本発明の実施形態を説明する前に、液晶表示パネルの交流駆動について説明する。図39及び図40は、液晶表示装置に用いる液晶表示パネルの画素構成を示す図である。図39は、従来のR(赤)、G(緑)及びB(青)の3色カラーフィルタ方式の液晶表示装置における画素構成の例を示す図である。図39では、それぞれR、G及びBの副画素を備える画素が、縦4×横3に並ぶパネルを例にしている。以下の説明において、液晶表示パネル上の副画素を指定する際、走査信号線に沿って左端からx番目、データ信号線に沿って上端からy番目の副画素をP(x,y)として表すこととする。データ信号線と走査信号線との交点には、各副画素に接続されたTFTが配置されている。図のD1〜D10はデータ信号線、G1〜G4は走査信号線である。
図39では、nは1〜4として、P(1,n)がR画素、P(2,n)がG画素、P(3,n)がB画素というように、R、G及びBの3色の副画素をストライプ状に配置している。表示パネルは、印加電圧の偏りに起因する焼きつきを防止するために、正極性と負極性のデータ電圧を交互に副画素に書き込む必要がある。更にこのとき、走査信号線やデータ信号線のクロストークに起因する画質劣化の発生も回避するために、空間的にも正極性と負極性の副画素を交互に並べることが一般的である。図39では、ある時点における各副画素の極性を+及び−の符号で示しており、P(1,1)やP(3,1)は正極性、P(2,1)やP(1,2)は負極性となるように、各副画素の極性は、データ信号線方向、走査信号線方向共に、1副画素毎に正極性と負極性が交互に、所謂市松模様状に並べられている。これは、データ信号線の左右一方にのみTFTを配置するのではなく、走査信号線毎に、データ信号線の左右に交互にTFTを配置することにより実現されている。このようにすることにより、画質を維持しつつ、消費電力を低減させることができる。更にこの極性は、例えば1フレーム毎に反転される。つまり、あるフレームで正極性とした副画素は、次のフレームで負極性となる。
上述したように、図39では、走査信号線方向、データ信号線方向については1副画素単位、時間方向についてはフレーム単位で交流化を実施しており、フリッカやクロストークといった画質劣化のない、良好な表示を得ることができる。
交流駆動においては、画素電圧の極性を切り替える方式として、フレーム単位で切替るフレーム反転駆動、隣接データ信号線単位で切替るデータ信号線反転駆動、隣接走査信号線単位で切替る走査信号線反転駆動、副画素単位で切替るドット反転駆動、など、各種の交流化駆動方式が提案されている。これらの駆動方式を比較した場合、一般に、画質はドット反転駆動が最良であり、データ信号線反転駆動や走査信号線反転駆動はクロストークの発生、フレーム反転駆動はフリッカの発生などの課題がある。
一方で、消費電力はフレーム反転駆動が逆に最も小さく、続いてデータ信号線反転駆動であり、走査信号線反転駆動やドット反転駆動の消費電力はこれら2つよりも大きい。しかし、上記消費電力は、データ信号線の左右1方のみにTFTを配置した場合であって、図39のようにデータ信号線の左右に交互にTFTを配置すると、データ信号線反転交流によって、ドット反転駆動を実現できる。
図39のデータ信号線D1、D2及びD3を例にとって説明すると、走査信号線G1の選択時は、データ信号線D2はTFTを介して副画素P(2,1)に接続される。以降同様に、走査信号線G2の選択時は副画素P(1,2)に、走査信号線G3の選択時は副画素P(2,3)に、走査信号線G4の選択時は副画素P(1,4)に接続される。これらの副画素の極性は全て負極性である。更に、データ信号線D2に隣接するデータ信号線D1及びD3に接続される副画素は全て正極性である。すなわち、各データ信号線の極性は、1フレーム期間の間、同一極性のみとなる。これは、データ信号線駆動回路にとっては、データ信号線反転駆動に相当する。しかし、これらの副画素は走査信号線毎にデータ信号線の左右に交互に配置されているため、結果として、表示パネル上には、ドット反転駆動が実現されることとなる。以上説明したように、データ信号線の左右に交互にTFTを配置することで、消費電力をデータ信号線反転駆動相当に維持したまま、ドット反転駆動の画質を実現することができる。
図41は、表示パネルの交流化駆動のための、階調データとデータ電圧の関係の例を示すグラフである。データ信号線には、入力された階調データに基づいて、正負の極性に対応したデータ電圧が印加される。具体的には、表示パネルにおいて表示可能な階調データの最小値をDmin、最大値をDmaxとすると、正極性では階調データDminに対してデータ電圧Vminを対応づけ、階調データDmaxに対してデータ電圧+Vmaxを対応づける。一方、負極性では、DminとVminを、Dmaxと−Vmaxを対応づける。つまり、Dmin≦Dx≦Dmaxを満たす階調データDxに対しては、正極性ではデータ電圧+Vxが、負極性ではデータ電圧−Vxを対応づけられる。このとき、図41のグラフに示されるように、−Vmax≦−Vx≦Vmin≦+Vx≦+Vmaxの関係が成り立つ。なお、図41に示す特性カーブは、表示パネルの特性に基づき、階調データに対応した所望の表示輝度が得られるように、予め適切に設定されている。
図40は、図39の3色のカラーフィルタを備えた表示装置に適用した1副画素反転交流を、そのままB(青)及びY(黄)の2色のカラーフィルタを備えた表示装置に適用した場合について示している。なお、2色のカラーフィルタを用いたカラー表示については、第1実施形態において説明する。図40では、副画素P(1,1)はY画素、副画素P(2,1)はB画素、副画素P(3,1)はまたY画素となるように、2色カラーフィルタの副画素をストライプ状に配置している。また、図39と同様に、正極性と負極性の副画素が1副画素毎に市松模様状に並んでいる。
しかし、画面全体に青単色のベタ表示をするケースを考えると、副画素P(2,1)や副画素P(4,1)などのB画素は、青の表示データに対応した、正負の極性の電圧が交互に書き込まれる。例えば、図41のグラフに示したように、階調データがDmaxであれば、データ電圧は+Vmax及び−Vmaxとなる。
この青単色表示においては、副画素P(1,1)や副画素P(3,1)のY画素は、階調データが最小値Dminである。このとき、データ電圧は正極性、負極性問わずに共通でVminであるため、走査信号線G1及びG2に着目すると、走査信号線G1では、データ電圧+Vmax、Vminの副画素のみが交互に並ぶのに対し、走査信号線G2では、データ電圧−Vmax、Vminの副画素のみが交互に並ぶ。走査信号線G1及びG2は、共に同じデータを表示しているのにも関わらず、走査信号線G1は正極性に偏り、走査信号線G2は負極性に偏ることとなる。すなわち、走査信号線方向に交流化が正常に実現されず、横スジ状の画質劣化となって知覚されることとなる。したがって、従来の1画素反転交流は、表示品質の点において、2色カラーフィルタ方式には適用することは難しい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1には、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置100が概略的に示されている。この図に示されるように、液晶表示装置100は、上フレーム110及び下フレーム120に挟まれるように固定された液晶表示パネル200及びバックライト360等から構成されている。
図2には、図1の液晶表示パネル200の構成が示されている。液晶表示パネル200は、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)基板230とカラーフィルタ基板220の2枚の基板を有し、これらの基板の間には液晶組成物が封止されている。TFT基板230には、走査信号線駆動回路330により制御される走査信号線、及びデータ信号線駆動回路320により制御されるデータ信号線が張り巡らされ、これらの信号線は副画素311を形成している。なお、液晶表示パネル200は、その表示の解像度に対応する数の画素を有するが、図が煩雑になるのを避けるため、簡略化して示している。
図3及び図4は、液晶表示装置100のカラー表示を説明するための図である。液晶表示装置100はフィールドシーケンシャル方式によるカラー表示を行う装置であり、カラーフィルタ基板220の一画素312は、青(B)の第1カラーフィルタ222と黄(Y)の第2カラーフィルタ224の2色を備える。バックライト360は、色の異なる第1バックライト光131と第2バックライト光132の2色を切替えて発光する構成であり、第1バックライト光131と第2バックライト光132は、互いの発光スペクトルの一部がオーバーラップし、更に第1カラーフィルタ222が透過する光のスペクトルともオーバーラップするように選択する。本実施形態では、第1バックライト光131をシアン(C)とし、第2バックライト光132をマゼンダ(M)としている。
図3は、青(B)と緑(G)を表示する状態を示す図である。この状態では、バックライト360は、第1バックライト光131のシアンで発光させ、シアンのバックライト光は、青のカラーフィルタ222を透過すると青の透過光となり、黄のカラーフィルタ224を透過すると緑の透過光となる。
図4は、青(B)と赤(R)を表示する状態を示す図である。この状態では、バックライト360は、第1バックライト光131のマゼンダで発光させ、マゼンダのバックライト光は、青のカラーフィルタ222を透過すると青の透過光となり、黄のカラーフィルタ224を透過すると赤の透過光となる。
上述したような原理により、液晶表示装置100は、2種のカラーフィルタと2種のバックライト光を組み合わせることで、3原色の表示を行い、フルカラー表示を行っている。
なお、上述したカラーフィルタの色とバックライトの光の色の組合せは一例であり、本発明の液晶表示装置はこれに限るものではない。例えば、第1カラーフィルタ222を赤、第2カラーフィルタ224をシアン、第1バックライト光131をマゼンダ、第2バックライト光132を黄としても良い。あるいは例えば、第1カラーフィルタ222を緑、第2カラーフィルタ224をマゼンダ、第1バックライト光131を黄とし、第2バックライト光132をシアンとしても良い。
図5は、液晶表示装置100におけるカラーフィルタとバックライトの組み合わせについて示す表である。第1カラーフィルタ222は、青のスペクトル成分を含むように構成されているため、第1カラーフィルタ222の色は青となる。一方、第2カラーフィルタ224は、緑及び赤のスペクトル成分を含むように構成されるため、第2カラーフィルタ224の色は黄となる。
第1バックライト光131は、青のスペクトル成分及び緑のスペクトル成分を主に含むように構成されるため、第1バックライト光131の発光色はシアンとなる。また、第2バックライト光132は、青のスペクトル成分及び赤のスペクトル成分を主に含むように構成されるため、第2バックライト光132の発光色はマゼンダとなる。
第1バックライト光131と第1カラーフィルタ222とを組合せると、主に青のスペクトル成分のみが透過される。同様に、第1バックライト光131と第2カラーフィルタ224とを組合せると、主に緑のスペクトル成分のみが透過される。同様に、第2バックライト光132と第1カラーフィルタ222とを組合せると、主に青のスペクトル成分のみが透過される。同様に、第2バックライト光132と第2カラーフィルタ224とを組合せると、主に赤のスペクトル成分のみが透過される。
ここでバックライト光の光源としては、例えば発光ダイオード(LED)を用いることができる。例えば3色のLEDを光源として用いてバックライトを構成することができる。この場合、例えば赤、緑、青の3色のLEDを用いてバックライトを構成する。緑と青のLEDを同時に発光させて第1バックライト光131のシアンとし、また、赤と青のLEDを同時に発光させて第2バックライト光132のマゼンダとするのが好ましい。この場合、赤、緑、青のLEDの発光強度を個別に制御することが可能であり、色合いの調整の自由度が高い、という特長がある。
あるいは、2色のLEDを光源として用いてバックライトを構成することができる。この場合、例えば、第1バックライト光131の光を発光するシアンのLEDと、第2バックライト光132の光を発光するマゼンダのLEDとを用いるのが好ましい。ここでシアン、マゼンダのLEDの構成例としては、LEDチップの材料を選択して所望の発光色を得るように構成しても良い。あるいは、例えば青色LEDチップと蛍光体とを組み合わせて所望の発光色を得るように構成しても良い。例えば、青色LEDチップと緑色蛍光体を組み合せれば、シアンの発光となる。また、青色LEDチップと赤色蛍光体を組合せれば、マゼンダの発光となる。
一般的に、LEDチップは、発光色毎にその構成材料が異なるため、温度−輝度特性や寿命が異なる。複数色のLEDチップを組合わせて発光させる場合、例えば、温度上昇に伴って得られる色が変化(色シフト)することとなる。表示装置としては、色シフトの発生は好ましくないため、特性を補償するように、個別のLEDの発光強度を調節して、発光色を一定に保つ制御を取り入れる必要があるが、この制御は、LED数が増えるほど難易度は増すため、3色のLEDを使用する方式に比べ、2色のLEDを使用する方式の方が、より容易にバックライトを構成できると共に、部品の種類を減らすことができ、管理コストなどが削減できる。更に、青色LEDと緑色ないし赤色の蛍光体を組合わせる方式の場合、両者に用いる青色LEDチップを同一種とすることで、両者の温度特性などを均一にすることができ、更に制御が容易となる。
なお、青色LEDを用いるほかに、近紫外発光のLEDチップと蛍光体を組合わせるLEDを用いることもできる。
図6には液晶表示装置100の制御構成が概略的に示されている。液晶表示装置100は、データ変換回路350と、タイミング制御回路340と、データ信号線駆動回路320と、走査信号線駆動回路330と、液晶表示パネル200と、バックライト駆動回路370と、バックライト360とを備えている。液晶表示装置100は、入力表示データ382と、入力制御信号群381の入力を受け付け、液晶表示パネル200並びにバックライト360を駆動する機能を備える。入力制御信号群381は、例えば1フレーム期間(1画面分を表示する期間)を規定する垂直同期信号、1水平走査期間(1ライン分を表示する期間)を規定する水平同期信号、表示データの有効期間を規定するデータ有効期間信号、及び表示データと同期した基準クロック信号等で構成される。入力表示データ382及び入力制御信号群381は、外部の信号発生回路(不図示)から液晶表示装置100へ入力される。
データ変換回路350は、入力表示データ382を液晶表示パネル200用の変換表示データ352に変換する。入力表示データ382は、R、G及びBの3原色のデータで構成されることが一般的である。一方、液晶表示パネル200は、前述のとおり、2色のカラーフィルタから構成されるため、そのままでは入力表示データ382を表示することができない。そこで、データ変換回路350は、入力表示データ382を液晶表示パネル200に適した変換表示データ352に変換して出力する機能を備える。
また、液晶表示装置100は、フィールドシーケンシャル方式を用いているため、1つのフレームにおいて、複数の書込走査期間であるフィールドを構成して表示する。例えばフィールド数が2であれば、表示パネルのリフレッシュレートは入力表示データのフレーム周波数の2倍となる。このとき、入力表示データのフレーム周波数が60Hzであれば、表示パネルは120Hz以上で駆動することとなる。そのため、データ変換回路350は、入力表示データ382のフレーム周波数を変換する機能も併せて備える。更にデータ変換回路350は、変換表示データ352に同期した変換制御信号群351を生成する。
変換制御信号群351は、変換表示データ352の1フレーム期間を規定する垂直同期信号、1水平走査期間を規定する水平同期信号、変換表示データ352の有効期間を規定する表示データ有効期間信号、変換表示データ352と同期したクロック信号、及びフィールドの順番を識別するフィールド識別信号等で構成される。
タイミング制御回路340は、データ変換回路350から出力された変換制御信号群351と変換表示データ352とを入力として受け付ける。そして、変換制御信号群351と変換表示データ352とから、データ信号線駆動回路320を制御するためのデータ信号線駆動回路制御信号群341と、出力表示データ342と、走査信号線駆動回路330を制御するための走査信号線駆動回路制御信号群343と、バックライト駆動回路370を制御するためのバックライト制御信号群344を生成する回路である。
走査信号線駆動回路制御信号群343は、例えば1ラインの走査信号線選択期間を規定するシフト信号、先頭ラインの走査開始を規定する垂直スタート信号等で構成される。
データ信号線駆動回路320は、表示階調の数に対応した電位を生成すると共に、出力表示データ342に対応した1レベルの電位を選択し、データ電圧321をデータ信号線Dに印加する。
走査信号線駆動回路330は走査信号線駆動回路制御信号群343に基づき走査信号線選択信号331を生成し、液晶表示パネル200の走査信号線Gへ出力する。
液晶表示パネル200の副画素311は、ソース電極、ゲート電極、ドレイン電極からなるTFT(Thin Film Transistor)と、液晶層、対向電極から構成される。走査信号をゲート電極に印加することでにTFTのスイッチング動作を行い、TFTが開状態ではデータ電圧がソース電極を介して液晶層の一方と接続したドレイン電極に書き込まれ、閉状態ではドレイン電極に書き込まれた電圧が保持される。このドレイン電極の電圧をVdとし、対向電極電圧をVcomとする。液晶層は、ドレイン電極電圧Vdと対向電極電圧Vcomの電位差に基づき偏光方向を変えると共に、液晶層の上下に配置された偏光板を介することで、裏面に配置されたバックライト360からの透過光量が変化し階調表示を行う。
バックライト360は、液晶表示パネル200を照明する機能を備える。また、バックライト360は、色の異なる2種のバックライト光を切替えて照明可能な構成である。バックライト360は、光源として例えばLED(発光ダイオード)、CCFL(冷陰極管や、HCFL(熱陰極管)、を用いることができる。またバックライト360は、拡散シート、プリズムシート、輝度上昇シートといった各種光学シートを組み合わせて構成することができる。バックライト駆動回路370は、バックライト制御信号群344に基づいてバックライト360を駆動する機能を備えた回路であり、バックライト駆動信号群371を出力する。
図7は液晶表示パネル200の画素構成を示す図である。なお、図7では説明の簡略化のために、縦に4画素、横に4画素(副画素は8)の解像度を持つ表示パネルを示しているが、本発明を適用する表示装置の解像度は、これに限定するものではない。より大きな解像度、例えば所謂フルHD(High Definition)である、縦1080画素、横1920画素(副画素は3840)の解像度を持つ表示パネルとすることもできる。あるいは他の解像度でも良い。
図40の例では、走査信号線方向、データ信号線方向共に1副画素単位(周期は2副画素)で交流化していたが、液晶表示装置100では、図7に示すように、走査信号線に沿った方向には2副画素単位(周期は4副画素)、データ信号線に沿った方向には1副画素単位(周期は2副画素)で交流化している。このような交流化を実現することにより、図40の画素構成において課題であった、単色表示時の横スジの発生を抑制することができる。
例えば、画面全体に青単色のベタ表示をするケースでは、B画素P(1,1)では正極性となり、B画素P(3,1)では負極性のデータ電圧となる。このように、走査信号線G1及びG2共に、接続されたB画素の極性は交互に正負両方の極性となり、一方の極性に偏ることなく、バランスがとれた交流駆動を実施することができ、横スジなどの画質劣化を生じることなく良好な表示品質を得ることができる。
さらに、液晶表示装置100では、低消費電力化とコストアップの抑制を目的に、液晶表示パネル200の画素構成を、図40の画素構成とは異なったものとしている。
TFTをデータ信号線の左右に走査信号線毎に交互に配置することでデータ信号線反転交流駆動を適用して消費電力を低減する点は共通である。つまり、例えばデータ信号線D2には、副画素P(1,2)、P(2,2)、P(1,4)、P(2,4)に接続するトランジスタを設置している。その一方で、走査信号線に接続するTFTの配置が異なっている。
図40の画素配置では、各走査信号線の下側にTFTを配置している。これに対し、図7の画素配置では、各走査信号線の上下にTFTを配置し、更に2副画素毎に上下の位置を入替えている。例えば走査信号線G2には、副画素P(1,2)、P(2,1)、P(3,1)、P(4,2)、P(5,2)に接続されるトランジスタを設置している。
図40の画素配置のように、走査信号線の下側にTFTを並べて配置した場合、そのままでは2副画素単位での交流化はできない。これは次の理由による。
データ信号線を駆動するためのデータ信号線駆動回路320は、回路規模の削減を目的として、正極性のデータ電圧を生成する第1の電圧生成回路と、負極性のデータ電圧を生成する第2の電圧生成回路がデータ信号線1本毎に交互に配置され、極性信号に基づいて両者を相互に入替えるスイッチを介してデータ信号線に接続する構成とする手法が広く採られている。このようなデータ信号線駆動回路では、データ信号線の極性は、正、負、正、負、・・・のように1データ信号線単位(周期は2データ信号線)で反転している。これに対し、図7に示す2副画素単位での交流化では、副画素の極性は走査信号線に沿う方向で、正、正、負、負・・・のように2副画素単位で反転させる必要がある。上記のデータ信号線駆動回路320のデータ信号線の反転単位と異なるため、そのままでは接続することができず、2副画素交流用のデータ信号線駆動回路を新たに設計する必要が生じ、コストアップ要因となる。
しかし、図7に示すように、走査信号線の上下にTFTを設け、2副画素単位で上下の位置を入替える構成とすれば、2副画素単位での交流化を実現するにあたって、図40の画素配置で使用したデータ信号線駆動回路を適用することができ、コストアップを抑えることができる。
上記のような構成とすることで、2副画素単位での交流化による高画質化、データ信号線反転駆動による低消費電力化、及び従来のデータ信号線駆動回路を流用することによるコストアップの抑制の効果を得ることができる。
図8は、図7の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。垂直同期信号、極性信号、データ信号線D1〜D5、走査信号線G1〜G5の動作が示されている。垂直同期信号は、前述のとおり、入力表示データの1フレーム期間を規定する信号である。極性信号は、データ信号線駆動回路制御信号群341のうちのひとつであり、表示パネルの極性を規定する信号である。本極性信号に基づき、データ信号線駆動回路320は、データ信号線毎に、極性を決定する。
図8では、極性信号がHighであるときは、奇数番号のデータ信号線(D1、D3等)が正極性となり、偶数番号のデータ信号線(D2、D4等)が負極性となる。極性信号がLowであるときは、反対に奇数番号のデータ信号線が負極性となり、偶数番号のデータ信号線が正極性となる。このように、極性信号を制御することにより、時間方向の交流化を行うことができる。なお、フレーム反転駆動では、極性信号は1フレーム毎に反転する。同様に、データ信号線反転駆動では、極性信号は1フレーム毎に、走査信号線反転駆動並びにドット反転駆動では、極性信号は走査信号線の選択期間毎に反転する。この極性信号の反転頻度が小さいほど、画素の充放電が減るため、消費電力は小さくなる。このとき、フリッカ防止並びに消費電力低減の観点から、第1フィールドと第2フィールドで、極性を同じとすることが好ましい。
垂直同期信号によって規定される1フレーム期間(時刻t1〜t11)において、第1バックライト光131に対応する階調データを書込む走査期間である第1フィールド(時刻t1〜t6)と、第2バックライト光132に対応する階調データを書込む走査期間である第2フィールド(時刻t6〜t11)がある。図8のタイミングチャートでは、第1フィールド期間においては、B画素にデータBを、Y画素にデータYGを書込み、バックライトをC(シアン)で点灯させ、青と緑を表示する。また、第2フィールド期間においては、B画素にデータBを、Y画素にデータYRを書込み、バックライトをM(マゼンタ)で点灯させ、青と赤を表示する。
データの書込みは、第1フィールド期間、第2フィールド期間のそれぞれにおいて、表示パネルの表示を少なくとも1回、更新(リフレッシュ)される。具体的には、各フィールド期間内に、走査信号線G1〜G5の各々を少なくとも1回ずつ、順次選択し、各走査信号線に接続した各副画素について、走査信号線の選択期間に、データ信号線D1〜D9からデータ電圧を供給する(書き込む)。例えば、時刻t1〜t2には走査信号線G1を選択し、時刻t2〜t3には走査信号線G2を選択し、以降、各走査信号線に対して同様の操作を繰り返す。同時に、各時刻において、各データ信号線に、対応する副画素のデータ電圧を供給する。図8では、データ信号線から供給されるデータ電圧の種別を、網掛け並びに斜線で区別している。
図7のデータ信号線には、表示パネルの上下左右4辺に、走査信号線との交点にTFTを配置しないデータ信号線が存在する。走査信号線の選択時において、TFTが配置されていないデータ信号線には表示に使用しないダミーのデータ電圧を供給する。あるいは、上下左右4辺の更に外周に、表示に利用しないダミーの副画素を用意し、TFTを配置しないデータ信号線には、ダミーの副画素を接続し、更にダミーのデータ電圧を供給する構成とすることができる。例えば、時刻t1〜t2には、走査信号線G1を選択し、同時にデータ信号線D1には副画素P(1,1)、データ信号線D4には副画素P(4,1)、データ信号線D5には副画素P(5,1)、データ信号線D8には副画素P(8,1)のデータ電圧を供給する。一方、データ信号線D2、D3、D6及びD7には、ダミーのデータ電圧を供給する。
このように、液晶表示装置100では、図7を用いて説明した画素構成を採ることで、図40の構成での課題のひとつであった、単色ベタ表示時の横スジといった画質低下を発生させることなく、データ信号線反転駆動を実現し、低消費電力化と高画質化を両立することができる。
図9は、データ変換回路350の構成を示す図である。データ変換回路350は、入力表示データ382を液晶表示パネル200用の変換表示データ352に変換する。データ変換回路350は、n倍速変換回路710、フレームメモリ720、フィールドカウンタ730、ラインカウンタ740、ドットカウンタ750、ラインメモリ760、セレクタ770及び演算回路780から構成される。
n倍速変換回路710は、フィールドデータを生成するために、入力表示データ382のフレーム周波数をn(nは2以上の自然数)倍化したn倍速表示データ712を生成して出力する。ここで、例えばn=2である。データのn倍速化は、例えば、フレームメモリ720に1回書き込んだ入力表示データ382を、1フレーム期間にn回読み出すことで実現できる。また、n倍速変換回路710は、変換制御信号群351を生成する。
フィールドカウンタ730は、変換制御信号群351から、n倍速表示データ712のフィールドを識別するためのフィールドカウンタ値731を生成するカウンタ回路である。ラインカウンタ740は、変換制御信号群351から、n倍速表示データ712の垂直位置、すなわちラインの位置を識別するためのラインカウンタ値741を生成するカウンタ回路である。ドットカウンタ750は、変換制御信号群351から、n倍速表示データ712の水平位置、すなわちドット(画素)の位置を識別するためのドットカウンタ値751を生成するカウンタ回路である。
ラインメモリ760は、少なくとも1ライン分のn倍速表示データを格納可能なラインメモリであり、n倍速表示データをライン単位で遅延させたライン遅延n倍速表示データ761を保持する。ライン遅延n倍速表示データ761、例えば1ライン前のn倍速表示データ712の値を参照するために用いる。
セレクタ770は、フィールドカウンタ値731、ラインカウンタ値741、ドットカウンタ値751を用いて、n倍速表示データ712とライン遅延n倍速表示データ761の中から、表示すべき画素のデータを選択し、並替表示データ771として出力する。ここで、画素データの選択は、画素データの並び替えに相当する。ここで、データの選択、すなわちデータの並び替えにあたっては、表示パネルの画素構成に基づいて、適切な画素データが出力されるように、セレクタのデコーダ回路を構成する。
演算回路780は、並替表示データ771に対して色変換処理を行って変換表示データ352を生成して出力する。
色変換処理は、例えば、並替表示データ771のRGBデータを各々の輝度値に変換するγ変換、RGBの各輝度値を表示パネルに合わせて重み付け計算して、各画素が出力すべき輝度値を再計算するマトリクス変換、マトリクス変換した輝度値を、表示パネルのγ特性に沿って変換表示データ352に戻す逆γ変換、などの変換処理によって構成することができる。
図10は、液晶表示装置100における1画素の構成を示す図である。液晶表示装置100において、1つの画素は2つの副画素から構成される。一方の副画素は第1カラーフィルタを備えた第1副画素810である。他方の副画素は第2カラーフィルタを備えた第2副画素820である。このとき、第1副画素810と第2副画素820の面積をp:qとすると、p:q≠1:1となるように構成することができる。より具体的には、液晶表示装置100ではp:q=1:2となるように構成することが好ましい。
図10に示される通り、第1副画素810をB、第2副画素820をYとして説明する。第2副画素820は、第1フィールドと第2フィールドで異なる色を発色する。第1バックライト光131がC(シアン)であるため、第1フィールドではGを発色し、第2バックライト光132がM(マゼンタ)であるため、第2フィールドではRを発色する。一方、第1副画素810は、第1フィールド、第2フィールド共にBを発色する。これは、RGB各色で発光期間が異なることを示す。
第1フィールドと第2フィールドの期間をそれぞれu、vとすると、発光期間の比率は、R:G:B=u:v:u+vとなる。ここで、例えばu:v=1:1とすれば、R:G:B=1:1:2となり、R及びGの発光期間はBの発光期間の1/2となる。これは、単純にはR及びGの発光強度がBの発光強度の1/2となることを示す。しかし、このことは表示装置の発光色のバランスをとって色温度を調整する上で好ましくない。
これに対し、第1副画素810と第2副画素820の面積を変更すると、この問題を解決できる。各画素の発光強度は、副画素の面積と発光時間の積となる。具体的には、R:G:B=u×q:v×q:(u+v)×pである。このとき、上記のように、u:v=1:1、p:q=1:2とすると、R:G:B=1×2:1×2:(1+1)×1=2:2:2となり、R,G,B各色の発光強度を均等とし、バランスをとることができる。
なお、本発明の副画素の面積比は、この面積比に限定するものではない。2種のカラーフィルタのスペクトル分布や、2種のバックライト光のスペクトル分布によっては、この面積比以外とした方が色温度の調整の容易となったり、透過輝度の強度が高くなるケースもある。そのようなケースでは所望の特性が得られるよう、u、v、p及びqを上述の値以外に積極的に変更することが好ましい。
例えば概ねp:q=1:1となるように構成しても良いし、他の比率で構成しても良い。また、第1フィールドと第2フィールドの長さの比u:vは、必ずしも1:1に限定するものではない。また、例えば表示パネルの全面にわたって白やグレーなどの無彩色のモノクローム画像を表示する場合など、特定パタンの入力表示データを表示する場合は、1フレーム期間を2つのフィールドに分割することをせず、2種のバックライト光を同時に発光するように構成することもできる。この場合、第1バックライト光131及び第2バックライト光132双方の発光時間が2倍となるため、発光強度が強まる。これにより、例えば全面白表示時の最大輝度を向上させることができる。
あるいは、例えば赤か緑のいずれか一方の表示を一切含まない入力表示データを表示する際は、1フレーム期間全てを第1もしくは第2フィールドとして取り扱い、他方のフィールドを設けないように構成することもできる。例えば全面緑ベタ画像の表示時などは、赤を表示する必要がないため、第2フィールドは不要となる。そのため、1フレーム期間全てを第1フィールドとして取扱うことができる。この場合、第1フィールドの期間が延びるため、第1バックライト光131の強度が強まる。その結果、画像の輝度が向上したり、発色が鮮やかになる、という効果が得られる。
図11は、バックライト360の構成を示す図である。バックライト360は、光源を表示パネルの直下に並べる所謂直下型のバックライトであり、更に光源として、LED(発光ダイオード)を用いている。バックライト360は、フレーム2100上に、LEDを格子状に並べて構成している。
このとき、第1バックライト光131を出力するLED2101と、第2バックライト光132を出力するLED2102の2種のLEDを混合して配置する。その際、輝度や色のムラの発生をなくすため、2種のLEDを千鳥状に並べるのが好ましい。あるいは、1つのパッケージで第1バックライト光131及び第2バックライト光132の2つのバックライト光を発光できるLEDを用いることもできる。この場合、2種のパッケージを混合して並べる必要はないため、単純に格子状に並べることができる。
なお、図11は、左右方向に隣接するLEDの間隔xaと上下方向に隣接するLEDの間隔yaが略等しい場合の例であるが、図12に示されるように、左右方向に隣接するLEDの間隔xbと上下方向に隣接するLEDの間隔ybが異なっていてもよい。このとき、同色のLEDが正三角形の頂点に配置されるように、xb,ybを調整することが好ましい。
また、バックライト360は、縦方向に複数の領域に分割して点灯/消灯制御をできるように構成することが好ましい。図11では、バックライトを4つの領域2110、2120、2130及び2140に分割した場合について示している。更に、液晶表示パネル200の走査に同期して、複数の領域を順次点灯する、所謂走査が可能なように構成することが好ましい。この理由について、図13を用いて説明する。
図13及び図14は、液晶表示パネル200の走査とバックライト360の走査の比較例を示す図である。ここで、図13は、バックライトを分割せず、バックライトの走査を行わない場合の比較例である。横軸は時間であり、縦軸は、表示パネルの走査位置とバックライトの点灯タイミングが示されている。また、垂直同期信号を併記している。
時刻t1〜t5を第1フィールドとして表示パネルに第1フィールドデータを書き込み、第1バックライト光131で照明する。また、時刻t5〜t9を第2フィールドとして表示パネルに第2フィールドを書き込み、第2バックライト光132で照明する。図中、第1バックライト光131の点灯期間と第2バックライト光132の点灯期間は網掛けの有無で示されている。
このとき、画面最上段では、液晶表示パネル200とバックライト光は、適切に対応するため、正常にカラー表示が行える。しかし、表示パネルの走査には時間を要するため、例えば画面最上段では、表示パネルとバックライト光の対応がとれなくなる。例えば、時刻t5〜t9においては、表示パネルは第1フィールドデータを表示している一方で、バックライトは第2バックライト光132で照明している。このため、正常なカラー表示が行えない。これは、バックライトを一括して同時に発光を切り替えていることが原因である。
図14は、液晶表示パネルの走査に同期して、バックライト360を走査した場合の比較例である。ここでは、図11及び図12を用いて説明したように、バックライトは縦方向に4分割されている。この場合には、バックライトの最上段の領域では、時刻t1〜t5に第1バックライト光131で照明し、時刻t5〜t9には第2バックライト光132で照明する。一方、上から2番目の領域では、時刻t2〜t6に第1バックライト光131で発光し、時刻t6〜t10に第2バックライト光132で照明する。以降、同様に、領域ごとに発光タイミングをずらす。このように構成することで、画面の下段でも液晶表示パネルの走査とバックライト光の対応がとれるようになるため、比較的正常なカラー表示を行うことができる。
しかし、図14のようにバックライトの走査を行ったとしても、バックライト領域の境界部での色ムラが生じる。バックライト領域の分割数は、表示パネルの縦方向の副画素数よりも少ない。例えば、表示パネルの解像度がフルHDであった場合、縦方向の副画素数(行数)は1080となるが、バックライトを1080領域に分割することは現実的でない。そのため、1つのバックライト領域は、複数行の副画素を照明することとなる。例えばフルHD解像度の液晶表示装置において、バックライト領域を4つに分割した際は、1つのバックライト領域には270行が含まれることとなる。このとき、バックライト領域の最上段と最下段では、やはり液晶表示パネルの走査の時刻が異なる。これが、バックライト領域境界部での色ムラの原因となる。
例えばバックライト最上段のバックライト領域の時刻t1の状況について説明する。このとき、バックライト領域の上部では、液晶表示パネルに第1フィールドのデータが表示され、第1バックライト光131で照明されるため、正常なカラー表示が行える。一方で、バックライト領域の下部では、液晶表示パネルはまだ走査されていないため、ひとつ前のフレームの第2フィールドのデータが表示されたままである。しかし、当該エリアは第1バックライト光131で照明されるため、やはり誤ったカラー表示が行われることとなる。この現象は、時刻t2には解消されることとなるが、短時間でも誤ったカラー表示が行われることとなるため、画面上に色ムラとなって現れる。
図15は、本発明の第1実施形態の液晶表示装置100のバックライト360に適用されるバックライトの走査について説明するための図である。バックライト360の各領域で第1バックライト光131と第2バックライト光132を切り替える際に、1回双方のバックライトを消灯させる。更に消灯動作は、液晶表示パネル200の走査と連携させる。具体的には、バックライトの領域が照明する液晶表示パネル200の表示領域の走査が開始する前に、第1バックライト光131と第2バックライト光132の双方を消灯させ、表示領域の走査が終了した後に、どちらか一方の再度バックライト光を点灯させる。図15に示すようなバックライトの走査を行うことで、領域境界での色ムラの発生を回避することができる。更に、バックライトを消灯させるため、表示装置の所謂動画ぼやけを低減することもできる。
なお、図15では、後述するトレース駆動を実施しない液晶表示装置の例を示したが、トレース駆動を実施した液晶表示装置でも同様に本バックライトを適用することができる。
[第2実施形態]
図16は、本発明の第2実施形態に係る液晶表示装置の液晶表示パネル411の画素構成を示す図である。図17は、図16の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。なお、第1実施形態とは、液晶表示パネルの構成と動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
第1実施形態では、1つの走査信号線に、BとYの2種の副画素を交互に接続していたが、本実施形態では、1つの走査信号線には、B、Yいずれか一種の副画素のみを接続している。更に、B画素のみを接続した走査信号線と、Y画素のみを接続した走査信号線とを、交互に配置している。具体的には、走査信号線G2には、副画素P(2,1)、P(2,2)、P(4,1)、P(4,2)などを接続する。一方、走査信号線G3には、副画素P(1,2)、P(1,3)、P(3,2)、P(3,3)などを接続する。これにより、B画素、Y画素のいずれか一方を選択的に更新することができる。
[第3実施形態]
図18は、本発明の第3実施形態に係る液晶表示装置の走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。本実施形態においては、第2実施形態とおなじ液晶表示パネル411を使用している。なお、第2実施形態とは、動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
Y画素は、第1フィールドと第2フィールドで、表示するべき色が異なるため、フィールドごとにデータを更新する必要がある。これに対し、B画素は、第1フィールド及び第2フィールド共に、青を表示するため、フィールド毎にデータを更新する必要がない。言い換えれば、第1フィールド及び第2フィールドのいずれか一方でデータを更新すればよい。
例えば、図18に示すように、第1フィールドでは、全ての走査信号線を選択して、B画素及びY画素の両者のデータを更新する。しかし、第2フィールドでは、Y画素を接続した走査信号線G1、G3及びG5のみを選択することで、Y画素のみを更新する。B画素を接続した走査信号線G2及びG4は選択しない。更に、第2実施形態の図17で、走査信号線G2及びG4を選択していた期間は、各データ信号線にはデータ電圧を供給しない、あるいはダミーの電圧を供給することとする。
このような構成とすると、第2フィールドにおけるデータ信号線のデータ電圧供給回数ないし、データ電圧変化の頻度が削減される。これにより、データ信号線駆動回路の消費電力を削減することができる。
[第4実施形態]
第3実施形態では、第2フィールドにおいて、B画素の走査信号線を選択しない、非選択期間を設けた。しかし、この非選択期間を設けることは、無駄と考えることもできる。非選択期間に充てていた時間を、他の走査信号線の選択期間(書込み時間)を延長することに用いることができれば、データ電圧の書込み不足が発生しにくくなり、高リフレッシュレート駆動化に有利である。しかし、単純に無駄時間を削減することはできない。
図19〜21は、上述の課題の解決方法について説明するための図である。図19は、図8等のタイミングチャートを画面全体を示すものに書き直した図である。横軸は時間であり、縦軸は液晶表示パネルの走査位置が示されている。また、垂直同期信号を併記している。図19に示されるように、1フレーム期間は時刻t1〜t9であるとすると、第1フィールドを時刻t1〜t5であり、画面の最上段から最下段にかけて各走査信号線を選択してデータ電圧が書き込まれる(走査する)。この走査を1101に示す。また、第2フィールドは時刻t5〜t9とし、同様に走査する。この走査を1102に示す。
一方、図20は、図18を用いて説明した、第2フィールドの非選択期間をなくした場合の走査の一例である。図18の非選択期間は、走査信号線2本に対し1本の割合で発生していた。この非選択期間をなくすと、1画面の走査は2倍の速度で実行できることとなる。例えば図20のように、時刻t5に第2フィールドの走査を開始すると、時刻t7には1画面の走査が完了する。この走査を1104に示す。第1フィールドの走査は、図19の例と同じである。この走査を1103に示す。この場合、表示画面の上下で、輝度や色の傾斜が発生してしまう。例えば、第1フィールドのデータが保持される期間は、画面の最上段では、時刻t1〜t5の長さを持つが、画面の最下段では、時刻t5〜t7の長さしかない。同様に、第2フィールドのデータが保持される期間は、画面最上段ではt5〜t9、最下段ではt7〜t13となり、両者の長さが異なっている。すなわち、画面の上部と下部で、データが保持される期間が均等でなくなってしまい、輝度や色の傾斜の発生を招く。
図21には、この課題を解決する方法が示されている。上述のように、非選択期間をなくした際の輝度傾斜、色傾斜の課題は、第1フィールドと第2フィールドを別個に実施する限り、不可避である。しかし、第1フィールドと第2フィールドの走査を交互に実施することで、この課題を解決することができる。
第1フィールドは、時刻t1〜時刻t9までかけて実施する。この走査を1105に示す。一方、第2フィールドは、時刻t5〜時刻t13までかけて実施する。この走査を1106に示す。ここで、時刻t5〜t9にかけて、第1フィールドと第2フィールドがオーバーラップする。このとき、両者の走査を同時に実施するのではなく、両者を交互に実施する。
ここで、第1フィールド及び第2フィールドにおいて、走査信号線選択期間の長さを適切に設定することで、画面の上部と下部で、データ保持期間を均等にすることができる。ここで、第1フィールドを、第2フィールドが追いかけるように駆動することから、本手法をトレース駆動と呼ぶ。以下、図22及び23を用いてトレース駆動についてより詳細に説明する。
図22は、本発明の第4実施形態に係る液晶表示装置の液晶表示パネル412の画素構成を示す図である。図23は、図22の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。なお、第1実施形態とは、液晶表示パネルの構成と動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
第3実施形態では、第1フィールドにおける1画面分の走査が完了した後に、第2フィールドの1画面分の走査を実施していた。すなわち、第1フィールドと第2フィールドは独立していた。これに対し、第4実施形態では、図23に示すように、第1フィールドと第2フィールドをオーバーラップさせる点が異なっている。
時刻t1〜t3の期間に、走査信号線G1及びG2を選択し、第1フィールドのデータを書き込む。続いて時刻t3〜t4に走査信号線G5を選択し、第2フィールドのデータを書き込む。以降同様に、時刻t4〜t6,t7〜t8には第1フィールド、時刻t6〜t7、t9〜t10、t12〜t13には第2フィールドのデータを書き込む。
上述のように、第1フィールドと第2フィールドのデータ電圧を交互に書き込み、更に書き込み時間を適切に調整することで、第1フィールドの走査速度と、第2フィールドの走査速度が同等になるように制御することができる。これにより、画面の上下で輝度や色の傾斜を抑制することができる。
第2実施形態及び第3実施形態の構成では、1フレーム期間Tに、全ての走査信号線を2回ずつ選択するように、選択期間の長さを設定していた。これらの実施形態では走査信号線が5本であったため、走査信号線1本あたりの選択期間は、1/10×Tであった。これに対し、本実施形態では、5本の走査信号線のうち、B画素を接続した2本の走査信号線は選択しなくてもよく、1フレーム期間に走査信号線を8本(=5×2−2)選択すればよい。そのため、走査信号線1本あたりの選択期間は、1/8×Tまで延長してもよいこととなる。
なお、本実施形態では、最下段の走査信号線G5を選択した後、時刻t8〜t9の間に、非選択期間を設けた。これは第2フィールドにおける走査信号線の走査間隔を一定に保つための処置である。第1フィールドでは最下段の走査信号線以外は、2本ペアで選択している。しかし走査信号線数は奇数であるため、最下段だけ、1走査期間分の間隔を空け、他の走査信号線とバランスをとったものである。
第2実施形態及び第3実施形態の構成では、縦方向の解像度(=副画素の数)がN(Nは自然数)である表示装置の場合、走査信号線の総数はN+1となり、走査信号線1本あたりの選択期間は、1/(2×N+2)×Tとなる。これに対し、第4実施形態では、Y画素を接続する走査信号線の数はN/2+1、B画素を接続する走査信号線の数はN/2であるため、1フレーム期間に走査すべき走査信号線の数は、3/2×N+2(=(N/2+1+N/2)×2−N/2)本となり、走査信号線1本あたりの選択期間は、1/(3/2×N+2)×Tまで延長できる。いわゆるフルHD解像度ではN=1080であるため、第4の実施例では、第2実施形態及び第3実施形態に比べ、走査信号線1本あたりの選択期間をおおよそ1.3倍まで延長とすることができる。すなわち、データの書込み時間に余裕ができるため、高リフレッシュレート化に有利となる。このように、トレース駆動に対応した表示装置は、そうでない表示装置に比べ、書き込み時間を長くすることが可能であり、高リフレッシュレート化し易いという利点がある。
なお、同じフレームに開始される第1フィールドと第2フィールドでは各画素の極性を変化させないようにすることが必要である。本実施形態においては、図23に示されるように、時刻t1〜t3、t4〜t10、t12〜t13は、同一フレームに開始されるフィールドであるため、極性信号を同じくする。一方、時刻t3〜t4は、ひとつ前のフレームに開始されるフィールドであり、時刻t10〜t12はひとつ後のフレームであるため、極性を異ならしめる。
[第5実施形態]
図24は、本発明の第5実施形態に係る液晶表示装置の液晶表示パネル413の画素構成を示す図である。なお、第1実施形態とは、液晶表示パネルの構成と動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
本実施形態では、2行の副画素を1単位とし、1単位あたり、走査信号線を3本配線している。この2行の副画素の上、中央、下に走査信号線を配置する。上の走査信号線には、2行の副画素の上段のY画素を接続し、中央の走査信号線には、2行の副画素のB画素を接続し、下の走査信号線には、2行の副画素の下段のY画素を接続する。具体的には、走査信号線G1には、1行目のY画素を接続する。走査信号線G2には、1行目と2行目のB画素を接続する。走査信号線G3には、2行面のY画素を接続する。
また、1単位内の上下に隣接する2つの副画素は、それぞれ副画素を挟む左右のデータ信号線にそれぞれ接続する。このとき、一方を左のデータ信号線に接続した際は、他方を右のデータ信号線に接続する。さらに、他の色の副画素1行を挟んで隣接する同色の副画素同士では、一方を左のデータ信号線に接続した場合、他方を右のデータ信号線に接続する。具体的には、副画素P(1,1)は走査信号線G1とデータ信号線D1に、副画素P(1,2)は走査信号線G3とデータ信号線D2に、副画素P(3,1)は走査信号線G1とデータ信号線D4に、副画素P(3,2)は走査信号線G3とデータ信号線D3に接続する。同様に、副画素P(2,1)は走査信号線G2とデータ信号線D2に、副画素P(2,2)は走査信号線G2とデータ信号線D3に、副画素P(4,1)は走査信号線G2とデータ信号線D4に、副画素P(4,2)は走査信号線G2とデータ信号線D5に接続する。上述のような構成とすることで、データ信号線駆動回路320を適用することができる。
図25は、図24の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。Y画素を書き込む際は、上下2本の走査信号線を同時に選択する点がこれまで説明した他の実施形態と異なる。例えば走査信号線G1とG3、G4とG6を同時に選択する。
なお、トレース駆動によって、Y画素をフィールド毎に更新する一方、B画素を2フィールドに1回更新する駆動を実現できる構成であることは、第4実施形態と同様である。更に、本実施形態の場合、縦方向の解像度Nが偶数であれば、Y画素を駆動する走査信号線の数も偶数となるため、第4実施形態の場合に発生していた、最下段の走査信号線を選択した後の非走査期間が不要となる、という利点がある。本構成においても、Nが充分大きい場合、例えばフルHD解像度の表示装置においては、走査信号線の選択期間の長さをトレース駆動のない場合に比べ約1.3倍とすることができる。
図26は、第5実施形態において、トレース駆動を適用しなかった場合の動作の変形例を示すタイミングチャートである。Y画素及びB画素共に、1フレームに2回ずつ更新する。このように、第5実施形態の表示装置は、トレース駆動の適用/非適用を切替て使用することができる。
[第6実施形態]
図27は、本発明の第6実施形態に係る液晶表示装置の液晶表示パネル414の画素構成を示す図である。図28は、図27の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。なお、第1実施形態とは、液晶表示パネルの構成と動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
これまで説明した実施形態では、左右に隣接する副画素間には、データ信号線を1本ずつ配線していたが、第6実施形態では、図27に示されるように、隣接する副画素間に、データ信号線を2本ずつ配線している。また、TFTは走査線毎に異なる位置に配置されている。具体的には、奇数番の走査信号線には、4副画素を1単位として、TFTを左、左、右、右の順に配置し、偶数番の走査信号線では、同様に4副画素を1単位とし、TFTを右、右、左、左の順に配置している。
上述のような構成とすることで、データ信号線駆動回路320を適用することができる。本実施形態では、上下に隣接する2行の副画素に対し、同時にデータを書き込むことができる。これにより、第1実施形態に比べ、書込み回数を約1/2とすることができる。言い換えると、データ書込み時間を約2倍とすることができ、高リフレッシュレート駆動を行うことができる。
[第7実施形態]
図29は、本発明の第7実施形態に係る液晶表示装置の液晶表示パネル415の画素構成を示す図である。なお、第1実施形態とは、液晶表示パネルの構成と動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
本実施形態では、各行の上下に、走査信号線を1本ずつ配置した点が他の実施形態と異なっている。各走査信号線には、Y画素とB画素の一方のみが接続され、他の副画素を挟んで左右に隣接する同色の副画素同士では、TFTが左右に交互で配置されている。上下に隣接する同色の副画素同士でも、TFTは左右に異なる位置に配置されている。具体的には、例えば、副画素P(1,1)は走査信号線G1とデータ信号線D1に、副画素P(1,2)は走査信号線G3とデータ信号線D2に、副画素P(3,1)は走査信号線G1とデータ信号線D4に、副画素P(3,2)は走査信号線G3とデータ信号線D3に接続されている。同様に、副画素P(2,1)は走査信号線G2とデータ信号線D3に、副画素P(2,2)は走査信号線G4とデータ信号線D2に、副画素P(4,1)は走査信号線G2とデータ信号線D4に、副画素P(4,2)は走査信号線G3とデータ信号線D5に接続されている。
図30は、図29の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。本実施形態では、Y画素にデータを書き込む場合は奇数番の走査信号線を2本ずつ選択する。また、B画素にデータを書き込む場合は、偶数番の走査信号線を2本ずつ選択する。具体的には、時刻t1〜t2には、走査信号線G1及びG3を選択して第1フィールドのYGデータを書き込む。時刻t2〜t3には、走査信号線G2及びG4を選択して第1フィールドのBデータを書き込む。以降、同様に画面下部まで繰り返す。
また、時刻t4〜t5には、走査信号線G1及びG3を選択して第2フィールドのYRデータを書き込む。以降、同様に画面下部まで繰り返す。このような駆動を行うことにより、トレース駆動を実現できる。
図31は、第7実施形態において、トレース駆動を実施しない場合の変形例を示すタイミングチャートである。この変形例では、トレース駆動を実施せず、第1、第2フィールドの双方で、Y画素とB画素の両方を更新する。
[第8実施形態]
図32は、本発明の第8実施形態に係る液晶表示装置の液晶表示パネル416の画素構成を示す図である。図33は、図32の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。なお、第1実施形態とは、液晶表示パネルの構成と動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
図32に示されるように、2行の副画素を1単位とし、2行の中央に、走査信号線を1本配線している点がこれまでの実施形態と異なっている。走査信号線には、上下の副画素が接続されている。一方で、左右に隣接する副画素間に、データ信号線を2本ずつ配線している点は図27に示した第6実施形態と同様である。走査信号線に接続された副画素は、4副画素を1単位として、TFTが左、右、左、右の順に配置され、続く4画素は位置を反転して右、左、右、左の順に配置し、以降同様に4副画素単位で繰り返す。
上述のような構成とすることで、データ信号線駆動回路320を適用することができる。本実施形態では、上下に隣接する2行の副画素に対し、同時にデータを書き込むことができる。例えば第1実施形態に比べ、書込み回数を約1/2とすることができる。言い換えると、データ書込み時間を約2倍とすることができ、高リフレッシュレート駆動を行うことができる。
[第9実施形態]
図34は、本発明の第9実施形態に係る液晶表示装置の液晶表示パネル417の画素構成を示す図である。なお、第1実施形態とは、液晶表示パネルの構成と動作のタイミングチャートが異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
上述した第1実施形態から第8実施形態においては、2色の副画素を縦方向にストライプ状に配置していた。これに対し、第9実施形態では、2色の副画素を横方向にストライプ状に配置している。この配置変更に伴い、2副画素単位で交流化も変更されている。
本実施形態では、2副画素単位で交流化されることは共通であるが、上述した実施形態と比較して90度回転した配置となっているパタンとしている。具体的には、第1実施形態から第8実施形態においては、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置では、走査信号線方向に沿った方向には2副画素単位(周期は4副画素)、データ信号線に沿った方向には1副画素単位(周期は2副画素)で交流化していた。これに対し、第9実施形態では、走査信号線方向に沿った方向には1副画素単位(周期は2副画素)、データ信号線に沿った方向には2副画素単位(周期は4副画素)で交流化している。
しかし、液晶表示パネルのTFTをデータ信号線の左右に配置することで、データ信号線反転駆動によって2副画素単位で交流化を実現している点は共通である。
図35及び図36は、図34の画素構成における走査信号線及びデータ信号線の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。図35のタイミングチャートは、トレース駆動を実施しない場合のタイミングチャートであり、図36のタイミングチャートは、トレース駆動を実施した場合のタイミングチャートである。
[第10実施形態]
図37は、本発明の第10実施形態に係る液晶表示装置のバックライト510の構成を示す図である。なお、第1実施形態とは、バックライトの構成が異なるのみであり、その他の構成は同様であるため、その他の構成の説明は省略する。
バックライト510は、光源を液晶表示パネル200の側面に配置し、光源から出射した光を導光板2410で導いて液晶表示パネル200全体を照明する、所謂サイドライト型あるいはエッジライト型のバックライトである。光源として、基板2420に直線状に配置したLED(発光ダイオード)を用いている。
なお、本実施形態では、基板2420を導光板2410の1辺に配置する場合を示したが、2辺、3辺、4辺に配置する構成としても良い。
第1実施形態のバックライト360と同様に、第1バックライト光131を出力するLED2421と、第2バックライト光132を出力するLED2422の2種のLEDを混合して配置する。その際、輝度や色のムラの発生をなくすため、2種のLEDを千鳥状に並べるのが好ましい。
あるいは、1つのパッケージで第1バックライト光131と第2バックライト光132の2つのバックライト光を発光できるLEDを用いることもできる。この場合、2種のパッケージを混合して並べる必要がないという利点がある。
ここで、図37に示したようなエッジライト型のバックライトでは、第1実施形態に示した直下型のバックライト360と異なり、バックライトを複数の領域に分割して個別に照明することは困難である。基板2420上の光源を個別に発光させても、導光板によって広範囲に照明されるため、一部の領域のみを選択的に照明することができないからである。つまり、エッジライト型のバックライトでは、第1実施形態で適用したような、バックライトの走査が行えないため、第1実施形態の欄において説明したようなカラー表示に関する不具合が発生してしまう。
図38は、本実施形態のバックライト510における、バックライト点灯方法を示す図である。上述の不具合は、図13及び図14を用いて説明したように、表示パネルに表示するフィールドデータが切替る最中にバックライトを点灯することが原因であるため、本実施形態では、図38に示されるように、表示パネルを走査する期間はバックライトを消灯するように構成する。
このとき、図13で説明したように、第1フィールド、第2フィールド全ての時間を走査に充ててしまうと、バックライトを点灯することができなくなる。そこで、バックライトを点灯する期間を確保するために、液晶表示パネルの走査をより短期間で実施する必要がある。例えば時刻t1〜t3はバックライトを消灯し、表示パネルの第1フィールドに充てる。続いて表示パネルの走査が終了した時刻t3以降に、第1バックライト光131でバックライトを点灯する。同様に、時刻t5〜t7はバックライトを消灯し、液晶表示パネルの第2フィールドに充てる。続いて表示パネルの走査が終了した時刻t5以降に、第2バックライト光132でバックライトを点灯する。
この制御を行うことで、画面全体にわたって液晶表示パネルの表示とバックライトの発光を正常に対応付けることができ、誤った色が表示されることを防ぐことができる。
なお、図37では、画面の長辺に光源を配置するサイドライト型のバックライトとしたが、画面の短辺に光源を配置することとしてもよい。この場合には、第1実施形態の図15と同様にバックライトの走査を行うことができる。
上述の実施形態によれば、カラーフィルタを併用したフィールドシーケンシャル方式の表示装置において、表示パネルの交流駆動を適切に実施し、横スジなどの画質劣化がない良好な画像表示を得ることができる。
更に上述の実施形態によれば、表示装置において、表示パネルの画素の書込み時間を確保することができる。その結果、高リフレッシュレート駆動時における書込み不足の発生を抑制して、良好な画像表示を得ることができる。