JP2011131234A - リング状圧延ロール用スペーサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油切2とリング状圧延ロール1との間に挿入される片持式圧延機用ロールのスペーサ4を、テーパスリーブ3の外径よりも大径の内周面を備えた環状に形成し、油切2とリング状圧延ロール1との間に位置する平板状部4aと内周縁に周設された鍔状突起部4bを備え、鍔状突起部4bが、該スペーサ4のいずれの部分ともロール軸6及びテーパスリーブ3と非接触の状態となるように前記油切の内周縁に嵌合自在に形成する。
【選択図】 図3
Description
このブロック型圧延機は、一般に、上記特許文献1,2に示されるように、捻じらない方法で一本のストランド製品を熱間圧延するため、パスラインに沿って連続して設置された互いに逆向きに傾いた圧延ロールの対を複数備えており、圧延ロールは、上記特許文献にも開示されているように、ロール駆動軸に片持ちで保持された片持式圧延機用ロールが採用されている。
この片持式圧延機用ロールは、一般に、特許文献3や特許文献4に開示されているように、テーパ部を有したロール軸にテーパスリーブを介してリング状圧延ロールを圧入する構造を有し、ロール軸端部のねじ部を介した圧入・固定手段により、スリーブ及びリング状圧延ロールを精度良く固定するものである。この場合、リング状圧延ロールの軸方向位置は、ロール軸の圧延機スタンド側に装着された油切(アバットメント、或いはフリンガーともいう。)の側面にリング状圧延ロールの一方の側面を当接させることによって位置決めされる。
リング状圧延ロールのフランジ部の幅を縮小する場合、カリバセンターとパスラインを一致させるために、通常の輪形平板状リング形状のスペーサを上記の油切とリング状圧延ロールの間に挿入することも考えられる。しかし、スペーサは、テーパスリーブの外周に位置するように配置する必要があるが、特にスペーサの厚みが小さい場合、組み立て時に、その配置が精度良く行なえず、スペーサがテーパスリーブの先端と油切との間に挟まれ、テーパスリーブを必要位置まで押し込むことができないなどの問題がある。
即ち、本発明の要旨は、次のとおりのものである。
(1)ロール軸にテーパスリーブを介してリング状圧延ロールを圧入する構造を有し、ロール軸の圧延機スタンド側に装着された環状の油切の側面を基準としてリング状圧延ロールの軸方向の位置決めを行なう片持式圧延機用ロールにおける、前記油切とリング状圧延ロールとの間に挿入されるスペーサであって、
該スペーサが、前記テーパスリーブの外径よりも大径の内周面を備えた環状に形成されていて、前記油切とリング状圧延ロールとの間に位置する平板状部と、内周縁に周設された鍔状突起部とを有し、前記鍔状突起部が、該スペーサのいずれの部分とも前記ロール軸及びテーパスリーブと非接触の状態となるように前記油切の内周縁に嵌合自在に形成されていることを特徴とするリング状圧延ロール用スペーサ。
(2)前記平板状部の油切側に、マグネットを埋設したことを特徴とする上記(1)記載のリング状圧延ロール用スペーサ。
また、スペーサとテーパスリーブとが接触しないことから、テーパスリーブをロール軸の必要位置に確実に押し込むことができ、これにより、使用可能なスペーサの厚みの選択範囲を拡大させることができるため、リング状圧延ロールの幅を小さくできる対象部分を拡大させることが可能となり、この結果、リング状圧延ロールの重量を削減することによる省資源化を図ることができる。
前記油切2は、ロール軸6が挿通される内周面を備えた環状に形成されていて、ロール軸6の基端側における状圧延ロール1’と圧延機スタンド10との間に設けられた、後述する油切装着部6Aの外周に装着されている。
さらに、油切装着部6Aにおけるテーパ部側の端部には、応力集中を避けるための凹状R部7が、ロール軸6の外周面の周方向に溝状に切設されている。このとき、油切装着部6Aにおいて、実際に油切2の内周面が密着される部分の幅(軸線方向の長さ)、即ち凹状R部7以外の部分の幅は、前記油切2の内周面の幅(軸線方向の厚さ)よりも小さく形成されている。したがって、油切装着部6Aに装着された油切2は、該油切2のリング状圧延ロール側の一部が凹状R部側にはみ出した状態となり、これにより、油切2の内周面におけるリング状圧延ロール側の一部が凹状R部7によって形成された空間に露出した状態となっている。
リング状圧延ロール1’は、その内周面をテーパスリーブ3の外周面に嵌挿させると共に、該リング状圧延ロール1’の基端側(圧延機スタンド側)を前記油切2におけるリング状圧延ロール側の面に当接させて、該リング状圧延ロール1’のカリバセンター8aをパスラインLに一致させることにより位置決めを行った上で、後述するストッパ16によりその位置に固定される構成となっている。
ここで、図6のような片持式圧延機用ロールの組み立て構造において、通常の幅(軽量化しない場合の幅)を有するリング状圧延ロール1’を用いた場合、図1の上半(軸心線より上側の部分)に示すように、リング状圧延ロール1’の基端側(圧延機スタンド側)の側面を油切2の側面に当接させることにより位置決めしているため、これらリング状圧延ロール1’と油切2との間には隙間が生じない。
この場合においては、油切の側面を基準としたリング状圧延ロールの位置決めを行うため、この隙間Cを埋めるスペーサを挿入する必要があるが、図2に示すように、単に輪形の平板状スペーサ4’を挿入しても、スペーサの径方向の据え付け位置を精度良く確保できないため、スペーサ4’がロール軸6にぶら下がって油切2とテーパスリーブ3との間に挟まれる状態が生じる。この結果、テーパスリーブ3を必要位置まで圧入できず、リング状圧延ロール1を確実且つ精度よく所定の位置に固定することが困難となってくる。
以下、図3〜図5を用い、本発明に係るリング状圧延ロール用スペーサについて詳細に説明する。図3は、本発明のスペーサ4を油切2とリング状圧延ロール1との間に挿入した状態を示す図であり、(a)は縦断正面図、(b)はスペーサ4の側面図である。図4は、図3(a)の要部拡大図である。また、図5はスペーサを装着する際の一部破断正面図である。
この実施の形態においては、上述のようにロール軸6の油切装着部6Aのテーパ部側の端部に、応力集中を避けるための凹状R部7が形成され、それに伴う空間部が存在し、しかも、油切2の内周面の一部がこの空間部に露出していることから、前記鍔状突起部4bは、該空間部内を利用しながら、ロール軸6及びテーパスリーブ3に接触しない状態で油切2の内周面内に嵌入されている。これにより、この鍔状突起部4bの外周面が油切2の露出した内周面とほとんど当接した状態で嵌合され、この結果、スペーサ4全体の径方向の据え付け位置を精度良く且つ容易に確保することが可能となる。
また、この平板状部4aには、スペーサ4の油切2への取り付けに供するマグネット5が埋設されており、その磁力を利用してスペーサ4を容易に油切2の側面に取り付けることができるようになっている。この実施の形態においては、図3(b)に示すように、平板状部4aの4箇所に90度間隔でマグネット5を埋設している。なお、これらのマグネット5は、油切側端面は露出している方が好ましい。
したがって、スペーサの必要厚さの大小に関わらず、該スペーサがテーパスリーブと油切との間に挟まれることが防止される上、スペーサの径方向の据え付け位置の精度を向上させることができる。これにより、使用可能なスペーサの厚みの選択範囲を拡大させることができるため、リング状圧延ロールのフランジ部の幅を小さくできる対象部分を拡大させることができ、リング状圧延ロールの重量を削減することによる一層の省資源化を図ることができる。
2 :油切
3 :テーパスリーブ
4,4’:スペーサ
5 :マグネット
6 :ロール軸
6A :油切装着部
6B :テーパ部
Claims (2)
- ロール軸にテーパスリーブを介してリング状圧延ロールを圧入する構造を有し、ロール軸の圧延機スタンド側に装着された環状の油切の側面を基準としてリング状圧延ロールの軸方向の位置決めを行なう片持式圧延機用ロールにおける、前記油切とリング状圧延ロールとの間に挿入されるスペーサであって、
該スペーサが、前記テーパスリーブの外径よりも大径の内周面を備えた環状に形成されていて、前記油切とリング状圧延ロールとの間に位置する平板状部と、内周縁に周設された鍔状突起部とを有し、前記鍔状突起部が、該スペーサのいずれの部分とも前記ロール軸及びテーパスリーブと非接触の状態となるように前記油切の内周縁に嵌合自在に形成されていることを特徴とするリング状圧延ロール用スペーサ。 - 前記平板状部に、マグネットを埋設したことを特徴とする請求項1記載のリング状圧延ロール用スペーサ。
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