JP2011135355A - 無線端末装置、無線通信システム、および無線通信制御方法 - Google Patents

無線端末装置、無線通信システム、および無線通信制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力消費を抑えつつ情報受信の遅延をより確実に防ぐことができる無線端末装置を提供すること。
【解決手段】無線端末装置400は、異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報を含むサービスデータを、無線通信により無線基地局から取得して利用するアプリケーション部403と、無線通信部402と、無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、無線通信により複数の情報のいずれを取得可能であるかを判定するサービス圏内判定部405と、複数の情報の少なくとも1つを無線通信により取得可能であるとき、当該情報に対応する所定の間隔で無線通信を行うように、無線通信部402の起動/休止を制御する起動制御部401とを有する。起動制御部401は、複数の情報のいずれも無線通信により取得不可能であるとき、複数の所定の間隔のうち最も短い間隔で無線通信を行うように、無線通信部402の起動/休止を制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は、異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報を無線通信により取得して利用する無線通信端末、この無線通信端末を含む無線通信システム、およびこの無線通信端末における無線通信制御方法に関する。
街中等に配置された無線基地局から無線通信によって情報を取得することを可能にした、携帯型の無線端末装置(以下、単に「無線端末装置」という)が注目されている。無線端末装置は、無線基地局の周辺の交通情報や観光情報等、ユーザの現在位置に関連する情報の取得を簡単に行うことができる。無線端末装置の例としては、電池を内蔵し、無線タグ(RFID:radio frequency identification)のうち、数十メートル程度の通信を可能とするアクティブタグを用いるものが挙げられる。この場合、無線基地局は、自己の通信エリアに向けて、情報を、短い周期で繰り返し同報送信する。
ところで、無線基地局から送信される各種情報には、車両の接近を知らせる情報といった緊急性の高い情報等、ほぼリアルタイムに取得されるべき情報がある。無線端末装置は、無線通信を行う無線通信回路を起動させたままの状態としておくことにより、情報受信のリアルタイム性を確保することができる。
ところが、無線通信回路を起動させたままの状態としておくことは、電力消費の観点から好ましくない。そこで、無線端末装置が無線基地局の通信エリアに入ってから情報を取得するまでの遅延時間の許容値を、情報を取得すべき間隔とし、この間隔で、無線通信回路を間欠的に起動させることが従来行われている。これにより、無線端末装置は、消費電力を抑えつつ、求められる情報に応じた受信を実現することができる。
ところが、無線基地局が提供する情報は、無線基地局の設置場所によって、あるいは時間帯等によって、取得すべき間隔が異なる場合がある。取得すべき間隔が異なる情報とは、例えば、車両接近情報のように1秒等の短い間隔で取得する必要がある情報(リアルタイム性の高い情報)と、観光情報等のように数十秒毎に取得すれば十分な情報(リアルタイム性の低い情報)とである。無線端末装置にこのような取得すべき間隔の異なる情報、つまり、必要とするリアルタイム性が異なる情報を受信させるには、無線端末装置の無線通信回路をリアルタイム性が高いほうの取得すべき間隔(遅延時間の許容値が短い方)で起動させることが必要となる。しかし、このような場合、例えば、リアルタイム性が低い観光情報しか送信されていない無線基地局の通信エリアでも、1秒毎といった短い間隔で無線通信回路が起動するといった事態が発生する。無線通信回路の起動間隔が必要以上に短いことは、省電力の観点から好ましくない。
そこで、無線基地局から受信可能な情報の情報種別に応じて、無線通信回路の起動間隔を変更する無線端末装置が、従来提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、情報種別とは、取得すべき間隔に対応した情報の分類をいう。
図1は、特許文献1記載の無線端末装置(以下「従来装置」という)の動作の概要を示す模式図である。図1に示すように、従来装置10は、内部に、従来装置10が取得の対象とする情報の情報種別と、その情報種別に対する取得すべき間隔であるタイマ値とを対応付けた、対応テーブル11を保持している。この例では、情報種別1には2秒のタイマ値が対応付けられ、情報種別2には1秒のタイマ値が対応付けられている。また、無線基地局20は、時刻t1には情報種別1の情報のみを送信し、時刻t3には情報種別1の情報と情報種別2の情報とを送信している。
従来装置10は、無線基地局から受信可能な情報の情報種別が1つの場合には、対応テーブル11を参照し、対応するタイマ値を起動間隔に設定し、その間隔で無線通信回路を起動して受信を行う。また、従来装置10は、無線基地局から受信可能な情報の情報種別が複数の場合には、対応するタイマ値の中から最小値のタイマ値を起動間隔に設定し、その間隔で無線通信回路を起動して受信を行う。すなわち、ここでは、従来装置10は、時刻t1の起動間隔を2秒とし、時刻t3の起動間隔を1秒とする。
このように、従来装置10は、無線通信回路の起動間隔を必要最小限に抑えることができ、無駄な消費電力を抑えることができる。
特開2004−128949号公報
ところが、従来装置10は、互いの通信エリアが離隔している複数の無線基地局の間を移動する際に、実際の遅延時間が許容値を超えてしまうことがあるという課題がある。
図2は、従来装置10の上述の課題を説明するための模式図である。図2に示すように、従来装置10が、第1の無線基地局20−1の第1の通信エリア21−1から、第2の無線基地局20−2の第2の通信エリア21−2へと移動する場合を想定する。ここで、第1の無線基地局20−1は、情報種別1の情報のみを送信し、第2の無線基地局20−2は、情報種別2の情報のみを送信している。そして、従来装置10は、ユーザの移動等により、時刻t3の直前までは、第1の通信エリア21−1に位置し、時刻t3の直前に第1の通信エリア21−1の圏外に出て、時刻t6の直後に第2の通信エリア21−2に進入したとする。
このような場合、従来装置10は、時刻t6から第1の通信エリア21−1での起動間隔であった2秒が経過した時刻t7に、第2の通信エリア21−2に進入して最初の受信を行う。すなわち、無線通信回路は、本来は1秒毎に、つまり遅くとも第2の通信エリア21−2に進入した時刻t61から1秒経過後の時刻t62に起動しなければならないところ、それよりも後の時刻t7で起動する。本来の受信時刻に対する実際の受信時刻の遅れ時間(時刻t62から時刻t7まで)Dは、最大で1秒となる。このように、従来装置10は、許容値を大きく超えて情報受信が遅延する可能性がある。
本発明の目的は、電力消費を抑えつつ情報受信の遅延をより確実に防ぐことができる無線端末装置、無線通信システム、および無線通信制御方法を提供することである。
本発明の無線端末装置は、無線基地局と無線通信を行う無線端末装置であって、異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報を含むサービスデータを、前記無線通信により取得して利用するアプリケーション部と、前記無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、前記無線通信により前記複数の情報のいずれを取得可能であるかを判定するサービス圏内判定部と、前記複数の情報の少なくとも1つを前記無線通信により取得可能であるとき、当該情報に対応する前記所定の間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止を制御する起動制御部とを有し、前記起動制御部は、前記複数の情報のいずれも前記無線通信により取得不可能であるとき、前記複数の所定の間隔のうち最も短い間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止を制御する。
本発明の無線通信システムは、異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報の少なくとも1つを含むサービスデータをそれぞれ無線通信により送信し、互いの通信エリアが離隔している複数の無線基地局と、前記複数の無線基地局の各通信エリアの間を移動可能であり、前記無線基地局と無線通信を行う無線端末装置とを有する無線通信システムであって、前記無線基地局は、前記無線端末装置が当該無線基地局の通信エリアから隣接する他の前記無線基地局の通信エリアに移動する際の最小移動時間に関する情報を、前記サービスデータにより送信し、前記無線通信端末は、前記複数の情報を含むサービスデータを前記無線通信により取得して利用するアプリケーション部と、前記無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、前記無線通信により前記複数の情報のいずれを取得可能であるかを判定し、前記最小移動時間を取得するサービス圏内判定部と、前記複数の情報の少なくとも1つを前記無線通信により取得可能であるとき、当該情報に対応する前記所定の間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止を制御する起動制御部と、前記複数の情報のいずれも前記無線通信により取得不可能である時間が前記最小移動時間に基づく所定の時間長さに達したとき、前記起動制御部に対して前記複数の所定の間隔のうち最も短い間隔の制御に切り換えさせる圏外時起動間隔選択部とを有する。
本発明の無線通信制御方法は、無線基地局と無線通信を行う無線通信部と、異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報を含むサービスデータを前記無線通信により取得して利用するアプリケーション部と、を備えた無線端末装置における無線通信制御方法であって、前記無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、前記無線通信により前記複数の情報のいずれを取得可能であるかを判定するステップと、前記複数の情報のいずれも前記無線通信により取得不可能である時間が、所定の時間長さに達したとき、前記複数の所定の間隔のうち最も短い間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止の制御を切り換えるステップと、前記複数の情報の少なくとも1つを前記無線通信により取得可能となったとき、当該情報に対応する前記所定の間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止の制御を切り換えるステップとを有する。
本発明によれば、電力消費を抑えつつ情報受信の遅延をより確実に防ぐことができる。
従来装置の動作の概要を示す模式図 従来装置の課題を説明するための模式図 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すシステム構成図 本実施の形態1における無線基地局のサービスデータ送信の様子を示す模式図 本実施の形態1におけるサービスデータの構成の一例を示す図 本実施の形態1における情報種別の例を説明するための図 本実施の形態1におけるサービスデータ送信方式の一例を示す模式図 本実施の形態1に係る無線端末装置の構成を示すブロック図 本実施の形態1における対応テーブルの構成の一例を示す図 本実施の形態1に係る無線端末装置の全体動作の一例を示すフローチャート 本実施の形態1における起動制御部の動作を示すフローチャート 本実施の形態1における無線通信部の動作を示すフローチャート 本実施の形態1におけるサービス圏内判定部の動作を示すフローチャート 本実施の形態1における圏内時起動間隔選択部の動作を示すフローチャート 本実施の形態1における圏外判定部の動作を示すフローチャート 本実施の形態1における圏外時間カウント部の動作を示すフローチャート 本実施の形態1における圏外時起動間隔選択部の動作を示すフローチャート 本実施の形態1に係る無線端末装置の効果を説明するための模式図 本発明の実施の形態2に係る無線端末装置の構成を示すブロック図 本実施の形態2における圏外時間最大値算出部の動作を示すフローチャート
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すシステム構成図である。本実施の形態は、本発明を、街中に配置された複数の無線基地局から、歩行者が携帯する無線端末装置に対して各種情報を提供する無線通信システムに適用した例で説明する。
図3に示すように、無線通信システム100は、街中に第1〜第3の無線基地局200−1〜200−3と、街中を歩行するユーザ300が携帯する、本発明に係る無線端末装置400とを有する。
第1〜第3の無線基地局200−1〜200−3の通信エリアである第1〜第3の通信エリア210−1〜210−3は、互いに離隔している。つまり、第1〜第3の無線基地局200−1〜200−3は、第1〜第3の通信エリア210−1〜210−3が重複しない形で、間欠的に設置されている。無線端末装置400は、例えば、ユーザ300の移動により、第1〜第3の通信エリア210−1〜210−3をこの順に移動する。
各無線基地局200は、自己の通信エリア210に向けて、各種情報を含むサービスデータを送信する。
図4は、無線基地局200のサービスデータの送信の様子を示す模式図である。
図4に示すように、無線基地局200は、各種情報を含むサービスデータを、自己の通信エリア210に向けて、決められた周期で同報送信する。したがって、例えば同一の通信エリア210に第1〜第3のユーザ300−1〜300−3が位置する場合、第1〜第3のユーザ300−1〜300−3の第1〜第3の無線端末装置400−1〜400−3は、同一のサービスデータを受信する。
図5は、無線基地局200が送信するサービスデータの構成の一例を示す図である。
図5に示すように、サービスデータ500は、基地局ヘッダ510と、少なくとも1つの情報種別520およびペイロード530の組みと、チェックサム540とを含む。基地局ヘッダ510は、ヘッダ情報511、および起動間隔変更時間512とを含む。なお、起動間隔変更時間512については、後述する。
ペイロード530には、無線端末装置400に対して提供される各種情報が含まれる。ペイロード530に対応する情報種別520には、そのペイロード530に格納された情報の取得すべき間隔に対応した情報の分類が、情報種別として含まれる。
図6は、無線通信システム100で用いられる情報種別の例を説明するための図である。
図6に示すように、無線通信システム100では、無線基地局200の同報送信により、各種のサービス種別610に属する情報を、無線端末装置400のユーザ300に提供する。各サービス種別610で提供される各情報には、提供の目的620および提供の具体的手段630と、適切な通知間隔640とが含まれる。
例えば、歩行者安全支援のサービスで提供される、車の接近の情報は、対応する通信エリア210内において、情報の送信が開始されてから1秒以内に無線端末装置400に通知されることが望ましい。また、災害情報のサービスで提供される、非難指示の情報は、対応する通信エリア210内において、情報の送信が開始されてから例えば2秒以内に無線端末装置400に通知されることが望ましい。
本実施の形態において、情報種別とは、通知間隔(つまり取得すべき間隔)に対応した、無線端末装置400が取得の対象とする情報の分類である。すなわち、適切な通知間隔が同一の情報については、同一の情報種別に属するものとする。ここでは、災害情報のように通知間隔が2秒の情報が属する情報種別を、情報種別1とし、歩行者安全支援の情報のように通知間隔が1秒の情報が属する情報種別を、情報種別2とする。無線端末装置400が間欠的に無線通信回路を起動させる場合、無線通信回路の起動間隔は、求められる通知間隔と同じかこれよりも短い必要がある。
また、各無線基地局200から送信されるサービスデータに含まれる情報の情報種別は、全ての無線基地局200において同じとは限らない。これは、無線基地局200が位置する場所・地域により、ユーザ300に提供すべき情報の情報種別が異なることによる。例えば、街中では、歩行者安全支援のサービスに対応する情報種別1の情報のみが提供され、川沿いのエリアでは災害情報のサービスに対応する情報種別2の情報のみが提供される。また、無線基地局200が送信するサービスデータ500は、図5に示すように、異なる複数の情報種別の情報を多重化して格納可能となっている。
そして、図5に示すサービスデータ500の起動間隔変更時間512には、変更時間が格納される。
変更時間は、無線端末装置400に対して指示される、情報を取得することができなくなってから無線通信回路の現在の起動間隔を破棄(起動間隔を変更)するまでの時間である。変更時間は、例えば、ユーザ300が、送信元の無線基地局200の通信エリア210から隣接する他の通信エリア210まで移動する最小移動時間よりも短い時間である。ここで想定される隣接する他の通信エリア210とは、最も近くに位置する通信エリア210である。また、ここで想定されるユーザ300は、成人等、歩行速度が比較的速いユーザである。
図7は、無線基地局200のサービスデータ500送信方式の一例を示す模式図である。
図7に示すように、無線端末装置400は、TDMA方式(time division multiple access system:時分割多元接続方式)により、無線基地局200が送信するサービスデータ500の受信処理を行う。
各無線端末装置400は、自己に設定されている起動間隔毎に、無線通信回路を起動し、起動時のタイムスロットを用いて、以降のサービスデータ500の受信処理を行う。起動間隔の設定については後述する。ここでは、無線基地局200の通信エリア210に第1〜第3の無線端末装置400−1〜400−3が位置し、それぞれ異なるタイムスロットで通信を行う場合を図示している。これにより、第1〜第3の無線端末装置400−1〜400−3は、例えば自己宛のサービスデータのみを個別に受信することができる。
次に、無線端末装置400の構成について説明する。
図8は、無線端末装置400の構成を示すブロック図である。
図8において、無線端末装置400は、起動制御部401、無線通信部402、アプリケーション部403、情報保持部404、サービス圏内判定部405、圏内時起動間隔選択部406、圏外判定部407、圏外時間カウント部408、および圏外時起動間隔選択部409を有する。
起動制御部401は、無線通信部402と接続されている。起動制御部401は、例えば、無線端末装置400の電源がONされているとき常に動作状態であり、内部のタイマを用いて無線通信部402の無線通信回路等の起動/休止の制御を開始する。
より具体的には、起動制御部401は、無線通信部402から直接に、あるいは、無線通信部402を介して後述の圏内時起動間隔選択部406および圏外時起動間隔選択部409から、起動間隔の通知を受ける。そして、起動制御部401は、通知された起動間隔で、無線通信部402に対して、受信時間を通知して、サービスデータの受信を指示する。受信時間は、無線基地局200からのサービスデータ受信を連続して待機する時間の長さであり、例えば無線端末装置400の製造時に起動制御部401に設定される。
無線通信部402は、起動制御部401、サービス圏内判定部405、圏外判定部407、圏内時起動間隔選択部406、および圏外時起動間隔選択部409と接続されている。無線通信部402は、無線通信回路を有し、この無線通信回路が起動している間、無線基地局200との間で電波による通信を行い、上述のサービスデータの受信を行う。なお、以下、無線通信部402の起動とは、無線通信回路の起動を意味するものとする。
より具体的には、無線通信部402は、起動制御部401から、受信時間を通知され、サービスデータの受信を指示される毎に、通知された受信時間の間、無線基地局200からのサービスデータの受信処理を行う。そして、無線通信部402は、サービスデータを受信しなかった場合には、圏外判定部407を呼び出し、サービスデータを受信した場合には、受信したサービスデータをサービス圏内判定部405に渡し、これらの動作を開始させる。この結果として、無線通信部402は、圏内時起動間隔選択部406あるいは圏外時起動間隔選択部409から起動間隔を受け取ると、受け取った起動間隔を起動制御部401に設定する。また、無線通信部402は、受信処理において受信したサービスデータ(以下「受信サービスデータ」という)を、サービス圏内判定部405を介してアプリケーション部403に渡す。
アプリケーション部403は、サービス圏内判定部405から受け取った受信サービスデータから、格納された情報を抽出し、各種アプリケーション動作を行う。
情報保持部404は、サービス圏内判定部405および圏外時起動間隔選択部409に接続されている。情報保持部404は、アプリケーション部403が利用する情報の情報種別(以下「利用対象情報種別」という)と、その情報種別に対応する起動間隔のタイマ値とを対応付けた対応テーブルを保持する。情報保持部404は、サービス圏内判定部405および圏外時起動間隔選択部409からの取得要求に応じて、対応テーブルに記述された情報種別や、指定された情報種別に対応するタイマ値を返す。
図9は、情報保持部404が保持する対応テーブルの構成の一例を示す図である。
図9に示すように、対応テーブル700は、利用対象情報種別710と、その情報種別710に対応するタイマ値720とを記述する。タイマ値720は、上述の通り、無線通信部402が起動されてサービスデータの受信処理が行われる間隔(起動間隔)である。
対応テーブル700は、無線端末装置400の製造時に情報保持部404に設定されていても良いし、アプリケーション部403によって各アプリケーションの起動終了と連動して書き換えが行われる構成であっても良い。また、対応テーブル700は、各アプリケーションのうち、ユーザ300によって指定されたアプリケーションが利用する情報種別のみを記述するようにしても良い。
図8のサービス圏内判定部405は、無線通信部402、圏内時起動間隔選択部406、情報保持部404、圏外判定部407、圏外時間カウント部408に接続されている。サービス圏内判定部405は、無線通信部402から受け取った受信サービスデータに、利用対象情報種別の情報が含まれているか否かを判定する。
受信サービスデータに利用対象情報種別の情報が含まれている場合には、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータをアプリケーション部403に渡す。また、サービス圏内判定部405は、圏内時起動間隔選択部406を呼び出して動作を開始させ、受信サービスデータに含まれる利用対象情報種別に対応する全てのタイマ値を渡す。また、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータから変更時間を抽出し、抽出した変更時間を、圏外時間カウント部408に渡す。
一方、受信サービスデータに利用対象情報種別の情報が含まれていない場合には、サービス圏内判定部405は、圏外判定部407を呼び出して動作を開始させる。なお、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータに利用対象情報種別の情報が含まれているか否かの判断、および利用対象情報種別に対応するタイマ値の取得を、情報保持部404が保持する対応テーブル(図9参照)を参照して行う。
圏内時起動間隔選択部406は、サービス圏内判定部405、無線通信部402と接続されている。圏内時起動間隔選択部406は、サービス圏内判定部405から受け取ったタイマ値のうち、最小のタイマ値を選択し、選択したタイマ値を起動間隔として無線通信部402に通知する。
圏外判定部407は、無線通信部402、サービス圏内判定部405、および圏外時間カウント部408に接続されている。圏外判定部407は、無線端末装置400が通信エリア210外に位置する場合、または、受信サービスデータに利用対象情報種別の情報が含まれない場合に、サービス圏外であると判定し、圏外時間カウント部408に対し、動作開始指示を出す。
圏外時間カウント部408は、圏外判定部407、サービス圏内判定部405、および圏外時起動間隔選択部409に接続されている。圏外時間カウント部408は、サービス圏内判定部405から渡された変更時間を、圏外時間最大値として設定する。そして、圏外時間カウント部408は、圏外判定部407からの動作開始指示を受けて、サービス圏外になってからの時間を、内部のタイマを用いてカウントする。次に、圏外時間カウント部408は、タイマカウントが設定した圏外時間最大値に達したとき、圏外時起動間隔選択部409を呼び出す。
圏外時起動間隔選択部409は、圏外時間カウント部408、情報保持部404、無線通信部402に接続されている。圏外時起動間隔選択部409は、圏外時間カウント部408からの呼び出しを受けて、無線通信部402の起動間隔を選択する。
より具体的には、圏外時起動間隔選択部409は、情報保持部404が保持する対応テーブル(図9参照)を参照して、利用対象情報種別に対応する起動間隔のタイマ値の中で最小のタイマ値を選択する。次に、圏外時起動間隔選択部409は、選択したタイマ値を起動間隔として無線通信部402に通知する。
なお、無線端末装置400は、図示しないが、例えば、CPU(central processing unit)、制御プログラムを格納したフラッシュメモリ等の記憶媒体、RAM(random access memory)等の作業用メモリ、無線通信回路、およびCPUのクロックを用いた複数のタイマを有する。この場合、無線端末装置400は、CPUにおける制御プログラムの実行によって、上述した各部の機能を実現する。
このような構成を有する無線端末装置400は、サービス圏内にいるときには、受信可能な情報の無線基地局200からの通知間隔の中で、最も小さい通知間隔を、起動間隔として選択することができる。これにより、無線端末装置400は、サービス圏内において必要最小限に無線通信回路の起動頻度を抑えることができる。
一方で、無線端末装置400は、サービス圏外に出たと判定したときには、利用可能な情報種別の情報の無線基地局200からの通知間隔の中で、最も小さい通知間隔を、起動間隔として選択することができる。これにより、無線端末装置400は、次にサービス圏において同報送信されている情報が小さい通知間隔の情報種別であっても、サービス圏に進入した直後から、その通信間隔で、無線通信回路を起動させることができる。つまり、無線端末装置400は、情報受信の遅延を発生させることなく、無線通信回路を起動させることができる。
以下、無線端末装置400の動作について説明する。動作の説明は、無線端末装置400の全体動作について説明した後、各装置部の動作について説明する。
図10は、無線端末装置400の全体動作の一例を示すフローチャートである。無線端末装置400は、電池を挿入される等して、起動制御部401が通電すると、動作を開始する。
まず、ステップS1100において、起動制御部401は、現在設定されている起動間隔に従い、無線通信部402を起動し、受信時間を通知する。但し、起動制御部401は、例えば、無線端末装置400に電源が投入された直後等、起動間隔が設定されていない場合には、内部に初期値として予め保持する起動間隔に基づいて、無線通信部402を起動する。
そして、ステップS1200において、無線通信部402は、無線基地局200から同報送信されるサービスデータ(図5参照)を、通知された受信時間の間に受信したか否かを判断する。無線通信部402は、サービスデータを受信した場合には(S1200:YES)、受信サービスデータをサービス圏内判定部405に渡して、ステップS1300へ進む。また、無線通信部402は、サービスデータを受信しなかった場合には(S1200:NO)、圏外判定部407を呼び出して、ステップS1400へ進む。
そして、ステップS1300において、サービス圏内判定部405は、情報保持部404が保持する対応テーブル(図9参照)を用いて受信サービスデータを解析する。次に、サービス圏内判定部405は、サービス圏内に無線端末装置400が位置するか否か(サービス圏内であるかサービス圏外であるか)を判定する。つまり、サービス圏内判定部405は、利用対象情報種別の情報が受信サービスデータに含まれるか否かを判定する。
サービス圏内判定部405は、サービス圏内である場合には(S1300:YES)、受信サービスデータをアプリケーション部403に渡して、ステップS1500へ進む。また、サービス圏内判定部405は、サービス圏外である場合には(S1300:NO)、圏外判定部407を呼び出して、ステップS1400へ進む。
ステップS1500において、サービス圏内判定部405は、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータから変更時間を取得し、取得した変更時間を圏外時間最大値として、圏外時間カウント部408に渡す。
そして、ステップS1600において、サービス圏内判定部405は、利用対象情報種別のうち受信サービスデータに含まれる情報の情報種別(以下「利用可能情報種別」という)に対応する全てのタイマ値を取得する。具体的には、サービス圏内判定部405は、タイマ値を情報保持部404が保持する対応テーブル(図9参照)から取得する。そして、サービス圏内判定部405は、取得した利用可能情報種別のタイマ値を、圏内時起動間隔選択部406に渡す。
ステップS1700において、圏内時起動間隔選択部406は、利用可能情報種別のタイマ値の中から最小のタイマ値を選択し、選択したタイマ値を、無線通信部402を介して、起動制御部401に設定する。
そして、ステップS1800において、起動制御部401は、ユーザ操作等により処理の終了を指示されたか否かを判断する。起動制御部401は、処理の終了を指示されていない場合には(S1800:NO)、ステップS1100へ戻り、処理の終了を指示された場合には(S1800:YES)、一連の処理を終了する。
ステップS1400において、圏外判定部407は、無線通信部402がサービスデータを受信しなかった、または、サービス圏内判定部405からサービス圏外であると通知されたことから、サービス圏外であると判定する。そして、圏外判定部407は、圏外時間カウント部408を呼び出し、圏外時間カウント部408に対して、動作開始指示を出す。この結果、圏外時間カウント部408は、時間のカウントを開始していない場合には、時間のカウントを開始し、時間のカウントを既に開始している場合には、時間のカウントを継続する。
そして、ステップS1900において、圏外時間カウント部408は、カウント値が設定された圏外時間最大値に達したか否かを判断する。但し、圏外時間カウント部408は、例えば、無線端末装置400に電源が投入された直後等、圏外時間最大値が設定されていない場合には、圏外時間最大値の初期値として例えば0を用いる。圏外時間カウント部408は、カウント値が設定された圏外時間最大値に達していない場合には(S1900:NO)、ステップS1800へ進む。また、圏外時間カウント部408は、カウント値が設定された圏外時間最大値に達した場合には(S1900:YES)、圏外時起動間隔選択部409を呼び出して、ステップS2000へ進む。
ステップS2000において、圏外時起動間隔選択部409は、情報保持部404が保持する対応テーブル(図9参照)から、利用対象情報種別に対応する全てのタイマ値を取得する。
そして、ステップS2100において、圏外時起動間隔選択部409は、取得した利用可能情報種別のタイマ値の中から最小のタイマ値を選択し、選択したタイマ値を、無線通信部402を介して、起動制御部401に設定する。
このような動作により、無線端末装置400は、サービス圏内にいるときには、利用可能情報種別に対応するタイマ値の最小値の間隔で、無線通信回路を起動することができる。また、無線端末装置400は、サービス圏外の状態が無線基地局200から通知された変更時間を経過したときに、利用対象情報種別に対応するタイマ値の最小値の間隔に、無線通信回路の起動間隔を切り換えることができる。
次いで、各装置部の動作について説明する。
図11は、起動制御部401の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS3101において、起動制御部401は、内部に初期値として予め保持する起動間隔を取得する。
そして、ステップS3102において、起動制御部401は、取得した起動間隔を、内部のタイマにセットする。
そして、ステップS3103において、起動制御部401は、タイマを初期化し、カウントを開始する。
そして、ステップS3104において、起動制御部401は、タイマのカウントが設定した起動間隔に達したか否かの判定を、タイマのカウントが設定した起動間隔に達するまで繰り返す(S3104:NO)。起動制御部401は、タイマのカウントが設定した起動間隔に達すると(S3104:YES)、ステップS3105へ進む。
ステップS3105において、起動制御部401は、タイマを停止し、無線通信部402を呼び出し、内部に保持する受信時間を無線通信部402に通知する。これにより、無線通信部402は受信処理を開始し、適宜、起動間隔の起動制御部401への通知を行うことになる。
そして、ステップS3106において、起動制御部401は、無線通信部402からの新たな起動間隔の通知があったか否かを判断する。起動制御部401は、新たな起動間隔の通知が無い場合には(S3106:NO)、ステップS3103へ戻り、新たな起動間隔の通知があった場合には(S3106:YES)、ステップS3102へ戻る。
なお、起動制御部401は、ステップS3104において起動間隔をカウント中に新たな起動間隔が通知された場合には、直ちにステップS3102へ戻っても良い。また、起動制御部401は、ステップS3102、S3105、S3106の各処理に要した時間を、次の起動間隔のカウント値から差し引くことにより、無線通信部402の呼び出し間隔の精度を向上させても良い。また、起動制御部401は、ユーザ操作等により処理の終了を指示されたとき、動作を終了する。
図12は、無線通信部402の動作を示すフローチャートである。無線通信部402は、起動制御部401からの呼び出しにより、動作を開始する。
ステップS3201において、無線通信部402は、起動制御部401から受信時間を通知されたか否かの判定を、受信時間が通知されたと判定するまで繰り返す(S3201:NO)。無線通信部402は、受信時間を通知された場合には(S3201:YES)、ステップS3202へ進む。
ステップS3202において、無線通信部402は、内部のタイマに通知された受信時間を設定して、カウントを開始する。
そして、ステップS3203において、無線通信部402は、圏外時起動間隔選択部409より起動間隔を通知されたか(割り込み処理)否かを判定する。無線通信部402は、圏外時起動間隔選択部409より起動間隔を通知された場合には(S3203:YES)、ステップS3204へ進む。また、無線通信部402は、圏外時起動間隔選択部409より起動間隔を通知されなかった場合には(S3203:NO)、ステップS3205へ進む。
ステップS3205において、無線通信部402は、無線基地局200からサービスデータを受信したか否かを判定する。無線通信部402は、サービスデータを受信した場合には(S3205:YES)、ステップS3206へ進み、サービスデータを受信していない場合には(S3205:NO)、ステップS3207へ進む。
ステップS3206において、無線通信部402は、サービス圏内判定部405を呼び出し、受信サービスデータを渡す。
そして、ステップS3208において、無線通信部402は、圏内時起動間隔選択部406より起動間隔を通知されたか(割り込み処理)否かの判定を、起動間隔を通知されたと判定するまで繰り返す(S3208:NO)。無線通信部402は、起動間隔を通知された場合には(S3208:YES)、ステップS3209へ進む。
ステップS3209において、無線通信部402は、タイマが設定した受信時間に達したか否かの判定を、タイマが受信時間に達したと判定するまで繰り返す(S3209:NO)。無線通信部402は、タイマが設定した受信時間に達した場合には(S3209:YES)、ステップS3204へ進む。
そして、ステップS3204において、無線通信部402は、タイマを停止し、圏外時起動間隔選択部409または圏内時起動間隔選択部406から通知された起動間隔を、起動制御部401に通知する。この起動間隔は、起動制御部401に設定されることになる(図11のステップS3102)。
ステップS3207において、無線通信部402は、タイマが設定した受信時間に達したか否かを判定する。タイマが受信時間に達していない場合には(S3207:NO)、ステップS3203へ戻り、タイマが設定した受信時間に達した場合には(S3207:YES)、ステップS3210へ進む。
ステップS3210において、無線通信部402は、タイマを停止し、圏外判定部407を呼び出す。
図13は、サービス圏内判定部405の動作を示すフローチャートである。サービス圏内判定部405は、無線通信部402からの呼び出しにより、動作を開始する。
まず、ステップS3301において、サービス圏内判定部405は、無線通信部402から受信サービスデータを渡されたか否かの判定を、受信サービスデータを渡されたと判定するまで繰り返す(S3301:NO)。サービス圏内判定部405は、受信サービスデータを渡された場合には(S3301:YES)、ステップS3302へ進む。
ステップS3302において、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータから受信サービスデータが格納する情報の情報種別を全て取得する。
そして、ステップS3303において、サービス圏内判定部405は、情報保持部404より、利用対象情報種別と、各利用対象情報種別のタイマ値とを取得する。
そして、ステップS3304において、サービス圏内判定部405は、利用可能情報種別が存在するか否か(サービス圏内かサービス圏外か)を判定する。すなわち、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータから取得した情報種別は、利用対象情報種別に含まれるか否かを判定する。サービス圏内判定部405は、利用可能情報種別が存在する場合(サービス圏内の場合)には(S3304:YES)、ステップS3305へ進む。また、サービス圏内判定部405は、利用可能情報種別が存在しない場合(サービス圏外の場合)には(S3304:NO)、ステップS3310へ進む。
ステップS3305において、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータをアプリケーション部403へ渡す。
そして、ステップS3306において、サービス圏内判定部405は、ステップS3303で取得したタイマ値のうち、利用可能情報種別に対応するタイマ値を選択する。
そして、ステップS3307において、サービス圏内判定部405は、受信サービスデータから、受信サービスデータに格納された変更時間を取得する。
そして、ステップS3308において、サービス圏内判定部405は、圏外時間カウント部408へ、取得した変更時間を通知する。
そして、ステップS3309において、サービス圏内判定部405は、圏内時起動間隔選択部406を呼び出し、選択した全てのタイマ値を、圏内時起動間隔選択部406へ通知する。
また、ステップS3310において、サービス圏内判定部405は、圏外判定部407を呼び出して、動作を開始させる。
図14は、圏内時起動間隔選択部406の動作を示すフローチャートである。圏内時起動間隔選択部406は、サービス圏内判定部405からの呼び出しにより、動作を開始する。
まず、ステップS3401において、圏内時起動間隔選択部406は、サービス圏内判定部405からタイマ値の通知を受けたか否かの判定を、タイマ値の通知を受けるまで繰り返す(S3401:NO)。圏内時起動間隔選択部406は、サービス圏内判定部405からタイマ値の通知を受けた場合には(S3401:YES)、ステップS3402へ進む。
ステップS3402において、圏内時起動間隔選択部406は、通知されたタイマ値の中から最小のタイマ値を選択する。
そして、ステップS3403において、圏内時起動間隔選択部406は、選択したタイマ値を、起動間隔として、無線通信部402へ通知する。この起動間隔は、無線通信部402によって、起動制御部401に設定されることになる(図11および図12参照)。
図15は、圏外判定部407の動作を示すフローチャートである。圏外判定部407は、無線通信部402あるいはサービス圏内判定部405からの呼び出しにより、動作を開始する。
ステップS3501において、圏外判定部407は、圏外時間カウント部408に動作開始指示を出す。そして、圏外判定部407は、無線通信部402へ処理を戻す。
図16は、圏外時間カウント部408の動作を示すフローチャートである。圏外時間カウント部408は、少なくとも起動制御部401が動作している間、動作する。
まず、ステップS3601において、圏外時間カウント部408は、サービス圏内判定部405から変更時間を通知されたか否かを判定する。サービス圏内判定部405から変更時間を通知されることは、つまり、サービス圏内にいることを示す(図13参照)。圏外時間カウント部408は、変更時間を通知された場合には(S3601:YES)、ステップS3602へ進み、変更時間を通知されていない場合には(S3601:NO)、ステップS3603へ進む。
ステップS3602において、圏外時間カウント部408は、内部のタイマが動作している場合にはそのカウントを停止し、初期値に戻す。
そして、ステップS3604において、圏外時間カウント部408は、通知された変更時間を、圏外時間最大値に設定して保持する。
そして、ステップS3605において、圏外時間カウント部408は、起動制御部401が動作しているか否かを判定する。圏外時間カウント部408は、起動制御部401が動作している場合には(S3605:YES)、ステップS3601へ戻り、起動制御部401が動作を停止した場合には(S3605:NO)、動作を終了する。
また、ステップS3603において、圏外時間カウント部408は、圏外判定部407から動作開始指示を受けたか否かを判定する。圏外時間カウント部408は、動作開始指示を受けていない場合には(S3603:NO)、ステップS3605へ進み、動作開始指示を受けた場合には(S3603:YES)、圏外判定部407へ処理を戻して、ステップS3606へ進む。
そして、ステップS3606において、圏外時間カウント部408は、内部のタイマが停止している場合にはカウントを開始させ、内部のタイマがカウントを行っている場合には、そのままカウントを継続させる。
そして、ステップS3607において、圏外時間カウント部408は、内部のタイマのカウント時間が、圏外時間最大値に到達したか否かを判断する。圏外時間カウント部408は、カウント時間が圏外時間最大値に到達していない場合には(S3607:NO)、ステップS3605へ進む。また、圏外時間カウント部408は、カウント時間が圏外時間最大値に到達した場合には(S3607:YES)、ステップS3608へ進む。
ステップS3608において、圏外時間カウント部408は、圏外時起動間隔選択部409を呼び出して、ステップS3605へ進む。
図17は、圏外時起動間隔選択部409の動作を示すフローチャートである。圏外時起動間隔選択部409は、圏外時間カウント部408からの呼び出しにより、動作を開始する。
まず、ステップS3701において、圏外時起動間隔選択部409は、情報保持部404より、利用対象情報種別と、各利用対象情報種別のタイマ値とを取得する。
そして、ステップS3702において、圏外時起動間隔選択部409は、取得したタイマ値の中から最小のタイマ値を選択する。
そして、ステップS3703において、圏外時起動間隔選択部409は、選択したタイマ値を、起動間隔として、無線通信部402へ通知する(割り込み処理)。この起動間隔は、無線通信部402によって、起動制御部401に設定されることになる(図11および図12参照)。
このような各装置部の動作により、無線端末装置400は、図10で説明した動作を実現することができる。
図18は、無線端末装置400が、従来技術に比べて、電力消費を抑えつつ情報受信の遅延をより確実に防ぐことを説明するための模式図であり、図2に対応するものである。
図18に示すように、無線端末装置400が、第1の無線基地局200−1の第1の通信エリア210−1から、第2の無線基地局200−2の第2の通信エリア210−2へと移動する場合を想定する。ここで、第1の無線基地局200−1は、情報種別1の情報のみを送信し、第2の無線基地局200−2は、情報種別2の情報のみを送信している。そして、無線端末装置400は、ユーザ300の移動等により、時刻t1〜時刻t2において、第1の通信エリア210−1に位置していたとする。更に、ユーザ300の移動等により、無線端末装置400は、時刻t3の直前に第1の通信エリア210−1の圏外に出て、時刻t6の直後に第2の通信エリア210−2に進入したとする。
このような場合、従来装置では、図2で説明したように、第2の通信エリア210−2に進入したときに、許容範囲を大きく超えて情報受信が遅延する可能性があった。
ところが、無線端末装置400は、図18に示すように、例えば、サービス圏外であることが判定される時刻t3から変更時間が経過した時刻t6に、起動間隔を1秒に切り換える。変更時間は、上述のように、ユーザ300が、第1の通信エリア210−1から第2の通信エリア210−2まで移動する際の最小移動時間よりも短い時間となっている。したがって、無線端末装置400は、例えば、起動間隔を1秒に切り換えた時刻t6の直後に、第2の通信エリア210−2に進入する。
無線端末装置400は、時刻t6から1秒が経過した時刻t7に、第2の通信エリア210−2に進入して最初の受信を行う。これは、無線端末装置400が第2の通信エリア210−2に進入した時刻t61から1秒経過する前である。したがって、本来の受信時刻に対する実際の受信時刻の遅れ時間は発生しない。
以上説明したように、本実施の形態に係る無線端末装置400は、サービス圏内にいるときには、利用可能情報種別のタイマ値の最小値、つまり、利用可能な情報の通知間隔の最小値を、無線通信回路の起動間隔に設定する。また、無線端末装置400は、サービス圏外に出たときには、次のサービス圏内に移動する前に、利用対象情報種別のタイマ値の最小値、つまり利用する可能性がある情報の通知間隔の最小値を、無線通信回路の起動間隔に設定する。
これにより、無線端末装置400は、サービス圏内においては必要最小限に無線通信回路の起動頻度を抑えつつ、新たなサービス圏に進入する際の情報受信の遅延をより確実に防ぐことができる。すなわち、無線端末装置400は、情報受信の遅延を防ぎつつ、高い省電力性を実現することができる。
また、従来装置は、移動速度が速くかつ起動間隔が広い場合、受信時間の合間に、車の接近を警告するサービス圏のように狭い通信エリア210を通過してしまい、その通信エリア210では情報を取得することができない可能性がある。この点、本実施の形態に係る無線端末装置400は、狭い起動間隔に切り換えてから新たな通信エリア210に進入するので、このような事態を防ぐことができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、無線端末装置毎の移動速度の違いを考慮して、無線端末装置が適切な圏外時間最大値を算出する例である。
本実施の形態に係る無線端末装置は、実施の形態1と同様に、無線基地局200と通信を行う装置である。但し、本実施の形態では、無線基地局200は、サービスデータに、変更距離に代えて、エリア間距離を格納するものとする。エリア間距離は、送信元の無線基地局200の通信エリア210から隣接する他の通信エリア210までの距離のうち、最小の値である。
図19は、本実施の形態に係る無線端末装置400aの構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図8と対応するものである。図8と同一部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
図19に示すように、本実施の形態に係る無線端末装置400aは、実施の形態1のサービス圏内判定部405に代えて、これとは異なるサービス圏内判定部405aを有し、更に、圏外時間最大値算出部410aを有している。圏外時間最大値算出部410aは、サービス圏内判定部405aと圏外時間カウント部408との間に配置されている。
サービス圏内判定部405aは、受信サービスデータに利用対象情報種別の情報が含まれている場合に、受信サービスデータから、変更時間ではなくエリア間距離を抽出し、抽出したエリア間距離を、圏外時間最大値算出部410aに渡す。
圏外時間最大値算出部410aは、受け取ったエリア間距離と、ユーザ300の移動速度とに基づいて、圏外時間最大値を算出する。圏外時間最大値は、ユーザ300が、送信元の無線基地局200の通信エリア210から隣接する他の通信エリア210まで移動する際の最小移動時間である。
移動速度は、例えば、無線端末装置400aの製造時に、圏外時間最大値算出部410aに設定される。また、圏外時間最大値算出部410aは、各種センサ等を用いて無線端末装置400aの移動速度を計測し、計測値に基づいて、予測される移動速度を算出しても良い。移動速度を計測する各種センサは、例えば、振動センサを用いた歩数計、ジャイロセンサ、GPS(global positioning system)、または加速度センサ等である。また、圏外時間最大値算出部410aは、ユーザ300から、移動速度の値の入力、または、異なる移動速度に予め対応付けられた項目(年齢、性別等)の指定を受け付けることにより、移動速度を取得しても良い。
図20は、圏外時間最大値算出部410aの動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS3801aにおいて、圏外時間最大値算出部410aは、サービス圏内判定部405aからエリア間距離の通知を受けたか否かの判定を、エリア間距離の通知を受けたと判定するまで繰り返す(S3801a:NO)。圏外時間最大値算出部410aは、エリア間距離の通知を受けた場合には(S3801a:YES)、ステップS3802aへ進む。
ステップS3802aにおいて、圏外時間最大値算出部410aは、ユーザ300(つまり、無線端末装置400a)の移動速度vを取得する。
そして、ステップS3803aにおいて、圏外時間最大値算出部410aは、通知されたエリア間距離Lを、取得した移動速度vで除すことにより、圏外時間最大値を算出する。但し、例えば、圏外時間最大値算出部410aは、圏外時間最大値を、設定されている起動間隔または利用対象情報種別のタイマ値の最大値を差し引いて補正することが望ましい。無線端末装置400aが通信エリア210を出てから最初に無線通信回路を起動するまでの時間に、最大で、そのときの起動間隔に近い時間を要するためである。なお、このことは、実施の形態1の変更時間についても同様である。
例えば、エリア間距離Lが16m、移動速度vが2m/秒、設定されている起動間隔が2秒である場合には、圏外時間最大値は、16/2−2=6秒と算出される。
そして、ステップS3804aにおいて、圏外時間最大値算出部410aは、算出した圏外時間最大値を、圏外時間カウント部408へ通知する。この結果、圏外時間カウント部408には、無線端末装置400a毎の移動速度vに基づいた圏外時間最大値を用いて、圏外時起動間隔選択部409の呼び出しを行うことができる。
このように、本実施の形態に係る無線端末装置400aは、無線端末装置400aの移動速度に基づいて圏外時間最大値を算出するので、無線端末装置400a毎に移動速度が違う場合でも、精度の高い圏外時間最大値を算出することができる。
例えば、同じ距離でも、ビジネスマンと子供連れの母親とでは移動に要する時間が大きく異なる。実施の形態1のように、移動速度が速いユーザ300に合わせた圏外時間最大値を画一的に用いることは、より確実に受信時間遅延を防止することができる。一方で、本実施の形態に係る無線端末装置400aのように、無線端末装置400a毎の移動速度の違いを考慮して、適切な圏外時間最大値を算出して用いることにより、更に電力消費を抑えた状態で、情報受信の遅延をより確実に防ぐことができる。
なお、以上説明した各実施の形態では、無線端末装置は、変更時間の間、つまり、サービス圏外であると判定してから圏外時間最大値にカウント時間が達するまでの間(例えば図18のt4,t5)、無線通信回路の起動を停止してもよい。これにより、無線端末装置は、更なる省電力化を図ることができる。なお、無線端末装置は、停止せずに無線通信回路の起動を継続する場合には、ユーザが走る等して予測よりも早いタイミングで次の通信エリアに進入した場合でも、情報受信の遅延を抑えることができる。
また、ユーザがサービス圏外に出た後、移動方向を変えたり立ち止まる等により、次にサービス圏内となる時間が遅れる場合がある。そこで、無線端末装置は、圏外時間最大値にカウント時間が達した後に一定時間が経過してもサービス圏内とならない場合や、サービス圏外で移動が停止したことが検出されたときには、無線通信回路の起動を停止してもよい。この場合、無線端末装置は、例えば、ユーザ操作や無線端末装置の移動開始の検出を受けて、無線通信回路の起動を再開するようにしてもよい。
また、無線端末装置は、無線基地局から変更時間またはエリア間距離を取得するものとしたが、これに限定されない。無線端末装置は、例えば、各無線基地局に対応する変更時間、エリア間距離、または各通信エリアの位置を予め格納し、現在どの通信エリアに位置するかに基づいて、対応する変更時間またはエリア間距離を取得してもよい。
また、無線端末装置は、同じ通信エリアであっても、無線端末装置の移動方向に応じて、異なる変更時間またはエリア間距離を採用しても良い。この場合、例えば、無線基地局は、複数の方角のそれぞれに対応付けて、その方角に位置する隣接する他の通信エリアに関する変更時間またはエリア間距離を、サービスデータに格納する。そして、無線端末装置は、無線端末装置の移動方向の方角をGPS等により取得し、取得した方角に対応する変更時間またはエリア間距離を取得する。
本発明に係る無線端末装置、無線通信システム、および無線通信制御方法は、電力消費を抑えつつ情報受信の遅延をより確実に防ぐことができるので、歩行者安全支援装置、高齢者の見守り装置、広告配信装置および観光案内配信装置等として有用である。
100 無線通信システム
200 無線基地局
210 通信エリア
300 ユーザ
400、400a 無線端末装置
401 起動制御部
402 無線通信部
403 アプリケーション部
404 情報保持部
405、405a サービス圏内判定部
406 圏内時起動間隔選択部
407 圏外判定部
408 圏外時間カウント部
409 圏外時起動間隔選択部
410a 圏外時間最大値算出部

Claims (8)

  1. 無線基地局と無線通信を行う無線端末装置であって、
    異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報を含むサービスデータを、前記無線通信により取得して利用するアプリケーション部と、
    前記無線通信を行う無線通信部と、
    前記無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、前記無線通信により前記複数の情報のいずれを取得可能であるかを判定するサービス圏内判定部と、
    前記複数の情報の少なくとも1つを前記無線通信により取得可能であるとき、当該情報に対応する前記所定の間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止を制御する起動制御部と、を有し、
    前記起動制御部は、
    前記複数の情報のいずれも前記無線通信により取得不可能であるとき、前記複数の所定の間隔のうち最も短い間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止を制御する、
    無線端末装置。
  2. 前記複数の情報の情報種別を保持する情報保持部、を更に有し、
    前記サービス圏内判定部は、
    前記無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、前記無線通信により送信されている情報の前記情報種別を判定し、判定結果が前記情報保持部に保持された前記情報種別に含まれるとき、当該情報種別の情報を前記無線通信により取得可能であると判定する、
    請求項1記載の無線端末装置。
  3. 前記複数の情報のいずれも前記無線通信により取得不可能である時間が、所定の時間長さに達したとき、前記起動制御部に対して前記最も短い間隔の制御に切り換えさせる圏外時起動間隔選択部と、
    前記複数の情報の少なくとも1つを前記無線通信により取得可能となったとき、前記起動制御部に対して当該情報に対応する前記所定の間隔の制御に切り替えさせる圏内時起動間隔選択部と、を有する、
    請求項1記載の無線端末装置。
  4. 前記サービスデータは、前記所定の時間長さを含み、
    前記所定の時間は、前記無線端末装置が前記無線基地局の通信エリアから隣接する他の無線基地局の通信エリアに移動する際の最小移動時間よりも短い時間である、
    請求項3記載の無線端末装置。
  5. 前記サービスデータは、前記無線端末装置が前記無線基地局の通信エリアから隣接する他の無線基地局の通信エリアに移動する際の最小移動距離を含み、
    前記起動間隔選択部は、前記サービスデータから得られる前記最小移動距離を前記移動の際の移動速度で除して得られる値に基づいて、前記所定の時間長さを取得する、
    請求項3記載の無線端末装置。
  6. 前記圏内時起動間隔選択部は、
    前記複数の情報の少なくとも2つを取得可能であるとき、前記起動制御部に対して、当該2つ以上の情報の前記所定の間隔のうち最も短い間隔の制御に切り換えさせる、
    請求項1記載の無線端末装置。
  7. 異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報の少なくとも1つを含むサービスデータをそれぞれ無線通信により送信し、互いの通信エリアが離隔している複数の無線基地局と、
    前記複数の無線基地局の各通信エリアの間を移動可能であり、前記無線基地局と無線通信を行う無線端末装置と、を有する無線通信システムであって、
    前記無線基地局は、
    前記無線端末装置が当該無線基地局の通信エリアから隣接する他の前記無線基地局の通信エリアに移動する際の最小移動時間に関する情報を、前記サービスデータにより送信し、
    前記無線通信端末は、
    前記複数の情報を含むサービスデータを前記無線通信により取得して利用するアプリケーション部と、前記無線通信を行う無線通信部と、前記無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、前記無線通信により前記複数の情報のいずれを取得可能であるかを判定し、前記最小移動時間を取得するサービス圏内判定部と、前記複数の情報の少なくとも1つを前記無線通信により取得可能であるとき、当該情報に対応する前記所定の間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止を制御する起動制御部と、前記複数の情報のいずれも前記無線通信により取得不可能である時間が前記最小移動時間に基づく所定の時間長さに達したとき、前記起動制御部に対して前記複数の所定の間隔のうち最も短い間隔の制御に切り換えさせる圏外時起動間隔選択部と、を有する、
    無線通信システム。
  8. 無線基地局と無線通信を行う無線通信部と、異なる所定の間隔で取得すべき複数の情報を含むサービスデータを前記無線通信により取得して利用するアプリケーション部と、を備えた無線端末装置における無線通信制御方法であって、
    前記無線通信により取得されるサービスデータに基づいて、前記無線通信により前記複数の情報のいずれを取得可能であるかを判定するステップと、
    前記複数の情報のいずれも前記無線通信により取得不可能である時間が、所定の時間長さに達したとき、前記複数の所定の間隔のうち最も短い間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止の制御を切り換えるステップと、
    前記複数の情報の少なくとも1つを前記無線通信により取得可能となったとき、当該情報に対応する前記所定の間隔で前記無線通信を行うように、前記無線通信部の起動/休止の制御を切り換えるステップと、
    を有する無線通信制御方法。
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