JP2011135570A - 端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】どのようなエリアに存在しているかを特定する技術を提供する。
【解決手段】測定部120は、受信したパケット信号の品質を測定する。推定部122は、測定した品質が第1条件を満たすように改善した場合に、第2エリアから第1エリアへの進入を推定し、前記測定部において測定した品質が第2条件を満たすように悪化した場合に、第1エリアから第2エリアへの進入を推定する。推定部122は、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとに対して、異なった値を設定する。決定部124は、推定結果をもとに、第1期間あるいは第2期間を送信タイミングとして決定する。
【選択図】図6
【解決手段】測定部120は、受信したパケット信号の品質を測定する。推定部122は、測定した品質が第1条件を満たすように改善した場合に、第2エリアから第1エリアへの進入を推定し、前記測定部において測定した品質が第2条件を満たすように悪化した場合に、第1エリアから第2エリアへの進入を推定する。推定部122は、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとに対して、異なった値を設定する。決定部124は、推定結果をもとに、第1期間あるいは第2期間を送信タイミングとして決定する。
【選択図】図6
Description
本発明は、通信技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を送受信する端末装置に関する。
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。路車間通信では、路側機の設置が必要になり、手間と費用が大きくなる。これに対して、車車間通信、つまり車載器間で情報を通信する形態であれば、路側機の設置が不要になる。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあうことによって、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかを判断する(例えば、特許文献1参照)。
IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能が使用されている。そのため、当該無線LANでは、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。このようなCSMA/CAでは、端末装置間の距離や電波を減衰させる障害物の影響などによって、互いの無線信号が到達しない状況、つまりキャリア・センスが機能しない状況が発生する。キャリア・センスが機能しない場合、複数の端末装置から送信されたパケット信号が衝突する。
一方、無線LANを車車間通信に適用する場合、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要があるために、信号はブロードキャストにて送信されることが望ましい。しかしながら、交差点などでは、車両数の増加、つまり端末装置数の増加がトラヒックを増加させることによって、パケット信号の衝突の増加が想定される。その結果、パケット信号に含まれたデータが他の端末装置へ伝送されなくなる。このような状態が、車車間通信において発生すれば、交差点の出会い頭の衝突事故を防止するという目的が達成されなくなる。さらに、車車間通信に加えて路車間通信が実行されれば、通信形態が多様になる。その際、車車間通信と路車間通信との間における相互の影響の低減が要求される。
通信形態が多様になる場合であっても、衝突事故の軽減という点において、交差点の近くの車両に搭載された端末装置から送信されるパケット信号は、交差点から離れた車両に搭載された端末装置から送信されるパケット信号よりも重要であるといえる。そのため、端末装置数が増加する場合であっても、前者のパケット信号の衝突確率が後者のパケット信号の衝突確率よりも低くなることが望まれる。これを実現するために、例えば、前者のパケット信号を送信するための期間と、後者のパケット信号を送信するための期間とを時間多重し、前者の期間において、後者の期間よりもタイミングを厳密に制御することがなされる。その際、端末装置には、どちらの期間で信号を送信すべきであるかを正確に特定することが望まれる。これは、基地局装置の近くに存在するか、あるいは遠くに存在するかを正確に特定することである。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、どのようなエリアに存在しているかを特定する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の端末装置は、移動されうる端末装置であって、基地局装置の周囲に形成された第1エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第1期間と、第1エリアの外側に形成された第2エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第2期間とを時間多重したサブフレームが規定されるとともに、複数のサブフレームを時間多重したフレームが規定されており、基地局装置からのパケット信号を受信する受信部と、受信部において受信したパケット信号の品質を測定する測定部と、測定部において測定した品質が第1条件を満たすように改善した場合に、第2エリアから第1エリアへの進入を推定し、測定部において測定した品質が第2条件を満たすように悪化した場合に、第1エリアから第2エリアへの進入を推定する推定部と、推定部での推定結果をもとに、第1期間あるいは第2期間を送信タイミングとして決定する決定部と、決定部において決定した送信タイミングにてパケット信号を送信する送信部とを備える。推定部は、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとに対して、異なった値を設定する。
本発明の別の態様もまた、端末装置である。この装置は、移動されうる端末装置であって、基地局装置の周囲に形成されたエリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき期間を含んだサブフレームが規定されるとともに、複数のサブフレームを時間多重したフレームが規定されており、基地局装置からのパケット信号を受信する受信部と、受信部において受信したパケット信号の品質を測定する測定部と、測定部において測定した品質が第1条件を満たすように改善した場合に、エリアの外側からエリアへの進入を推定し、測定部において測定した品質が第2条件を満たすように悪化した場合に、エリアからエリアの外側への進入を推定する推定部と、推定部での推定結果をもとに、期間あるいはフレームの構成と無関係のタイミングを送信タイミングとして決定する決定部と、決定部において決定した送信タイミングにてパケット信号を送信する送信部とを備える。推定部は、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとに対して、異なった値を設定する。
本発明のさらに別の態様もまた、端末装置である。この装置は、移動されうる端末装置であって、基地局装置の周囲に形成された第1エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第1期間と、第1エリアの外側に形成された第2エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第2期間とを時間多重したサブフレームが規定されるとともに、複数のサブフレームを時間多重したフレームが規定されており、基地局装置からのパケット信号を受信する受信部と、受信部において受信したパケット信号の電力を測定する第1測定部と、第1測定部において測定した電力をもとに、第1エリアに存在しているか、あるいは第2エリアに存在しているかを推定する第1推定部と、受信部において受信したパケット信号の誤り率を測定する第2測定部と、第2測定部において測定した誤り率をもとに、第2エリアに存在しているか、あるいは第2エリアの外側に存在しているかを推定する第2推定部と、第2推定部での推定結果および第1推定部での推定結果のうちの少なくとも一方をもとに、第1期間、第2期間、フレームの構成と無関係のタイミングのいずれかを送信タイミングとして決定する決定部と、決定部において決定した送信タイミングにてパケット信号を送信する送信部とを備える。第1推定部は、第2エリアの外側に存在している場合に推定を停止し、第2推定部は、第1エリアに存在している場合に推定を停止する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、どのようなエリアに存在しているかを特定できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。車車間通信として、端末装置は、車両の速度や位置等の情報(以下、これらを「データ」という)を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、データをもとに車両の接近等を認識する。また、路車間通信として、基地局装置は、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し規定する。基地局装置は、複数のサブフレームのいずれかを選択し、選択したサブフレームの先頭部分の期間において、制御情報等が格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。
制御情報には、当該基地局装置がパケット信号をブローキャスト送信するための期間(以下、「路車送信期間」という)に関する情報が含まれている。端末装置は、制御情報をもとに路車送信期間を特定し、路車送信期間以外の期間においてパケット信号を送信する。このように、路車間通信と車車間通信とが時間分割多重されるので、両者間のパケット信号の衝突確率が低減される。つまり、端末装置が制御情報の内容を認識することによって、路車間通信と車車間通信との干渉が低減される。また、車車間通信を実行している端末装置が存在するエリアは、主として3種類に分類される。
ひとつは、基地局装置の周囲に形成されるエリア(以下、「第1エリア」という)であり、もうひとつは、第1エリアの外側に形成されるエリア(以下、「第2エリア」という)であり、さらに別のひとつは、第2エリアの外側に形成されるエリア(以下、「第2エリア外」という)である。ここで、第1エリアと第2エリアでは、基地局装置からのパケット信号をある程度の品質で端末装置が受信可能であるのに対して、第2エリア外では、基地局装置からのパケット信号をある程度の品質で端末装置が受信できない。また、第1エリアは、第2エリアよりも、交差点の中心に近くなるように形成されている。第1エリアに存在する車両は、交差点の近くに存在している車両であるので、当該車両に搭載された端末装置からのパケット信号は、衝突事故の抑制の点から重要な情報といえる。
これに対応するために、車車間通信のための期間(以下、「車車送信期間」という)は、優先期間、一般期間の時間分割多重によって形成されている。優先期間は、第1エリアに存在する端末装置が使用するための期間であり、優先期間を形成している複数のスロットのうちのいずれかにおいて、端末装置はパケット信号を送信する。また、一般期間は、第2エリアに存在する端末装置が使用するための期間であり、端末装置は、一般期間においてCSMA方式にてパケット信号を送信する。なお、第2エリア外に存在する端末装置は、フレームの構成に関係なくCSMA方式にてパケット信号を送信する。そのため、車両に搭載された端末装置にとっては、どのエリアに存在するかの判定が重要になる。本実施例に係る端末装置は、次の処理を実行する。
端末装置は、基地局装置からのパケット信号に対して、誤り率と受信電力とを測定する。端末装置は、誤り率をもとに、第2エリアに存在するか、あるいは第2エリア外に存在するかを推定する。また、端末装置は、受信電力をもとに、第1エリアに存在するか、あるいは第2エリアに存在するかを推定する。ここで、処理量を削減するために、端末装置は、第2エリア外に存在すると推定される場合に、受信電力による推定処理を停止し、第1エリアに存在すると推定される場合に、誤り率による推定処理を停止する。一方、エリアの境界付近に存在する場合に、エリアの推定結果が頻繁に切りかわる可能性がある。このような動作は、通信システムの安定性の低下を招くおそれがある。
そのために、第2エリア外から第2エリアに遷移する場合と、第2エリアから第2エリア外に遷移する場合とにおいて、ヒステリシスが設けられる。例えば、前者では、誤り率が3フレーム連続してしきい値以下となることを条件とし、後者では、誤り率が5フレーム連続してしきい値より高くなることを条件とする。つまり、ヒステリシスを実現するために、回数の異なるような設定がなされる。このような処理は、第1エリアと第2エリアとの間の遷移に関しても同様である。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク202を含む。なお、各車両12には、図示しない端末装置が搭載されている。また、第1エリア210は、基地局装置10の周囲に形成され、第2エリア212は、第1エリア210の外側に形成され、第2エリア外214は、第2エリア212の外側に形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100は、交差点に基地局装置10を配置する。基地局装置10は、図示しないGPS衛星から受信した信号や、図示しない他の基地局装置10にて形成されたフレームをもとに、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し生成する。ここで、各サブフレームの先頭部分に路車送信期間が設定可能であるような規定がなされている。基地局装置10は、複数のサブフレームのうち、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレームを選択する。基地局装置10は、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。基地局装置10は、路車送信期間に関する情報等が含まれた制御情報をパケット信号に格納する。また、基地局装置10は、所定のデータもパケット信号に格納する。基地局装置10は、設定した路車送信期間においてパケット信号を報知する。
ここで、端末装置が、基地局装置10からのパケット信号を受信したときの受信状況に応じて、通信システム100の周囲に第1エリア210および第2エリア212が形成される。図示のごとく、基地局装置10の近くに、受信状況が比較的よい領域として、第1エリア210が形成される。第1エリア210は、交差点の中心部分の近くに形成されるともいえる。一方、第1エリア210の外側に、受信状況が第1エリア210よりも悪化している領域として、第2エリア212が形成される。さらに、第2エリア212の外側に、受信状況が第2エリア212よりもさらに悪化している領域として、第2エリア外214が形成されている。なお、受信状況として、パケット信号の誤り率、受信電力が使用される。
複数の端末装置は、基地局装置10によって報知されたパケット信号を受信し、受信したパケット信号の受信状況をもとに、第1エリア210、第2エリア212、第2エリア外214のいずれに存在するかを推定する。第1エリア210あるいは第2エリア212に存在すると推定した場合、端末装置は、受信したパケット信号に含まれた制御情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置のそれぞれにおいて生成されるフレームは、基地局装置10において生成されるフレームに同期する。また、端末装置は、各基地局装置10によって設定されている路車送信期間を認識し、パケット信号の送信のために、車車送信期間を特定する。具体的には、第1エリア210に存在する場合には、優先期間が特定され、第2エリア212に存在する場合には、一般期間が特定される。さらに、端末装置は、優先期間においてTDMAを実行し、一般期間においてCSMA/CAを実行することによって、パケット信号を送信する。
なお、端末装置は、次のフレームにおいても、相対的なタイミングが同一のサブフレームを選択する。特に、優先期間において、端末装置は、次のフレームにおいて、相対的なタイミングが同一のスロットを選択する。ここで、端末装置は、データを取得し、データをパケット信号に格納する。データには、例えば、存在位置に関する情報が含まれる。また、端末装置は、制御情報もパケット信号に格納する。つまり、基地局装置10から送信された制御情報は、端末装置によって転送される。一方、第2エリア外214に存在していると推定した場合、端末装置は、フレームの構成に関係なく、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号を送信する。
図2は、基地局装置10の構成を示す。基地局装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、制御部30、ネットワーク通信部80を含む。
RF部22は、受信処理として、図示しない端末装置や他の基地局装置10からのパケット信号をアンテナ20にて受信する。RF部22は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を変復調部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
RF部22は、送信処理として、変復調部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、変復調部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
処理部26は、RF部22、変復調部24を介して、図示しない他の基地局装置10からの復調結果を受けつける。処理部26は、復調結果をもとに、複数のサブフレームにて形成されたフレームを繰り返し生成する。図3(a)−(e)は、通信システム100において規定されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。フレームは、第1サブフレームから第Nサブフレームと示されるN個のサブフレームによって形成されている。例えば、フレームの長さが100msecであり、Nが10である場合、10msecの長さのサブフレームが規定される。
図3(b)は、第1基地局装置10aによって生成されるフレームの構成を示す。第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第1基地局装置10aは、第2サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。車車送信期間とは、端末装置がパケット信号を送信可能な期間である。つまり、所定のサブフレームの先頭期間である路車送信期間において第1基地局装置10aがパケット信号を送信可能であり、かつフレームのうち、路車送信期間以外の車車送信期間において端末装置がパケット信号を送信可能であるような規定がなされる。
図3(c)は、路車送信期間において、第1基地局装置10aから送信されるパケット信号を示す。複数のパケット信号は、SIFSの間隔をあけて、連続的に送信される。ここで、通信システム100は、OFDM変調方式を採用しているので、各パケット信号は、複数のOFDMシンボルから構成される。また、OFDMシンボルは、ガードインターバル(GI)と有効シンボルとによって構成される。
図3(d)は、第2基地局装置10bによって生成されるフレームの構成を示す。第2基地局装置10bは、第2サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第2基地局装置10bは、第1サブフレーム、第3サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。図3(e)は、第3基地局装置10cによって生成されるフレームの構成を示す。第3基地局装置10cは、第3サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第3基地局装置10cは、第1サブフレーム、第2サブフレーム、第4サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。このように、複数の基地局装置10は、互いに異なったサブフレームを選択し、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。
図4は、サブフレームの構成を示す。図示のごとく、ひとつのサブフレームは、路車送信期間、優先期間、一般期間の順に構成される。優先期間および一般期間が図3(b)等の車車送信期間に相当する。なお、サブフレームに路車送信期間が含まれない場合、サブフレームは、優先期間、一般期間の順に構成される。優先期間では、複数のタイムスロットが時間分割多重されている。図2に戻る。
処理部26は、復調結果から制御情報を検出する。処理部26は、制御情報の受信タイミングを特定する。制御情報の受信タイミングは、制御情報が含まれたパケット信号の受信タイミングであるので、路車送信期間が配置されたサブフレームの先頭タイミングに相当する。また、処理部26は、制御情報に含まれたサブフレーム番号を取得する。さらに、サブフレームの先頭タイミングと、サブフレーム番号をもとにフレームを生成する。なお、処理部26は、複数の基地局装置10からのパケット信号を受信している場合、受信電力が最大となるパケット信号を選択し、選択したパケット信号に対して上記の処理を実行する。このように、処理部26は、他の基地局装置10において生成されたフレームに同期したフレームを生成する。
処理部26は、他の基地局装置10からのパケット信号を受信できない場合、次の処理を実行してもよい。処理部26は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。処理部26は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、処理部26は、「0msec」となるタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。
処理部26は、RF部22、変復調部24を介して、図示しない他の基地局装置10あるいは端末装置からの復調結果を入力する。ここでは、復調結果として、パケット信号に格納されるMACフレームの構成を説明する。なお、処理部26に入力されるMACフレームと、処理部26から出力されるMACフレームとは、同様の構成を有する。図5(a)−(b)は、通信システム100において規定されるパケット信号に格納されるMACフレームのフォーマットを示す。図5(a)は、MACフレームのフォーマットを示す。MACフレームは、先頭から順に、「MACヘッダ」、「RSUコントロールヘッダ」、「アプリケーションデータ」、「CRC」を配置する。RSUコントロールヘッダが、前述の制御情報に相当する。アプリケーションデータには、事故情報等の端末装置へ通知すべきデータが格納される。
図5(b)は、RSUコントロールヘッダのフォーマットを示す。RSUコントロールヘッダは、先頭から順に、「基本情報」、「タイマ値」、「転送回数」、「サブフレーム数」、「フレーム周期」、「使用サブフレーム番号」、「開始タイミング&時間長」を配置する。なお、RSUコントロールヘッダの構成は、図5(b)に限定されず、一部の要素が除外されてもよく、別の要素が含まれてもよい。転送回数は、基地局装置10から送信された制御情報、特にRSUコントロールヘッダの内容が、図示しない端末装置によって転送された回数を示す。ここで、処理部26から出力されるMACフレームに対して、基地局装置10とは、本基地局装置10に相当し、処理部26へ入力されるMACフレームに対して、基地局装置10とは、他の基地局装置10に相当する。これは、以下の説明においても共通である。
処理部26から出力されるMACフレームに対して、後述の生成部36は、転送回数を「0」に設定する。また、処理部26へ入力されるMACフレームに対して、転送回数は、「1」以上に設定されている。サブフレーム数は、ひとつのフレームを形成しているサブフレーム数を示す。フレーム周期は、フレームの周期を示し、前述のごとく、例えば「100msec」に設定される。使用サブフレーム番号は、基地局装置10が車車送信期間を設定しているサブフレームの番号である。図3(a)のごとく、フレームの先頭においてサブフレーム番号が「1」に設定される。開始タイミング&時間長では、サブフレームの先頭とした路車送信期間の開始タイミングと、路車送信期間の時間長が示される。図2に戻る。
処理部26は、MACフレームのうち、転送回数が「0」に設定されたMACフレームを抽出する。これは、他の基地局装置10から直接送信されたパケット信号に相当する。処理部26は、抽出したMACフレームのうち、使用サブフレーム番号の値を特定する。これは、他の基地局装置10に使用されたサブフレームを特定することに相当する。処理部26は、RF部22において受信したパケット信号の受信電力をパケット信号単位に測定する。また、処理部26は、既に特定したサブフレームの先頭に配置されたパケット信号の受信電力を抽出する。これは、他の基地局装置10からのパケット信号の受信電力を抽出することに相当する。
処理部26は、処理部26に入力されたMACフレームのうち、転送回数が「1」以上に設定されたMACフレームを抽出する。これは、他の基地局装置10から送信された後に端末装置によって転送されたパケット信号に相当する。処理部26は、抽出したMACフレームのうち、使用サブフレーム番号の値を特定する。これは、他の基地局装置10に使用されたサブフレームを特定することに相当する。なお、端末装置は、他の基地局装置10からのパケット信号を端末装置が受信したときのサブフレーム番号を転送している。
処理部26は、パケット信号の受信電力を測定する。また、処理部26は、測定した受信信号が、当該パケット信号にて制御情報を転送された他の基地局装置10からのパケット信号の受信電力であると推定する。処理部26は、路車送信期間を設定すべきサブフレームを特定する。具体的には、処理部26は、「未使用」のサブフレームが存在するかを確認する。存在する場合、処理部26は、「未使用」のサブフレームのうちのいずれかを選択する。ここで、複数のサブフレームが未使用である場合、処理部26は、ランダムにひとつのサブフレームを選択する。未使用のサブフレームが存在しない場合、つまり複数のサブフレームのそれぞれが使用されている場合に、処理部26は、受信電力の小さいサブフレームを優先的に特定する。処理部26は、特定したサブフレーム番号を生成部36へ出力する。
生成部36は、処理部26から、特定されたサブフレーム番号を受けつける。また、生成部36は、受けつけたサブフレーム番号のサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。生成部36は、パケット信号に格納すべきMACフレームを生成する。その際、路車送信期間の設定に応じて、生成部36は、MACフレームのRSUコントロールヘッダの値を決定する。生成部36は、ネットワーク通信部80を介して所定の情報を取得し、所定の情報をアプリケーションデータに含める。ここで、ネットワーク通信部80は、図示しないネットワーク202に接続される。生成部36は、変復調部24、RF部22に対して、路車送信期間においてパケット信号を送信させる。制御部30は、基地局装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図6は、車両12に搭載された端末装置14の構成を示す。つまり、端末装置14は、移動されうる。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58を含む。また、処理部56は、エリア特定部130、タイミング特定部60、取得部62、生成部64、通知部70、選択部90、指示部92を含む。エリア特定部130は、測定部120と総称される第1測定部120a、第2測定部120b、推定部122と総称される第1推定部122a、第2推定部122b、決定部124を含み、タイミング特定部60は、制御情報抽出部66、実行部74を含み、選択部90は、転送回数取得部110、抽出回数計測部112、管理部114、記憶部116、比較部118を含む。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ20、RF部22、変復調部24と同様の処理を実行する。そのため、ここでは、これらの説明を省略する。
変復調部54、処理部56は、基地局装置10からのパケット信号を受信する。なお、前述のごとく、優先期間と一般期間とを時間多重したサブフレームが規定されている。優先期間とは、基地局装置10の周囲に形成された第1エリア210に存在する端末装置14がパケット信号の送信に使用すべき期間である。一般期間とは、第1エリア210の外側に形成された第2エリアに存在する端末装置14がパケット信号の送信に使用すべき期間である。また、複数のサブフレームを時間多重したフレームが規定されている。
第1測定部120aは、受信したパケット信号の受信電力を測定する。受信電力の測定方法には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。なお、第1測定部120aは、受信電力のかわりに、SNR、SIR等を測定してもよい。第1測定部120aは、測定した受信電力を第1推定部122aへ出力する。第2測定部120bは、受信したパケット信号の誤り率を測定する。誤り率として、例えば、BER(Bit Error Rate)、PER(Packet Error Rate)等が測定される。第2測定部120bは、測定した誤り率を第2推定部122bへ出力する。このように、測定部120は、受信したパケット信号の品質を測定する。
第1推定部122aは、第1測定部120aにおいて測定した受信電力をもとに、第1エリア210に存在しているか、あるいは第2エリア212に存在しているかを推定する。第2推定部122bは、第2測定部120bにおいて測定した誤り率をもとに、第2エリア212に存在しているか、あるいは第2エリア外214に存在しているかを推定する。その結果、第1推定部122aと第2推定部122bは、互いに連携して、第1エリア210、第2エリア212、第2エリア外214のいずれに存在するかを推定する。推定についての具体的な処理は後述する。なお、誤り率の代わりに、誤り数が使用されてもよい。第1推定部122a、第2推定部122bは、推定結果を決定部124へ出力する。
決定部124は、第2推定部122bでの推定結果および第1推定部122aでの推定結果のうちの少なくとも一方をもとに、優先期間、一般期間、フレームの構成と無関係のタイミングのいずれかを送信期間として決定する。具体的に説明すると、決定部124は、第2推定部122bが、第2エリア外214に存在していることを推定すると、決定部124は、フレームの構成と無関係のタイミングを選択する。第1推定部122a、第2推定部122bが、第2エリア212に存在していることを推定すると、決定部124は、一般期間を選択する。第1RF部22aが、第1エリア210に存在していることを推定すると、決定部124は、優先期間を選択する。変復調部24は、選択結果を実行部74へ出力する。
ここでは、第1推定部122aおよび第2推定部122bにおけるエリアの推定処理を説明する。まず、第2エリア外214と第2エリア212との間の推定処理を説明する。第2推定部122bは、誤り率がしきい値よりも高い状態から、誤り率がしきい値以下の状態へ遷移した場合に、第2エリア外214から第2エリア212に進入したことを推定する。ここで、誤り率がしきい値よりも高い状態が、第2エリア外214に存在することに相当し、誤り率がしきい値以下の状態が、第2エリア212に存在することに相当する。第2エリア外214に存在している場合、第1推定部122aは、推定を停止する。一方、第2推定部122bが第2エリア212への進入を推定した場合に、第1推定部122aは推定を開始する。
第1推定部122aおよび第2推定部122bが第2エリアに存在することを推定している場合、第2推定部122bは、誤り率がしきい値以下の状態から、誤り率がしきい値よりも高い状態へ遷移すれば、第2エリア212から第2エリア外214に脱出したことを推定する。ここで、第2推定部122bが第2エリア212に存在することを推定している場合とは、前述の状態であり、第1推定部122aが第2エリア212に存在することを推定している場合とは後述する。第2推定部122bが第2エリア外214への脱出を推定した場合に、第1推定部122aは推定を停止する。
ここで、第2推定部122bは、誤り率がしきい値よりも高い状態から、誤り率がしきい値以下の状態へ遷移しても直ちに、第2エリア212への進入を推定しない。誤り率がしきい値以下になる状態が複数フレーム連続した場合に、第2推定部122bは第2エリア212への進入を推定する。例えば、必要とされるフレームの数は、「3」のように設定される。ここでは、基地局装置10に近いエリアへ移動するための条件を「第1条件」といい、第2エリア外214から第2エリア212へ移動するための第1条件は、「誤り率がしきい値よりも高い状態から、3フレーム連続して、誤り率がしきい値以下になること」である。
これとは逆に、基地局装置10から遠いエリアへ移動するための条件を「第2条件」という。例えば、第2エリア212から第2エリア外214へ移動するための第2条件は、「誤り率がしきい値以下の状態から、5フレーム連続して誤り率がしきい値より高くなること」である。このように、第2推定部122bは、測定した誤り率が第1条件を満たすように改善した場合に、第2エリア外214から第2エリア212への進入を推定し、測定した誤り率が第2条件を満たすように悪化した場合に、第2エリア212から第2エリア外214への進入を推定する。
また、第2エリア外214から第2エリア212への進入よりも、第2エリア212から第2エリア外214への進入の方が困難になるように、第1条件に含まれたフレーム数と第2条件に含まれたフレーム数とが設定される。つまり、ヒステリシスが設けられる。これは、第2エリア212の端近傍において、第2エリア外214に存在すると推定される可能性よりも、第2エリア212に存在すると推定される可能性を高くするためである。図7は、推定部122に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。状態欄220、条件欄222が含まれる。上段が第1条件に相当し、下段が第2条件に相当する。図6に戻る。
次に、第2エリア212と第1エリア210との間の推定処理を説明する。第1推定部122aおよび第2推定部122bが第2エリア212に存在することを推定している場合に、第1推定部122aは、受信電力がしきい値よりも低い状態から、受信電力がしきい値以上の状態へ遷移すれば、第2エリア212から第1エリア210に進入したことを推定する。ここで、受信電力がしきい値よりも低い状態が、第2エリア212に存在することに相当し、受信電力がしきい値以上の状態が、第1エリア210に存在することに相当する。第1推定部122aが第1エリア210への進入を推定した場合、第2推定部122bは推定を停止する。
第1推定部122aは、受信電力がしきい値以上の状態から、受信電力がしきい値よりも低い状態へ遷移した場合に、第1エリア210から第2エリア212に進入したことを推定する。第2推定部122bは、第1エリア210に存在している場合に推定を停止する。第2推定部122bは、第1推定部122aが第2エリア212への進入を推定した場合に、推定を開始する。
第2推定部122bと同様に、第1推定部122aも、第1エリア210と第2エリア212との間の移動に対して、第1条件と第2条件とを設定する。第2推定部122bは、第1推定部122aと同様に、第1条件に含まれたフレーム数と第2条件に含まれたフレーム数とに対して、異なった値を設定する。さらに、第2推定部122bは、取得部62を介して、端末装置14が搭載された車両12の移動速度を取得する。移動速度に応じて、第1条件および第2条件に含まれたフレーム数に対して、異なった値を設定する。具体的には、第2エリア212から第1エリア210へ移動するための第1条件は、0km/h〜30km/hの場合に「受信電力がしきい値よりも低い状態から、10フレーム連続して、受信電力がしきい値以上になること」である。また、第1条件におけるフレーム数は、30km/h〜60km/h、60km/h〜80km/h、80km/h〜のそれぞれに対して「8」、「6」、「4」に設定される。
第1エリア210から第2エリア212へ移動するための第2条件についても、第1条件と同様の設定がなされており、例えば、0km/h〜30km/hの場合に「受信電力がしきい値以上の状態から、8フレーム連続して、受信電力がしきい値よりも低くなること」である。また、第2条件におけるフレーム数は、30km/h〜60km/h、60km/h〜80km/h、80km/h〜のそれぞれに対して「6」、「4」、「2」に設定される。このように、第1推定部122aは、測定した受信電力が第1条件を満たすように改善した場合に、第2エリア212から第1エリア210への進入を推定し、測定した受信電力が第2条件を満たすように悪化した場合に、第1エリア210から第2エリア212への進入を推定する。
また、第1エリア210から第2エリア212への進入よりも、第2エリア212から第1エリア210への進入の方が困難になるように、第2条件に含まれたフレーム数と第2条件に含まれたフレーム数とが設定される。つまり、ヒステリシスが設けられる。これは、第1エリア210の端近傍において、第1エリア210に存在すると推定される可能性よりも、第2エリア212に存在すると推定される可能性を高くするためである。前述のごとく、第1エリア210に存在する端末装置14は、優先期間を使用する。優先期間は、複数のスロットにて形成されるので、優先期間を使用可能な端末装置14の数は、スロット数に限定される。一方、第2エリア212に存在する端末装置14は、一般期間を使用する。一般期間は、複数のスロットにて形成されていないので、優先期間よりも、端末装置14の数について柔軟性が高い。そのため、フレームの構成にしたがった送信を実行させる端末装置14の数を増加させるために、上記のようなヒステリシスが設定される。
さらに、第1推定部122aは、移動速度が遅くなるほど、第1エリア210から車両12への進入と、第2エリア212から第1エリア210への進入とが困難になるように、第1条件に含まれたフレーム数と第2条件に含まれたフレーム数とを設定する。第1エリア210と第2エリア212との境界付近を走行している場合、受信電力の変動によって、第1エリア210と第2エリア212とが切りかえながら選択されうる。また、切替は、移動速度が遅いほど、多発する。通信システム100の安定性を考慮すると、切替が頻繁になされない方がよい。これらより、上記のようなヒステリシスが設定される。図8は、推定部122に記憶された別のテーブルのデータ構造を示す。状態欄230、条件(0km/h〜30km/h)欄232、条件(30km/h〜60km/h)欄234、条件(60km/h〜80km/h)欄236、条件(80km/h〜)欄238が含まれる。上段が第1条件に相当し、下段が第2条件に相当する。図6に戻る。
取得部62は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。取得部62は、取得した情報を生成部64へ出力する。
制御情報抽出部66は、RF部52からのパケット信号あるいは変復調部54からの復調結果を受けつける。また、制御情報抽出部66は、復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、制御情報抽出部66は、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。また、制御情報抽出部66は、サブフレームのタイミングと、RSUコントロールヘッダの内容とをもとに、フレームを生成する。なお、フレームの生成は、前述の処理部26と同様になされればよいので、ここでは説明を省略する。その結果、制御情報抽出部66は、基地局装置10において形成されたフレームに同期したフレームを生成する。また、制御情報抽出部66は、RSUコントロールヘッダの内容をもとに、路車送信期間を特定する。
さらに、制御情報抽出部66は、複数のサブフレームのうちのいずれかを選択し、選択したサブフレームのうち、路車送信期間以外の期間を車車送信期間として特定する。具体的には、車車送信期間の一部が優先期間として特定され、車車送信期間の残りが一般期間として特定される。例えば、優先期間の長さが予め定められており、車車送信期間から優先期間を減じることによって、一般期間の長さが導出される。制御情報抽出部66は、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を実行部74へ出力する。
実行部74は、決定部124から、送信期間に関する情報を受けつける。実行部74は、送信期間に関する情報をもとに、優先期間、一般期間、フレームの構成と無関係のタイミングのいずれかを選択する。また、実行部74は、制御情報抽出部66から、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を入力する。これらをもとに、実行部74は、フレームおよびサブフレームのタイミング、優先期間、一般期間を認識する。実行部74は、優先期間を選択した場合、優先期間に含まれたスロットのうちのいずれかを選択する。例えば、受信電力の最も低いスロットが選択される。実行部74は、選択したスロットを送信タイミングとして決定する。
実行部74は、一般期間を選択した場合、一般期間においてCSMAを実行する。具体的に説明すると、実行部74は、キャリアセンスを実行することによって、干渉電力を測定する。また、実行部74は、干渉電力をもとに、送信タイミングを決定する。具体的に説明すると、実行部74は、所定のしきい値を予め記憶しており、干渉電力としきい値とを比較する。干渉電力がしきい値よりも小さければ、実行部74は、送信タイミングを決定する。実行部74は、フレームの構成と無関係のタイミングを選択した場合、フレームの構成を考慮せずに、CSMAを実行することによって、送信タイミングを決定する。実行部74は、決定した送信タイミングを生成部64へ通知する。
生成部64は、取得部62において取得された情報を含めるようにデータを生成する。その際、図5(a)−(b)に示されたMACフレームが使用され、生成部64は、測位した存在位置をアプリケーションデータに格納する。生成部64は、実行部74において決定した送信タイミングにて、変復調部54、RF部52、アンテナ50を介して、データが含まれたパケット信号をブロードキャスト送信する。通知部70は、路車送信期間において、図示しない基地局装置10からのパケット信号を取得するとともに、車車送信期間において、図示しない他の端末装置14からのパケット信号を取得する。通知部70は、パケット信号に格納されたデータの内容に応じて、図示しない他の車両12の接近等を運転者へモニタやスピーカを介して通知する。
以下では、端末装置14によるRSUコントロールヘッダの転送を説明する。制御情報抽出部66は、基地局装置10が情報源とされるパケット信号から、RSUコントロールヘッダを抽出する。前述のごとく、パケット信号が基地局装置10から直接送信されている場合には、転送回数が「0」に設定されているが、パケット信号が他の端末装置14から送信されている場合には、転送回数が「1以上」の値に設定されている。ここで、使用サブフレーム番号は、端末装置14によって転送される場合に変更されないので、使用サブフレーム番号を参照することによって、情報源となる基地局装置10にて使用されるサブフレームが特定される。
転送回数取得部110は、情報源となる基地局装置10ごとに、転送回数に関する情報を取得する。具体的に説明すると、転送回数取得部110は、サブフレーム番号「1」に対応した転送回数を順次取得し、その後、他のサブフレーム番号に対応した転送回数に対しても同様の処理を実行する。さらに、転送回数取得部110は、情報源となる基地局装置10ごとに、当該基地局装置10に関連した転送回数に関する情報の中から、少ない方の転送回数、例えば最小の転送回数の値を取得する。つまり、転送回数取得部110は、サブフレーム番号「1」に対応した転送回数の最小値、サブフレーム番号「2」に対応した転送回数の最小値等をそれぞれ取得する。
抽出回数計測部112は、情報源となる基地局装置10ごとに、RSUコントロールヘッダ、つまり制御情報の抽出回数を計測する。また、抽出回数計測部112は、情報源となる基地局装置10ごとに、転送回数取得部110において取得した転送回数の値が含まれた制御情報の抽出回数を選択する。具体的に説明すると、抽出回数計測部112は、ひとつのサブフレーム番号に対して、転送回数ごとに制御情報の抽出回数を計測する。その結果、例えば、サブフレーム番号「1」に対して、転送回数「0」回の制御情報の抽出回数が「0」回になり、転送回数「1」回の制御情報の抽出回数が「4」回になり、転送回数「2」回の制御情報の抽出回数が「6」回になる。また、転送回数取得部110において取得した転送回数が「1」回であれば、抽出回数計測部112は、この転送回数が含まれた制御情報の抽出回数「4」を選択する。抽出回数計測部112は、情報源となる基地局装置10ごとに、選択した抽出回数を管理部114へ出力する。
管理部114は、転送回数取得部110からの転送回数と、抽出回数計測部112からの抽出回数とを受けつける。管理部114は、サブフレーム番号、転送回数、抽出回数を対応づけて記憶部116に記憶させる。また、管理部114は、転送回数や抽出回数が更新された場合に、記憶部116での記憶内容を更新させる。記憶部116は、管理部114からの指示にしたがって、サブフレーム番号、転送回数、抽出回数対応づけて記憶する。図9(a)−(c)は、記憶部116に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。これらは、別の端末装置14における記憶部116に記憶されたテーブルのデータ構造に相当しており、例えば、第1車両12aから第3車両12cのそれぞれに搭載された端末装置14での記憶部116に記憶されている。
各テーブルは、サブフレーム番号欄1210、転送回数欄1212、抽出回数欄1214を含む。サブフレーム番号欄1210には、図5(b)の使用サブフレーム番号に示された値が入力される。転送回数欄1212には、転送回数取得部110において取得した転送回数が入力され、抽出回数欄1214には、抽出回数計測部112において取得した抽出回数が入力される。図9(a)において、サブフレーム番号「1」に対応した基地局装置10を情報源とする制御情報が、転送回数「1」を最小の転送回数として「4」回抽出されている。一方、図9(a)において、サブフレーム番号「2」に対応した基地局装置10を情報源とする制御情報が、転送回数「0」を最小の転送回数として「15」回抽出されている。図6に戻る。
比較部118は、記憶部116にアクセスすることによって、各基地局装置10に対する転送回数と抽出回数を取得する。比較部118は、これらの転送回数と抽出回数をもとに、少なくともひとつの基地局装置10に対応した制御情報を、転送すべき制御情報として選択する。具体的に説明すると、比較部118は、複数の基地局装置10に対して転送回数を比較した後に、抽出回数を比較する。つまり、転送回数が少ない方の制御情報、例えば、最小の転送回数を有した制御情報を選択した後に、選択した制御情報の中から、抽出回数が多い方の制御情報、最大の抽出回数を有した制御情報が選択される。図9(b)の場合、最小の転送回数は、サブフレーム番号「2」と「3」に対応した「0」であるので、比較部118は、第1段階としてサブフレーム番号「2」と「3」の制御情報を選択する。これにつづいて、サブフレーム番号「2」の抽出回数は「9」であり、サブフレーム番号「3」の抽出回数は「20」であり、後者の抽出回数の方が大きいので、比較部118は、第2段階としてサブフレーム番号「3」の制御情報を選択する。
このように、最小の転送回数を有した制御情報であって、かつ当該転送回数に対応した最大の抽出回数を有した制御情報が、比較部118によって選択される。転送回数が少ないほど、情報源となる基地局装置10の近くにおいて、制御情報が受信されているといえる。また、抽出回数が多いほど、無線環境の変動が少ない状況において、制御情報が受信されているといえる。そのため、前述の状況を満たすような制御情報を選択することによって、端末装置14は、なるべく近くに設置された基地局装置10からの制御情報を選択しているといえる。
指示部92は、比較部118において選択した制御情報をもとにRSUコントロールヘッダを生成するように、生成部36に指示する。指示部92は、制御情報をRSUコントロールヘッダに格納させる際に、転送回数に関する情報における転送回数を増加させる。生成部64は、このような指示に応じて、比較部118において選択された制御情報をもとにRSUコントロールヘッダを生成するとともに、その際に転送回数を増加させる。なお、指示部92は、転送回数を増加させた旨を管理部114に通知し、管理部114は、対応した制御情報の転送回数を増加するように記憶部116を制御する。制御部58は、端末装置14全体の動作を制御する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図10は、推定部122による推定処理の概要を示す。最上段には、左から順に、第1エリア210、第2エリア212、第2エリア外214が示されている。次の段は、第2エリア外214から第2エリア212への移動が誤り率をもとに推定されることを示す。その次の段は、第2エリア212から第2エリア外214への移動が誤り率をもとに推定され、第2エリア212から第1エリア210への移動が受信電力をもとに推定されることを示す。つまり、第2エリア212に存在している場合には、誤り率と受信電力とがともに監視されている。その次の段は、第1エリア210から第2エリア212への移動が受信電力をもとに推定されることを示す。
図11は、端末装置14におけるエリアの推定手順を示すフローチャートである。第2エリア外214に存在する場合(S10のY)、第2測定部120bは、誤り率を測定する(S12)。第2エリア212への移行条件を満たしている場合(S14のY)、第2推定部122bは、第2エリア212への移行を推定する(S16)。第2エリア212への移行条件を満たしていない場合(S14のN)、ステップ16は、スキップされる。第2エリア外214に存在せず(S10のN)、第2エリア212に存在する場合(S18のY)第2測定部120bは、誤り率を測定し、第1測定部120aは、受信電力を測定する(S20)。第1エリア210への移行条件を満たしている場合(S22のY)、第1推定部122aは、第1エリア210への移行を推定する(S24)。
第1エリア210への移行条件を満たさず(S22のN)、第2エリア外214への移行条件を満たしている場合(S26のY)、第2推定部122bは、第2エリア外214への移行を推定する(S28)。第2エリア外214への移行条件を満たしていない場合(S26のN)、ステップ28は、スキップされる。第2エリア212に存在しない場合(S18のN)第1測定部120aは、受信電力を測定する(S30)。第2エリア212への移行条件を満たしている場合(S32のY)、第1推定部122aは、第2エリア212への移行を推定する(S34)。第2エリア212への移行条件を満たしていない場合(S32のN)、ステップ34はスキップされる。処理が続行される場合(S36のY)、ステップ10に戻る。処理が続行されない場合(S36のN)、処理は終了される。
次に変形例を説明する。変形例は、実施例と同様の通信システムに関する。実施例では、基地局装置の周囲に第1エリアと第2エリアとが形成されている。一方、変形例では、基地局装置の周囲に1種類のエリアのみが形成されている。ここでは、1種類のエリアが第2エリアであるとする。なお、1種類のエリアが第1エリアであってもよい。変形例に係る端末装置は、第1エリアが形成されていないことに関する情報(以下、「エリア情報」という)を受けつけると、第1推定部における受信電力にもとづく推定処理を停止させる。その結果、端末装置は、誤り率をもとに、第2エリアと第2エリア外との間の移行のみを推定する。変形例に係る通信システム100は、図1と同様のタイプであり、基地局装置10は、図2と同様のタイプであり、端末装置14は、図6と同様のタイプである。
図2の基地局装置10は、図1の通信システム100において、第1エリア210を形成せずに第2エリア212のみを形成する。また、基地局装置10は、図4に示されたサブフレームの代わりに、図12に示されたサブフレームを規定する。図12は、本発明の変形例に係るサブフレームの構成を示す。図示のごとく、ひとつのサブフレームは、路車送信期間、一般期間の順に構成され、優先期間は含まれない。また、変形例に係るMACフレームは、図5(a)のように構成されるが、RSUコントロールヘッダには、図5(b)に示された構成に加えてエリア情報も含まれる。
一方、図6に示された端末装置14の制御情報抽出部66は、RSUコントロールヘッダに含まれたエリア情報を抽出する。エリア情報によって、第1エリア210が形成されていないことが示されている場合、制御情報抽出部66は、その旨をエリア特定部130へ出力する。これは、制御情報抽出部66によって、基地局装置10の周囲に第2エリア212のみが形成されていることに関する情報が受けつけられることに相当する。第1推定部122aは、第1エリア210が形成されていないことを通知された場合に、推定を停止する。これは、第2推定部122bにおける誤り率にもとづく推定処理のみが実行されることに相当する。
図13は、本発明の変形例に係るエリアの推定手順を示すフローチャートである。基地局装置10の周囲に第1エリア210がある場合(S50のY)、エリア特定部130は、第1エリア210と第2エリア212との間の移行も推定する(S52)。つまり、図11に示されたフローチャートにしたがった処理が実行される。一方、基地局装置10の周囲に第1エリア210がない場合(S50のN)、エリア特定部130は、第2エリア212と第2エリア外214との間の移行のみを推定する(S54)。つまり、図11に示されたフローチャートのうち、第1推定部122aにおける処理がなされない。
なお、基地局装置10の周囲には、第2エリア212だけが形成されており、第1エリア210がまったく形成されていなくてもよい。その場合、RSUコントロールヘッダにエリア情報が含まれていなくてもよい。さらに、端末装置14には、第1推定部122aが含まれていなくてもよい。
図14は、本発明の変形例に係るエリアの別の推定手順を示すフローチャートである。第2測定部120bは、誤り率を測定する(S70)。第2エリア外214への移行条件を満たしている場合(S72のY)、第2推定部122bは、第2エリア外214への移行を推定する(S74)。第2エリア外214への移行条件を満たしていない場合(S72のN)、第2推定部122bは、第2エリア212内への移行を推定する(S76)。処理が続行される場合(S78のY)、ステップ70に戻る。処理が続行されない場合(S78のN)、処理は終了される。
本発明の実施例によれば、第2エリアと第2エリア外とを区別するために、誤り率を使用するので、基地局装置からのパケット信号を受信できるか否かによって、第2エリア端を規定できる。また、基地局装置からのパケット信号を受信できるか否かによって、第2エリア端が規定されるので、第2エリアを広くできる。また、第1エリアと第2エリアとを区別するために、受信電力を使用するので、伝搬損失が所定の程度に収まっている範囲を第1エリアに規定できる。伝搬損失が所定の程度に収まっている範囲が第1エリアに規定されているので、交差点の中心付近を第1エリアとして使用できる。
また、第2エリアと第2エリア外とを区別するために、受信電力を使用せず、第1エリアと第2エリアとを区別するために、誤り率を使用しないので、誤判定を抑制できる。また、第1エリアに存在する場合に優先期間を使用し、第2エリアに存在する場合に一般期間を使用するので、第1エリアに存在する端末装置からのパケット信号と、第2エリアに存在する端末装置からのパケット信号との衝突確率を低減できる。また、優先期間ではスロットによる時間分割多重を実行するので、誤り率を低減できる。また、一般期間ではCSMA/CAを実行するので、柔軟に端末装置数を調節できる。
また、第2エリアと第2エリア外とを区別する際に誤り率に対してヒステリシスを設けるので、両者の状態が頻繁に切りかわる状況の発生を低減できる。また、両者の状態が頻繁に切りかわる状況の発生が低減されるので、通信システムの安定性を向上できる。また、第2エリアに存在すると推定されやすくなるように、ヒステリシスが設けられるので、フレーム構成にしたがった通信を実行する端末装置数を増加できる。また、第1エリアと第2エリアとを区別する際に受信電力に対してヒステリシスを設けるので、両者の状態が頻繁に切りかわる状況の発生を低減できる。
また、第1エリアよりも第2エリアに存在すると推定されやすくなるように、ヒステリシスが設けられるので、優先期間を使用すべき端末装置数を低減できる。また、優先期間を使用すべき端末装置数が低減されるので、優先期間におけるパケット信号の衝突確率を低減できる。また、優先期間におけるパケット信号の衝突確率が低減されるので、交差点の中心付近の端末装置からのパケット信号を優先的に送信できる。
また、他の基地局装置から直接受信したパケット信号だけではなく、端末装置から受信したパケット信号をもとに、他の基地局装置によって使用されているサブフレームを特定するので、使用中のサブフレームの特定精度を向上できる。また、使用中のサブフレームの特定精度が向上するので、基地局装置から送信されるパケット信号間の衝突確率を低減できる。また、基地局装置から送信されるパケット信号間の衝突確率が低減されるので、端末装置が制御情報を正確に認識できる。また、制御情報が正確に認識されるので、路車送信期間を正確に認識できる。また、路車送信期間が正確に認識されるので、パケット信号の衝突確率を低減できる。
また、使用中のサブフレーム以外を優先的に使用するので、他の基地局装置からのパケット信号と重複したタイミングで、パケット信号を送信する可能性を低減できる。また、いずれのサブフレームも他の基地局装置によって使用されている場合に、受信電力の低いサブフレームを選択するので、パケット信号の干渉の影響を抑制できる。また、端末装置によって中継された制御情報の送信元になる他の基地局装置からの受信電力として、当該端末装置の受信電力を使用するので、受信電力の推定処理を簡易にできる。また、1種類のエリアしか形成されていない場合にその旨が通知されるので、端末装置における推定処理のうち、不要な処理を省略できる。また、不要な処理が省略されるので、端末装置における推定処理の処理量を低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、第1推定部122aは、移動速度に応じて第1条件および第2条件を変更しているが、第2推定部122bは、固定の第1条件および第2条件を使用している。しかしながらこれに限らず例えば、第2推定部122bも、移動速度に応じて第1条件および第2条件を変更してもよい。本変形例によれば、第1エリア210と第2エリア212との切替の判定にも移動速度を反映できる。
10 基地局装置、 12 車両、 14 端末装置、 20 アンテナ、 22 RF部、 24 変復調部、 26 処理部、 30 制御部、 50 アンテナ、 52 RF部、 54 変復調部、 56 処理部、 58 制御部、 60 タイミング特定部、 62 取得部、 64 生成部、 66 制御情報抽出部、 70 通知部、 74 実行部、 80 ネットワーク通信部、 90 選択部、 92 指示部、 100 通信システム、 110 転送回数取得部、 112 抽出回数計測部、 114 管理部、 116 記憶部、 118 比較部、 120 測定部、 122 推定部、 124 決定部、 130 エリア特定部。
Claims (11)
- 移動されうる端末装置であって、
基地局装置の周囲に形成された第1エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第1期間と、第1エリアの外側に形成された第2エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第2期間とを時間多重したサブフレームが規定されるとともに、複数のサブフレームを時間多重したフレームが規定されており、基地局装置からのパケット信号を受信する受信部と、
前記受信部において受信したパケット信号の品質を測定する測定部と、
前記測定部において測定した品質が第1条件を満たすように改善した場合に、第2エリアから第1エリアへの進入を推定し、前記測定部において測定した品質が第2条件を満たすように悪化した場合に、第1エリアから第2エリアへの進入を推定する推定部と、
前記推定部での推定結果をもとに、第1期間あるいは第2期間を送信タイミングとして決定する決定部と、
前記決定部において決定した送信タイミングにてパケット信号を送信する送信部とを備え、
前記推定部は、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとに対して、異なった値を設定することを特徴とする端末装置。 - 前記推定部は、第1エリアから第2エリアへの進入よりも、第2エリアから第1エリアへの進入の方が困難になるように、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとを設定することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
- 端末装置の移動速度を取得する取得部をさらに備え、
前記推定部は、移動速度に応じて、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとに対して、異なった値を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。 - 前記推定部は、移動速度が遅くなるほど、第1エリアから第2エリアへの進入と、第2エリアから第1エリアへの進入とが困難になるように、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとを設定することを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
- 移動されうる端末装置であって、
基地局装置の周囲に形成されたエリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき期間を含んだサブフレームが規定されるとともに、複数のサブフレームを時間多重したフレームが規定されており、基地局装置からのパケット信号を受信する受信部と、
前記受信部において受信したパケット信号の品質を測定する測定部と、
前記測定部において測定した品質が第1条件を満たすように改善した場合に、エリアの外側からエリアへの進入を推定し、前記測定部において測定した品質が第2条件を満たすように悪化した場合に、エリアからエリアの外側への進入を推定する推定部と、
前記推定部での推定結果をもとに、期間あるいはフレームの構成と無関係のタイミングを送信タイミングとして決定する決定部と、
前記決定部において決定した送信タイミングにてパケット信号を送信する送信部とを備え、
前記推定部は、第1条件に含まれたパラメータと第2条件に含まれたパラメータとに対して、異なった値を設定することを特徴とする端末装置。 - 移動されうる端末装置であって、
基地局装置の周囲に形成された第1エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第1期間と、第1エリアの外側に形成された第2エリアに存在する端末装置がパケット信号の送信に使用すべき第2期間とを時間多重したサブフレームが規定されるとともに、複数のサブフレームを時間多重したフレームが規定されており、基地局装置からのパケット信号を受信する受信部と、
前記受信部において受信したパケット信号の電力を測定する第1測定部と、
前記第1測定部において測定した電力をもとに、第1エリアに存在しているか、あるいは第2エリアに存在しているかを推定する第1推定部と、
前記受信部において受信したパケット信号の誤り率を測定する第2測定部と、
前記第2測定部において測定した誤り率をもとに、第2エリアに存在しているか、あるいは第2エリアの外側に存在しているかを推定する第2推定部と、
前記第2推定部での推定結果および前記第1推定部での推定結果のうちの少なくとも一方をもとに、第1期間、第2期間、フレームの構成と無関係のタイミングのいずれかを送信タイミングとして決定する決定部と、
前記決定部において決定した送信タイミングにてパケット信号を送信する送信部とを備え、
前記第1推定部は、第2エリアの外側に存在している場合に推定を停止し、
前記第2推定部は、第1エリアに存在している場合に推定を停止することを特徴とする端末装置。 - 前記第2推定部は、誤り率がしきい値よりも高い状態から、誤り率がしきい値以下の状態へ遷移した場合に、第2エリアの外側から第2エリアに進入したことを推定し、
前記第1推定部は、前記第2推定部が第2エリアへの進入を推定した場合に、推定を開始することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。 - 前記第1推定部は、前記第1推定部および前記第2推定部が第2エリアに存在することを推定している場合に、電力がしきい値よりも低い状態から、電力がしきい値以上の状態へ遷移すれば、第2エリアから第1エリアに進入したことを推定し、
前記第2推定部は、前記第1推定部が第1エリアへの進入を推定した場合に、推定を停止することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。 - 前記第2推定部は、前記第1推定部および前記第2推定部が第2エリアに存在することを推定している場合に、誤り率がしきい値以下の状態から、誤り率がしきい値よりも高い状態へ遷移すれば、第2エリアから第2エリアの外側に脱出したことを推定し、
前記第1推定部は、前記第2推定部が第2エリアの外側への脱出を推定した場合に、推定を停止することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。 - 前記第1推定部は、電力がしきい値以上の状態から、電力がしきい値よりも低い状態へ遷移した場合に、第1エリアから第2エリアに進入したことを推定し、
前記第2推定部は、前記第1推定部が第2エリアへの進入を推定した場合に、推定を開始することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。 - 基地局装置の周囲に第2エリアのみが形成されていることに関する情報を受けつける受付部をさらに備え、
前記第1推定部は、前記受付部において、基地局装置の周囲に第2エリアのみが形成されていることに関する情報を受けつけた場合に、推定を停止することを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の端末装置。
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