JP2011127483A - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】固定翼や回転翼を冷却または加熱する際の効率を向上させることができるターボ分子ポンプの提供。
【解決手段】ターボ分子ポンプは、回転可能に支持されたロータと、ロータの外周に、回転軸方向に多段に設けられた回転翼32と、多段の回転翼32に対して回転軸方向に交互に配設された多段の固定翼22と、多段の固定翼22の間に配置され、固定翼22の外周部を軸方向から挟持して位置決めする複数のスペーサリング23a,23bと、を備える。そして、冷却用または加熱用の流体が流れる管状の流路42cを固定翼22に形成し、軸方向上下に配置された一対の固定翼22の流路42c同士を連通する流路42dをスペーサリング23bに形成したことにより、固定翼22が流体により直接冷却または加熱され、固定翼22や回転翼32を冷却または加熱する際の効率を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ターボ分子ポンプに関する。
ターボ分子ポンプは、例えばドライエッチングやCVD等を行うプロセスチャンバ内のガスを排気して所定の高真空を形成する手段として用いられる。このようなターボ分子ポンプでは、ロータのクリープ変形を低減するために、ベース外周面に密着するように冷却水パイプを設けて熱伝導により固定翼を冷却し、ロータの熱を放射熱として固定翼に逃がすような構成が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−348765号公報
しかしながら、固定翼はスペーサリングに挟持されるような形態で複数段に積層され、ベース上に載置されている。そのため、上段になるほど固定翼と冷却水パイプとの間に介在する部材が多くなり、熱伝導性能が低下して充分な冷却性能が得られないという問題がある。
請求項1の発明によるターボ分子ポンプは、回転可能に支持されたロータと、ロータの外周に、回転軸方向に多段に設けられた回転翼と、多段の回転翼に対して回転軸方向に交互に配設された多段の固定翼と、多段の固定翼の間に配置され、固定翼の外周部を軸方向から挟持して位置決めする複数のスペーサリングと、固定翼に形成され、冷却用または加熱用の流体が流れる管状の第1の流路と、スペーサリングに形成され、該スペーサリングの軸方向上下に配置された一対の固定翼の第1の流路同士を連通する第2の流路と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、固定翼は、溝が形成された第1の板材と、前記第1の流路が形成されるように前記溝を覆う第2の板材とを積層したものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載のターボ分子ポンプにおいて、第1の板材と第2の板材とを拡散接合により接合して積層したものである。
本発明によれば、固定翼や回転翼を冷却または加熱する際の効率を向上させることができる。
本発明に係るターボ分子ポンプのポンプ本体1の断面図である。 図1の符号Aで示した部分の拡大図である。 分割固定翼22a,22bを示す図であり、(a)は平面図、(b)はB−B断面図である。 三層構造の分割固定翼22aを説明する図であり、(a)は上層(表面側の層)を成す金属板22a−3の平面図、(b)は中層を成す金属板22a−2の平面図、(c)は下層を成す金属板22a−1の平面図である。 冷媒の流れを説明する図であり、(a)は1段目の分割固定翼22a,22bを示し、(b)1段目のスペーサリング23aの平面図である。 冷媒の流れを説明する図であり、(a)は2段目の分割固定翼22a,22bを示し、(b)は2段目のスペーサリング23bを示す。 図6(b)のC−C断面を示す図である。 冷媒の流れを説明する図であり、(a)は最上段の分割固定翼22cを示し、(b)分割固定翼22c下側に配置されるスペーサリング23cを示す。 図8(a)のD−D断面を示す図である。 分割固定翼22a,22bの変形例を示す図であり、(a)は第1の変形例を示し、(b)は第2の変形例を示す。 固定翼の第3の変形例を示す図である。 従来のターボ分子ポンプにおける冷却方法の一例を示す図である。
以下、図を参照して本発明の実施するための形態について説明する。図1は本発明に係るターボ分子ポンプを構成するポンプ本体1の断面図である。ターボ分子ポンプは、図1に示すポンプ本体1と不図示のコントロールユニットとで構成される。
図1に示したターボ分子ポンプは磁気浮上式のターボ分子ポンプであって、ロータ30は、ラジアル方向の磁気軸受37およびスラスト方向の磁気軸受38によって非接触支持される。ロータ30の浮上位置は、ラジアル変位センサ27およびアキシャル変位センサ28によって検出される。磁気軸受によって回転自在に磁気浮上されたロータ30は、モータ36により高速回転駆動される。26,29は非常用のメカニカルベアリングであり、磁気軸受が作動していない時にはメカニカルベアリング26,29によりロータ30は支持される。
ロータ30には、複数段の回転翼32と円筒状のネジロータ31とが形成されている。一方、固定側には、軸方向に対して回転翼32と交互に配置された複数段の固定翼22と、ネジロータ31の外周側に設けられたネジステータ24とが設けられている。各固定翼22は、スペーサリング23を介してベース20上に載置される。ポンプケーシング21をベース20に固定すると、積層されたスペーサリング23がベース20とポンプケーシング21との間に挟持され、固定翼22が位置決めされる。
ベース20には排気ポート25が設けられ、この排気ポート25にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させつつモータ36により高速回転駆動することにより、吸気口21a側の気体分子は排気ポート25側へと排気される。
後述するように、本実施の形態のターボ分子ポンプでは、液体や気体(例えば、窒素ガス)などの流体を用いて固定翼32を直接に冷却または加熱することができる構成となっている。以下では、この流体を冷媒と称することにする。冷媒は、ベース20に設けられたポート40aから供給され、ポート40bから排出される。
図2は、図1の符号Aで示した部分の拡大図である。上述したように、固定翼22はスペーサリング23を用いてベース21上に積層されている。図2に示す例では、最下段のスペーサリング23aは、それよりも上段のスペーサリング23bと形状が異なっている。ベース21上にスペーサリング23aを載置し、その上に1段目の(最下段の)固定翼22を載置する。なお、各段の固定翼22は後述するように半円形状の2つの分割固定翼(分割固定翼22a,22bまたは一対の分割固定翼22c)に分割されており、それらの分割固定翼をポンプ側方から差し込むようにスペーサリング23a上に載置する。
その後、固定翼22(22a,22b)の上に2段目のスペーサリング23bを載置し、そのスペーサリング23bの上に2段目の固定翼22(すなわち、一対の分割固定翼22a,22b)を載置する。同様に、3段目、4段目、・・・、の順にスペーサリング23bと固定翼22とを積層する。
ベース21には冷媒を流すための流路42aが形成されており、ポート40aを介して供給された冷媒はこの流路42aに流れ込む。ベース21上に載置されたスペーサリング23aには、上下に貫通する流路42bが形成されている。この流路42bは、ベース21の流路42aと固定翼22に形成された流路42cとを連通する。
図3は一対の分割固定翼22a,22bの内の一方(分割固定翼22a)を示す図であり、(a)は平面図、(b)はB−B断面図である。なお、他方の分割固定翼22bは、冷媒の導入口および排出口の位置が異なる以外は、分割固定翼22aと同一の形状となっている。図3(a)に示すように、分割固定翼22aは、内側リブ部221と、外側リブ部223と、複数のブレード部222と、ブレード部222を内側リブ部221および外側リブ部223に連結する連結部224とを備えている。ブレード部222は、リブ部221,223に対して所定の翼角度で設けられている。符号225で示す領域は抜き溝である。また、外側リブ部223の端部には、組み付け時の位置決めに用いられる半円形状の切り欠き部227が形成されている。
流路42cは、破線で示すように分割固定翼22aの内部に形成された管状の通路である。流路42cはジグザグ形状を有しており、外側リブ部223に形成された円弧状の流路421と、内側リブ部221に形成された円弧状の流路423と、ブレード部222および連結部224に形成され、流路421と流路423とを繋ぐ直線状の流路422とから成る。外側リブ部223の図示左側の裏面側には、裏面側に配置されるスペーサリングの流路に連通する穴226aが形成されている。一方、外側リブ部223の図示右側の表面側には、表面側に配置されるスペーサリングの流路に連通する穴226bが形成されている。なお、分割固定翼22bの場合には穴位置が逆になっていて、外側リブ部223の図示右側の裏面側に穴226aが形成され、図示左側の表面側に穴226bが形成される。
本実施の形態では、分割固定翼22a,22bを、金属板を3枚重ねた三層構造とすることにより、図3に示すような流路42cを形成するようにした。すなわち、図4に示すような金属板を重ねるように接合し、ブレード部222に翼角度を付与するように連結部を曲げ加工することで、図3に示すような分割固定翼22aを形成する。
図4は、三層構造の各層を構成する金属板の形状を示す図であり、(a)は割固定翼22aの上層(表面側の層)を構成する金属板22a-3の平面図、(b)は分割固定翼22aの中層を構成する金属板22a-2の平面図、(c)は分割固定翼22aの下層を構成する金属板22a-1の平面図である。いずれの金属板に関しても、図3の各部を構成する部分には、同一の符号を付した。例えば、各金属板22a-1〜22a-3において、図3のブレード部222を構成する部分は同一の符号222を付し、ブレード部222と称することにする。
図4(a)に示す上層の金属板22a-3には、プレス加工やエッチング加工等により抜き溝225を形成することで、内側リブ部221、ブレード部222、外側リブ部223および連結部224が形成されている。外側リブ部223の図示右側には穴226bが形成されている。また、外側リブ部223の端部には、組み付け時の位置決めに用いられる半円形状の切り欠き部227が形成されている。
図4(b)に示す中層の金属板22a-2には、上層の金属板22a-3と同様の抜き溝22が形成されるとともに、流路を形成するための抜き溝420(ハッチングを施した領域)がさらに形成されている。抜き溝420もプレス加工やエッチング加工等により形成される。抜き溝420は、図3(a)の流路421に対応する抜き溝420aと、流路422に対応する抜き溝420b、および流路423に対応する抜き溝420cから構成される。金属板22a-3の場合と同様に、外側リブ部223の端部には、半円形状の切り欠き部227が形成されている。
図4(c)に示す下層の金属板22a-1は、外側リブ部223に形成されている穴の位置が異なっている点が、図4(a)に示した金属板22a-3と異なる。すなわち、金属板22a-1では穴226bが外側リブ部223の右側に形成されているが、金属板22a-1の場合には、外側リブ部223の図示左側に穴226aが形成されている。その他の形状については、金属板22a-3と同様の形状を有している。
図4では分割固定翼22aを構成する3枚の金属板について示したが、穴226a,226bの位置が異なっている点を除いて分割固定翼22bも同様の構成となっている。分割固定翼22bの場合には、上層の金属板22a-3の外側リブ部223の図示左側に穴226bが形成され、下層の金属板22a-1の外側リブ部223の図示右側に穴226aが形成されている。
図4に示した3枚の金属板22a-1〜22a-3は積層され、周知の接合技術である拡散接合等により互いに接合されて一体とされる。その後、曲げ加工を施して、ブレード部222に所定の翼角度を付与する。接合の方法としては拡散接合に限らず、接着や溶接や様々な方法が適用できるが、金属板22a-1〜22a-3の全面が均一かつ確実に接合され、冷媒の漏れを確実に防止することができるという点で、拡散接合が好ましい。
拡散接合とは、母材を密着させて母材の融点以下の温度条件で加圧し、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。拡散接合では、材料間の原子の拡散により接合界面が再結晶化され、原子レベルで接合するため密着力が良く、1枚の板材で形成した場合と同等の強度を得ることができる。また、接合した金属板22a-1〜22a-3が剥がれるようなこともない。
次に、図5〜図9および図2を参照して、冷媒の流れ方について説明する。冷媒供給源から送られてきた冷媒は、供給用のポート40aから供給されて1段目の固定翼22から最上段の固定翼22まで上昇するように流れる。その後、冷媒は、最上段の固定翼22から1段目の固定翼22まで降下するように流れて、排出用のポート40bから冷媒供給源へと戻る。
先ず、1段目の固定翼22から最上段の固定翼22まで上昇する流れについて説明する。図5は1段目の固定翼22(分割固定翼22a,22b)およびスペーサリング23aを示す図である。図5(a)は、1段目の固定翼22を構成する一対の分割固定翼22a,22bを示したものであり、冷媒の流れが分かりやすいように、分割固定翼22a,22bの流路42cと穴226a,226bのみを模式的に示した。図5(b)は、スペーサリング23aの上面側(分割固定翼22a,22bが載置される側)を示す平面図である。
図2に示すように、ポンプ本体1に供給された冷媒は、ベース21の流路42aを通って第1段目のスペーサリング23aの流路42bに流入し、さらに、流路42bから第1段目の固定翼22の流路42cに流入する。流路42a,42b,42cの接続部分は、Oリングシール41によってシールされているので、冷媒がポンプ内の排気動作領域に漏れ出すことはない。
図5(b)に示すように、スペーサリング23aには流路42bが2つ形成されており、図示上側の流路42bが図2に示す供給側の流路であって、ポート40aに連通するものである。一方、図示下側の流路42bは排出側の流路であって、図1に示す排出用のポート40bに連通するものである。いずれの流路42bに対してもOリング溝232が形成され、それらのOリング溝232内にはOリングシール41が配置されている。
また、図5(a)の分割固定翼22a,22bが載置される載置面230には、分割固定翼22a,22bを位置決めするための位置決めピン231が2つ設けられている。各分割固定翼22a,22bをスペーサリング23aの上に載置する際には、分割固定翼22a,22bに形成された切り欠き部227が係合するように載置する。その結果、分割固定翼22aの裏面に形成された穴226aが供給側の流路42b上に位置決めされ、分割固定翼22bの裏面に形成された穴226aが排出側の流路42b上に位置決めされる。
図5(a)の矢印は冷媒の流れを示しており、分割固定翼22aの穴226aを介して流路42cに流入した冷媒は、流路42cに沿ってジグザグ状に分割固定翼22aの右側端面方向に流れる。そして、流路42cの右側の端部に達した冷媒は、分割固定翼22aの表面側に形成された穴226b(図3(a)および図4(a)参照)から、2段目のスペーサリング23bに形成された流路42dに流入する。なお、冷媒が分割固定翼22aから2段目のスペーサリング23bに流入する部分の断面構造は、図2の2段目の固定翼22および3段目のスペーサリング23bの部分の断面構造と同一となっている。
なお、図5(a)において、図示下側に記載した分割固定翼22bの矢印は、固定翼最上段から1段目へと降下する冷媒の流れを示したものであり、詳細は後述する。
図6は、2段目の固定翼22(分割固定翼22a,22b)およびスペーサリング23bに関して、図5(a),(b)と同様の図を示したものである。図6において、(a)は分割固定翼22a,22bを示し、(b)はスペーサリング23bを示す。2段目の固定翼22においては、図6(a)に示すように、図示上側に分割固定翼22bが配置され、図示下側に分割固定翼22aが配置される。すなわち、1段目の分割固定翼22aの上方に2段目の分割固定翼22bが配置され、1段目の分割固定翼22bの上方に2段目の分割固定翼22aが配置される。
そのため、図5(a)に示す分割固定翼22aの流路42cの右端から表面側穴226bを介して流出した冷媒は、図6(b)に示す2段目のスペーサリング23bの図示下側の流路42dに流入し、さらに、図6(a)に示す分割固定翼22bの裏面側に形成された穴226aから流路42cに流入する。分割固定翼22bの流路42cに流入した冷媒は、ジグザグ状の流路42cに沿って分割固定翼22bの左側へと流れ、流路42cの左端に達する。
流路42cの左端に達した冷媒は、分割固定翼22bの表面側に形成された穴226b、および3段目のスペーサリング23bの流路42dを介して、3段目の固定翼22の流路42cに流入する(図2参照)。図7は図6(b)のC−C断面を示したものである。スペーサリング23bの流路42dの部分には、表裏両面にOリング溝232がそれぞれ形成され、Oリングシール41がそれぞれ配置されている。
3段目のスペーサリング23bおよび固定翼22(分割固定翼221,22b)は、図6に示す2段目のスペーサリング23bおよび固定翼22(分割固定翼221,22b)を、それらの中心軸の回りに180度だけ回転した状態で配置される。すなわち、見かけ上は図5に示すものと同じになっている。同様に、4段目、5段目、・・・、も順に180度だけ角度をずらして配置され、奇数段目同士、偶数段目同士はそれぞれ同一配置となっている。
図8は最上段の固定翼22を構成する一対の分割固定翼22cと、それらの下側に配置されるスペーサリング23cを示す図である。図8では、最上段が奇数段の場合を例に示した。図8(a)に示す分割固定翼22cは、図3に示した固定翼22aと比較した場合、穴226a,226bの構成のみが異なっている。具体的には、分割固定翼22cにおいては、流路42cの左端および右端の位置に裏面側の穴226aがそれぞれ形成されている。図8(a)では、それらを区別するために226a-1,226a-2,226a-3、226a-4のように符号を変えている。また、分割固定翼22cには、表面側の穴226bは形成されていない。
スペーサリング23cの図示左側に形成された2つの流路42dは、図6に記載した流路42dを180度回転した位置に配置したものであり、そのC−C断面は図7に示したものと同一である。一方、図示右側に形成された流路42eは、図9に示すD−D断面図のように、スペーサリング23cの内部で連通している。最上段が偶数段の場合には、流路42dおよび流路42eの配置を180度回転したものになる。
図示上側の分割固定翼22cの穴226a-1から流路42cに流入した冷媒は、ジグザグ形状の流路42cに沿って流れ、流路42cの他方の端部に達する。そして、図9に示すように、穴226a-2からスペーサリング23cの流路42eに流れ込み、この流路42eを介して穴226a-3から下側の分割固定翼22cの流路42cに流入する。冷媒は、分割固定翼22cの流路42cに沿ってジグザグ状に左側へと流れ、流路42cの左側の端部に達する。流路42cの左側の端部に達した冷媒は、穴226a-4から、スペーサリング23cの流路42dへと排出される。
最上段の固定翼22から排出された冷媒は、スペーサリング23cの流路42dから一つ下の段に配置された固定翼22の流路42cに流れ込む。図8では最上段は奇数段であると仮定したので、一つ下の段の一対の分割固定翼22a,22bは、図6(a)に示すものと同様の配置となっている。すなわち、冷媒は、図6(a)の下側の分割固定翼22aの表面左側に形成されている穴226b(不図示)から流路42cに流れ込む。その後、冷媒はジグザグ状に流れて流路42cの右端部で連通している裏面側の穴226aから、図6(b)に示すスペーサリング23bの流路42dを介して、下の段の固定翼22(分割固定翼22b)に流れ込む。
このようにして、図8(a)に示す最上段の分割固定翼22cから1段目の分割固定翼22b(図5(a)参照)まで降下した冷媒は、分割固定翼22bの裏面側に形成された穴226aから排出され、ベース21の流路42aおよびポート40b(図1参照)を介してポンプ外へと排出される。
(変形例)
図10は、図4に示した分割固定翼22a,22bの変形例を示す図であり、(a)は第1の変形例を示し、(b)は第2の変形例を示す。いずれも分割固定翼22a,22bの中層に用いられる金属板22a-2を示しており、上層の金属板22a-3および下層の金属板22a-1は、図4(a)および図4(c)に示したものと同一構成となっている。
図10(a)に示す第1の変形例では、流路42cを形成するための抜き溝420を、外側リブ部223に形成された円弧状の抜き溝のみとした。抜き溝420は、左端が金属板22a-1に形成された穴226aに連通し、右端が金属板22a-3に形成された穴226bに連通している。図3、4に示した固定翼22では、幅の狭い連結部224にも流路42cが形成されている。そのため、ブレード部222に翼角度を付与する際の曲げ加工によって連結部224が捻られると、流路42cの断面積が減少するおそれがある。一方、図10(a)に記載の固定翼22では、連結部224に流路42cが形成されていないので、そのような問題の発生を防止できる。
図10(b)に示す第2の変形例では、抜き溝420は、外側リブ部223に形成された円弧状の抜き溝420aと、内側リブ部221に形成された円弧状の抜き溝420cと、ブレード部222および連結部224に形成された抜き溝420bとから構成されている。この場合も、抜き溝420aの左端が金属板22a-1に形成された穴226aに連通し、抜き溝420aの右端が金属板22a-3に形成された穴226bに連通している。
第2の変形例では、抜き溝420bは両端部のブレード部222だけに形成されており、ブレード部222の曲げ加工を行う際に、この2つのブレード部222だけは、曲げ加工を施さないようにする。そうすることで、抜き溝420bの部分の流路42cの断面積が曲げ加工で減少するのを防止することができる。
図11は第3の変形例を示す図である。上述した実施形態では固定翼22を三層構造としたが、第3の変形例では二層構造とした。図11(a)に示す上層の金属板22a-3は、図4(a)に示したものと同一構造である。図11(b)は下層を構成する金属板22a-4であって、抜き溝420の代わりに凹溝1420が形成されている点、および、穴226aが形成されている点が図4(b)に示す金属板22a-2と異なる。
凹溝1420は、外側リブ部223に形成された溝1420aと、連結部224に形成された溝1240bと、内側リブ部221に形成された溝1420cとから成る。凹溝1420は、例えば、エッチング加工等により形成する。凹溝1420の左側の端部には、穴226aが凹溝1420と連通するように形成されている。図11(c)はE−E断面図である。金属板22a-3および22a-4は拡散接合等により接合されることにより、一体の固定翼22となる。なお、凹溝1420の形状を、図10(a),(b)に示す抜き溝420と同様の形状としても良い。
図12は、従来のターボ分子ポンプにおける冷却方法の一例を示したものである。従来は、ベース21の外表面に冷却水を流すための金属パイプ400を装着し、熱伝導により固定翼22の熱を冷却水まで伝えることで、冷却を行っていた。回転翼32の熱は輻射熱として固定翼22に伝達される。固定翼22に伝達された熱は、破線の矢印で示すように、より下側のスペーサリング23a,23b、固定翼22およびベース21を介して金属パイプ400まで伝えられ、さらに金属パイプ400を介して冷却水へと排熱される。このように、従来の冷却方法では、冷却水までの伝熱経路が長く、また、各部材の接触部での熱抵抗があるため、効率的な冷却が難しかった。
一方、上述した本実施の形態のターボ分子ポンプでは、冷媒を固定翼22の内部に流すようにしたので、固定翼22から直接冷媒に排熱され、冷却効率を著しく向上させることができる。その結果、ロータ温度を従来よりも低減させることができる。また、図4や図11に示すように、固定翼22を複数の金属板から成る層構造とすることで、冷媒用の流路42cを容易に形成することが可能となる。
ターボ分子ポンプは、ガス負荷が増加した場合や、装置側からの熱負荷があった場合にロータ温度が上昇するため、冷却によってロータ温度を下げる必要がある。本実施の形態では、冷媒で直接固定翼を冷やすことでロータの回転翼32から固定翼22への熱移動を向上させ、ロータ冷却の効率化を図るようにした。
一方、エッチング処理などのように反応生成物の付着が著しいプロセスに使用する場合には、従来、ヒータ等によりポンプ本体の温度を上昇させるようにしている。このような用途においては、冷媒に代えて加熱された高温の流体を流すことにより、ポンプ本体のヒートアップが容易となる。従来のようにヒータでポンプ外周面を加熱する方法では、ヒータから離れた位置に設けられている固定翼22が充分加熱しようとすると、ヒータ付近の温度が高くなりやすい。そのため、ヒータ装着部の近傍に設けられる部品に熱的ダメージを与えてしまうおそれがある。一方、本実施の形態では、内部の固定翼22を高温の流体により直接加熱することができるので、流体温度をヒータ温度ほど高温にする必要がなく、ヒータを用いた場合のように過度に高温となるような部分がない。
なお、上述した実施形態では、全段の固定翼22に冷媒を流すように構成したが、冷却や加熱を必要とする一部の段の固定翼22に冷媒を流すようにしても良い。また、ベース部を冷却するために、従来と同様の冷却水パイプをベース部に設けても構わない。固定翼22を構成する金属板には、ステンレス板やアルミ板などが用いられる。上述した実施形態では、固定翼22を積層構造として流路42cを形成するようにしたが、厚さに余裕のある固定翼であって、穴加工等により流路の形成が可能な場合には、必ずしも積層構造を採用する必要はない。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
1:ポンプ本体、21:ベース、22,22a,22b,22c:固定翼、22a-1〜22a-4:金属板、23,23a,23b:スペーサリング、30:ロータ、32:回転翼、41:Oリングシール、42a〜42e:流路、221:内側リブ部、222:ブレード部、223:外側リブ部、420:抜き溝、1420:凹溝

Claims (3)

  1. 回転可能に支持されたロータと、
    前記ロータの外周に、回転軸方向に多段に設けられた回転翼と、
    前記多段の回転翼に対して回転軸方向に交互に配設された多段の固定翼と、
    前記多段の固定翼の間に配置され、前記固定翼の外周部を軸方向から挟持して位置決めする複数のスペーサリングと、
    前記固定翼に形成され、冷却用または加熱用の流体が流れる管状の第1の流路と、
    前記スペーサリングに形成され、該スペーサリングの軸方向上下に配置された一対の前記固定翼の第1の流路同士を連通する第2の流路と、を備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記固定翼は、溝が形成された第1の板材と、前記第1の流路が形成されるように前記溝を覆う第2の板材とを積層して成ることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  3. 請求項2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記第1の板材と前記第2の板材とを拡散接合により接合して積層したことを特徴とするターボ分子ポンプ。
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