JP2011126202A - 記録位置補正装置、及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体が、本来搬送される位置とずれて搬送されたときに、記録媒体とヘッドユニットとの相対位置が一定でなくなり、記録媒体の意図した部分に画像を形成することができなくなる。
【解決手段】搬送面50を搬送される記録媒体Pに対して液体を噴射するヘッドユニット10,20と、搬送される記録媒体Pの位置を検出する検出部S1〜S8と、検出部S1〜S8によって検出された記録媒体Pの位置に基づいて、記録媒体Pの搬送状態を示す搬送情報を算出する搬送情報算出部91とを備える。そして、搬送情報に基づいて、ヘッドユニット10,20を搬送面50と平行な方向に移動させる制御部90とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録位置補正装置、及び記録装置に関する。
従来、インクジェットプリンター等の記録装置において、搬送される記録媒体に対してヘッドユニットから正確な位置に液体を噴射するための様々な技術が提案されている。
例えば、下記の特許文献1に記載されているインクジェットプリンターでは、搬送速度が一定でない印刷媒体の領域でも正確な位置に液滴を着弾させるために、印刷媒体の搬送速度を検出して吐出タイミングを補正するようにしている。
また、下記の特許文献2に記載されているインクジェットプリンターでは、ラインヘッドのアライメント不良による斜めライン等の印刷不良を防止するために、ラインヘッドのアライメント調整を自動的に高精度で行えるようしている。
特開平8−230194号公報 特開2008−12712号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されているようなインクジェットプリンターでは、印刷中における印刷媒体の幅方向の挙動の変化には対応できない。
さらに、印刷媒体が斜めの搬送方向で搬送されたときや、本来搬送される位置とずれて搬送されたときにも対応できない。このように、印刷媒体とヘッドユニットとの相対位置が一定でない場合、印刷媒体の意図した部分に画像を形成することができなくなる。
また、上記の特許文献2の場合は、インクジェットプリンターのラインヘッドのアライメント方法に関する提案であり、上記した特許文献1の場合と同様に、印刷中における印刷媒体とヘッドユニットとの相対位置の変化に対して対応することができない。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る記録位置補正装置は、搬送面を搬送される記録媒体に対して液体を噴射するヘッドユニットを移動させ、噴射される液体の前記記録媒体における記録位置を補正する記録位置補正装置であって、前記搬送面を搬送される前記記録媒体の位置を検出する検出手段と、前記ヘッドユニットを前記搬送面と平行な方向に移動させる移動手段と、前記ヘッドユニットを前記搬送面と垂直な方向の軸回りに回転させる回転手段と、前記検出手段によって検出された前記記録媒体の位置に基づいて、前記記録媒体の搬送状態を示す搬送情報を算出する搬送情報算出手段と、前記搬送情報に基づいて、前記記録媒体と前記ヘッドユニットとの相対位置を一定にさせる前記ヘッドユニットの前記搬送面と平行な方向への移動量及び前記ヘッドユニットの前記搬送面と垂直方向の軸回りの回転量を算出する移動量算出手段と、前記移動量及び前記回転量に基づいて、前記移動手段及び前記回転手段を制御することにより、前記ヘッドユニットを移動させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記回転量の絶対値が設定値以下である場合には、前記回転手段の制御を行わず、前記移動手段の制御のみを行うことを特徴とする。
この記録位置補正装置によれば、搬送情報算出手段が、検出手段によって検出された記録媒体の位置に基づいて、記録媒体の搬送状態を示す搬送情報を算出する。そして、この搬送情報に基づいて、制御手段が、ヘッドユニットを搬送面と平行な方向に移動させると共に、ヘッドユニットを搬送面と垂直な軸回りに回転させる。
記録媒体の搬送状態を示す搬送情報に基づいてヘッドユニットを移動させることから、搬送中の記録媒体とヘッドユニットとの相対位置が一定でない場合に、搬送情報に応じてヘッドユニットを移動させてこれらの相対位置を一定にさせることができる。この結果、ヘッドユニットから記録媒体の意図した部分に画像を形成することが可能になる。
[適用例2]
上記適用例に係る記録位置補正装置において、前記搬送情報は、前記記録媒体の幅方向における所定の基準位置からの位置ずれ量を含み、前記移動量算出手段は、前記位置ずれ量に基づいて、前記ヘッドユニットの前記搬送面と平行な向への移動量を算出することが望ましい。
この記録位置補正装置によれば、制御手段は、搬送情報に含まれる記録媒体の幅方向における位置ずれ量に基づいてヘッドユニットを移動させることができる。これにより、記録媒体に所定の基準位置からの位置ずれが発生したときに、この位置ずれをヘッドユニットの移動によって相殺することができる。
[適用例3]
上記適用例に係る記録位置補正装置において、前記搬送情報は、前記記録媒体の斜行量を含み、前記移動量算出手段は、前記斜行量に基づいて、前記ヘッドユニットの前記搬送面と垂直方向の軸回りの回転量を算出することが望ましい。
この記録位置補正装置によれば、制御手段は、搬送情報に含まれる斜行量に基づいてヘッドユニットを搬送面と垂直な方向の軸回りに回転させることができる。これにより、記録媒体に斜行が発生したときに、斜行をヘッドユニットの回転によって相殺することができる。
[適用例4]
上記適用例に係る記録位置補正装置において、前記制御手段は、前記斜行量に基づいて、前記ヘッドユニットが前記記録媒体の幅方向端部と直交するように前記ヘッドユニットを回転させることが望ましい。
この記録位置補正装置によれば、制御手段は、ヘッドユニットを記録媒体の幅方向端部と直交するように回転させることができる。これにより、記録媒体に斜行が発生したときでもヘッドユニットは記録媒体と正しく向き合って液体を噴射することができる。
[適用例5]
本適用例に係る記録装置は、上記の記録位置補正装置を備えて記録媒体に記録を行うことを特徴とする。
この記録装置によれば、搬送中の記録媒体とヘッドユニットとの相対位置が一定でない場合に、記録媒体とヘッドユニットとの相対位置を記録位置補正装置によって一定にさせて、記録媒体の意図した部分に画像を形成して記録を行うことが可能になる。
第1実施形態に係るインクジェットプリンターの概略を模式的に示す側断面図。 第1実施形態に係るインクジェットプリンターの概略を模式的に示す平面図。 各吐出ヘッドの配列の説明図。 ヘッドユニットの移動及び回転に係る機構と動作の説明図。 ヘッドユニットの移動及び回転に係るカム機構と動作の説明図。 印刷時における記録位置補正装置の動作を示すフローチャート。 設定値の設定方法の説明図。 ヘッドユニットに対しての補正有無の例を示す図。 印刷時における記録位置補正装置の動作を示すフローチャート。 第2実施形態に係るインクジェットプリンターの概略を模式的に示す平面図。 第2実施形態に係るヘッドユニットの移動及び回転に係る機構と動作の説明図。 タンデム型のインクジェットプリンターの概略を模式的に示す側断面図。
(第1実施形態)
以下、記録位置補正装置を備えて記録媒体に記録を行う記録装置の一例として、インク等の液体を噴射(吐出)して用紙等の記録媒体に画像等を印刷する第1実施形態に係るインクジェットプリンターについて説明する。ここでのインクジェットプリンターは、用紙搬送方向と交差する方向に複数のインクジェットヘッド(吐出ヘッド)が配列された2つのヘッドユニットを備えており、いわゆる1パスでの印刷が可能なラインヘッド型インクジェットプリンターである。
図1は、第1実施形態に係るインクジェットプリンター100の概略を模式的に示す側断面図である。図2はインクジェットプリンター100の概略を模式的に示す平面図である。図1及び図2に示すインクジェットプリンター100の内部には、印刷対象となる長方形状の用紙Pを保持及び搬送する搬送部1と、搬送部1によって保持及び搬送された用紙Pに対して印刷を実行する印刷部2とが設けられている。これらの搬送部1と印刷部2とは図2に示す制御部90によってそれぞれの動作が制御されている。なお、以降の説明では、インクジェットプリンター100における用紙Pの正規の搬送方向を搬送方向X、搬送方向Xと直交する方向を搬送幅方向Yと称する。
搬送部1は、図1に示す上下一対のニップローラーによって構成されるゲートローラー31、搬送方向Xの上流側に配設された従動ローラー32、搬送方向Xの下流側に配設された駆動ローラー34、従動ローラー32と駆動ローラー34との間の下方に配設されたテンションローラー33、これら3つのローラー32,33,34間をループ状に巻回する無端ベルト35等によって構成されている。
駆動ローラー34は、無端ベルト35に対して搬送方向Xへの搬送力を付与するためのローラーである。また、図2に示すように搬送幅方向Yの一端には駆動ローラー34に動力を伝えるための搬送駆動モーター36がダイレクトに接続されている。一方、従動ローラー32は、駆動ローラー34と同一の高さで一定の距離を隔てて平行に対向配置されているローラーである。
無端ベルト35は、合成ゴムや樹脂フィルム等の弾性を有する材料によって形成されている無端帯状の部材である。無端ベルト35には、図2に示すように多数の通気孔37が形成されている。この通気孔37を通じて図示しない吸着装置による用紙Pの吸着及び保持作用が実行され、用紙Pを搬送する無端ベルト35における搬送面50上に、用紙Pが吸着及び保持されるようになっている。なお、ここで、吸着装置の吸着方式としては、例えば負圧による吸引や静電吸着が採用可能である。
一方、印刷部2は、搬送方向Xの上流側に配設されたヘッドユニット10、下流側に配設されたヘッドユニット20等によって構成されている。各ヘッドユニット10,20は、図2に示すようにインク滴を吐出する複数の吐出ヘッド11を各ヘッドパネル12に備えている。これらの吐出ヘッド11は、ヘッドユニット10,20のそれぞれで搬送方向Xに分割(離間)されて、ヘッドユニット10の列に4個、ヘッドユニット20の列に3個が配列されている。また、各列の吐出ヘッド11は、それぞれが搬送幅方向Yにも分割(離間)されて各吐出ヘッド11の全体が平面視で千鳥状になるように、即ち搬送幅方向Yに沿って搬送方向Xの上流側及び下流側に交互に配置されている。
また、各ヘッドユニット10,20は、それぞれに備えたY軸モーター14及びθ軸モーター15等により、搬送幅方向Yへの往復移動とθ回転軸13を中心に回転させることができる。ヘッドユニット10,20の移動及び回転については、詳細を後述する。
図3は、各吐出ヘッド11の配列の説明図であり、ヘッドユニット10,20を下方から見た図である。同図に示すように、搬送面50に対向する各吐出ヘッド11の面(ノズル面)には、インク滴を吐出する多数のノズルが形成されている。具体的に、各ノズル面には、搬送幅方向Yに沿って配列された複数のノズルからなるノズル列が、搬送方向Xに離間して4列形成されている。これら4つのノズル列は、それぞれ異なる色のインクを吐出可能になっており、本実施形態では、搬送方向Xの上流側から順に、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する。また、各吐出ヘッド11は、搬送幅方向Y端部のノズルが、搬送方向X又はその反対方向に離間する隣の吐出ヘッド11の搬送幅方向Y端部のノズルと搬送方向Xに重合するように配設されている。そして、色毎、即ちノズル列毎に、必要箇所のノズルから必要量のインク滴を同時に吐出することにより、用紙P上に微小なインクドットを形成する。インクジェットプリンター100は、用紙Pを搬送方向Xに搬送させながらこの動作を繰り返す。そして、1パスで、即ち用紙Pを搬送方向Xに送るだけで、ヘッドユニット10,20の搬送幅方向Y両端のノズル間距離に相当する幅の画像を印刷することができる。
なお、ノズルからインクを吐出する方式は、特定の方式に限定されるものではなく、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式等の各種方式を採用することができる。静電方式は、静電ギャップに駆動パルスを与えてキャビティ内の振動板を変位させ、これによって生じるキャビティ内の圧力変化によってインク滴を吐出する方式である。ピエゾ方式は、ピエゾ素子に駆動パルスを与えてキャビティ内の振動板を変位させ、これによって生じるキャビティ内の圧力変化によってインク滴を吐出する方式である。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に備えた微小ヒータによってインクを加熱し、気泡の生成に伴う圧力変化によってインク滴を吐出する方式である。
また、各ヘッドユニット10,20は、搬送面50と平行な方向となるヘッドユニット10,20の長手方向に往復移動させることができる。ヘッドユニット10,20の長手方向とは、各ヘッドユニット10,20において吐出ヘッド11が配列されている方向である。さらに、各ヘッドユニット10,20は、図2に示す搬送面50と垂直な方向の軸であるθ回転軸13を中心として時計回り及び反時計回りに回転させることができる。つまり、各ヘッドユニット10,20は、搬送面50と平行な方向に回転させることができる。ここでのθ回転軸13は、搬送面50と垂直な方向に沿って延在し、搬送部1との相対位置が移動しない軸である。
図4は、ヘッドユニット10の移動及び回転に係る機構と動作の説明図である。同図に示すヘッドユニット10には、ヘッドパネル12を長手方向に往復移動させるための動力を伝えるY軸モーター14と、ヘッドユニット10の長手方向に沿って延在する図示しないスライドレールと、ヘッドパネル12をθ回転軸13回りに回転させるための動力を伝えるθ軸モーター15とが付設されている。なお、ヘッドユニット20についてもヘッドユニット10と同様に、Y軸モーター14とスライドレールとθ軸モーター15とが付設されている。そして、ヘッドユニット20を長手方向に往復移動させると共にθ回転軸13を中心にして時計回り及び反時計回りに回転させることができる。本実施形態では、各ヘッドユニット10,20に付設されるY軸モーター14及びθ軸モーター15として、例えば微小変位制御可能なリニア超音波モーター等を用いる。
図4(a)は、ヘッドユニット10が基準位置から搬送幅方向YにYaだけ移動した例を示している。これは、制御部90の制御に基づいて、Y軸モーター14を駆動して、ヘッドパネル12をスライドレールに従って長手方向にYaだけ移動させた結果となる。
図4(b)は、ヘッドユニット10が基準位置からθ回転軸13を中心にして時計回りにθaの角度だけ回転した例を示している。これは、制御部90の制御に基づいて、θ軸モーター15を駆動して、ヘッドパネル12をθ回転軸13を中心にして時計回りにθaの角度だけ回転させた結果となる。
ここで、図4(a)と(b)との組合せとして、図4(c)に示すように、Y軸モーター14を駆動して、ヘッドパネル12を長手方向に移動させた後、θ軸モーター15を駆動して、ヘッドパネル12をθ回転軸13回りに回転させることができる。また、逆に、θ軸モーター15を駆動して、ヘッドパネル12をθ回転軸13回りに回転させた後、Y軸モーター14を駆動して、ヘッドパネル12を長手方向に移動させるようにしても良い。また、当然、ヘッドパネル12の移動と回転とを同時にさせても良い。
一方、図5に示すように、ヘッドユニット10に、Y軸カム16とθ軸カム17とを付設することで、ヘッドユニット10を長手方向に往復移動させ、併せてθ回転軸13を中心にして時計回り及び反時計回りに回転させるようにしても良い。
図5(a)は、Y軸カム16の回転に応じてヘッドユニット10が基準位置からヘッドユニット10の長手方向にYaだけ移動した例を示している。図5(b)は、θ軸カム17の回転に応じてヘッドユニット10が基準位置からθ回転軸13を中心にして時計回りにθaの角度だけ回転した例を示している。図5(c)は、Y軸カム16の回転に応じてヘッドユニット10が基準位置からヘッドユニット10の長手方向にYaだけ移動し、θ軸カム17の回転に応じてヘッドユニット10が基準位置からθ回転軸13を中心にして時計回りにθaの角度だけ回転した例を示している。
なお、θ回転軸13、Y軸モーター14、θ軸モーター15、Y軸カム16及びθ軸カム17の位置は、図4及び図5に示した位置に限定されるものではない。
図1及び図2に戻って、ヘッドユニット10を挟んで搬送方向Xの上流側には2つのエッジセンサーS1,S2、下流側には2つのエッジセンサーS3,S4が配設されている。また、ヘッドユニット20を挟んで搬送方向Xの上流側には2つのエッジセンサーS5,S6、下流側には2つのエッジセンサーS7,S8が配設されている。これらのエッジセンサーS1〜S8は、用紙Pの幅方向端部の位置を検出する検出部としてのセンサーであり、例えば、発光素子と受光素子が搬送面50方向を向いた構造となる反射型のイメージセンサーである。各エッジセンサーS1〜S8は、発光素子からの光を搬送面50方向に照射して、反射光を複数の受光素子で受けることによって搬送面50上における用紙Pの幅方向端部の位置を検出することができる。本実施形態では、エッジセンサーS1〜S8として例えばCCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサー等を用いる。
なお、これらのエッジセンサーS1〜S8を用紙Pの幅方向のサイズに応じて、幅方向端部の位置を検出できる位置に自動的に移動するようにしても良い。
図2に示す制御部90は、図示しないCPU,ROM,RAM等を備え、インクジェットプリンター100における各部及び各機構等の全体を制御する。制御部90には、搬送面50上における用紙Pの搬送状態を示す搬送情報を算出する搬送情報算出部91が含まれる。この搬送情報には、用紙Pの位置ずれ量及び斜行量が含まれる。
搬送情報算出部91は、搬送面50を搬送される用紙Pが各エッジセンサーS1〜S8を通過するときに検出される幅方向端部の位置に基づいて、用紙Pの位置ずれ量及び斜行量を算出する。ここでの位置ずれ量は、用紙Pの搬送幅方向Yにおける所定の基準位置からの位置ずれ量であって、基準位置から用紙Pの幅方向端部の位置までの間隔を表している。また、斜行量は搬送方向Xに対しての用紙Pの幅方向端部の傾きの量を表している。
さらに、制御部90には、搬送情報算出部91によって算出された位置ずれ量及び斜行量に基づいて、各ヘッドユニット10,20について長手方向への移動量と、θ回転軸13を中心にした回転量とを算出する移動量算出部92が含まれる。
例えば、搬送される用紙Pが各ヘッドユニット10,20の下を通過するときに位置ずれが発生した場合、移動量算出部92において算出される移動量は、各ヘッドユニット10,20を位置ずれとは反対方向に移動させることによって位置ずれを相殺させる移動量となる。また、用紙Pが各ヘッドユニット10,20の下を通過するときに用紙Pに斜行が発生した場合、移動量算出部92において算出される回転量は、各ヘッドユニット10,20を斜行の傾きに合うように回転させることによって斜行を相殺させる回転量となる。即ち、用紙Pが各ヘッドユニット10,20の下を通過するときに、用紙Pの幅方向端部に各ヘッドユニット10,20を直交させるための回転量を算出することになる。
これにより、移動量算出部92では、用紙Pとヘッドユニット10、20との相対位置を一定にさせるヘッドユニット10、20の移動量及び回転量を算出することになる。
上記したエッジセンサーS1〜S8、Y軸モーター14、θ軸モーター15、搬送情報算出部91及び移動量算出部92を含む制御部90等は記録位置補正装置を構成して、用紙Pの搬送状態に応じて用紙Pへの印刷を補正する機能を有する。
なお、配設するエッジセンサーの個数及び配設位置は、上記に限られない。例えば、各ヘッドユニット10,20を挟んでそれぞれの上流側と下流側とに1つのエッジセンサーのみを配設したり3つ以上のエッジセンサーを配設したりして、用紙Pの位置を検出するようにしても良い。或いは、ヘッドユニット10,20を挟んでそれぞれの上流側と下流側とのいずれか一方の側にのみエッジセンサーを配設しても良い。
次に、印刷時における記録位置補正装置の動作について説明する。
図6は、印刷時における記録位置補正装置の動作を示すフローチャートである。同図に示す動作は、印刷対象となる用紙Pが搬送面50上に搬送されたときに開始される。なお、ここでは、ヘッドユニット10における動作について説明するが、ヘッドユニット20についても同様に適用することができる。
先ず、ステップS05では、制御部90は、ヘッドユニット10の上流側及び下流側に配設されたエッジセンサーS1〜S8を制御して、各エッジセンサーS1〜S8における検出動作を開始させる。
ステップS10では、制御部90は、ヘッドユニット10の上流側に配設されたエッジセンサーS1,S2において用紙Pの幅方向端部を検出したか否かを判定する。
エッジセンサーS1,S2の両センサーが共に用紙Pの幅方向端部を検出した場合は、次のステップS20へ進む。
他方、エッジセンサーS1,S2のいずれかでも用紙Pの幅方向端部を検出していない場合は、ステップS11へ進み、制御部90は、用紙Pが搬送面50上に搬送されてから規定時間が経過したか否かを判定する。ここでの規定時間は、搬送面50上に搬送された用紙PがエッジセンサーS1,S2の両センサーを通過するまでの許容時間を超過する時間となる。従って、規定時間が経過した場合、制御部90は、用紙Pがジャム状態にあるか、又はエッジセンサーS1,S2で検出不能なほどに大きくずれて搬送されていると判断する。
ここで、規定時間が経過した場合は、ステップS12へ進み、制御部90は、用紙ジャム等の対応を行う。ステップS12における用紙ジャム等の対応が終了すると、ステップS10に戻り、用紙Pの幅方向端部の検出の判定を繰り返す。なお、用紙ジャム等の対応は、例えば、制御部90が、用紙Pにジャム等が発生している旨のメッセージを図示しない操作画面に表示して、ユーザの操作を受け付ける等の対応を行う。
他方、規定時間が経過していない場合は、ステップS10に戻り、用紙Pの幅方向端部の検出の判定を繰り返す。
ステップS20では、制御部90は、搬送情報算出部91により、ステップS10における上流側のエッジセンサーS1,S2の検出結果に基づいて、用紙Pの位置ずれ量及び斜行量を算出する。具体的には、エッジセンサーS1,S2のそれぞれによって検出された用紙Pの幅方向端部の位置に基づいて、用紙Pの位置ずれ量及び斜行量を算出する。
ステップS30では、制御部90は、移動量算出部92により、ステップS20において算出された斜行量に基づいて、ヘッドユニット10の回転量を算出する。
ステップS40では、制御部90は、移動量算出部92により、ステップS20において算出された位置ずれ量に基づいて、ヘッドユニット10の移動量を算出する。
ステップS50では、制御部90は、ステップS30において算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値より小さいか否かを判定する。ここでの設定値は、回転補正を行うことによる印刷画像の画質の向上効果より、回転補正を行ったときに発生する振動による印刷画像の画質の低下効果が大きくなるか否かを判断するための閾値である。
図7は、設定値の設定方法の説明図であり、用紙P及びヘッドユニット10を上方から見た図である。なお、白抜き矢印は用紙Pが搬送される方向を示している。
図7では、ヘッドユニット10の端部ノズルからインク滴を吐出した場合に、このインク滴が、端部ノズルから直前に吐出されたインク滴によるインクドットと当該インクドットから搬送方向Xと反対方向に1ドットピッチ離れた位置との間の領域に着弾する状況にある。端部ノズルとは、θ回転軸13から最も離れた位置に形成されている一のノズルである。1ドットピッチとは、搬送方向Xにおいて隣接するノズル間のピッチである。このため、このまま端部ノズルからインク滴を吐出しても直前に吐出したインク滴とは重ならない。これゆえ、ヘッドユニット10に対して回転補正を行っても、印刷画像の画質の向上効果は小さく、かえって回転補正を行ったときに発生する振動によって印刷画像の画質が低下してしまう可能性がある。このため、本実施形態では、設定値として、端部ノズルからインク滴を吐出した場合に当該インク滴の着弾が予想される位置が前記領域内にあると判断可能な回転量の最大値を利用する。具体的には、インク滴の着弾が予想される位置と前記領域の搬送方向X側の端部との間の距離、及びインク滴の着弾が予想される位置と前記領域の搬送方向Xの反対方向側の端部との距離のうち短いほうの距離を、θ回転軸13と端部ノズルとの間の距離で除算し、除算して得られた除算結果の逆正接(アークタンジェント)によって得られる回転量を利用可能である。
ステップS30において算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値より小さい場合は、ステップS60に進み、制御部90は、ステップS40において算出されたヘッドユニット10の移動量に基づいて、ヘッドユニット10に対して移動補正のみを行う。具体的には、Y軸モーター14を駆動し、算出された移動量に応じて、ヘッドユニット10を長手方向に移動させる。
他方、ステップS30において算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値以上である場合は、ステップS70に進み、制御部90は、ステップS30において算出されたヘッドユニット10の回転量とステップS40において算出されたヘッドユニット10の移動量とに基づいて、ヘッドユニット10に対して回転補正や移動補正を行う。具体的には、θ軸モーター15を駆動し、算出された回転量に応じて、ヘッドユニット10をθ回転軸13回りに回転させる。これにより、用紙Pとヘッドユニット10との位置ずれを相殺し、また、用紙Pとヘッドユニット10との傾きを相殺する。
ここで、算出された移動量が0であり回転量の絶対値が設定値より小さい場合、即ち、用紙Pについて位置ずれ及び斜行のいずれも発生していない場合、又は用紙Pについて位置ずれが発生しないで僅かな斜行のみ発生している場合、ヘッドユニット10に対して、移動補正及び回転補正のいずれも行われずにそのままの状態になる。
一方、移動量が0以外であり回転量が0であった場合、即ち、用紙Pについて位置ずれのみ発生して斜行が発生していない場合、例えば図4(a)のように、ヘッドユニット10に対して長手方向への移動補正のみ行われる。これにより、用紙Pとヘッドユニット10との傾きがない状態を保持し、用紙Pとヘッドユニット10との位置ずれを相殺する。
一方、移動量が0であり回転量の絶対値が設定値以上であった場合、即ち、用紙Pについて位置ずれが発生しないで斜行のみ発生している場合、例えば図4(b)のように、ヘッドユニット10に対して、θ回転軸13回りに回転補正のみ行われる。これにより、用紙Pとヘッドユニット10との位置ずれのない状態を保持し、ヘッドユニット10を回転し、用紙Pの用紙幅方向yとヘッドユニット10との傾きを相殺する。
一方、移動量が0以外であり回転量の絶対値が設定値以上であった場合、即ち、用紙Pについて位置ずれ及び斜行の両方が発生している場合、例えば図4(a)と(b)との組合せである図4(c)のように、ヘッドユニット10に対して、ヘッドユニット10の長手方向への移動補正と併せてθ回転軸13回りにの回転補正とが行われる。これにより、用紙Pとヘッドユニット10との位置ずれを相殺し、また、用紙Pの用紙幅方向yとヘッドユニット10との傾きを相殺する。
即ち、本実施形態のインクジェットプリンター100では、エッジセンサーS1、S2の検出結果に基づいて算出した用紙Pの位置ずれ量及び斜行量に応じて、ヘッドユニット10に対して移動補正や回転補正を行う。このため、用紙Pが、例えば、搬送幅方向Yに位置ずれした場合や、斜行した姿勢の場合や、斜め方向に搬送された場合や、蛇行して搬送された場合等のどのような状態にあっても、これらの搬送状態に応じて移動補正、回転補正、及び移動補正と回転補正との組み合わせを行い、印刷時に用紙Pとヘッドユニット10との相対位置を一定にすることができる。これにより、用紙Pの意図した部分に画像を形成でき、レジスト精度の高い画像を形成して、印刷画像の画質を向上できる。
ところで、このようなインクジェットプリンターにおいては、ヘッドユニット10に対して移動補正や回転補正を行うと、Y軸モーター14やθ軸モーター15によってヘッドユニット10に振動が発生する。それゆえ、この振動により、ヘッドユニット10が吐出するインクの用紙Pにおける記録位置がずれ、印刷画像の画質が低下する可能性がある。
そこで、本実施形態のインクジェットプリンター100では、ヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値以下である場合に、ヘッドユニット10に対して回転補正を行わず、移動補正のみを行うようにした。つまり、θ軸モーター15の制御を行わないこととした。このため、例えば、回転補正を行うことによる印刷画像の画質の向上効果よりも、回転補正を行ったときに発生する振動による画質の低下効果が大きい場合には、回転補正が行われることを回避できる。これにより、回転補正を行ったときに発生する振動により、回転補正を行わないときよりも、印刷画像の画質が低下することを防止できる。
ステップS80では、制御部90は、ステップS60又はS70において移動補正や回転補正がされたヘッドユニット10から用紙Pに対してインク滴の吐出を開始する。これにより、用紙Pに対して印刷が開始されることになる。
ステップS90では、制御部90は、搬送情報算出部91により、ヘッドユニット10の下流側に配設されたエッジセンサーS3,S4の検出結果に基づいて、用紙Pの位置ずれ量及び斜行量を算出する。具体的には、エッジセンサーS3,S4のそれぞれによって検出された用紙Pの幅方向端部の位置に基づいて、用紙Pの位置ずれ量及び斜行量を算出する。なお、ここでの位置ずれ量及び斜行量の算出の際に、エッジセンサーS3,S4の検出結果に加えて、エッジセンサーS1,S2の検出結果を利用するようにしても良い。
ステップS100では、制御部90は、移動量算出部92により、ステップS90において算出された斜行量に基づいて、ヘッドユニット10の回転量を算出する。
ステップS110では、制御部90は、移動量算出部92により、ステップS90において算出された位置ずれ量に基づいて、ヘッドユニット10の移動量を算出する。
ステップS120では、制御部90は、ステップS100において算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値より小さいか否かを判定する。ここでの設定値は、ステップS50の設定値と同様に設定可能である。
ステップS100において算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値より小さい場合は、ステップS130に進み、制御部90は、ステップS110において算出されたヘッドユニット10の移動量に基づいて、ヘッドユニット10に対して移動補正のみを行う。具体的には、X軸モータ14を駆動し、算出されたヘッドユニット10の移動量に応じて、ヘッドユニット10を長手方向に移動させる。
他方、ステップS100において算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値以上である場合は、ステップS140に進み、制御部90は、ステップS100において算出されたヘッドユニット10の回転量と、ステップS110において算出されたヘッドユニット10の移動量とに基づいて、ヘッドユニット10に対して回転補正や移動補正を行う。具体的には、θ軸モータ15を駆動し、算出されたヘッドユニット10の回転量に応じて、ヘッドユニット10をθ回転軸13回りに回転させる。
ステップS150では、制御部90は、用紙P1枚分の吐出時間が経過したか否かを判定する。
吐出時間が経過した場合は、次のステップS160へ進み、制御部90は、印刷対象となる全ての用紙Pの印刷が終了したか否かを判定する。全ての用紙Pの印刷が終了した場合は印刷処理を終了する。印刷対象となる用紙Pが残っている場合は、ステップS10に戻って次の用紙Pの幅方向端部の検出の判定を行う。
なお、ステップS150において、吐出時間が経過したか否かの判定に替えて、用紙P1枚分の終端を検出するセンサーを設けることにより、用紙P1枚分の印刷が終了したか否かを判定するようにしても良い。
他方、ステップS150において、吐出時間が経過していない場合は、用紙P1枚分の印刷が継続中であって用紙Pが搬送中であることから、ステップS90に戻り、エッジセンサーS3,S4の検出結果に基づいて、用紙Pの幅方向端部の位置ずれ量及び斜行量を算出する。
つまり、印刷に伴い搬送される用紙Pの幅方向端部の位置をリアルタイムに検出し、検出した位置に応じてヘッドユニット10の回転量及び設定値をリアルタイムに算出する。そして、算出された回転量の絶対値が設定値以上である場合には、ヘッドユニット10に対してリアルタイムに移動補正や回転補正を行う。一方、算出された回転量の絶対値が設定値より小さい場合には、ヘッドユニット10に対してリアルタイムに移動補正のみを行う。これにより、印刷中に用紙Pとヘッドユニット10との位置関係を常に正しく一定に保つことができ、また、回転補正を行ったときに発生する振動により、回転補正を行わないときよりも、印刷画像の画質が低下することを防止できるようになる。
次に、ヘッドユニット10,20に対しての移動補正及び回転補正の具体例について説明する。図8は、ヘッドユニット10に対しての補正有無の例を示す図である。図8(a1),(b1),(c1),(d1),(e1),(f1)は補正を行わない場合の印刷例を示しており、(a2),(b2),(c2),(d2),(e2),(f2)は補正を行った場合の印刷例を示している。なお、各図においてヘッドユニット10を挟んで搬送方向Xの上流側には印刷前の用紙P、下流側には印刷後の用紙Pを示している。白抜き矢印は用紙Pが搬送される方向を示している。また、ここではヘッドユニット10による補正の例について説明するが、ヘッドユニット20についても同様に適用することができる。
図8(a1)では、用紙Pが正しい姿勢を保って搬送方向Xに搬送されているが、用紙Pの全体が搬送幅方向Yへ位置ずれしている。このため、補正を行わない(a1)では、矩形状の印刷画像Gの全体が用紙Pの端部に偏って印刷されている。一方、(a2)では、ヘッドユニット10を搬送幅方向Yへ移動補正した状態で印刷を行っている。この補正印刷の結果、(a2)においては、矩形状の印刷画像Gが用紙Pの中央部分の正しい位置に印刷されている。
図8(b1)では、用紙Pが、斜行した姿勢の状態で搬送方向Xに搬送されている。このため、補正を行わない(b1)では、矩形状の印刷画像Gの全体が用紙Pにおいて傾いて印刷されている。ここで、算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値より大きいかったとする。このため、(b2)では、ヘッドユニット10を回転補正して用紙Pの幅方向端部に直交する位置に置いた状態で、ヘッドユニット10を搬送幅方向Yの反対方向へ移動させながら印刷を行っている。この補正印刷の結果、(b2)においては、矩形状の印刷画像Gが用紙Pの中央部分に正しい姿勢で印刷されている。
図8(c1)では、用紙Pが、斜行した姿勢の状態で搬送方向Xに搬送されている。このため、図8(b1)と同様に、補正を行わない(c1)では、矩形状の印刷画像Gの全体が用紙Pにおいて傾いて印刷されている。ここで、算出されたヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値より小さかったとする。このため、(c2)では、ヘッドユニット10に回転補正を行わずに印刷を行っている。この補正印刷の結果、(c2)においては、矩形状の印刷画像Gが用紙Pの中央部分に僅かに傾いた姿勢で印刷されている。
図8(d1)では、用紙Pが、正しい姿勢を保っているが、搬送方向Xに対して斜め方向に搬送されている。このため、補正を行わない(d1)では、正しくは矩形状であるべき印刷画像Gが、印刷時の画像Gのずれにより、用紙Pにおいて矩形状ではなく平行四辺形状で且つ傾いて印刷されている。一方、(d2)では、ヘッドユニット10を搬送幅方向Yへ移動させながら印刷を行っている。この補正印刷の結果、(d2)においては、正しい矩形状の印刷画像Gが用紙Pの中央部分に正しい姿勢で印刷されている。
図8(e1)では、用紙Pが、斜行した姿勢の状態で、搬送方向Xに対して斜め方向に搬送されている。このため、補正を行わない(e1)では、正しくは矩形状であるべき印刷画像Gが、印刷時の画像Gのずれにより、用紙Pにおいて矩形状ではなく平行四辺形状で印刷されている。一方、(e2)では、ヘッドユニット10を回転補正して用紙Pの幅方向端部に直交する位置に置いた状態で印刷を行っている。この補正印刷の結果、(e2)において正しい矩形状の印刷画像Gが用紙Pの中央部分に印刷されている。
図8(f1)では、用紙Pが搬送方向Xに対して蛇行して搬送されている。このため、補正を行わない(f1)では、正しくは矩形状であるべき印刷画像Gが、印刷時の画像Gのずれにより、用紙Pにおいて矩形状ではなく曲線を含む歪んだ形状で印刷されている。一方、(f2)では、ヘッドユニット10を、回転補正しながら用紙Pの幅方向端部に直交する位置に置いた状態で印刷を行っている。この補正印刷の結果、(f2)において正しい矩形状の印刷画像Gが用紙Pの中央部分に印刷されている。
本実施形態では、図1、図2の用紙Pが記録媒体を構成する。以下同様に、図1、図2のエッジセンサーS1〜S8が検出手段を構成する。さらに、図2のY軸モーター14が移動手段を構成する。また、図2のθ軸モーター15が回転手段を構成する。さらに、図2の搬送情報算出部91、図6のステップS20、S90が搬送情報算出手段を構成する。また、図2の移動量算出部92、図6のステップS30、S40、S100、S110が移動量算出手段を構成する。さらに、図2の制御部90、図6のステップS50〜S70、S120〜S140が制御手段を構成する。
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンター100によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態のインクジェットプリンター100では、エッジセンサーS1〜S8の検出結果に基づいて算出した用紙Pの位置ずれ量及び斜行量に応じて、各ヘッドユニット10,20に対して移動補正や回転補正を行う。このため、用紙Pが、例えば、搬送幅方向Yに位置ずれした場合や、斜行した姿勢の場合や、斜め方向に搬送された場合や、蛇行して搬送された場合等のどのような状態にあっても、これらの搬送状態に応じて移動補正、回転補正、及び移動補正と回転補正との組み合わせを行い、印刷時に用紙Pとヘッドユニット10,20との相対位置を一定にすることができる。これにより、用紙Pの意図した部分に画像を形成でき、レジスト精度の高い、ムラの見えにくい画像を形成できる。
また、ヘッドユニット10を回転補正して用紙Pの幅方向端部に直交する位置に置いた状態で印刷を行うことから、ヘッドユニット10,20からのインク滴の吐出が用紙Pに対して常に直交する理想の位置関係を保つことができる。これにより、例えば、予め画像処理で生成した吐出特性に合わせた画像データや、誤差分散等でムラを見えにくくした画像データを印刷したときに、これらの画像の効果を損なうことがない。
また、各ヘッドユニット10,20に対して、上記した移動補正や回転補正を高速に且つ高精度に行うことにより、用紙Pの搬送中に刻々と変化する搬送部1の各ローラーの偏心や振動等に起因する用紙Pの微小(数十μmレベル)な姿勢の変化にも対応できる。
また、各ヘッドユニット10,20の手前で用紙Pの位置や姿勢等を直す必要がなくなることから、用紙Pに対しての斜行補正や先端位置合せの機構が不要となる。これにより、インクジェットプリンター100のコストダウンの効果を得ることができる。
また、本実施形態のインクジェットプリンター100では、ヘッドユニット10の回転量の絶対値が設定値以下である場合に、ヘッドユニット10に対して回転補正を行わず、移動補正のみを行うようにした。このため、例えば、回転補正を行うことによる印刷画像の画質の向上効果よりも、回転補正時に発生する振動による画質の低下効果が大きい場合に、回転補正が行われることを回避できる。これにより、回転補正を行ったときに発生する振動により、回転補正を行わないときよりも画質が低下することを防止できる。
また、ヘッドユニット10の回転量を計算した後に、ヘッドユニット10の移動量を計算を行うことから、これらの計算を単純化することができ、計算時間を短縮できる。これにより、制御間隔を短縮でき、用紙Pの動きにヘッドユニット10をより適切に追従させることができ、移動補正や回転補正をより高精度に行うことができる。
(変形例)
上記実施形態では、図6のステップS30〜S70、S90〜S140に示すように、ヘッドユニット10の回転量および移動量の両方を計算した後に、ヘッドユニット10に対して移動補正や回転補正を行う構成とした。しかし、これに限られず、例えば図9のステップS170〜S210、S220〜S260に示すように、ヘッドユニット10の回転量を計算した後に、ヘッドユニット10に対して回転補正を開始し、この回転補正中に、ヘッドユニット10の移動量の計算も行う構成であっても良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るインクジェットプリンター200について説明する。ここで、第1実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第1実施形態に係るインクジェットプリンター100と、第2実施形態に係るインクジェットプリンター200とは、ヘッドユニット10,20の移動及び回転に係る機構及び動作と、用紙Pの位置を検出するセンサーの配置とが異なる。図10は第2実施形態に係るインクジェットプリンター200の概略を模式的に示す平面図である。図11は、第2実施形態に係るヘッドユニット10の移動及び回転に係る機構と動作の説明図である。なお、ここでは、ヘッドユニット10について説明するが、ヘッドユニット20についても同様に適用することができる。
第1実施形態に係るヘッドユニット10では、ヘッドユニット10全体の移動及び回転を可能にしたが、図11に示す第2実施形態に係るヘッドユニット10では、ヘッドユニット10に備えた各吐出ヘッド11毎に移動及び回転を行うことができる。このため、各吐出ヘッド11毎に、搬送幅方向Yに往復移動させるための動力を伝えるY軸モーター14と、搬送幅方向Yに沿って延在する図示しないスライドレールと、各吐出ヘッド11をθ回転軸13を中心として回転させるための動力を伝える図示しないθ軸モーターとが付設されている。
図11(a)は、各吐出ヘッド11が基準位置から搬送幅方向YにYaだけ移動した例を示している。これは、制御部90の制御に基づいて、移動対象の吐出ヘッド11用のY軸モーター14を駆動して、該当する吐出ヘッド11をスライドレールに従って搬送幅方向YにYaだけ移動させた結果となる。なお、同図では、全ての吐出ヘッド11を移動対象としているが、移動対象となる吐出ヘッド11を適宜選択することができる。
図11(b)は、各吐出ヘッド11が基準位置から各吐出ヘッド11のθ回転軸13を中心にして時計回りにθaの角度だけ回転した例を示している。これは、制御部90の制御に基づいて、回転対象の吐出ヘッド11用のθ軸モーターを駆動して、該当する吐出ヘッド11をθ回転軸13を中心にして時計回りにθaの角度だけ回転させた結果となる。なお、同図では、全ての吐出ヘッド11を回転対象としているが、回転対象となる吐出ヘッド11を適宜選択することができる。
ここで、図11(a)と(b)との組合せとして、移動対象の吐出ヘッド11用のY軸モーター14を駆動して、該当する吐出ヘッド11を搬送幅方向Yに移動させた後、回転対象の吐出ヘッド11用のθ軸モーター15を駆動して、該当する吐出ヘッド11をθ回転軸13回りに回転させることができる。また、逆に、回転対象の吐出ヘッド11用のθ軸モーター15を駆動して、該当する吐出ヘッド11をθ回転軸13回りに回転させた後、移動対象の吐出ヘッド11用のY軸モーター14を駆動して、該当する吐出ヘッド11を搬送幅方向Yに移動させることができる。なお、ここで、移動のみ行う吐出ヘッド11と、回転のみ行う吐出ヘッド11と、移動及び回転の両方を行う吐出ヘッド11とがヘッドユニット10において混在することができる。
また、図10に示すように、第2実施形態に係るインクジェットプリンター200は、第1実施形態のインクジェットプリンター100とは異なり、用紙Pの幅方向端部の位置を検出するエッジセンサーS1〜S8に替えて、用紙P上のマーク等の識別を検出する検出部としての識別センサーS11〜S18が配設されている。これらの識別センサーS11〜S18は、各ヘッドユニット10,20に備えられた各吐出ヘッド11毎に配設されている。ヘッドユニット10を挟んで搬送方向Xの上流側には各吐出ヘッド11毎に2つの識別センサーS11,S12、下流側には2つの識別センサーS13,S14が配設されている。また、ヘッドユニット20を挟んで搬送方向Xの上流側には各吐出ヘッド11毎に2つの識別センサーS15,S16、下流側には2つの識別センサーS17,S18が配設されている。
搬送情報算出部91は、搬送面50を搬送される用紙Pが各識別センサーS11〜S18を通過するときに検出されたマーク等の識別の位置に基づいて、各吐出ヘッド11の下位置における用紙Pの位置ずれ量及び斜行量を算出する。
また、移動量算出部92は、搬送情報算出部91によって算出された位置ずれ量及び斜行量に基づいて、各吐出ヘッド11毎の搬送幅方向Yへの移動量と、各吐出ヘッド11毎のθ回転軸13を中心にした回転量とを算出する。
制御部90は、移動量算出部92によって算出された各吐出ヘッド11毎の移動量と回転量とに基づいて、各吐出ヘッド11のそれぞれについて移動補正や回転補正を行う。
本実施形態では、図10の用紙Pが記録媒体を構成する。以下同様に、図10の識別センサーS11〜S18が検出手段を構成する。さらに、図11のY軸モーター14が移動手段を構成する。また、θ軸モーター15が回転手段を構成する。さらに、図10の搬送情報算出部91が搬送情報算出手段を構成する。また、図10の移動量算出部92が移動量算出手段を構成する。さらに、図10の制御部90が制御手段を構成する。
本実施形態のインクジェットプリンター200では、各吐出ヘッド11毎に配設された各識別センサーS11〜S18の検出結果に基づいて、各吐出ヘッド11の下位置における用紙Pの位置ずれ量及び斜行量を算出し、各吐出ヘッド11毎に移動補正や回転補正を行う。これにより、例えば、熱やインク滴の吐出による用紙Pの局所的な伸縮に対しても木目細かく対応を行うことができる。
また、各識別センサーS11〜S18が、用紙P上に印刷されたテストパターンを検出することにより、各吐出ヘッド11のオートアライメントが可能になり、インクジェットプリンター200の組立てに係る負荷を削減することが可能になる。
(変形例)
上記実施形態では、図1等に示すように、ヘッドユニット10,20の2つのヘッドユニットに対して共通の1つの搬送部1を設ける構成とした。しかし、これに限られず、例えば図12のインクジェットプリンター300の概略を模式的に示す側断面図に示すように、各ヘッドユニット10,20に対してそれぞれ独立機構とした搬送部1を設けるタンデム型の構成であっても良い。
また、複数の吐出ヘッド11が2つのヘッドユニット10,20で分割されて配列される構成としたが、これに限られず、インクジェットプリンターに1つのヘッドユニットのみを備え、このヘッドユニットに全ての吐出ヘッドが配列される構成としても良い。
1…搬送部、2…印刷部、10,20…ヘッドユニット、11…吐出ヘッド、12…ヘッドパネル、13…θ回転軸、14…Y軸モーター、15…θ軸モーター、16…Y軸カム、17…θ軸カム、31…ゲートローラー、32…従動ローラー、33…テンションローラー、34…駆動ローラー、35…無端ベルト、36…搬送駆動モーター、37…通気孔、50…搬送面、90…制御部、91…搬送情報算出部、92…移動量算出部、100…第1実施形態に係るインクジェットプリンター、200…第2実施形態に係るインクジェットプリンター、300…変形例に係るインクジェットプリンター、S1〜S8…エッジセンサー、S11〜S18…識別センサー

Claims (5)

  1. 搬送面を搬送される記録媒体に対して液体を噴射するヘッドユニットを移動させ、噴射される液体の前記記録媒体における記録位置を補正する記録位置補正装置であって、
    前記搬送面を搬送される前記記録媒体の位置を検出する検出手段と、
    前記ヘッドユニットを前記搬送面と平行な方向に移動させる移動手段と、
    前記ヘッドユニットを前記搬送面と垂直な方向の軸回りに回転させる回転手段と、
    前記検出手段によって検出された前記記録媒体の位置に基づいて、前記記録媒体の搬送状態を示す搬送情報を算出する搬送情報算出手段と、
    前記搬送情報に基づいて、前記記録媒体と前記ヘッドユニットとの相対位置を一定にさせる前記ヘッドユニットの前記搬送面と平行な方向への移動量及び前記ヘッドユニットの前記搬送面と垂直方向の軸回りの回転量を算出する移動量算出手段と、
    前記移動量及び前記回転量に基づいて、前記移動手段及び前記回転手段を制御することにより、前記ヘッドユニットを移動させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記回転量の絶対値が設定値以下である場合には、前記回転手段の制御を行わず、前記移動手段の制御のみを行うことを特徴とする記録位置補正装置。
  2. 前記搬送情報は、前記記録媒体の幅方向における所定の基準位置からの位置ずれ量を含み、
    前記移動量算出手段は、前記位置ずれ量に基づいて、前記ヘッドユニットの前記搬送面と平行な向への移動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の記録位置補正装置。
  3. 前記搬送情報は、前記記録媒体の斜行量を含み、
    前記移動量算出手段は、前記斜行量に基づいて、前記ヘッドユニットの前記搬送面と垂直方向の軸回りの回転量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録位置補正装置。
  4. 前記制御手段は、前記斜行量に基づいて、前記ヘッドユニットが前記記録媒体の幅方向端部と直交するように前記ヘッドユニットを回転させることを特徴とする請求項3に記載の記録位置補正装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の記録位置補正装置を備えて記録媒体に記録を行うことを特徴とする記録装置。
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