JP2011129557A - プラズマ処理装置用電極板 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ処理の面内均一性を向上させるとともに、消耗した上部電極の交換が容易に行えるプラズマ処理装置用電極板を提供する。
【解決手段】複数の電極構成板が積層されるとともに、電極構成板の厚さ方向に貫通するガス通過孔11が複数設けられてなる電極板3に、隣り合う電極構成板3a,3bの対向面間の外周部にガス通過孔11を避けて複数の溝状の凹部32A〜32Eによる空隙部s1が設けられるとともに、空隙部s1は電極構成板3aの外周面に開口するように設けられており、両電極構成板3a,3bの単位面積当たりの接触面積が電極板3の中央部に比べて外周部の方が小さく形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置においてプラズマ生成用ガスを厚さ方向に通過させながら放電するプラズマ処理装置用電極板に関する。
半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置は、チャンバー内に、高周波電源に接続される上部電極と下部電極とを、例えば、上下方向に対向配置し、下部電極の上に被処理基板を配置した状態として、上部電極に形成した貫通孔からエッチングガスを被処理基板に向かって流通させながら高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、被処理基板にエッチング等の処理を行う構成とされている。
このプラズマ処理装置で使用される上部電極として、一般に、シリコン製の電極板を冷却板に固定し重ね合わせた積層電極板が用いられており、プラズマ処理中に上昇する電極板の熱は、冷却板を通して放熱されるように構成されている。
プラズマ処理中において電極板の温度分布が不均一になると、被処理基板の場所によりエッチング深さがばらつき、被処理基板全体に均一なエッチングを行うことができないため、電極板の温度分布を一定にする必要がある。
そこで、例えば、特許文献1では、電極板の温度分布の不均一性を解消すべく、電極板の背面に金属膜を介して冷却板を締結固定しているが、さらなる面内均一性の向上が求められている。
一方、上部電極は、プラズマ処理を繰り返して行うことにより、プラズマにさらされる部分が削られて消耗するため、装置の稼働時間に合わせて交換を必要とされる。
例えば、特許文献2では、上部電極の消耗による交換に対するコスト削減として、電極板を二体構造とし、電極板の一部を交換可能としている。
しかし、この二体構造とした電極板は、プラズマ処理中の真空状態で脱気され密着されるため、ボルトを外しただけでは容易に剥がれず、消耗した電極板のみを交換することは困難であった。
特開平11−256370号公報 特開2003−332314号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プラズマ処理の面内均一性を向上させるとともに、消耗した上部電極の交換が容易に行えるプラズマ処理装置用電極板を提供する。
本発明の電極板は、複数の電極構成板が積層されるとともに、該電極構成板の厚さ方向に貫通するガス通過孔が複数設けられてなるプラズマ処理装置用電極板であって、隣り合う電極構成板の対向面間の外周部には、これら両電極構成板の少なくとも一方に、前記ガス通過孔を避けて複数の溝状の空隙部が設けられるとともに、該空隙部は少なくとも一部が前記電極構成板の外周面に開口するように設けられており、前記両電極構成板の単位面積当たりの接触面積が、電極板の中央部に比べて外周部の方が小さく形成されていることを特徴とする。
この電極板においては、積層された電極構成板の対向面間の外周部に空隙部が設けられ、中央部よりも外周部の方が両電極構成板の単位面積当たりの接触面積が小さくなっている。このように、非接触部である空隙部が断熱空間として両電極構成板の間に介在することになるので、電極板の外周部の方が中央部より厚さ方向の熱伝達に対して断熱効果が大きく、周辺に放熱し易い電極板の外周部の厚さ方向への熱伝達を抑制して、電極板全体として外周部と中央部との温度差を小さくすることができる。これにより、電極板の均一な放熱性が得られるので、エッチング処理の面内均一性が向上する。
また、両電極構成板の外周部では接触面積が小さいことから密着力も小さくなり、プラズマ処理により消耗した電極構成板を交換する際、両電極構成板を容易に引き剥がすことが可能となる。加えて、空隙部は電極構成板の外周面に開口しているので、両電極構成板の一部が剥がされて対向面間に僅かな隙間ができると空隙部に空気が入り込み、積層された両電極構成板を容易に引き剥がすことが可能である。
さらに、空隙部を電極構成板の外周面に開口するように設けたことにより、隣り合う電極構成板で形成された空隙部に、外部から工具を差し込んで、両電極構成板を引き剥がすことも可能である。
そして、空隙部は、隣り合う電極構成板の一方のみに設けられる構成でもよいし、両方に設けられる構成でもよい。
また、本発明の電極板において、前記空隙部は、相互に連通状態に形成されているとよい。
各空隙部が互いに連通して設けられているので、隣り合う電極構成板の一部が剥がされて対向面間に僅かな隙間ができると、空隙部に順次空気が入り込み、積層された電極構成板を容易に引き剥がすことが可能となる。
本発明によれば、積層された電極構成板の外周部に空隙部を設けたことにより、隣り合う電極構成板を容易に引き剥がして交換できるだけでなく、放熱し易い外周部の厚さ方向の熱伝達を遮断し、電極板の中央部と外周部とで熱の伝達性を制御して面内均一なプラズマ処理を行わせることができる。
本発明の電極板の第1実施形態を示す(a)が電極構成板の背面図、(b)が二枚の電極構成板を積層してなる電極板の縦断面図である。 図1の電極板が用いられるプラズマ処理装置の例を示す概略構成図である。 図1(b)に示す二点鎖線で囲まれる要部Xの拡大図であり、電極板の放熱を説明する図である。 本発明の電極板の第2実施形態を示す(a)が電極構成板の背面図、(b)が二枚の電極構成板を積層してなる電極板の縦断面図である。 本発明の電極板の第3実施形態を示す(a)が電極構成板の背面図、(b)が図5(a)に示す電極板のY−Y縦断面図である。
以下、本発明の電極板の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
まず、この電極板が用いられるプラズマ処理装置としてプラズマエッチング装置1について説明する。
このプラズマエッチング装置1は、図2の概略断面図に示されるように、真空チャンバー2内の上部に電極板(上部電極)3が設けられるとともに、下部に上下動可能な架台(下部電極)4が電極板3と相互間隔をおいて平行に設けられている。この場合、上部の電極板3は絶縁体5により真空チャンバー2の壁に対して絶縁状態に支持されているとともに、架台4の上には、静電チャック6と、その周りを囲むシリコン製の支持リング7とが設けられており、静電チャック6の上に、支持リング7により周縁部を支持した状態でウエハ(被処理基板)8を載置するようになっている。また、真空チャンバー2の上部にはエッチングガス供給管9が設けられ、このエッチングガス供給管9から送られてきたエッチングガスは拡散部材10を経由した後、電極板3に設けられたガス通過孔11を通してウエハ8に向かって流され、真空チャンバー2の側部の排出口12から外部に排出される構成とされている。一方、電極板3と架台4との間には高周波電源13により高周波電圧が印加されるようになっている。
また、電極板3は、シリコンによって円板状に形成されており、その背面には熱伝導性に優れるアルミニウム等からなる冷却板14が固定され、この冷却板14にも電極板3のガス通過孔11に連通するように、このガス通過孔11と同じピッチで貫通孔15が形成されている。そして、電極板3は、背面が冷却板に接触した状態でねじ止め等によってプラズマ処理装置1内に固定される。電極板3の詳細構造については後述する。
プラズマエッチング装置1では、高周波電源13から高周波電圧を印加してエッチングガスを供給すると、このエッチングガスは拡散部材10を経由して、電極板3に設けられたガス通過孔11を通って電極板3と架台4との間の空間に放出され、この空間内でプラズマとなってウエハ8に当り、このプラズマによるスパッタリングすなわち物理反応と、エッチングガスの化学反応とにより、ウエハ8の表面がエッチングされる。
また、ウエハ8の均一なエッチングを行う目的で、発生したプラズマをウエハ8の中央部に集中させ、外周部へ拡散するのを阻止して電極板3とウエハ8との間に均一なプラズマを発生させるために、通常、プラズマ発生領域16がシリコン製のシールドリング17で囲われた状態とされている。
次に、電極板3の詳細構造について図1を参照しながら説明する。
この電極板3は、固定側電極構成板3aと放電側電極構成板3bとを積層した構成とされ、両電極構成板3a,3bとも単結晶シリコン、柱状晶シリコン、又は多結晶シリコンにより円板状に形成されている。そして、ガス通過孔11は両電極構成板3a,3bに、格子状に並んで多数設けられている。
また、固定側電極構成板3aの積層面31aの外周部には、ガス通過孔11を避けて円弧状に延びる凹部32A〜32Eが複数設けられており、この円弧状に設けられた凹部32A〜32Eの端部が、固定側電極構成板3aの外周面に開口するように設けられている。そして、この凹部32A〜32Eに放電側電極構成板3bの積層面31bを対向させて両電極構成板3a,3bが積層されていることにより、固定側電極構成板3aの凹部32A〜32Eと、放電側電極構成板3bの積層面31bとの間に、空隙部s1が形成されている。
このように構成した電極板3において、プラズマエッチング処理中に上昇する電極板3の熱は、冷却板14を通して放熱される。図3に示す実線矢印は、冷却板14による熱の流れを表しており、破線矢印は電極板3の外周面における放熱を表している。
電極板3の中央部では、放電側電極構成板3bで上昇した熱が、この放電側電極構成板3bに密着している固定側電極構成板3aを介して速やかに冷却板14に熱伝達される。一方、電極板3の外周部では、図3に示すように、外周面から一部は放熱されるが、両電極構成板3a,3bの間に空隙部s1が介在しているので、放電側電極構成板3bから固定側電極構成板3aへの熱伝達が空隙部s1により遮断され、その分、熱伝達が抑制される。
このように、電極板3は厚さ方向の熱伝達が中央部よりも外周部で進みにくい状態となっているので、その外周部は本来、半径方向等の周辺には放熱されやすい状態であることにより、これらの総和として、電極板3全体としては面内で均等に放熱されることになる。これにより、電極板3の中央部と外周部との間に温度差が生じるのを防ぎ、温度を面内で均一にし、プラズマ処理の面内均一性、例えば、エッチング深さの面内均一性を向上させることができる。
また、電極板3の放電側電極構成板3bは、プラズマ処理を繰り返して行うことによりプラズマにさらされる部分が削られて消耗するため、装置の稼働時間に合わせて交換を必要とされる。本発明に係る電極板3においては、固定側電極構成板3aに設けられた凹部32A〜32Eによって、両電極構成板3a,3bの外周部で接触面積が小さくなっており、それに伴って外周部の密着力が小さくなっている。そのため、固定側電極構成板3a及び放電側電極構成板3bを容易に引き剥がし、放電側電極構成板3bだけを交換することができる。
また、固定側電極構成板3aに設けられた凹部32A〜32Eの端部は、固定側電極構成板3aの外周面に開口して設けられているので、両電極構成板3a,3bの一部が引き剥がされて対向面間に僅かな隙間ができると、空隙部s1に空気が入り込み、積層された両電極構成板を容易に引き剥がすことが可能である。
さらに、空隙部s1の開口部に、外部から工具を差し込んで、密着した両電極構成板3a,3bを引き剥がすことも可能である。
第1実施形態では空隙部s1を固定側電極構成板3aに設けられた凹部32A〜32Eにより円弧状に設けたが、図4に示す第2実施形態では、凹部22A及び22Bは電極板20に格子状に設けられるガス通過孔11のピッチ間に、直線状に設けられている。
この第2実施形態の電極板20のように凹部を22A及び22Bを設けた場合であっても、電極板20の外周部の接触面積を少なくして熱伝達を抑制することが可能であり、積層された両電極構成板20a,20bを容易に分離することができる。
図5は本発明の電極板の第3実施形態を示している。
この実施形態の電極板40は、固定側電極構成板40a及び放電側電極構成板40bに、ガス通過孔11が径の異なる同心円上に並んで多数設けられている。そして、固定側電極構成板40aの外周部には、この同心円上に設けられたガス通過孔11のピッチ円間に凹部42A〜42Cが設けられるとともに、この凹部42A〜42Cに直交する直線状の複数の凹部42Dが放射状に設けられており、各凹部が繋がって形成されている。また、凹部42A〜42Cは電極板40の外周に近づくほど幅を広く設けられており、凹部42A〜42Cによる断熱効果が外周面に近い位置では大きくなっている。
各凹部42A〜42Dが互いに連通しており、これら凹部42A〜42Dに対向させて放電側電極構成板40bが積層されていることにより、固定側電極構成板40aの凹部42A〜42Dと、放電側電極構成板40bとの間に、空隙部s3が形成されている。これにより、固定側電極構成板40a及び放電側電極構成板40bの一部が剥がされて対向面間に僅かな隙間ができると、空隙部s3に順次空気が入り込み、積層された両電極構成板40a,40bを容易に引き剥がすことが可能となる。また、電極板40の厚さ方向の熱伝達が、外周部に近づくほど抑制されるので、電極板40の温度分布をより均一に保つことができ、電極板40の中央部と外周部との温度を面内で均一にして、プラズマ処理の面内均一性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、実施形態1の電極板3に設けた空隙部s1は、固定側電極構成板3aに設けた同幅の凹部32A〜32Eにより構成したが、実施形態3の凹部42A〜42Cのように、例えば、固定側電極構成板3aの外周面に近づくほど溝幅を広く設けて空隙部s1を構成してもよく、この場合、電極板3の外周部では、厚さ方向の熱伝達をより抑制することができる。
また、上述の実施形態では、固定側電極構成板だけに凹部を設けて空隙部を構成したが、放電側電極構成板に凹部を設ける構成としてもよい。さらに、隣り合う電極構成板の両方に凹部を設けて空隙部を構成してもよい。
1 プラズマ処理装置
2 真空チャンバー
3,20,40 電極板
3a,20a,40a 固定側電極構成板
3b,20b,40b 放電側電極構成板
4 架台
5 絶縁体
6 静電チャック
7 支持リング
8 ウエハ
9 エッチングガス供給管
10 拡散部材
11 ガス通過孔
12 排出口
13 高周波電源
14 冷却板
15 貫通孔
16 プラズマ発生領域
17 シールドリング
22A,22B,32A〜32E,42A〜42D 凹部
31a,31b 積層面
s1,s2,s3 空隙部

Claims (2)

  1. 複数の電極構成板が積層されるとともに、該電極構成板の厚さ方向に貫通するガス通過孔が複数設けられてなるプラズマ処理装置用電極板であって、隣り合う電極構成板の対向面間の外周部には、これら両電極構成板の少なくとも一方に、前記ガス通過孔を避けて複数の溝状の空隙部が設けられるとともに、該空隙部は少なくとも一部が前記電極構成板の外周面に開口するように設けられており、前記両電極構成板の単位面積当たりの接触面積が、電極板の中央部に比べて外周部の方が小さく形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置用電極板。
  2. 前記空隙部は、相互に連通状態に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置用電極板。
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