JP2011129184A - 光ピックアップの光学調整方法および装置 - Google Patents

光ピックアップの光学調整方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光ピックアップの光学調整を簡単かつ精密に行うことができる光ピックアップの光学調整方法を提供する。
【解決手段】光ピックアップ2から出射されるレーザ光を受光する回折格子3と、回折格子3からのレーザ光を集光レンズ4と結像レンズ5を介して受ける受像装置6とを備え、回折格子3からの透過光の干渉によるフリンジパターンを利用したジャストフォーカス検出器1を用い、ジャストフォーカス検出器1の検出結果に基づき、回折格子3を光ピックアップ2の対物レンズ10の焦点位置に設置することにより、光ピックアップ2の光学系を調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ピックアップの光学系の調整方法、および該調整方法を実現する装置に関するものである。
現在、光ピックアップは、映像や音声、あるいは文字情報などの記録再生装置を主とするエレクトロニクス機器に多く用いられ、例えば、音楽CD,DVDの記録再生機器や、ブルーレーザを搭載したハイビジョン映像を記録再生することができるブルーレイ記録再生機器に用いられている。それぞれの機器は単独でも存在するが、全ての記録媒体を記録再生することができる機器が一般的になってきている。
そのような機器において重要な技術は、記録再生技術と、それを実現する記録媒体と、光ピックアップに関する技術である。その中でも光ピックアップは、記録媒体にミクロン以下のビットを記録し、かつ、それを正確に読み取らねばならない。このため、回転し上下動する記録媒体上のトラックを正確に追跡し、記録された連続ビットを精密に再生することができなければならない。一方で、機器は小型化を要求される。そのために、部品である光ピックアップには高性能化と小型化が要求されている。
図9は一般的な光ピックアップにおける基本的光学系と記録媒体の関係を示す概略構成図であって、光ピックアップ101は、光源であるレーザ発光ダイオード102,ビームスプリッタ103,コリメータレンズ104,対物レンズ105,シリンドリカルレンズ106,4分割フォトダイオード107から構成され、各部品が図9に示す位置に配置されている。
図9において、記録媒体109は、記録再生機器に挿入されると所定の位置にローディングされて、回転軸110により回転する。一方、光ピックアップ101では、レーザ発光ダイオード102から出射したレーザ光Lが、ビームスプリッタ103で略直角に反射され、コリメータレンズ104により平行光となって、光軸方向に駆動可能な対物レンズ105に入り、記録媒体109の信号(ビット)記録面108により反射されて、再び、対物レンズ105とコリメータレンズ104とビームスプリッタ103を通って、レーザ発光ダイオード102に対してミラー位置に置かれた4分割フォトダイオード107にシリンドリカルレンズ106を通して入射して結像するようになっている。
4分割フォトダイオード107は、4つの分割素子であるフォトダイオードをX−Y座標の第1象限から第4象限それぞれに配置されたものであって、それぞれのフォトダイオードからの電気信号の大きさが同じ時に、受光面の光スポットが4分割フォトダイオード107の中心に位置するようになっている。
4分割フォトダイオード107上に配されたシリンドリカルレンズ106は、4分割フォトダイオード107の位置が正確に受光ビームの結像点に有るか否かが、より明確に分るように、機能している。4分割フォトダイオード107の位置が最適位置から上下すると、4つのフォトダイオードからの各電気信号が異なり、その信号を処理することにより、結像点からのずれを検出することができる。
また、4分割フォトダイオード107により、記録媒体109の記録面108にレーザ光Lがジャストフォーカスしているか否かも判別することができ、この判別信号を対物レンズ105の電磁コイルなどからなる駆動部にフィードバックすることにより、対物レンズ105の焦点が常に記録面108に対してジャストフォーカスするように制御が行われる。
光ピックアップにおいて前記処理を行うためには、各部品のサブミクロン単位の位置調整が必要である。従来、光ピックアップの調整は、光学系調整用の検査用記録媒体を再生時と同じように検査装置の中で回転させ、図9と同じ構成の調整装置を用い、記録信号面108から反射してくるレーザ光Lが4分割フォトダイオード107の中心に結像するように、レーザ発光ダイオード102または4分割フォトダイオード107を移動させることによって相対位置を調整していた。
また、検査用記録媒体を用いない調整方法も知られている。特許文献1には、回転する検査用記録媒体の代わりに、レーザ光の反射光が安定して得られるように、対物レンズの焦点位置に回折格子を設置して、これを光軸方向へ振動させる調整方法が提案されている。
特許文献1に記載によれば、当該光学調整方法によって、回転する記録媒体のように信号記録面の上下左右の不安定性によるデフォーカスやオフトラックがなく、安定した電気信号が4分割フォトダイオードから得られ、4分割フォトダイオードの感度調整が容易に行われるとしている。
特許文献1に記載の光学調整方法では、回折格子を光ピックアップの焦点に合わせるために、光ピックアップからの出射光の回折干渉画像(フリンジ画像)を利用している。
また、特許文献2に記載の光ピックアップ調整方法では、光ピックアップの対物レンズの焦点位置に回折格子を配置し、光ピックアップの光源から出射した光を回折格子で反射させた後、光ピックアップの4分割受光部で反射させ、光ピックアップの4分割受光部で反射した光を集光させたスポットを予め入力された基準スポットと比較し、比較結果を用いて光ピックアップの調整を行っている。
特開2002−216388号公報 特開2007−213666号公報
従来の回転する検査用記録媒体を用いた光ピックアップの光学系調整方法では、得られる電気信号が、機械系の不安定性(回転する記録媒体の上下左右のブレ)により安定しない。また、反射面の位置基準はジッタと呼ばれる記録媒体から読み取った信号のズレを元に演算処理していたため、記録媒体や設備の機差による影響を受け、正確かつ精密な調整は難しい。さらに、検査用記録媒体の劣化による難しさなどがある。
特許文献1に記載の調整方法は、完成した光ピックアップの光学系における4分割フォトダイオードの感度調整に有効であり、4分割フォトダイオードの精密位置調整にも有効である。
しかし、この調整方法では、レーザ発光ダイオードを光軸方向に位置調整をすることにより光ピックアップからの出射光の焦点距離が変わった際に、回折格子を振動させる振幅の範囲に光ピックアップからの焦点位置が含まれず、反射光が4分割フォトダイオード上に集光するようにレーザ発光ダイオードを調整できている否かを判定することができなくなる場合があった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、光学調整を簡単かつ精密に行うことができる光ピックアップの光学調整方法および装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光ピックアップ内の光源から出射された光が回折格子を透過して干渉した干渉縞に基づき、前記回折格子を光ピックアップ内の対物レンズの焦点位置に設置した後、前記光ピックアップ内の光源から出射されて前記回折格子で反射した光をシリンドリカルレンズを通した後に前記光ピックアップ内の4分割受光部で受光し、前記4分割受光部で受光した光の光量に基づいて前記光ピックアップ内の光源の位置を調整するようにしている。
本発明によれば、従来の回転する検査用記録媒体を用いる光ピックアップの光学調整方法に比べ、記録媒体の劣化などがないために、安定した調整を維持することができる。また、回転するという機械的不安定性がなく、しかも反射面の位置基準を電気信号の演算処理ではなく光学的に一意的に求めることにより、機差のない正確かつ精密な光ピックアップあるいは4分割フォトダイオードへの反射光の位置調整が可能である。
また、レーザ発光ダイオードの光軸方向の位置調整において、光ピックアップからの出射光の焦点距離が変化する特許文献1の調整方法に比べて、反射光が4分割フォトダイオード上に焦点を持つか否かの判定ができなくなるような事態を回避することができる。
本発明の実施形態1の光ピックアップ光学調整方法を説明するための光学調整装置の構成図 (a),(b)は実施形態1における受像装置で受像される干渉縞の一例を示す説明図 実施形態1におけるレーザ発光ダイオードの位置決め工程のフローチャート (a),(b)は実施形態1における4分割フォトダイオードの出力構成の説明図 実施形態1における光ピックアップの検査方法のフローチャート 本発明の実施形態2の光ピックアップ光学調整方法の調整方法のフローチャート 本発明の実施形態3の光ピックアップ光学調整方法の調整方法のフローチャート 本発明の実施の形態4の光学調整方法を実現するための光学調整装置の概略構成図 一般的な光ピックアップの基本的光学系と記録媒体とを示す概略構成図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付して、説明を省略する場合もある。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の光ピックアップ光学調整方法を説明するための光学調整装置の構成図である。
図1において、ジャストフォーカス検出器1と、内設されたレーザ発光ダイオード7(光源)の空間的位置が調整される光ピックアップ2とを、図示したように上下位置に設置する。
ジャストフォーカス検出器1は、回折格子3と、集光レンズ4と、結像レンズ5と、受像装置6とからなり、XYZ軸方向に移動可能になっている。
一方、光ピックアップ2は、レーザ発光ダイオード7と、ビームスプリッタ8と、コリメータレンズ9と、Z軸方向に移動可能な対物レンズ10と、シリンドリカルレンズ11と、4分割フォトダイオード12(4分割受光部)とからなる。
本実施形態1のジャストフォーカス検出器1における基本動作の概略について説明する。
ジャストフォーカス検出器1では、後述するように、光ピックアップ2のレーザ発光ダイオード7から出射されて対物レンズ10により集束された集束光を、回折格子3にて回折して0次回折光,±1次回折光,±2次回折光,‥‥‥‥を得る。これらの回折光のうち0次回折光と±1次回折光とを、集光レンズ4にて平行光に変換し、集光レンズ4を透過した平行光を結像レンズ5により受像装置6に結像させる。受像装置6で受像した光は、光電変換されて処理装置(図示せず)において解析される。
回折格子3は、図面の垂直方向に延在し、凹部と凸部を交互に配置した格子溝3aを備えている。格子溝3aは、半透過性の薄い膜で覆われており、この膜で回折格子3に入射した光の一部が反射し、一部が膜を透過するようにしてある。格子溝3aの形状寸法および回折格子3と集光レンズ4との距離は、回折格子3から得られた0次回折光と+1次回折光,0次回折光と−1次回折光が、それぞれ集光レンズ4の瞳面上で干渉(シェアリング干渉)するように設計されている。したがって、受像装置6に受像される受光画像には、0次回折光と+1次回折光との干渉領域A1と、0次回折光と−1次回折光との干渉領域A2が含まれる(図2(a),(b)参照)。
干渉領域A1,A2には、光学系に含まれる各種の収差が干渉模様または干渉縞となって現れる。具体的に説明すると、回折格子3と光ピックアップ2の対物レンズ10との間の光軸方向のずれを例にとった場合、回折格子3の位置が対物レンズ10の焦点に正確に一致(ジャストフォーカス状態)していれば、図2(a)に示すように、干渉領域A1,A2に干渉縞は現れない。しかし、回折格子3の位置が対物レンズ10の焦点からずれている(デフォーカス状態)と、図2(b)に示すように干渉領域A1,A2にそれぞれ干渉縞が現れる。
すなわち、光ピックアップ2からの出射光が、回折格子3における格子溝3aのパターン面に焦点を結ぶ時、受像装置6では図2(a)に示すジャストフォーカス特有のフリンジパターンをした受光画像が得られるために、処理装置ではジャストフォーカスであると判断する。
一方、受像装置6において、図2(b)に示すように、干渉縞(デフォーカス縞)が存在する受光画像が得られた時、処理装置が、ジャストフォーカス検出器1を受像装置6の受光画像が図2(a)のようになるまでZ方向に駆動することによって、回折格子3を出射光の焦点位置に移動させる。これを繰り返すことにより、常時、回折格子3を出射光の焦点位置に追従させる。
光ピックアップ2は、レーザ発光ダイオード7から出射したレーザ光が、ビームスプリッタ8で略直角に反射され、コリメータレンズ9を通して対物レンズ10に入り、ジャストフォーカス検出器1の回折格子3に入射する。その後、対物レンズ10と反対側の記録媒体における記録層に見立てた回折格子3の反射面とから反射されて、再び、対物レンズ10とコリメータレンズ9とビームスプリッタ8とを通って、レーザ発光ダイオード7とミラー位置に設置された4分割フォトダイオード12に、シリンドリカルレンズ11を通して結像するようにした構成である。
本実施形態1の光ピックアップ2では、4分割フォトダイオード12で受光する受光画像の光量を観察しながら、4分割フォトダイオード12の位置を調整する。
なお、本説明では光軸をZ軸としている。そのためレーザ発光ダイオード7の光出射方向がZ軸であるが、その後、ビームスプリッタ8にて直角に曲げられるために、図において、レーザ発光ダイオード7以外は縦方向がZ軸(光軸)となる。
本実施形態1において、レーザ発光ダイオード7の位置決め工程(プロセス)は、図3に示すフローチャートのように実施される。
(1)調整すべき光ピックアップ2を、対物レンズ10の焦点がジャストフォーカス検出装置1の回折格子3上に略位置するように載置し(ステップS1)、レーザ発光ダイオード7を発光させる(ステップS2)。
(2)4分割フォトダイオード12を構成する4つの分割素子からの4つの出力(A,B,C,D(AとC,BとDが対角位置にある素子からの出力。図4(a)を参照)が略同じになるように、レーザ発光ダイオード7を光軸Zに垂直なX−Y面上を移動させて仮固定する(ステップS3)。
(3)常に、回折格子3が光ピックアップ2の対物レンズ10の焦点位置にあるように、前述したようにジャストフォーカス検出器1を駆動して、受光画像解析に従ってフォーカス追従をかける(ステップS4)。
(4)4分割フォトダイオード12の対角位置にある素子の出力の和(A+C)と、他の対角位置にある素子の出力(B+D)との関係が、((A+C)−(B+D))/(A+B+C+D)=略0となるように、レーザ発光ダイオード7を光軸Z方向に移動させる(ステップS5)。
(5)回折格子パターン(格子溝)のない基板の反射面を、回折格子3に換えて光軸上に設置し、4分割フォトダイオード12の対角位置の素子の出力の和(A+C)と、他の対角位置の素子の出力(B+D)との関係が、((A+C)−(B+D))/(A+B+C+D)=略0となるように、光ピックアップ2の対物レンズ10を駆動してフィードバックをかける(ステップS6)。
(6)4分割フォトダイオード12の対角位置の素子の出力の関係が、((A+B)−(C+D))/(A+B+C+D)=略0、および((A+D)−(B+C))/(A+B+C+D)=略0となるように、レーザ発光ダイオード7を光軸Z方向に垂直なX−Y面上を移動させ、より精密に位置決め固定する(ステップS7)。
以上のプロセスにより、レーザ発光ダイオード7の正確かつ精密な位置決めが行われる。
なお、ステップS5において、反射面を回折格子パターンのない面にする理由は、対物レンズ10のフィードバック制御が確実で容易になるからである。この場合、回折格子3あるいはジャストフォーカス検出器1全体を移動させて、回折格子3における回折格子パターン(格子溝3a)のない部分を使うようにすることもできる。
本実施形態1における回折格子を用いた光ピックアップの検査方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、光ピックアップの調整装置に、光ピックアップ2をセットする(ステップS11)。そして、光ピックアップ2の光源であるレーザ発光ダイオード7を発光させて(ステップS12)、調整装置の光学系を移動させ(ステップS13)、その後、回折格子3で回折された光ピックアップ2からの画像を受像装置6で取り込む(ステップS14)。そして、取り込んだ画像を基に、処理装置ではフリンジ演算(干渉縞に対してフリンジ多項式を用いた、レンズの収差の演算)を行う(ステップS15)。
ここで、本実施形態1では、フリンジ多項式のデフォーカス量の項を回折格子高さズレ調整のためのフィードバックに利用する。
すなわち、本実施形態1においては、ステップS15のフリンジ演算工程において、フリンジ多項式のデフォーカス量の項を用いて、回折格子3の反射面の位置を求め、反射面の位置がジャストフォーカスの位置になるように、回折格子高さズレの位置調整を行うフィードバックを行う。
そして、ステップS15で所定のデフォーカス値以下の場合を演算結果として出力し、光ピックアップ2の収差を導出する(ステップS16)。
このようにすることによって、本実施形態1では、回折格子3の反射面を常にジャストフォーカス位置に合わせながら、光ピックアップ2の収差を導出することが可能となる。
(実施形態2)
レーザ発光ダイオード7と4分割フォトダイオード12とは、光学的には互換の位置(ミラー位置)にあり、互いに入れ替わってもよく、あるいは、そのままの位置(図1の配置)で4分割フォトダイオード12をXY軸方向に位置調整するようにしてもよい。
本発明の実施形態2に係る光ピックアップ光学調整方法における4分割フォトダイオードの位置調整について、図6のフローチャートを参照して説明する。基本的なプロセスは実施形態1と同様の次のような工程からなる。
(1)調整すべき光ピックアップ2を、対物レンズ10の焦点がジャストフォーカス検出装置1の回折格子3上に略位置するように載置し(ステップS21)、レーザ発光ダイオード7を発光させる(ステップS22)。
(2)4分割フォトダイオード12からの4つの出力A,B,C,Dが略同じになるように、4分割フォトダイオード12を光軸Zに垂直なX−Y面上を移動させて仮固定する(ステップS23)。
(3)回折格子3が光ピックアップ2の対物レンズ10の焦点位置にあるように、ジャストフォーカス検出器1をフリンジ画像に従って駆動し、フォーカス追従をかける(ステップS24)。
(4)4分割フォトダイオード12の対角位置の素子の出力の和(A+C)と、他の対角位置の素子の出力(B+D)との関係が((A+C)−(B+D))/(A+B+C+D)=略0となるように、4分割フォトダイオード12を光軸Z方向に移動させる(ステップS25)。
(5)回折格子のない基板の反射面を、回折格子3に換えて光軸上に設置し、4分割フォトダイオード12の対角位置の素子の出力の和(A+C)と、他の対角位置の素子の出力(B+D)との関係が((A+C)−(B+D))/(A+B+C+D)=略0となるように光ピックアップ2の対物レンズ10を駆動させフィードバックをかける(ステップS26)。
(6)4分割フォトダイオード12の対角位置の素子の出力の関係が((A+B)−(C+D))/(A+B+C+D)=略0、および((A+D)−(B+C))/(A+B+C+D)=略0となるように、4分割フォトダイオード12を光軸Z方向に垂直なX−Y面上を移動させ、より精密に位置決め固定する(ステップS27)。
以上のプロセスにより、4分割フォトダイオード12の正確かつ精密な位置決めがなされる。
(実施形態3)
ところで、現在、光ピックアップの構成として複数種類の記録媒体に対応した機器が提供されている。例えば、CDとDVDに対して記録再生を行うことができる機器がある。
この構成のものでは、相対的な位置が固定された2つの発光点から、それぞれ異なる波長のレーザ光を発光できる2波長レーザ発光ダイオード部品と、図2(b)に示したように、各発光点からの波長のレーザ光をそれぞれ検知する2つの4分割フォトダイオード15,16を有するフォトダイオード部品とを備えた光ピックアップが用いられる。
4分割フォトダイオード15とこれに対応するレーザ発光ダイオードとの一方の組においては、図3に示す実施形態1の工程(プロセス)の光学調整方法を実施し、4分割フォトダイオード16とこれに対応するレーザ発光ダイオードとの他方の組においては、図3にて説明した工程に、次の工程を追加して調整を実施する。
本発明の実施形態3の光ピックアップ光学調整方法における調整方法について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7において、一方の組における調整フローであるステップS31〜S37は、図3のステップS1〜S7のフローと同様であるので説明を省略する。
他方の組では、図7に示すように、以下の工程を追加する。
(1)他方のレーザ発光ダイオードを発光させる(ステップS38)。
(2)回折格子の面と異なり、かつ他方のレーザ発光ダイオードを用いる場合の記録媒体の記録層に見立てた反射面を有するカバーグラスを回折格子3に重ねて、該反射面に他方のレーザ発光ダイオードの焦点が合うように、図4(b)に示す4分割フォトダイオード16の対角位置の素子の出力の和(A’+C’)と、他の対角位置の素子の出力(B’+D’)との関係が、((A’+C’)−(B’+D’))/(A’+B’+C’+D’)=略0となるように光ピックアップの対物レンズを駆動する(ステップS39)。
(3)図3に示す工程を経て一方のレーザ発光ダイオードが一方の4分割フォトダイオード15の中心に調整された状態で、他方の4分割フォトダイオード16の出力の関係が、((A’+D’)−(B’+C’))/(A’+B’+C’+D’)=略0となるように、2波長レーザ発光ダイオード部品を、一方のレーザ発光ダイオードの発光点を回転中心として、Z軸の周りに回転させて位置決めする(ステップS40)。
なお、ステップS39において、回折格子3にカバーグラスを重ねる代わりに、他方のレーザ発光ダイオードを用いる記録媒体の記録層に見立てた他の反射面と置き換えるようにしてもよい。
また、2波長レーザ発光ダイオード部品を固定して、4分割フォトダイオード部品の位置調整を行う場合でも、同様に4分割フォトダイオード部品を回転させて精密な位置決めを行うことができる。
(実施形態4)
一つの光ピックアップにおいてブルーレイ記録再生も実現することができるようにした構成の機器が提供されているが、そのような光ピックアップでは、前記レーザ発光ダイオード部品の外に青色レーザ発光ダイオードを内蔵する。この場合には、前記工程に加えて青色レーザ発光ダイオードに関しても、実施形態1の工程と同様な工程フローを経ることにより、実施形態1と同様な精密な光学調整を行うことができる。
図8は本発明の実施形態4に係る光学調整方法を実現するための光学調整装置の概略構成図である。図8において、実施形態1〜3において既に説明した部材には同一符号を付した。
図8に示す光学調整装置では、実施形態1にて説明した構成のジャストフォーカス検出器1と、これを上下に移動させる駆動部21と、上記の実施形態にて説明した構成の調整対象の光ピックアップ2を載置する載置台22と、光ピックアップ2の4分割フォトダイオード12の出力を演算する演算部23と、その出力に従って光ピックアップ2のレーザ発光ダイオード7を少なくともXYZ方向に移動させ最適な位置に固定するための微動部24とからなる。
この光学調整装置においては、調整対象の光ピックアップ2を載置台22に載置し、ジャストフォーカス検出器1を駆動部21により移動させて、光ピックアップ2の対物レンズ10からの出射光の焦点に、回折格子3が位置するように移動する。
その後、実施形態1と同様の光学調整のための工程フローを実施する。4分割フォトダイオード12からの出力は演算部23で計算され、その結果に従ってレーザ発光ダイオード7を微動部24で微動調整する。演算部23の出力は対物レンズ10のフィードバック制御にも使われる。
なお、以上の説明より明らかであるが、各部品や各工程の変形は、本発明の本質から逸脱しない範囲内において可能である。
本発明は、CD,DVDなどの各種記録媒体を用いる記録再生機器を構成する光ピックアップの光学調整に利用可能である。
1 ジャストフォーカス検出器
2 光ピックアップ
3 回折格子
4 集光レンズ
5 結像レンズ
6 受像装置
7 レーザ発光ダイオード
8 ビームスプリッタ
9 コリメータレンズ
10 対物レンズ
11 シリンドリカルレンズ
12,15,16 4分割フォトダイオード
21 駆動部
22 載置台
23 演算部
24 微動部

Claims (6)

  1. 光ピックアップ内の光源から出射された光が回折格子を透過して干渉した干渉縞に基づき、前記回折格子を光ピックアップ内の対物レンズの焦点位置に設置した後、
    前記光ピックアップ内の光源から出射されて前記回折格子で反射した光をシリンドリカルレンズを通した後に前記光ピックアップ内の4分割受光部で受光し、前記4分割受光部で受光した光の光量に基づいて前記光源または前記4分割受光部の位置を調整すること
    を特徴とする光ピックアップの光学調整方法。
  2. 前記回折格子と前記光ピックアップ内の対物レンズとの距離が前記対物レンズの焦点距離になるように常にフィードバックをかけること
    を特徴とする請求項1記載の光ピックアップの光学調整方法。
  3. 前記光ピックアップは、前記光源から出射した光が、ビームスプリッタで略直角方向に反射された後にコリメータレンズを通して前記対物レンズに入射し、前記対物レンズから出射して前記回折格子により反射された後に前記対物レンズと前記コリメータレンズと前記ビームスプリッタとを通り、前記光源に対してミラー位置に設置された前記4分割受光部にシリンドリカルレンズを通して結像する構成であって、前記4分割受光部にて受光された光量に基づいて、前記光源または前記4分割受光部の位置を調整すること
    を特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップの光学調整方法。
  4. 前記対物レンズの焦点が前記回折格子に合致するように前記光ピックアップを載置する工程と、
    前記4分割受光部の各分割素子からの4つの出力(A,B,C,D(AとCおよびBとDが対角位置にある素子からの出力)が同じになるように、前記光源を前記対物レンズの光軸に対して垂直な面上を移動させて仮固定する工程と、
    前記4分割受光部における対角位置の素子の出力の和(A+C)と他の対角位置の素子の出力(B+D)との関係が、((A+C)−(B+D))/(A+B+C+D)=0となるように、前記光源を前記対物レンズの光軸方向に移動させる工程と、
    回折格子パターンのない反射面を前記回折格子に換えて設置し、前記4分割受光部における対角位置の素子の出力の和(A+C)と他の対角位置の素子の出力(B+D)との関係が、((A+C)−(B+D))/(A+B+C+D)=0となるように、前記対物レンズの位置を調整する工程と、
    前記4分割受光部の対角位置の素子の出力の関係が、((A+B)−(C+D))/(A+B+C+D)=0、および((A+D)−(B+C))/(A+B+C+D)=0となるように、前記光源または前記4分割受光部を前記対物レンズの光軸方向に垂直な面上を移動させて位置調整して固定する工程と、
    からなること
    を特徴とする請求項3記載の光ピックアップの光学調整方法。
  5. 前記光ピックアップが、相対的な位置が固定されている異なる波長の2つの光源を備えた光源部品と、前記各光源に対応して光をそれぞれ検知する2つの4分割受光部を備えた4分割受光部品を具備する光ピックアップであって、
    一方の前記光源と4分割受光部に対しては請求項4に記載の各工程の実施し、
    他方の前記光源と4分割受光部に対しては請求項4に記載の各工程に加えて、
    前記回折格子に、該回折格子の面と異なる反射面を有するカバーグラスを重ね、この反射面に焦点が合うように前記光ピックアップの対物レンズを駆動する工程と、
    前記他方の4分割受光部の出力の関係が、((A+D)−(B+C))/(A+B+C+D)=0となるように、前記他方の光源または前記4分割受光部を前記対物レンズの光軸の周りに回転させ位置調整する工程とを実施すること
    を特徴とする請求項3記載の光ピックアップの光学調整方法。
  6. 請求項1〜4いずれか1項記載の光ピックアップの光学調整方法に用いられるジャストフォーカス検出器と、該ジャストフォーカス検出器を上下動させる駆動部と、光ピックアップを載置する載置台と、前記光ピックアップの4分割受光部の出力を演算する演算部と、該演算部の出力に従って光ピックアップの光源をXYZ方向に移動させて位置固定する微動部とを備えたこと
    を特徴とする光ピックアップの光学調整装置。
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