JP2011134707A - 発光部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透光性を有し、かつ不要な方面への照射が抑制された有機EL装置、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】 透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層が順次積層された発光部材であって、前記第2の導電性電極層が、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域を含むことを特徴とする発光部材、並びにその製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、面光源として有機層を備えた発光部材、すなわち、主として照明を対象とした有機エレクトロルミネッセント(以下、「EL」と略することがある。)装置に関する。
有機EL装置は電気エネルギーを光エネルギーに変換する半導体素子である。近年、有機EL装置を用いた研究が加速的に行われるようになっており、すでに一部の照明分野では実用化が始まっている。
有機EL装置は、電力を投入するために少なくとも2つの電極を備えており、その電極に挟まれた有機層が光を発する。この有機EL装置を発光装置として利用するためには、その光を外部に取り出す必要があり、そのため、少なくとも一方の電極は透光性である必要がある。この透光性の電極材料として、AgやAu等の金属の極薄膜や、インジウム等をドープした酸化錫、アルミニウム等をドープした酸化亜鉛等の金属酸化物に代表される透光性の導電材料が用いられる。もう一方の電極は、電極の抵抗を下げるため、また有機層で発生した光を反射させ外部への光の取り出しの効率を上げるため、AgやAl等の金属膜が用いられる。ところが、金属膜は遮光性があるため有機EL装置には透光性がなく、外部の光を通すことができない。
この有機EL装置に透光性がないということに起因して、その応用範囲は限定的にならざるを得ない。例えば、住宅用の照明に応用する場合を考える。天井や壁に有機EL装置を照明として使用する場合、もともと天井や壁には透光性はないことから有機EL装置にも透光性は不要であり、従ってそのまま応用が可能である。ところが、天窓や窓に応用を考える場合、天窓や窓は外光を取り込む必要があるため、透光性のない有機EL装置は使用することができない。逆に、もし有機EL装置に透光性があり、天窓や窓に使用すれば、図3に模式的に示すように、昼間は透光性を利用して外光を室内に取り込み、夜は照明として使用する、という応用が生まれる。
この有機EL装置に透光性がないという問題を解決する方法として、遮光性の電極材料の代わりに透光性の電極材料を用い、有機層に電力を供給する両側の電極を透光性の材料にする方法がある。これにより、有機EL装置は透光性を持ち、外部の光を通すことができる。しかし、発光装置とする場合、両側の電極に透光性があるため、有機層で発せられた光は必然的に両側の電極から放射されてしまい、原理的に片側だけに光を放射することはできない。これでは、前記のように天窓や窓へ有機EL装置を応用する例では、外部を照らすことになるという問題がある。
特開2002−334792号公報
本発明は、透光性を有し、かつ不要な方面への照射が抑制された有機EL装置、並びに製造方法を提供することを目的とする。本発明は、所謂、透光性のある(以下「シースルー」と呼ぶこともある)有機EL装置の提供を目的とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層が順次積層された発光部材であって、前記第2の導電性電極層が、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域を含むことを特徴とする発光部材に関する。
好ましい実施態様は、前記可視光を50%以上透過する領域の少なくとも一部が、直径10μm以上1mm以下の複数の概略円であることを特徴とする前記の発光部材に関する。
好ましい実施態様は、前記可視光を50%以上透過する領域の少なくとも一部が、幅10μm以上1mm以下の溝であることを特徴とする前記の発光部材に関する。
好ましい実施態様は、前記第2の導電性電極層の積層体層とは反対側の面に接して、樹脂バインダーを含有する着色層を形成されてなる発光部材に関する。
好ましい実施態様は、前記透光性基板と透光性の封止板で、第1の導電性電極層、積層体層および第2の導電性電極層を挟み込み、少なくとも前記第2の導電性電極層と透光性の封止板の間に、透光性の樹脂が充填されていることを特徴とする前記の発光部材に関する。
好ましい実施態様は、発光部分が複数に分割され、かつ電気的に直列に接続されていることを特徴とする前記の発光部材に関する。
本発明は、透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層を順次積層する発光部材の製造方法であって、前記第2の導電性電極層を積層する際に、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域が含まれるように、第2の導電性電極層の一部の領域の膜形成を遮断することを特徴とする発光部材の製造方法に関する。
本発明は、透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層を順次積層する発光部材の製造方法であって、前記第2の導電性電極層を積層した後に、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域が含まれるように、前記第2の導電性電極層の一部を除去することを特徴とする発光部材の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記の第2の導電性電極層の一部を除去する手段が、透光性基板側からレーザービームを照射する手段であることを特徴とする前記の発光部材の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記第2の導電性電極層の一部を除去する手段を、複数のレーザービームを同時に照射する手段とすることに関する。
好ましい実施態様は、前記可視光を50%以上透過する領域が、直径10μm以上1mm以下の複数の概略円を含んで形成されることを特徴とする前記の発光部材の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記可視光を50%以上透過する領域が、幅10μm以上1mm以下の溝を含んで形成されることを特徴とする前記の発光部材の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記の方法により第2の導電性電極層を積層した後、透光性の樹脂と透光性の封止板を用いて、前記第1の導電性電極層、前記積層体層および前記第2の導電性電極層を封止することを特徴とする発光部材の製造方法に関する。
本発明により、透光性を有し、かつ不要な方面への照射が抑制された有機EL装置を提供することが可能となり、その応用範囲を広げることができる。
本発明の発光部材(シースルー有機EL装置)を概略的に示す平面図である。 本発明の発光部材(シースルー有機EL装置)を概略的に示す断面図である。 本発明の発光部材(シースルー有機EL装置)を窓に応用した説明図である。 本発明の発光部材(シースルー有機EL装置)の封止態様を概略的に示す断面図である。
本発明が対象としているのは、例えばガラスや高分子フィルム等に代表される透光性基板上に、第1の電極となる透光性導電層が形成され、その上に発光層を含む複数の各種有機化合物層と、裏面(第2)電極となる遮光性の電極層が形成されたいわゆるボトムエミッション型の有機EL装置である。より具体的には、本発明は、透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層が順次積層された発光部材(有機EL装置)であって、前記第2の導電性電極層が、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域を含むことを特徴とする発光部材(有機EL装置)である。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、透光性基板や透光性部材における「透光性」とは光を透過する性質を有することを意味し、具体的には、発光領域の可視光域(波長領域380〜780nm)における透過率が50%以上であればよい。以下、特に断らない限り「透光性」は上記の意味として用いる。
前記透光性基板としては特に制限されず、公知のものを使用できる。例えば、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラスなどのガラス基板、サファイヤ基板、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマーなどの透光性の高分子フィルム基板などを用いることができる。透光性基板の透過率は、発光する光のロスを減少する観点から、可視光域における透過率が80%以上であることが好ましく、さらに好ましくは95%以上である。
本発明の発光部材における第1の導電性電極層(以下、透光性導電層ともいう)は透光性部材により構成される。より具体的には、第1の導電性電極層は、ITO(酸化インジウム錫)、SnO(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)などに代表される透光性部材から構成された透光性導電層であることが好ましい。中でも、製膜およびパターニングの容易性の観点から、本発明の発光部材においてはITOがより好ましい。なお、導電性を補うために透光性導電層の下または上に遮光性の金属グリッド層を配してもよいが、このような部分透光性の第1の導電性電極層を用いる場合でも本発明を適用することができる。また、前記第1の導電性電極層中には、必要に応じて、例えばアルミニウム、ガリウム、ケイ素、ホウ素、ニオブなどの1種以上のドーパントがドーピングされていてもよい。前記第1の導電性電極層の透過率は、透明性の観点から、可視光域における透過率が70%以上であることが好ましく、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
本発明において、透光性基板上に透光性の第1の導電性電極層を積層する方法については特に制限されず、例えば、スパッタ法や熱CVD法等により形成することができる。
次に、上記透光性の第1の導電性電極層の上に、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層が形成される。当該積層体層は、例えば、複数の有機化合物層から構成されており、いわゆる発光層のほかに、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層等が含まれてもよい。また、これらの層は多くは接合を成すが、これら有機化合物層には複数の接合が含まれていてもよいし、これら多接合で良好な性能を得るために電荷発生層等を含んでいてもよい。より具体的には、これらの有機化合物層の中に一部薄膜のアルカリ金属層を含んでもよいし、無機層を含むこともできる。
上記有機発光層については公知の有機発光層を適用でき、例えば、ホール輸送層として真空蒸着法により形成された4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル上に、電子輸送層を兼ねて、真空蒸着法により70nmの厚みで形成される[トリス(8−ハイドロキシキノリナート)]アルミニウム(III)などがあげられる。
前記の複数の化合物層からなる積層体層を形成する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、低分子有機化合物等を蒸着法で形成してもよいし、高分子有機化合物の場合は印刷等で形成することも可能である。さらに金属層や金属酸化物層を形成する場合は、スパッタ、化学気相堆積法(CVD)等の方法で形成することも可能である。適宜それぞれの層に適切な形成法を選択すればよい。
本発明の発光部材(有機EL装置)においては、前記の有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層の上に、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層が積層される。有機EL装置は、電力を投入するために少なくとも2つの電極を備えており、その電極に挟まれた有機層が光を発する装置である。この有機EL装置を発光装置として利用するためには、その光を外部に取り出す必要があり、そのため、少なくとも一方の電極は前述のごとく透光性である必要がある。しかしながら、もう一方(裏面)の電極は電力を投入するためには必要であるが、必ずしも透光性である必要はない。そのため、透光性導電層として先に例示したITO等を用いることも可能であれば、遮光性を有する導電層としてAgに代表される金属層を用いることも可能である。
ところが、一般的に透光性の導電層は、金属層に比べて電気抵抗が高く、この抵抗による発熱によって発光効率の低下や、素子劣化、輝度分布の拡大等の問題が顕在化しやすい傾向がある。また、裏面にも透光性導電層を用いた場合は発光層で生じた光は両側に放出されるため、例えば片側のみを照らしたい場合には、反対側に無駄な光が放出されることになる。加えて、金属膜のような光の反射が起きないため、発光効率が極めて悪くなる傾向がある。以上より、本発明において第2の導電性電極層には、電気抵抗が低く、光の反射がよい、金属膜のような、遮光性部材により構成される導電性電極層が望ましい。なお、本発明において「遮光性」とは、光を透過する性質を有しない、又は非常に小さいことを意味し、具体的には、発光領域の可視光域における透過率が10%以下、好ましくは2%以下であればよい。
前記の遮光性部材により構成される第2の導電性電極層は、例えば、Ag、Al、Crなどの金属単体層や、MgAgなどの金属の合金層、あるいはこれらの複数層でも構わない。例えば、一部にアルカリ金属を含んでもよいし、金属酸化物を含んでもよい。また、本発明においては、これらの層を形成する方法は特に制限されず、例えば、低融点金属は抵抗加熱による蒸着法による形成でもよいし、高融点金属はEB(電子ビーム)蒸着法でもよいし、スパッタ等による方法で形成することも可能である。
本発明の発光部材においては、前記第2の導電性電極層が、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域(以下、透過領域ともいう)を含むことを特徴とする。ここで第2の導電性電極層の「総面積」とは、遮光性の第2の導電性電極層の外周部に囲まれた範囲の面積を意味し、「その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域を含む」とは、上記総面積を100%とした場合に対する、可視光を50%以上透過する領域の面積の比率、いわゆる開口率が2乃至40%の範囲であることを意味する。
前記開口率が2%未満の場合には、シースルー有機EL装置として用いる場合の透光性が不十分であり、逆に開口率が40%を超える場合には、有機EL照明装置として用いる場合の光量出力が不十分である。これに対し、遮光性の第2の導電性電極層が上記範囲の開口率を有する場合は、透過領域以外は、電力を与えられない状態では遮光領域として機能し、電力を与えられた状態では光を反射する発光領域として機能し、一方、透過領域は電力の付与にかかわらず透光領域として機能する、というシースルーの有機EL装置を実現できる。上記観点から、開口率の好ましい範囲は5乃至30%の範囲である。開口率が5%以上であれば、例えば、本発明の発光部材を窓ガラスとして利用する場合に、晴天時に直射日光をカットしつつ屋内に十分な採光が可能であり、また、30%以下であれば、十分に照明装置として光量を確保できる。
本発明においては、前記可視光を50%以上透過する領域の少なくとも一部が、直径10μm以上1mm以下の複数の概略円で構成されることが好ましい。透過領域における概略円の直径は、先述の開口率とも関係するが、10μm未満では、有機発光装置に実質的に透光性を付与できない傾向がある。また、逆に直径が1mmを超える場合は、透光性は十分得られるが透過領域が目立ち過ぎることとなり、また発光面積が実質的に小さくなることから、照明装置としては光量不足となる傾向がある。前記透過領域における概略円の直径の好ましい範囲は10μm乃至500μmの範囲であり、この範囲であれば、例えば窓ガラスとして本発明の発光部材を利用する場合に、晴天時に直射日光をカットしつつ屋内に十分な採光が可能である。
本発明においては、前記可視光を50%以上透過する領域の少なくとも一部が、平均幅10μm以上1mm以下の溝で構成されることが好ましく、更には平均幅10μm以上500μm以下の範囲であることがより好ましい。上述の開口率および透過領域の直径とも関係するが、透光性を十分得るためには、透過領域を大きくする必要があるが、逆に大きくし過ぎると透過領域が目立ってしまう。これを防ぐために、目立たない程度の小さな透過領域を連続的に配置して、隣接する開口部同士の一部を重なり合わせて溝にし、実質的な透過領域の面積を大きくして、透光性を得ることで実現できる。ここで溝とは、図1における2のように透過領域が重なり合って連続的に配置されていればよく、必ずしも直線溝でなくてもよい。
前記の遮光性の第2の導電性電極層における透過領域は、第2の導電性電極層を積層する際に、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域が含まれるように、第2の導電性電極層の一部の領域の膜形成を遮断する方法により製造することが好ましい。「第2の導電性電極層の一部の領域の膜形成を遮断する」方法の好適な例としては、マスクを用いて第2の導電性電極層を蒸着する方法があげられる。前記透過領域に必要な要件は、第2の遮光性の導電性電極層に可視光の50%以上が透過する領域があり、また第1の透光性電極層に損傷はなく、第2の電極層と第1の電極層は電気的に絶縁されていることであり、これらに加えて、透過領域の大きさや前述の開口率があげられる。上記要件を踏まえた上で、加工精度や、生産性、コストを勘案して、「第2の導電性電極層の一部の領域の膜形成を遮断する」方法は適宜選択すればよい。
一方、前記透過領域の少なくとも一部が、前記第2の導電性電極層を積層した後に、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域が含まれるように、前記第2の導電性電極層の一部を除去する方法により製造することが好ましい。上記の第2の導電性電極層を積層後に、この一部を除去して透過領域を作る方法として、例えば、フォトリソグラフィー、RIE(リアクティブイオンエッチング)、ウォータージェット、レーザービーム照射などの方法、およびこれらの組み合わせがあげられる。透過領域に必要な要件は先述した通りであるが、これらの要件を踏まえた上で、加工精度や、生産性、コストを勘案して適宜選択すればよい。
中でも、前記の「第2の導電性電極層を積層後に、この一部を除去して透過領域を作る方法」として、透光性基板側からレーザービームを照射することによって前記積層体層と第2の導電性電極層の一部を適宜除去する手段がより好ましい。レーザービームを照射する方法では、レーザービームは、任意のレーザーパワー(結果的には主として焦点位置)で照射できるので、第1の透光性電極層に損傷を与えず、また第2の遮光性電極層と第1の透光性電極層の間に電気的短絡を起こさない条件を容易に見出すことができる。加えて、透過領域の大きさの調整も、レーザーパワーを調整することにより可能である。レーザーザービームは、任意の加工速度でレーザー光源と前記透光性基板の位置を相対的にずらしながら照射されるため、透過領域の間隔や開口率も加工速度を調整することで容易に設計可能である。
このレーザービームの照射は、透光性基板側から入射されることが好ましい。透過領域に求められる要件は、先述のように第2の遮光性の電極層に可視光を50%以上透過する領域があり、第1の透光性電極層に損傷はなく、第2の遮光性電極層と第1の透光性電極層は電気的に絶縁されていることであるが、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層には、損傷があっても、透過領域が生じても構わない。
第2の導電性電極層は、遮光性のある反射率の高い金属薄膜またはそれを含む多層膜が用いられるが、レーザービームを第2の電極層側から照射した場合、エネルギー密度が小さい場合は大部分のレーザービームは反射されてしまい電極層の加熱に有効に働かないため電極層を除去することができない。さらにビーム強度を高めていくと第2の電極層である金属層が溶解することによって反射率が小さくなり大きなエネルギーを急激に吸収することになる。この場合には、第2の電極層や透光性の第1の導電性電極層までがレーザービームのエネルギーによって損傷を受け、所望のパターニングができなくなり、また第2の電極層と第1の電極層の電気的絶縁を保てなくなる傾向がある。すなわち、入射するレーザービームのエネルギー密度を適切に制御することが難しく、事実上適切な加工条件が見出せなくなる場合が多い。
これに対して、透光性基板側からレーザービームを照射した場合は、透光性基板や第1の透光性電極層での吸収がほとんどないため、エネルギー密度が低い場合でも積層体層でエネルギーが吸収される。先述のように、積層体層は損傷を受けてもよく、この吸収したエネルギーにより、ビーム照射周辺の温度を上昇させ、積層体層はガス化し、昇華成分によって第2の導電性電極層まで剥離され、これにより第2の電極層を除去することができる。また、この積層体層のガス化は、低エネルギー密度でできるため、微細なパターニングが可能であり、また第2の電極層と第1の電極層の電気的短絡を抑えることができる。
このレーザーレーザーの照射に用いられるレーザー光源は、ネオジウム添加のYAGパルスレーザーの高調波であることが好ましい。本発明では、第2の導電性電極層に透過領域を設ける際には、なるべく第1の透光性導電層に損傷を与えないことが望ましい。このため、照射するレーザー光としては積層体層に大きな吸収をもち、第1の透光性導電層での吸収は小さいことが求められる。ネオジウム添加のYAGパルスレーザーは、広く産業界に普及しており入手が容易であるばかりでなく、パルス状発振によって短時間ではあるが非常に大きなパワー密度を得ることができ、加工性の高いレーザーである。基本波の波長は1064nmであり、その高調波(532nm、355nm)は、ITO等の透光性導電材料にほとんど吸収がない。このため、第1の透光性導電層に損傷を与えることなく積層体層や第2の遮光性導電層電極層を除去することに適している。とくに第2高調波は、比較的レーザー光源として広く普及しており製造装置に用いることは好適といえる。
本発明においては、前記の方法により第2の導電性電極層を積層した後、透光性の樹脂と透光性の封止板を用いて、前記第1の導電性電極層、前記積層体層および前記第2の導電性電極層を封止することが好ましい。すなわち、この場合の発光部材は、透光性基板と透光性の封止板で、第1の導電性電極層、積層体層、および第2の導電性電極層が挟み込まれており、少なくとも前記第2の導電性電極層と透光性の封止板の間に、透光性の樹脂が充填されていることになる。
有機EL装置の封止方法として、第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、および第2の導電性電極層に接触しないように、一部を凹型に成形したガラス板や金属板を、透光性基板に覆い被せることが一般的である。ところが、金属板を用いた場合は、有機EL装置全体の透光性はなくなってしまう。また、ガラス板を用いた場合は、その凹型の内部は空間である場合が一般的であり、有機EL装置自体の機械的強度に問題があり、例えば、窓ガラスに応用した場合、問題となってしまう。本発明のように、透光性の樹脂を用いて、透光性基板と透光性の封止板で、第1の導電性電極層、積層体層、および第2の導電性電極層を挟み込めば、有機EL装置全体の透光性は確保でき、また機械的強度も得ることができる。加えて、凹型の板で覆い被せた場合はその中が空間であるため熱の伝導が悪いのに対して、樹脂で挟み込んだ場合は固体であるため熱の伝導がよく、有機EL装置で一般に問題となる均熱性の問題も解決でき、引いては素子の劣化を抑えることが可能となる。
ここで、前記の透光性の樹脂としては、例えば、UV硬化型や熱硬化型のエポキシ樹脂を用いることができる。また、透光性の封止板としては、前述の透光性基板と同様のものが使用可能であり、例えば、アルカリガラスなどガラス基板やアクリル樹脂などの高分子フィルム基板を用いることができる。
本発明の発光部材(有機EL装置)おいては、発光部分が複数に分割され、かつそれらが電気的に直列に接続されていることが好ましい。有機EL装置の面積を拡大すると透光性の第1の導電性電極層の電気抵抗が問題となって、発熱による発光効率低下や、素子劣化、輝度分布の拡大等の問題が顕在化する傾向がある。これを防ぐために、発光部分を複数に分割し、電気的に直列に接続して、透光性の第1の導電性電極層の実質的な電気抵抗を下げることが可能である。このような直列接続された有機EL装置においても本発明は適用でき、然るに大面積のシースルー有機EL装置(以下、大面積有機EL発光部材)が実現でき、窓や天窓にも応用ができることとなる。
(大面積化への対応)
しかしながら、このような大面積有機EL発光部材において、十分な透光性を得るためには、透過領域の発光面に対する面積比率を一定以上確保する必要があり、本発明の好ましい実施態様の如くレーザー光を照射しつつ走査することで、遮光性電極層等を除去する方法で透過領域、即ち、透光性開口を曲線、又は直線等の線に沿って形成する場合、レーザー光の照射及び走査を行ういわゆるレーザスクライブ工程の負荷つまり装置コストや加工時間が製造工程上過大となるという問題がある。
この問題を解決する方法としては、透過領域の形成を、同時に複数のレーザー光を基板上のそれぞれ異なる部分に照射する方法が効果的であり、レーザスクライブ工程の負荷を大幅に低下することができる。同時に複数のレーザー光を基板上のそれぞれ異なる部分に照射することにより、複数の透過領域が同時に形成され、透過領域の面積比率が大きい大面積有機EL発光部材を、低価格の装置で短時間に形成することができる。
ところで、各透過領域は、夫々を形成したレーザー光の状態を反映し、個々異なる形態を有する。そして、レーザー光の状態はレーザー光出射ヘッドが同じなら若干の時間変動を除き一定である。従って、上記のように同時に複数のレーザー光を照射し複数の透光性開口を線上に形成する場合には、同一のレーザー光出射ヘッドから出射されたレーザー光により形成された透過領域が隣接している面領域は、異なるレーザー出射ヘッドから出射されたレーザー光により形成された周囲の面領域とは異なった外観に見えるという問題がある。
この問題を解決する方法としては、隣り合う前記透過領域、即ち、線上の透光性開口が同一のレーザー光出射ヘッドからのレーザー光により形成された基板上の面領域の数を、前記複数のレーザー光の数よりも大きくすることが有効である。このようにすると、同一のレーザー光出射ヘッドから出射されたレーザー光により形成された線上の透光性開口が隣接している面領域の数を、一枚の基板内で少なくとも2面領域以上、間隔をもって、つまり別面領域を挟んで離れて存在させることができ、外観上平均化して一様に見える効果がある。ここで、別面領域とは、上記の同一のレーザー光出射ヘッドから出射されたレーザー光とは異なる、同一のレーザー光出射ヘッドから出射されたレーザー光により形成された線上の透光性開口が隣接している面領域のことである。
さらに、隣り合う前記線上の透光性開口が異なるレーザー光出射ヘッドからのレーザー光により形成されるようにすることが効果的である。このようにすると、同一のレーザー光出射ヘッドから出射されたレーザー光により形成された線上の透光性開口が隣接している領域自体が存在しないようにできるので、基板内で線上の透光性開口形成に伴う領域としての外観ムラを皆無にすることができる。
また、前記透光性開口が直線上に形成されてなる大面積有機EL発光部材とすると、同時に複数のレーザー光を基板上のそれぞれ異なる部分に照射するレーザスクライブ工程により、高い生産性が得られ、また外観上も好ましいものとなる。
さらに、隣り合う前記線上の透光性開口間の間隔が実質的に等間隔である大面積有機EL発光部材とすると、外観に優れた大面積有機EL発光部材となり好ましい。
特に、好ましい実施態様として集積化発光素子とした場合には、その直列接続の方向に平行に前記線上の透光性開口を形成することが、外観上また実生産上さらには施工上好ましい。
(着色層)
本発明の発光部材は、窓として用いた場合の室外側防眩性および室外側外観を向上させる観点から、好ましくは、遮光性電極層の積層体層の反対側の面、即ち、遮光性電極層の非発光側面に接して樹脂バインダーを含有する着色層が形成される。前記防眩とは、屋外に面する金属光沢面やガラス表面のような良く光を反射する面に、太陽光が直達した場合に周囲に眩さを感じさせないようにすることをいう。
前記樹脂バインダーを含有する着色層の形成は、遮光性電極層成膜後で、透過領域形成前であれば、後述する遮光性電極層分離溝形成前後どちらでも良いが、後述する着色層形成液による有機化合物層への悪影響の発生を防止する観点から、遮光性電極層分離溝形成前の方が好ましい。遮光性電極層成膜前に着色層を形成した場合には発光せず、また、透過領域形成後に着色層を形成した場合には本発明に係る発光部材の透光性は得られない。
前記樹脂バインダーを含有する着色層を形成する方法としては、塗装後には揮発する有機溶剤に、主成分として超微粒子が分散されてなり、バインダーとしてアクリル系樹脂やアクリルウレタン系樹脂が溶解されてなる着色層形成液をスプレー塗装する方法が好ましい。
前記着色層の厚みとしてはレーザー加工の安定性の観点から0.5μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.5μm〜3μm、さらに好ましくは1μm〜2μmである。
前記超微粒子としては、レーザー加工が可能な2μm程度の着色層の厚みで十分に着色された層を形成する観点、及び、スプレー塗装を可能とする観点から、個数平均粒径が1〜100nmの超微粒子が好ましく、その材料としてはグラファイト超微粒子が好ましく、黒色又は青色に着色することができる。
次に、本発明の具体的な実施例およびこれらの実施例に対する比較例の有機EL装置の詳細な製造方法と、これらの評価結果を説明する。
(実施例1)
平均膜厚150nmのITO膜を片面全体にコーティングした厚さ0.7mmの無アルカリガラスを基板として用いた。この基板(サイズ200mm×200mm)をITO膜が上になるようにXYステージ上に設置し、YAGレーザーの基本波を用いて上面からレーザービームを照射することにより、極力ガラスに損傷がないようにしてITO膜の一部を除去した。レーザーの発振周波数は15kHz、出力14W、ビーム径は約25μm、加工速度は50mm/秒であった。
この基板を中性洗剤で洗浄し、150℃で20分加熱乾燥させた後、短冊状の各ITO部分間の抵抗値が概ね20MΩ以上であることを確認した。その後、真空蒸着装置を用いてパターニングされた陽極電極上に低分子有機化合物を主成分とする積層体層を形成した。すなわち、ITO上の一層目には発光ユニットを形成するホール注入層として、酸化モリブデンと下記一般式1の4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(以下α−NPDと略す)を、各蒸着速度0.015nm/秒と0.135nm/秒で真空共蒸着法により、10nmの膜厚で形成した。
次いでホール輸送層として、α−NPDを真空蒸着法により50nm(蒸着速度0.08nm〜0.12nm/秒)の膜厚で形成した。
次いで、発光層は電子輸送層を兼ねた下記一般式2の[トリス(8−ハイドロキシキノリナート)]アルミニウム(III)(以下Alqと略す)を真空蒸着法により70nm(蒸着速度0.25nm〜0.30nm/秒)の膜厚で形成した。
次に、陰極にLiFを真空蒸着法により1nm(蒸着速度0.01nm〜0.05nm/秒)の膜厚で積層し、その上に陰極電極Alを真空蒸着法により150nm(蒸着速度0.30nm〜0.35nm/秒)の膜厚で製膜した。
その後、この複数の有機化合物層が積層されたガラス基板を、有機化合物層が下面になるようにXYステージに設置した。その際、端部4個所でガラス基板を固定し、ガラス基板がXYステージから平行に7mm隔離され、有機化合物層が直接XYステージに接触することのないように配置した。この状態で、YAGレーザーの第2高調波を用いて上面からレーザービームを照射することにより、極力ガラス基板およびITO層に損傷がないようにして有機化合物層の一部を、ITO層を除去した溝に平行に連続して除去した。レーザーの発振周波数は5kHz、出力0.4W、ビーム径は約25μm、加工速度は50mm/秒であり、ITOを除去した溝との距離は100μmであった。
有機化合物層の一部除去後に、再度ガラス基板を真空蒸着機に設置して、最表面のAl層上に第2の電極層としてAlを真空蒸着法によりさらに150nm(蒸着速度0.30nm〜0.35nm/秒)の膜厚で製膜した。
この有機化合物層が積層されたガラス基板を、Al層が下面になるようにXYステージに設置した。有機化合物層の除去の場合と同様に、端部4個所でガラス基板を固定し、ガラス基板がXYステージから平行に7mm隔離され、有機化合物層が直接XYステージに接触することのないように配置した。YAGレーザーの第2高調波を用いて上面からレーザービームを照射することにより、極力ガラス基板およびITO層に損傷がないようにしてAl層の一部を、有機化合物層を除去した溝に平行に連続して除去した。レーザーの発振周波数は5kHz、出力0.4W、ビーム径は約25μm、加工速度は200mm/秒であり、有機化合物層を除去した溝との距離は100μmであった。
次に、外周部との絶縁のために、ITOの除去線等と垂直方向にYAGレーザーの第2高調波を照射することにより、ITOと有機化合物層、第2の電極層を除去した。レーザーの発振周波数は5kHz、出力0.4W、ビーム径は約25μm、加工速度は50mm/秒であった。
次に、第2の導電性電極層に可視光を50%以上透過する領域を形成するために、この第2の電極層が積層されたガラス基板を、Al層が下面になるようにXYステージに設置した。端部4個所でガラス基板を固定し、ガラス基板がXYステージから平行に7mm隔離され、第2の電極層が直接XYステージに接触することのないように配置した。YAGレーザーの第2高調波を用いて上面からレーザービームを照射することにより、極力ガラス基板およびITO層に損傷がないようにして第2の電極層を、有機化合物層を除去した溝に垂直に繰り返し除去し、シースルー有機EL装置を完成した。レーザーの発振周波数は5kHz、出力0.4W、ビーム径は約100μm、加工速度は200mm/秒であり、透過領域は約100μm幅の溝とした。また、その溝の間隔は0.5mmであり、開口率は20%であった。
このようにして作製したシースルー有機EL装置、即ち、本発明の発光部材を昼間に室内窓際に置いたところ、窓に取り付けた通常のブラインドと同じ効果があり、外光を室内に取り込むことが出来た。また、夜間電力を与えると、室内を照らすことができ、照明として利用できた。
(比較例)
実施例1と同様に、第2の電極層まで有機EL装置を作製したが、透過領域は形成しなかった。昼間、当該装置を室内窓際に置いたところ、壁と同じで、外光を室内に取り込むことは出来なかった。また、昼間に室外側からこの有機EL装置を観察したところ、金属光沢表面となっており眩く感じる場合があった。
(実施例2)
実施例1において、第2の電極層の成膜後、即ち、遮光性電極層の成膜後であってレーザーにより遮光性電極層を除去する前、即ち、遮光性電極層分離溝形成前に、遮光性電極層の全面に着色層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、外周部との絶縁のための第2の電極層を除去までを実施して集積化発光素子を作製した。
即ち、遮光性電極層分離溝形成後に、外周部との絶縁のために、ITOの除去線等と垂直方向に、その方向に平行な基板の辺の縁から10mmの位置に、その方向に垂直な基板の辺の一方の縁から他方の縁に連続して、YAGレーザーの第2高調波を照射することにより、ITOと有機化合物層、第2の電極層、及び着色層を連続する溝形状に除去することで集積化発光素子を作製した。レーザーの発振周波数は5kHz、出力0.4W、ビーム径は約25μm、加工速度は50mm/秒であった。
前記着色層の形成は、着色層形成液として黒染めスプレー(有)トビカのトップガードを用いてスプレー塗装により、その厚みが1.5μmとなるように形成した。
この集積化発光素子は、以下の記載する順に積層されてなり、かつ、複数の単位発光素子が直列接続されてなる。また、この単位発光素子は、透光性電極層/積層体層/遮光性電極層から構成されてなり、隣り合う一方の発光素子の遮光性電極層が他方の発光素子の透光性電極層に接続されることで、電気的に直列接続されている。本明細書において積層体層のことを、この層で主に機能する材料が有機化合物であることから、有機化合物層と記載することがある。上述の実施例1と同様に実施例2において、積層体層は、厚さ150nmのAl層を陰極電極層として含む。
基板:無アルカリガラス、厚さ0.7mm
透光性電極層:ITO、厚さ150nm
積層体層、厚さ合計281nm
ホール注入層:MoO、α−NPD共蒸着膜、厚さ10nm
ホール輸送層:α−NPD、厚さ50nm
発光・電子輸送層:Alq、厚さ70nm
電子注入層:LiF、厚さ1nm
陰極電極層:Al、厚さ150nm
遮光性電極層:Al、厚さ150nm
着色層:グラファイト超微粒子分散バインダー樹脂、厚さ1.5μm
この集積化発光素子に、実施例1と同様にして、第2の導電性電極層、即ち、遮光性電極層に可視光を50%以上透過する領域(透過領域)を形成することで本発明の発光部材を作製した。
実施例2においては、発光素子への水分の侵入による悪影響を防止するため、特に、透過領域を形成したことによる信頼性の低下を防止するために、この発光部材の素子面にさらにプラズマCVDで膜厚0.5μmの窒化珪素膜を第一保護膜として形成し、さらに、その窒化珪素膜の上にポリシラザン液を塗布した後乾燥させることで厚さ0.5μmの第二保護膜を形成した。このようにして実施例2の本発明の発光部材を作製した。
このようにして作製した実施例2の本発明の発光部材を昼間に室内窓際に置いたところ、窓に取り付けた通常のブラインドと同じ効果があり、外光を室内に取り込むことが出来た。また、窓の外から観察したところ、黒色であり室内は観察されず、防眩性および外観に優れていた。さらに、夜間電力を与えると、室内を照らすことができ、照明として利用できた。
1 シースルー有機発光装置
2 可視光の50%以上が透過する領域
3 接続領域
11 透光性基板
12 第1の透光性電極層
13 発光層を含む積層体層
14 第2の遮光性電極層
21 透光性の封止板
22 透光性の樹脂

Claims (10)

  1. 透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層が順次積層された発光部材であって、
    前記第2の導電性電極層が、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域を含むことを特徴とする発光部材。
  2. 前記可視光を50%以上透過する領域の少なくとも一部が、直径10μm以上1mm以下の複数の概略円であることを特徴とする請求項1に記載の発光部材。
  3. 前記可視光を50%以上透過する領域の少なくとも一部が、幅10μm以上1mm以下の溝であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光部材。
  4. 前記第2の導電性電極層の積層体層とは反対側の面に接して、樹脂バインダーを含有する着色層が形成されてなる、請求項1乃至3のいずれかに記載の発光部材。
  5. 前記透光性基板と透光性の封止板で、第1の導電性電極層、積層体層、および第2の導電性電極層を挟み込み、少なくとも前記第2の導電性電極層と透光性の封止板の間に、透光性の樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発光部材。
  6. 発光部分が複数に分割され、かつ電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の発光部材。
  7. 透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層を順次積層する発光部材の製造方法であって、
    前記第2の導電性電極層を積層する際に、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域が含まれるように、第2の導電性電極層の一部の領域の膜形成を遮断することを特徴とする発光部材の製造方法。
  8. 透光性基板上に少なくとも透光性部材により構成される第1の導電性電極層、有機発光層を含む複数の化合物層からなる積層体層、遮光性部材により構成される第2の導電性電極層を順次積層する発光部材の製造方法であって、
    前記第2の導電性電極層を積層した後に、その総面積のうち2乃至40%の範囲に可視光を50%以上透過する領域が含まれるように、前記第2の導電性電極層の一部を除去することを特徴とする発光部材の製造方法。
  9. 前記の第2の導電性電極層の一部を除去する手段が、透光性基板側からレーザービームを照射する手段であることを特徴とする請求項8に記載の発光部材の製造方法。
  10. 前記第2の導電性電極層の一部を除去する手段が、複数のレーザービームを同時に照射する手段であることを特徴とする請求項8、又は9に記載の発光部材の製造方法。
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