JP2011137402A - 密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】密閉ケース内に潤滑油と圧縮機構部とを収容するとともに、密閉ケース内を低圧にし、ガス冷媒を圧縮機構部で圧縮して密閉ケース外に吐出する密閉型圧縮機において、圧縮性能を向上させることである。
【解決手段】密閉型圧縮機1において、潤滑油9が収容されて内部が低圧にされた密閉ケース5と、密閉ケース5内に収容されてガス冷媒を吸い込んで圧縮するとともに圧縮したガス冷媒を密閉ケース5外に吐出する圧縮機構部7と、密閉ケース5内の潤滑油9を圧縮機構部7に供給する給油回路23と、給油回路23の途中に設けられて圧縮機構部7に供給する潤滑油の量をコントロールする流量制御弁24と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】密閉型圧縮機1において、潤滑油9が収容されて内部が低圧にされた密閉ケース5と、密閉ケース5内に収容されてガス冷媒を吸い込んで圧縮するとともに圧縮したガス冷媒を密閉ケース5外に吐出する圧縮機構部7と、密閉ケース5内の潤滑油9を圧縮機構部7に供給する給油回路23と、給油回路23の途中に設けられて圧縮機構部7に供給する潤滑油の量をコントロールする流量制御弁24と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置に関し、特に、密閉ケース内を低圧にした密閉型圧縮機及びこの密閉型圧縮機を用いた冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置で使用される密閉型圧縮機としては、例えば、下記特許文献1に記載されたように、密閉ケース内に低圧のガス冷媒と潤滑油と圧縮機構部とを収容し、密閉ケース内の低圧のガス冷媒を圧縮機構部で圧縮した後に密閉ケース外に吐出させる形式のものが知られている。
このような密閉型圧縮機では、圧縮機構部でガス冷媒を圧縮する場合、圧縮されて高圧になったガス冷媒が低圧の雰囲気である密閉ケース内に漏れ出し、圧縮性能が低下する場合がある。
圧縮機構部におけるガス冷媒の漏れ出しを防止する手段としては、密閉ケース内の潤滑油を給油回路を介して圧縮機構部に供給することが行なわれている。
しかし、密閉ケース内の潤滑油を給油回路を介して圧縮機構部に供給する場合において、潤滑油の供給量が多過ぎたり少な過ぎたりする場合がある。
圧縮機構部への潤滑油の供給量が少な過ぎる場合には、圧縮機構部からのガス冷媒の漏れ出しを有効に防止することができず、圧縮機構部でのガス冷媒の圧縮性能が低下する。
一方、圧縮機構部への潤滑油の供給量が多過ぎる場合には、圧縮されたガス冷媒と共に密閉ケース外に吐出される潤滑油の量が多くなり、密閉ケース内に収容されている潤滑油が著しく減少する。
また、密閉型圧縮機が長時間停止した場合には、ガス冷媒が液化して液冷媒となり、液冷媒が給油回路を通って圧縮機構部に入り込む場合がある。そして、密閉型圧縮機が長時間停止した後に駆動される寝込み駆動時においては、液冷媒が圧縮機構部内で液圧縮を起こし、圧縮機構部の破損を招く場合がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、密閉ケース内にガス冷媒と潤滑油と圧縮機構部とを収容し、密閉ケース内のガス冷媒を圧縮機構部で圧縮して密閉ケース外に吐出する密閉型圧縮機において、圧縮性能を向上させることである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、密閉型圧縮機において、潤滑油が収容され、内部が低圧にされた密閉ケースと、前記密閉ケース内に収容され、ガス冷媒を吸い込んで圧縮し、圧縮したガス冷媒を前記密閉ケース外に吐出する圧縮機構部と、前記密閉ケース内の潤滑油を前記圧縮機構部に供給する給油回路と、前記給油回路の途中に設けられ、前記圧縮機構部に供給する潤滑油の量をコントロールする流量制御弁と、を備えることである。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、冷凍サイクル装置において、第1の特徴に係る密閉型圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備えることである。
本発明によれば、圧縮機構部で圧縮されたガス冷媒が圧縮機構部から漏れ出すことを防止することができ、密閉型圧縮機の圧縮性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を、図1及び図2に基づいて説明する。図1に示す冷凍サイクル装置は、密閉型圧縮機1と、凝縮器2と、膨張装置3と、蒸発器4とを備えている。
本発明の第1の実施の形態を、図1及び図2に基づいて説明する。図1に示す冷凍サイクル装置は、密閉型圧縮機1と、凝縮器2と、膨張装置3と、蒸発器4とを備えている。
密閉型圧縮機1は密閉ケース5を備えており、この密閉ケース5内に、電動機部6と、圧縮機構部7と、回転軸8と、ガス冷媒と、潤滑油9とが収容されている。電動機部6は密閉ケース5内の上方に配置され、圧縮機構部7は密閉ケース5内の下方に配置され、これらの電動機部6と圧縮機構部7とが回転軸8により連結されている。
凝縮器2は、密閉型圧縮機1の圧縮機構部7において圧縮されることにより高圧・高温となったガス冷媒を冷やして熱を奪い、液化させる装置である。ガス冷媒を冷やす方法としては、例えば、ファンを駆動させて送風する方法を採用することができる。
膨張装置3は、液化された液冷媒を微小なノズル穴から噴射し、霧状にする装置である。
蒸発器4は、霧状の液冷媒を気化させる装置である。液冷媒が気化する際に液冷媒は周囲から気化熱を奪い、蒸発器4の周囲の空気が冷やされる。この場合に、ファンを駆動して蒸発器4に向けて送風することにより冷気が発生し、発生した冷気が冷凍用や冷房用として用いられる。蒸発器4で気化したガス冷媒は、密閉型圧縮機1に還流される。
電動機部6は、回転子6aと固定子6bとからなり、固定子6bが密閉ケース5に固定されている。回転子6aには回転軸8が固定され、回転子6aは回転軸8と共に回転軸8の中心軸の回りに回転する。
圧縮機構部7は、低圧のガス冷媒を圧縮して高圧・高温のガス冷媒とする部分であり、第1の圧縮機構部7aと第2の圧縮機構部7bとから構成されている。第1の圧縮機構部7aはシリンダ10aを備え、第2の圧縮機構部7bはシリンダ10bを備え、これらのシリンダ10a,10bの中空部に回転軸8が挿通されている。回転軸8には偏心部8a,8bが形成されており、一方の偏心部8aがシリンダ10aの中空部内に位置し、他方の偏心部8bがシリンダ10bの中空部内に位置している。偏心部8aにはローラ11aが嵌合され、偏心部8bにはローラ11bが嵌合されている。シリンダ10aには、スプリング12aにより付勢されて先端部をローラ11aの外周面に当接させたブレード13aが取付けられ、シリンダ10bには、スプリング12bにより付勢されて先端部をローラ11bの外周面に当接させたブレード13bが取付けられている。
シリンダ10aとシリンダ10bとの間には、シリンダ10a,10bの中空部の一端側を閉止するとともに回転軸8が挿通される仕切板14が設けられている。回転軸8は、主軸受15と副軸受16とにより回転可能に支持されており、主軸受15はシリンダ10aの中空部の他端側を閉止し、副軸受16はシリンダ10bの中空部の他端側を閉止している。シリンダ10aには、シリンダ10aの中空部の両端部を仕切板14と主軸受15とで閉止されることによりシリンダ室17aが形成され、シリンダ10bには、シリンダ10bの中空部の両端部を仕切板14と副軸受16とで閉止されることによりシリンダ室17bが形成されている。そして、これらのシリンダ室17a,17b内でローラ11a,11bが転動することにより、シリンダ室17a,17b内に吸入されたガス冷媒が圧縮される。
第1の圧縮機構部7aは、シリンダ室17aで圧縮されて高圧・高温となったガス冷媒が排出されるマフラ18aを有し、第2の圧縮機構部7bは、シリンダ室17bで圧縮されて高圧・高温となったガス冷媒が排出されるマフラ18bを有している。これらのマフラ18a,18bは、仕切板14に形成された連通路19に連通され、連通路19には、シリンダ室17a,17bで圧縮されたガス冷媒を密閉ケース5外に位置する凝縮器2に向けて吐出する吐出管20が接続されている。
密閉ケース5には、蒸発器4で気化されたガス冷媒を密閉ケース5内に導く第1の吸込管21と、密閉ケース5内のガス冷媒を圧縮機構部7に導く第2の吸込管22とが接続されている。
また、密閉ケース5と第2の吸込管22との間には、密閉ケース5内に収容されている潤滑油9を圧縮機構部7に供給する給油回路23が設けられている。給油回路23の途中には、圧縮機構部7に供給する潤滑油9の量をコントロールする流量制御弁24が設けられている。
流量制御弁24は、図2に示すように、冷凍サイクル装置の運転時(密閉型圧縮機1の運転時)において開弁され、冷凍サイクル装置の運転停止時において閉弁される。
このような構成において、冷凍サイクル装置の運転時には、密閉ケース5内に収容されている低圧のガス冷媒が第2の吸込管22を介して圧縮機構部7に吸い込まれ、圧縮機構部7で圧縮されて高圧・高温のガス冷媒となる。高圧・高温となったガス冷媒は、吐出管20を通って凝縮器2に向けて吐出される。
凝縮器2に向けて吐出された高圧・高温のガス冷媒は、凝縮器2内において液化されて液冷媒となり、液冷媒が膨張装置3内で霧状化され、霧状化された液冷媒が蒸発器4内で気化されてガス冷媒となり、ガス冷媒が第1の吸込管21を経て密閉ケース5内に還流される。
密閉ケース5内に還流されたガス冷媒は、第2の吸込管22を介して再び圧縮機構部7に吸い込まれる。
冷凍サイクル装置の運転時において、流量制御弁24が開弁されることにより密閉ケース5内に収容されている潤滑油9の一部が給油回路23内を通って第2の吸込管22内に流入し、第2の吸込管22内を流れるガス冷媒と共に圧縮機構部7に供給される。
圧縮機構部7に供給された潤滑油9は、圧縮機構部7内におけるシリンダ室17a,17bのシール性、具体的には、ローラ11a,11bの端面と仕切板14との間のシール性、ローラ11aの端面と主軸受15との間のシール性、ローラ11bの端面と副軸受16との間のシール性を高めることができる。これにより、圧縮機構部7で圧縮されたガス冷媒がシリンダ室17a,17bから密閉ケース5内に漏れ出すことを防止することができ、密閉型圧縮機1の圧縮性能を向上させることができる。
また、流量制御弁24の開度を調整することにより、圧縮機構部7に対して必要量の潤滑油9を供給することができる。これにより、圧縮機構部7への潤滑油9の供給量が少な過ぎるために、シリンダ室17a,17bのシール性が低下するということを防止することができる。さらに、圧縮機構部7への潤滑油9の供給量が多過ぎるため、圧縮されたガス冷媒と共に密閉ケース5外に吐出される潤滑油9の量が多くなり、密閉ケース5内に収容されている潤滑油9が著しく減少するということを防止することができる。
流量制御弁24は、図2に示すように、冷凍サイクル装置の運転停止時には閉弁されている。このため、冷凍サイクル装置の運転停止時においてガス冷媒が液化して液冷媒となっても、この液冷媒が給油回路23を通って圧縮機構部7に入り込むということを防止することができる。これにより、密閉型圧縮機1が長時間停止した後に駆動される寝込み駆動時において、液冷媒が圧縮機構部7内で液圧縮されるという事態の発生を防止することができ、液圧縮に伴なって圧縮機構部7が破損するという事故の発生を防止することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を、図3に基づいて説明する。なお、第2の実施の形態、及び、以下に説明する他の実施の形態において、先行して説明した実施の形態の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
本発明の第2の実施の形態を、図3に基づいて説明する。なお、第2の実施の形態、及び、以下に説明する他の実施の形態において、先行して説明した実施の形態の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
第2の実施の形態の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、第2の実施の形態と第1の実施の形態との異なる点は、流量制御弁24のオン・オフのタイミングである。第2の実施の形態では、冷凍サイクル装置の運転停止時には流量制御弁24が閉弁されており、さらに、冷凍サイクル装置が運転を開始した後の一定時間(例えば、3分間)は開弁遅れ時間とし、この開弁遅れ時間が経過した後に流量制御弁24を開弁させるようにしている。
このような構成において、冷凍サイクル装置の運転を開始すると共に流量制御弁24を開弁すると、液化した液冷媒が潤滑油と共に圧縮機構部7に供給され、圧縮機構部7で液圧縮を起こす場合がある。
これに対し、冷凍サイクル装置が運転を開始した後に開弁遅れ時間が経過することにより、液化している液冷媒の気化が進行する。このため、開弁遅れ時間が経過した後に流量制御弁24を開弁することにより、圧縮機構部7への液冷媒の入り込みが抑制され、圧縮機構部7での液圧縮をより一層防止することができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を、図4に基づいて説明する。第3の実施の形態の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、第3の実施の形態と第1の実施の形態との異なる点は、第3の実施の形態では、凝縮器2の入口側におけるガス冷媒の温度と、蒸発器4の出口側におけるガス冷媒の温度との差に応じて、流量制御弁24の開度調整を行なうようにした点である。具体的には、凝縮器2の入口側と蒸発器4の出口側とのガス冷媒の温度差が小さい場合には、流量制御弁24の開度を小さくし、凝縮器2の入口側と蒸発器4の出口側とのガス冷媒の温度差が大きくなるにつれて流量制御弁24の開度を大きくしている。
本発明の第3の実施の形態を、図4に基づいて説明する。第3の実施の形態の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、第3の実施の形態と第1の実施の形態との異なる点は、第3の実施の形態では、凝縮器2の入口側におけるガス冷媒の温度と、蒸発器4の出口側におけるガス冷媒の温度との差に応じて、流量制御弁24の開度調整を行なうようにした点である。具体的には、凝縮器2の入口側と蒸発器4の出口側とのガス冷媒の温度差が小さい場合には、流量制御弁24の開度を小さくし、凝縮器2の入口側と蒸発器4の出口側とのガス冷媒の温度差が大きくなるにつれて流量制御弁24の開度を大きくしている。
このような構成において、シリンダ室17a,17b内のガス冷媒の圧力と密閉ケース5内のガス冷媒の圧力との差が大きい場合には、シリンダ室17a,17bから密閉ケース5内にガス冷媒が漏れ出し易い。そして、シリンダ室17a,17b内のガス冷媒の圧力と密閉ケース5内のガス冷媒の圧力との差は、凝縮器2の入口側におけるガス冷媒の温度と、蒸発器4の出口側におけるガス冷媒の温度との差に応じて推定することができる。そこで、凝縮器2の入口側におけるガス冷媒の温度と、蒸発器4の出口側におけるガス冷媒の温度との差が大きい場合には、流量制御弁24の開度を大きくして圧縮機構部7に供給する潤滑油9の量を多くすることにより、シリンダ室17a,17bのシール性を高めることができ、圧縮機構部7で圧縮されたガス冷媒がシリンダ室17a,17bから密閉ケース5内に漏れ出すことを防止することができ、密閉型圧縮機1の圧縮性能を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を、図5に基づいて説明する。第4の実施の形態の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、第4の実施の形態と第1の実施の形態との異なる点は、第4の実施の形態では、密閉型圧縮機1の運転周波数に応じて流量制御弁24の開度調整を行なうようにした点である。具体的には、密閉型圧縮機1の運転周波数が低い場合には流量制御弁24の開度を小さくし、密閉型圧縮機1の運転周波数が高くなるにつれて流量制御弁24の開度を大きくしている。
本発明の第4の実施の形態を、図5に基づいて説明する。第4の実施の形態の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、第4の実施の形態と第1の実施の形態との異なる点は、第4の実施の形態では、密閉型圧縮機1の運転周波数に応じて流量制御弁24の開度調整を行なうようにした点である。具体的には、密閉型圧縮機1の運転周波数が低い場合には流量制御弁24の開度を小さくし、密閉型圧縮機1の運転周波数が高くなるにつれて流量制御弁24の開度を大きくしている。
このような構成において、密閉型圧縮機1の運転周波数が高くなるにつれて、シリンダ室17a,17b内で圧縮されるガス冷媒の圧力が高くなり、シリンダ室17a,17bから密閉ケース5内にガス冷媒が漏れ出し易い。そこで、密閉型圧縮機1の運転周波数が高い場合には、流量制御弁24の開度を大きくして圧縮機構部7に供給する潤滑油9の量を多くする。これにより、シリンダ室17a,17bのシール性を高めることができ、圧縮機構部7で圧縮されたガス冷媒がシリンダ室17a,17bから密閉ケース5内に漏れ出すことを防止することができ、密閉型圧縮機1の圧縮性能を向上させることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態を、図6及び図7に基づいて説明する。第5の実施の形態の基本的構成は第1の実施の形態と同じであり、第5の実施の形態は、第1の実施の形態に対して、油分離部25と、油戻し回路26と、給油溝27a,27b,28a,28bとを追加した構成である。
本発明の第5の実施の形態を、図6及び図7に基づいて説明する。第5の実施の形態の基本的構成は第1の実施の形態と同じであり、第5の実施の形態は、第1の実施の形態に対して、油分離部25と、油戻し回路26と、給油溝27a,27b,28a,28bとを追加した構成である。
油分離部25は、圧縮機構部7のシリンダ室17a,17bで圧縮されたガス冷媒を凝縮器2に向けて吐出する吐出管20の途中に設けられており、ガス冷媒中に含まれている潤滑油9を分離する。
油戻し回路26は、油分離部25で分離された高圧・高温の潤滑油9を圧縮機構部7に戻す回路であり、一端が油分離部25に接続され、他端が、圧縮機構部7を構成する部品の一つである仕切板14に形成された連通路29に接続されている。連通路29は、仕切板14における回転軸8が挿通される空間部30に連通されている。
なお、第5の実施の形態では、吐出管20の圧縮機構部7への接続構造に関し、マフラ18aとマフラ18bとを接続し、その接続部分に吐出管20を接続した構造を例に挙げて示しているが、第1の実施の形態と同様に、仕切板14に連通路29とずらした位置に連通路19を形成し、連通路19に吐出管20を接続した構造としてもよい。
給油溝27a,27b,28a,28bは、油分離部25で分離された高圧・高温の潤滑油9が油戻し回路26を経由して戻される溝である。
給油溝27aは、偏心部8aの外周面に形成され、一端が空間部30に連通され、他端が回転軸8における偏心部8aの上側に位置する小径部31aに連通されている。なお、小径部31aは、回転軸8における主軸受15に支持される部分より僅かに小径に形成された部分である。なお、この給油溝27aは、偏心部8aと摺接する摺接部であるローラ11aの内周面に形成してもよい。
給油溝28aは、回転軸8における主軸受15により支持される領域に螺旋状に形成された溝であり、一端側が小径部31aに連通され、他端側は閉止されて密閉ケース5内に開口しない構成とされている。なお、この給油溝28aは、回転軸8と摺接する摺接部である主軸受15の内周面に形成してもよい。
給油溝27bは、偏心部8bの外周面に形成され、一端が空間部30に連通され、他端が回転軸8における偏心部8bの下側に位置する小径部31bに連通されている。なお、小径部31bは、回転軸8における副軸受16に支持される部分より僅かに小径に形成された部分である。なお、この給油溝27bは、偏心部8bと摺接する摺接部であるローラ11bの内周面に形成してもよい。
給油溝28bは、回転軸8における副軸受16により支持される領域に螺旋状に形成された溝であり、一端側が小径部31bに連通され、他端側は閉止されて密閉ケース5内に開口しない構成とされている。なお、この給油溝28bは、回転軸8と摺接する摺接部である副軸受16の内周面に形成してもよい。
このような構成において、第5の実施の形態では、圧縮機構部7のシリンダ室17a,17bで圧縮されて高圧・高温となってガス冷媒が吐出管20から凝縮器2に向けて吐出される。
凝縮器2に向けて吐出される高圧・高温のガス冷媒中には潤滑油9が含まれており、ガス冷媒中に含まれる潤滑油9が油分離部25で分離され、潤滑油9を分離されたガス冷媒が凝縮器2内に流入する。一方、油分離部25で分離された潤滑油9は、油戻し回路26を通って高圧・高温状態で圧縮機構部7に戻される。
油分離部25で分離されて圧縮機構部7に戻った潤滑油9は、連通路29から空間部30内に導かれ、さらに、給油溝27a,27bから給油溝28a,28bへと導かれる。
給油溝27aに導かれた潤滑油9は、偏心部8aとローラ11aとの摺動部を潤滑し、給油溝27bに導かれた潤滑油9は、偏心部8bとローラ11bとの摺動部を潤滑する。
さらに、給油溝28aに導かれた潤滑油9は、回転軸8と主軸受15との摺動部を潤滑し、給油溝28bに導かれた潤滑油9は、回転軸8と副軸受16との摺動部を潤滑する。
したがって、油分離部25で分離された潤滑油9によって、回転軸8とこの回転軸8に摺接する摺接部であるローラ11a,11b、主軸受15、副軸受16との潤滑を良好に行なうことができる。
また、給油溝27aから給油溝28a、及び、給油溝27bから給油溝28bに導かれた潤滑油9は、給油溝28a,28bが密閉ケース5内に開口しない構成であるため、密閉ケース5内に放出されない。したがって、高圧・高温の潤滑油9が密閉ケース5内に放出されることによる密閉ケース5内の圧力上昇や温度上昇を抑制することができ、及び、密閉ケース5内の圧力上昇や温度上昇に伴なう密閉型圧縮機1の圧縮性能の低下を防止することができる。
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態を、図8に基づいて説明する。第6の実施の形態の基本的構成は第5の実施の形態と同じであり、第6の実施の形態が第5の実施の形態と異なる点は、油分離部25で分離された高圧・高温の潤滑油9が油戻し回路26を経由して戻される溝として、給油溝27a,27bのみが形成されている点である。
本発明の第6の実施の形態を、図8に基づいて説明する。第6の実施の形態の基本的構成は第5の実施の形態と同じであり、第6の実施の形態が第5の実施の形態と異なる点は、油分離部25で分離された高圧・高温の潤滑油9が油戻し回路26を経由して戻される溝として、給油溝27a,27bのみが形成されている点である。
回転軸8と主軸受15との摺動部の潤滑は、主軸受15の内周面に螺旋状に形成された潤滑用溝32aを用いて行なわれ、回転軸8と副軸受16との摺動部の潤滑は、副軸受16の内周面に螺旋状に形成された潤滑用溝32bを用いて行なわれる。潤滑用溝32a,32bの一端は、密閉ケース5内に開放されている。
回転軸8の内部には、回転軸8の軸心方向に延出するとともに下端部が開口された潤滑油供給孔33が形成されている。この潤滑油供給孔33は、開口された下端側が密閉ケース5内に収容された潤滑油9に浸漬され、潤滑油供給孔33内には羽根ポンプ34が収容されている。また、潤滑油供給孔33には、回転軸8の回転に伴なって潤滑用溝32a,32bに間欠的に連通する油排出口35a,35bが形成されている。
このような構成において、密閉型圧縮機1が駆動されて回転軸8が回転すると、密閉ケース5内に収容されている潤滑油9が羽根ポンプ34の働きにより上昇し、潤滑油供給孔33内を上昇する。潤滑油供給孔33内を上昇した潤滑油9は、油排出口35a,35bから排出され、潤滑用溝32a,32b内に導かれる。そして、潤滑用溝32a,32bに導かれた潤滑油9により、回転軸8と主軸受15との摺動部の潤滑、及び、回転軸8と副軸受16との摺動部の潤滑が行なわれる。
また、第5の実施の形態と同様に、油分離部25で分離された後に油戻し回路26を経由して圧縮機構部7に戻された潤滑油9が給油溝27a,27bに導かれ、偏心部8aとローラ11aとの摺動部の潤滑、及び、偏心部8bとローラ11bとの摺動部の潤滑が行なわれる。
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態を図9に基づいて説明する。第7の実施の形態の基本的な構成は第6の実施の形態と同じである。第6の実施の形態と第7の実施の形態との異なる点は、回転軸8の内部に形成された潤滑油供給孔33aの向きである。
本発明の第7の実施の形態を図9に基づいて説明する。第7の実施の形態の基本的な構成は第6の実施の形態と同じである。第6の実施の形態と第7の実施の形態との異なる点は、回転軸8の内部に形成された潤滑油供給孔33aの向きである。
潤滑油供給孔33aは、下端側が回転軸8の中心部に位置し、上方に向かうにつれて回転軸8の外周部に向けて傾斜している。
このような構成において、回転軸8の回転時には、潤滑油供給孔33aは、下端側が一点に位置して上端側が円を描くように回転する。これにより、羽根ポンプ34の働きにより潤滑油供給孔33a内を上昇する潤滑油9に対して遠心力が作用し、潤滑油9の潤滑油供給孔33a内の上昇がさらに円滑に行なわれる。
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態を、図10ないし図12に基づいて説明する。第8の実施の形態の基本的構成は第5の実施の形態と同じであり、第8の実施の形態は、第5の実施の形態に対して、連通溝36a,36bを追加した構成である。
本発明の第8の実施の形態を、図10ないし図12に基づいて説明する。第8の実施の形態の基本的構成は第5の実施の形態と同じであり、第8の実施の形態は、第5の実施の形態に対して、連通溝36a,36bを追加した構成である。
シリンダ10a,10bにはブレード溝37a,37bが形成され、ブレード溝37a,37bにはブレード13a,13bとスプリング12a,12bとが収容されている。ブレード13a,13bはスプリング12a,12bにより付勢されてブレード溝37a,37b内に出没可能に設けられ、先端部がローラ11a,11bの外周面に当接されている。
シリンダ10a,10bの一方の端面は、閉止部材である仕切板14により閉止されている。この仕切板14の一方の面には、ブレード溝37aと油戻し回路26が接続された連通路29とを連通する連通溝36aが形成され、仕切板14の他方の面には、ブレード溝37bと油戻し回路26に接続された連通路29とを連通する連通溝36bが形成されている。
このような構成において、油分離部25で分離された潤滑油9は、油戻し回路26を通って圧縮機構部7に戻される。圧縮機構部7に戻った潤滑油9の一部は、第5の実施の形態で説明したように、給油溝27a,28a,27b,27aに導かれ、摺動部分の潤滑に用いられる。
圧縮機構部7に戻った潤滑油9の他の一部は、連通路29から連通溝36a,36bに導かれ、さらに、連通溝36a,36bからブレード溝37a,37bに導かれる。
潤滑油9がブレード溝37a,37bに導かれることにより、ブレード溝37a,37bの内周面とブレード溝37a,37b内で出没するブレード13a,13bとの摺接部分の潤滑を良好に行なうことができ、圧縮機構部7における圧縮性能を高めることができる。
なお、連通溝36a,36bは仕切板14の両面の任意の位置に形成することができるので、油戻し回路26に接続された連通路29と、ブレード溝37a,37bとの位置が大きくずれている場合においても、連通溝36a,36bを用いたブレード溝37a,37bへの潤滑油9の供給をスムーズに行なえる。
また、上記各実施の形態では、蒸発器4で気化されたガス冷媒を第1の吸込管21により密閉ケース5内に導き、密閉ケース5内のガス冷媒を第2の吸込管22で圧縮機構部7に導くようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば、蒸発器4で気化されたガス冷媒を吸込管により圧縮機構部に導くとともに、上記吸込管と密閉ケース5内とを連通させて密閉ケース5内を低圧にするようにしてもよい。
1…密閉型圧縮機、2…凝縮器、3…膨張装置、4…蒸発器、5…密閉ケース、6…電動機部、7…圧縮機構部、8…回転軸、9…潤滑油、10a,10b…シリンダ、11a,11b…ローラ、摺接部、13a,13b…ブレード、14…閉止部材(仕切板)、15…摺接部(主軸受)、16…摺接部(副軸受)、23…給油回路、24…流量制御弁、26…油戻し回路、27a,27b,28a,28b…給油溝、36a,36b…連通溝、37a,37b…ブレード溝
Claims (6)
- 潤滑油が収容され、内部が低圧にされた密閉ケースと、
前記密閉ケース内に収容され、ガス冷媒を吸い込んで圧縮し、圧縮したガス冷媒を前記密閉ケース外に吐出する圧縮機構部と、
前記密閉ケース内の潤滑油を前記圧縮機構部に供給する給油回路と、
前記給油回路の途中に設けられ、前記圧縮機構部に供給する潤滑油の量をコントロールする流量制御弁と、
を備えることを特徴とする密閉型圧縮機。 - 前記流量制御弁は、運転停止時には閉弁されていることを特徴とする請求項1記載の密閉型圧縮機。
- 前記流量制御弁は、前記密閉ケース外に吐出されるガス冷媒の圧力と前記密閉ケース内のガス冷媒の圧力との差に応じて制御されることを特徴とする請求項1又は2記載の密閉型圧縮機。
- 前記密閉ケース内に収容され、前記圧縮機構部と回転軸を介して連結され、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、
前記圧縮機構部から前記密閉ケース外に吐出されたガス冷媒中に含まれる潤滑油を分離する油分離部と、
前記油分離部で分離された高圧の潤滑油を前記圧縮機構部に戻す油戻し回路と、
前記回転軸とこの回転軸と摺接する摺接部との少なくとも一方の摺接面に形成され、前記油戻し回路に連通されて高圧の潤滑油が導かれるとともに前記密閉ケース内に開口しない給油溝と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。 - 前記密閉ケース内に収容され、前記圧縮機構部と回転軸を介して連結され、前記圧縮機構部を駆動する電動機部と、
前記圧縮機構部から前記密閉ケース外に吐出されたガス冷媒中に含まれる潤滑油を分離する油分離部と、
前記油分離部で分離された高圧の潤滑油を前記圧縮機構部に戻す油戻し回路と、
を有し、
前記圧縮機構部は、前記回転軸が挿通されるシリンダと、前記回転軸の偏心部に嵌合されて前記シリンダ内に配置されるローラと、前記ローラの外周面に当接されるブレードと、前記シリンダに形成されて前記ブレードを出没可能に保持するブレード溝と、前記シリンダにおける前記回転軸が挿通される方向の端面を閉止する閉止部材とを有し、
前記閉止部材に、前記油戻し回路と前記ブレード溝とを連通する連通溝が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009297284A JP2011137402A (ja) | 2009-12-28 | 2009-12-28 | 密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置 |
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JP2011137402A true JP2011137402A (ja) | 2011-07-14 |
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JP (1) | JP2011137402A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015152260A (ja) * | 2014-02-17 | 2015-08-24 | 株式会社デンソー | 気液分離器およびそれを含む冷凍サイクル装置 |
US10234175B2 (en) | 2013-06-04 | 2019-03-19 | Daikin Industries, Ltd. | Turbo refrigerator |
-
2009
- 2009-12-28 JP JP2009297284A patent/JP2011137402A/ja active Pending
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