JP2011136401A - スピンドル装置 - Google Patents

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信綱 本橋
Nobuyuki Rito
伸幸 利藤
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Abstract

【課題】軽量・コンパクト・簡素な構成の変位センサ装置を、既存の設計によるスピンドルヘッドに容易に装備できるスピンドル装置を提供する。
【解決手段】このスピンドル装置は、スピンドルヘッドのハウジングの外に突出した回転軸のクイル303aに対向する変位センサ装置20を備えたものであり、この変位センサ装置20は、導電部を渦巻状に形成したコイルを有し、かつ、その渦巻面をクイル303aと対向させて当該クイルのまわりを取り囲むフレキシブルプリント基板22によって構成される。
【選択図】図8

Description

本発明は、高速回転する物体を支持するスピンドル装置に関する。
例えば回転軸の先端に砥石を装着したスピンドルヘッドは、ワーク研削時の荷重によって回転軸が径方向に変位する。そこで、径方向の変位をセンサによって検出すれば、その検出値に基づいて研削力の制御を行うことができる。また、熱変化等によって回転軸が軸方向に変位することもあるので、このような軸方向の変位を正確に検出し、その検出値に基づいてスピンドルヘッドの軸方向位置制御を行うことにより、温度に関わらず、正確な研削を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
変位を検出するためのセンサは、鉄心にコイルを巻いたものであり、回転軸の外周に、径方向用及び軸方向用として合計8個が配置されている。
特開平7−314288号公報
しかしながら、上記のような従来のスピンドル装置では、鉄心にコイルを巻いたセンサの体積・重量が大きく、構成部品数も多いので、材料コストが高く、組立工数も多い。また、センサの支持物も多く必要であり、大きな取り付けスペースを要するため、既存の設計によるスピンドルヘッドに取り付けることは困難である。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、軽量・コンパクト・簡素な構成の変位センサ装置を、既存の設計によるスピンドルヘッドに容易に装備できるスピンドル装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、砥石を回転させるための回転軸、当該回転軸を収容するハウジング、及び、当該ハウジングの外に突出した回転軸のクイルを有するスピンドルヘッドと、導電部を渦巻状に形成したコイルを有し、かつ、その渦巻面を前記クイルと対向させて当該クイルのまわりを取り囲むフレキシブルプリント基板によって構成され、当該クイルの変位を非接触で検出する変位センサ装置とを備えたものである。
上記のように構成されたスピンドル装置では、砥石からクイルにかかる荷重による変位が変位センサ装置によって検出される。かかる変位センサ装置は軽量・コンパクト・簡素で僅かなスペースにも配置できる。
(2)上記スピンドル装置において、クイルは周溝を有し、コイルのうち、軸方向変位検出用のコイルは、周溝の軸方向両端に対向する一対のコイルによって構成され、当該一対のコイルは周方向に互いにずれて設けられている、という構成であってもよい。
この場合、軸方向への変位に応じて一対のコイルのインダクタンスが対照的に変化するので、かかる変化に基づいて軸方向への変位を検出することができる。また、一対のコイルは周方向に互いにずれている(千鳥配置)ので、軸方向には十分に離れていなくても相互間の距離を確保して設けることができる。すなわち、周溝の幅はコイルの外径より小さくてもよいことになり、クイル側に大きな軸方向寸法を必要とせずに、軸方向の変位を検出することができる。また、検出した軸方向変位に基づいてスピンドルヘッドの位置制御を行えば、スピンドル装置始動直後の温度過渡期においてもワークに対する砥石の相対的な軸方向位置を正確に維持して研削を行うことができる。
(3)また、上記(2)のスピンドル装置において、コイルのうち、径方向変位検出用のコイルは、周方向に複数個等配され、一対ごとに径方向に対向していてもよい。
この場合、例えば4等配に配置すれば、径方向の、互いに直交する2方向において変位を検出することができる。
(4)また、上記(2)又は(3)のスピンドル装置において、各コイルと軸方向に近接して設けられた温度補償用コイルと、温度補償用コイルとクイルとの間にあって、クイルの変位が温度補償用コイルのインダクタンスに影響を与えないよう遮蔽する磁性体とを備えてもよい。
この場合、変位検出用のコイルの出力と温度補償用コイルの出力とを比較相殺することにより、温度変化による出力の変化をキャンセルすることができる。
(5)また、上記(1)〜(4)のいずれかのスピンドル装置において、変位センサ装置は、リング状の支持部に前記フレキシブルプリント基板を装着して成り、磁気シールドを成すカバーによって覆われているものであってもよい。
これにより、砥石によって研削されるワークをマグネットチャックする場合の、マグネットチャックの着磁による磁界が変位センサ装置に影響を及ぼすことを、防止することができる。
(6)また、上記(1)〜(4)のいずれかのスピンドル装置において、フレキシブルプリント基板には、コイルと接続され、変位を検出するための回路を構成する電子部品が実装されていてもよい。
この場合、電子部品を実装して、変位センサ装置としての主な機能を搭載し、必要な出力をとりだすことができる。
本発明のスピンドル装置によれば、既存の設計によるスピンドルヘッドに、変位センサ機能を容易に付加することができる。検出された変位に基づいてスピンドルヘッドの位置制御を行えば、正確な研削加工を行うことができる。
本発明のスピンドル装置に含まれる変位センサ装置に使用する平面コイルの原理を説明する図である。 LC回路の周波数特性の一例を示すグラフである。 コイルの巻き方の他の例(実用的な例)を示す斜視図である。 (a)は基板形センサの展開図、(b)は基板形センサを円筒状に丸めた状態を示す斜視図である。 丸めた状態のフレキシブルプリント基板を円筒状の支持部の内周面上に取り付ける状態を示す斜視図である。 (a)は、支持部の図示を省略して、フレキシブルプリント基板の内側に回転体が挿通されている状態の基板形センサを示す斜視図であり、(b)は、これを回転体の軸方向から見た図である。 転がり軸受装置の外輪の軌道を研削する砥石を回転させるスピンドル装置の断面図である。 (a)は、センシングユニットの正面図(図7の軸方向左側から見た図)、(b)はセンシングユニットの断面図である。 フレキシブルプリント基板の展開図である(両面)。 支持部の斜視図、及び、支持部に装着されたフレキシブルプリント基板が、どのような形態となっているかを示す斜視図である。 フレキシブルプリント基板を支持部に装着することにより完成した状態の変位センサ装置を示す斜視図である。 回転軸のクイルと、フレキシブルプリント基板との、軸方向の位置関係を示す図である。 変位センサ装置を構成するフレキシブルプリント基板に搭載されるコイル及び信号処理回路を示す回路図である。
《原理》
図1は、本発明のスピンドル装置に含まれる変位センサ装置に使用する平面コイルの原理を説明する図である。この平面コイル1は、(a)に示すように、フレキシブルプリント基板(FPC)2上に、導電部を渦巻状に形成して成るコイル3を設けたものである。このような平面コイル1は、例えばポリイミド製の基板に銅やアルミニウム等の金属箔が貼着されたフレキシブルプリント基板からエッチングを行って、渦巻のパターンを残すことにより製作することができる。なお、コイル3の渦巻中心の端部は、例えばスルーホールで裏面へ導出することができる。コイル3は、渦巻のターン数(渦を巻いている回数)、コイルの断面積、コイルの長さ等に依存するインダクタンスLを有するが、ターン数は2乗で関与するため、最も支配的な要素である。従って、ターン数を確保することによって、所望のインダクタンスを得ることが可能である。
(b)は、平面コイル1を、変位の検出対象物4と近接対向させた状態を示す斜視図である。検出対象物4は金属製(例えば鉄系金属)であり、導電性を有する。コイル3のインダクタンスは、この検出対象物4によって影響を受ける。また、交流信号に対して、コイル3のパターンと検出対象物4との間に、パターン面積や相互間の距離に依存したキャパシタンスが現れる。従って、このような平面コイル1は、等価的に、(c)に示すような並列のLC回路となる。ここで、インダクタンスLやキャパシタンスCの値は、検出対象物4と平面コイル1とのギャップによって変化する。
上記ギャップが増大すると、交流信号に対するインダクタンスL及びキャパシタンスCが共に低下し、逆に、ギャップが減少すると、インダクタンスL及びキャパシタンスCが共に上昇する。従って、ギャップの変化により、LC回路の自己共振周波数f(=1/(2π(L・C)1/2))が変化する。
図2は、LC回路の周波数特性の一例を示すグラフである。周波数特性は、例えば自己共振周波数f1でピークとなる実線の曲線であるが、自己共振周波数が低下してf2になると、周波数特性は破線の曲線となる。この結果、LC回路に一定の発振周波数f0を供給している場合において、LC回路の出力(振幅)は、V1からV2に変化する。このようにして、ギャップの変化を出力の変化として検出することができる。
図3は、コイル3の巻き方の他の例(実用的な例)を示す斜視図である。この例では、フレキシブルプリント基板2の表裏両面に、コイル3が設けられ、スルーホールの導電路5を介して互いに接続されている。なお、図を見易くするために2つのコイル3を互いに上下に引き離して表しているが、実際には、薄いフレキシブルプリント基板2を挟んで背中合わせになっている。なお、フレキシブルプリント基板2を複数枚重ねて、導電体のパターンを設ける層を複層化することも可能である。
2つのコイル3は、同じ方向(例えば上方)から見ると互いに逆の渦巻であるが、電流という視点から見ると、同じ方向に巻いている。すなわち、仮に、上のコイル3の外側の巻端から電流が流れ込むとすると、電流は右巻きに渦の中心へ向かい、下のコイル3に抜けると、今度は、右巻きに渦の外側へ向かい、下のコイル3の外側の巻端に達する。従って、電流は常に右巻きに流れており、右巻きのターン数が累積される。電流が逆に流れるときは、電流は常に左巻きに流れ、左巻きのターン数が累積される。このようにして、厚さ方向には極めて薄い平面コイル1でありながら、コイル3は全体として多くのターン数を確保することができる。従って、所望のインダクタンスを容易に得ることができる。
《原理的構成》
次に、上記のような平面コイル1を複数個使用した基板形センサの原理的構成について説明する。
図4の(a)は、基板形センサ10の展開図である。この基板形センサ10においては、フレキシブルプリント基板2上に、4個のコイル3(X+,Z+,X−,Z−)が設けられている。なお、図ではコイル3を簡略化して同心円のように描いているが、実際は、図1や図3に示したような渦巻である(以下、同様。)。
ここで、各コイル個別の符号は、後述の回転体の軸方向をY方向とした場合に、Y方向に直交し、かつ、互いに直交するX方向・Z方向に対応し、+、−はX,Z方向の組を表している。すなわち、変位を検出するためのコイルの組み合わせは、以下のようになる。
X方向変位:(X+,X−)
Z方向変位:(Z+,Z−)
各コイル3における2つの巻端(図示せず。)は、フレキシブルプリント基板2の表裏両面の導電路6を経て、端子電極部2aに導出されている。
このような基板形センサ10をリング状に丸めると、(b)に示すようになり、コイルX+及びX−は、X方向に1組の存在となる。また、コイルZ+及びZ−は、Z方向に1組の存在となる。また、4個のコイルは、周方向の位相90度ごとに配置されている。
図5は、丸めた状態のフレキシブルプリント基板2を支持し、かつ、その円筒形状を維持すべく、円筒状の支持部11の内周面上に取り付ける状態を示す斜視図である。支持部11は、樹脂製であってもよいが、ここでは金属製とする。金属製の場合、機械的強度を容易に確保することができるので、樹脂製に比べて薄肉の支持部とすることができる。このことは、コンパクト化に寄与する。なお、支持部が金属製であっても、高周波信号(100kHz〜500kHz)でLC回路を駆動することにより、変位検出に影響がないことが確認された。
支持部11の内周面に固定されたフレキシブルプリント基板2の内側には、径方向の微小な隙間を確保して、検出対象物としての回転体12が挿入される。この回転体12とは例えばスピンドル装置の回転軸(のクイル)である(詳細後述)。
図6の(a)は、支持部11の図示を省略して、フレキシブルプリント基板2の内側に回転体12が挿通されている状態の基板形センサ10を示す斜視図である。(b)は、これを回転体12の軸方向から見た図である。フレキシブルプリント基板2と回転体12の表面との間には径方向へのギャップがあり、このギャップの変化によって、前述のインダクタンスL,キャパシタンスCが変化する。従って、回転軸12に荷重が作用した際に発生する径方向の変位を、前述の出力の変化として検出することができる。
以上の構成の基板形センサ10によれば、コイル3のインダクタンスを、フレキシブルプリント基板2上に形成された渦巻のターン数によって確保することができるので、コイルの厚さ寸法の増大を抑制することができる。
また、コイル3の導電部と回転体12との間にキャパシタンスが現れるので、別途、回路部品としてのコンデンサを用意することなく、LC回路を構成することができる。
また、1つの基板に必要数のコイル3を設けることができ、それによって、僅か1枚のフレキシブルプリント基板2に必要な機能を集約し、検出対象物の変位を非接触で検出することができる。
《スピンドル装置としての実施形態》
次に、上記のような基板形センサを応用した変位センサ装置を含む、本発明の一実施形態に係るスピンドル装置について説明する。図7は、転がり軸受装置の例えば外輪の軌道を研削する砥石を回転させるスピンドル装置100の断面図である。図において、スピンドル装置100は、既存の設計に基づくスピンドルヘッド300に、センシングユニット200を装着したものである。スピンドルヘッド300は、複数部材で構成されるハウジング301と、モータ302と、モータ302の回転軸303と、回転軸303をハウジング301に対して回転自在に支持する転がり軸受304,305とを主たる構成部材として備えている。回転軸303の先端側には、ハウジング301の外へ突出したクイル303aが形成され、その小径化された先端には砥石306が装着されている。クイル303aは磁性体の鉄系金属からなる。
スピンドル装置100は、図示しない駆動テーブルによって、回転軸303の軸方向、並びに、当該軸方向と直交し、かつ、互いに直交する2方向へ移動可能である。
図の左端側には、砥石306を軸方向端部から見たときの、研削対象物としてのワークW(外輪)との位置関係の一例を示している。砥石306がワークWに当たることによって、研削抵抗の接線分力Ft及び法線分力Fnが発生する。センシングユニット200は、この法線分力Fnに基づくクイル303aの径方向変位、及び、温度変化等によるクイル303aの軸方向変位を検出しようとするものである。
図8の(a)は、センシングユニット200の正面図(図7の軸方向左側から見た図)、(b)はセンシングユニット200の断面図である。図において、センシングユニット200は、その中枢部としての変位センサ装置20(詳細後述)と、フレーム201と、2重のシールドカバー202,203とを備えている。フレーム201は、磁性体の鉄系金属からなり、筒状体201aの軸方向一端から外側へ、他端から内側へ、それぞれ外環部201b、内環部201cが形成されたものである。
変位センサ装置20はフレーム201の筒状体201aの内周面に装着される。また、2つのシールドカバー202,203間にスペーサ204(非磁性体)を介して、6本のねじ205(非磁性体)を変位センサ装置20に螺着することにより、変位センサ装置20とシールドカバー202,203とを共に、フレーム201に固定することができる。スペーサ204によって、2つのシールドカバー202,203の間には隙間が形成されている。また、内側のシールドカバー203とフレーム201との間にも隙間が形成されている。シールドカバー202,203の孔202a,203aの内径及びフレーム201の内環部201cの内径はそれぞれ、内側に通されるクイル303aの外径よりも若干大きい。外側の6本のねじ206(非磁性体)は、その頭部を残して、シールドカバー202,203を貫通し、フレーム201の外環部201bに挿通(バカ孔)されている。ねじ206の頭部付近には防水及びねじ脱落防止のためのOリング(図示略)が装着されている。
シールドカバー202,203は、パーマロイ・ニッケルめっき加工を施した鋼等の磁性体からなり、変位センサ装置20を外部の磁界から遮蔽する機能を有する。外部の磁界とは、砥石306(図7)によって研削されるワークをマグネットチャックする場合の、マグネットチャックの着磁による磁界である。シールドカバー202,203間の隙間、及び、内側のシールドカバー203とフレーム201との間の隙間は、遮蔽効果を増強する。また、シールドカバー202,203の、外周が丸みを帯び、尖った部分を少なくした外形状も、遮蔽効果を高める。なお、シールドカバー202,203は、研削時に飛散する研削油から変位センサ装置20を保護する機能も有する。
上記のように構成されたセンシングユニット200は、図7に示すように、クイル303aに外挿して、外側の6本のねじ206をハウジング301に螺着することにより、ハウジング301に取り付けられる。従って、既存の設計に基づくスピンドルヘッド300に対しても、基本的な改造を要することなく、容易に装着することができる。また、現在使用中の(センサ機能無しの)スピンドルヘッドに追加工(6箇所のねじ孔)を施してセンシングユニット200を取り付けることも容易である。
次に、上記変位センサ装置20について詳しく説明する。
図9〜11は、一実施形態としての変位センサ装置20を示す図であり、図9はフレキシブルプリント基板22の展開図(両面)、図10は支持部21の斜視図、及び、支持部21に装着されたフレキシブルプリント基板22が、どのような形態となっているかを示す斜視図、並びに、図11は、フレキシブルプリント基板22を支持部21に装着することにより完成した状態の変位センサ装置20を示す斜視図である。すなわち、図8に示す変位センサ装置20は、詳細には、例えば図11に示す形態である。
まず、図9において、(a)は当該基板をリング状に丸めたときに外側になる面を示し、(b)は逆に内側になる面を示している。なお、コイル3は前述のように(図3)フレキシブルプリント基板22の両面に設けることができるが、ここでは説明の簡略化のため、片面にのみ設けられているものとして説明する。
フレキシブルプリント基板22は、コイル3等のセンサ回路要素を含む横長・長方形の基板本体22aと、この基板本体22aから上下にそれぞれ延伸して形成された合計15片の止め代部22bと、略中央の上部(又は下部)から延伸して形成された引出し部22cとを一体に有するものである。
基板本体22aは、複数種類の領域a1〜a4を有している。4つの領域a1にはそれぞれ図4の基本要領で、さらに2列の構成とした4組8個のコイル3が設けられる。また、その他に、基板本体22aの端部(図9の右端部)に、1組3個のコイル3が設けられる。これら合計11個のコイル3は、(b)の面、すなわち、リング状に丸めたときの内側になる面に設けられている。コイル3は、表面に絶縁コーティング等が施される。また、黒く塗りつぶして表しているコイル3(4+1個)は、絶縁コーティングの上にパーマロイ等の磁性体Mの膜を形成してマスキングし、当該コイル3のインダクタンスが、磁性体であるクイル303aの影響を極力受けないようにしたものである。このようなコイル3を、以下、ダミーコイル(機能的には温度補償コイル)ともいう。
図9の右端側の、1組3個のコイル3のうち、ダミーコイル3を除く一対のコイル3は、フレキシブルプリント基板22を丸めたとき、軸方向に所定距離(後述の距離d3、図12)離れている。また、丸めたときの周方向にも所定距離離れている。これにより、一対のコイルは、いわば千鳥配置となっている。なお、周方向へ離す距離は、2つのコイル3が重ならず、ダミーコイル3の近くにあるという条件を満たせばよく、クイル303aとの関係で決まる距離ではない。
(a)の面において、斜線を付した3つの領域a2には、電子部品(詳細後述)が実装され、回路接続用の導電路が形成されている。また、斜線を付した7つの領域a3にも、補助的に、電子部品の実装が可能である。
残る7つの領域a4は、電子部品が実装されず、導電路のみが形成される。従って、領域a4での折り曲げが可能である。コイル3の2つの巻端は、スルーホール(図示せず。)を通って裏面側に導出されている。引出し部22cには外部回路との接続のための導電路が集約されている。なお、裏面側の表面の、少なくとも導電路の部分には、絶縁コーティングが施される。
一方、止め代部22bは、フレキシブルプリント基板22を支持部21(図10)に固定するにあたっての、ねじやリベット等の止め具23(図10)による固定の用に供する部位である。各止め代部22bには、丸孔hが形成されている。
次に、図10において、支持部21は、内周は多角形(8角形)で、外周は円筒となる全体としてはリング状の物体(リング体)である。この支持部21は、前述の支持部11と同様に金属製で、具体的には、温度特性を合わせる観点から、フレーム201(図8)と同じ鉄系材料が好ましい。支持部21には、周方向へ規則的にポケットが形成されている。本例では、内外貫通の大きいポケット21aが周方向に90度ごとに、8角形の1辺の範囲内で形成されている。また、内外貫通の一対の小さなポケット21bが、周方向に90度ごとに、8角形の1辺の範囲内で形成されている。一対の小さなポケット21bの間に残る平面部21cは、4組のコイル3の取り付け面となる。支持部21の軸方向の両端面には、止め具23の取り付け孔21dが形成されている。
フレキシブルプリント基板22の基板本体22aは、前述の領域a4(図9)を折り曲げ箇所として、開いた多角形状に折り曲げられ、支持部21の内周側に装着される。また、止め代部22b及び引出し部22cは、外側へ折り曲げられる。折り曲げられた止め代部22bの孔h(図9)には止め具23が通され、取り付け孔21dに固定される。こうして、図11に示すように、フレキシブルプリント基板22が支持部21に固定される。電子部品E1,E2は、フレキシブルプリント基板22の外側にあって、外方へ少し突出しているが、それぞれ、ポケット21a,21bへ収容されることにより、フレキシブルプリント基板22を内方へ膨らませることなく装着することができる。コイル3/ダミーコイル3が軸方向に並んだものを1組として、計4組のコイル3は、周方向に90度間隔で配置され、径方向に互いに対向している。また、当該4組のコイル3を配置した残りの内面(8角形の一辺に相当する内面)に、1組3個のコイル3(コイル2個+ダミーコイル1個)が配置されている。
上記のように構成された変位センサ装置20では、支持部21に沿って支持されたフレキシブルプリント基板22において、コイル3は、内方に向けて露出させた状態にある。従って、コイル3を、クイル303aに近接して対向させることが容易である。電子部品E1,E2は逆に、外方に向けられた状態にあるので、クイル303aとの接触を避けるには好適な配置である。
また、電子部品E1,E2による外方への突出部位はポケット21a,21bに収容されるので、フレキシブルプリント基板22を、内方へ膨らませることなく装着することができる。しかも、ポケット21a,21bを多数形成することにより支持部21の体積が大幅に減少し(例えば約半減)、支持部21の軽量化に寄与する。また、ポケット21a,21bに収容されることで電子部品E1,E2を保護することができるので、支持部21が保護機能も発揮する。すなわち、保護用の部材を別途設けなくても、支持部21によって電子部品を保護することができる。また、電子部品E1,E2の実装により、変位センサ装置20としての主な機能をフレキシブルプリント基板22上に搭載し、必要な出力をとりだすことができる。
なお、ポケット21a,21bの配置は、電子部品を収容するか否かにかかわらず、回点対称な配置を基本形とする。これにより、支持部21の熱膨張及び、コイル3の磁場を、径方向の対向部間で均一にすることができる。
図12は、クイル303aと、フレキシブルプリント基板22との、軸方向の位置関係を示す図である。なお、このフレキシブルプリント基板22は、便宜上、展開状態で示しているが、装着状態では、図11に示したように、クイル303aのまわりを取り囲むように8角形状に巻かれ、コイル3はクイル303aに対して径方向に対向している。
図において、クイル303aの外周には、周方向へ一周する周溝303bが形成されている。周溝303bの底面は、周溝303b以外のクイルの外周面に比べてコイル3から離れるため、インダクタンスに与える影響が小さくなる。また、周溝303bは、周方向に90度ごとに配置されている4組のコイル3のうち径方向の変位検出用である4個のコイル3(すなわちダミーコイルではない方)とは正面対向しない。従って、周溝303bの存在は、当該4個のコイル3のインダクタンスには影響しない。
図12中の拡大図において、周溝303bの幅はdであり、左寄りの2つのコイル3(ダミーコイル以外)の中心は幅dの範囲内にあり、それぞれ、周溝303bの軸方向両端から距離d1,d2だけ内側へずれている。また、2つのコイル3間の距離はd3(=d−d1−d2)である。基本的には、d1=d2であり、軸方向で見たときの、2つのコイル3と、これらに対向するクイル303aの形状との関係は左右対称である。すなわち、図示の通りの状態であれば、2つのコイル3から見て周溝303bのある部分の面積(正面対向面積)と、無い部分の面積(正面非対向面積)との割合が互いに同じである。従って、2つのコイル3のインダクタンス(クイル303aの影響を含む。)は互いに同一である。
この状態から、温度変化によって例えばd1が増大し、d2が減少すると、d1側のコイル3のインダクタンスが減少し、d2側のコイル3のインダクタンスが増大する。逆に、d1,d2の増減が逆であれば、2つのコイル3のインダクタンスの増減が逆になる。すなわち、軸方向への変位に応じて一対のコイル3のインダクタンスが対照的に変化することになる。従って、両コイル3に基づく2出力の差動増幅を行うことにより、クイル303aの軸方向への変位を検出することができる。
ここで、一対のコイル3は周方向に互いにずれているので、軸方向には十分に離れていなくても相互間の距離を確保して設けることができる。すなわち、周溝303bの幅dはコイル3の外径より小さくてもよいことになり、周溝303bやクイル303a側に大きな軸方向寸法を必要とせずに、軸方向の変位を検出することができる。
また、検出した軸方向変位に基づいてスピンドルヘッド300の位置制御を行えば、スピンドル装置100始動直後の温度過渡期においてもワークWに対する砥石306の相対的な軸方向位置を正確に維持して研削を行うことができる。
図13は、上記の変位センサ装置20を構成するフレキシブルプリント基板22に搭載されるコイル3及び信号処理回路19を示す回路図である。信号処理回路19は、前述の電子部品E1,E2としてフレキシブルプリント基板22上の複数箇所に実装することができる。なお、発振回路13は、外部に設けられる。コイル3について、どの方向の変位検出に寄与するかによってX,Y,Zの符号を用いると、X,Zは径方向に互いに直交する2方向である(図4参照。)。さらに、Yが軸方向である。添え字の+、−が対(ペア)を表し、添え字のdはダミーコイルを意味する。
各コイル3は前述のように等価的にはLC回路であり、発振回路13から抵抗14を介して所定の発振周波数f0の交流信号が供給される。LC回路の出力はインピーダンス変換を行うバッファ回路(電圧フォロワ回路)15を経て、差動増幅回路16及び17に入力される。11個の抵抗14のうち、5個(黒塗り表示)の抵抗14は、ダミーコイル3(Xd+,Xd−,Zd+,Zd−,Yd)用であり、その他の6個の抵抗14とは抵抗値が異なる。例えば、X+のコイル3はクイル303aと対向しているのに対してXd+のダミーコイル3は磁性体Mでマスクキングされているので、インダクタンスやキャパシタンスが異なる。そこで、クイル303aが、変位のない基準位置にあるときに、バッファ回路15への入出力が、X+のコイル3と、Xd+のコイル3とで互いに等しくなうように、抵抗14の抵抗値を選択する。他の組み合わせ(X−とXd−、Z+とZd+、Z−とZd−、Y+又はY−とYd)についても同様である。
このようにして変位検出用のコイル3(X+,X−,Z+,Z−,Y+,Y−)の出力と、各ダミーコイル3(Xd+,Xd−,Zd+,Zd−,Yd)との差動出力を、差動増幅器16でとることにより、2つの出力は比較相殺され、共通に含まれる温度変化による出力の変化(温度ドリフト)をキャンセルすることができる。すなわち、温度変化が生じた場合にも、各コイル3(X+,X−,Z+,Z−,Y+,Y−)の出力の温度補償を行うことができる。
また、差動増幅回路17は、対を成す2つのコイル3(X+,X−,Z+,Z−,Y+,Y−)に基づく、温度補償がなされた出力の差をとることで信号の線形化を行い、かつ、増幅を行う。線形化によって、クイル303aの径方向・軸方向への変位を正確に検出することができる。差動増幅後の信号は、X,Y,Zの各方向の変位を表す出力となる。演算装置18は、X,Z2方向に関する2つの差動増幅器17の出力に基づいて、クイル303aすなわち砥石306に作用する砥石荷重(法線分力Fn)を求める。砥石荷重は、径方向の変位と関数関係にあり、予め、この関数又はマップを演算装置18に記憶しておくことにより、径方向変位から砥石荷重を演算して出力することができる。
スピンドル装置100の駆動テーブルは、砥石荷重に基づいて適切に、研削力の制御を行うことができる。また、軸方向変位に基づいてスピンドルヘッド100の軸方向位置制御を行うことにより、温度に関わらず、正確な研削を行うことができる。
以上のように、本実施形態に係るスピンドル装置100では、砥石306からクイル303aにかかる荷重による変位が変位センサ装置20によって検出され、かかる変位センサ装置20は軽量・コンパクト・簡素で僅かなスペースにも配置できるため、既存の設計によるスピンドルヘッド300に容易に取り付けることができる。また、現在使用中の(センサ機能無しの)スピンドルヘッドに追加工を施して変位センサ装置20(センシングユニット200)を取り付けることも可能である。
《その他》
なお、上記実施形態において図示したコイル3は、見易くするために、相対的に大きく描いている。図9〜12に示した軸方向変位の検出に関する3個のコイル3は、図示した位置に限らず、フレキシブルプリント基板22上の空いているスペースに配置することが可能であり、例えば、径方向変位の検出に関するコイル3が設けられている8角形の一辺に相当する平面に配置してもよい。
また、上記実施形態では、支持部21の内周側にフレキシブルプリント基板22を装着する例を示したが、これは一例に過ぎず、例えば肉厚が比較的薄い、窓付きの支持部の外周側にフレキシブルプリント基板を装着して、窓から内方へコイルを露出させるような構成も可能である。すなわち、フレキシブルプリント基板は、支持部の内周・外周のどちらにでも装着することができる。
なお、上記実施形態では内周が8角形の支持部21を示したが、この8角形は一例に過ぎず、他の角数でもよい。例えば、検出対象となる回転軸が小径になると、それに対応して8角形の一辺が小さくなり、コイルや電子部品を搭載するための平面の面積を十分に確保できない。かかる場合には、例えば4角形にすることによって、面積の確保が容易になる。
また、上記各実施形態において、フレキシブルプリント基板22の径方向変位検出用のコイル3は、2個1組で周方向へ4等配に設けられているが、これは出力の必要性に対応したもので、コイルの数や配置は、図示したものに限定されない。
なお、上記実施形態では信号処理回路19をフレキシブルプリント基板22に搭載した例を示したが、信号処理回路19は基板とは別に、外部に設けることも可能である。
2:フレキシブルプリント基板、3:コイル、11:支持部、19:信号処理回路、20:変位センサ装置、21:支持部、22:フレキシブルプリント基板、100:スピンドル装置、300:スピンドルヘッド、301:ハウジング、303:回転軸、303a:クイル、303b:周溝、306:砥石、M:磁性体、202,203:シールドカバー

Claims (6)

  1. 砥石を回転させるための回転軸、当該回転軸を収容するハウジング、及び、当該ハウジングの外に突出した回転軸のクイルを有するスピンドルヘッドと、
    導電部を渦巻状に形成したコイルを有し、かつ、その渦巻面を前記クイルと対向させて当該クイルのまわりを取り囲むフレキシブルプリント基板によって構成され、当該クイルの変位を非接触で検出する変位センサ装置と
    を備えたことを特徴とするスピンドル装置。
  2. 前記クイルは周溝を有し、
    前記コイルのうち、軸方向変位検出用のコイルは、前記周溝の軸方向両端に対向する一対のコイルによって構成され、当該一対のコイルは周方向に互いにずれて設けられている請求項1記載のスピンドル装置。
  3. 前記コイルのうち、径方向変位検出用のコイルは、周方向に複数個等配され、一対ごとに径方向に対向している請求項2記載のスピンドル装置。
  4. 前記各コイルと軸方向に近接して設けられた温度補償用コイルと、
    前記温度補償用コイルと前記クイルとの間にあって、前記クイルの変位が前記温度補償用コイルのインダクタンスに影響を与えないよう遮蔽する磁性体とを備えた請求項2又は3に記載のスピンドル装置。
  5. 前記変位センサ装置は、リング状の支持部に前記フレキシブルプリント基板を装着して成り、磁気シールドを成すカバーによって覆われている請求項1〜4のいずれか1項に記載のスピンドル装置。
  6. 前記フレキシブルプリント基板には、前記コイルと接続され、変位を検出するための回路を構成する電子部品が実装されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のスピンドル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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