JP2011135010A - 基板処理装置 - Google Patents

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賢治 白子
Tenwa Yamaguchi
天和 山口
Hiroo Hiramatsu
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Abstract

【課題】基板処理を行って基板の処理品質を調べることなく、プラズマが適正状態になっているかどうかを直接的に調べることが可能なプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】基板を収容する処理室46と、処理室内に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、反応ガスに電子ビーム24を照射して反応ガスプラズマを発生させる電子ビーム照射機構と、処理室内に配置され、反応ガスプラズマのプラズマ密度を電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定するプラズマ密度測定機構50と、を備えるプラズマ処理装置とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、基板処理装置に関するものである。
半導体装置の製造工程の一工程として、電子ビームを照射してプラズマ化した反応ガスを基板に供給して、基板を処理する工程が行われる場合がある。かかる工程は、例えば基板を収容する処理室と、処理室内に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、反応ガスに電子ビームを照射してプラズマを発生させる電子ビーム照射機構と、を備える基板処理装置により実施されてきた(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−33064号公報
上記のような基板処理装置にて処理を行う場合、電子ビームによって発生するプラズマの密度が基板処理の品質に影響を及ぼし得る。このため、装置立ち上げ時や基板処理条件を変更したときなどは、プラズマの密度が適正な状態になっているかを確認する必要がある。しかしこれまではそれを直接的に確認する方法がなく、処理室内で実際に基板を処理し、基板の処理品質を調べることで、間接的に確認していた。
そこで本発明の目的は、基板処理を行って基板の処理品質を調べることなく、プラズマが適正状態になっているかどうかを直接的に調べることができる基板処理装置を提供することである。
本発明の一態様は、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内と連通するプラズマ発生室と、
前記処理室内に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、
前記プラズマ発生室内に電子源ガスを供給する電子源ガス供給機構と、
前記電子源ガスが供給された前記プラズマ発生室内に電子源ガスプラズマを発生させるプラズマ発生機構と、
発生させた前記電子源ガスプラズマから電子を抽出して電子ビームを発生させ、前記処理室内に供給された前記反応ガスに前記電子ビームを照射して反応ガスプラズマを発生させる電子ビーム照射機構と、
前記処理室内に配置され、前記処理室内に発生させた前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定するプラズマ密度測定機構と、を備える
基板処理装置である。
本発明によれば、基板処理を行って基板の処理品質を調べることなく、プラズマが適正状態になっているかどうかを直接的に調べることができる。
本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の斜透視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる基板処理装置の側面透視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる処理炉の構成図であって、特に処理室部分を断面図で示す図面である。 図3のA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるプローブユニットの上端部の斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるプラズマ密度測定方法を示すフロー図である。 本発明の第1の実施形態にかかるプラズマ密度調整方法を示すフロー図である。 本発明の第1の実施形態にかかる電子ビーム励起プラズマの発生メカニズムを説明する概略図である。 本発明の第1の実施形態にかかる制御電極のメカニズムを説明する概略図である。 本発明の第2の実施形態にかかる基板処理装置の処理室部分の横断面図である。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態にかかる基板処理装置について、その構成を以下に説明する。
(1)基板処理装置の全体構成
本実施形態にかかる基板処理装置の一例として、基板処理装置101の構成例について、図1、図2を用いて説明する。図1は基板処理装置101の斜透視図であり、図2は基板処理装置101の側面透視図である。それぞれの図において、カセットステージ114のある面を基板処理装置101の正面とし、正面の側を基板処理装置101の前方、それとは反対の処理炉202のある側を後方、基板処理装置101の正面に向かって右手を右、左手を左とした。基板処理装置101の上下は、重力方向のとおりである。
図1および図2に示すように、本実施形態にかかる基板処理装置101は筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの下方には、筐体111内をメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が設けられている。正面メンテナンス口103には、正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104が設けられている。基板としてのウエハ6を筐体111内外へ搬送するには、複数のウエハ6を収納するウエハキャリア(基板収納容器)としてのカセット110が使用される。正面メンテナンス扉104には、カセット110を筐体111内外へ搬送する開口であるカセット搬入搬出口(基板収納容器搬入搬出口)112が、筐体111内外を連通するように開設されている。カセット搬入搬出口112は、フロントシャッタ(基板収納容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。カセット搬入搬出口112の筐体111内側には、カセットステージ(基板収納容器受渡し台)114が設けられている。カセット110は、図示しない工場内搬送装置によってカセットステージ114上に載置され、また、カセットステージ114上から筐体111外へ搬出されるように構成されている。
カセット110は、工場内搬送装置によって、カセット110内のウエハ6が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、カセットステージ1
14上に載置される。カセットステージ114は、カセット110を筐体111の後方に向けて90°回転させ、カセット110内のウエハ6を水平姿勢とさせ、カセット110のウエハ出し入れ口を筐体111内の後方に向かせることが可能なように構成されている。
筐体111内の前後方向でみた略中央部には、カセット棚(基板収納容器載置棚)105が設置されている。カセット棚105は、複数段、複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105には、後述するウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。また、カセットステージ114の上方には、予備カセット棚107が設けられ、予備のカセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収納容器搬送装置)118が設けられている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収納容器昇降機構)118aと、カセット110を保持したまま水平移動可能な搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収納容器搬送機構)118bと、を備えている。これらカセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、予備カセット棚107、移載棚123の間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構(基板移載機構)125が設けられている。ウエハ移載機構125は、ウエハ6を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bと、を備えている。なお、ウエハ移載装置125aは、ウエハ6を水平姿勢で保持するツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連続動作により、ウエハ6を移載棚123上のカセット110内からピックアップして後述するボート(基板保持具)217へ装填(ウエハチャージ)したり、ウエハ6をボート217から脱装(ウエハディスチャージ)して移載棚123上のカセット110内へ収納したりするように構成されている。
筐体111の後部上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部には開口が設けられ、かかる開口は炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。なお、処理炉202の構成については後述する。
処理炉202の下方には、ウエハ6を移載棚123上のカセット110内からボート(基板保持具)217へ装填・脱装する空間である移載室124が設けられている。移載室124内には、ボート217を昇降させて処理炉202内外へ搬入搬出させる昇降機構としてのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設けられている。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が設けられている。アーム128上には、ボート217を垂直に支持するとともに、ボートエレベータ115によりボート217が上昇したときに処理炉202の下端部を気密に閉塞する炉口蓋体としてのシールキャップ219が水平姿勢で設けられている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ6を、水平姿勢で、かつその中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に保持するように構成されている。
カセット棚105の上方には、供給ファンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニット
134aが設けられている。クリーンユニット134aは、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。
また、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびボートエレベータ115側の反対側にあたる筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するよう供給ファンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニット(図示せず)が設置されている。図示しない前記クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125a、ボート217を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるように構成されている。
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施形態にかかる基板処理装置101の動作について説明する。
まず、カセット110がカセットステージ114上に載置されるに先立って、カセット搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。その後、カセット110が、工場内搬送装置によってカセット搬入搬出口112から搬入され、ウエハ6が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、カセットステージ114上に載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、筐体111の後方に向けて90°回転させられる。その結果、カセット110内のウエハ6は水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口は筐体111内の後方を向く。
次に、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へ自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107から移載棚123に移載されるか、もしくは直接、移載棚123に搬送される。
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ6は、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cによって、ウエハ出し入れ口を通じてカセット110からピックアップされ、ウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連続動作によって移載室124の後方にあるボート217に装填(ウエハチャージ)される。ボート217にウエハ6を受け渡したウエハ移載機構125は、カセット110に戻り、次のウエハ6をボート217に装填する。
予め指定された枚数のウエハ6がボート217に装填されると、処理炉202の下端部を閉じていた炉口シャッタ147が開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、ウエハ6群を保持したボート217が処理炉202内へ搬入(ボートローディング)される。ローディング後は、処理炉202にてウエハ6に任意の処理が実施される。かかる処理については後述する。処理後は、ウエハ6およびカセット110は、上述の手順とは逆の手順で筐体111の外部へ搬出される。
(3)処理炉の構成
続いて、本実施形態にかかる処理炉202の構成について、図3および図4を参照しながら説明する。図3は、図1および図2に示す基板処理装置101の処理炉202の構成図であって、特に処理室46部分を断面図で示してある。図4は、図3のA−A断面図である。
(処理室)
本実施形態にかかる処理炉202は、基板としてのウエハ6の表面に処理ガスを供給し
、ウエハ6に酸化処理や拡散処理、CVD(Chemical Vapor Deposition)処理、ALD(Atomic Layer Deposition)処理等を行うことが可能なように、例えばウエハ6を複数積載可能な縦型処理炉として構成されている。
図3に示すように、処理炉202は、プロセスチューブ7とマニホールド8とを有している。プロセスチューブ7は、例えば石英(SiO)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性を有する非金属材料から構成され、上端部が閉塞され、下端部が開放された円筒形状に構成されている。マニホールド8は、例えばSUS等の金属材料から構成される環状に構成されている。プロセスチューブ7は、マニホールド8により下端部側から縦向きに支持されている。プロセスチューブ7の下端部、マニホールド8の上側および下側にはそれぞれ環状のフランジが設けられている。プロセスチューブ7下端部とマニホールド8上側のフランジ間にはOリングなどの図示しない封止部材が設けられ、両者の間は気密に封止されている。
プロセスチューブ7の内部には、基板としてのウエハ6を複数積層して収容する処理室46が形成されている。そして、基板支持機構としてのボート217が、上述した昇降機構としてのボートエレベータ115によって下方から処理室46内に挿入されるように構成されている。
ボート217は、複数枚(例えば75枚から100枚)のウエハ6を、略水平状態で所定の隙間(基板ピッチ間隔)をもって多段に保持するように構成されている。ウエハ6を装填したボート217の最大外径は、プロセスチューブ7及びマニホールド8の内径よりも小さくなるように構成されている。ボート217は、回転機構36を介してシールキャップ219上に搭載されている。シールキャップ219はマニホールド8に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。ボートエレベータ115が上昇した際には、マニホールド8下側のフランジとシールキャップ219との間に設けられた図示しない封止部材によって、両者の間は気密に封止される。先に述べたプロセスチューブ7とマニホールド8との間、並びにマニホールド8とシールキャップ219との間が気密に封止されることで、処理室46内の気密性が保たれる。また、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を垂直方向に昇降させることで、ボート217を処理室46内外に搬送することが可能となっている。
シールキャップ219の下方には、回転機構36が設けられている。回転機構36はシールキャップ219を貫通してボート217に接続されており、処理室46内の気密性を保持したまま、複数のウエハ6を搭載したボート217を回転させることができるように構成されている。ボート217を回転させることで、ウエハ6の処理均一性を向上させることができる。
プロセスチューブ7の外周にはプロセスチューブ7と同心円状の円筒形状に、加熱機構としてのヒータ16が設けられており、処理室46に挿入されたウエハ6を所定の温度に加熱する。
(プラズマ発生室)
プロセスチューブ7の内壁には、ウエハ6の積層方向に沿って上下方向に延び、複数の吹出口12を持つ隔壁11が設けられている。プロセスチューブ7の内壁と隔壁11とにより、処理室46内に連通するプラズマ発生室17が形成されている。隔壁11は、中心壁11aと、接続壁11bとから構成されている。中心壁11aは、プロセスチューブ7と同心円状の断面円弧状に形成され、ボート217に支持された各ウエハ6の外周に沿う
ように配置されている。接続壁11bは、中心壁11aの端部とプロセスチューブ7の内壁とを接続している。
隔壁11の中心壁11aには、電子ビーム24を吹き出させる複数の吹出口12が設けられている。吹出口12は、プロセスチューブ7内にて上下方向に多段に支持されたウエハ6間に電子ビーム24を噴出するように構成されている。吹出口12は、ボート217に支持されたウエハ6の中心方向に向くように、また隣接するウエハ6間の領域の高さ位置に対応するように、上下方向に等間隔でそれぞれ配列されている。なお、吹出口12は、ウエハ6の中心方向に向く場合に限らず、ウエハ6の中心から多少ずれた方向に向くように構成されていてもよい。処理室46とプラズマ発生室17とは、吹出口12を介して連通している。隔壁11は、吹出口12を除いて、処理室46とプラズマ発生室17とを気密に区画している。
(ガス供給機構)
本実施形態にかかる処理炉202は、処理室46内に反応ガスを供給する反応ガス供給ライン(図示せず)と、プラズマ発生室17内に電子源ガスを供給する電子源ガス供給ライン(図示せず)とを備えている。反応ガス供給ラインおよび電子源ガス供給ラインは、図示しない反応ガス供給源、電子源ガス供給源、マスフローコントローラ、複数のバルブ等を備える。
反応ガス供給ラインの下流側端部は、プロセスチューブ7の側壁を貫通するガス導入ポート37aに接続され、反応ガスを処理室46内に直接供給するように構成されている。また、電子源ガス供給ラインの下流側端部は、プロセスチューブ7の側壁を貫通する図示しないガス導入ポートに接続され、電子源ガスをプラズマ発生室17内に直接供給するように構成されている。
主に、反応ガス供給ライン(反応ガス供給源、マスフローコントローラ、複数のバルブ)、ガス導入ポート37aにより反応ガス供給機構が構成され、電子源ガス供給ライン(電子源ガス供給源、マスフローコントローラ、複数のバルブ)、ガス導入ポートにより電子源ガス供給機構が構成される。
(プラズマ発生機構)
プロセスチューブ7の外周側であってプラズマ発生室17に対応する位置には、金属や炭素等の通電性物質からなる一対の電極22が配置され、一対の電極22とプロセスチューブ7との間には、金属製のシールド23が配設されている。一対の電極22の両端には、第1の電源としての高周波電源13がそれぞれ接続され、電子源ガスが供給されたプラズマ発生室17内に、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductivity Coupled Plasma)を発生するよう構成されている。主に、一対の電極22、シールド23、及び高周波電源13によりプラズマ発生機構が構成される。
(電子ビーム照射機構)
プラズマ発生室17の中には、バイアス電極としてのグリッド電極19と、加速電極としてのアノード電極20とが設けられている。グリッド電極19およびアノード電極20は平板状に形成され、ウエハ6の積層方向に沿ってプラズマ発生室17内に立設されている。グリッド電極19とアノード電極20とは互いの主面が平行に対向するように設けられている。グリッド電極19はプロセスチューブ7の内壁に対向するように設けられ、アノード電極20は隔壁の中心壁11aと対向するように設けられている。また、グリッド電極19とアノード電極20との間に、同様にウエハ6の積層方向に沿って立設される平板状の制御電極としての中間電極29が設けられている。
グリッド電極19には第2の電源としての直流電源21の陰極側が接続されており、アノード電極20には直流電源21の陽極側が接続されている。また、中間電極29には、第3の電源としての直流電源31の陽極側が接続されている。直流電源21の陽極側及び直流電源31の陰極側はそれぞれ接地されている。すなわち、グリッド電極19はマイナス電位、中間電極29はプラス電位、アノード電極20はゼロ電位となるように構成されている。
グリッド電極19、中間電極29、及びアノード電極20には、図3に示すように、吹出口12に対応する位置であって互いに同心円状になるように、電子通過孔19a、29a、20aがそれぞれ複数設けられている。
主に、グリッド電極19、アノード電極20、中間電極29、直流電源21、および直流電源31により、プラズマ発生室17内にて発生させた電子源ガスプラズマから電子を集束させつつ抽出し、電子ビーム24を発生させて、処理室46内に供給された反応ガスに電子ビーム24を照射する電子ビーム照射機構が構成される。
(プラズマ密度測定機構)
プラズマ中に電極を挿入して電圧を印加すると、電子やイオンの衝突によって電流が流れる。プローブ法は、例えばこの電流値からプラズマ中の電子温度や電子密度、イオン密度等を測定する、簡便かつ安価な手法である。この電子密度およびイオン密度、つまり単位体積あたりの荷電粒子の個数がプラズマ密度である。このようなプラズマ密度の測定器としては、ラングミュアプローブ、プラズマ吸収プローブ、レゾナンスプローブ等が知られており、電極となるプローブをひとつのみ有するシングルプローブタイプや、複数のプローブを有するデュアルプローブ、トリプルプローブ等がある。
本実施形態においては図5を参照し、一例としてデュアルプローブタイプのプローブユニット50について説明するが、本発明において使用可能なプラズマ密度の測定器はこの場合に限られない。
図5は、プローブユニット50の上端部の斜視図である。プローブユニット50は、上下に延びる支柱としてのシャフト51を有し、シャフト51の上端部にはプローブヘッド52が接続されている。プローブヘッド52からは、測定素子としての探針(プローブ)53が例えば2本、水平方向に延びている。探針53は、例えば針状の形状をしており、例えばタングステン(W)、白金(Pt)などの導電性材料から形成されている。探針53は先端部を除き、絶縁性材料により形成される絶縁管54で被覆されている。この探針53の露出部分にて、プラズマ中の荷電粒子が検出される。なお、探針53の形状はこのほか、円筒形状のものや、先端に円盤部を設けて電極面積を広くしたもの、コイル状のものであってもかまわない。また、プローブユニット50の有する探針53はひとつであってもよく、3つ以上であってもよい。
プローブユニット50は図3に示すように、シールキャップ219に設けられたポート37bを介して、処理炉202に着脱可能に取り付けられている。シャフト51の下端部には、シャフト51を処理室46内で昇降・回転させる図示しないシャフト駆動機構が設けられている。ポート37bは処理室46内の機密性を保ったまま、シャフト51を昇降・回転させることができるように構成されている。図3、図4に示すように、シャフト51は例えば処理室46内の、プラズマ発生室17の隔壁11近傍で、かつウエハ6外周部にあたる位置に、ウエハ6の積層方向に沿って立設されている。シャフト51の上端部にプローブヘッド52を介して支持される探針53は、ウエハ6の保持面に対して水平姿勢となる。
探針53は、シャフト51の昇降に応じて、ウエハ6の積層方向に沿って上下動する。シャフト51の昇降可能範囲は、少なくともボートに保持されるウエハ6の積層高さに等しい。探針53を最下層のウエハ6表面近傍にあたる位置から最上層のウエハ6表面近傍にあたる位置まで昇降させることにより、任意のウエハ6積層位置におけるプラズマ密度を測定することが可能なように構成されている。
探針53は、シャフト51の回転に応じて、ウエハ6の保持面に対して水平方向に旋回する。探針53の旋回可能範囲は、少なくとも電子ビーム24の照射方向に沿った2点、好ましくはプラズマ発生室17の隔壁11に設けられた吹出口12近傍およびウエハ6中心部にあたる2点に、探針53の露出部分が届く程度であればよい。少なくとも電子ビーム24の照射方向に沿った2点間を探針53が移動することにより、ウエハ6面内の任意の位置でプラズマ密度を測定し、かつプラズマ密度分布を測定することが可能なように構成されている。
探針53には、シャフト51内に配設された図示しないケーブルを介して、探針53に電圧を印加する図示しない測定用電源と、測定器本体55とが接続されている。測定器本体55は、例えば測定・データ解析機能を備えたコンピュータである。もしくは、例えば後述するコントローラ40に測定・データ解析機能を持たせ、別体としての測定器本体55を有していなくてもよい。
主に、プローブユニット50(探針53、プローブヘッド52、シャフト53)、測定器本体55、測定用電源、およびシャフト駆動機構により、プラズマ密度測定機構が構成される。
(排気ライン)
プロセスチューブ7の側壁下方であって、プラズマ発生室17が設けられている側と反対側には、処理室46内の雰囲気を排気する開口である排気口32が設けられている。排気口32には、真空ポンプ38が設けられた図示しない排気ラインが接続されている。
(制御部)
制御部であるコントローラ40は、高周波電源13、直流電源21、直流電源31、図示しないシャフト駆動機構、図示しない測定用電源、測定器本体55、反応ガス供給ラインおよび電子源ガス供給ラインが備える図示しないマスフローコントローラおよび複数のバルブ、ボートエレベータ115、回転機構36、ヒータ16、真空ポンプ38等に接続されている。コントローラ40により、高周波電源13、直流電源21、直流電源31、測定用電源の電圧印加・停止、シャフト駆動機構の昇降・回転動作、測定器本体55の測定・データ解析作業、マスフローコントローラの流量調整動作、バルブの開閉動作、ボートエレベータ115の昇降動作、回転機構36の回転速度調節、ヒータ16の温度調整動作、真空ポンプ38の起動・停止等の制御が行われる。
(4)プラズマ密度の測定および調整工程
続いて本実施形態に係るプラズマ密度測定工程、およびプラズマ密度調整工程について、図6および図7を用いて説明する。本実施形態に係るプラズマ密度測定工程およびプラズマ密度調整工程は、半導体装置の製造工程の一工程として実施される。
図6および図7に示す各工程に先駆けて、処理室46内には例えば空のボート217が搬入(ボートローディング)され、シールキャップ219は図示しない封止部材を介してマニホールド8の下側をシールした状態となっている。そして、プローブユニット50がボート37bを介して処理炉202に取り付けられており、ポート37bはプローブユニット50を処理室46内に挿入させつつ処理室46内を気密に保っている。マニホールド
8、シールキャップ219、ポート37b、プローブユニット50間がすべて気密に封止されることで、処理室46内が気密に保たれる。
なお、ここではウエハ6を装填(ウエハチャージ)せず、空のボート217を使用することとするが、例えばベアシリコン(Si)等のダミーのウエハ6が1枚あるいは複数枚、ボート217に装填されていてもよい。これにより、プラズマ密度測定時の処理室46内の状態を通常の基板処理時の状態に近づけることができる。
〔プラズマ密度測定方法〕
図6に、本実施形態に係るプラズマ密度測定工程を含むプラズマ密度測定方法を示す。以下、その詳細について説明する。なお、以下の説明において、図3にかかる処理炉202を構成する各部の動作は、コントローラ40により制御される。
(減圧工程・昇温工程S1)
まず、処理室46内を真空ポンプ38により排気して減圧する。また、ヒータ16によって処理室46内の温度を制御する。この際、処理室46内が所望の温度分布となるように、温度センサが検出した温度情報に基づきヒータ16への通電具合をフィードバック制御する。また、ボート217と探針53との干渉を防ぐため、回転機構36は作動させず、ボート217は停止した状態のままとする。
(ガス供給工程S2)
そして、反応ガス供給ラインより処理室46内に反応ガスを供給するとともに、電子源ガス供給ラインよりプラズマ発生室17内に電子源ガスを供給する。具体的には、図示しないマスフローコントローラにより各々流量制御しながら、ガス導入ポート37aを介して反応ガスを処理室46内に供給し、図示しないガス導入ポートを介して電子源ガスをプラズマ発生室17内へ供給する。
(プラズマ発生工程S3・電子ビーム照射工程S4)
次に、プラズマ発生工程S3および電子ビーム照射工程S4において、プラズマ発生機構により電子源ガスプラズマを発生させ、電子ビーム照射機構により処理室46内に電子ビーム24を照射して、反応ガスプラズマである電子ビーム励起プラズマ(EBEP:Electron−Beam−Excited−Plasma)を発生させる。これらS3およびS4の工程で発生させた電子ビーム励起プラズマは、後述するS7の工程終了時まで継続的に発生させ続ける。
以下に、図8および図9を用いて、電子ビーム励起プラズマの発生メカニズムを具体的に説明する。
プラズマ発生室17内に電子源ガスを供給した状態で、高周波電源13により一対の電極22へ高周波電圧を印加することにより、プラズマ発生室17内に電子源ガスプラズマが発生した状態となる(S3)。図8に示すように、プラズマ発生室17内に発生した電子源ガスプラズマ中には、電子源ガスのガス分子の正イオン(図中Cと表わす)25と電子(図中eと表わす)26とが混在しており、全体として中性を保っている。
そこへ、直流電源21、及び直流電源31を作動させて、グリッド電極19、中間電極29、アノード電極20間にそれぞれ所定の電界を発生させる。その結果、電子源ガスプラズマ中の電子26は、縦方向に多段に電子通過孔19aが形成されたグリッド電極19によって軌道修正を受けて集束され、さらに、グリッド電極19と同様に縦方向に多段に電子通過孔20aが形成されたアノード電極20に向かって加速されることで抽出される。加速された電子26は、電子ビーム24となって隔壁11に多段に形成された吹出口1
2より、処理室46内のボート217に保持されるウエハ6の間にあたる領域に放出される。一方、処理室46内には反応ガスが供給されており、この反応ガスのガス分子(図中Bと表わす)28に、電子ビーム24が照射される。その結果、ウエハ6間にあたる領域に電子ビーム励起プラズマ(EBEP)が発生し、反応ガスのガス分子28が励起されて活性種が発生したり、ガス分子28から新たに電子(図示せず)が放出されてイオン(図中Bと表す)27が発生したりする(S4)。
実際の基板処理工程では、このように生成した活性種やイオン27がウエハ6等と反応して、ウエハ6の処理が施される。
なお、図8および図9に示すように、ウエハ6間にあたる領域にて生成されたイオン(B)27は電気的に中性ではないため、電子ビーム24とは逆方向30へ流れ、隔壁11に多段に形成された吹出口12を介してプラズマ発生室17内へと流れ込もうとする。しかしながら図9に示すように、グリッド電極19とアノード電極20との間に設置された中間電極29に対して直流電源31により正の電圧を印加することにより、イオン(B)27は軌道修正を受け、ゼロ電位に設置されたアノード電極20へと吸収されることとなる。これにより、イオン(B)27がプラズマ発生室17内へ流れ込んでグリッド電極19に衝突することを抑制でき、グリッド電極19がスパッタリングされてしまうことを抑制できるので、プラズマ発生室17内に電子源ガスプラズマを安定して発生させることが可能となる。
(測定位置調節工程S5)
次に、探針53を所定の測定位置に配置させるため、図示しないシャフト駆動機構を用いてシャフト51を昇降方向に動かして、プローブヘッド52の高さ位置を調節する。次にシャフト駆動機構によりシャフト51を回転させ、探針53を任意のウエハ6積層位置の上方で、電子ビーム24の照射方向に沿った任意の箇所、例えば吹出口12近傍に配置させる。
(プラズマ密度測定工程S6)
これにより、上記のように発生させた電子ビーム励起プラズマ中に探針53が配置されることとなり、この状態でプラズマ密度測定機構にてプラズマ密度を測定する。すなわち、図示しない測定用電源からシャフト51を介して探針53に電圧を印加する。そして、電子ビーム励起プラズマ中の電子(図示せず)やイオン27が探針53に衝突し、電流が流れる。測定器本体55ではこの電流値から、プラズマ密度を算出する。
(繰り返し工程S7)
次に、図示しないシャフト駆動機構によりシャフト51を回転させて、探針53を例えばウエハ6中心部上方にあたる箇所に配置させ、プラズマ密度を測定する。このように、必要に応じてS5〜S6の工程を繰り返すことで、任意の複数箇所におけるプラズマ密度を測定することができ、プラズマ密度の分布が得られる。これにより、電子ビーム24の集束度や直動性についても、大まかに把握することが可能である。すなわち、電子ビーム24の照射方向に沿ってプラズマ密度の低下や不均一性が生じている場合は、電子ビーム24が充分に集束していなかったり直動性を失っていたりするために、ウエハ6の中心部まで電子ビーム24が届いていないことが推測される。
(真空排気工程S8)
その後、高周波電源13から一対の電極22への高周波電圧の印加を停止し、直流電源21および直流電源31からグリッド電極19、中間電極29、アノード電極20への直流電圧の印加を停止する。また、反応ガス供給ラインからの反応ガスの供給を停止するとともに、電子源ガス供給ラインからの電子源ガスの供給を停止する。そして、上述の排気
ラインにより処理室46内を排気して、処理室46内を所定の圧力まで減圧する。
以上により、実際にウエハ6を処理して処理品質を調べることなく、処理室46内の所定箇所におけるプラズマ密度を直接的に測定することができる。
〔プラズマ密度調整方法〕
次に、上記により測定したプラズマ密度が所定の値ではない場合のプラズマ密度調整方法について、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係るプラズマ密度調整工程とプラズマ密度再測定工程とを含むプラズマ密度調整方法を示すフロー図である。以下、その詳細について説明する。
(S1〜S7)
まず、上述のとおりS1〜S7の工程により、当初のプラズマ密度およびその分布を測定する。これらの値が所定値から外れていた場合、以下の工程により調整を行う。
(プラズマ密度調整工程S71)
プラズマ密度調整工程S71においては、高周波電源13、直流電源21、および直流電源31の印加電圧、並びに電子源ガスの流量のいずれかひとつまたは複数を制御して、電子ビーム励起プラズマのプラズマ密度を所望の値に調整する。
ここで、電子ビーム24が照射されて反応ガスが励起もしくはイオン化される割合は、処理室46内の圧力や電子26の持つエネルギー等により特定される励起能率および電離能率で決まる。したがって電子ビーム24の状態、例えば電子ビーム24の集束度や直動性を適正化することで、プラズマ密度およびその分布を所定値に調整することができる。具体的にはプラズマ発生機構や電子ビーム照射機構、より具体的には高周波電源13や直流電源21の印加電圧を制御することで、電子ビーム励起プラズマを所望のプラズマ密度に調整することができる。
また、中間電極29は直接的には電子ビーム24の発生に関与していないが、上述のように中間電極29に電圧を印加することにより、プラズマ発生室17内の電子26の軌道や加速度に影響を与えうる。そのため、中間電極29に印加する電圧を制御することで、電子ビーム24の状態を適正化し、プラズマ密度を調整することができる。加えて、プラズマ発生室17内に供給される電子源ガスの流量も、間接的にではあるが電子ビーム24の発生に影響を与えるため、電子源ガスの流量を調整することも所望のプラズマ密度を得るための有効な手段のひとつとなりうる。
(測定位置調節工程S72・プラズマ密度再測定工程S73)
次に、高周波電源13、直流電源21、および直流電源31の印加電圧、並びに電子源ガスの流量を適宜制御して得られた調整済みのプラズマ密度を、必要に応じて測定位置を再調節し(S72)、再測定する(S73)。
(測定繰り返し工程S74)
所定の箇所での測定が終了するまで、S72〜S73を繰り返す。
(調整繰り返し工程S75)
さらに、所望のプラズマ密度が得られるまで、S71〜S74までを繰り返す。
(真空排気工程S8)
その後、高周波電源13、直流電源21、および直流電源31を停止する。また、反応ガスおよび電子源ガスの供給を停止する。そして、上述の排気ラインにより処理室46内
を排気して、処理室46内を所定の圧力まで減圧する。
以上により、実際にウエハ6を処理して処理品質を調べることなく、所望のプラズマ密度を直接的に得ることができる。その後、実際にウエハ6を処理室46内に搬入し、ウエハ6にプラズマを用いて所定の処理を施す基板処理工程を行う。なお、上記S71〜S75までの工程は、コントローラ40によって自動制御で行ってもよいし、各々の操作をオペレータを介して手動で行ってもよい。
〔基板処理工程〕
ここで、本実施形態にかかる基板処理装置101における基板処理工程について、いくつかの例を挙げて説明する。
上述した反応ガスおよび電子源ガスには、例えば酸化処理や、拡散処理、成膜処理等、基板処理装置101における処理内容に応じて種々のガスを用いることができる。
例えば、水素(H)活性種によるウエハ6上自然酸化膜除去を行う場合、電子源ガスとして例えばヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N)ガス等を用いることができ、ここから電子26を抽出して電子ビーム24を発生させ、処理室46内に供給した反応ガスとしての水素ガスに照射して水素活性種を発生させ、ウエハ6上の自然酸化膜を除去する。なおこのとき、電子源ガスとして反応ガスと同一のガス、すなわち水素ガスを用いることも可能である。
また、CVD法を用いて例えば窒化シリコン(Si)膜をウエハ6上に成膜する場合、電子源ガスとして例えばヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス等を用い、反応ガスとして例えばアンモニア(NH)ガスを用いる。処理室46内には原料ガス供給ラインを別に設けて、原料ガスとしてシラン系ガス、例えばジクロロシラン(DCS:SiHCl)ガスをさらに供給し、アンモニア活性種とジクロロシランガスを反応させて窒化シリコン膜をウエハ6上に成膜する。
さらに、ALD法を用いて例えば窒化シリコン膜を成膜する場合、予め原料ガス、例えばジクロロシランガスを処理室46内に供給してウエハ6上に吸着させる工程と、そこへ電子ビーム24によりプラズマ化させた反応ガスとしてのアンモニアガスを供給して反応させる工程と、を所定回数実施するようにすればよい。
上記CVD法やALD法における成膜処理は、窒化シリコン膜のほか、例えば酸化シリコン(SiO)膜や酸化メタル膜等、種々の膜種について適用可能である。
(5)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示すひとつまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、基板を収容する処理室46と、処理室46内に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、反応ガスに電子ビーム24を照射して反応ガスプラズマを発生させる電子ビーム照射機構と、処理室46内に配置され、処理室46内に発生させた反応ガスプラズマのプラズマ密度を電子ビーム24の照射方向に沿った所定の箇所で測定するプラズマ密度測定機構と、を備える基板処理装置としている。これにより、基板処理を行って基板の処理品質を調べることなく、プラズマが適正状態になっているかどうかを直接的に調べることができる。また、基板処理を行って基板の処理品質を調べる作業を省くことができるので、時間とコストを大幅に削減することができる。
(b)また本実施形態によれば、プラズマ密度測定機構により反応ガスプラズマのプラズ
マ密度を電子ビーム24の照射方向に沿った少なくとも2箇所で測定させている。これによりプラズマ密度分布が得られ、プラズマや電子ビーム24、特に電子ビーム24の集束度や直動性が適正状態になっているかどうかを調べることができる。
電子ビーム24の状態、具体的には例えば集束度や直動性は、プラズマ発生室17内の圧力、高周波電源13から印加される高周波電圧、グリッド電極19と中間電極29との間隔、両電極に設けられた電子通過孔19aと29aとの孔径、および両電極に印加される直流電圧等により確定する。したがって特定の基板処理装置にて基板処理条件の変更を行うことなく処理をすれば、電子ビーム24の状態は常にほぼ一定である。
しかし装置立ち上げ時には、上記に挙げるハード構成の状態が微妙に変わることで、当初、電子ビーム24が適正な状態になっていない場合がある。また基板処理条件、特に処理室46内の圧力を変更したときなどは、処理室46内での電子ビーム24の状態に直接的に影響を及ぼすほか、プラズマ発生室17内の圧力等に変化をきたし、電子ビーム24が適正状態から外れる場合がある。電子ビーム24が適正な状態にない場合、反応ガスプラズマも影響を受け、例えば成膜時であれば、成膜速度が低下したり、成膜される膜の厚さが薄くなったり、ウエハ6の面内での膜厚均一性が悪化したりという弊害が起こり、結果として成膜品質の低下や生産性の悪化を招く。
したがって装置立ち上げ時や基板処理条件変更時には、事前に電子ビーム24やプラズマの状態を確認しておく必要がある。これまでは電子ビーム24やプラズマが適正な状態になっているかどうかを直接的に調べる手段がなかったため、処理室46内で実際にウエハ6に対して例えば成膜をし、その膜特性を調べるという間接的な方法が採られていた。
しかし本実施形態によれば、上記(a)および(b)で述べたとおり、基板処理を行ってその処理品質を調べることなく、プラズマ密度やプラズマ密度分布から、プラズマの状態や電子ビーム24の状態、具体的には例えば電子ビーム24の集束度や直動性を直接的に知ることができるので、時間とコストを大幅に削減することができる。
(c)また本実施形態によれば、プローブ法を用いた簡便かつ安価な測定器、例えばプローブユニット50を用いてプラズマ密度を測定することができる。測定器を着脱可能としたので、複数の基板処理装置101にて適宜、流用することができ、いっそうのコストメリットが得られる。
(d)さらに本実施形態によれば、反応ガス供給機構、電子ビーム照射機構、プラズマ密度測定機構等を制御する制御部を備え、制御部が、プラズマ密度測定機構により測定させたプラズマ密度に基づいて、プラズマ発生機構と、電子ビーム照射機構とを制御して反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整する。これにより、当初のプラズマが適正な状態にないことが判明した場合には、基板処理を行って基板の処理品質を調べることなく、プラズマの状態を直接的に調整することができる。これによって、調整にかかる時間とコストを大幅に削減することができる。
(e)そしてさらに制御部は、反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整した後、プラズマ密度測定機構により、調整後のプラズマ密度を電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定させる。これにより、基板処理を行って基板の処理品質を調べることなく、調整後のプラズマ密度からプラズマが適正状態に調整されたかどうかを直接的に確認できる。これによって、調整後のプラズマ密度確認作業にかかる時間とコストを大幅に削減することができる。
[第2の実施の形態]
(1)プラズマ密度測定機構
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる基板処理装置について、その構成を図10を用いて説明する。ただし、本実施形態にかかる基板処理装置においては、プラズマ密度測定機構の構成に関わる部分のみが第1の実施の形態と異なっている。したがってそれ以外の構成についての詳細な説明は、前記基板処理装置101と同様の機能を有する構成要件に同一の符号を付して省略する。
図10に、本実施形態にかかる基板処理装置の処理室46部分の横断面図を示す。図10に示すように、本実施形態にかかるプラズマ密度測定機構は、2個のプローブユニット60、70を有し、各々のプローブユニット60、70は例えば第1の実施形態にかかるプローブユニット50と同様の構成を有している。すなわちプローブユニット60、70は、シャフト51、プローブヘッド52、探針53、および絶縁管54を、それぞれ有している。一方のプローブユニット60は、例えば処理室46内の電子ビーム24の上流側に設置され、もう一方のプローブユニット70は、例えば処理室46内の電子ビーム24の下流側に、プローブユニット60と斜向かいになるよう設置されている。これにより、各々のプローブユニット60、70の探針53、53の露出部分は電子ビーム24の照射方向に沿った上流側および下流側の所定の箇所に位置することとなる。換言すれば、本実施形態においては各々のプローブユニット60、70の探針53、53の露出部分が電子ビーム24の照射方向に沿った所定の箇所にそれぞれ配置されていればよく、プローブユニット60、70自体は互いにどの位置に設置されていてもよい。したがってプローブユニット60、70は、例えば電子ビーム24を挟んで対向する位置、あるいはいずれも同じ側に設置されていてもよい。
(2)プラズマ密度測定方法
本実施形態にかかるプラズマ密度測定機構を用いてプラズマ密度を測定する場合、それぞれのプローブユニット60、70が有する探針53、53の位置を調節し、任意のウエハ6積層位置の上方で、電子ビーム24の照射方向に沿った任意の箇所、例えばプローブユニット60の探針53を吹出口12近傍に、プローブユニット70の探針53をウエハ6中心部上方にあたる箇所に、それぞれ配置する。そして、この状態でそれぞれの位置におけるプラズマ密度を測定する。こうして、測定位置の調節とプラズマ密度測定を所定回数繰り返すことにより、所定箇所におけるプラズマ密度の値が得られる。
なお、本実施形態においてプラズマ密度測定機構が有するプローブユニットは、2個に限らず3個以上のプローブユニットであってもよい。また、プラズマ密度測定機構は各々独立したプローブユニットを有する必要はなく、例えば独立に複数の測定結果を与える複数個あるいは複数組の探針を有していてもよい。
(3)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示すひとつまたは複数の効果を奏する。
本実施形態によれば、プラズマ密度測定機構には測定素子が複数設けられ、反応ガスプラズマのプラズマ密度を電子ビーム24の照射方向に沿った少なくとも2箇所で測定する。これにより、基板処理を行って基板の処理品質を調べることなく、プラズマが適正状態になっているかどうかを直接的に調べることができ、時間とコストを大幅に削減することができる。また、同時に複数の測定結果が得られるので、測定にかかる時間を短縮することができる。
[他の実施の形態]
以上、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、シャフト51の回転機能により旋回可能な探針53を有するプローブユニット50、60、70を用いる場合につい
て説明したが、シャフト51の昇降・回転機能に替えて、例えばプローブヘッド52自体を昇降・回転可能に構成し、プローブヘッド52が探針53を昇降・旋回自在に保持していてもよい。また、探針53は旋回運動に替えて、あるいは旋回運動に加えて、電子ビーム24の照射方向に沿って直動可能に構成されていてもよい。さらに探針53の移動機構を何ら設けることなく、任意のウエハ6積層位置における、電子ビーム24の照射方向に沿った任意の箇所に、探針53が固定的に設置されていてもよい。この場合であっても、独立した探針53を複数有していれば複数個所のプラズマ密度測定が可能である。また、探針53を複数有さない場合であっても、特定箇所のプラズマ密度測定が可能であり、その測定結果に基づいて、特定箇所におけるプラズマ密度を所定値に調整することが可能である。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態では、プラズマ発生室17におけるプラズマ発生機構として、例えば高周波を印加することによるICP源を採用しているが、プラズマ源はこれに限定されない。例えば、電子サイクロトロン共鳴プラズマや、表面波プラズマなど、スパッタ作用を極力抑えたプラズマ発生方式であれば他の方式を用いたプラズマ発生機構を採用することも可能である。
また、第1の実施形態および第2の実施形態では、電子ビーム照射機構として制御電極としての中間電極29、および第3の電源としての直流電源31を備える場合について説明したが、電子ビーム照射機構は中間電極29、および直流電源31を備えていなくてもよい。その場合、直流電源21により、グリッド電極19には負電圧が印加され、アノード電極20には正電圧が印加される。すなわち、グリッド電極19はマイナス電位、アノード電極20はプラス電位となるように構成される。
さらに、第1の実施形態および第2の実施形態では、電子ビーム24を処理室46内の反応ガスに照射し、反応ガスプラズマとしての電子ビーム励起プラズマを発生させる基板処理装置について説明したが、プラズマ発生室17で発生させたプラズマを、直接処理室46内に拡散させる基板処理装置であってもよい。その場合、電子源ガス供給ライン、グリッド電極19、アノード電極20、中間電極29、直流電源21および31を廃した基板処理装置にて、電子源ガスの替わりに反応ガスをプラズマ発生室17内に供給し、高周波電源13により一対の電極22に高周波を印加し、プラズマを発生させる。プラズマは、吹出口12を介して処理室46内へ拡散する。このような基板処理装置においてプラズマ密度を調整するには、高周波電源13の電圧を制御することで、プラズマ発生室17内で発生させたプラズマを直接的に調整できるほか、プラズマ発生室17内に供給される反応ガスの流量を制御することによっても、プラズマ密度を調整することが可能である。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
本発明の第1の態様は、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内と連通するプラズマ発生室と、
前記処理室内に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、
前記プラズマ発生室内に電子源ガスを供給する電子源ガス供給機構と、
前記電子源ガスが供給された前記プラズマ発生室内に電子源ガスプラズマを発生させるプラズマ発生機構と、
発生させた前記電子源ガスプラズマから電子を抽出して電子ビームを発生させ、前記処
理室内に供給された前記反応ガスに前記電子ビームを照射して反応ガスプラズマを発生させる電子ビーム照射機構と、
前記処理室内に配置され、前記処理室内に発生させた前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定するプラズマ密度測定機構と、を備える
基板処理装置である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の基板処理装置において、
前記反応ガス供給機構と、前記電子源ガス供給機構と、前記プラズマ発生機構と、前記電子ビーム照射機構と、前記プラズマ密度測定機構と、を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記反応ガス供給機構により前記処理室内に前記反応ガスを供給させ、
前記電子源ガス供給機構により前記プラズマ発生室内に前記電子源ガスを供給させ、
前記プラズマ発生機構により前記プラズマ発生室内に前記電子源ガスプラズマを発生させ、
前記電子ビーム照射機構により前記反応ガスに前記電子ビームを照射させて前記反応ガスプラズマを発生させ、
前記プラズマ密度測定機構により前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定させ、
測定させた前記プラズマ密度に基づいて、前記プラズマ発生機構と、前記電子ビーム照射機構と、を制御して前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整する。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の基板処理装置において、
前記制御部は、
前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整した後、
前記プラズマ密度測定機構により、調整された前記プラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で再び測定させる。
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記制御部は、
前記プラズマ密度測定機構により前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った少なくとも2箇所で測定させる。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記プラズマ密度測定機構は、
前記処理室内に配置され、前記基板の前記処理室内での保持面に対して垂直方向に立設される支柱と、
前記支柱に支持され、前記保持面に対して水平姿勢をとる導電性材料を有する測定素子を備える。
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載の基板処理装置において、
前記支柱は、
前記処理室内に昇降可能に配置され、
前記測定素子を昇降させる。
本発明の第7の態様は、第5または第6の態様のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記支柱は、
前記処理室内に回転自在に配置され、
前記測定素子を前記基板の前記処理室内での保持面に対して水平方向に旋回させる。
本発明の第8の態様は、第5〜第7の態様のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記支柱は、
前記処理室内に水平方向に直動可能に配置され、
前記測定素子を前記基板の前記処理室内での保持面に対して水平方向に直動させる。
本発明の第9の態様は、第5〜第8の態様のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記測定素子は複数設けられ、
前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った少なくとも2箇所で測定する。
本発明の第10の態様は、第2〜第9の態様のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記プラズマ発生機構は、
前記プラズマ発生室内に供給された前記電子源ガスを挟んで互いに対向する一対の電極と、
前記一対の電極にそれぞれ接続され、前記一対の電極間に交流電圧を印加する第1の電源と、を有し、
前記電子ビーム照射機構は、
前記電子源ガスプラズマに対向するように前記プラズマ発生室内の前記処理室側に設けられ、前記電子源ガスプラズマから前記電子を抽出するバイアス電極と、
前記バイアス電極と対向して前記電子源ガスプラズマ側とは反対側に設けられ、抽出された前記電子を加速して前記電子ビームを発生させる加速電極と、
前記バイアス電極および前記加速電極にそれぞれ接続され、前記バイアス電極および前記加速電極の電位をそれぞれ調節する第2の電源と、を有し、
前記制御部は、
測定させた前記プラズマ密度に基づいて、前記第1の電源と前記第2の電源とを制御して前記電子ビームの集束度および直動性の少なくとも一方を調整し、前記電子源ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整する。
本発明の第11の態様は、第10の態様に記載の基板処理装置において、
前記加速電極は接地されており、
前記電子ビーム供給機構は、
対向する前記バイアス電極と前記加速電極との間に配置される制御電極と、
前記制御電極に接続され、前記制御電極の電位を調節する第3の電源と、を有し、
前記制御部は、
測定させた前記プラズマ密度に基づいて、前記第3の電源を制御して前記電子ビームの集束度および直動性の少なくとも一方を調整し、前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整する。
本発明の第12の態様は、第2〜第11の態様のいずれかに記載の基板処理装置において、
制御部は、
測定させた前記プラズマ密度に基づいて、
前記電子源ガス供給機構を制御して前記電子源ガスの流量を変更させ、
前記電子ビームの集束度および直動性の少なくとも一方を調整し、前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整する。
本発明の第13の態様は、
基板を収容する処理室内に反応ガスを供給する反応ガス供給工程と、
前記処理室内と連通するプラズマ発生室内に電子源ガスを供給する電子源ガス供給工程と、
前記プラズマ発生室内に電子源ガスプラズマを発生させるプラズマ発生工程と、
前記電子源ガスプラズマから電子を抽出して電子ビームを発生させ、前記処理室内に供給した前記反応ガスに前記電子ビームを照射して反応ガスプラズマを発生させる電子ビーム照射工程と、
前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定するプラズマ密度測定工程と、を有する
半導体装置の製造方法である。
本発明の第14の態様は、第13の態様に記載の半導体装置の製造方法において、
前記プラズマ密度測定工程の後に、
測定した前記プラズマ密度に基づいて、前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整するプラズマ密度調整工程を有する。
本発明の第15の態様は、第14の態様に記載の半導体装置の製造方法において、
前記プラズマ密度調整工程の後に、
調整した前記プラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で再び測定するプラズマ密度再測定工程を有する。
本発明の第16の態様は、第13〜第15の態様のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記プラズマ密度測定工程および前記プラズマ密度再測定工程の少なくとも一方では、前記プラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った少なくとも2箇所で測定する。
本発明の第17の態様は、第14〜第16の態様のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記プラズマ発生工程では、
前記プラズマ発生室内に供給した前記電子源ガスを挟んで互いに対向する一対の電極に、前記一対の電極にそれぞれ接続する第1の電源により交流電圧をそれぞれ印加して前記電子源ガスプラズマを発生させ、
前記電子ビーム照射工程では、
前記電子源ガスプラズマに対向するように前記プラズマ発生室内の前記処理室側に設けられ、前記電子源ガスプラズマから前記電子を抽出するバイアス電極、および
前記バイアス電極と対向して前記電子源ガスプラズマ側とは反対側に設けられ、抽出した前記電子を加速して前記電子ビームを発生させる加速電極、の電位を、
前記バイアス電極および前記加速電極にそれぞれ接続される第2の電源によりそれぞれ調節し、前記電子ビームを照射し、
前記プラズマ密度調整工程では、
前記第1の電源および前記第2の電源を制御して前記電子ビームの集束度および直動性の少なくとも一方を調整し、前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整する。
本発明の第18の態様は、第17の態様に記載の半導体装置の製造方法において、
前記電子ビーム照射工程では、
前記加速電極を接地し、
対向する前記バイアス電極と前記加速電極との間に配置される制御電極の電位を、
前記制御電極に接続される第3の電源により調節し、
測定した前記プラズマ密度に基づいて、前記第3の電源を制御して前記電子ビームの集束度および直動性の少なくとも一方を調整し、前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密
度に調整する。
本発明の第19の態様は、第14〜第18の態様のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記プラズマ密度調整工程では、
前記電子源ガスの流量を制御して前記電子ビームの集束度および直動性の少なくとも一方を調整し、前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整する。
本発明の第20の態様は、
反応ガス供給機構により基板を収容する処理室内に反応ガスを供給する反応ガス供給工程と、
電子源ガス供給機構により前記処理室内と連通するプラズマ発生室内に電子源ガスを供給する電子源ガス供給工程と、
プラズマ発生機構により前記プラズマ発生室内に電子源ガスプラズマを発生させるプラズマ発生工程と、
電子ビーム照射機構により前記電子源ガスプラズマから電子を抽出して電子ビームを発生させ、前記処理室内に供給した前記反応ガスに前記電子ビームを照射して反応ガスプラズマを発生させる電子ビーム照射工程と、
前記処理室内に配置したプラズマ密度測定機構により前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定するプラズマ密度測定工程と、
制御部により測定した前記プラズマ密度に基づいて、前記プラズマ発生機構と、前記電子ビーム照射機構と、を制御して前記反応ガスプラズマを所定のプラズマ密度に調整するプラズマ密度調整工程と、を有する
半導体装置の製造方法である。
101 基板処理装置
6 ウエハ(基板)
17 プラズマ発生室
46 処理室

Claims (1)

  1. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内と連通するプラズマ発生室と、
    前記処理室内に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、
    前記プラズマ発生室内に電子源ガスを供給する電子源ガス供給機構と、
    前記電子源ガスが供給された前記プラズマ発生室内に電子源ガスプラズマを発生させるプラズマ発生機構と、
    発生させた前記電子源ガスプラズマから電子を抽出して電子ビームを発生させ、前記処理室内に供給された前記反応ガスに前記電子ビームを照射して反応ガスプラズマを発生させる電子ビーム照射機構と、
    前記処理室内に配置され、前記処理室内に発生させた前記反応ガスプラズマのプラズマ密度を前記電子ビームの照射方向に沿った所定の箇所で測定するプラズマ密度測定機構と、を備える
    ことを特徴とする基板処理装置。
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