JP2011129779A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁層が半導体チップから剥離することを防止可能な半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本半導体装置は、主面に電極パッドが形成された半導体チップと、前記電極パッド上に形成された内部接続端子と、前記主面に、前記内部接続端子の一部を露出し他部を覆うように形成されるとともに、前記半導体チップの側面及び裏面を覆うように形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、前記内部接続端子の露出部と電気的に接続された配線パターンと、を有する。
【選択図】図12

Description

本発明は、半導体チップ上に配線パターンが形成された半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、半導体応用製品はデジタルカメラや携帯電話などの各種モバイル機器用途等として小型化、薄型化、軽量化が急激に進んでいる。それに伴い、例えば、NAND型フラッシュメモリー等の半導体装置にも小型化、高密度化が要求され、平面視した状態で半導体チップと略同じ大きさとされた所謂チップサイズパッケージ(CSP)と呼ばれる半導体装置(例えば、図1参照)が提案されている。又、このような半導体装置には小型化、高密度化が要求されると同時に低価格化も強く要求されている。
以下、図面を参照しながら、従来から提案されている半導体装置及びその製造方法について説明する。図1は、従来の半導体装置を例示する断面図である。図1を参照するに、従来の半導体装置100は、半導体チップ101と、内部接続端子102と、絶縁層103と、配線パターン104と、ソルダーレジスト106と、外部接続端子107とを有する。
半導体チップ101は、薄板化された半導体基板109と、半導体集積回路111と、複数の電極パッド112と、保護膜113とを有する。半導体基板109は、例えば、薄板化されたSiウエハが個片化されたものである。
半導体集積回路111は、半導体基板109の表面側に設けられている。半導体集積回路111は、拡散層、絶縁層、ビア、及び配線等(図示せず)から構成されている。複数の電極パッド112は、半導体集積回路111上に設けられている。複数の電極パッド112は、半導体集積回路111に設けられた配線と電気的に接続されている。保護膜113は、半導体集積回路111上に設けられている。保護膜113は、半導体集積回路111を保護するための膜である。
内部接続端子102は、電極パッド112上に設けられている。内部接続端子102の上端部は、絶縁層103から露出されている。内部接続端子102の上端部は、配線パターン104と接続されている。絶縁層103は、内部接続端子102が設けられた側の半導体チップ101を覆うように設けられている。絶縁層103としては、例えば、粘着性を有するシート状の絶縁樹脂(例えば、NCF(Non Conductive Film)等)を用いることができる。このような絶縁樹脂は、一般的にエポキシ系樹脂、シアネートエステル系樹脂等からなる乳白色系或いは無色系の透明性を有しており、絶縁層103の下部に位置する半導体集積回路111までα線、可視光線及び紫外線を透過する。
配線パターン104は、絶縁層103上に設けられている。配線パターン104は、内部接続端子102と接続されている。配線パターン104は、内部接続端子102を介して、電極パッド112と電気的に接続されている。配線パターン104は、外部接続端子107が配設される外部接続端子配設領域104Aを有する。ソルダーレジスト106は、外部接続端子配設領域104A以外の配線パターン104部分を覆うように、絶縁層103上に設けられている。
外部接続端子107は、配線パターン104の外部接続端子配設領域104Aに設けられている。外部接続端子107は、配線パターン104と接続されている。外部接続端子107の材料としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。
図2は、従来の半導体装置が形成される半導体基板を例示する平面図である。図2において、110は半導体基板、Cはダイサーが半導体基板110を切断する位置(以下、「切断位置C」とする)を示している。図2を参照するに、半導体基板110は、複数の半導体装置形成領域Aと、複数の半導体装置形成領域Aを分離するスクライブ領域Bとを有する。複数の半導体装置形成領域Aは、半導体装置100が形成される領域である。半導体基板110は、薄板化され、かつ切断位置Cにおいて切断されることにより、先に説明した半導体基板109(図1参照)となる基板である。
図3〜図11は、従来の半導体装置の製造工程を例示する図である。図3〜図11において、図1に示す従来の半導体装置100と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する場合がある。図3〜図11において、Aは複数の半導体装置形成領域(以下、「半導体装置形成領域A」とする)、Bは複数の半導体装置形成領域を分離するスクライブ領域(以下、「スクライブ領域B」とする)、Cはダイシングブレードが半導体基板110を切断する位置(以下、「切断位置C」とする)を示している。
始めに、図3に示す工程では、薄板化される前の半導体基板110の表面側に、半導体集積回路111、複数の電極パッド112、及び保護膜113を有する半導体チップ101を形成する。次いで、図4に示す工程では、複数の電極パッド112上に内部接続端子102を形成する。この段階では、複数の内部接続端子102には、高さのばらつきがある。
次いで、図5に示す工程では、複数の内部接続端子102に平坦な板115を押し当てて、複数の内部接続端子102の高さを揃える(レベリングを行う)。次いで、図6に示す工程では、内部接続端子102が形成された側の半導体チップ101及び内部接続端子102を覆うように、樹脂から構成される絶縁層103を形成する。絶縁層103としては、例えば、粘着性を有するシート状の絶縁樹脂(例えば、NCF(Non Conductive Film)等)を用いることができる。このような絶縁樹脂は、一般的にエポキシ系樹脂、シアネートエステル系樹脂等からなる乳白色系或いは無色系の透明性を有しており、絶縁層103の下部に位置する半導体集積回路111までα線、可視光線及び紫外線を透過する。
次いで、図7に示す工程では、内部接続端子102の面102Aが絶縁層103から露出するまで、絶縁層103を研磨する。このとき、絶縁層103の面103Aが内部接続端子102の面102Aと略面一となるように研磨を行う。これにより、図7に示す構造体の面(具体的には、絶縁層103の面103A及び内部接続端子102の面102A)は、平坦な面になる。
次いで、図8に示す工程では、平坦な面とされた図7に示す構造体の面に配線パターン104を形成する。具体的には、配線パターン104は、例えば、図7に示す構造体に金属箔(図示せず)を貼り付け、次いで、金属箔上を覆うようにレジスト(図示せず)を塗布し、次いで、このレジストを露光、現像することで配線パターン104の形成領域に対応する部分の金属箔上にレジスト膜(図示せず)を形成する。その後、上記レジスト膜をマスクとして金属箔をエッチングすることで、配線パターン104を形成する(サブトラクティブ法)。その後、レジスト膜を除去する。
次いで、図9に示す工程では、外部接続端子配設領域104A以外の部分の配線パターン104を覆うように、絶縁層103上にソルダーレジスト106を形成する。次いで、図10に示す工程では、半導体基板110の裏面側から半導体基板110を研磨して、半導体基板110を薄板化する。次いで、図11に示す工程では、外部接続端子配設領域104Aに外部接続端子107を形成する。外部接続端子107の材料としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。その後、切断位置Cに対応する部分の半導体基板110を切断することで、複数の半導体装置100が製造される。
特許第3313547号 特許第3614828号 特許第3614829号
ところで、従来から提案されている半導体装置の製造工程においては、不良の半導体チップもパッケージングするため、半導体装置の歩留まりが低下することで製造コストの増加を招き、低価格化の実現を妨げている。不良の半導体チップが製造される要因の一つとして、半導体チップ101と絶縁層103との剥離が挙げられる。これは、半導体チップ101の保護膜113と保護膜113上に形成された絶縁層103との密着性が悪いことに起因して絶縁層103が保護膜113から剥離するものであり、従来から大きな問題となっていた。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、絶縁層が半導体チップから剥離することを防止可能な半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本半導体装置は、主面に電極パッドが形成された半導体チップと、前記電極パッド上に形成された内部接続端子と、前記主面に、前記内部接続端子の一部を露出し他部を覆うように形成されるとともに、前記半導体チップの側面及び裏面を覆うように形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、前記内部接続端子の露出部と電気的に接続された配線パターンと、を有することを要件とする。
本半導体装置の製造方法は、支持基板上に第1絶縁層を形成する第1工程と、主面に電極パッドが形成された複数の半導体チップと前記複数の半導体チップの間に配置されたスクライブ領域とを有する半導体基板を準備し前記電極パッドに内部接続端子を形成する第2工程と、前記半導体基板の裏面を前記第1絶縁層を介して前記支持基板に固着する第3工程と、前記主面側から前記第1絶縁層の途中までをハーフカットし前記スクライブ領域に溝部を形成する第4工程と、前記溝部を埋めるとともに前記内部接続端子の一部を露出し他部を覆う第2絶縁層を形成する第5工程と、前記第2絶縁層上に前記内部接続端子の露出部と電気的に接続される配線パターンを形成する第6工程と、前記支持基板を除去する第7工程と、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を前記スクライブ領域で切断し前記主面及び側面が前記第2絶縁層で覆われ前記裏面が前記第1絶縁層で覆われた複数の前記半導体チップを有する半導体装置を作製する第8工程と、を有することを要件とする。
開示の技術によれば、絶縁層が半導体チップから剥離することを防止可能な半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
従来の半導体装置を例示する断面図である。 従来の半導体装置が形成される半導体基板を例示する平面図である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その1)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その2)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その3)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その4)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その5)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その6)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その7)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その8)である。 従来の半導体装置の製造工程を例示する図(その9)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その1)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その2)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その3)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その4)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その5)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その6)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その7)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その8)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その9)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その10)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その11)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その12)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その13)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その14)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その15)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その16)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その17)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その18)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その19)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その20)である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その21)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その1)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その2)である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その3)である。 第3の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その1)である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その2)である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その3)である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図(その4)である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
〈第1の実施の形態〉
図12は、第1の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。図12を参照するに、半導体装置10は、半導体チップ11と、内部接続端子12と、第1絶縁層39a及び第2絶縁層39bを含む絶縁層39と、第1金属層26及び第2金属層27を含む配線パターン14と、ソルダーレジスト16と、外部接続端子17とを有する。
図12において、半導体チップ11は、半導体基板21と、半導体集積回路22と、複数の電極パッド23と、保護膜24とを有する。半導体基板21は、半導体集積回路22を形成するための基板である。半導体基板21は、薄板化されている。半導体基板21の厚さT1(半導体集積回路22の厚さも含む)は、例えば、50〜500μm程度とすることができる。半導体基板21は、例えば、薄板化されたSiウエハが個片化されたものである。
半導体集積回路22は、半導体基板21の一方の側に設けられている。半導体集積回路22は、半導体基板21に形成された拡散層(図示せず)、半導体基板21上に積層された絶縁層(図示せず)、及び積層された絶縁層に設けられたビア(図示せず)及び配線等(図示せず)から構成されている。
電極パッド23は、半導体集積回路22上に複数設けられている。電極パッド23は、半導体集積回路22に設けられた配線(図示せず)と電気的に接続されている。電極パッド23の材料としては、例えば、Al等を用いることができる。電極パッド23の材料として、Cu層の上にAl層を形成したもの、Cu層の上にSi層を形成し、その上に更にAl層を形成したもの等を用いても構わない。以降、半導体チップ11において、電極パッド23が形成されている側の面を、主面と称する場合がある。又、半導体チップ11において、主面と反対側に位置する、主面と略平行な面を、裏面と称する場合がある。又、半導体チップ11において、主面及び裏面と略垂直な面を、側面と称する場合がある。
保護膜24は、半導体基板21の表面及び半導体集積回路22上に設けられている。保護膜24は、半導体集積回路22を保護するための膜であり、パッシベーション膜と呼ばれる場合もある。保護膜24としては、例えば、SiN膜、PSG膜等を用いることができる。又、SiN膜やPSG膜等からなる層に、更にポリイミド等からなる層を積層しても構わない。
内部接続端子12は、半導体チップ11の電極パッド23上に設けられている。内部接続端子12は、半導体チップ11の半導体集積回路22と配線パターン14とを電気的に接続している。内部接続端子12の高さHは、例えば、20〜50μm程度とすることができる。内部接続端子12としては、例えば、Auバンプ、Cuバンプ、Auめっき膜、無電解めっき法により形成されたNi膜とそれを覆うAu膜から構成される金属膜等を用いることができる。Auバンプ或いはCuバンプは、例えば、ワイヤボンディング装置を用いて、ボンディングワイヤにより形成することができる。又、めっき法により形成することもできる。
絶縁層39は、第1絶縁層39a及び第2絶縁層39bを含んで構成されている。第1絶縁層39aは、半導体チップ11の裏面を覆うように形成されている。第2絶縁層39bは、半導体チップ11の主面に設けられた電極パッド23上及び保護膜24上に内部接続端子12を覆うように形成されており、更に、半導体チップ11の側面を覆うように形成されている。すなわち、絶縁層39(第1絶縁層39a及び第2絶縁層39b)は、半導体チップ11の全面を封止保護している。
内部接続端子12の面12Aは、絶縁層39の上面から露出されている。絶縁層39の上面は、内部接続端子12の面12Aと略面一とされている。絶縁層39は、配線パターン14を形成する際のベース材となるものである。このように、半導体チップ11は絶縁層39により完全に封止されており、保護膜24と絶縁層39との界面が半導体装置10の外部に露出しないため、絶縁層39が半導体チップ11から剥離することを防止することができる。又、落下等により半導体装置10に衝撃が加わった場合に、半導体基板11が割れる虞を低減することができる。
半導体チップ11の裏面に形成された第1絶縁層39aの厚さTは、例えば20〜50μm程度とすることができる。半導体チップ11の主面上部に形成された第2絶縁層39bの厚さTは、例えば20〜50μm程度とすることができる。半導体チップ11の側面に形成された第2絶縁層39bの厚さTは、例えば10〜70μm程度とすることができる。
第1絶縁層39a及び第2絶縁層39bの材料としては、例えばエポキシ系樹脂等の絶縁樹脂や異方性導電樹脂、ビルドアップ樹脂(無機フィラー入りのエポキシ樹脂又は無機フィラーなしのエポキシ樹脂)、液晶ポリマー(liquid crystal polymer)等を用いることができる。異方性導電樹脂は、エポキシ系樹脂或いはシアネートエステル系樹脂をベースとする絶縁樹脂にNi/Auに被膜された小径球状の樹脂が分散されたものであり、鉛直方向に対しては導電性を有し、水平方向には絶縁性を有する樹脂である。
なお、第1絶縁層39aの材料と第2絶縁層39bの材料は、同じものを用いることが好ましい。又、第1絶縁層39aの厚さTと第2絶縁層39bの厚さTは同程度であることが好ましい。第1絶縁層39aと第2絶縁層39bの物性や厚さの違いにより生じる、第1絶縁層39aと第2絶縁層39bの界面の剥離等を防止するためである。
絶縁層39(第1絶縁層39a及び第2絶縁層39b)は、α線を遮蔽する材料を含んで構成されていることが好ましい。絶縁層39をα線を遮蔽する材料を含有して構成することにより、外部又は外部接続端子17等により発生し半導体基板21へ到達するα線の量を低減することが可能となり、いわゆるソフトエラー等の半導体装置10の誤動作を防止することができるからである。α線を遮蔽することが目的であるから、α線を遮蔽できればどのような材料を含んでいても構わないが、例えばエポキシ系樹脂等の絶縁樹脂や異方性導電樹脂、ビルドアップ樹脂(無機フィラー入りのエポキシ樹脂又は無機フィラーなしのエポキシ樹脂)、液晶ポリマー(liquid crystal polymer)等に例えばポリイミドや、変性ポリイミド等のポリイミド系化合物を含んで構成することにより、効果的にα線を遮蔽することができる。
ただし、半導体集積回路22は半導体装置10の主面側に形成されているため、裏面を覆う第1絶縁層39aよりも主面を覆う第2絶縁層39bの方が、α線を遮蔽する観点からは重要である。そこで、第2絶縁層39bは例えばポリイミドや、変性ポリイミド等のポリイミド系化合物を含んで構成し、第1絶縁層39aには例えばポリイミドや、変性ポリイミド等のポリイミド系化合物を含まないようにすることもできる。
又、絶縁層39として、例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料とともに、例えば黒色系材料であるカーボンブラックや黒色系の有機顔料等を含有することにより黒色系の色にされたエポキシ系樹脂等の絶縁樹脂や異方性導電樹脂、ビルドアップ樹脂(無機フィラー入りのエポキシ樹脂又は無機フィラーなしのエポキシ樹脂)、液晶ポリマー(liquid crystal polymer)等を用いることが好ましい。
例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料とともに、例えば黒色系材料であるカーボンブラックや黒色系の有機顔料等を含有することにより黒色系の色にされた絶縁層39は、α線を遮蔽する性質を持つとともに、可視光線及び紫外線を遮蔽する性質も持つ。可視光線及び紫外線を遮蔽することにより、可視光線又は紫外線が照射されることにより生じる光起電力に起因する半導体装置10の誤動作を防止することができる。一例を挙げれば、絶縁層39を構成する第2絶縁層39bの厚さTが30μmであり、カーボンブラックの添加量が0.5〜1.0wt%である場合に、可視光線及び紫外線を遮蔽することができる。
絶縁層39は、熱膨張率を低くするため等を目的として、例えば球状シリカ(SiO)等の無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーの中には、U(ウラン)、Th(トリウム)等の放射性物質が極微量含まれている。従って、無機フィラーの中に含まれるU(ウラン)、Th(トリウム)等の放射性物質からα線が発生する場合がある。
絶縁層39のα線検出量は、0.0015count/cm・h以下であることが好ましい。絶縁層39の外側(外部接続端子17側)から照射されるα線、可視光線又は紫外線を低減しても、絶縁層39のα線含有量が多く、絶縁層39自身がα線を発生しては、いわゆるソフトエラーの発生率を低減できないからである。ここで、絶縁層39のα線検出量とは、絶縁層39から放出されるα線の量を測定した値である。絶縁層39のα線検出量は、絶縁層39に含有される無機フィラーの量を調整することにより、0.0015count/cm・h以下とすることができる。絶縁層39のα線検出量が0.0015count/cm・h以下であれば、α線に起因するいわゆるソフトエラーの発生率が極めて低くなることが経験的に知られている。
絶縁層39に含有されるイオン性不純物であるCl及びNaの量は、それぞれ10ppm以下であることが好ましい。又、絶縁層39に含有されるイオン性不純物であるNH の量は、50ppm以下であることが好ましい。例えばAl等から構成されている電極パッド23の腐食対策のためである。なお、イオン性不純物の量は、熱水で抽出(例えば121℃/20hrs)し、イオンクロマト法にて分析することにより測定することができる。
絶縁層39の無機フィラーの含有量は、例えば30〜50wt%(絶縁層39の重量に対する無機フィラーの重量の比率)とすることができる。なお、熱膨張率を低くすること、Siとの熱膨張率のミスマッチによるSiウエハの反りを低減すること等の目的を達成するため、絶縁層39に含有される無機フィラーの量を共にゼロとすることはできない。
内部接続端子12は絶縁層39のみに覆われている。このような構造とすることにより、内部接続端子12に局所的な応力がかかることを防止することが可能となり、内部接続端子12にクラックが発生することを防止できる。すなわち、内部接続端子12が2以上の絶縁層と接していると、2以上の絶縁層の物性(熱膨張係数や弾性率等)の違い等に起因して、温度変化等により内部接続端子12の2以上の絶縁層と接している部分に局所的な応力がかかり、内部接続端子12にクラックが発生する場合がある。内部接続端子12を1つの絶縁層のみと接する構造とすることにより、内部接続端子12にクラックが発生する問題を回避することができる。
なお、前述のように、保護膜24に、更にポリイミドからなる層が積層されている場合がある。この場合には、保護膜24に積層されているポリイミドの層がα線を遮蔽する効果を有する。本実施形態では、保護膜24に更にポリイミドからなる層が積層されていない場合にも、絶縁層39によりα線を遮蔽することができる。
配線パターン14は、いわゆる再配線と呼ばれる場合があり、電極パッド23の位置と、外部接続端子17の位置とを異ならせるため(ファンイン及び任意の位置への端子配置をするため、所謂ピッチ変換のため)に設けられる。配線パターン14は、第1金属層26及び第2金属層27から構成され、更に、第1金属層26は、Ti膜とCu膜との積層構造、Cr膜とCu膜との積層構造、又はCu膜の単層構造とされている。第2金属層27の材料としては、例えば、Cu等を用いることができる。
配線パターン14は、内部接続端子12の面12Aと接触するように、絶縁層39の上面に設けられている。配線パターン14は、内部接続端子12を介して、半導体集積回路22と電気的に接続されている。配線パターン14は、外部接続端子17が配設される外部接続端子配設領域14Aを有する。配線パターン14の厚さは、例えば、5〜20μm程度とすることができる。
第1金属層26をTi膜とCu膜との積層構造、又は、Cr膜とCu膜との積層構造とした場合に、絶縁層39の上面から露出した内部接続端子12の面12Aと第1金属層26を構成するTi膜又はCr膜とは金属結合をしている。第1金属層26をCu膜の単層構造とした場合に、絶縁層39の上面から露出した内部接続端子12の面12Aと第1金属層26を構成するCu膜とは金属結合をしている。
又、第1金属層26をTi膜とCu膜との積層構造、又は、Cr膜とCu膜との積層構造とした場合に、第1金属層26を構成するTi膜又はCr膜とCu膜とは金属結合をしている。金属結合することにより、内部接続端子12の面12Aと第1金属層26は強固に接合することが可能となり、両者間の機械的及び電気的な接続信頼性を高めることができる。
ソルダーレジスト16は、外部接続端子配設領域14Aを開口し(SMD、NSMDのどちらも可能)、配線パターン14を覆うように設けられている。ソルダーレジスト16が無機フィラーを含有していると、無機フィラーの中にはU(ウラン)、Th(トリウム)等の放射性物質が極微量含まれているため、ソルダーレジスト16がα線の発生源になり得る。
そこで、第1の実施の形態に係る半導体装置10では、ソルダーレジスト16は無機フィラーを含有していない(フィラーレスである)ものを用いることが好ましい。その結果、ソルダーレジスト16の発生するα線の量を限りなくゼロに近づけることができる。ソルダーレジスト16の材料としては、例えば無機フィラーを含有していない、エポキシやエポキシアクリレート、シアネートエステル、シロキサンを主成分とする樹脂等を用いることができる。
外部接続端子17は、配線パターン14の外部接続端子配設領域14Aに設けられている。外部接続端子17は、マザーボード等の実装基板(図示せず)に設けられたパッドと電気的に接続される端子である。外部接続端子17としては、例えば、はんだバンプ等を用いることができる。外部接続端子17の材料としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。又、樹脂(例えばジビニルベンゼン等)をコアとするはんだボール(Sn−3.5Ag)等を用いても構わない。
ただし、外部接続端子17の材料としては、例えばSn−3.5Ag、Sn−3.0Ag−0.5Cu等のPbフリーはんだを用いることが好ましい。例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料を含んで構成され、更にα線検出量が0.0015count/cm・h以下となるように無機フィラーの含有量が調整された絶縁層39、無機フィラーを含有していない(フィラーレスである)ソルダーレジスト16、Pbフリーはんだを用いた外部接続端子17の相乗効果により、半導体基板21へ到達するα線の量を激減させることができるからである。
図13〜図33は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図である。図13〜図33において、図12に示す半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図15〜図33において、Cはダイシングブレードが絶縁層39等を切断する位置(以下、「基板切断位置C」とする)、Aは複数の半導体装置形成領域(以下、「半導体装置形成領域A」とする)、Bは複数の半導体装置形成領域Aを分離する、基板切断位置Cを含むスクライブ領域(以下、「スクライブ領域B」とする)を示している。
始めに、図13に示す工程では、支持基板31を準備する。支持基板31としては、例えば、Siウエハ等を用いることができる。支持基板31としてSiウエハを用いる場合に、支持基板31の直径は、例えば6インチ(約150mm)、8インチ(約200mm)、12インチ(約300mm)等とすることができる。又、支持基板31の厚さTは、例えば0.625mm(直径=6インチの場合)、0.725mm(直径=8インチの場合)、0.775mm(直径=12インチの場合)等とすることができる。なお、支持基板31としてCu板等の金属板を用いても構わない。
次いで、図14に示す工程では、支持基板31の面31AにB−ステージ状態(半硬化状態)の第1絶縁層39aを形成する。B−ステージ状態(半硬化状態)の第1絶縁層39aは、接着性(タック性)を有する。第1絶縁層39aの厚さTは、例えば20〜50μm程度とすることができる。第1絶縁層39aの材料としては、例えば粘着性を有するB−ステージ状態(半硬化状態)のシート状の絶縁樹脂(例えば、NCF(Non Conductive Film))、液状又はペースト状の絶縁樹脂(例えば、NCP(Non Conductive Paste))、粘着性を有するB−ステージ状態(半硬化状態)のシート状の異方性導電樹脂(例えば、ACF(Anisotropic Conductive Film))、液状又はペースト状の異方性導電樹脂(例えば、ACP(Anisotropic Conductive Paste))、ビルドアップ樹脂(無機フィラー入りのエポキシ樹脂又は無機フィラーなしのエポキシ樹脂)、液晶ポリマー(liquid crystal polymer)等を用いることができる。ACP及びACFは、エポキシ系樹脂或いはシアネートエステル系樹脂をベースとする絶縁樹脂にNi/Auに被膜された小径球状の樹脂が分散されたものであり、鉛直方向に対しては導電性を有し、水平方向には絶縁性を有する樹脂である。第1絶縁層39aの材料の詳細に関しては、前述の通りである。
第1絶縁層39aの材料としてシート状の絶縁樹脂等を用いた場合には、支持基板31の面31Aにシート状の絶縁樹脂等をラミネートする。但し、この工程では、シート状の絶縁樹脂等の熱硬化は行わず、B−ステージ状態(半硬化状態)にしておく。なお、第1絶縁層39aを真空雰囲気中でラミネートすることにより、第1絶縁層39a中へのボイドの巻き込みを防止することができる。
第1絶縁層39aの材料として液状又はペースト状の絶縁樹脂等を用いた場合には、支持基板31の面31Aに液状又はペースト状の絶縁樹脂等を例えば印刷法やスピンコート法等により塗布する。そして、塗布した液状又はペースト状の絶縁樹脂等をプリベークしてB−ステージ状態(半硬化状態)にする。
次いで、図15及び図16に示す工程では、複数の半導体装置形成領域Aと、複数の半導体装置形成領域Aを分離する、基板切断位置Cを含むスクライブ領域B(例えば、幅50〜200μm程度)とを有する半導体基板21Wを準備する。なお、図15は平面図、図16は断面図である。半導体基板21Wは、薄板化され、かつ基板切断位置Cにおいて切断されることにより、先に説明した半導体基板21(図12参照)となるものである。半導体基板21Wとしては、例えば、Siウエハ等を用いることができる。半導体基板21WとしてSiウエハを用いる場合に、半導体基板21Wの直径は、例えば6インチ(約150mm)、8インチ(約200mm)、12インチ(約300mm)等とすることができる。又、半導体基板21Wの厚さTは、例えば0.625mm(直径=6インチの場合)、0.725mm(直径=8インチの場合)、0.775mm(直径=12インチの場合)等とすることができる。
次いで、図17に示す工程では、半導体装置形成領域Aに対応する半導体基板21Wの主面側に、周知の手法により、半導体集積回路22、電極パッド23、及び保護膜24を有する半導体チップ11を形成する。電極パッド23の材料としては、例えば、Al等を用いることができる。電極パッド23の材料として、Cu層の上にAl層を形成したもの、Cu層の上にSi層を形成し、その上に更にAl層を形成したもの等を用いても構わない。保護膜24としては、例えば、SiN膜やPSG膜等を用いることができる。又、SiN膜やPSG膜等からなる層に、更にポリイミド等からなる層を積層しても構わない。
次いで、図18に示す工程では、複数の半導体装置形成領域Aに設けられた複数の電極パッド23上にそれぞれ内部接続端子12を形成する。内部接続端子12としては、例えば、Auバンプ、Cuバンプ、Auめっき膜、無電解めっき法やAlジンケート法により形成されたNi膜とNi膜上に積層されるAu膜から構成される金属膜等を用いることができる。Auバンプ或いはCuバンプは、例えば、ワイヤボンディング装置を用いて、ボンディングワイヤにより形成することができる。又、めっき法により形成することもできる。なお、図18に示す工程で形成された複数の内部接続端子12には、高さばらつきが存在する。
次いで、図19に示す工程では、半導体基板21Wを裏面側から研磨又は研削して、半導体基板21Wを薄板化する。半導体基板21Wの薄板化には、例えば、バックサイドグラインダー等を用いることができる。薄板化後の半導体基板21Wの厚さTは、例えば、50〜500μm程度とすることができる。なお、図19に示す工程は削除される場合もある。
次いで、図20に示す工程では、支持基板31の面31Aに第1絶縁層39aを介して図19に示す構造体を固着する。具体的には、始めに、熱硬化されていないB−ステージ状態(半硬化状態)の第1絶縁層39aの接着性(タック性)を利用して、図19に示す構造体を第1絶縁層39aを介して支持基板31の面31Aに搭載し仮固定する。必要に応じて、図19に示す構造体を第1絶縁層39a側に押圧してもよい。そして、第1絶縁層39aを硬化温度以上に所定時間加熱して熱硬化させる。これにより、図19に示す構造体は、第1絶縁層39aを介して支持基板31の面31Aに固着される。
次いで、図21に示す工程では、スクライブ領域Bの保護膜24、半導体基板21W、及び第1絶縁層39aの一部をダイサーやスライサーを用いて、第1絶縁層39aの厚さ方向の中央部近傍まで研磨(ハーフカット)し、溝部36を形成する。なお、ダイサーやスライサーは精度が高く、1μm程度の単位で研磨高さを設定できるので、第1絶縁層39aの厚さ方向の中央部近傍まで正確に研磨(ハーフカット)することができる。例えば、第1絶縁層39aの厚さが50μmであれば、溝部36の部分の第1絶縁層39aの厚さが25μm程度になるように研磨(ハーフカット)することができる。但し、必ずしも第1絶縁層39aの厚さ方向の中央部近傍まで研磨(ハーフカット)する必要はなく、溝部36の底面が第1絶縁層39aの内部に到達していれば十分である。溝部36の幅は、スクライブ領域Bの幅以下であれば、任意の幅として構わないが、例えば50〜200μm程度とすることができる。
次いで、図22に示す工程では、内部接続端子12を覆い溝部36を埋めるように第2絶縁層39bを形成する。第2絶縁層39bの厚さTは、例えば20〜60μmとすることができる。第2絶縁層39bの材料としては、例えば粘着性を有するB−ステージ状態(半硬化状態)のシート状の絶縁樹脂(例えば、NCF(Non Conductive Film))、液状又はペースト状の絶縁樹脂(例えば、NCP(Non Conductive Paste))、粘着性を有するB−ステージ状態(半硬化状態)のシート状の異方性導電樹脂(例えば、ACF(Anisotropic Conductive Film))、液状又はペースト状の異方性導電樹脂(例えば、ACP(Anisotropic Conductive Paste))、ビルドアップ樹脂(無機フィラー入りのエポキシ樹脂又は無機フィラーなしのエポキシ樹脂)、液晶ポリマー(liquid crystal polymer)等を用いることができる。第2絶縁層39bの材料の詳細に関しては、前述の通りである。なお、第2絶縁層39bの材料は、第1絶縁層39aの材料と同じものを用いることが好ましい。第2絶縁層39bの材料と第1絶縁層39aの材料の物性(熱膨張率等)の違いにより生じる、第1絶縁層39aと第2絶縁層39bの界面の剥離等を防止するためである。
第2絶縁層39bの材料としてシート状の絶縁樹脂等を用いた場合には、半導体基板21Wの主面側に、内部接続端子12を覆い溝部36を埋めるようにシート状の絶縁樹脂等をラミネートする。但し、この工程では、シート状の絶縁樹脂等の熱硬化は行わず、B−ステージ状態(半硬化状態)にしておく。なお、第2絶縁層39bを真空雰囲気中でラミネートすることにより、第2絶縁層39b中へのボイドの巻き込みを防止することができる。
第2絶縁層39bの材料として液状又はペースト状の絶縁樹脂等を用いた場合には、半導体基板21Wの主面側に、内部接続端子12を覆い溝部36を埋めるように液状又はペースト状の絶縁樹脂を例えばスピンコート法等により塗布する。そして、塗布した液状又はペースト状の絶縁樹脂等をプリベークしてB−ステージ状態(半硬化状態)にする。
次いで、図23に示す工程では、図22に示す構造体を加熱した状態で、第2絶縁層39bを第2絶縁層39b上面側から押圧する(図23の矢印参照)。これにより、図23に示す構造体の上面(具体的には、絶縁層39の上面及び内部接続端子12の面12A)は、平坦な面になる。すなわち、絶縁層39の上面及び内部接続端子12の面12Aの平坦化処理を一括で同時に行うことができる。
又、図22に示す構造体を押圧時よりも高い温度で(第2絶縁層39bの硬化温度以上で)所定時間加熱することにより、第2絶縁層39bは熱硬化する。押圧後の第2絶縁層39bの厚さは、例えば20〜50μmとすることができる。ただし、この状態では、内部接続端子12の面12Aには、第2絶縁層39bを構成する材料の一部が付着しており、内部接続端子12の面12Aは第2絶縁層39bから完全には露出していない。
次いで、図24に示す工程では、絶縁層39の上面にアッシング処理を施すことにより、内部接続端子12の面12Aを絶縁層39から完全に露出させると共に絶縁層39の上面を粗面化する。アッシング処理としては、例えば、Oプラズマアッシング等を用いることができる。
供給される酸素ガスには必要に応じて種々の不活性ガスを添加しても構わない。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン系ガス、水素系ガス、窒素系ガス、CF、C等のCF系ガス等を用いることができる。なお、Oプラズマアッシングに代えてオゾンアッシング等を用いても構わないが、絶縁層39の材料によっては十分なエッチング特性が得られない場合がある点、又、Oプラズマアッシングに比べてエッチングレートが劣り生産性が低下する点に注意を要する。
アッシング処理を施された面は、粗面化され微小な凹凸が形成される。図24に示す工程により、絶縁層39の上面を粗面化することにより、後述する図25の工程において、絶縁層39の上面と、絶縁層39の上面に形成される第1金属層26との密着性を高めることができる。又、絶縁層39の上面と、後述する図30に示す工程で形成されるソルダーレジスト16との密着性を高めることができる。
なお、絶縁層39の上面を粗面化するために、絶縁層39の上面に片面が粗面化された銅箔を配設し、圧着処理をした後、銅箔を除去することにより、絶縁層39の上面に銅箔の粗面を転写する方法を用いることもできる。しかしながら、この方法では、製造工程が複雑化するとともに、その都度銅箔が廃棄され材料費も増加するため、半導体装置10の製造コストが増加するという問題が発生する。本実施形態では、絶縁層39の上面にアッシング処理を施すことにより絶縁層39の上面を粗面化するため、このような問題は発生せず、半導体装置10の製造コストの増加を抑制することができる。
次いで、図25に示す工程では、第2絶縁層39bの上面及び内部接続端子12の面12Aに第1金属層26を形成する。第1金属層26は、例えば、Ti膜又はCr膜とCu膜とを絶縁層39の上面及び内部接続端子12の面12Aに順次積層した構成や、Cu膜を絶縁層39の上面及び内部接続端子12の面12Aに形成した構成とすることができる。第1金属層26は、例えば蒸着法等を用いて形成することができる。
蒸着法を用いる場合には、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、メタルCVD法等の化学蒸着法の何れを用いても構わないが、物理蒸着法を用いることが好ましい。メタル化学蒸着法は、半導体装置の製造用としてはさほど普及しておらず、化学蒸着装置の導入費用等による製造コストの上昇等が問題となるからである。又、物理蒸着法としては、スパッタ法を用いることがより好ましい。半導体装置の製造用として最も汎用性が高く、緻密かつ高純度な金属膜を形成し易いからである。
第1金属層26(Ti膜とCu膜との積層構造、Cr膜とCu膜との積層構造、又はCu膜の単層構造等)をスパッタ法等の蒸着法を用いて形成すると、第2絶縁層39bの上面から露出した内部接続端子12の面12AとTi膜、Cr膜又はCu膜とは金属結合をする。又、Ti膜とCu膜との積層構造、Cr膜とCu膜との積層構造の場合には、Ti膜又はCr膜の上部に形成されるCu膜もスパッタ法を用いて形成されるため、Ti膜又はCr膜とCu膜とは金属結合をする。
よって、従来のような圧接や導電性ペーストを用いた接合方法に比べ、内部接続端子12の面12Aと第1金属層26とを強固に接合することができ、両者間の機械的及び電気的な接続信頼性を高めることができる。又、前述の図24に示す工程により、第2絶縁層39bの上面は粗面化され微小な凹凸が形成されているため、微細な凹凸によるアンカー効果により第2絶縁層39bの上面と第1金属層26との密着性を高めることができる。
なお、第1金属層26をTi膜やCr膜と、Cu膜等とを積層した構成とする理由は、第1金属層26を給電層として用いるためである。Ti膜やCr膜は、第2絶縁層39bを構成する材料との密着性が高い(密着金属層として用いられる)。しかしながら、Ti膜やCr膜だけでは電気抵抗が高く、給電層として用いるには適さない。Ti膜やCr膜に、電気抵抗(シート抵抗)の低いCu膜等を積層することにより、第1金属層26の電気抵抗を低くすることが可能となり、第1金属層26を給電層として用いることができる。
第1金属層26をTi膜とCu膜との積層構造、又は、Cr膜とCu膜との積層構造とした場合に、第1金属層26を構成するTi膜の厚さを0.05μm以上2μm以下、Cu膜の厚さを0.2μm以上1.5μm以下、又は、第1金属層26を構成するCr膜の厚さを0.01μm以上0.05μm以下、Cu膜の厚さを0.2μm以上1.5μm以下とすることにより、絶縁層39の上面及び内部接続端子12の上面12Aと第1金属層26との密着性を向上することができ、その後の電解めっき性も良好に保つことができる。つまり、電解めっきに必要なシート抵抗を確保することができる。
次いで、図26に示す工程では、第1金属層26の面26Aに、例えば第1金属層26を給電層として、電解めっき法等により第2金属層27を形成する。第2金属層27としては、例えば、Cu等を用いることができる。第2金属層27の厚さTは、例えば、10μmとすることができる。
次いで、図27に示す工程では、第2金属層27の面27Aにレジストを塗布し、次いで、このレジストを露光、現像することで配線パターン14の形成領域に対応する部分の第2金属層27の面27Aにレジスト膜28を形成する。
次いで、図28に示す工程では、レジスト膜28をマスクとして第2金属層27及び第1金属層26をエッチングし、レジスト膜28が形成されていない部分の第1金属層26及び第2金属層27を除去することで、配線パターン14を形成する。
次いで、図29に示す工程では、図28に示すレジスト膜28を除去する。その後、配線パターン14の粗化処理を行う。配線パターン14の粗化処理は、黒化処理又は粗化エッチング処理のいずれかの方法により行うことができる。上記粗化処理は、配線パターン14の面及び側面に形成されるソルダーレジスト16と配線パターン14との密着性を向上させるためのものである。
次いで、図30に示す工程では、配線パターン14と第2絶縁層39bとを覆うように、レジストを塗布し、次いで、フォトリソグラフィ法によりレジストを露光、現像し、外部接続端子配設領域14Aに対応する部分のレジストをエッチングにより除去し、外部接続端子配設領域14Aを露出する開口部を有するソルダーレジスト16を形成する。ソルダーレジスト16の材料としては、例えば無機フィラーを含有していない、エポキシやエポキシアクリレート、シアネートエステル、シロキサンを主成分とする樹脂等を用いることができる。
次いで、図31に示す工程では、配線パターン14の外部接続端子配設領域14Aに外部接続端子17を形成する。外部接続端子17の材料としては、例えばSn−3.5Ag、Sn−3.0Ag−0.5Cu等のPbフリーはんだを用いることが好ましい。理由は、前述の通りである。これにより、複数の半導体装置形成領域Aに半導体装置10に相当する構造体が形成される。
次いで、図32に示す工程では、図31に示す構造体から支持基板31を除去する。支持基板31がSiウエハである場合には、支持基板31は、バックサイドグラインダー等を用いた物理的な研削や、高濃度TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等を用いたウェットエッチング等により除去することができる。又、支持基板31がCu板である場合には、支持基板31は、塩化第二鉄水溶液や硫酸アンモニウム系のCuエッチング液等を用いたウェットエッチング等により除去することができる。
次いで、図33に示す工程では、スクライブ領域Bに形成された溝部36に対応する部分のソルダ−レジスト16及び絶縁層39(第1絶縁層39a及び39b)を基板切断位置Cに沿って切断することで、個片化された複数の半導体装置10が製造される。ソルダ−レジスト16及び絶縁層39(第1絶縁層39a及び39b)の切断は、溝部36の幅よりも幅の狭いダイシングブレードを用いたダイシング等によって行うことができる。
例えば、溝部36の幅が50μm程度であれば、幅が30μm程度のダイシングブレードを用いることができる。この場合には、個片化された半導体装置10において半導体チップ11の側面に形成された絶縁層39(第2絶縁層39b)の厚さTは、10μm程度となる。又、溝部36の幅が200μm程度であれば、幅が60μm程度のダイシングブレードを用いることができる。この場合には、個片化された半導体装置10において半導体チップ11の側面に形成された絶縁層39(第2絶縁層39b)の厚さTは、70μm程度となる。
このように、図32に示す構造体を、溝部36の幅よりも幅の狭いダイシングブレードを用いたダイシング等によって切断することにより、半導体チップ11が絶縁層39により完全に封止された半導体装置10が完成する。これにより、保護膜24と絶縁層39との界面が半導体装置10の外部に露出しないため、絶縁層39が半導体チップ11から剥離することを防止することができる。又、落下等により半導体装置10に衝撃が加わった場合に、半導体基板11が割れる虞を低減することができる。
以上のように、第1の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法によれば、半導体チップ11が絶縁層39により完全に封止されるため、保護膜24と絶縁層39との界面が半導体装置10の外部に露出しないため、絶縁層39が半導体チップ11から剥離することを防止できる。又、落下等により半導体装置10に衝撃が加わった場合に、半導体基板10が割れる虞を低減することができる。
又、半導体装置10の製造工程において、半導体チップ11は支持基板31に搭載された状態で工程流動するため、予め半導体基板21Wを極薄化(例えば、50〜100μm程度)した状態の半導体チップ11でも、半導体チップ11の反り等の問題を生じることなく工程流動することが可能となる。
又、半導体チップ11の裏面も絶縁層39により封止されるため、絶縁層39として黒色系の樹脂を用いることにより、半導体装置10の裏面の絶縁層39上に形成されるチップID・No等のマーキングの視認性を向上させることができる。
又、例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料を含んで構成され、更にα線検出量が0.0015count/cm・h以下となるように無機フィラーの含有量が調整された絶縁層39、無機フィラーを含有していない(フィラーレスである)ソルダーレジスト16、Pbフリーはんだを用いた外部接続端子17の何れか又は全てを用いることにより、半導体基板10へ到達するα線の量を激減させ、ソフトエラーの発生を低減することができる。
又、絶縁層39を黒色系材料であるカーボンブラックや黒色系の有機顔料等を含有して構成することにより、可視光線及び紫外線を遮蔽することができるため、可視光線又は紫外線が照射されることにより生じる光起電力に起因する半導体装置10の誤動作を防止することができる。
又、内部接続端子12を絶縁層39のみで覆う構造とすることにより、内部接続端子12に局所的な応力がかかることを防止することが可能となり、内部接続端子12にクラックが発生することを防止できる。
又、絶縁層39の上面にアッシング処理を施すことにより、製造工程の複雑化や不要な材料費の発生をともなわずに絶縁層39の上面を粗面化することが可能となり、半導体装置10の製造コストの増加を抑制することができる。
又、絶縁層39の上面及び内部接続端子12の面12Aにスパッタ法等の蒸着法により第1金属層26を形成するため、内部接続端子12の面12Aと第1金属層26とを金属結合により強固に接合することができ、両者間の機械的及び電気的な接続信頼性を高めることができる。
〈第2の実施の形態〉
図34は、第2の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。図34に示す半導体装置40において、図12に示す半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図34を参照するに、第2の実施の形態に係る半導体装置40は、外部接続端子17が形成されている部分の直下の領域に絶縁層38が形成されている点を除いて、半導体装置10と同様に構成される。以下、半導体装置40について、半導体装置10と同一部分についての説明は省略し、半導体装置10と異なる部分を中心に説明する。
絶縁層38は、外部接続端子17が形成されている部分の直下の領域を含むように形成されている。絶縁層38は絶縁層39に覆われている。絶縁層38は、電極パッド23の形成されている領域には形成されていない。絶縁層38の厚さTは、例えば10μmとすることができる。絶縁層38の材料としては、例えばペースト状の絶縁樹脂(例えば、NCP(Non Conductive Paste))や、ペースト状の異方性導電樹脂(例えば、ACP(Anisotropic Conductive Paste))等を用いることができる。
絶縁層38は、α線を遮蔽する材料を含んで構成されていることが好ましい。絶縁層38をα線を遮蔽する材料を含有して構成することにより、外部又は外部接続端子17等により発生し半導体基板21へ到達するα線の量を低減することが可能となり、いわゆるソフトエラー等の半導体装置10の誤動作を防止することができるからである。α線を遮蔽することが目的であるから、α線を遮蔽できればどのような材料を含んでいても構わないが、ペースト状の絶縁樹脂やペースト状の異方性導電樹脂等に例えばポリイミドや、変性ポリイミド等のポリイミド系化合物を含んで構成することにより、効果的にα線を遮蔽することができる。
又、絶縁層38として、例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料とともに、例えば黒色系材料であるカーボンブラックや黒色系の有機顔料等を含有することにより黒色系の色にされたペースト状の絶縁樹脂やペースト状の異方性導電樹脂等を用いることが好ましい。
例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料とともに、例えば黒色系材料であるカーボンブラックや黒色系の有機顔料等を含有することにより黒色系の色にされた絶縁層38は、α線を遮蔽する性質を持つとともに、可視光線及び紫外線を遮蔽する性質も持つ。可視光線及び紫外線を遮蔽することにより、可視光線又は紫外線が照射されることにより生じる光起電力に起因する半導体装置10の誤動作を防止することができる。
絶縁層38は、熱膨張率を低くするため等を目的として、例えば球状シリカ(SiO)等の無機フィラーを含有してもよい。ただし、無機フィラーの中には、U(ウラン)、Th(トリウム)等の放射性物質が極微量含まれており、無機フィラーの中に含まれるU(ウラン)、Th(トリウム)等の放射性物質からα線が発生する場合がある。従って、α線を低減する観点からは、絶縁層38は無機フィラーを含有しないことが好ましい。
絶縁層38のα線検出量は、0.0015count/cm・h以下であることが好ましい。絶縁層38の外側(外部接続端子17側)から照射されるα線、可視光線又は紫外線を低減しても、絶縁層38のα線含有量が多く、絶縁層38自身がα線を発生しては、いわゆるソフトエラーの発生率を低減できないからである。ここで、絶縁層38のα線検出量とは、絶縁層38から放出されるα線の量を測定した値である。絶縁層38のα線検出量は、絶縁層38に含有される無機フィラーの量を調整することにより、0.0015count/cm・h以下とすることができる。絶縁層38のα線検出量が0.0015count/cm・h以下であれば、α線に起因するいわゆるソフトエラーの発生率が極めて低くなることが経験的に知られている。
絶縁層38に含有されるイオン性不純物であるCl及びNaの量は、それぞれ10ppm以下であることが好ましい。又、絶縁層38に含有されるイオン性不純物であるNH4の量は、50ppm以下であることが好ましい。例えばAl等から構成されている電極パッド23の腐食対策のためである。なお、イオン性不純物の量は、熱水で抽出(例えば121℃/20hrs)し、イオンクロマト法にて分析することにより測定することができる。
絶縁層38及び39は、いずれも無機フィラーを含有してもよい(ただし、α線を低減する観点から、絶縁層38は無機フィラーを含有しない場合がある)。絶縁層38の無機フィラーの含有量は、絶縁層39の無機フィラーの含有量よりも少なくすることが好ましい。
又、絶縁層38の例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料の含有量は、絶縁層39の例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料の含有量よりも多くすることが好ましい。半導体基板21により近い絶縁層38をこのようにすることで、半導体基板21に到達するα線の量を可能な限り低減するためである。ただし、半導体集積回路22は半導体装置10の主面側に形成されているため、裏面を覆う第1絶縁層39aよりも主面を覆う第2絶縁層39bの方が、α線を遮蔽する観点からは重要である。そこで、第2絶縁層39bは例えばポリイミドや、変性ポリイミド等のポリイミド系化合物を含んで構成し、第1絶縁層39aには例えばポリイミドや、変性ポリイミド等のポリイミド系化合物を含まないようにすることもできる。その場合には、絶縁層38の例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料の含有量は、第2絶縁層39bの例えば変性ポリイミドのようなα線を遮蔽する材料の含有量よりも多くすることが好ましい。
絶縁層38の無機フィラーの含有量は、例えば0〜20wt%(絶縁層38の重量に対する無機フィラーの重量の比率)とすることができる。絶縁層39の無機フィラーの含有量は、例えば30〜50wt%(絶縁層39の重量に対する無機フィラーの重量の比率)とすることができる。なお、熱膨張率を低くすること、Siとの熱膨張率のミスマッチによるSiウエハの反りを低減すること等の目的を達成するため、絶縁層38及び39に含有される無機フィラーの量を共にゼロとすることはできない。しかしながら、絶縁層38に含有される無機フィラーの量をゼロとすることは可能である。これにより、半導体基板21に到達するα線の量を激減させることができる。熱膨張率を低くする等の目的は、絶縁層39に含有される無機フィラーにより達成される。
内部接続端子12は絶縁層39のみに覆われており、絶縁層38には覆われていない。このような構造とすることにより、内部接続端子12に局所的な応力がかかることを防止することが可能となり、内部接続端子12にクラックが発生することを防止できる。すなわち、内部接続端子12が2以上の絶縁層と接していると、2以上の絶縁層の物性(熱膨張係数や弾性率等)の違い等に起因して、温度変化等により内部接続端子12の2以上の絶縁層と接している部分に局所的な応力がかかり、内部接続端子12にクラックが発生する場合がある。内部接続端子12を1つの絶縁層のみと接する構造とすることにより、内部接続端子12にクラックが発生する問題を回避することができる。
ただし、内部接続端子12におけるクラック発生は問題としない場合には、絶縁層38を内部接続端子12の周囲にも形成し、内部接続端子12が絶縁層38及び39と接する構造としてもよい。
なお、前述のように、保護膜24に、更にポリイミドからなる層が積層されている場合がある。この場合には、保護膜24に積層されているポリイミドの層がα線を遮蔽する効果を有する。本実施形態では、保護膜24に更にポリイミドからなる層が積層されていない場合にも、絶縁層38及び39によりα線を遮蔽することができる。
図35〜図37は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図である。図35〜図37において、図34に示す半導体装置40と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図35〜図37を参照して、第2の実施の形態に係る半導体装置40の製造方法について説明する。
始めに、第1の実施の形態で説明した図12〜図17に示す工程と同様な処理を行う。次いで、図35に示す工程では、少なくとも電極パッド23が形成されている領域をマスクするスクリーンマスク37を図17に示す構造体上に配置する。
次いで、図36に示す工程では、図17に示す構造体上にスクリーンマスク37を介して液状又はペースト状の絶縁樹脂を印刷し絶縁層38(未硬化)を形成する。絶縁層38の厚さTは、例えば10μmとすることができる。絶縁層38の材料としては、例えばペースト状の絶縁樹脂(例えば、NCP(Non Conductive Paste))や、ペースト状の異方性導電樹脂(例えば、ACP(Anisotropic Conductive Paste))等を用いることができる。絶縁層38の材料の詳細については、前述の通りである。
次いで、図37に示す工程では、図36に示すスクリーンマスク37を除去した後、絶縁層38を硬化温度以上に所定時間加熱して熱硬化させる。次いで、第1の実施の形態で説明した図18〜図33に示す工程と同様な処理を行うことにより、半導体装置40が完成する。
以上のように、第2の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法によれば、第1の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法と同様の効果を奏するが、更に以下の効果を奏する。すなわち、絶縁層を絶縁層38及び39の2層構成とし、半導体基板21に近い側の絶縁層38において、半導体基板21から遠い側の絶縁層39に比べて、無機フィラーの含有量を少なく(ゼロも可能)することにより、半導体基板21に到達するα線の量を更に低減させることができる。
又、絶縁層38及び39を、ポリイミドとポリイミド系化合物の何れか一方又は双方を含んで構成し、絶縁層38に含有されるポリイミドとポリイミド系化合物の合計の量(何れかがゼロの場合も含む)を、絶縁層39に含有されるポリイミドとポリイミド系化合物の合計の量(何れかがゼロの場合も含む)よりも多くすることにより、半導体基板21に到達するα線の量を更に低減させることができる。
〈第3の実施の形態〉
図38は、第3の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。図38に示す半導体装置50において、図12に示す半導体装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図38を参照するに、第3の実施の形態に係る半導体装置50は、第1の実施の形態に係る半導体装置10に設けられた配線パターン14の代わりに、配線パターン41を設けた以外は半導体装置10と同様に構成される。配線パターン41は、第1金属層26と第3金属層43とから構成されている。
第1の実施の形態に係る半導体装置10における配線パターン14は、サブトラクティブ法により形成したが、第3の実施の形態では、半導体装置50における配線パターン41を、セミアディティブ法により形成する例を示す。
図39〜図42は、第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図である。図39〜図42において、図38に示す半導体装置50と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図39〜図42を参照して、第3の実施の形態に係る半導体装置50の製造方法について説明する。始めに、第1の実施の形態で説明した図13〜図25に示す工程と同様な処理を行うことにより、図25に示す構造体を形成する。
次いで、図39に示す工程では、第1金属層26の面26Aにレジストを塗布し、レジストを露光、現像することで、配線形成領域に対応する開口部42Aを有するレジスト膜42を形成する。次いで、図40に示す工程では、第1金属層26を給電層として、電解めっき法により、開口部42Aに第3金属層43を形成する。第1金属層26と第3金属層43とは、電気的に接続される。第3金属層43としては、例えば、Cu等を用いることができる。又、第3金属層43の厚さT10は、例えば、5〜20μm程度とすることができる。
次いで、図41に示す工程では、図40に示すレジスト膜42を除去する。次いで、図42に示す工程では、第3金属層43が形成されていない領域の第1金属層26をエッチングによって除去することで、第1金属層26と第3金属層43とからなる配線パターン41が形成される。
図39〜図42に示すように、第3の実施の形態では、配線パターン41をセミアディティブ法により形成する例を示した。次いで、第1の実施の形態で説明した図30〜図33に示す工程と同様な処理を行うことにより、図38に示す半導体装置50が製造される。
以上のように、第3の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法によれば、第1の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法と同様の効果を奏するが、更に以下の効果を奏する。すなわち、配線パターン41は、セミアディティブ法により形成されるため、配線パターン41の寸法精度を向上させることができ、パターンの微細化(例えばL/S=5/5μm)が可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、絶縁層を3層以上から構成することも可能である。その場合には、半導体基板により近い絶縁層において、無機フィラーの含有量を少なく(ゼロも可能)し、ポリイミド等の含有量を多くすることにより、半導体基板に到達するα線の量を激減させることができる。
10,40,50 半導体装置
11 半導体チップ
12 内部接続端子
12A,26A,27A、31A 面
14,41 配線パターン
14A,41A 外部接続端子配設領域
16 ソルダーレジスト
17 外部接続端子
21,21W 半導体基板
22 半導体集積回路
23 電極パッド
24 保護膜
26 第1金属層
27 第2金属層
28,42 レジスト膜
31 支持基板
36 溝部
37 スクリーンマスク
38,39 絶縁層
39a 第1絶縁層
39b 第2絶縁層
42A 開口部
43 第3金属層
A 半導体装置形成領域
B スクライブ領域
C 基板切断位置
1〜T10 厚さ
高さ

Claims (21)

  1. 主面に電極パッドが形成された半導体チップと、
    前記電極パッド上に形成された内部接続端子と、
    前記主面に、前記内部接続端子の一部を露出し他部を覆うように形成されるとともに、前記半導体チップの側面及び裏面を覆うように形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成され、前記内部接続端子の露出部と電気的に接続された配線パターンと、を有する半導体装置。
  2. 前記絶縁層は、ポリイミドとポリイミド系化合物の何れか一方又は双方を含んで構成されている請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記主面に形成された前記絶縁層中に、前記絶縁層よりも薄い他の絶縁層を有する請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記他の絶縁層は、ポリイミドとポリイミド系化合物の何れか一方又は双方を含んで構成され、
    前記他の絶縁層に含有されるポリイミドとポリイミド系化合物の合計の量は、前記絶縁層に含有されるポリイミドとポリイミド系化合物の合計の量よりも多い請求項3記載の半導体装置。
  5. 少なくとも前記絶縁層は無機フィラーを含んで構成され、
    前記絶縁層に含有される前記無機フィラーの量は、前記絶縁層のα線検出量が0.0015count/cm・h以下になるように調整されている請求項3又は4項記載の半導体装置。
  6. 前記他の絶縁層は無機フィラーを含んで構成され、
    前記他の絶縁層に含有される前記無機フィラーの量は、前記他の絶縁層のα線検出量が0.0015count/cm・h以下になるように調整されており、
    前記他の絶縁層に含有される前記無機フィラーの量は、前記絶縁層に含有される前記無機フィラーの量よりも少ない請求項5記載の半導体装置。
  7. 前記他の絶縁層は無機フィラーを含有していない請求項6記載の半導体装置。
  8. 前記絶縁層と前記他の絶縁層の少なくとも一層は可視光線及び紫外線を遮蔽する材料を含んで構成されている請求項3乃至7の何れか一項記載の半導体装置。
  9. 前記絶縁層及び前記他の絶縁層に含有されるイオン性不純物であるCl及びNaの量は、それぞれ10ppm以下である請求項3乃至8の何れか一項記載の半導体装置。
  10. 前記絶縁層及び前記他の絶縁層に含有されるイオン性不純物であるNH の量は、それぞれ50ppm以下である請求項3乃至9の何れか一項記載の半導体装置。
  11. 前記絶縁層上には、前記配線パターンを覆うようにソルダーレジストが形成されており、
    前記ソルダーレジストは無機フィラーを含有していない請求項3乃至10の何れか一項記載の半導体装置。
  12. 前記内部接続端子の周囲は、前記電極パッド及び前記配線パターンと接している部分を除いて、前記絶縁層のみにより覆われている請求項3乃至11の何れか一項記載の半導体装置。
  13. 前記配線パターンは、外部接続端子が形成される外部接続端子配設領域を有し、
    前記他の絶縁層は、前記外部接続端子配設領域と平面視で重複する部分を含んで形成されている請求項3乃至12の何れか一項記載の半導体装置。
  14. 前記外部接続端子配設領域に前記外部接続端子が形成され、前記外部接続端子の材料はPbを含有していない請求項13記載の半導体装置。
  15. 支持基板上に第1絶縁層を形成する第1工程と、
    主面に電極パッドが形成された複数の半導体チップと、前記複数の半導体チップの間に配置されたスクライブ領域とを有する半導体基板を準備し、前記電極パッドに内部接続端子を形成する第2工程と
    前記半導体基板の裏面を、前記第1絶縁層を介して前記支持基板に固着する第3工程と、
    前記主面側から前記第1絶縁層の途中までをハーフカットし、前記スクライブ領域に溝部を形成する第4工程と、
    前記溝部を埋めるとともに、前記内部接続端子の一部を露出し他部を覆う第2絶縁層を形成する第5工程と、
    前記第2絶縁層上に、前記内部接続端子の露出部と電気的に接続される配線パターンを形成する第6工程と、
    前記支持基板を除去する第7工程と、
    前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を前記スクライブ領域で切断し、前記主面及び側面が前記第2絶縁層で覆われ、前記裏面が前記第1絶縁層で覆われた複数の前記半導体チップを有する半導体装置を作製する第8工程と、を有する半導体装置の製造方法。
  16. 前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を、同一の材料を用いて形成する請求項15記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記第1絶縁層の厚さと、前記主面に形成された前記第2絶縁層の厚さとは略一致する請求項15又は16記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記第3工程よりも前に、前記半導体基板の裏面を研削し、前記半導体基板を薄型化する第9工程を更に有する請求項15乃至17の何れか一項記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記第5工程よりも前に、前記主面に他の絶縁層を形成する第10工程を更に有し、
    前記第5工程では、前記他の絶縁層を覆うように前記第2絶縁層を形成する請求項15乃至18の何れか一項記載の半導体装置の製造方法。
  20. 前記第10工程において、少なくとも前記電極パッドが形成されている領域を覆うスクリーンマスクを介した印刷法により、前記他の絶縁層を形成する請求項19記載の半導体装置の製造方法。
  21. 前記第2絶縁層及び前記他の絶縁層は、ポリイミドとポリイミド系化合物の何れか一方又は双方を含んで構成され、
    前記他の絶縁層に含有されるポリイミドとポリイミド系化合物の合計の量は、前記第2絶縁層に含有されるポリイミドとポリイミド系化合物の合計の量よりも多い請求項19又は20記載の半導体装置の製造方法。
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