JP2011127570A - 内燃機関の排気ガス再循環装置の制御方法 - Google Patents

内燃機関の排気ガス再循環装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発進時や再加速時におけるロックアップクラッチ作動時のショックと燃費の低下を防止する。
【解決手段】車速がロックアップの実施可能な状態であると判定し、かつエンジンの運転状態が、EGR制御を実施できる運転領域に達していると判定すると、自動変速機のロックアップ機構を作動させてロックアップを実施するとともに、EGR装置のEGR弁を開成してEGR制御を実施し、ロックアップによる上昇トルクを、EGR制御を開始する際のトルクの低下により相殺する。
【選択図】図2

Description

本発明は、排気ガス再循環装置を備えて、自動変速機に接続される内燃機関の排気ガス再循環装置の制御方法に関するものである。
従来、自動車などでは、燃費の向上などを図るために、エンジン側の駆動軸とトルクコンバータの被動軸とを直結するロックアップ機構を備えた自動変速機に接続されるエンジンを用いている。例えば、特許文献1に記載のものでは、ロックアップ機構の作動時に、ロックアップ遷移状態を検出し、ロックアップ遷移状態の検出信号に基づいて所定のロックアップ遷移状態になった時に、エンジンの点火時期をその時のエンジン回転数に応じて遅角補正するようにして、ロックアップ時のショックを低減するとともにロックアップ移行時間を短縮するようにしている。
特開平03‐185269号公報
ところが、このような構成のものであると、点火時期の遅角制御に伴い、筒内圧(圧縮圧)の高い状態で点火を行うことになるので、点火時の要求電圧が高くなることから、点火プラグの消耗が早くなるといった不具合が生じる。このことは、例えば電極間のギャップが広がっている場合など、点火プラグの状態がよくない場合には、点火プラグを損傷する可能性もある。また、遅角していることで燃焼状態が低下し、その結果、燃費が低下することになった。
このような現状にあって、このようなロックアップ機構を備える自動変速機に接続されるエンジンにおいて、排気ガス再循環制御を実施する場合、発進時や再加速時のようなアクセルペダルを操作していない状態からアクセルペダルを踏み込むと、エンジンの負荷の挙動に対して排気ガス再循環制御の挙動は遅れを生じる。このため、アクセルペダルの踏み込み開始からアクセルペダルを一定量踏み込んでいる場合などは、踏み込み開始後に排気ガス再循環制御が後追いで作用するために、排気ガス再循環制御の開始時点で一時的なトルクの低下が生じ、ドライバビリティを低下させる場合が生じた。
したがって、発進時や再加速時にあっては、ロックアップ機構が作動する際と、排気ガス再循環制御を開始する際とに、燃費が低下したりドライバビリティが低下するといった不具合が連続的に発生することになった。
そこで本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
すなわち、本発明の内燃機関の排気ガス再循環装置の制御方法は、排気ガスの一部を還流させて吸入空気に混合し得る排気ガス再循環装置を備え、自動変速機に接続される内燃機関において、自動変速機におけるトルク変動が発生するタイミングと、排気ガス再循環装置が作動を開始するタイミングとを同期させることを特徴とする。
このような構成によれば、自動変速機においてトルク変動が発生するタイミングで、排気ガス再循環装置を作動させることになるので、排気ガス再循環装置の作動開始のタイミングにおけるトルクの低下を抑制することが可能になる。
上述の構成において、自動変速機が、ロックアップ機構を備えてなり、トルク変動が発生するタイミングが、ロックアップ機構の作動開始時点であるものが好ましい。このような構成によれば、ロックアップ機構が作動した時点の係合ショックを軽減することができ、トルク変動を軽減するための点火時期の遅角が不要になる。したがって、燃費の低下を抑制することが可能になるとともに、点火プラグの早期消耗も抑制することが可能になる。
本発明は、以上説明したような構成であり、自動変速機においてトルク変動が発生するタイミングで、排気ガス再循環装置を作動させることになるので、排気ガス再循環装置の作動開始のタイミングにおけるトルクの低下を抑制することができる。
本発明の実施形態の概略構成を示す構成説明図。 同実施形態の制御手順の概略を示すフローチャート。 同実施形態の作用説明図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態の車両は、例えば火花点火式で燃料噴射弁を備える多気筒の内燃機関(以下、エンジンと称する)1と、エンジン1に接続される自動変速機2と、エンジン1の運転を制御する電子制御装置3とを搭載している。この車両には、エンジン1の吸入空気量を調整するスロットル弁4の開度を制御するためのアクセル手段であるアクセルペダル5が設けてある。スロットル弁4には、その開度を検出するためのスロットルセンサ6が接続してある。
エンジン1は、排気ガス再循環装置(以下、EGR装置と称する)7を備えている。EGR装置7は、この分野で広く知られているものを適用することができるもので、排気ガスの一部を、例えば吸気系のサージタンクに還流させる排気ガス還流管路(以下、EGR管路と称する)と、そのEGR管路に設けられてEGR管路により還流される排気ガス(以下、EGRガスと称する)の量を制御する排気ガス還流制御弁(以下、EGR弁と称する)とを備える。EGR弁は例えば、貫通孔を弁体により開閉する構造で、弁体は例えば、ステッパモータにより駆動される。このような構成のEGR弁では、EGR弁の弁開度を、電子制御装置3がステッパモータに供給する信号のステップ数により制御する。したがって、そのステップ数が、EGR弁の開度を示すものとなる。なお、ステッパモータに代えてDCモータの場合は、例えばPMW(パルス幅変調)制御などにより通電を制御して、開度を制御するものである。
エンジン1には、その運転状態を検出するために、各種のセンサが取り付けてある。具体的には、エンジン回転数を検出する回転数センサ8を備えるとともに、図示しないアイドルスイッチ、水温センサ、O2センサ、クランク角センサなどを備える。又、車両には、車速を検出するための車速センサ9が、例えばプロペラシャフトの基端側に取り付けてある。
自動変速機2は、ロックアップ機構10を備えるトルクコンバータとベルト、チェーンあるいはローラを使用した連続可変変速機構をトルクコンバータの出力側に備える。ロックアップ機構10自体は、この分野で公知のものであってよく、トルクコンバータの入力側と出力側とをロックアップするロックアップクラッチと、そのロックアップクラッチを駆動するためのロックアップソレノイド11とを備えている。ロックアップ機構10は、例えば減速走行時や所定速度以上の走行時など、車速が設定された車速域となった際に、ロックアップソレノイド11に通電して、ロックアップクラッチを接続することで作動して、ロックアップを実施する。なお、自動変速機としては、連続可変変速機構に代えて、歯車変速機とを備えるものであってもよい。
電子制御装置3は、マイクロコンピュータ3aを中心として構成してあり、入力インターフェース3bとメモリ3cと出力インターフェース3dとを備えている。入力インターフェース3bには、上述した各センサから出力される信号が入力される。又、出力インターフェース3dからは、燃料噴射弁を制御する噴射信号、点火プラグに対する点火信号、EGR装置7のEGR弁の開閉を制御する開閉信号、ロックアップ機構10のロックアップソレノイド11の作動を制御するためのロックアップ信号などが出力される。
電子制御装置3のメモリ3cには、エンジン1の運転を制御するためのプログラム及びそのための各種データが格納してある。この実施形態のEGR装置制御プログラムは、自動変速機3におけるトルク変動が発生するタイミングと、EGR装置7が作動を開始するタイミングとを同期させるようにプログラムされている。以下に、図2及び図3により、この実施形態の制御手順を説明する。なお、このEGR装置制御プログラムは例えば、エンジン1がアイドル運転状態から部分負荷運転状態に変化する場合に実行する。
まず、ステップS1において、スロットルセンサ6から出力されるスロットル開度信号に基づいてスロットル弁4の開度を、回転数センサ8から出力される回転数信号に基づいてエンジン回転数を検出するとともに、車速センサ9から出力される車速信号に基づいて車速を検出する。
次に、ステップS2では、検出した車速に基づいて、自動変速機2においてロックアップを実施することができる走行状態であるか否かを判定する。すなわち、ロックアップを実施すると、ロックアップクラッチを接続するタイミングでトルクが変動、具体的には上昇する。なお、この実施形態では、ロックアップの実施を、車速のみで判定するものであるが、車速とスロットル弁開度とを組み合わせて判定のための走行状態の条件を設定するものであってもよい。ステップS2において、走行状態が、未だロックアップの実施可能な状態でないと判定した場合は、ステップS1に戻る。
一方、ステップS2において、走行状態がロックアップの実施可能な状態であると判定した場合は、ステップS3において、検出したスロットル弁開度とエンジン回転数とから、エンジン1の運転状態が、EGR装置7が作動、つまりEGR弁の開成を開始してEGR制御を実施できる運転領域であるか否かを判定する。
EGR制御は、アイドル運転状態及び高負荷高回転運転領域を除く運転領域において実施する。したがって、アイドル運転状態からアクセルペダル5を踏み込んだ場合、あるいはアクセルペダル5を全く操作していない状態に一旦戻した後再度アクセルペダル5を踏み込んだ場合に、このプログラムを実行して、EGR制御を開始する運転状態になったか否かを判定するものである。EGR制御は、EGR装置のEGR弁を開成することにより実施する。
ステップS3において、アクセルペダル5を踏み込んだ後、未だにEGR制御を開始する運転領域にエンジン1の運転状態が達していないと判定した場合は、ステップS1に戻る。一方、EGR制御を開始する運転領域に達した、つまりEGR装置7が作動を開始するタイミングであると判定した場合は、ステップS4において、ロックアップソレノイドにロックアップ信号を出力して、ロックアップ機構10のロックアップクラッチをロックアップするとともに、EGR弁に対して開成の信号を出力してEGR弁を開成する。
このような構成において、図3に示すように、アイドル運転状態あるいは再加速に伴ってアクセルペダル5を操作することで、スロットル弁4が閉成している状態から開成し、それに伴ってエンジン回転数、エンジントルク及び車速が上昇する。そして、走行状態つまり車速がロックアップの実施可能な状態であると判定し(ステップS2)、かつエンジンの運転状態が、EGR制御を実施できる運転領域に達していると判定すると(ステップS3)、自動変速機2のロックアップ機構10を作動させてロックアップを実施するとともに、EGR装置7のEGR弁を開成してEGR制御を実施する(ステップS4)
これによって、ロックアップを実施することで上昇するトルクを、EGR制御を開始する際のトルクの低下により相殺することができる。この結果、ロックアップを実施する際のショックを軽減することができ、ドライバビリティを向上させることができる。
また、ロックアップを実施する場合に点火時期を遅角させないので、燃費が低下することを抑制することができるとともに、点火プラグの早期消耗を抑えることができる。
なお、上述の実施形態にあっては、自動変速機2がロックアップ機構10を備えるものを説明したが、ロックアップ機構を備えずにトルクコンバータと多段の変速機構とを備える自動変速機であってもよい。この場合、ロックアップに代えて、多段の変速機構が、発進後あるいは再加速後最初に、低速段から高速段に切り替えるタイミングを走行状態より検出して、そのような変速段の切り替えのタイミングとEGR制御の開始のタイミングとを同期させるものであってもよい。このような多段の変速機構を備える自動変速機の場合では、変速段の切り替えの際に、上述のロックアップの場合と同様のトルク変動が発生するものであるので、上述の実施形態の場合と同等の効果を得ることができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の活用例として、自動変速機に接続される、EGR装置を備える内燃機関を車両に搭載するものが挙げられる。
1…内燃機関
2…自動変速機
3…電子制御装置
3a…マイクロコンピュータ
3b…入力インターフェース
3c…メモリ
3d…出力インターフェース
6…スロットルセンサ
7…排気ガス再循環装置
8…回転数センサ
9…車速センサ
10…ロックアップ機構

Claims (2)

  1. 排気ガスの一部を還流させて吸入空気に混合し得る排気ガス再循環装置を備え、自動変速機に接続される内燃機関において、自動変速機におけるトルク変動が発生するタイミングと、排気ガス再循環装置が作動を開始するタイミングとを同期させる内燃機関の排気ガス再循環装置の制御方法。
  2. 自動変速機が、ロックアップ機構を備えてなり、トルク変動が発生するタイミングが、ロックアップ機構の作動開始時点である請求項1記載の内燃機関の排気ガス再循環装置の制御方法。
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