JP2011138034A - 反射増強膜の製造方法、反射増強膜及び反射増強膜形成用塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粒子とバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率がバインダー成分の硬化後の屈折率よりも0.1以上低い塗料を、硬化後の膜厚が所定の厚さになるように反射基材上に塗布し、得られた塗布膜を未硬化の状態で保持した後に塗布膜を硬化する反射増強膜の製造方法、及びこの方法に好適な反射増強膜形成用塗料である。また、反射基材上に形成されてなり、微粒子と硬化後のバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率が硬化後のバインダー成分の屈折率よりも0.1以上低く、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、反射基材側における微粒子の含有量が表面側よりも大きい反射増強膜である。
【選択図】なし
Description
一方、金属反射膜を用いない方法としては、樹脂中に微細な気泡を含有させた反射層を形成する方法(例えば、特許文献2参照)や、多層膜構造の反射層を有するものとして複数層のポリマーフィルムを交互に積層した反射層(例えば、特許文献3参照)や誘電体多層膜による反射層(例えば、特許文献4参照)なども知られている。
一方多層膜を用いるものでは、波長依存性を有するため、各膜の成膜条件や膜特性を厳密に制御する必要がある。また、層数に対応して工程数が多いこと、さらに誘電体多層膜はドライプロセスによる成膜のため、この方法も高コスト化を避けることができないという問題があった。
[2] 前記微粒子の平均粒子径が10nm以上300nm以下である請求項1に記載の反射増強膜の製造方法。
[3] 前記微粒子が帯電処理されてなる[1]又は[2]に記載の反射増強膜の製造方法。
[4] 前記微粒子が内部に空隙を有する孔質シリカである[1]〜[3]のいずれかに記載の反射増強膜の製造方法。
[6] 前記膜厚が100nm以上600nm以下である[5]に記載の反射増強膜。
本発明の反射増強膜は、反射基材上に形成されてなり、微粒子とマトリックス材とを含み、微粒子の屈折率がマトリックス材の屈折率よりも0.1以上低く、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、反射基材側における前記微粒子の含有量が表面側よりも大きくなっている。
なおマトリックス材とは、塗料や塗布膜中のバインダー成分を硬化することにより形成されるものである。
また、微粒子とマトリックス材との親和性が高い組み合わせを用いれば、微粒子表面とマトリックス材との親和性を高めるための表面処理を省略できるので、工程が簡略化でき、屈折率の調整も容易となるので好ましい。逆に微粒子とマトリックス材との親和性が低い場合には表面処理剤を使用するが、この場合、微粒子の屈折率は表面処理剤を含めた値となるので、注意する必要がある。
なお、酸化ジルコニウム系や酸化チタン系のポリマーは、後述のようにジルコニウムアルコキシドやチタンアルコキシドの加水分解により得られるが、酸化ジルコニウム系ポリマーや酸化チタン系ポリマーを単独で用いた場合には、マトリックス材としての強度や膜の形成性に問題が生じる場合がある。これらの問題を解消するため、膜形成性が良く強度も高いシリカ系ポリマーとの複合材として用いることも好ましい。
特に、マトリックス材としてシリケートポリマー、微粒子として孔質シリカを用いれば、マトリックス材と微粒子の壁材が実質的に同一材料となるので、特に好ましい。
なお、断面は、反射増強膜を収束イオンビーム(FIB)を用いて断面方向に切断して形成してもよいが、反射増強膜を基材ごと折り、その破断面を用いてもよい。
ここで、平均粒子径は、例えばレーザー回折・散乱式粒度分析計(マイクロトラック社製)により測定することができる。
これに対して、本発明に係る微粒子の粒子径は必ずしも合致していないが、これは次の理由によると考えられる。
なお、微粒子としてシリカ微粒子などの中実粒子を用いる場合には、その粒子径は実際の粒子径と等しいので、上記のような孔質粒子を用いる場合の効果はない。
本発明の反射増強膜の製造方法は、(1)微粒子とバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率が、硬化後のバインダー成分の屈折率よりも0.1以上低い塗料を、硬化後の膜厚が微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下の厚さになるように反射基材上に塗布する塗布工程と、(2)得られた塗布膜を未硬化の状態で保持する保持工程と、(3)塗布膜を硬化する硬化工程とを有する。
なお、上記のように、反射増強膜中のマトリックス材とは、塗料や塗布膜中のバインダー成分を硬化することにより形成されるものであるから、「硬化後のバインダー成分」と「マトリックス材」とは同義である。ここでは、説明を容易にするため、反射増強膜の製造方法においては硬化後のバインダー成分という表記を、反射増強膜自体の説明においてはマトリックス材の表記を使用する。
以下、各工程について説明する。
塗布工程における塗料は、下記本発明の反射増強膜形成用塗料を使用することが好ましい。すなわち、帯電した微粒子とバインダー成分とを含み、微粒子の屈折率が、硬化後の当該バインダー成分の屈折率よりも0.1以上低く、微粒子の質量と硬化後の当該バインダー成分の質量との比(微粒子/(微粒子+硬化後のバインダー成分))が、10%以上60%以下となるように調整された反射増強膜形成用塗料であることが好ましい。
ここで、微粒子の粒子径は数100nm以下であり、特に数10nm以下が好ましいとされている。これは、微粒子の粒子径が大きくなると、粒子に起因する光散乱(レイリー散乱やミー散乱)が発生し、光の透過性が劣化するためである。
これらのことから、従来の金属酸化物等からなる微粒子とバインダー成分を含有する塗料を基材表面に塗布して硬化させた光学膜においては、微粒子は膜中に均一に存在し、膜の特性は膜の部分によらず均質と考えられている。
膜中での微粒子の分布を変化させる方法としては、塗布膜中において、微粒子の分散媒やバインダー溶液に対する親和性を調整することが考えられる。ここで、親和性が高い場合には、微粒子の粒子径が小さくブラウン運動を起こして均一に分散するため、分布の変化を起こすことができない。このため、微粒子の分散媒やバインダー溶液に対する親和性を悪くすることで、塗布膜において微粒子を膜表面に凝集させるという方法が考えられる。しかしながらこの方法では、微粒子とバインダー成分との濡れ性が悪く、微粒子をバインダー成分で十分に固定することが難しいため、得られる膜自体の強度を保つことができず、また膜の表面にバインダー成分がほとんど無いことから表面状態も悪化するため、良好な膜を得ることが難しい。
上記の通り、微粒子と分散媒やバインダー溶液との親和性を悪くすることは好ましくないため、微粒子と分散媒やバインダー溶液との親和性は良好に保ったままで、微粒子と塗布基材との親和性を制御することが好ましい。微粒子と分散媒やバインダー溶液との親和性を保つ、すなわち微粒子の表面状態を大きく変えることなく微粒子と塗布基材との親和性を調整する方法としては、微粒子の表面処理状態はそのままとしつつ、微粒子を帯電させることで、基材間との静電引力ないしは斥力を発生させることが好ましい。
さらに、微粒子と分散媒やバインダー成分との親和性を向上させるとともに、微粒子とマトリックス材との親和性を向上させるために用いられる表面処理剤自体の特性により表面電荷を発生させたり、異なる表面処理剤を添加したりすることで表面電荷を発生させても良く、さらにこれらの方法を組み合わせても良い。例えば、分子量が1000以上であって、官能基としてスルホン基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、水酸基、リン酸基を有する高分子化合物を表面処理剤として用いることにより、微粒子表面を帯電させることができる。
例えば、有機基材として広く使用されるPET材は、通常マイナスに帯電するので、微粒子をプラスに帯電させれば、微粒子を塗布膜中の基材側に偏析させることができ、逆にマイナスに帯電させれば、微粒子を塗布膜の表面側に偏析させることができる。
なお、基材に発生する電荷は、基材表面に導電膜を設けても消滅はしない。これらの導電膜は、導電膜が存在する部分の電荷分布を均一化するために作用する。
一方、膜厚が厚くなるに従い光透過性が劣化するため、膜厚を必要以上に厚くすることは好ましくない。通常、膜厚が微粒子の平均粒子径の20倍あれば、微粒子の分布状態を十分に変えることができるので、膜厚は微粒子の平均粒子径の20倍以下とする。
好ましくは、3倍以上10倍以下である。
微粒子の平均粒子径は、既述のように、10nm以上300nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以下とすることがより好ましく、10nm以上50nm以下であればさらに好ましい。
ここで、微粒子は、バインダー成分や分散媒と均一に混合するようにする必要がある。バインダー成分や分散媒との親和性が低い場合には、膜形成時に微粒子が膜の表面に浮き出してしまう等、本実施形態における塗膜中の膜厚方向による微粒子とバインダー成分の比率制御を行うことができなくなるので好ましくない。従って、微粒子がバインダー成分や分散媒と均一に混合するように、バインダー成分や分散媒に合わせた表面処理剤を選択する必要がある。
また、前記のように、表面処理剤自体の特性により微粒子に表面電荷を発生させることや、異なる表面処理剤を添加したりすることで表面電荷を発生させることなどを行うことで、塗膜中の微粒子とバインダー成分の比率を塗膜中の膜厚方向で異なる状態とするための原動力となる、微粒子と基材間との静電引力を発生させることもできる。
また、バインダー成分を硬化してマトリックス材を形成する方法としては、得られる反射増強膜が前記の特性を有していれば特に限定されないが、バインダー成分を化学反応、例えば重合により高分子化して硬化する方法を好適に用いることができる。また、バインダー成分を溶解させている溶媒を除去することで硬化させる方法や、化学反応と溶媒除去を組み合わせて使用して硬化させる方法を用いてもよい。
このように、バインダー成分の取り扱いや硬化の容易性も、バインダー成分を硬化させたものであるマトリックス材選定の条件となる。
なお、樹脂のモノマーやオリゴマーが液状であれば、そのままバインダー成分として使用してもよく、適当な溶媒に溶解して用いてもよい。一方、樹脂のモノマーやオリゴマーが固体の場合には、適当な溶媒に溶解して用いることになる。ここで用いた溶媒は、樹脂を重合硬化後に、加熱等により除去すればよい。
また、金属アルコキシドの加水分解生成物は、通常金属の酸化物ないしは水酸化物のゾルであり、このゾルを安定に保つためにも十分な溶媒を用いることが好ましい。金属酸化物ないしは水酸化物のゾルは、塗布膜を形成後に加熱等を行うことで脱水重合させ、金属酸化物系のポリマーを得るが、溶媒もこの加熱時に同時により除去すればよい。
また加水分解時には、通常触媒として酸を添加するが、この酸は微粒子に結合して微粒子を帯電させる作用も有しているので、より好適である。
さらに、酸化チタン系ポリマーを形成するためのチタニウムアルコキシドとしては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラノルマルプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラノルマルブトキシチタン、テトラセコンダリブトキシチタン、テトラターシャリーブトキシチタン等を例示することができる。
また、マトリックス材として、酸化ジルコニウム系ポリマーや酸化チタン系ポリマーとシリカ系ポリマーとの複合材を用いる場合には、上記の各アルコキシドを必要に応じて混合させたものを用いればよい。
つまり、微粒子と反射基材間の親和性を高くして、微粒子を反射基材側に集中させることで、塗膜中の微粒子の比率を、塗膜の表面付近に比べて塗膜の反射材料付近の方を高くすることができる。
また、バインダー成分として樹脂のモノマーやオリゴマーを用いる場合においても、樹脂の重合剤として酸や塩基等のイオン性物質を用いる場合には、その重合剤を微粒子に結合させてやればよい。
保持工程は、得られた塗布膜を未硬化の状態で一定時間保持する工程である。塗布膜の形成直後では、膜中に微粒子が均一に分散している。そこで、塗布膜形成後、バインダー成分が未硬化の状態で静置する。静置することで、基材と微粒子との静電引力により、塗布膜中の微粒子が基材側へと移動し、塗布膜中の微粒子濃度に膜断面方向の分布が生じる。静置時間は塗布膜の厚さに因るが、100nm〜数μm程度であれば、数秒〜10数秒でよい。なお、数μmを越える膜厚の場合には保持時間を延ばす必要があるが、この場合、得られる反射増強膜自体の透過率が低下する可能性が高いため、あまり用いられることは無い。
なお、断面は、反射増強膜を収束イオンビーム(FIB)を用いて断面方向に切断して形成してもよいが、反射増強膜を基材ごと折り、その破断面を用いてもよい。
硬化工程は、保持工程後の塗布膜から反射増強膜を得る工程であって、塗布膜中のバインダー成分を硬化する工程である。
硬化条件は、使用するバインダー成分の硬化方法や条件に基づいて定めればよいが、少なくとも前記の保持工程の間は未硬化の状態が維持される必要がある。また反射基材が劣化しない条件を選択する必要がある。
硬化方法としては、樹脂成分や触媒の種類を選択することにより、各種の方法を選択することができるが、塗布時点における塗布液の状態を一定に保ち、保持工程時間を一定に保つとともに、必要な時点で塗布膜の硬化ができるといった制御性の点からは、塗布液や塗布膜自体では直接硬化せず、保持工程後の塗布膜に対して何らかの作用を与えることにより硬化させる方法を選択することが好ましい。そのような方法としては、光(紫外線)硬化、熱硬化等を好適に用いることができる。
なお、添加により直接モノマーやオリゴマーの重合を起こさせる触媒を選択した場合には、塗布液の調整から塗布までの条件管理や、塗布膜が硬化するまでの管理等を厳密に行う必要がある。
また、樹脂のモノマーやオリゴマーを溶媒に溶解して用いた場合には、樹脂を重合硬化後に、加熱等により溶媒を除去すればよい。なお、重合生成物が当該溶媒に可溶な場合には、溶媒が除去されるまで塗布膜は硬化しないが、この場合には次に示す「バインダー成分として溶媒に溶解させた樹脂を用いる場合」と同等の工程とすればよい。
加熱温度は高い方が脱水重合が促進されるが、塗布膜中に加水分解源としての水や溶媒としての低級アルコールが含まれていることから、100℃以下であることが好ましく、80〜90℃であればより好ましい。
加熱時間は膜厚にもよるが、反射増強膜の通常の厚さである100nm〜1μmであれば、1〜10分程度でよい。なお、反射基材の耐熱性が低い場合には、基材が劣化しない温度まで加熱温度を下げる必要があるが、この場合は脱水重合を完全に行わせるために加熱時間を長く取る必要がある。
本発明に用いられるマトリックス材(硬化後のバインダー成分)であるシリカ系ポリマー、酸化チタン系ポリマー、酸化ジルコニウム系ポリマーそれぞれの屈折率を確定するために、予めバインダー成分のみを用い、各実施例と同様の方法を用いてマトリックス材のみの膜を形成し、屈折率を測定した。
バインダー成分であるテトラメトキシシラン(TMOS)2.39gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.69gおよび濃度1mol/Lの硝酸0.15gを加えて攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、PET基材上にシリカ系ポリマー−1の膜体が形成された、屈折率測定試料とした。
得られた屈折率測定試料の基材裏面に反射防止処理を施した後、日立(株)製U−4100分光光度計を使用して、屈折率測定試料の反射光強度を測定した。基材裏面に反射防止処理を施していることから、シリカ系ポリマー−1の膜体を透過し、膜体と基材の界面で反射した光は検出されるが、シリカ系ポリマー−1の膜体とPET基材の両者を透過した光は反射せず検出されないので、シリカ系ポリマー−1の膜体のみの透過光特性を測定することができる。
得られた透過光の波長特性と膜厚から、シリカ系ポリマー−1の屈折率を計算した。その結果、屈折率は1.49であった。
バインダー成分であるテトラメトキシシラン(TMOS)2.39gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.69gを加えて十分攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、シリカ系ポリマー−2の屈折率測定試料とした。
得られた膜の屈折率を、シリカ系ポリマー−1と同様の方法により測定した結果、1.49であった。
バインダー成分であるテトラエトキシチタン1.51gおよびTMOS1.58gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.76gおよび濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、酸化チタン系ポリマーの屈折率測定試料とした。
得られた膜の屈折率を、シリカ系ポリマー−1と同様の方法により測定した結果、1.69であった。
バインダー成分であるテトラエトキシジルコニウム1.08gとTMOS1.58gを、溶媒である2−プロパノール88.8gに溶解した後、水3.76gおよび濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。得られた液をPET製基材上に、バーコート法により、効果後の膜厚が100nmになるように塗布し、大気中、80℃で1分間加熱して硬化させ、酸化ジルコニウム系ポリマーの屈折率測定試料とした。
得られた膜の屈折率を、シリカ系ポリマー−1と同様の方法により測定した結果、1.60であった。
(孔質シリカ分散塗料の作製)
微粒子である孔質シリカとして、日揮触媒化成製の中空シリカ(形状:略球状、平均粒子径:30nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)を選択し、同中空シリカの2−プロパノール分散液(濃度20質量%、日揮触媒化成製)を孔質シリカ分散液(S−1)とした。なお、分散液中の中空シリカは、分散剤で表面処理されている。
この孔質シリカ分散液(S−1)4.38gを取り、バインダー成分であるテトラメトキシシラン(TMOS)2.39gと、溶媒である2−プロパノール88.8gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.69gと濃度1mol/Lの硝酸0.15gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、実施例1の孔質シリカ分散塗料(Z−1)を作製した。
反射基板は、PETフィルム基材の表面に、反射材としての銀膜をスパッタ法により成膜した反射基板(M−1)とした。
反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−1)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で3分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例1の反射増強膜を形成した反射体(F−1)を作製した。
なお、PETフィルムは材質の特性として帯電しやすく、塗料塗布の前段工程中においてマイナスに帯電してしまう。このため、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。なお反射基材がマイナスに帯電していることは、静電気測定装置を用いて確認した。
反射体(F−1)の反射率を、反射増強膜を設けていない反射基板単体(後述の比較例1)での反射率と比較した結果、反射率は2.2パーセントポイント(以下「ポイント」と略す)改善されていた。
また、微粒子およびバインダー原料成分の使用量、並びに反射増強膜の密度から、膜中の微粒子含有率を計算した結果、40体積%であった。
さらに、反射増強膜中の微粒子分布状態を確認するため、反射増強膜を基材ごと折り、その破断面を日立(株)製S−4000電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の81%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の62%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
(孔質シリカ分散塗料の作製)
微粒子として、孔質シリカである日揮触媒化成製の中空シリカ(形状:略球状、平均粒子径:30nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)50体積%、通常の(孔質ではない)シリカであるアエロジル社製シリカ微粒子(形状:略球状、平均粒子径:30nm、屈折率:1.45)50体積%を混合して使用した。したがって、この微粒子の平均屈折率は1.37となる。なお、両シリカ粒子の比を質量比で示すと、中空シリカ38%、通常シリカ62%となる。
上記のシリカ微粒子8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、さらに分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合し、その後ビーズミルにより分散処理を行い、孔質シリカ分散液(S−2)を作製した。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した。中空シリカ粒子が観察可能であるのに対し、通常のシリカ粒子はマトリックス材と材質が同じであるために観察が難しいことから、中空シリカ粒子と同様に分布しているとした。その結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の80%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の60%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
(シリカ分散塗料の作製)
微粒子として、通常の(孔質ではない)シリカであるアエロジル社製シリカ微粒子(形状:略球状、平均粒子径:30nm、屈折率:1.45)を選択した。
上記のシリカ微粒子8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、さらに分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合し、その後ビーズミルにより分散処理を行い、シリカ分散液(S−3)を作製した。
このシリカ分散液(S−3)6.53gを取り、バインダー成分であるテトラエトキシチタン1.51gおよびTMOS1.58gと、溶媒である2−プロパノール86.61gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してテトラエトキシチタンとTMOSを加水分解させ、実施例3の孔質シリカ分散塗料(Z−T)を作製した。
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−T)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で5分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例3の反射増強膜を形成した反射体(F−T)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の60%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の20%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
(シリカ分散塗料の作製)
微粒子であるシリカおよびその分散液は、実施例3と同様のものを使用した。
このシリカ分散液(S−3)6.53gを取り、バインダー成分であるテトラエトキシジルコニウム1.08gおよびTMOS1.58gと、溶媒である2−プロパノール87.06gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してテトラエトキシジルコニウムとTMOSを加水分解させ、実施例4の孔質シリカ分散塗料(Z−Z)を作製した。
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−Z)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で3分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例4の反射増強膜を形成した反射体(F−Z)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
(孔質シリカ分散塗料の作製)
微粒子である孔質シリカおよびその分散液は、実施例1と同様のものを使用した。
次に、バインダー成分として、前記孔質シリカ分散液との混合分散性が良好なアクリル樹脂のモノマーを1.96g取り、バインダー液(B−A)とした。
実施例1と同様にして作製した反射基板(M−1)の反射材表面に、孔質シリカ分散塗料(Z−A)を、バーコート法により硬化後の膜厚が250nmとなるように塗布した。この塗布膜を、大気中、室温で10分間静置した後、大気中、80℃で10分間加熱して硬化させ、実施例5の反射増強膜を形成した反射体(F−A)を作製した。なお、実施例1と同様、反射基板に対しては特段の帯電付与工程は行っていない。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の62%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の24%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
なお、本実施例では孔質シリカ表面を帯電させるための酸やアルカリを添加していないにもかかわらず、反射増強効果を有する膜が得られたが、これは分散液中の孔質シリカは表面処理剤で処理されており、この表面処理剤が酸やアルカリと同様の表面電荷発生効果を有しているためと考えられる。
(孔質シリカ分散塗料の作製)
実施例1と同様の方法にて作製した孔質シリカ分散塗料(Z−1)に、濃度1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液0.01gを加えて攪拌混合し、含まれている硝酸を中和して、実施例6の孔質シリカ分散塗料(Z−6)を作製した。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の56%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の12%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
本実施例では孔質シリカ表面を帯電させるための硝酸(プロトン)を中和除去しているため、他の実施例に比べて反射増強効果が低かったが、反射増強効果自体は有する膜が得られた。これは、実施例5と同様、孔質シリカの表面処理剤が表面電荷発生効果を有しているためと考えられる。
(孔質シリカ分散塗料の作製)
反射基板として、微小な気泡を含有させることで白色とした白色PET板自体を用いた反射基板(M−2)としたことを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例7の反射増強膜を形成した反射体(F−7)を作製した。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微粒子として、孔質シリカである住友大阪セメント製の多孔質シリカ(ナノポーラスシリカ:NPS、形状:略球状、平均粒子径:50nm、気孔径2〜3nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.31)を使用した以外は実施例2と同様にして、孔質シリカ分散液(S−8)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−8)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例8の反射増強膜を形成した反射体(F−8)を作製した。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微粒子として、孔質シリカである日鉄鉱業製の中空シリカ(形状:略球状〜略立方体状、平均粒子径:100nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)を使用した以外は実施例2と同様にして、孔質シリカ分散液(S−9)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−9)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例9の反射増強膜を形成した反射体(F−9)を作製した。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の75%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が50%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微粒子として、孔質シリカである電気化学工業製の中空球状フィラー(形状:略球状、粒子径:10〜200nm程度、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)を使用した。
上記の中空シリカ8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合・分散した。分散時のビーズミル処理条件を穏和にし、微粒子の二次粒子の解砕を抑えることで、平均分散粒子径が300nmの粒子とした実施例10の孔質シリカ分散液(S−10)を作製した。なお、平均分散粒子径はレーザ回折・散乱法(マイクロトラック法)を用いて確認した。
孔質シリカ分散液(S−10)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例10の孔質シリカ分散塗料(Z−10)を作製した。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微粒子として、孔質シリカである鈴木油脂工業製のマイクロカプセル(形状:略球状〜略楕円球体状、平均粒子径:500nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.30)を使用した以外は実施例1と同様にして、孔質シリカ分散液(S−11)を作製した。
孔質シリカ分散液(S−10)を用いることを除いては、実施例2と同様の方法にて、実施例11の孔質シリカ分散塗料(Z−11)を作製した。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
本実施例においては、他の実施例に比べて反射率の改善度が低かったが、これは膜中の粒子に相当する気孔の径が数100nmと大きいために、粒子に起因する光散乱が発生していると考えられること、さらに膜厚が1000nmと厚いことから、膜自体による光の減衰が生じ、この減衰が反射率の改善を相殺しているためと考えられる。
微粒子である孔質シリカおよびその分散液は、実施例1と同様のものを使用した。
この孔質シリカ分散液(S−1)1.63gを取り、バインダー成分であるTMOS2.39gと、溶媒である2−プロパノール92.21gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、実施例12の孔質シリカ分散塗料(Z−12)を作製した。
孔質シリカ分散塗料(Z−12)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例12の反射増強膜を形成した反射体(F−12)を作製した。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認したが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微粒子である孔質シリカおよびその分散液は、実施例1と同様のものを使用した。
この孔質シリカ分散液(S−1)9.79gを取り、バインダー成分であるTMOS2.39gと、溶媒である2−プロパノール84.05gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、実施例13の孔質シリカ分散塗料(Z−13)を作製した。
孔質シリカ分散塗料(Z−13)を用いることを除いては、実施例1と同様の方法にて、実施例12の反射増強膜を形成した反射体(F−13)を作製した。
なお、反射増強膜の断面を通常の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、反射基材側の微粒子含有量が表面側に比べて多いことを確認できたが、SEMの分解能の点から、分布割合までは求められなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
PETフィルム基材の表面に、反射材としての銀膜をスパッタ法により成膜し、反射基板(M−1)とした。
この反射基板(M−1)に反射増強膜を設けることなく、比較例1の反射体(F−R1)とした。得られた反射体(F−R1)の反射率を、実施例1と同様に測定し、基準値とした。以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微小な気泡を含有させることで白色とした白色PET板自体を、反射基板(M−2)とした。
この反射基板(M−2)に反射増強膜を設けることなく、比較例2の反射体(F−R2)とした。得られた反射体(F−R2)の反射率を、実施例1と同様に測定し、基準値とした。以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微粒子である通常の(孔質ではない)シリカおよびその分散液は、実施例3と同様のものを使用した。
このシリカ分散液(S−3)4.35gを取り、バインダー成分であるTMOS2.39gと、溶媒である2−プロパノール89.49gを加えて攪拌混合した後、さらに水3.76gと濃度1mol/Lの硝酸0.01gを加えて攪拌混合した。
得られた分散液を、60℃で3時間、緩やかに攪拌しつつ保持してTMOSを加水分解させ、比較例3のシリカ分散塗料(Z−R3)を作製した。
なお、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例1と同様に確認したが、微粒子とマトリックス材の材質が同じであるために両者の区分を明確に行うことができず、分布状態の確認を行えなかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
微粒子として、孔質シリカである日揮触媒化成製の中空シリカ(形状:略球状、平均粒子径:30nm、内部の空気を含む平均屈折率:1.29)25体積%、通常の(孔質ではない)シリカであるアエロジル社製シリカ微粒子(形状:略球状、平均粒子径:30nm、屈折率:1.45)75体積%を混合して使用した。したがって、この微粒子の平均屈折率は1.41となる。なお、両シリカ粒子の質量比は、中空シリカ17%、通常シリカ83%となる。
上記のシリカ微粒子8.0gを、分散剤であるアクリル系シランカップリング剤0.8g中で表面処理後、分散媒であるメタノール91.2gを加えて混合し、その後ビーズミルにより分散処理を行い、孔質シリカ分散液(S−R4)を作製した。
また、反射増強膜中の微粒子分布状態を実施例2と同様に確認および推定した結果、反射基材側1/2の膜厚中に、反射増強膜に含まれる微粒子の含有量の72%が含まれている(反射基材側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量と、表面側1/2の膜厚中に含まれる微粒子の含有量との差が44%である)ことがわかった。
以上の作製条件及び結果をまとめて、表1に示す。
Claims (7)
- 微粒子とバインダー成分とを含み、前記微粒子の屈折率が、前記バインダー成分の硬化後の屈折率よりも0.1以上低い塗料を、硬化後の膜厚が前記微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下の厚さになるように反射基材上に塗布し、得られた塗布膜を未硬化の状態で保持した後に、前記塗布膜を硬化する反射増強膜の製造方法。
- 前記微粒子の平均粒子径が10nm以上300nm以下である請求項1に記載の反射増強膜の製造方法。
- 前記微粒子が帯電処理されてなる請求項1又は2に記載の反射増強膜の製造方法。
- 前記微粒子が内部に空隙を有する孔質シリカである請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射増強膜の製造方法。
- 反射基材上に形成されてなる反射増強膜であって、
微粒子と硬化後のバインダー成分とを含み、
前記微粒子の屈折率が、前記硬化後のバインダー成分の屈折率よりも0.1以上低く、
硬化後の膜厚が前記微粒子の平均粒子径の2倍以上20倍以下であり、
前記反射基材側における前記微粒子の含有量が、表面側よりも大きい反射増強膜。 - 前記膜厚が100nm以上600nm以下である請求項5に記載の反射増強膜。
- 請求項5または6に記載の反射増強膜を形成するための塗料であって、
帯電した微粒子とバインダー成分とを含み、
前記微粒子の屈折率が、硬化後の当該バインダー成分の屈折率よりも0.1以上低い反射増強膜形成用塗料。
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