好ましく、10nm以上かつ50nm以下であればさらに好ましい。この範囲であれば、粒子に起因する光散乱が抑制されて、光の透過性を良好なものとすることができる。
ここで、平均粒子径は、例えばレーザー回折・散乱式粒度分析計(マイクロトラック社製)により測定することができる。
なお、粒子に起因する光散乱であるレイリー散乱は光波長の数分の1以下の大きさの粒子により発生し、またミー散乱は光波長程度の大きさの粒子により発生する。このことから、レイリー散乱やミー散乱を防ぐためには、一般的には平均粒子径が、50nm以下が好ましいとされている。
これに対して、本発明に係る微粒子の粒子径は必ずしも合致していないが、これは次の理由によると考えられる。
まず、本発明は膜体であり、具体的な好ましい厚さが100nm以上600nm以下と薄いため、実質的な光量減少自体が少ないことがあげられる。また、反射増強効果による光量増加分が光散乱による光量減少分より多ければ、光散乱による光量減少が多少発生しても問題とはならない。
次に、微粒子として孔質粒子を用いる場合において、マトリックス材と微粒子の壁材との屈折率が同等ないしは近似している場合には、微粒子中の気孔が実質的な低屈折率部材として作用するため、気孔径が微粒子の粒子径ということになる。一方、微粒子の寸法として示すことができるのは孔質粒子の外径である。このため、上記の様に微粒子中の気孔が実質的な低屈折率部材となる場合には、実質的な作用を有する気孔径は、孔質粒子外径の40〜80%程度となり、理論的な値に近づくこととなる。
なお、微粒子としてシリカ微粒子などの中実粒子を用いる場合には、その粒子径は実際の粒子径と等しいので、上記のような孔質粒子を用いる場合の効果はない。
また、微粒子の粒子径が小さいほど光散乱が発生しづらくなるので、微粒子の平均粒子径は小さいほど好ましい。しかしながら、粒子径が10nmより小さくなった場合には、粒子の結晶性が低下する等の理由から微粒子の特性が制御しにくくなること、さらに、本発明において好適に用いられる中空状や多孔質状のような孔質微粒子は、形状寸法的な問題から粒子径が10nmより小さい粒子自体を得ることが難しいことから、平均粒子径の下限値は10nmであることが好ましい。
本発明の反射増強膜によれば、塗料を反射材料上に1回塗布するだけで、特性が良好な反射増強膜が得られるので、低コストといった利点がある。さらに、本発明の反射増強膜によれば、微粒子とバインダー成分の屈折率および膜中の微粒子とバインダー成分の比率が制御されているので、より特性が良好な反射増強特性を得ることができる。
[反射増強膜形成用塗料及び反射増強膜の製造方法]
本発明の反射増強膜の製造方法は、(1)微粒子とバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率が、硬化後のバインダー成分の屈折率よりも0.1以上低い塗料を、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下の厚さになるように反射基材上に塗布する塗布工程と、(2)得られた塗布膜を未硬化の状態で保持する保持工程と、(3)塗布膜を硬化する硬化工程とを有する。
なお、上記のように、反射増強膜中のマトリックス材とは、塗料や塗布膜中のバインダー成分を硬化することにより形成されるものであるから、「硬化後のバインダー成分」と「マトリックス材」とは同義である。ここでは、説明を容易にするため、反射増強膜の製造方法においては硬化後のバインダー成分という表記を、反射増強膜自体の説明においてはマトリックス材の表記を使用する。
以下、各工程について説明する。
(1)塗布工程
塗布工程における塗料は、下記本発明の反射増強膜形成用塗料を使用することが好ましい。すなわち、帯電した微粒子とバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率が、硬化後の当該バインダー成分の屈折率よりも0.1以上低く、微粒子の質量と硬化後の当該バインダー成分の質量との比(微粒子/(微粒子+硬化後のバインダー成分))が、10%以上60%以下となるように調整された反射増強膜形成用塗料であることが好ましい。
従来、基材表面に金属酸化物等の微粒子とバインダー成分を含有する塗料を塗布して硬化させた光学膜を形成することにより、光学特性や物理的特性を改善させることが行われている。例えば、透光性基材の表面に光学膜を形成して基材表面における光反射を防ぐことにより、光の透過特性を改善させることや、基材表面にハードコート膜を形成して傷の形成や傷に起因する光透過特性の劣化を防止することが行われている。
ここで、微粒子の粒子径は数100nm以下であり、特に数10nm以下が好ましいとされている。これは、微粒子の粒子径が大きくなると、粒子に起因する光散乱(レイリー散乱やミー散乱)が発生し、光の透過性が劣化するためである。
ところで、粒子径が数100nm以下の微粒子を分散させた分散液において、微粒子と分散媒の親和性が良好であれば、微粒子はブラウン運動により分散媒中に均一に分散して沈降や浮遊することはないとされている。
これらのことから、従来の金属酸化物等からなる微粒子とバインダー成分を含有する塗料を基材表面に塗布して硬化させた光学膜においては、微粒子は膜中に均一に存在し、膜の特性は膜の部分によらず均質と考えられている。
次に、これらの膜においては、その膜厚は薄い方が良いとされている。これは、膜自体に起因する光吸収や光散乱を完全に無くすことはできないため、その影響を最小限に抑えるためであって、膜が均質である以上薄い方が好ましいと考えられるためである。
ここで、光学膜内の特性、例えば屈折率を膜厚方向に変化させることができれば、単層の光学膜を擬似的な複層膜あるいは特性傾斜膜とすることができる。特性を変化させるためには、膜中の成分すなわち微粒子の分布状態を、膜中で変化させれば良い。
膜中での微粒子の分布を変化させる方法としては、塗布膜中において、微粒子の分散媒やバインダー溶液に対する親和性を調整することが考えられる。ここで、親和性が高い場合には、微粒子の粒子径が小さくブラウン運動を起こして均一に分散するため、分布の変化を起こすことができない。このため、微粒子の分散媒やバインダー溶液に対する親和性を悪くすることで、塗布膜において微粒子を膜表面に凝集させるという方法が考えられる。しかしながらこの方法では、微粒子とバインダー成分との濡れ性が悪く、微粒子をバインダー成分で十分に固定することが難しいため、得られる膜自体の強度を保つことができず、また膜の表面にバインダー成分がほとんど無いことから表面状態も悪化するため、良好な膜を得ることが難しい。
そこで本発明者らは、塗布膜中において、微粒子と塗布基材との親和性、ないしは微粒子と膜外周の雰囲気成分(空気ないしは雰囲気ガス)との親和性を調整することにより、微粒子を塗布膜表面側あるいは基板側に凝集させることで、微粒子の分布を変化させられると考えた。
上記の通り、微粒子と分散媒やバインダー溶液との親和性を悪くすることは好ましくないため、微粒子と分散媒やバインダー溶液との親和性は良好に保ったままで、微粒子と塗布基材との親和性を制御することが好ましい。微粒子と分散媒やバインダー溶液との親和性を保つ、すなわち微粒子の表面状態を大きく変えることなく微粒子と塗布基材との親和性を調整する方法としては、微粒子の表面処理状態はそのままとしつつ、微粒子を帯電させることで、基材間との静電引力ないしは斥力を発生させることが好ましい。
微粒子を帯電させる方法としては、塗料中に酸ないしは塩基等のイオン性物質を添加し、この酸や塩基等のイオンを微粒子に配位や吸着等で結合させることにより、イオンの持つ電荷を用いて微粒子を帯電させることができる。また、例えば電子写真等に用いるような電荷制御剤(帯電制御剤)を微粒子に結合させても良い。
さらに、微粒子と分散媒やバインダー成分との親和性を向上させるとともに、微粒子とマトリックス材との親和性を向上させるために用いられる表面処理剤自体の特性により表面電荷を発生させたり、異なる表面処理剤を添加したりすることで表面電荷を発生させても良く、さらにこれらの方法を組み合わせても良い。例えば、分子量が1000以上であって、官能基としてスルホン基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、水酸基、リン酸基を有する高分子化合物を表面処理剤として用いることにより、微粒子表面を帯電させることができる。
微粒子に帯電させる電荷は、塗布基材の状態により選択することが好ましい。塗布基材は通常絶縁体のため、表面に電荷が発生しやすく、特に有機物の場合は特定の電荷が発生する傾向がある。そこで、基材表面に発生する電荷と逆の電荷を微粒子に帯電させれば、基材と微粒子間に引力が発生するので、微粒子を基材表面側に集中することができ、一方基材表面に発生する電荷と等しい電荷を微粒子に帯電させれば、基材と微粒子間に斥力が発生して微粒子を基材表面側から排除しようとするので、結果として微粒子を巻く表面側に集中することができる。
例えば、有機基材として広く使用されるPET材は、通常マイナスに帯電するので、微粒子をプラスに帯電させれば、微粒子を塗布膜中の基材側に偏析させることができ、逆にマイナスに帯電させれば、微粒子を塗布膜の表面側に偏析させることができる。
なお、基材に発生する電荷は、基材表面に導電膜を設けても消滅はしない。これらの導電膜は、導電膜が存在する部分の電荷分布を均一化するために作用する。
なお、膜中で微粒子の分布状態を変えるためには、ある程度の膜厚が必要となる。極端な例として、微粒子の粒子径に対して膜厚が同程度か若干厚い程度の場合には、膜の厚さ方向で微粒子の分布状態を変えるための余裕分がなく、均質な膜しか得ることができない。この点を考慮すると、膜厚は、少なくとも微粒子の平均粒子径の2倍は必要である。
一方、膜厚が厚くなるに従い光透過性が劣化するため、膜厚を必要以上に厚くすることは好ましくない。通常、膜厚が微粒子の平均粒子径の20倍あれば、微粒子の分布状態を十分に変えることができるので、膜厚は微粒子の平均粒子径の20倍以下とする。
好ましくは、3倍以上10倍以下である。
以上のような反射増強膜は種々の方法で作製することができるが、生産効率を考慮すると下記の本発明の反射増強膜形成用塗料を使用して作製することが好ましい。
すなわち、本発明の反射増強膜形成用塗料によれば、帯電した微粒子とバインダー成分を含み、微粒子と硬化後のバインダー成分との屈折率差を0.1以上としているので、本発明の反射防止膜を容易にかつ低コストで形成することができる。当該屈折率差は大きいほど好ましいが、微粒子と硬化後のバインダー成分における各材料としての組み合わせや、それぞれの組成(構成成分)を考慮すると、0.12以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。
微粒子と硬化後のバインダー成分との質量比(微粒子/(微粒子+硬化後のバインダー成分))は10%以上60%以下とすることが好ましく、20%以上50%以下とすることがより好ましく、30%以上40%以下とすることがさらに好ましい。質量比が10%未満であると、微粒子量が少なすぎるために、本塗料を用いて形成した塗布膜や当該塗布膜を硬化させた反射増強膜において、反射基材側の微粒子含有量を高めることが難しくなるために、反射基材側と表面側との間で微粒子の含有量差に基づく屈折率差を生じさせることが難しくなってしまい、良好な反射増強膜が得られなくなることがある。一方60%を超えると、微粒子量が多すぎるために、本塗料を用いて形成した塗布膜や当該塗布膜を硬化させた反射増強膜において、表面側での微粒子含有量を低下させることが難しくなり、反射基材側と表面側との間で微粒子の含有量差に基づく屈折率差を生じさせることが難しくなることから、やはり良好な反射増強膜が得られなくなってしまうことがある。
微粒子の平均粒子径は、既述のように、10nm以上300nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下とすることがより好ましく、10nm以上50nm以下であればさらに好ましい。
微粒子としては使用する波長領域において吸収を示さないものであれば特段の限定は無いが、安定性などの点から無機酸化物であることが好ましく、また低屈折率であることが好ましい。これらの点と経済効果を併せて考慮すると、シリカ(二酸化ケイ素)が好適である。さらに、中空状や多孔質状のように内部に空隙を有するもの(例えば、孔質シリカ)であれば、空隙を含む粒子全体としての屈折率を低下できるのでより好ましく、特にその空孔が封孔処理されていれば、バインダー成分や分散媒が空孔中に入り込むことを防げるので、さらに好ましい。
これらの微粒子は、バインダー成分や分散媒との親和性を向上させるために、その表面が表面処理材にて修飾されていることが好ましい。
ここで、微粒子は、バインダー成分や分散媒と均一に混合するようにする必要がある。バインダー成分や分散媒との親和性が低い場合には、膜形成時に微粒子が膜の表面に浮き出してしまう等、本実施形態における塗膜中の膜厚方向による微粒子とバインダー成分の比率制御を行うことができなくなるので好ましくない。従って、微粒子がバインダー成分や分散媒と均一に混合するように、バインダー成分や分散媒に合わせた表面処理剤を選択する必要がある。
このような表面処理材としては、微粒子の材質、バインダー成分や分散媒の種類に合わせて選択することができるが、微粒子の材質としてシリカを選択するのであれば、有機ケイ素化合物であることが好ましく、この有機ケイ素化合物としては、シリコン系カップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
また、前記のように、表面処理剤自体の特性により微粒子に表面電荷を発生させることや、異なる表面処理剤を添加したりすることで表面電荷を発生させることなどを行うことで、塗膜中の微粒子とバインダー成分の比率を塗膜中の膜厚方向で異なる状態とするための原動力となる、微粒子と基材間との静電引力を発生させることもできる。
バインダー成分としては、上述の反射増強膜において選択されるマトリックス材を形成するための原料成分を使用すればよい。このバインダー成分自体が液状であれば、反射増強膜形成用塗料における微粒子の分散媒としてそのまま使用することができ好適であるが、一方バインダー成分が固体の場合には、適当な溶媒に溶解して、分散媒として使用することができる。
また、バインダー成分を硬化してマトリックス材を形成する方法としては、得られる反射増強膜が前記の特性を有していれば特に限定されないが、バインダー成分を化学反応、例えば重合により高分子化して硬化する方法を好適に用いることができる。また、バインダー成分を溶解させている溶媒を除去することで硬化させる方法や、化学反応と溶媒除去を組み合わせて使用して硬化させる方法を用いてもよい。
このように、バインダー成分の取り扱いや硬化の容易性も、バインダー成分を硬化させたものであるマトリックス材選定の条件となる。
ここで、マトリックス材として樹脂を使用する場合には、これら樹脂のモノマーやオリゴマーをバインダー成分として選択すればよい。このような樹脂材料としては、前記の一般的な光学用樹脂であるアクリル系、メタクリル系、エポキシ系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリイミド系等において選択可能である。これら樹脂の硬化は、通常は触媒を添加して樹脂自体を重合させておこなうが、触媒の種類を選択することにより、光硬化、熱硬化、触媒自体の添加による硬化等の硬化方法を選択することができる。
なお、樹脂のモノマーやオリゴマーが液状であれば、そのままバインダー成分として使用してもよく、適当な溶媒に溶解して用いてもよい。一方、樹脂のモノマーやオリゴマーが固体の場合には、適当な溶媒に溶解して用いることになる。ここで用いた溶媒は、樹脂を重合硬化後に、加熱等により除去すればよい。
また、マトリックス材として樹脂を使用する場合において、用いる樹脂のモノマーやオリゴマーが得にくい場合や、モノマーやオリゴマーは得られても重合硬化反応を容易に行うことが難しい場合には、マトリックス材の樹脂を特定の溶媒に溶解させて、バインダー成分とすることができる。例えば、前記高屈折率樹脂として例示したPCは、重合反応を触媒添加等では行うことができないが、ケトン系や芳香族系の溶媒に可溶なことから、これらの溶媒に溶解させてバインダー成分として用いることができる。この場合、反射増強膜形成用塗料を用いて塗布膜を形成後に溶媒を除去することで、樹脂を硬化させればよい。
次に、マトリックス材として金属酸化物系材料のシリカ系、酸化ジルコニウム系や酸化チタン系の無機ないしは有機系ポリマーを用いる場合には、これらの金属元素の有機化合物である金属アルコキシドをバインダー成分として用いることが好ましい。金属アルコキシドを加水分解して加水分解生成物を得た後、その加水分解生成物を加熱等により脱水重合させることにより、金属酸化物系のポリマーを得ることができる。この際、加水分解条件を調整することで、金属酸化物のみを成分とする無機系の金属酸化物ポリマーとすることもでき、また有機成分を含有させた有機系の金属酸化物ポリマーとすることもできる。
なお、金属アルコキシドは一般に水に不溶であるため、たとえ金属アルコキシドが液体であっても、そのまま水と混合したのでは均一な加水分解生成物を得ることが難しい。このため、金属アルコキシドは、通常、その金属アルコキシドが溶解するとともに、水と均一に混合可能な溶媒中に溶解して使用する。この溶媒としては炭素数1〜4の低級アルコールが挙げられる。
また、金属アルコキシドの加水分解生成物は、通常金属の酸化物ないしは水酸化物のゾルであり、このゾルを安定に保つためにも十分な溶媒を用いることが好ましい。金属酸化物ないしは水酸化物のゾルは、塗布膜を形成後に加熱等を行うことで脱水重合させ、金属酸化物系のポリマーを得るが、溶媒もこの加熱時に同時により除去すればよい。
また加水分解時には、通常触媒として酸を添加するが、この酸は微粒子に結合して微粒子を帯電させる作用も有しているので、より好適である。
ここで、シリカ系ポリマーを形成するためのシリコンアルコキシドとしては、テトラメトキシシラン(TMOS)、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等を例示することができる。
また、酸化ジルコニウム系ポリマーを形成するためのジルコニウムアルコキシドとしては、テトラエトキシジルコニウム、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、テトラセコンダリブトキシジルコニウム、テトラターシャリーブトキシジルコニウム等を例示することができる。
さらに、酸化チタン系ポリマーを形成するためのチタニウムアルコキシドとしては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラノルマルプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラノルマルブトキシチタン、テトラセコンダリブトキシチタン、テトラターシャリーブトキシチタン等を例示することができる。
また、マトリックス材として、酸化ジルコニウム系ポリマーや酸化チタン系ポリマーとシリカ系ポリマーとの複合材を用いる場合には、上記の各アルコキシドを必要に応じて混合させたものを用いればよい。
次に、塗膜中の微粒子とバインダー成分の比率を、塗膜中の膜厚方向で異なる状態とするためには、微粒子と塗膜自体の親和性に対して、微粒子と塗膜表面すなわち微粒子と成膜時の雰囲気成分間の親和性や、微粒子と反射基材間の親和性とを異ならせれば良い。これらの親和性が異なっていれば、より親和性が高い方に微粒子が集中するので、塗膜中の膜厚方向に微粒子成分の濃度勾配を設けることができる。
つまり、微粒子と反射基材間の親和性を高くして、微粒子を反射基材側に集中させることで、塗膜中の微粒子の比率を、塗膜の表面付近に比べて塗膜の反射材料付近の方を高くすることができる。
微粒子と反射基材間の親和性を高くする方法としては、前記のように、基材表面に発生する電荷と逆の電荷を微粒子に帯電させることにより、基材と微粒子間に引力を発生させてやればよい。微粒子を帯電させる方法としては、前記のように、塗料中に酸ないしは塩基等のイオン性物質を添加し、この酸や塩基等のイオンを微粒子に結合させる方法や、表面処理剤自体の特性により表面電荷を発生させる方法、異なる表面処理剤を添加することで表面電荷を発生させる方法等から選択すればよい。
ここで、バインダー成分として金属アルコキシドを用いる場合においては、金属アルコキシドの加水分解触媒として酸(通常は無機酸を用いるが、有機酸であっても良い)を用いることから、この酸を微粒子に配位や吸着等で結合させればよく、新たな成分の追加も必要ないことから好適に用いることができる。
また、バインダー成分として樹脂のモノマーやオリゴマーを用いる場合においても、樹脂の重合剤として酸や塩基等のイオン性物質を用いる場合には、その重合剤を微粒子に結合させてやればよい。
一方、重合剤がイオン性物質ではない場合や、バインダー成分として溶媒に溶解させた樹脂を用いる場合には、表面処理剤自体の特性により表面電荷を発生させる方法や、異なる表面処理剤を添加することで、表面電荷を発生させる方法を用いることが好ましい。このような場合では、バインダー成分である樹脂のモノマーやオリゴマーや溶媒に溶解させた樹脂に対してイオン性物質を加えても、バインダー成分中にイオン性物質が十分に分散しないために、微粒子とイオン性物質が十分結合できず、結果として微粒子の帯電が不十分となるためである。また、バインダー成分や硬化後のバインダー成分であるマトリックス材が、イオン性物質、特に無機酸により劣化する可能性があるためである。
なお、バインダー成分の溶媒や微粒子の分散媒は、必ずしも必須の成分ではない場合もあるが、反射増強膜形成用塗料中の各成分の量や比率を調整し、各成分を均一に混合ないしは溶解させるために使用される場合が多い。さらに、良好な塗布膜を形成するために、塗料自体の成分濃度や粘度を調整する目的で、溶媒(分散媒)を使用する場合もある。これらの溶媒や分散媒は、使用するバインダー成分や微粒子の材質や状態、さらには使用する目的に合わせて選択すればよい。
このような塗布液を、既述のように、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下の厚さになるように反射基材上に塗布する。塗布する方法としては、特に限定されないが、ドクターブレード法、ロールコート法、スピンコート法、デイップコート法、スプレーコート法、スライドコート法、バーコート法、スクリーン印刷法等の各種塗布方法の内から、塗布基材の材質や形状、反射増強膜形成用塗料の成分、濃度、粘度等の特性に合わせて選択すればよい。
(2)保持工程:
保持工程は、得られた塗布膜を未硬化の状態で一定時間保持する工程である。塗布膜の形成直後では、膜中に微粒子が均一に分散している。そこで、塗布膜形成後、バインダー成分が未硬化の状態で静置する。静置することで、基材と微粒子との静電引力により、塗布膜中の微粒子が基材側へと移動し、塗布膜中の微粒子濃度に膜断面方向の分布が生じる。静置時間は塗布膜の厚さに因るが、100nm〜数μm程度であれば、数秒〜10数秒でよい。なお、数μmを越える膜厚の場合には保持時間を延ばす必要があるが、この場合、得られる反射増強膜自体の透過率が低下する可能性が高いため、あまり用いられることは無い。
ここで、塗布膜中の微粒子の分布状態を直接確認することは難しいため、バインダー成分を硬化させて反射増強膜を形成させた後、その反射増強膜の断面を電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)観察すること等により確認する。
なお、断面は、反射増強膜を収束イオンビーム(FIB)を用いて断面方向に切断して形成してもよいが、反射増強膜を基材ごと折り、その破断面を用いてもよい。
(3)硬化工程:
硬化工程は、保持工程後の塗布膜から反射増強膜を得る工程であって、塗布膜中のバインダー成分を硬化する工程である。
硬化条件は、使用するバインダー成分の硬化方法や条件に基づいて定めればよいが、少なくとも前記の保持工程の間は未硬化の状態が維持される必要がある。また反射基材が劣化しない条件を選択する必要がある。
ここで、バインダー成分として樹脂のモノマーやオリゴマーを用いる場合には、通常、触媒を添加してこれら樹脂のモノマーやオリゴマー自体を重合し硬化させればよい。
硬化方法としては、樹脂成分や触媒の種類を選択することにより、各種の方法を選択することができるが、塗布時点における塗布液の状態を一定に保ち、保持工程時間を一定に保つとともに、必要な時点で塗布膜の硬化ができるといった制御性の点からは、塗布液や塗布膜自体では直接硬化せず、保持工程後の塗布膜に対して何らかの作用を与えることにより硬化させる方法を選択することが好ましい。そのような方法としては、光(紫外線)硬化、熱硬化等を好適に用いることができる。
なお、添加により直接モノマーやオリゴマーの重合を起こさせる触媒を選択した場合には、塗布液の調整から塗布までの条件管理や、塗布膜が硬化するまでの管理等を厳密に行う必要がある。
また、樹脂のモノマーやオリゴマーを溶媒に溶解して用いた場合には、樹脂を重合硬化後に、加熱等により溶媒を除去すればよい。なお、重合生成物が当該溶媒に可溶な場合には、溶媒が除去されるまで塗布膜は硬化しないが、この場合には次に示す「バインダー成分として溶媒に溶解させた樹脂を用いる場合」と同等の工程とすればよい。
次に、バインダー成分として溶媒に溶解させた樹脂を用いる場合には、当該溶媒を除去することによりバインダー成分を硬化させる。溶媒の除去は、通常溶媒の揮散により行われるが、溶媒の揮散状態は主に雰囲気の温度と圧力により決まることから、保持工程後の塗布膜を、溶媒が揮散しやすい温度と圧力下で更に保持すればよい。なお、雰囲気の圧力制御は温度制御に比べて難しいことから、通常は大気圧下で温度制御を行うことにより溶媒を揮散させるが、溶媒の沸点以上の温度を加えると、溶媒の急激な揮散により膜中に微細な気泡が生じ、得られる膜の特性が劣化する場合があるので、溶媒の沸点未満の温度で加熱することが好ましい。
また、バインダー成分として金属アルコキシドを用いた場合においては、金属アルコキシドの加水分解生成物である金属水酸化物や有機鎖を有する金属水酸化物が、ゾル状態で塗布液や塗布膜中に存在している。従って、この金属水酸化物のゾルを加熱して脱水重合させることで、金属酸化物系のポリマーからなる硬化物を得るようにすればよい。
加熱温度は高い方が脱水重合が促進されるが、塗布膜中に加水分解源としての水や溶媒としての低級アルコールが含まれていることから、100℃以下であることが好ましく、80〜90℃であればより好ましい。
加熱時間は膜厚にもよるが、反射増強膜の通常の厚さである100nm〜1μmであれば、1〜10分程度でよい。なお、反射基材の耐熱性が低い場合には、基材が劣化しない温度まで加熱温度を下げる必要があるが、この場合は脱水重合を完全に行わせるために加熱時間を長く取る必要がある。
以上のようにして、反射基材上に形成されてなり、微粒子とバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率が、バインダー成分の硬化後の屈折率よりも0.1以上低く、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、反射基材側における微粒子の含有量が表面側よりも大きい反射増強膜が得られる。
本発明の反射増強膜の形成方法によれば、塗料を反射材料上に1回塗布するだけで表面側が高屈折率で基材側が低屈折率となる特性が良好な反射増強膜を得ることができるので、反射増強膜を簡易かつ低コストな方法で得ることができる。また本発明の反射増強膜の形成方法によれば、微粒子とバインダー成分の屈折率および膜中の微粒子とバインダー成分の比率を制御することにより、膜中の屈折率とその分布を制御できるので、より特性が良好な反射増強膜を得ることができる。
[マトリックス材の屈折率測定]
本発明に用いられるマトリックス材(硬化後のバインダー成分)であるシリカ系ポリマー、酸化チタン系ポリマー、酸化ジルコニウム系ポリマーそれぞれの屈折率を確定するために、予めバインダー成分のみを用い、各実施例と同様の方法を用いてマトリックス材のみの膜を形成し、屈折率を測定した。
(シリカ系ポリマー−1)
バインダー成分であるテトラメトキシシラン(TMOS)2.39gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.69gおよび濃度1mol/Lの硝酸0.15gを加えて攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、PET基材上にシリカ系ポリマー−1の膜体が形成された、屈折率測定試料とした。
得られた屈折率測定試料の基材裏面に反射防止処理を施した後、日立(株)製U−4100分光光度計を使用して、屈折率測定試料の反射光強度を測定した。基材裏面に反射防止処理を施していることから、シリカ系ポリマー−1の膜体を透過し、膜体と基材の界面で反射した光は検出されるが、シリカ系ポリマー−1の膜体とPET基材の両者を透過した光は反射せず検出されないので、シリカ系ポリマー−1の膜体のみの透過光特性を測定することができる。
得られた透過光の波長特性と膜厚から、シリカ系ポリマー−1の屈折率を計算した。その結果、屈折率は1.49であった。
(シリカ系ポリマー−2)
バインダー成分であるテトラメトキシシラン(TMOS)2.39gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.69gを加えて十分攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、シリカ系ポリマー−2の屈折率測定試料とした。
得られた膜の屈折率を、シリカ系ポリマー−1と同様の方法により測定した結果、1.49であった。
(酸化チタン系ポリマー)
バインダー成分であるテトラエトキシチタン1.51gおよびTMOS1.58gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.76gおよび濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、酸化チタン系ポリマーの屈折率測定試料とした。
得られた膜の屈折率を、シリカ系ポリマー−1と同様の方法により測定した結果、1.69であった。
(酸化ジルコニウム系ポリマー)
バインダー成分であるテトラエトキシジルコニウム1.08gとTMOS1.58gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.76gおよび濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、酸化ジルコニウム系ポリマーの屈折率測定試料とした。
得られた膜の屈折率を、シリカ系ポリマー−1と同様の方法により測定した結果、1.60であった。
「実施例1」
(孔質シリカ分散塗料の作製)
微粒子である孔質シリカとして、日揮触媒化成製の中空シリカ(形状:略球状、平均粒子径:30nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)を選択し、同中空シリカの2−プロパノール分散液(濃度20質量%、日揮触媒化成製)を孔質シリカ分散液(S−1)とした。なお、分散液中の中空シリカは、分散剤で表面処理されている。
この孔質シリカ分散液(S−1)4.38gを取り、バインダー成分であるテトラメトキシシラン(TMOS)2.39gと、溶媒である2−プロパノール88.8gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.69gと濃度1mol/Lの硝酸0.15gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、実施例1の孔質シリカ分散塗料(Z−1)を作製した。
(反射基板の作製)
反射基板は、PETフィルム基材の表面に、反射材としての銀膜をスパッタ法により成膜した反射基板(M−1)とした。
(反射増強膜の形成)
反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−1)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で3分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例1の反射増強膜を形成した反射体(F−1)を作製した。
なお、PETフィルムは材質の特性として帯電しやすく、塗料塗布の前段工程中においてマイナスに帯電してしまう。このため、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。なお反射基材がマイナスに帯電していることは、静電気測定装置を用いて確認した。
得られた反射体(F−1)をガラス基板上に固定して反射光強度を測定した。測定は日立(株)製U−4100分光光度計を使用し、標準試料として用いたスペクトラロン反射標準板の反射光強度と比較することで反射率を算出した。測定波長は、可視光特性評価時に標準的に用いられる、550nmとした。
反射体(F−1)の反射率を、反射増強膜を設けていない反射基板単体(後述の比較例1)での反射率と比較した結果、反射率は2.2パーセントポイント(以下「ポイント」と略す)改善されていた。
また、微粒子およびバインダー原料成分の使用量、並びに反射増強膜の密度から、膜中の微粒子含有率を計算した結果、40体積%であった。
さらに、反射増強膜中の微粒子分布状態を確認するため、反射増強膜を基材ごと折り、その破断面を日立(株)製S−4000電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の81%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の62%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例2」
(孔質シリカ分散塗料の作製)
微粒子として、孔質シリカである日揮触媒化成製の中空シリカ(形状:略球状、平均粒子径:30nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)50体積%、通常の(孔質ではない)シリカであるアエロジル社製シリカ微粒子(形状:略球状、平均粒子径:30nm、屈折率:1.45)50体積%を混合して使用した。したがって、この微粒子の平均屈折率は1.37となる。なお、両シリカ粒子の比を質量比で示すと、中空シリカ38%、通常シリカ62%となる。
上記のシリカ微粒子8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、さらに分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合し、その後ビーズミルにより分散処理を行い、孔質シリカ分散液(S−2)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−2)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例2の反射増強膜を形成した反射体(F−2)を作製した。
得られた反射体(F−2)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.0ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した。中空シリカ粒子が観察可能であるのに対し、通常のシリカ粒子はマトリックス材と材質が同じであるために観察が難しいことから、中空シリカ粒子と同様に分布しているとした。その結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の80%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の60%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例3」
(シリカ分散塗料の作製)
微粒子として、通常の(孔質ではない)シリカであるアエロジル社製シリカ微粒子(形状:略球状、平均粒子径:30nm、屈折率:1.45)を選択した。
上記のシリカ微粒子8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、さらに分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合し、その後ビーズミルにより分散処理を行い、シリカ分散液(S−3)を作製した。
このシリカ分散液(S−3)6.53gを取り、バインダー成分であるテトラエトキシチタン1.51gおよびTMOS1.58gと、溶媒である2−プロパノール86.61gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してテトラエトキシチタンとTMOSを加水分解させ、実施例3の孔質シリカ分散塗料(Z−T)を作製した。
(反射増強膜の形成)
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−T)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で5分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例3の反射増強膜を形成した反射体(F−T)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
得られた反射体(F−T)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.2ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の60%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の20%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例4」
(シリカ分散塗料の作製)
微粒子であるシリカおよびその分散液は、実施例3と同様のものを使用した。
このシリカ分散液(S−3)6.53gを取り、バインダー成分であるテトラエトキシジルコニウム1.08gおよびTMOS1.58gと、溶媒である2−プロパノール87.06gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してテトラエトキシジルコニウムとTMOSを加水分解させ、実施例4の孔質シリカ分散塗料(Z−Z)を作製した。
(反射増強膜の形成)
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−Z)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で3分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例4の反射増強膜を形成した反射体(F−Z)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
得られた反射体(F−Z)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.4ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例5」
(孔質シリカ分散塗料の作製)
微粒子である孔質シリカおよびその分散液は、実施例1と同様のものを使用した。
次に、バインダー成分として、前記孔質シリカ分散液との混合分散性が良好なアクリル樹脂のモノマーを1.96g取り、バインダー液(B−A)とした。
孔質シリカ分散液(S−1)6.53gに、バインダー液(B−A)1.96gを加え、さらにアクリル樹脂の重合・硬化触媒であるポリイソシアネートプレポリマーを0.2gを加えて攪拌混合することにより、実施例5の孔質シリカ分散塗料(Z−A)を作製した。なお、本実施例では酸やアルカリは添加していない。
(反射増強膜の形成)
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−A)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で10分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例5の反射増強膜を形成した反射体(F−A)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
得られた反射体(F−A)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.1ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の62%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の24%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
なお、本実施例では孔質シリカ表面を帯電させるための酸やアルカリを添加していないにもかかわらず、反射増強効果を有する膜が得られたが、これは分散液中の孔質シリカは表面処理剤で処理されており、この表面処理剤が酸やアルカリと同様の表面電荷発生効果を有しているためと考えられる。
「実施例6」
(孔質シリカ分散塗料の作製)
実施例1と同様の方法にて作製した孔質シリカ分散塗料(Z−1)に、濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液0.01gを加えて攪拌混合し、含まれている硝酸を中和して、実施例6の孔質シリカ分散塗料(Z−6)を作製した。
孔質シリカ分散液(Z−6)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例6の反射増強膜を形成した反射体(F−6)を作製した。
得られた反射体(F−6)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は0.3ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の56%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の12%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
本実施例では孔質シリカ表面を帯電させるための硝酸(プロトン)を中和除去しているため、他の実施例に比べて反射増強効果が低かったが、反射増強効果自体は有する膜が得られた。これは、実施例5と同様、孔質シリカの表面処理剤が表面電荷発生効果を有しているためと考えられる。
「実施例7」
(孔質シリカ分散塗料の作製)
反射基板として、微小な気泡を含有させることで白色とした白色PET板自体を用いた反射基板(M−2)としたことを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例7の反射増強膜を形成した反射体(F−7)を作製した。
得られた反射体(F−7)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.5ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例8」
微粒子として、孔質シリカである住友大阪セメント製の多孔質シリカ(ナノポーラスシリカ:NPS、形状:略球状、平均粒子径:50nm、気孔径2〜3nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.31)を使用した以外は実施例2と同様にして、孔質シリカ分散液(S−8)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−8)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例8の反射増強膜を形成した反射体(F−8)を作製した。
得られた反射体(F−8)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.6ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例9」
微粒子として、孔質シリカである日鉄鉱業製の中空シリカ(形状:略球状〜略立方体状、平均粒子径:100nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)を使用した以外は実施例2と同様にして、孔質シリカ分散液(S−9)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−9)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例9の反射増強膜を形成した反射体(F−9)を作製した。
得られた反射体(F−9)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.6ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の75%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が50%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例10」
微粒子として、孔質シリカである電気化学工業製の中空球状フィラー(形状:略球状、粒子径:10〜200nm程度、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)を使用した。
上記の中空シリカ8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合・分散した。分散時のビーズミル処理条件を穏和にし、微粒子の二次粒子の解砕を抑えることで、平均分散粒子径が300nmの粒子とした実施例10の孔質シリカ分散液(S−10)を作製した。なお、平均分散粒子径はレーザ回折・散乱法(マイクロトラック法)を用いて確認した。
孔質シリカ分散液(S−10)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例10の孔質シリカ分散塗料(Z−10)を作製した。
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−10)を、バーコート法により硬化後の膜厚が600nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で5分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例10の反射増強膜を形成した反射体(F−10)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
得られた反射体(F−10)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.0ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例11」
微粒子として、孔質シリカである鈴木油脂工業製のマイクロカプセル(形状:略球状〜略楕円球体状、平均粒子径:500nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.30)を使用した以外は実施例1と同様にして、孔質シリカ分散液(S−11)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−10)を用いることを除いては、実施例2と同様の方法にて、実施例11の孔質シリカ分散塗料(Z−11)を作製した。
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−11)を、バーコート法により硬化後の膜厚が1000nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で5分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例11の反射増強膜を形成した反射体(F−11)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
得られた反射体(F−11)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は0.4ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。なお、本実施例における鈴木油脂工業製のマイクロカプセルは微細孔を有しているが、形成膜の断面を走査型電子顕微鏡観察した結果、カプセル内部へのバインダー成分の流入は認められなかった。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
本実施例においては、他の実施例に比べて反射率の改善度が低かったが、これは膜中の粒子に相当する気孔の径が数100nmと大きいために、粒子に起因する光散乱が発生していると考えられること、さらに膜厚が1000nmと厚いことから、膜自体による光の減衰が生じ、この減衰が反射率の改善を相殺しているためと考えられる。
「実施例12」
微粒子である孔質シリカおよびその分散液は、実施例1と同様のものを使用した。
この孔質シリカ分散液(S−1)1.63gを取り、バインダー成分であるTMOS2.39gと、溶媒である2−プロパノール92.21gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、実施例12の孔質シリカ分散塗料(Z−12)を作製した。
孔質シリカ分散塗料(Z−12)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例12の反射増強膜を形成した反射体(F−12)を作製した。
得られた反射体(F−12)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は0.8ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、10体積%であった。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認したが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「実施例13」
微粒子である孔質シリカおよびその分散液は、実施例1と同様のものを使用した。
この孔質シリカ分散液(S−1)9.79gを取り、バインダー成分であるTMOS2.39gと、溶媒である2−プロパノール84.05gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、実施例13の孔質シリカ分散塗料(Z−13)を作製した。
孔質シリカ分散塗料(Z−13)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例12の反射増強膜を形成した反射体(F−13)を作製した。
得られた反射体(F−13)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は1.8ポイント改善されていた。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、60体積%であった。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「比較例1」
PETフィルム基材の表面に、反射材としての銀膜をスパッタ法により成膜し、反射基板(M−1)とした。
この反射基板(M−1)に反射増強膜を設けることなく、比較例1の反射体(F−R1)とした。得られた反射体(F−R1)の反射率を、実施例1と同様に測定し、基準値とした。以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「比較例2」
微小な気泡を含有させることで白色とした白色PET板自体を、反射基板(M−2)とした。
この反射基板(M−2)に反射増強膜を設けることなく、比較例2の反射体(F−R2)とした。得られた反射体(F−R2)の反射率を、実施例1と同様に測定し、基準値とした。以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「比較例3」
微粒子である通常の(孔質ではない)シリカおよびその分散液は、実施例3と同様のものを使用した。
このシリカ分散液(S−3)4.35gを取り、バインダー成分であるTMOS2.39gと、溶媒である2−プロパノール89.49gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、比較例3のシリカ分散塗料(Z−R3)を作製した。
シリカ分散塗料(Z−R3)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、比較例3の反射増強膜を形成した反射体(F−R3)を作製した。
得られた反射体(F−R3)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は0.1ポイントしか改善されておらず、反射増強膜を設けない場合とほぼ同等であった。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、8体積%であった。
なお、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認したが、微粒子とマトリックス材の材質が同じであるために両者の区分を明確に行うことができず、分布状態の確認を行えなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
「比較例4」
微粒子として、孔質シリカである日揮触媒化成製の中空シリカ(形状:略球状、平均粒子径:30nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)25体積%、通常の(孔質ではない)シリカであるアエロジル社製シリカ微粒子(形状:略球状、平均粒子径:30nm、屈折率:1.45)75体積%を混合して使用した。したがって、この微粒子の平均屈折率は1.41となる。なお、両シリカ粒子の質量比は、中空シリカ17%、通常シリカ83%となる。
上記のシリカ微粒子8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合し、その後ビーズミルにより分散処理を行い、孔質シリカ分散液(S−R4)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−R4)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例2の反射増強膜(F−R4)を作製した。
得られた反射体(F−R4)の反射率を、実施例1と同様に測定し、反射増強膜を設けていない反射基板単体での反射率と比較した結果、反射率は0.2ポイントしか改善されていなかった。また、反射増強膜中の微粒子含有率を実施例1と同様に計算した結果、40体積%であった。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例2と同様に確認および推定した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の72%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が44%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
Figure 2011138034

Claims (7)

  1. 微粒子とバインダー成分とを含み、前記微粒子の屈折率が、前記バインダー成分の硬化後の屈折率よりも0.1以上低い塗料を、硬化後の膜厚が前記微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下の厚さになるように反射基材上に塗布し、得られた塗布膜を未硬化の状態で保持した後に、前記塗布膜を硬化する反射増強膜の製造方法。
  2. 前記微粒子の平均粒子径が10nm以上300nm以下である請求項1に記載の反射増強膜の製造方法。
  3. 前記微粒子が帯電処理されてなる請求項1又は2に記載の反射増強膜の製造方法。
  4. 前記微粒子が内部に空隙を有する孔質シリカである請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射増強膜の製造方法。
  5. 反射基材上に形成されてなる反射増強膜であって、
    微粒子と硬化後のバインダー成分とを含み、
    前記微粒子の屈折率が、前記硬化後のバインダー成分の屈折率よりも0.1以上低く、
    硬化後の膜厚が前記微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、
    前記反射基材側における前記微粒子の含有量が、表面側よりも大きい反射増強膜。
  6. 前記膜厚が100nm以上600nm以下である請求項5に記載の反射増強膜。
  7. 請求項5または6に記載の反射増強膜を形成するための塗料であって、
    帯電した微粒子とバインダー成分とを含み、
    前記微粒子の屈折率が、硬化後の当該バインダー成分の屈折率よりも0.1以上低い反射増強膜形成用塗料。
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