JP2011129801A - 情報処理装置、露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 露光装置の診断に有利な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】 ユニットの較正処理を行う機能を有する露光装置が行った処理に関して蓄積された情報を処理する情報処理装置は、指定条件に従って前記情報を分析することにより、各較正処理を行うまでの指定期間における前記露光装置の運用状況の類別を行い、前記類別により定まる特定の前記運用状況に該当する複数の較正処理に関して、較正値の変化を表す情報を生成して出力する、ものとする。
【選択図】 図4
【解決手段】 ユニットの較正処理を行う機能を有する露光装置が行った処理に関して蓄積された情報を処理する情報処理装置は、指定条件に従って前記情報を分析することにより、各較正処理を行うまでの指定期間における前記露光装置の運用状況の類別を行い、前記類別により定まる特定の前記運用状況に該当する複数の較正処理に関して、較正値の変化を表す情報を生成して出力する、ものとする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、露光装置で生成された情報を処理する情報処理装置、露光装置、デバイス製造方法、情報処理方法およびプログラムに関する。
半導体デバイスなどの微細なデバイスを製造するためのリソグラフィー工程で使用される露光装置には、高い解像力や重ね合わせ精度が要求される。そのため、基板を露光する前に、投影光学系の基準位置とアライメント計測系の基準位置との相対位置関係を較正するベースライン較正や、投影光学系のフォーカスや投影倍率の較正など、各種較正(キャリブレーション)が行なわれている。このような較正は、露光装置の使用条件もしくは使用環境(温度や気圧等)の変化または経時的な変化により、露光装置を構成するユニットの相対位置等が変化する為に必要となる(特許文献1および2)。
近年は、情報処理技術が進み、露光装置の処理過程で生成される情報の収集や処理が容易になったことから、当該情報を用いて、露光装置の異常検知や状態診断などを行うことが求められている。
上述の背景の下、露光装置におけるキャリブレーションにより得られた情報から、露光装置の異常の検知や、状態の診断を行うことが考えられる。使用条件の違いによるわずかな温度変化によっても露光装置を構成するユニットの相対位置は変化する。近年の微細デバイスでは、そのようなわずかな相対位置の変化も無視することができなくなっている。露光装置の様々な運用状況によって、露光装置内の温度の分布や変動も多様になる。したがって、キャリブレーションにより得られた情報をモニターするだけでは、露光装置の運用状況を考慮していないため、露光装置の異常検知や状態診断を正確に行うことは困難である。
本発明の第1の側面としての情報処理装置は、ユニットの較正処理を行う機能を有する露光装置が行った処理に関して蓄積された情報を処理する情報処理装置であって、
指定条件に従って前記情報を分析することにより、各較正処理を行うまでの指定期間における前記露光装置の運用状況の類別を行い、
前記類別により定まる特定の前記運用状況に該当する複数の較正処理に関して、較正値の変化を表す情報を生成して出力する、
ことを特徴とする情報処理装置である。
指定条件に従って前記情報を分析することにより、各較正処理を行うまでの指定期間における前記露光装置の運用状況の類別を行い、
前記類別により定まる特定の前記運用状況に該当する複数の較正処理に関して、較正値の変化を表す情報を生成して出力する、
ことを特徴とする情報処理装置である。
本発明によれば、例えば、露光装置の診断に有利な情報処理装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、露光装置の構成例に示す図である。露光装置100は、走査型の露光装置とし構成されている。露光装置100において、光源1から提供される光束は、照明光学系2により光量分布の調整および整形がなされ、レチクルステージ6に保持されたレチクル(原版)3を照明する。照明されたレチクル3のパターンは、ウエハステージ7上のウエハチャック8に保持されたウエハ(基板)5に投影光学系4を介して投影され、ウエハ上の感光剤(レジスト)が露光される。これにより、感光剤に潜像が形成される。潜像は、現像装置により現像され、後のエッチング工程等において使用されるマスクパターン(レジストパターン)となる。
照明光学系2には、例えば、コヒーレンスファクタ(σ値)を設定するための異なる複数の開口絞りが備えられうる。照明光学系2には、更に、当該開口絞りを切り替える機構や、照明光量を調整するための機構(例えば、複数のNDフィルタ及びそれを切り替える機構)が備えられうる。照明光学系2には、更に、光量を計測する光量検出器や、レチクルのパターン面での光束の形状を決めるスリットが備えられうる。また、レチクルのパターン領域に照明範囲を制限するためにレチクル3のパターン面と共役な位置に配置されたブラインド及びそれを駆動する駆動機構が備えられうる。光源1と照明光学系2とは、照明制御系21の指示によって動作が制御される。
投影光学系4には、その開口数を設定するための機構や、その収差を補正するためのレンズ(光学素子)駆動機構が備えられうる。投影光学系4は、投影光学系制御系24によって動作が制御される。
レチクルステージ6は、レチクルステージ計測系10によって、投影光学系の光軸(Z軸)に直交する面内において互いに直交する2つの軸(X軸・Y軸)の方向における位置、並びに、これらの軸周りの回転角が計測される。そして、レチクルステージ制御系11によって、その位置や姿勢が制御される。レチクルステージ計測系10は、レーザー干渉計を含んで構成されうる。
また、照明光学系2とレチクルステージ6との間には、TTR(Through The Reticle)方式のTTR観察光学系9が構成されている。TTR観察光学系9は、レチクル3上のマーク、または、レチクルステージ6に設置されているステージ基準マークと、ウエハステージ7上のステージ基準マークとを投影光学系4を介して同時に観測及び計測することができる。これによりレチクル3またはレチクルステージ6とウエハステージ7との投影光学系4の光軸の方向における相対位置、該光軸に直交する面内において互い直交する2つの軸の方向における相対位置、および、これらの軸周りの相対回転角を計測する。
ウエハ5の位置は、ウエハステージ計測系12及びフォーカス計測系30よって計測されうる。ウエハステージ計測系12は、例えば、投影光学系4の光軸の方向における位置、該光軸に直交する面内において互いに直交する2つの軸の方向における位置、および、これらの軸周りの回転角を計測する。ウエハステージ計測系12は、レーザー干渉計を含んで構成されうる。フォーカス計測系30は、投影光学系4の光軸の方向におけるウエハ5上の計測点の位置を計測できる。ウエハステージ制御系13は、ウエハステージ計測系12及びフォーカス計測系30から提供される情報に基づいてウエハステージ7の位置を制御する。
また、ウエハ5上に形成されたアライメントマークを非露光光を用いて撮像し、その位置を計測することができるオフアクシス観察光学系11が構成される。オフアクシス観察光学系11により得られたウエハ5上の複数のショット(被露光領域)のアライメントマークの位置に基づき、ウエハ5上の各ショットの位置(好ましくは更に形状)を算出できる。また、ウエハステージ7上に設置されたステージ基準マークを撮像し、その位置を計測できる。
スリット状の照明光束を用いてレチクル3上のパターン全体をウエハ5に転写するため、レチクル3を保持するレチクルステージ6は、図1において矢印により示された走査方向に駆動される。それと並行して、ウエハ5を保持するウエハステージ7も図1において矢印により示された走査方向に駆動される。ここで、レチクル3とウエハ5とは、投影光学系4の投影倍率に応じた速度比で駆動される。レチクル3とウエハ5との相対位置がずれると、ウエハ5に変形したパターンが転写される。そこで、主制御系16は、レチクル3とウエハ5との相対位置ずれなくなる(低減される)ように、レチクルステージ制御系11及びウエハステージ制御系13を制御する。
また、露光装置100は、レチクルライブラリ14や、レチクルロボット13などから構成されるレチクル搬送ユニット、および、レチクル3の位置をレチクルステージ6上のマークの位置に合わせるレチクルアライメントユニット29を備える。レチクル搬送ユニットはレチクル搬送制御系19の指示により動作する。また、露光装置100は、ウエハカセットエレベータ16や、ウエハ搬入出ロボット15などから構成されるウエハ搬送ユニットを備える。ウエハ搬送ユニットはウエハ搬送制御系26の指示により動作する。チャンバユニット31は、基板の露光がなされる雰囲気の温度調整や清浄を行なうユニットであり、露光装置100のチャンバ内部の環境を一定に保つ。チャンバユニット31はチャンバユニット制御系18の指示により動作する。
主制御系16は、露光装置100の構成要素、例えば、チャンバユニット制御系18、レチクル搬送制御系19、ウエハ搬送制御系26、レチクルステージ制御系22、ウエハステージ制御系25、照明制御系21、投影光学系制御系24等を制御する。主制御系16は、通信インターフェース17を介して、露光装置100の動作を規定するパラメータ(ジョブまたはレシピパラメータともいう)を取得し、それに基づいて露光装置100の各構成要素を制御する。また、主制御系16は、通信インターフェース17を介して後述の情報処理装置202に各種情報を送信する機能を有する。当該情報は、上述のパラメータや、動作状態・動作結果・較正結果・エラーイベントなどの各情報を含みうる。また、露光装置を識別する情報(装置ID情報)、ウエハのロットを識別する情報(ロットID情報)、ジョブ名・ウエハ番号・ショット番号・イベント発生時刻などの各情報を含みうる。
主制御系16は、露光装置100の構成要素、例えば、チャンバユニット制御系18、レチクル搬送制御系19、ウエハ搬送制御系26、レチクルステージ制御系22、ウエハステージ制御系25、照明制御系21、投影光学系制御系24等を制御する。主制御系16は、通信インターフェース17を介して、露光装置100の動作を規定するパラメータ(ジョブまたはレシピパラメータともいう)を取得し、それに基づいて露光装置100の各構成要素を制御する。また、主制御系16は、通信インターフェース17を介して後述の情報処理装置202に各種情報を送信する機能を有する。当該情報は、上述のパラメータや、動作状態・動作結果・較正結果・エラーイベントなどの各情報を含みうる。また、露光装置を識別する情報(装置ID情報)、ウエハのロットを識別する情報(ロットID情報)、ジョブ名・ウエハ番号・ショット番号・イベント発生時刻などの各情報を含みうる。
次に、上述した露光装置を含むシステムの構成例を説明する。図2は、当該システムの構成例を示す。当該システムは、露光装置100と、通信インターフェース201を介して露光装置100に接続された情報処理装置202とを含む。情報処理装置202は、露光装置100を管理する管理装置として把握することもできる。
情報処理装置202は、露光装置100から提供される情報を処理したり露光装置100を制御したりするように構成されうる。情報処理装置202は、例えば、汎用のコンピュータにコンピュータプログラムをインストールすることによって構成されうる。そのように構成された情報処理装置202は、データベース231、情報収集部221、フィルタリング部222、動作状態判断部223、較正値処理部224、グラフ表示処理部225、入力部232、出力部233、管理部230を備える装置として動作する。また、情報処理装置202は、データベース処理ステップ、情報収集ステップ、フィルタリングステップ、動作状態判断ステップ、較正値処理ステップ、グラフ表示処理ステップ、入力ステップ、出力ステップ、管理ステップを実行する装置として動作する。
情報収集部221は、通信インターフェース201を介して露光装置100から各種情報を収集し、それらをデータベース(DB)231に格納(蓄積)する。当該各種情報の例は上述したとおりである。フィルタリング部222は、データベース231に格納されている情報から、入力部232から提供されたフィルタリング条件に合致した情報を抽出し、抽出された情報を動作状態判断部223や較正値処理部224に提供する。動作状態判断部223は、フィルタリング部222から提供される動作状態に関する情報を、入力部232から提供され動作状態判断条件にしたがって処理することにより、動作状態の発生時刻や継続時間に関する情報を生成する。較正値処理部224は、フィルタリング部222から提供される較正結果の情報と、動作状態判断部223により生成された動作状態の発生時刻や継続時間の情報とを、入力部232から提供される処理条件にしたがって処理する。この処理により、グラフの生成の対象となる情報を生成する。グラフ表示処理部225は、入力部232から提供されるグラフ表示条件にしたがって、較正値処理部224の生成した情報を処理することにより、出力部233により出力(表示)されるグラフの情報を生成する。
つづいて、露光装置100を構成するユニットを較正して露光を行なう処理の流れについて説明する。まず、主制御系16は、通信インターフェース17を介して、露光動作を規定するパラメータを取得する。当該パラメータは、例えば、工程名(ジョブ名)、ロットID、走査速度、走査方向、較正対象の項目、較正の実施タイミング、較正のための計測回数を含みうる。また、アライメント計測方式、アライメント計測対象のサンプルショット数、アライメント計測回数、を含みうる。
次に、主制御系16は、上記パラメータに基づいて露光装置100の各構成要素を制御し、露光処理を行う。図3は、露光処理シーケンスを示す図である。まず、ロット処理開始と共に、露光処理に使用されるレチクル及びウエハが露光装置内に供給される。レチクル及びウエハの供給が完了すると、露光装置を構成するユニットの較正を行なう。主制御系16は、その結果に基づいてユニットを動作させる。例えば、特定のユニットの変位量が較正により得られた場合、その変位量に応じて、該ユニットまたは関連するユニットが用いる目標値などのデータにオフセットを与える。
図3では、較正項目として、フォーカス計測、投影倍率計測、およびベースライン計測を行う例を示している。当該較正により、例えば、当該較正に関連するユニットに対して上述のオフセット値(較正値)が算出される。当該較正の後に、ウエハに対するアライメント計測が行なわれ、ウエハ上の各ショットを露光するときのウエハステージ7の位置が求められる。主制御系16は、これらの値を用いて各ユニットを動作させ、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハを露光する。
図3の例では、露光装置のスループットを考慮して、1ロットに対して1回だけ、1枚目のウエハを露光する前に較正処理を行っている。この場合、当該較正により得られた較正値は、当該1ロットの基板を露光処理している間、不変としている。しかしながら、較正処理を行うタイミングは、これには限られず、任意に設定しうる。図3において、一つののロットの露光処理が終了すると、次のロットの露光処理が開始するまで、露光装置100は停止状態とされる。露光装置100は、各ロットの露光処理の処理要素(フォーカス計測、投影倍率計測・・・・等)の開始時刻・終了時刻・較正のための計測値・較正によるオフセット値等の情報を情報処理202に送信する。情報処理202は、受信した情報をデータベース231に格納する。
データベース(DB)231に格納された上述の情報から情報処理202が露光装置の診断を行うための情報処理方法を以下に説明する。図4は、情報処理202により実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS401では、入力部232は、ユーザーによる操作に従って、データベース231からデータを抽出する条件(フィルタリング条件)を決定する。フィルタリング条件は、診断対象とする期間、動作状態判断に使用する上記処理要素の項目及びその処理時刻、較正値処理に使用する較正処理の項目及びその処理時刻等を限定する条件である。 ステップS402では、フィルタリング部222は、上述のフィルタリング条件に合致する情報をデータベース231に格納されている情報から抽出して、動作状態判断部223および較正値処理部224に提供する。
ステップS403では、入力部232は、ユーザーによる操作に従って、動作状態判断条件を決定する。例えば、露光装置100の動作状態を運転状態と停止状態とに分ける場合、そのための判断条件が必要となる。判断条件は、例えば、ロット処理(1ロットに対する露光処理)の開始時刻を運転状態の開始時刻かつ停止状態の終了時刻として指定し、ロット処理の終了時刻を停止状態の開始時刻かつ運転状態の終了時刻として指定することにより決定することができる。
ステップS404では、動作状態判断部223は、上述の動作状態判断条件に従い、フィルタリング部222によって抽出された情報から、各動作状態の開始時刻及び継続時間の情報を生成し、較正値処理部に提供する。
ステップS405では、入力部232は、ユーザーによる操作に従って、較正値処理条件を決定する。較正値処理条件は、フィルタリング部222によって抽出された較正値の情報に対する処理内容を決定する条件であり、フィルタリング部222によって抽出された較正値の情報を限定する条件を含みうる。例えば、較正処理がなされる前の運転状態により較正値に対する処理内容を決定する条件としうる。さらに、較正処理がなされる直前の運転状態が予め定めた時間以上継続した停止状態であった場合、その較正値は露光装置の診断には使用しないようにする条件であってもよい。また、較正値処理条件は、較正値に対する演算処理を指定する条件も含みうる。例えば、以前の較正値との差分を算出することを指定する条件であってもよい。
ステップS406では、較正値処理部224は、フィルタリング部222により抽出された情報に対し、動作状態判断部223の生成した情報と、上述の較正値処理条件とに従って、処理を行い、その結果をグラフ表示処理部244に提供する。
ステップS407では、入力部232は、ユーザーによる操作に従って、グラフ表示処理条件を決定する。グラフ表示処理条件は、較正値処理部224より提供された情報をグラフとして表示する態様を特定する条件である。例えば、当該条件に合致する情報は、非表示にする、又は、表示態様を他とは異ならせる(色を異ならせる等)、ことを指定するような条件であってもよい。ステップS408では、グラフ表示処理部225は、上述のグラフ表示処理条件に従って、較正値処理部224から提供された情報を処理する。そして、処理された結果としてのグラフを出力部233に表示させる。
(第1の実施例)
以下、具体例として、ベースライン較正値をモニターして露光装置を診断する例を説明する。図5は、露光装置が停止状態にあるときのベースライン較正値と経過時間(時刻)との関係を示すグラフである。グラフの縦軸はベースラインの較正値(オフセット値)、横軸は経過時間を示している。図5で示すように、露光装置が停止状態に入ってからの経過時間によりベースライン較正値が変化(減少)することがわかる。また、ベースライン較正値は、ある時間が経過した後は殆ど変化しなくなることがわかる。
以下、具体例として、ベースライン較正値をモニターして露光装置を診断する例を説明する。図5は、露光装置が停止状態にあるときのベースライン較正値と経過時間(時刻)との関係を示すグラフである。グラフの縦軸はベースラインの較正値(オフセット値)、横軸は経過時間を示している。図5で示すように、露光装置が停止状態に入ってからの経過時間によりベースライン較正値が変化(減少)することがわかる。また、ベースライン較正値は、ある時間が経過した後は殆ど変化しなくなることがわかる。
図6は、露光装置が運転状態にあるときのベースライン較正値と経過時間(時刻)との関係を示すグラフである。図6で示すように、露光装置が運転状態に入ってからの経過時間によりベースライン較正値が変化(増大)することがわかる。また、ベースライン較正値は、ある時間が経過した後は殆ど変化しなくなることがわかる。
図7・図8は、露光装置が運転状態と停止状態とを繰り返したときのベースライン較正値と経過時間との関係を示すグラフである。動作状態は、図3のような処理シーケンスにおいて、1ロットについての処理開始から処理終了までを運転状態、あるロットの処理終了から次のロットの処理開始までを停止状態としている。ここでは、ベースライン較正は、ロット処理中に1回だけ、1枚目のウエハを露光する前に実行している。
図7は、継続時間が長い運転状態と継続時間が短い停止状態とが規則的に繰り返された時のベースライン較正値と経過時間との関係を示している。図7で示すように、規則的な運転の場合、ベースライン較正値の変動量(ベースライン変動量)は小さいことがわかる。図8は、継続時間の長さが不規則な場合のベースライン較正値と継続時間との関係を示している。図8で示すように、不規則な運転を行った場合、ベースライン較正値の変動量は大きいことがわかる。
ここで、露光装置の運用状況が規則的な運転から不規則な運転へ変化したとする。図9は、運用状況の変化の前後を含む期間で、ベースライン較正値の変動量を時系列にプロットしたグラフとヒストグラムとを示している。ここでは、較正値処理条件として、ベースライン較正値の変動量を算出することが指定されている。また、当該変動量は、直前のロットでのベースライン較正値との差分としている。
図9に示されるように、ベースライン較正値の変動量だけをモニターした場合には、規則的な運転を行った期間のグラフ・ヒストグラムと、不規則的な運転を行った期間のグラフ・ヒストグラムとの間に大きな相違が見られる。したがって、露光装置の運用状況を考慮に入れずにベースライン較正値の変動量だけを分析しても、露光装置の診断を正確に行うことはできないといえる。
そこで、入力部232は、ユーザーによる操作(指定)に従って、較正値処理条件として、規則的な運転・不規則な運転などの露光装置の運用状況を類別(区別)する条件(指定条件)を設定する。例えば、ベースライン較正値に対して、ロット処理直前の1つまたは2つの停止時間が指定値以上の場合は、その較正値は不規則な運転のときの較正値とする。図10のグラフは、グラフ表示処理条件として、不規則な運転のときの較正値とそれ以外の較正値とで、プロットの形状を異ならせる条件を設定した場合のものである。これにより、露光装置の運用状況を考慮に入れることができる。
図10のヒストグラムは、グラフ表示処理条件として、規則的な運転のときの較正値だけを対象にヒストグラムを生成する条件を設定した場合のものである。変動量データを全て使用した図9のヒストグラムでは、運用変化前後で大きな相違が見られるが、規則的な運転のときの較正値の変動量データだけを使用した図10のヒストグラムでは、運用変化前後であまり大きな相違は見られない。このことから、露光装置の運用状況を考慮して較正値の変動を分析すれば、露光装置の診断が正確に行いうることがわかる。例えば、特定の運用状況に限定したうえで較正値の変動を分析することは、露光装置の診断に有用である。なお、露光装置の運用状況を類別する条件としては、ロット処理開始から指定時間だけ前まで(各較正処理を行うまでの指定期間)に発生した停止状態の長さ(時間)によってもよい。また、ロット処理開始前の運転状態の継続時間の長さをさらに又は単独で考慮に入れてもよい。なお、上述の例では、較正値の変動量をプロットしたグラフおよび該変動量のヒストグラムを表示させるようにしたが、そのいずれか一方だけを表示させてもよい。また、較正値をプロットしたグラフおよび較正値のヒストグラムの少なくとも一方を表示させるようにしてもよい。
(第2の実施例)
第1の実施例では、ベースライン較正値を用いて露光装置の診断を行うための分析例を説明したが、本発明はそれには限定されない。例えば、他の較正値用いてもよい。例えば、投影光学系4は、光源1からの露光光の照射時間によりフォーカスが変化するため、フォーカス較正値を用いてもよい。その場合、動作状態判断条件としては、露光処理シーケンスにおいて投影光学系4へ露光光の照射を行う処理要素や、照射状態の開始時刻・継続時間を指定する条件を設定すればよい。また、較正値処理条件としては、単位時間当たりの照射時間などの露光装置の運用状況(照射態様)を類別(区別)する条件を設定すればよい。このようにすれば、運用状況の変化を考慮して露光装置の診断を正確に行うことができる。なお、対象とする較正値は、投影光学系4の投影倍率の較正値など他の任意の較正値とすることができる。また、図2における通信インターフェース201および情報処理装置202は、露光装置100の中に含まれるようにしてもよい。その場合、露光装置は自己診断を行うことになる。
第1の実施例では、ベースライン較正値を用いて露光装置の診断を行うための分析例を説明したが、本発明はそれには限定されない。例えば、他の較正値用いてもよい。例えば、投影光学系4は、光源1からの露光光の照射時間によりフォーカスが変化するため、フォーカス較正値を用いてもよい。その場合、動作状態判断条件としては、露光処理シーケンスにおいて投影光学系4へ露光光の照射を行う処理要素や、照射状態の開始時刻・継続時間を指定する条件を設定すればよい。また、較正値処理条件としては、単位時間当たりの照射時間などの露光装置の運用状況(照射態様)を類別(区別)する条件を設定すればよい。このようにすれば、運用状況の変化を考慮して露光装置の診断を正確に行うことができる。なお、対象とする較正値は、投影光学系4の投影倍率の較正値など他の任意の較正値とすることができる。また、図2における通信インターフェース201および情報処理装置202は、露光装置100の中に含まれるようにしてもよい。その場合、露光装置は自己診断を行うことになる。
(デバイス製造方法の実施形態)
つぎに、本発明の一実施形態として、デバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。半導体デバイスは、ウエハに集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程とを経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、その工程で露光されたウエハを現像する工程とを含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)とを含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、該露光工程で露光されたガラス基板を現像する工程とを含む。本実施形態によれば、デバイスの性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも一つにおいて従来よりも有利なデバイス製造方法を提供することができる。
つぎに、本発明の一実施形態として、デバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。半導体デバイスは、ウエハに集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程とを経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、その工程で露光されたウエハを現像する工程とを含む。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)とを含む。液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を使用して感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、該露光工程で露光されたガラス基板を現像する工程とを含む。本実施形態によれば、デバイスの性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも一つにおいて従来よりも有利なデバイス製造方法を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
202 情報処理装置
222 フィルタリング部
223 動作状態判断部
224 較正値処理部
225 グラフ表示処理部
233 出力部
222 フィルタリング部
223 動作状態判断部
224 較正値処理部
225 グラフ表示処理部
233 出力部
Claims (10)
- ユニットの較正処理を行う機能を有する露光装置が行った処理に関して蓄積された情報を処理する情報処理装置であって、
指定条件に従って前記情報を分析することにより、各較正処理を行うまでの指定期間における前記露光装置の運用状況の類別を行い、
前記類別により定まる特定の前記運用状況に該当する複数の較正処理に関して、較正値の変化を表す情報を生成して出力する、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 前記指定条件は、前記指定期間における前記露光装置の停止状態の継続時間に関する条件を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記指定条件は、前記指定期間における前記露光装置の運転状態の継続時間に関する条件を含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
- 前記運用状況ごとに表示態様が異なるように、前記変化を表す情報を出力する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記較正処理を行った時刻と前記較正値との関係を表すグラフおよび前記較正値のヒストグラムの少なくとも一方の情報を、前記変化を表す情報として出力する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記較正処理を行った時刻と前記較正値の変動量との関係を表すグラフおよび前記変動量のヒストグラムの少なくとも一方の情報を、前記変化を表す情報として出力する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- ユニットの較正処理を行う機能を有する露光装置であって、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置を含む、
ことを特徴とする露光装置。 - 請求項7に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記工程で露光された基板を現像する工程と、
を有することを特徴とするデバイス製造方法。 - ユニットの較正処理を行う機能を有する露光装置が行った処理に関して蓄積された情報を処理する情報処理方法であって、
指定条件に従って前記情報を分析することにより、各較正処理を行うまでの指定期間における前記露光装置の運用状況の類別を行い、
前記類別により定まる特定の前記運用状況に該当する複数の較正処理に関して、較正値の変化を表す情報を生成して出力する、
ことを特徴とする情報処理方法。 - ユニットの較正処理を行う機能を有する露光装置が行った処理に関して蓄積された情報の処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記処理は、
指定条件に従って前記情報を分析することにより、各較正処理を行うまでの指定期間における前記露光装置の運用状況の類別を行い、
前記類別により定まる特定の前記運用状況に該当する複数の較正処理に関して、較正値の変化を表す情報を生成して出力する、
ことを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009288816A JP2011129801A (ja) | 2009-12-21 | 2009-12-21 | 情報処理装置、露光装置およびデバイス製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103186051A (zh) * | 2011-12-27 | 2013-07-03 | 无锡华润上华科技有限公司 | 光刻中曝光条件设置方法 |
JP2021051320A (ja) * | 2016-08-29 | 2021-04-01 | 株式会社ニコン | 積層装置、薄化装置、露光装置、制御装置、プログラム、積層体の製造方法、及び装置 |
-
2009
- 2009-12-21 JP JP2009288816A patent/JP2011129801A/ja active Pending
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