JP2011128095A - 磁気センサの製造方法 - Google Patents

磁気センサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011128095A
JP2011128095A JP2009288862A JP2009288862A JP2011128095A JP 2011128095 A JP2011128095 A JP 2011128095A JP 2009288862 A JP2009288862 A JP 2009288862A JP 2009288862 A JP2009288862 A JP 2009288862A JP 2011128095 A JP2011128095 A JP 2011128095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon substrate
alignment mark
magnet array
magnetic sensor
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009288862A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Hibino
三十四 日比野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2009288862A priority Critical patent/JP2011128095A/ja
Publication of JP2011128095A publication Critical patent/JP2011128095A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】アライメント精度を高めて、磁気センサとしての磁場感度を高めるとともに、そのばらつきを低減して、安定した磁気特性を有する磁気センサの製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板31上に複数の磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程と、磁気抵抗効果素子を形成したシリコン基板31をマグネットアレイ48に重ね、磁気抵抗効果素子に磁界を付与した状態で熱処理することにより、磁気抵抗効果素子を規則化する規則化熱処理工程とを備え、素子形成工程では、シリコン基板31の一部にアライメントマーク32を形成しておき、規則化熱処理工程では、マグネットアレイ48にシリコン基板31を重ね合わせ、赤外線光学系51によって赤外線を照射し、シリコン基板31を透過した赤外線によりマグネットアレイ48のアライメントマーク46を撮像しながらそのアライメントマーク46にシリコン基板31のアライメントマーク32を位置決めする。
【選択図】図13

Description

本発明は、磁気センサの製造方法に係り、シリコン基板上に形成した磁気抵抗効果素子にマグネットアレイを使用して磁界を付与する際のシリコン基板とマグネットアレイとのアライメント技術を改良した磁気センサの製造方法に関する。
従来から磁気センサの素子として知られる巨大磁気抵抗効果素子(以下、GMR素子と称す)や磁気トンネル効果素子(以下、TMR素子と称す)は、磁化の向きが所定の向きにピン(固定)されたピンド層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化するフリー層とを備え、ピンド層の磁化の向きとフリー層の磁化の向きとの相対関係に応じた抵抗値を出力として示すものである。
この種の磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサを製造する場合、シリコンウエハ等からなる基板の上に酸化膜、窒化膜等により下地層を形成し、その上に、フリー層、非磁性導電体からなるスペーサ層、ピンド層等を順次積層することにより、GMR素子となる多層膜を複数島状に形成した後、規則化熱処理(ピニング処理)によってピンド層の磁化の向きを固定することが行われる。この規則化熱処理には、複数個の永久磁石の磁極を並べて保持したマグネットアレイが用いられ、GMR素子となる多層膜を形成した基板をマグネットアレイの磁極面に重ねるように近接配置するとともに、基板を高温に加熱することにより、ピンド層の磁化の向きが固定される。
このような磁気センサを得るための規則化熱処理において、多層膜を形成した基板とマグネットアレイとを正確に位置決めする必要があり、例えば特許文献1に示される磁気センサの製造方法においては、多層膜を形成した石英ガラス基板及びマグネットアレイの四隅にそれぞれアライメントマークを設けておき、石英ガラス基板をマグネットアレイに重ねて配置するときに、これらアライメントマークを一致させることにより、両者の位置決めを行うようにしている。
この特許文献1記載の磁気センサのように、基板として石英ガラスを用いる場合は、マグネットアレイに基板を重ねたときに両者のアライメントマークを基板の上から確認することができるが、シリコンウエハを基板として用いる場合は、マグネットアレイにシリコン基板を重ねると、マグネットアレイ上のアライメントマークが隠れてしまう。そこで、最初にマグネットアレイのアライメントマークに光学系の座標原点(十字カーソル)を合わせ、その光学系の座標原点にシリコン基板のアライメントマークを合わせてマグネットアレイに重ねるようにしている。
特開2002−290728号公報
しかしながら、光学系の座標原点を介在させた間接的なアライメント方法となるため、その精度にばらつきが生じ、結果として、磁場感度の低下とそのばらつきを招くという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、アライメント精度を高めて、磁気センサとしての磁場感度を高めるとともに、そのばらつきを低減して、安定した磁気特性を有する磁気センサを製造することを目的とする。
本発明の磁気センサの製造方法は、シリコン基板上に複数の磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程と、前記磁気抵抗効果素子を形成した前記シリコン基板をマグネットアレイに重ね、前記磁気抵抗効果素子に磁界を付与した状態で熱処理することにより、該磁気抵抗効果素子を規則化する規則化熱処理工程とを備え、前記素子形成工程では、前記シリコン基板の一部にアライメントマークを形成しておき、前記規則化熱処理工程では、前記シリコン基板のアライメントマークに対応するアライメントマークを形成したマグネットアレイに前記シリコン基板を重ね合わせ、赤外線光学系によって赤外線を照射し、前記シリコン基板を透過した赤外線により前記マグネットアレイのアライメントマークを撮像しながら該アライメントマークに前記シリコン基板のアライメントマークを位置決めすることを特徴とする。
シリコン基板は特定波長(例えば1100〜8000nm)の赤外線を透過するので、マグネットアレイにシリコン基板を重ねた状態で、赤外線によりウエハを経由してマグネットアレイのアライメントマークを読み取ることができ、そのアライメントマークにシリコン基板のアライメントマークを位置決めすることにより、シリコン基板をマグネットアレイに位置決めすることができる。シリコン基板を経由してマグネットアレイのアライメントマークを直接読み取るので、両アライメントマークを同時に読み取りながら位置決めすることができ、位置精度を高めることができる。
本発明の磁気センサの製造方法において、前記シリコン基板のアライメントマークは、シリコン基板の一部にB(ボロン),P(リン)等の不純物元素の濃度を局部的に変化させてドーピングすることにより形成するとよい。
シリコン基板に濃度を局部的に変化させて不純物をドーピングしておくと、その濃度が変化した部分に赤外線を透過することにより、濃度変化が模様となって識別される。これをアライメントマークとして利用するのである。通常、半導体製作時にシリコンをP型、N型の導電性にするためにB,P等をドーピングすることが行われるが、その工程中に同時にアライメントマークを形成することが可能である。
また、本発明の磁気センサの製造方法において、前記規則化熱処理工程において前記マグネットアレイに対向する前記シリコン基板の表面の少なくとも前記アライメントマーク周辺を鏡面状態としておくとよい。
マグネットアレイのアライメントマークは、シリコン基板を透過した赤外線により識別されるものであり、このマグネットアレイに対向するシリコン基板の表面を鏡面としておくことにより、シリコン基板表面での赤外線の透過を確実にしてマグネットアレイのアライメントマークを明瞭に読み取ることができる。
本発明の磁気センサの製造方法によれば、シリコン基板に赤外線を透過してマグネットアレイのアライメントマークを直接読み取るので、シリコン基板とマグネットアレイとの両アライメントマークを同時に読み取りながら、これらシリコン基板とマグネットアレイとを高精度に位置決めすることができ、もって、磁気センサとしての磁場感度を高めるとともに、そのばらつきを低減して、安定した磁気特性を有する磁気センサを製造することができる。
本発明に係る磁気センサの実施形態を示す平面図であり、(a)がNタイプの磁気センサ、(b)がSタイプの磁気センサを示す。 図1に示した第1X軸GMR素子を示し、(a)が概略拡大平面図、(b)が(a)A−A線に沿う断面図である。 図2に示した第1X軸GMR素子の膜構成(スピンバルブ膜の構成)を示す図である。 図1に示した磁気センサが備えるX軸磁気センサの等価回路図である。 図4のX軸磁気センサのX軸方向及びY軸方向に変化する磁界に対する出力の変化を示したグラフである。 図1に示した磁気センサを製造する途中のスピンバルブ膜が形成されたシリコン基板の平面図である。 図6のシリコン基板にドーピングによってアライメントマークを形成している状態を模式的に示す断面図である。 図1に示した磁気センサを製造する際に使用されるマグネットアレイを準備するための金属プレートに永久棒磁石を支持した状態の平面図である。 図1に示した磁気センサを製造する際に使用されるマグネットアレイを形成するためのプレートの平面図である。 図1に示した磁気センサを製造する際に使用されるマグネットアレイの断面図である。 本発明に係る磁気センサを製造する途中のアライメント作業工程において、マグネットアレイのアライメントマークを赤外線光学系によって認識している状態の模式図であり、(a)がアライメント作業を正面から見た状態、(b)が赤外線光学系によって認識されるアライメントマークの画像を示す。 図11に示す状態からマグネットアレイの上方にシリコン基板を配置した状態を示す図11同様の模式図である。 図12に示す状態からマグネットアレイの上にシリコン基板を位置決めした状態を示す図11同様の模式図である。 図13に示す位置決め状態からマグネットアレイとシリコン基板とをクランプにより固定した状態の断面図である。 図11に示したマグネットアレイの磁石の一部を取り出して示した斜視図である。 図1に示した磁気センサの各GMR素子のピンド層の磁化の向きをピンする方法を示した概念図である。 シリコン基板とマグネットアレイとのアライメントずれと磁気センサの磁場感度との関係を示すグラフである。 本実施形態の方法で規則化熱処理した磁気センサと、従来の方法で規則化熱処理した磁気センサとの磁場感度を複数個ずつ比較したグラフである。 本発明の他の実施形態におけるアライメント作業を正面から見た模式図である。
以下、本発明に係る磁気センサの製造方法の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
まず、本発明に係る磁気センサについて説明しておくと、この磁気センサは、後述する製造方法によってNタイプとSタイプとに別れる。図1(a)はNタイプの磁気センサ1、同図(b)はSタイプの磁気センサ2を示している。これらNタイプの磁気センサ1とSタイプの磁気センサ2とは図1に黒塗りの矢印で示したピンド層の固定された磁化の向き、及び白抜きの矢印で示したフリー層の初期状態(外部磁界が作用しない状態)での磁化の向きが互いに異なる点を除き、実質的に同一の形状、構成を有している。したがって、以下ではNタイプの磁気センサを主として説明する。
この磁気センサ1は、シリコン基板3と、その上に形成された合計8個のGMR素子4〜11とを備えている。
シリコン基板3は、平面視において互いに直交するX軸及びY軸に沿った辺を有する略正方形をなし、X軸及びY軸に直交するZ軸方向に小さな厚みを有する薄板体である。
各GMR素子4〜11は、シリコン基板3上の配置は異なるが、実質的に同一構造のX軸GMR素子4〜7とY軸GMR素子8〜11とを4個ずつ備えている。
これら各GMR素子4〜11の構造について、第1X軸GMR素子4により代表して説明する。
このX軸GMR素子4は、図2に示すように、Y軸方向に長手方向を有する複数の幅の狭いスピンバルブ膜からなる帯状部12と、これら帯状部12のY軸方向両端部に形成された強磁性体からなるバイアス磁石膜13とを備えている。帯状部12を構成しているスピンバルブ膜は、図3に示すように、シリコン基板3の絶縁層(配線層を含む)14の上に、順次積層されたフリー層(自由層、自由磁化層)F、膜厚が例えば2.4nmのCuからなる非磁性で導電性を有するスペーサ層S、ピン層(固着層、固定磁化層)P、及び膜厚が2.5nmのチタン(Ti)又はタンタル(Ta)からなるキャッピング層Cから構成されている。
フリー層Fは、外部磁界の向きに応じて磁化の向きが変化する層であり、膜厚が8nmのCoZrNbアモルファス磁性層と、その上に形成された膜厚が3.3nmのNiFe磁性層と、その上に形成された1〜3nm程度の膜厚のCoFe層とからなっている。
ピン層Pは、膜厚が2.2nmのCoFe磁性層と、PtMn合金から形成した膜厚が24nmの反強磁性膜とを重ね合わせたものである。CoFe磁性層は、着磁(磁化)された反強磁性膜に交換結合的に裏打されることにより磁化(磁化ベクトル)の向きがX軸負方向にピン(固着)されるピンド層を構成している。
このように構成される第1X軸GMR素子4は、X軸に沿って変化する外部磁界に対して所定の範囲で略比例する抵抗値を示し、Y軸に沿って変化する外部磁界に対しては略一定の抵抗値を示す。
そして、シリコン基板3上のX軸負方向端部に並べられた第1X軸GMR素子4及び第2X軸GMR素子5においてピン層Pのピンされた磁化の向きはX軸負方向とされ、X軸正方向端部に並べられた第3X軸GMR素子6及び第4X軸GMR素子7においてピン層Pのピンされた磁化の向きはX軸正方向とされている。一方、シリコン基板3のY軸正方向端部に並べられた第1Y軸GMR素子8及び第2Y軸GMR素子9においてピン層Pのピンされた磁化の向きはY軸正方向とされ、Y軸負方向端部に並べられた第3Y軸GMR素子10及び第4Y軸GMR素子11においてピン層Pのピンされた磁化の方向はY軸負方向とされている。
そして、X軸磁気センサは、図4に示すように、4個のX軸GMR素子4〜7がフルブリッヂ接続されることにより構成されており、X軸に沿って変化する外部磁界に対して図5の実線で示すように−Hc〜+Hcの範囲で略比例して変化する出力電圧Vxoutを示し、Y軸に沿って変化する外部磁界に対しては破線で示すようにほぼ「0」の出力電圧を示す。また、Y軸磁気センサは、Y軸GMR素子8〜11がフルブリッジ接続されることにより構成されており、Y軸に沿って変化する外部磁界に対して所定範囲で略比例して変化する出力電圧を示し、X軸に沿って変化する外部磁界に対してはほぼ「0」の出力電圧を示す。
図1(b)に示すSタイプの磁気センサ2もシリコン基板21上にX軸GMR素子22〜25、Y軸GMR素子26〜29を4個ずつ有しており、以上説明したNタイプの磁気センサ1と同様の構成である。
次に、このように構成される磁気センサ1,2の製造方法について説明する。
複数の磁気センサ1,2を形成し得る大きさの長方形のシリコン基板31の上に、絶縁層14を介して、図6に示すように、各磁気センサのGMR素子を構成するスピンバルブ膜とバイアス磁石膜とからなる膜Mを島状に複数形成する。この成膜は超高真空装置を用いて精密な厚さの連続積層にて行われる。このとき、シリコン基板31の四隅にアライメントマーク32を形成しておく。このアライメントマーク32としては、例えば長方形から十字形を除いた形状とされる。このアライメントマーク32は、一般には、シリコン基板31の表面に、エッチングや堆積による凹凸模様によって形成され、本実施形態においても、これらエッチングや堆積によって形成したアライメントマークを適用できるが、後述するように赤外線光学系を用いてアライメントマークを読み取るので、シリコン基板31にボロン(B)、リン(P)、ヒ素(As)等を局部的にドーピングすることによってアライメントマーク32を形成することが可能である。
すなわち、シリコン基板31は赤外線を透過する性質を有しているが、そのシリコン基板31にボロン(B)、リン(P)、ヒ素(As)等の不純物をドーピングすると、ドーピングした部分では赤外線の透過が妨げられる。したがって、図7に示すように、シリコン基板31の表面にアライメントマークの形状に開口した貫通孔33を有するマスク34を設け、そのマスク34の上から不純物のイオンを注入することにより、シリコン基板31がマスク34の開口の形状にドーピングされ、これにより形成されるドーピング層35がアライメントマーク32となる。
なお、このアライメントマーク32が形成される四隅部には、シリコン基板31に絶縁層等を積層しないものとする。また、シリコン基板31の膜Mが形成されている表面の四隅(アライメントマーク32が形成されている周辺)は鏡面研磨状態としておく。その鏡面の程度としては、例えば、算術平均粗さRaで5〜50オングストロームと形成される。
また、図6において符号36で示す二点鎖線は、各磁気センサに個片化する際の切断線を示す。
一方、図8に示すように、正方形の貫通孔41がX軸方向及びY軸方向に互いに等距離を隔てて正方格子状に設けられた長方形の金属プレート42を準備し、この金属プレート42の各貫通孔41に正方形断面を有する永久棒磁石43をそれぞれ挿入し、これら永久棒磁石43の磁極が形成される端面が金属プレート42と平行になるように配置する。このとき、最短距離で隣接する磁極の極性が異なるように各永久棒磁石43を配置する。なお、各永久棒磁石43の磁荷の大きさは全て略等しいものを使用する。
次に、図9に示すように、金属プレート42と略同一形状の長方形を有する透明な石英ガラスからなるプレート45を準備し、このプレート45の四隅に、シリコン基板31のアライメントマーク32において削除した十字形を補完するように十字形のアライメントマーク46を形成する。また、中央部には、金属プレート42に挿入された各永久棒磁石43の外形に対応する位置にそれぞれアライメントマーク47を設けておき、これらのアライメントマーク47を用いて位置決めしながら、永久棒磁石43の上面とプレート45の下面を接着剤により接着する。その後、金属プレート42を下方から取り去ると、図10に示すように、永久棒磁石43とプレート45とにより、磁極を構成する端面が略正方形の複数の永久磁石を正方格子の格子点に配設するとともに各永久磁石の磁極の極性が最短距離を隔てて隣接する他の磁極の極性と異なるように構成したマグネットアレイ48が形成される。
次に、GMR素子となる膜Mが形成されたシリコン基板31をマグネットアレイ48に位置決めした状態に配置する。このときに、シリコン基板31のアライメントマーク32の十字形に削除された部分と、マグネットアレイ48におけるプレート45のアライメントマーク46の十字形とを一致させることにより、両者を位置決めする。
このアライメント作業を図11〜図13を参照しながら具体的に説明する。これら図11〜図13において、(a)はアライメント作業に用いられる赤外線光学系51とシリコン基板31、マグネットアレイ48との位置関係を模式的に示しており、(b)はこの(a)で示す状態で赤外線光学系51で認識されるアライメントマーク32,46の画像を示している。
赤外線光学系51を備えるアライメント装置に、まずマグネットアレイ48をその磁極を構成する端面を上方に向けた状態に支持する。この状態で図11に示すように赤外線光学系51により、マグネットアレイ48の四隅のアライメントマーク46を読み取る。次いで、そのマグネットアレイ48の上に、シリコン基板31をそのGMR素子となる膜Mが形成された面がマグネットアレイ48のプレート45の上面と接するように配置する。そして、図12に示すように、このシリコン基板31の上方から赤外線光学系51によって赤外線を照射することにより、シリコン基板31のアライメントマーク32とマグネットアレイ48のアライメントマーク46とを同時に読み取りながら、マグネットアレイ48にシリコン基板31を位置決めする。
この場合、シリコン基板31においてアライメントマーク32の部分は不純物がドーピングされているので赤外線は透過しにくくなり、そのアライメントマーク32の周囲を透過した赤外線がマグネットアレイ48のプレート45に反射し、再びシリコン基板31を透過して赤外線光学系51の撮像手段に捉えられる。このため、シリコン基板31のアライメントマーク32が黒色で認識される。
一方、シリコン基板31を透過してマグネットアレイ48のプレート45表面に到達した赤外線は、マグネットアレイ48のプレート45で反射して再びシリコン基板31を通過して赤外線光学系51に到達することにより、マグネットアレイ48のアライメントマーク46を読み取ることができる。
そこで、シリコン基板31のアライメントマーク32とマグネットアレイ48のアライメントマーク46とを赤外線光学系51の撮像手段によって読み取りながら、シリコン基板31を水平方向に移動することにより、図13に示すように、これらのアライメントマーク32,46を一致させる。
前述したように、シリコン基板31のアライメントマーク32の周辺は鏡面研磨状態とされているので、赤外線が透過し易く、マグネットアレイ48のアライメントマーク46を鮮明に読み取ることができる。
このようにして両アライメントマーク32,46を一致させた状態に配置することにより、シリコン基板31とマグネットアレイ48とを位置決めした後、図14に示すように、これらをクランプ52によって固定し、シリコン基板31上のGMR素子となる膜Mのピン層の磁化の向きをマグネットアレイ48によって固定する処理を行う。
図15は、マグネットアレイ48のうちの永久棒磁石43を四個だけ取り出した状態を示す斜視図である。この図から明らかなように、永久棒磁石43の上面では、一つのN極から同N極に最短距離で隣接するS極に向かう90°ずつ方向が異なる磁界が形成されている。従って、図14に示したマグネットアレイ48のプレート45の上面にシリコン基板31が重ねられた状態においては、図16に模式的に示したように、一つのN極の正方形端面の各辺に平行に配置されたGMRとなる各膜Mには、Y軸正方向、X軸正方向、Y軸負方向、及びX軸負方向の磁界が加わる。
本実施形態においては、かかる磁界を利用して固着層P(固着層Pのピンド層)の磁化の向きを固定する熱処理を行う。即ち、プレート45とシリコン基板31とを図14に示すようにクランプ52により互いに固定し、真空中でこれらを250℃〜280℃に加熱し、その状態で4時間ほど放置する。
その後、シリコン基板31を取り出し、必要な配線を形成した後、最後に図6に二点鎖線で示した切断線36に沿ってシリコン基板31を切断する。以上により、図1に示した磁気センサ1,2が製造される。
以上のように、この磁気センサの製造方法によれば、シリコン基板を透過した赤外線によってマグネットアレイのアライメントマークを読み取りながら、シリコン基板のアライメントマークとの位置決めを行うようにしたので、両アライメントマークを同時に直接的に読み取って位置決めすることができ、アライメントの位置精度を高め、マグネットアレイとの位置関係を正確に維持して規則化熱処理することができる。したがって、磁気センサとしての磁場感度を高めることができるとともに、そのばらつきを小さくして、安定した磁気特性の磁気センサを製造することができる。
因みに、シリコン基板とマグネットアレイとのアライメントずれと磁気センサの磁場感度との関係は、図17に示すように、アライメントずれが大きくなる程、磁場感度は低くなる。また、図18は、本実施形態の方法で規則化熱処理した磁気センサと、従来の方法(両アライメントマークを間接的に位置合わせする方法)で規則化熱処理した磁気センサとの磁場感度を30個ずつ比較した結果を示している。磁場感度の平均を求めると、従来方法によって製作した磁気センサの磁場感度の平均は3.82mV/Oe、標準偏差が0.15mV/Oeであったのに対して、本実施形態の方法によって製作した磁気センサの磁場感度の平均は4.09mV/Oe、標準偏差が0.04mV/Oeであった。この結果から明らかなように、従来方法で規則化熱処理した磁気センサは、磁場感度が低くかつバラツキが大きいのに対して、本実施形態の方法で規則化熱処理した磁気センサは、高い磁場感度で安定していることがわかる。
図19は本発明の他の実施形態を示している。この実施形態のマグネットアレイ61は、基板62にマグネット43が固定されるとともに、その基板62の四隅に形成した貫通穴内にガラス板63が嵌め込まれ、このガラス板63に、図9に示すものと同様の十字形のアライメントマーク64が形成されている。このマグネットアレイ61の上に、シリコン基板31をGMR膜Mが表面側に向くように重ね合わせる。そして、マグネットアレイ61の裏側からマグネットアレイ61のガラス板63に赤外線光学系によって赤外線を照射する。この赤外線光学系は、赤外線照射部65からマグネットアレイ61の裏面に照射した赤外線をシリコン基板31の表面側で赤外線顕微鏡による撮像部66によって受光して撮像するようになっている。
マグネットアレイ61においては、そのアライメントマーク64の部分で赤外線の透過が遮られ、アライメントマーク64の周囲でガラス板63を透過した赤外線がシリコン基板31の裏面からシリコン基板31を透過して撮像部66に捉えられる。このシリコン基板31においてもアライメントマーク32の部分で赤外線の透過は遮られ、アライメントマーク32の周囲を透過して、撮像部66に到達する。したがって、マグネットアレイ61のアライメントマーク64とシリコン基板31のアライメントマーク32とが撮像部66に同時に撮像され、シリコン基板31を水平移動しながら両アライメントマーク32,64を位置決めする。
この実施形態においても、マグネットアレイ61のアライメントマーク64に対向するシリコン基板31の表面(図19の例では裏面)を鏡面研磨しておくことにより、アライメントマーク32,64を鮮明に撮像することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、アライメントマークの形状も一例であり、適宜形状のアライメントマークを組み合わせることができるが、赤外線を透過して読み取ることから、シリコン基板とマグネットアレイとを同一形状のマークとするよりも、本実施形態のマークのように相互に補完される形状のマークが適している。
また、上記実施形態ではアライメントマークを不純物元素のドーピングにより形成したが、これに限られず、アライメントマークは金属で形成することもできる。金属によるアライメントマークは、スクリーン印刷で塗布することも、レジストをエッチングした箇所にスパッタリングで形成することも可能である。
1,2…磁気センサ、3…シリコン基板、4〜7…X軸GMR素子、8〜11…Y軸GMR素子、12…帯状部、13…バイアス磁石膜、14…絶縁層、21…シリコン基板、22〜25…X軸GMR素子、26〜29…Y軸GMR素子、31…シリコン基板、32…アライメントマーク、33…貫通孔、34…マスク、35…ドーピング層、36…切断線、41…貫通孔、42…金属プレート、43…永久棒磁石、45…プレート、46…アライメントマーク、47…アライメントマーク、48…マグネットアレイ、51…赤外線光学系、52…クランプ、61…マグネットアレイ、62…基板、63…ガラス板、64…アライメントマーク、65…赤外線照射部、66…撮像部

Claims (3)

  1. シリコン基板上に複数の磁気抵抗効果素子を形成する素子形成工程と、前記磁気抵抗効果素子を形成した前記シリコン基板をマグネットアレイに重ね、前記磁気抵抗効果素子に磁界を付与した状態で熱処理することにより、該磁気抵抗効果素子を規則化する規則化熱処理工程とを備え、
    前記素子形成工程では、前記シリコン基板の一部にアライメントマークを形成しておき、前記規則化熱処理工程では、前記シリコン基板のアライメントマークに対応するアライメントマークを形成したマグネットアレイに前記シリコン基板を重ね合わせ、赤外線光学系によって赤外線を照射し、前記シリコン基板を透過した赤外線により前記マグネットアレイのアライメントマークを撮像しながら該アライメントマークに前記シリコン基板のアライメントマークを位置決めすることを特徴とする磁気センサの製造方法。
  2. 前記シリコン基板のアライメントマークは、シリコン基板の一部に不純物元素の濃度を局部的に変化させてドーピングすることにより形成することを特徴とする請求項1記載の磁気センサの製造方法。
  3. 前記規則化熱処理工程において前記マグネットアレイに対向する前記シリコン基板の表面の少なくとも前記アライメントマーク周辺を鏡面状態としておくことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気センサの製造方法。
JP2009288862A 2009-12-21 2009-12-21 磁気センサの製造方法 Withdrawn JP2011128095A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009288862A JP2011128095A (ja) 2009-12-21 2009-12-21 磁気センサの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009288862A JP2011128095A (ja) 2009-12-21 2009-12-21 磁気センサの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011128095A true JP2011128095A (ja) 2011-06-30

Family

ID=44290828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009288862A Withdrawn JP2011128095A (ja) 2009-12-21 2009-12-21 磁気センサの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011128095A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103513836A (zh) * 2012-06-28 2014-01-15 北儒精密股份有限公司 低色差触控面板的对位辨识方法
JP2014027280A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Samsung Display Co Ltd 集積回路およびこれを含む表示装置
WO2023162157A1 (ja) * 2022-02-25 2023-08-31 Tdk株式会社 センサチップ及びこれを備えた磁気センサ、並びに、磁気センサの製造方法
WO2023223428A1 (ja) * 2022-05-17 2023-11-23 三菱電機株式会社 電流センサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103513836A (zh) * 2012-06-28 2014-01-15 北儒精密股份有限公司 低色差触控面板的对位辨识方法
JP2014027280A (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 Samsung Display Co Ltd 集積回路およびこれを含む表示装置
WO2023162157A1 (ja) * 2022-02-25 2023-08-31 Tdk株式会社 センサチップ及びこれを備えた磁気センサ、並びに、磁気センサの製造方法
WO2023223428A1 (ja) * 2022-05-17 2023-11-23 三菱電機株式会社 電流センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7023310B2 (en) Method for manufacturing magnetic sensor, magnet array used in the method, and method for manufacturing the magnet array
US7187167B2 (en) Magnetic sensor
US6940701B2 (en) Magnetic sensor, production process of the magnetic sensor and magnetic array suitable for the production process
CN103081008B (zh) 对于零偏移具有降低的补偿角的二轴磁场传感器
EP1411365A2 (en) Magnetic sensor and manufacturing method therefor
JP5298404B2 (ja) 三軸磁気センサおよびその製造方法
CN108387852B (zh) 单、双轴磁场传感器及其制备方法
CN113811738A (zh) 磁传感器、磁传感器阵列、磁场分布测定装置及位置确定装置
JP2011128095A (ja) 磁気センサの製造方法
JP2017103378A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気センサ、並びに磁気抵抗効果素子の製造方法及び磁気センサの製造方法
US11493573B2 (en) Magnetic sensor with dual TMR films and the method of making the same
JP4329745B2 (ja) 巨大磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサ及び同磁気センサの製造方法
JP3835445B2 (ja) 磁気センサ
JP2007256293A (ja) 磁気センサ
CA2576974C (en) Magnetic sensor, production process of the magnetic sensor and magnetic array suitable for the production process
WO2011033981A1 (ja) 磁気センサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130305