JP2011127707A - 油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置構成を複雑化させることなくライン圧の設定の自由度を向上させる。
【解決手段】油圧制御装置50では、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧PslsとロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluに基づく圧力Purとの何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いるプライマリレギュレータバルブ51によりライン圧PLが設定される。これにより、ライン圧PLの設定に要する要素の増加を抑制しつつ、プライマリプーリ圧PPとは独立に、更にロックアップクラッチ29のロックアップ完了後にはプライマリプーリ圧PPおよびセカンダリプーリ圧PSの双方と独立にライン圧PLを設定することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、油圧制御装置に関し、特に、無段変速機の変速に要する油圧を発生すると共に当該無段変速機と動力発生源との間に配置されるトルク伝達装置のロックアップクラッチに作動油を給排可能な油圧制御装置に関する。
従来、この種の油圧制御装置として、制御元圧となるライン圧を調圧設定するレギュレータバルブ手段と、レギュレータバルブ手段により調圧設定されたライン圧を減圧してモジュレータ圧をつくり出すモジュレータバルブ手段と、制御電気信号に基づいてモジュレータ圧を調圧して第1制御背圧をつくり出す第1リニアソレノイドバルブと、第1制御背圧を用いてライン圧を調圧してドライブ側油圧アクチュエータに供給する第1制御油圧(第1シーブ圧)を設定する第1プーリ制御バルブと、制御電気信号に基づいてモジュレータ圧を調圧して第2制御背圧をつくり出す第2リニアソレノイドバルブと、第2制御背圧を用いてライン圧を調圧してドリブン側油圧アクチュエータに供給する第2制御油圧(第2シーブ圧)を設定する第2プーリ制御バルブとを有し、レギュレータバルブ手段が第1制御背圧および第2制御背圧のうちの高圧となる制御背圧を用いてライン圧を調圧設定するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このように、ライン圧を第1および第2制御背圧のうちの高圧側の油圧(背圧)に応じて設定すれば、第1および第2制御油圧の油圧差が大きくても小さくてもライン圧はこれらのうちの高圧側の制御油圧に対応した油圧となるので、オイルポンプの無駄な作動に起因した燃費低下や油温上昇が抑制されると共に、制御油圧の変化に対するライン圧の変更制御の応答性が向上し、更に装置構成が簡素化される。
特許第3524751号公報
上記従来の油圧制御装置では、装置構成を簡素化すべく第1および第2制御背圧がライン圧の設定に用いられることから、ライン圧は常に第1および第2制御油圧の何れか一方に連動して設定されることになる。このため、上記従来の油圧制御装置では、第1および第2制御油圧すなわち第1および第2制御背圧が比較的低い状態でライン圧のみを高めることができず、また、例えばドライブ側またはドリブン側アクチュエータにおける遠心油圧が高まったときに応力の緩和を図るべく第1または第2制御油圧を低下させると、ライン圧が低下してしまうおそれもある。
そこで、本発明の油圧制御装置は、装置構成を複雑化させることなくライン圧の設定の自由度を向上させることを主目的とする。
本発明の油圧制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明の油圧制御装置は、
ライン圧を調圧して無段変速機のプライマリプーリに供給されるプライマリプーリ圧とセカンダリプーリに供給されるセカンダリプーリ圧とを設定すると共に、動力発生源と前記無段変速機との間に配置されるトルク伝達装置のロックアップクラッチに供給されるロックアップ圧を設定する油圧制御装置において、
前記セカンダリプーリ圧を設定するのに用いられる信号圧を設定するセカンダリソレノイドバルブと、
前記ロックアップ圧を設定するのに用いられる信号圧を設定するロックアップソレノイドバルブと、
前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力と前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力との何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いて前記ライン圧を設定するレギュレータバルブと、
を備えることを特徴とする。
この油圧制御装置では、セカンダリソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力とロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力との何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いるレギュレータバルブによりライン圧が設定される。これにより、ライン圧の設定に要する要素の増加を抑制しつつ、プライマリプーリ圧とは独立にライン圧を設定することが可能となる。従って、この油圧制御装置によれば、装置構成を複雑化させることなくライン圧の設定の自由度を向上させることが可能となる。なお、セカンダリソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力は、セカンダリソレノイドバルブからの信号圧自体であってもよく、セカンダリソレノイドバルブからの作動油を調圧して得られる圧力であってもよく、セカンダリソレノイドバルブからの信号圧を用いて設定される圧力であってもよい。同様に、ロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力は、ロックアップソレノイドバルブからの信号圧自体であってもよく、ロックアップソレノイドバルブからの作動油を調圧して得られる圧力であってもよく、ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いて設定される圧力であってもよい。
また、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力は、前記プライマリプーリ圧の変化に伴って変化しない圧力であってもよい。
更に、前記レギュレータバルブは、前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力と前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力とのうちの大きい方を前記ライン圧設定用信号圧として用いるものであってもよい。また、前記ロックアップソレノイドバルブは、前記ロックアップクラッチのロックアップ時に要求される圧力であるロックアップ信号圧を超える圧力を設定可能であってもよい。これにより、ロックアップクラッチのロックアップ完了後に、ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を高めることにより、プライマリプーリ圧やセカンダリプーリ圧とは独立にライン圧を高めることが可能となる。
更に、前記油圧制御装置は、前記ロックアップソレノイドバルブによる信号圧を用いて入力圧を減圧して出力可能な減圧バルブを備えてもよく、前記レギュレータバルブは、前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧と前記減圧バルブからの圧力とのうちの大きい方を前記ライン圧設定用信号圧として用いるものであってもよい。これにより、ロックアップクラッチのロックアップが完了するまで、セカンダリソレノイドバルブからの信号圧をライン圧設定用信号圧として用いながらライン圧を設定すると共に、ロックアップソレノイドバルブからの信号圧がライン圧設定用信号圧として用いられないようにしてスムースなロックアップを実現することができる。また、ロックアップクラッチのロックアップ完了後には、ロックアップクラッチをロックアップしたままロックアップソレノイドバルブからの信号圧を調整することによりライン圧を所望の値に設定することが可能となる。すなわち、ロックアップクラッチのロックアップ完了後には、プライマリプーリ圧およびセカンダリプーリ圧を比較的低く保ったままロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いてライン圧を高めたり、ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いてライン圧を比較的高く保ったままプライマリプーリ圧およびセカンダリプーリ圧を低下させたりすることができる。
また、前記油圧制御装置は、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いて入力圧を調圧して前記ロックアップ圧を設定するロックアップ制御バルブを更に備えてもよく、当該ロックアップ制御バルブは、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧が前記ロックアップ信号圧以下であるときには前記ロックアップ圧を無段階に設定可能なものであってもよい。
更に、前記油圧制御装置は、前記ライン圧を調圧してモジュレータ圧を設定する調圧バルブと、前記調圧バルブからのモジュレータ圧を調圧して前記プライマリプーリ圧を設定するのに用いられる信号圧を設定するプライマリソレノイドバルブと、前記プライマリソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記ライン圧を調圧して前記プライマリプーリ圧を設定するプライマリプーリ圧設定バルブと、前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記ライン圧を調圧して前記セカンダリプーリ圧を設定するセカンダリプーリ圧設定バルブと、前記ライン圧を調圧してレギュレータ圧を設定する第2のレギュレータバルブとを備えてもよく、前記セカンダリソレノイドバルブと前記ロックアップソレノイドバルブとは、それぞれ前記調圧バルブからのモジュレータ圧を調圧して前記信号圧を設定するものであってもよく、前記ロックアップ制御バルブは、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記第2のレギュレータバルブからのレギュレータ圧を調圧して前記ロックアップ圧を設定するものであってもよく、前記減圧バルブは、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記調圧バルブからのモジュレータ圧を該ロックアップソレノイドバルブによる信号圧から前記ロックアップ信号圧を差し引いた値に調整するものであってもよい。
また、前記プライマリソレノイドバルブは、前記プライマリプーリ圧が前記無段変速機の目標変速比に応じた値になるように制御されてもよく、前記セカンダリソレノイドバルブは、前記セカンダリプーリ圧により前記無段変速機のベルトの滑りが抑制されるように制御されてもよい。このように、プライマリプーリ圧を変化させることにより無段変速機の変速比を設定すると共にセカンダリプーリ圧によりベルトの滑りを抑制する場合には、セカンダリソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力とロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力との何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いることで、無段変速機の変速比の設定とは独立にライン圧を設定することが可能となる。
本発明の一実施例に係る油圧制御装置50を含む動力伝達装置20を搭載した車両である自動車10の概略構成図である。 動力伝達装置20の概略構成図である。 油圧制御装置50の概要を示す系統図である。 ライン圧PLの設定手順の一例を説明するためのタイムチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る油圧制御装置50を含む動力伝達装置20を搭載した車両である自動車10の概略構成図である。同図に示す自動車10は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料と空気との混合気の爆発燃焼により動力を出力する内燃機関であるエンジン12と、エンジン12を制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)14と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)16と、エンジン12のクランクシャフトに接続されると共にエンジン12からの動力を左右の駆動輪DWに伝達する動力伝達装置20と、動力伝達装置20に含まれるトルクコンバータ(トルク伝達装置)23やベルト式の無段変速機(以下、「CVT」という)40を制御する変速用電子制御ユニット(以下、「変速ECU」という)21とを備える。
エンジンECU14、ブレーキECU16および変速ECU21は、何れも図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート(何れも図示せず)等を備える。そして、エンジンECU14、ブレーキECU16および変速ECU21は、バスライン等を介して相互に接続されており、これらのECU間では制御に必要なデータのやり取りが随時実行される。
図1に示すように、エンジンECU14には、アクセルペダル91の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Accや車速センサ99からの車速V、エンジン12(クランクシャフト)の回転数Neを検出する図示しない回転数センサといった各種センサ等からの信号、ブレーキECU16や変速ECU21からの信号等が入力される。エンジンECU14は、これらの信号に基づいて何れも図示しない電子制御式スロットルバルブや燃料噴射弁、点火プラグ等を制御する。ブレーキECU16には、ブレーキペダル93が踏み込まれたときにマスタシリンダ圧センサ94により検出されるマスタシリンダ圧や車速センサ99からの車速V、図示しない各種センサ等からの信号、エンジンECU14や変速ECU21からの信号等が入力される。ブレーキECU16は、これらの信号に基づいて図示しないブレーキアクチュエータ(油圧アクチュエータ)等を制御する。変速ECU21には、複数のシフトポジションの中から所望のシフトポジションを選択するためのシフトレバー95の操作位置を検出するシフトポジションセンサ96からのシフトポジションSPや車速センサ99からの車速V、図示しない各種センサ等からの信号、エンジンECU14やブレーキECU16からの信号等が入力される。変速ECU21は、これらの信号に基づいてトルクコンバータ23やCVT40等を制御する。また、実施例のCVT40は、いわゆるマニュアルモードを有しており、変速ECU21は、運転者によるシフトレバー95やステアリング近傍に配置されたスイッチあるいはパドルの操作に応じて、CVT40の変速比が予め定められた複数の変速比の中のシフトレバー95等の操作位置に応じたものになるようにCVT40を制御する。
図2は、実施例の自動車10に搭載された動力伝達装置20の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置20は、クランクシャフトが駆動輪DWに接続された左右の車軸84と略平行をなすように横置きに配置されたエンジン12に接続されるトランスアクスルとして構成されており、一体に結合されるコンバータハウジング22a、トランスアクスルケース22bおよびリヤカバー22cからなるケース22や、当該ケース22の内部に収容されるトルクコンバータ23、オイルポンプ30、前後進切替機構35、CVT40、油圧制御装置50、ギヤ機構80、差動機構(デファレンシャルギヤ)82等を備える。
トルクコンバータ23は、ロックアップクラッチ付きの流体式トルクコンバータとして構成されており、コンバータハウジング22aの内部に収容される。図2に示すように、トルクコンバータ23は、エンジン12のクランクシャフトに接続されるポンプインペラ24や、CVT40のインプットシャフト41に固定されるタービンランナ25、ポンプインペラ24およびタービンランナ25の内側に配置されてタービンランナ25からポンプインペラ24への作動油(ATF)の流れを整流するステータ26、ステータ26の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ27、ダンパ機構28を有するロックアップクラッチ29等を含む。オイルポンプ30は、トルクコンバータ23と前後進切替機構35との間に配置されるポンプボディ31およびポンプカバー32とからなるポンプアッセンブリ33と、ポンプインペラ24に接続された外歯ギヤ34とを含む、いわゆるギヤポンプとして構成されている。従って、エンジン12からの動力により外歯ギヤ34が回転すれば、オイルポンプ30によりオイルパン60(図3参照)に貯留されている作動油が吸引されると共に吸引された作動油が昇圧される。これにより、トルクコンバータ23や前後進切替機構35、CVT40等により要求される油圧を発生させたり、CVT40、ワンウェイクラッチ27、前後進切替機構35等の所定部位や各種軸受といった潤滑対象に潤滑媒体としての作動油を供給したりすることが可能となる。
前後進切替機構35は、トランスアクスルケース22bの内部に収容され、ダブルピニオン式の遊星歯車機構36と、油圧式のブレーキB1およびクラッチC1とを含む。遊星歯車機構36は、CVT40のインプットシャフト41に固定されるサンギヤと、リングギヤと、サンギヤと噛合するピニオンギヤおよびリングギヤと噛合するピニオンギヤを支持すると共にCVT40のプライマリシャフト42に連結されるキャリヤとを有する。ブレーキB1は、遊星歯車機構36のリングギヤをトランスアクスルケース22bに対して固定すると共に回転自在にすることができるものであり、クラッチC1は、遊星歯車機構36のキャリアをインプットシャフト41(サンギヤ)に対して固定すると共に回転自在にすることができるものである。
CVT40は、駆動側回転軸としてのプライマリシャフト42に設けられたプライマリプーリ43と、プライマリシャフト42と平行に配置された従動側回転軸としてのセカンダリシャフト44に設けられたセカンダリプーリ45と、プライマリプーリ43の溝とセカンダリプーリ45の溝とに巻き架けられたベルト46と、プライマリプーリ43の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるプライマリシリンダ47と、セカンダリプーリ45の溝幅を変更するための油圧式アクチュエータであるセカンダリシリンダ48とを備える。プライマリプーリ43は、プライマリシャフト42と一体に形成された固定シーブ43aと、プライマリシャフト42にボールスプラインを介して軸方向に摺動自在に支持される可動シーブ43bとにより構成されており、セカンダリプーリ45は、セカンダリシャフト44と一体に形成された固定シーブ45aと、セカンダリシャフト44にボールスプラインを介して軸方向に摺動自在に支持されると共に圧縮ばねであるリターンスプリング49により軸方向に付勢される可動シーブ45bとにより構成されている。また、プライマリシリンダ47は、プライマリプーリ43の可動シーブ43bの背後に形成されており、セカンダリシリンダ48は、セカンダリプーリ45の可動シーブ45bの背後に形成されている。プライマリシリンダ47とセカンダリシリンダ48とには、プライマリプーリ43とセカンダリプーリ45との溝幅を変化させるべく油圧制御装置50から作動油が供給され、それにより、エンジン12からトルクコンバータ23および前後進切替機構35を介してプライマリシャフト42に入力された動力を無段階に変速してセカンダリシャフト44に出力することができる。そして、セカンダリシャフト44に出力された動力は、ギヤ機構80およびデファレンシャルギヤ82を介して左右の駆動輪DWに伝達されることになる。
図3は、油圧制御装置50の概要を示す系統図である。同図に示す油圧制御装置50は、エンジン12からの動力を用いてオイルパン60から作動油を吸引して吐出する前述のオイルポンプ30に接続されるものであり、CVT40の変速に要する油圧を発生することができる。また、油圧制御装置50は、トルクコンバータ23のロックアップクラッチ29に対してロックアップと当該ロックアップの解除とが実行可能となるように作動油を給排可能に構成されると共に、シフトレバー95と連動して作動する図示しないマニュアルバルブを介して前後進切替機構35のブレーキB1およびクラッチC1に対して作動油を給排可能に構成される。
油圧制御装置50は、図3に示すように、オイルポンプ30からの作動油の圧力を調整してプライマリシリンダ47やセカンダリシリンダ48等に供給される作動油の元圧であるライン圧PLを設定するプライマリレギュレータバルブ51と、ライン圧PLを減圧して一定のモジュレータ圧Pmを設定する調圧バルブ52と、変速ECU21により通電制御される図示しないリニアソレノイドにより調圧バルブ52からのモジュレータ圧Pmを調圧して信号圧としてのプライマリソレノイド圧Pslpを設定するプライマリリニアソレノイドバルブSLPと、プライマリリニアソレノイドバルブSLPからのプライマリソレノイド圧Pslpを用いてライン圧PLを調圧してプライマリプーリ43すなわちプライマリシリンダ47に供給されるプライマリプーリ圧(プライマリシーブ圧)PPを設定するプライマリプーリ圧設定バルブ53と、変速ECU21により通電制御される図示しないリニアソレノイドにより調圧バルブ52からのモジュレータ圧Pmを調圧して信号圧としてのセカンダリソレノイド圧Pslsを設定するセカンダリリニアソレノイドバルブSLSと、セカンダリリニアソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsを用いてライン圧PLを調圧してセカンダリプーリ45すなわちセカンダリシリンダ48に供給されるセカンダリプーリ圧(プライマリシーブ圧)PSを設定するセカンダリプーリ圧設定バルブ54とを含む。
図3に示すように、プライマリプーリ圧設定バルブ53の出力ポートは、プライマリシリンダ47と接続され、セカンダリプーリ圧設定バルブ54の出力ポートは、セカンダリシリンダ48に接続される。そして、プライマリソレノイドバルブSLPのリニアソレノイドは、変速ECU21によってプライマリプーリ圧設定バルブ53からのプライマリプーリ圧PPがアクセル開度Accと自動車10の車速Vとエンジン12の回転数Neとに応じて定まるCVT40の目標変速比に応じた値になるように制御される。更に、セカンダリソレノイドバルブSLSのリニアソレノイドは、変速ECU21によってセカンダリプーリ圧設定バルブ54からのセカンダリプーリ圧によりCVT40のベルト46の滑りが抑制されるように制御される。
また、トルクコンバータ23のロックアップクラッチ29を作動させるために、油圧制御装置50は、プライマリレギュレータバルブ51からの作動油の圧力を調整してレギュレータ圧Prを設定するセカンダリレギュレータバルブ55と、変速ECU21により通電制御される図示しないリニアソレノイドにより調圧バルブ52からのモジュレータ圧Pmを調圧して信号圧としてのロックアップソレノイド圧Psluを設定するロックアップソレノイドバルブSLUと、このロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluを用いてセカンダリレギュレータバルブ55からのレギュレータ圧Prを調圧してロックアップクラッチ29に供給されるロックアップ圧Plupを設定し、ロックアップクラッチ29のロックアップと当該ロックアップの解除とを切り替えるロックアップコントロールバルブ56とを含む。
ロックアップコントロールバルブ56は、スプールや当該スプールを付勢するスプリングに加えて、ロックアップソレノイドバルブSLUからロックアップソレノイド圧Psluが信号圧として供給される信号圧入力ポート56sと、セカンダリレギュレータバルブ55の吐出ポートと連通する入力ポート56iと、トルクコンバータ23のコンバータ室23cと連通するポート56cと、トルクコンバータ23のロックアップ室23lと連通するポート56lと、ドレンポート56eとを有する。ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluが比較的低いか、あるいは値0であってロックアップコントロールバルブ56が図中左半分に示す状態にあるときには、入力ポート56iとポート56cとが連通する。これにより、セカンダリレギュレータバルブ55からの作動油が入力ポート56iとポート56cとを介してコンバータ室23c内へと導入されることから、ロックアップクラッチ29を構成するロックアップピストンが図中右側へと移動し、トルクコンバータ23はロックアップ解除状態(コンバータ状態)に維持される。
また、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluが高まってスプールがスプリングの付勢力に抗して移動すると、入力ポート56iとポート56cとの連通が徐々に遮断される一方、入力ポート56iとポート56lとが徐々に連通すると共にポート56cとドレンポート56eとが徐々に連通する。これにより、セカンダリレギュレータバルブ55からの作動油が入力ポート56iとポート56lとを介してロックアップ室23l内へと徐々に導入されると共にコンバータ室23c内の作動油が徐々にドレンポート56eへと導かれることから、ロックアップクラッチ29を構成するロックアップピストンが図中左側へと移動する。そして、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluが予め定められたロックアップ信号圧Pref(例えば、0.5MPA)に達すると、ロックアップコントロールバルブ56は図中右半分に示す状態へと移行し、入力ポート56iとポート56cとの連通が遮断される一方、入力ポート56iとポート56lとが連通すると共にポート56cとドレンポート56eとが連通する。このように、ロックアップコントロールバルブ56は、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluがロックアップ信号圧Pref以下であるときには、ロックアップ圧Plupを無段階に設定する。そして、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluが予め定められたロックアップ信号圧Pref(例えば、0.5MPA)に達すると、ロックアップクラッチ29のロックアップが完了し、トルクコンバータ23はロックアップ状態に維持される。ここで、ロックアップクラッチ29のロックアップを実行する上で、ロックアップソレノイドバルブSLUは、本来、上述のロックアップ信号圧Prefを設定可能なものであれば足りるが、実施例では、ロックアップソレノイドバルブSLUとして、ロックアップクラッチ29のロックアップ時に要求される圧力であるロックアップ信号圧Prefを超える圧力(例えば、1.1MPa)を設定可能のものが用いられる。
そして、実施例の油圧制御装置50は、ライン圧PLを設定するプライマリレギュレータバルブ51がセカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsと減圧バルブ57からのロックアップソレノイド圧Psluに基づく圧力Purとの何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いてライン圧PLを設定するように構成されている。すなわち、実施例のプライマリレギュレータバルブ51は、図3に示すように、オイルポンプ30と接続される入力ポートやセカンダリレギュレータバルブ55と接続される出力ポート、スプール、当該スプールを付勢するスプリングに加えて、スプリング室内にそれぞれ軸方向に摺動自在に配置された2つのプランジャ51aおよび51bと、セカンダリソレノイドバルブSLSと接続された第1信号圧入力ポート51sと、減圧バルブ57と接続された第2信号圧入力ポート51uとを有する。プランジャ51aおよび52aは、互いに同一の寸法を有しており、それぞれ図中上側と下側とに同一面積の受圧面を含む。そして、プランジャ51aおよび52aは、図中上側に位置するプランジャ51aの一端(上端)がスプールと当接可能となると共に、プランジャ51aの他端(下端)と図中下側のプランジャ51bの一端(上端)とが当接可能となるようにスプリング室内に配置される。また、第1信号圧入力ポート51sは、プランジャ51aの他端(下端)とプランジャ51bの一端(上端)との間に画成される油室にセカンダリソレノイドバルブSLSからの作動油が導入されるように形成される。更に、第2信号圧入力ポート51uは、プランジャ51bの他端(下端)とスプリング室の内壁とにより画成される油室に減圧バルブ57からの作動油が導入されるように形成される。
これにより、セカンダリソレノイドバルブSLSから第1信号圧入力ポート51sに供給されるセカンダリソレノイド圧Pslsが減圧バルブ57から第2信号圧入力ポート51uに供給される圧力Pur以上である場合には、図中上側のプランジャ51aが図中上方に移動し、スプリングの付勢力に抗してスプールを図中上方に移動させることから、プライマリレギュレータバルブ51は、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsを用いてライン圧PLを設定することになる。これに対して、減圧バルブ57から第2信号圧入力ポート51uに供給される圧力PurがセカンダリソレノイドバルブSLSから第1信号圧入力ポート51sに供給されるセカンダリソレノイド圧Pslsよりも高い場合には、プランジャ51bが図中上方に移動し、スプリングの付勢力に抗してプランジャ51aとスプールとを図中上方に移動させることから、プライマリレギュレータバルブ51は、減圧バルブ57からの圧力Purを用いてライン圧PLを設定することになる。
また、減圧バルブ57は、図3に示すように、2つのランドをもったスプールや当該スプールを付勢するスプリングに加えて、プライマリレギュレータバルブ51の第2信号圧入力ポート51uに接続される出力ポート57oと、出力ポート57oとスプリング室とを連通するフィードバックポート57fと、調圧バルブ52からモジュレータ圧Pmが供給される第1信号圧入力ポート57mと、ロックアップソレノイドバルブSLUからロックアップソレノイド圧Psluが供給される第2信号圧入力ポート57uとを有する。そして、減圧バルブ57を構成するスプールの2つのランドの受圧面やスプリングのバネ定数等は、出力ポート57oから出力される作動油の圧力PurがロックアップソレノイドバルブSLUによるロックアップソレノイド圧Psluから上述のロックアップ信号圧Prefを差し引いた値となるように定められる。
すなわち、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluがロックアップ信号圧Pref以下であるときには、スプリングの付勢力によりスプールがロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluに抗して図中下方へと移動し、第1信号圧入力ポート57mを遮断する(図中右側半分参照)。従って、ロックアップソレノイド圧Psluがロックアップ信号圧Pref以下であるときには、減圧バルブ57からプライマリレギュレータバルブ51に作動油が供給されないことになる。これに対して、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluがロックアップ信号圧Prefよりも高くなると、ロックアップソレノイド圧Psluの大きさに応じてスプールがスプリングの付勢力に抗して図中上方へと移動し、第1信号圧入力ポート57mが徐々に開放されていく。これにより、調圧バルブ52からのモジュレータ圧PmがロックアップソレノイドバルブSLUによるロックアップソレノイド圧Psluからロックアップ信号圧Prefを差し引いた値に調整され、圧力(Pslu−Pref)の作動油が出力ポート57oから出力されることになる。従って、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後には、ロックアップソレノイド圧Psluがロックアップ信号圧Prefよりも高まるようにロックアップソレノイドバルブSLUを制御することにより、減圧バルブ57から第2信号圧入力ポート51uに供給される圧力PurをセカンダリソレノイドバルブSLSから第1信号圧入力ポート51sに供給されるセカンダリソレノイド圧Pslsよりも高めて、減圧バルブ57からの圧力Purすなわちロックアップソレノイド圧Psluに応じてライン圧PLを設定することが可能となる。
次に、上述の油圧制御装置50におけるライン圧PLの設定手順について説明する。ここでは、図4を参照しながら、自動車10の走行が開始された後にCVT40の変速比をアップシフト側(増速側)に変化させていくときのライン圧PLの設定手順について説明する。
自動車10の走行開始直後には、トルクコンバータ23のロックアップクラッチ29はロックアップされておらず、CVT40の変速比が大きい値(減速側の値)に設定されることから、プライマリプーリ圧PPが比較的小さい値に設定されると共にセカンダリプーリ圧PSが比較的大きい(プライマリプーリ圧PPよりも大きい)値に設定される。従って、図4に示すように、自動車10の走行開始後のしばらくの間、セカンダリソレノイドバルブSLSによるセカンダリソレノイド圧PslsがプライマリソレノイドバルブSLPによるプライマリソレノイド圧Pslpよりも高くなる。そして、時刻t0にロックアップクラッチ29のロックアップ条件が成立すると、ロックアップソレノイド圧Psluが徐々にロックアップ信号圧Prefに達するようにロックアップソレノイドバルブSLUが制御され、図示するように時刻t1にてロックアップクラッチ29のロックアップが完了する。このようなロックアップクラッチ29の係合処理の間、ロックアップソレノイド圧Psluは基本的にロックアップ信号圧Pref以下の値となり、ライン圧PLの設定に用いられることがないので、ロックアップクラッチ29の係合処理はスムースに実行される。そして、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後にCVT40の変速比が比較的大きい値に維持されるのであれば、ロックアップソレノイド圧Psluは基本的にロックアップ信号圧Pref以下の値となる。従って、この場合には、減圧バルブ57からプライマリレギュレータバルブ51の第2信号圧入力ポート57uに作動油が供給されないことになり、プライマリレギュレータバルブ51は、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsを用いてライン圧PLを設定する。
また、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後にCVT40の変速比をアップシフト側に変更する場合には、図4に示すように、プライマリプーリ圧PPを増加させるためにプライマリソレノイド圧Pslpが増加するようにプライマリソレノイドバルブSLPが制御されると共に、セカンダリプーリ圧PSを減少させるためにセカンダリソレノイド圧Pslsが減少するようにセカンダリソレノイドバルブSLSが制御される。このため、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後にCVT40の変速比がアップシフト側に変更された場合、セカンダリソレノイドバルブSLSによるセカンダリソレノイド圧Pslsをライン圧設定用信号圧として用いてもライン圧PLを所望の値まで高められなくなるおそれがあるが、実施例の油圧制御装置50では、上述のようにライン圧PLを設定するプライマリレギュレータバルブ51に減圧バルブ57からの圧力Purをライン圧設定用信号圧として供給することができる。すなわち、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後にCVT40の変速比がアップシフト側に変更されたような場合には、ロックアップソレノイド圧Psluがロックアップ信号圧Prefよりも高くなるようにロックアップソレノイドバルブSLUを制御することにより、減圧バルブ57から第2信号圧入力ポート51uに供給される圧力PurをセカンダリソレノイドバルブSLSから第1信号圧入力ポート51sに供給されるセカンダリソレノイド圧Pslsよりも高めて、ロックアップクラッチ29をロックアップしたまま、減圧バルブ57からの圧力Purすなわちロックアップソレノイド圧Psluに応じてライン圧PLを設定することが可能となる。これにより、実施例の油圧制御装置50では、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後に、プライマリプーリ圧PPやセカンダリプーリ圧PS、すなわちCVT40の変速制御やベルト46の滑りの抑制とは独立にライン圧PLを所望の値に設定することが可能となる。
以上説明したように、実施例の動力伝達装置20に含まれる油圧制御装置50では、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsと、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluに基づくものであってプライマリプーリ圧Ppの変化に伴って変化しない圧力Purとの何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いるプライマリレギュレータバルブ51によりライン圧PLが設定される。これにより、ライン圧PLの設定に要する要素の増加を抑制しつつ、プライマリプーリ圧PPとは独立に、更には、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後にはプライマリプーリ圧PPおよびセカンダリプーリ圧PSの双方と独立にライン圧PLを設定することが可能となる。従って、油圧制御装置50によれば、装置構成を複雑化させることなくライン圧PLの設定の自由度を向上させることが可能となる。
また、上記実施例において、ロックアップソレノイドバルブSLUは、ロックアップクラッチ29のロックアップ時に要求される圧力であるロックアップ信号圧Prefを超える圧力を設定可能であり、プライマリレギュレータバルブ51は、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsと減圧バルブ57からのロックアップソレノイド圧Psluに基づく圧力Purとのうちの大きい方をライン圧設定用信号圧として用いるものである。これにより、実施例の油圧制御装置50では、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後に、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluを高めることにより、プライマリプーリ圧PPおよびセカンダリプーリ圧PSとは独立にライン圧PLを高めることが可能となる。
更に、実施例の油圧制御装置50は、ロックアップソレノイドバルブSLUによるロックアップソレノイド圧Psluからロックアップ信号圧Prefを差し引いた値の圧力を設定可能な減圧バルブ57を含み、プライマリレギュレータバルブ51は、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsと減圧バルブ57からの圧力Purとのうちの大きい方をライン圧設定用信号圧として用いるものである。これにより、実施例の油圧制御装置50では、ロックアップクラッチ29のロックアップが完了するまで、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsをライン圧設定用信号圧として用いながらライン圧PLを設定すると共に、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluがライン圧設定用信号圧として用いられないようにしてスムースなロックアップを実現することができる。また、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後には、ロックアップクラッチ29をロックアップしたままロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluを調整することによりライン圧PLを所望の値に設定することが可能となる。すなわち、実施例の動力伝達装置20を備えた自動車10では、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後であれば、プライマリプーリ圧PPおよびセカンダリプーリ圧PSを比較的低く保ったままロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluを用いてライン圧PLを高めることができる。
従って、自動車10の走行中にCVT40の変速比をマニュアル設定すべく運転者によりシフトレバー95等が操作されたときに、ロックアップクラッチ29のロックアップが完了していれば、プライマリプーリ圧PPおよびセカンダリプーリ圧PSとは独立にライン圧PLを高めておき、運転者によるCVT40の変速比のマニュアル設定に対する変速処理の応答性を向上させることができる。また、上記実施例では、ロックアップクラッチ29のロックアップが完了していれば、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluを用いてライン圧PLを比較的高く保ったままプライマリプーリ圧PPおよびセカンダリプーリ圧PSを低下させることができる。従って、プライマリシリンダ47やセカンダリシリンダ48における遠心油圧力が高まったときに、ロックアップクラッチ29のロックアップが完了していれば、ライン圧PLを高く保ってロックアップクラッチ29のロックアップを維持すると共に前後進切替機構35のクラッチC1等の係合を良好に維持しつつ、プライマリプーリ圧PPやセカンダリプーリ圧PSを低下させて応力緩和を図ることができる。
更に、上記実施例において、プライマリソレノイドバルブSLPは、プライマリプーリ圧PPがCVT40の目標変速比に応じた値になるように制御され、セカンダリソレノイドバルブSLSは、セカンダリプーリ圧PSによりCVT40のベルト46の滑りが抑制されるように制御される。このように、プライマリプーリ圧PPを変化させることによりCVT40の変速比を設定すると共にセカンダリプーリ圧PSによりベルト46の滑りを抑制する場合には、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧PslsとロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluに基づく圧力Purとの何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いることで、CVT40の変速比の設定とは独立にライン圧PLを設定することが可能となる。
なお、上記実施例では、プライマリレギュレータバルブ51に対してセカンダリソレノイドバルブSLSから信号圧としてのセカンダリソレノイド圧Pslsが供給されるが、セカンダリソレノイド圧Pslsの代わりに、セカンダリソレノイドバルブSLSからの作動油を調圧して得られる圧力や、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsを用いて設定される圧力をプライマリレギュレータバルブ51に信号圧として供給してもよい。また、上記実施例では、プライマリレギュレータバルブ51に対してロックアップソレノイド圧Psluを用いて設定される減圧バルブ57からの圧力Purが供給されるが、減圧バルブ57からの圧力Purの代わりに、ロックアップソレノイドバルブSLUからの作動油を調圧して得られる圧力や、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Pslu自体をプライマリレギュレータバルブ51に信号圧として供給してもよい。ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Pslu自体をプライマリレギュレータバルブ51に信号圧として供給する場合には、ロックアップソレノイドバルブSLUとプライマリレギュレータバルブ51との間に流路切替弁を配置することで、ロックアップクラッチ29のロックアップが完了するまでセカンダリシリンダ圧Pslsを用いてライン圧PLを設定すると共に、ロックアップクラッチ29のロックアップ完了後にはロックアップソレノイド圧Psluを用いてライン圧PLを設定することができる。
ここで、上記実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、上記実施例では、ライン圧PLを調圧してCVT40のプライマリプーリ43に供給されるプライマリプーリ圧PPとセカンダリプーリ45に供給されるセカンダリプーリ圧PSとを設定すると共に、エンジン12とCVT40との間に配置されるトルクコンバータ23のロックアップクラッチ29に供給されるロックアップ圧Plupを設定する油圧制御装置50が「油圧制御装置」に相当し、セカンダリプーリ圧PSを設定するのに用いられる信号圧としてのセカンダリソレノイド圧Pslsを設定するセカンダリソレノイドバルブSLSが「セカンダリソレノイドバルブ」に相当し、ロックアップ圧Plupを設定するのに用いられる信号圧としてのロックアップソレノイド圧Psluを設定するロックアップソレノイドバルブSLUが「ロックアップソレノイドバルブ」に相当し、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧PslsとロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluに基づく圧力Purとの何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いてライン圧PLを設定するプライマリレギュレータバルブ51が「レギュレータバルブ」に相当する。また、ロックアップソレノイドバルブSLUによる信号圧としてのロックアップソレノイド圧Psluからロックアップ信号圧Prefを差し引いた値の圧力Purを設定可能な減圧バルブ57が「減圧バルブ」に相当し、ライン圧PLを調圧してモジュレータ圧Pmを設定する調圧バルブ52が「調圧バルブ」に相当し、調圧バルブ52からのモジュレータ圧Pmを調圧してプライマリプーリ圧PPを設定するのに用いられる信号圧としてのプライマリソレノイド圧Pslpを設定するプライマリソレノイドバルブSLPが「プライマリソレノイドバルブ」に相当し、プライマリソレノイドバルブSLPからのプライマリソレノイド圧Pslpを用いてライン圧PLを調圧してプライマリプーリ圧PPを設定するプライマリプーリ圧設定バルブ53が「プライマリプーリ圧設定バルブ」に相当し、セカンダリソレノイドバルブSLSからのセカンダリソレノイド圧Pslsを用いてライン圧PLを調圧してセカンダリプーリ圧PSを設定するセカンダリプーリ圧設定バルブ54が「セカンダリプーリ圧設定バルブ」に相当し、ライン圧PLを調圧してレギュレータ圧Prを設定するセカンダリレギュレータバルブ55が「第2のレギュレータバルブ」に相当し、ロックアップソレノイドバルブSLUからのロックアップソレノイド圧Psluを用いてセカンダリレギュレータバルブ55からのレギュレータ圧Prを調圧してロックアップ圧Plupを設定するロックアップコントロールバルブ56が「ロックアップ制御バルブ」に相当する。ただし、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するうための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、油圧制御装置の製造産業において利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、16 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、20 動力伝達装置、21 変速用電子制御ユニット(変速ECU)、22 ケース、23 トルクコンバータ、23c コンバータ室、23l ロックアップ室、24 ポンプインペラ、25 タービンランナ、26 ステータ、27 ワンウェイクラッチ、28 ダンパ機構、29 ロックアップクラッチ、30 オイルポンプ、31 ポンプボディ、32 ポンプカバー、33 ポンプアッセンブリ、34 外歯ギヤ、35 前後進切替機構、36 遊星歯車機構、40 無段変速機(CVT)、41 インプットシャフト、42 プライマリシャフト、43 プライマリプーリ、44 セカンダリシャフト、45 セカンダリプーリ、46 ベルト、47 プライマリシリンダ、48 セカンダリシリンダ、50 油圧制御装置、51 プライマリレギュレータバルブ、51a,51b プランジャ、51s 第1信号圧入力ポート、51u 第2信号圧入力ポート、52 調圧バルブ、53 プライマリプーリ圧設定バルブ、54 セカンダリプーリ圧設定バルブ、55 セカンダリレギュレータバルブ、56 ロックアップコントロールバルブ、56c,56l ポート、56e ドレンポート、56i 入力ポート、56s 信号圧入力ポート、57 減圧バルブ、57f フィードバックポート、57m 第1信号圧入力ポート、57o 出力ポート、57u 第2信号圧入力ポート、60 オイルパン、80 ギヤ機構、82 デファレンシャルギヤ、84 車軸、91 アクセルペダル、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダル、94 マスタシリンダ圧センサ、95 シフトレバー、96 シフトポジションセンサ、99 車速センサ、B1 ブレーキ、C1 クラッチ。

Claims (8)

  1. ライン圧を調圧して無段変速機のプライマリプーリに供給されるプライマリプーリ圧とセカンダリプーリに供給されるセカンダリプーリ圧とを設定すると共に、動力発生源と前記無段変速機との間に配置されるトルク伝達装置のロックアップクラッチに供給されるロックアップ圧を設定する油圧制御装置において、
    前記セカンダリプーリ圧を設定するのに用いられる信号圧を設定するセカンダリソレノイドバルブと、
    前記ロックアップ圧を設定するのに用いられる信号圧を設定するロックアップソレノイドバルブと、
    前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力と前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力との何れか一方をライン圧設定用信号圧として用いて前記ライン圧を設定するレギュレータバルブと、
    を備えることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 請求項1に記載の油圧制御装置において、
    前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力は、前記プライマリプーリ圧の変化に伴って変化しない圧力であることを特徴とする油圧制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の油圧制御装置において、
    前記レギュレータバルブは、前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力と前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧に基づく圧力とのうちの大きい方を前記ライン圧設定用信号圧として用いることを特徴とする油圧制御装置。
  4. 請求項3に記載の油圧制御装置において、
    前記ロックアップソレノイドバルブは、前記ロックアップクラッチのロックアップ時に要求される圧力であるロックアップ信号圧を超える圧力を設定可能であることを特徴とする油圧制御装置。
  5. 請求項2から4の何れか一項に記載の油圧制御装置において、
    前記ロックアップソレノイドバルブによる信号圧を用いて入力圧を減圧して出力可能な減圧バルブを更に備え、前記レギュレータバルブは、前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧と前記減圧バルブからの圧力とのうちの大きい方を前記ライン圧設定用信号圧として用いることを特徴とする油圧制御装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の油圧制御装置において、
    前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いて入力圧を調圧して前記ロックアップ圧を設定するロックアップ制御バルブを更に備え、該ロックアップ制御バルブは、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧が前記ロックアップ信号圧以下であるときには前記ロックアップ圧を無段階に設定可能であることを特徴とする油圧制御装置。
  7. 請求項6に記載の油圧制御装置において、
    前記ライン圧を調圧してモジュレータ圧を設定する調圧バルブと、
    前記調圧バルブからのモジュレータ圧を調圧して前記プライマリプーリ圧を設定するのに用いられる信号圧を設定するプライマリソレノイドバルブと、
    前記プライマリソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記ライン圧を調圧して前記プライマリプーリ圧を設定するプライマリプーリ圧設定バルブと、
    前記セカンダリソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記ライン圧を調圧して前記セカンダリプーリ圧を設定するセカンダリプーリ圧設定バルブと、
    前記ライン圧を調圧してレギュレータ圧を設定する第2のレギュレータバルブとを更に備え、
    前記セカンダリソレノイドバルブと前記ロックアップソレノイドバルブとは、それぞれ前記調圧バルブからのモジュレータ圧を調圧して前記信号圧を設定し、前記ロックアップ制御バルブは、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記第2のレギュレータバルブからのレギュレータ圧を調圧して前記ロックアップ圧を設定し、前記減圧バルブは、前記ロックアップソレノイドバルブからの信号圧を用いて前記調圧バルブからのモジュレータ圧を該ロックアップソレノイドバルブによる信号圧から前記ロックアップ信号圧を差し引いた値に調整することを特徴とする油圧制御装置。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の油圧制御装置において、
    前記プライマリソレノイドバルブは、前記プライマリプーリ圧が前記無段変速機の目標変速比に応じた値になるように制御され、前記セカンダリソレノイドバルブは、前記セカンダリプーリ圧により前記無段変速機のベルトの滑りが抑制されるように制御されることを特徴とする油圧制御装置。
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