<第1実施形態>
図1を用いて、本発明の実施形態1に係るパチンコ機1の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機1を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機1は、外部的構造として、外枠2と、本体部3と、前面枠扉4と、球貯留皿付扉5と、発射装置6と、遊技盤7と、をその前面に備える。
外枠2は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。本体部3は、外枠2の内部に備えられ、ヒンジ部8を介して外枠2に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体部3は、枠状に形成されている。
前面枠扉4は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機1の前面側となる本体部3の前面に対しヒンジ部8を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部4aとした扉体である。なお、この前面枠扉4には、開口部4aにガラス製又は樹脂製の透明板部材4bが設けられ、背後の遊技盤7を遊技者が視認可能となっている。前面枠扉4の後面と遊技盤7の前面とで遊技領域を区画形成する。
球貯留皿付扉5は、パチンコ機1の前面において本体部3の下側に対して、ロック部3aによるロック機能(施錠機能)付きで且つ開閉自在となるように装着された扉体であり、球貯留皿付扉5の基部5cが、その向かって左側端部において本体部3に回動自在に支持されている。図1は球貯留皿付扉5を開放状態とした場合を示している。球貯留皿付扉5を開放状態とすることで、球貯留皿付扉5の内側や本体部3の下部のようなパチンコ機1の内部が同図のように露出してメンテナンス可能となる。球貯留皿付扉5を閉鎖状態とした場合は、これらの部分は隠れてメンテナンスが不能となる。球貯留皿付扉5を閉鎖した後、球貯留皿付扉5の向かって右側端部をロック部3aによりロックすることで球貯留皿付扉5は開放不能となる。
球貯留皿付扉5には、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置6へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿5aや、上皿5aに貯留しきれない遊技球を貯留する下皿(不図示)、遊技者の操作によって上皿5aに貯留された遊技球を下皿へと排出させる球抜ボタン(不図示)、遊技者の操作によって発射装置6へと案内された遊技球を遊技盤7の遊技領域へと打ち出す球発射ハンドル5b等が設けられている。
球貯留皿付扉5には、また、操作ユニット10が設けられている。操作ユニット10は、遊技者の操作を受け付けて演出態様に変化を与えるため等に用いるチャンスボタン10aと、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン10bと、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン10c等を備えたパチンコ機1の構成部品の1つである。操作ユニット10は球貯留皿付扉5に着脱自在に装着されている。その詳細は後述する。
発射装置6は、球発射ハンドル5bが遊技者に操作されることによって回動する発射杆(不図示)と、遊技球を発射杆の先端で打突する発射槌(不図示)と、を備え、本体部3の下方に設けられている。発射装置6から発射された遊技球は、レールカバー9内に一部が収容された発射レールに沿って遊技領域へ発射される。
図2は、遊技盤7を正面から見た略示正面図である。遊技盤7には、発射レールとして外レール20aと内レール20bとを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域20を区画形成している。
遊技領域20の略中央には、装飾図柄表示装置21を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置22aと、第1特別図柄表示装置22bと、第2特別図柄表示装置22cと、普通図柄保留ランプ23aと、第1特別図柄保留ランプ23bと、第2特別図柄保留ランプ23cと、高確中ランプ23dを配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。装飾図柄表示装置21の側方には、腕の形を模した演出可動体24が配されている。演出可動体24は可動して遊技を盛り上げる演出を行う。
装飾図柄表示装置21は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置21は、左図柄表示領域RL、中図柄表示領域RC、右図柄表示領域RRおよび演出表示領域REの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域RL、中図柄表示領域RCおよび右図柄表示領域RRはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域REは演出に用いる画像を表示する。さらに、これら各表示領域の位置や大きさは、装飾図柄表示装置21の表示画面内で自由に変更することを可能としている。
なお、装飾図柄表示装置21として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置22aは、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置22bおよび第2特図表示装置22cは、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ23aは、保留している普図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ23bおよび第2特図保留ランプ23cは、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ23dは、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、遊技領域20には、一般入賞口26aと、普図始動口26bと、第1特図始動口26cと、第2特図始動口26dと、可変始動口26eを配設している。
一般入賞口26aは、本実施形態では遊技盤7に複数配設しており、この一般入賞口26aへの入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口26aに入賞した場合)、遊技球の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿5aに排出する。上皿5aに排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口26aに入球した球は、パチンコ機1の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口26bは、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域20の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤7の左側に1つ配設している。普図始動口26bを通過した球は一般入賞口26aに入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口26bを通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機1は、普図表示装置22aによる普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口26cは、本実施形態では遊技盤7の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口26cへの入球を所定の球検出センサが検出した場合、遊技球の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿5aに排出するとともに、第1特図表示装置22bによる特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口26cに入球した球は、パチンコ機1の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口26dは、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では第1特図始動口26cの真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口26dは、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置22aが当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口26dへの入球を所定の球検出センサが検出した場合、遊技球の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿5aに排出するとともに、第2特図表示装置22cによる特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口26dに入球した球は、パチンコ機1の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変始動口26eは、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施形態では遊技盤7の中央部下方に1つだけ配設している。この可変始動口26eは、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変始動口26eへの入球を所定の球検出センサが検出した場合、遊技球の払出装置を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿5aに排出する。なお、可変始動口26eに入球した球は、パチンコ機1の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材27aや、遊技釘27bを複数個、配設していると共に、内レール20bの最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機1の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口27cを設けている。
このパチンコ機1は、遊技者が上皿5aに貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の球発射ハンドル5bの操作量に応じた強度で発射装置6が外レール20a、内レール20bを通過させて遊技領域20に打ち出す。そして、遊技領域20の上部に到達した球は、打球方向変換部材27aや遊技釘27b等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口26a、可変始動口26e)や始動口(第1特図始動口26c、第2特図始動口26d)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口26bを通過するのみでアウト口27cに到達する。
<操作ユニット10の着脱構造>
操作ユニット10はチャンスボタン10a等を備えて遊技者に操作されるため、使用によりメンテナンスが必要となる。このため、本実施形態では操作ユニット10を着脱可能な構成としている。
図1及び図3乃至図5を参照して操作ユニット10の着脱構造並びに取り外しの規制構造等について説明する。図3は、球貯留皿付扉5の分解斜視図であり、特に、基部5cと、操作ユニット10と、規制装置11とを示す図である。図4(a)及び(b)は規制装置11の規制動作及び規制解除動作を示す説明図である。図5(a)及び(b)は解除動作阻止部13の説明図である。
図3を参照して、基部5cは球貯留皿付扉5の表側となる部分に、開口部5dを有する。規制装置11は、使用状態においては基部5cに固定され、図1に示すようにその一部がカバー部材12に覆われた状態となる。図3に示すように、規制装置11は基部11aと、基部11aに形成された開口部11bとを備える。開口部11bは開口部5dに近似した形状を有し、基部11aのうち開口部11bの周縁部分は開口部5dの内縁に嵌め込まれる。操作ユニット10は全体として蓋状をなして開口部11bに装着され、その装着時には開口部11b(つまり開口部5d)を塞ぐ態様となる。操作ユニット10が開口部11b(開口部5d)を塞ぐことで、開口部11b(開口部5d)を介して不正行為器具等の異物が外部から挿入されないようにしている。
規制装置11は、基部11aに回動自在に支持されたレバー状の操作部11cと、操作部11cに設けられた爪部11d、及び、リブ部11eとを有する。操作ユニット10は、凹部10dと、爪部10eとを有しており、爪部10eは開口部11bの周縁に係止され、凹部10dは爪部11dと係合することで開口部11bに装着される。操作部11cの回動により爪部11dが変位することで、操作ユニット10の取り外しの規制及びその解除を行う。
図4は操作ユニット10と規制装置11とを下側から見た斜視図である。図4(a)は規制解除状態を示しており、操作部11cを同図矢印の方向に回動して規制解除位置に位置させることで規制解除状態となる。この状態では爪部11dが凹部10dに係合していないので、操作ユニット10を取り外すことができる。また、操作部11cを同図矢印の方向に回動することで、リブ部11eが開口部11bに近接する方向に変位し、操作ユニット10を上方へ押圧する。このため、操作部11cの回動によって規制解除のみならず、操作ユニット10を開口部11bから上方へ離脱させ、取り外しを容易にすることができる。
図4(b)は規制状態を示しており、操作部11cを同図矢印の方向に回動して規制位置に位置させることで規制状態となる。詳細には、予め操作ユニット10の爪部10eを開口部11bの周縁下に差し込んでおき、操作部11cを同図矢印の方向に回動することで爪部11dが凹部10dに係合し、これら2ヶ所の係合によって操作ユニット10が開口部11bから取り外すことが規制される。操作部11cの操作で規制及び解除ができるので、容易に操作ユニット10の着脱作業を行える。なお、本実施形態では、規制及びその解除動作を操作部11cの回動としたが、回動ではなくて平行移動(スライド)によるものであってもよい。
図1に示すように、球貯留皿付扉5の使用状態(組付け後の状態)では、規制装置11の操作部11cは、その先端のみがカバー部材12の孔12aから突出しており、メンテナンス作業者は、この突出した部分に触れて操作部11cの回動操作を行う。
操作部11cの操作は、図1に示したように基本的には球貯留皿付扉5を開放した状態でないとできなくなっている。しかし、閉鎖状態に施錠された場合であっても、パチンコ機1の隙間から針金等を通して操作部11cを操作し、操作ユニット10を取り外す不正行為も想定される。そこで、本実施形態では、球貯留皿付扉5を開放した状態では操作部11cの規制解除動作を阻止するために解除動作阻止部13を設けている。
本実施形態の場合、解除動作阻止部13はレールカバー9に設けた孔である。球貯留皿付扉5を閉鎖状態とした場合に、操作部11cの先端がこの解除動作阻止部13に進入することで、その周壁に操作部11cの移動が制約を受ける。この結果、球貯留皿付扉5を閉鎖状態とした場合では、操作部11cの規制解除動作を阻止することができる。
図5(a)及び(b)は、操作部11cの位置と、解除動作阻止部13との関係を示している。図5(a)は操作部11cが規制解除位置に回動された場合を示している。この場合、操作部11cは、カバー部材12の孔12aの同図で左端に位置している。本実施形態の場合、このまま球貯留皿付扉5を閉鎖しようとすると、破線で示すように操作部11cの先端が解除動作阻止部13に進入せず、レールカバー9と干渉する。
この結果、操作部11cとレールカバー9とが球貯留皿付扉5の閉鎖の邪魔となり、作業者に操作部11cが規制位置に位置していないことを気付かせることができる。なお、本実施形態では、規制及び解除動作を行う操作部11cを、本体部3のレールカバー9と干渉させる構成として利用したが、規制装置11の規制及び解除動作に連動して変位する可動部(例えば、規制時には非突状態、解除時には突出状態となる機構)であれば、操作部11c以外の構成でもよい。尤も、操作部11cにより規制及び解除動作と、干渉との双方の機能を持たせることで、簡易な構成とすることができる。
図5(b)は操作部11cが解除位置に回動された場合を示している。この場合、操作部11cは、カバー部材12の孔12aの同図で右端に位置している。本実施形態の場合、このまま球貯留皿付扉5を閉鎖すると、破線で示すように操作部11cの先端が解除動作阻止部13に進入する。操作部11cの移動範囲が解除動作阻止部13で拘束されるので、規制解除動作が阻止できる。
このように本実施形態では、操作ユニット10の着脱作業の容易性を維持しながら、不正な取り外しを防止することができる。また、解除動作阻止部13による解除動作の阻止は、球貯留皿付扉5の開閉状態に依存するため、鍵を持つ正規の作業者の取り外し作業は容易としつつ、鍵を持たない不正者による取り外しは阻止できる。また、球貯留皿付扉5の閉鎖により規制解除動作を阻止しつつも、開放しただけでは規制装置11によって操作ユニット10の規制が解除されないという利点もある。
なお、本実施形態では解除動作部13を孔としたが、操作部11cの移動範囲を拘束できるものであればどのような構造でもよい。また、解除動作部13を、レールカバー9を利用して形成したが、専用の部材を本体部3に設けることも可能である。尤も、このように部品を兼用することで、部品点数の削減等を図れる。
<変形例>
作業者が操作部11cを規制解除位置から規制位置に操作する際、操作量が不足気味の場合は、自動的に操作部11cが規制位置に導かれることが好ましい。そこで、開放状態にある球貯留皿付扉5を、操作部11cが規制位置と解除位置との中間の位置にあるまま閉鎖状態に回動した場合に、回動による付勢で操作部11cを規制位置に案内する案内部を本体部3に設けてもよい。
図6(a)はレールカバー9に案内部13aを例を示す図、(b)は案内部13aの機能の説明図である。案内部13aは、解除動作阻止部13に向かって深さが増大した溝であり、その傾斜した底部により操作部11cを解除動作阻止部13へ案内する。この結果、操作部11cに回動を生じさせて規制位置に自動的に導く。
図6(b)は、球貯留皿付扉5を閉鎖する際の解除動作阻止部13及び案内部13aと、操作部11cの位置との関係を示す。操作部11cが位置P1で示す規制位置にある場合は、図5(b)で説明したように操作部11が解除動作阻止部13に進入する。また、操作部11cが位置P3で示す解除位置にある場合は、図5(a)で説明したように操作部11が解除動作阻止部13に進入せず、レールカバー9と干渉して球貯留皿付扉5の閉鎖の邪魔をする。
操作部11が、位置P1と位置P3との中間の位置P2にある場合は、操作部11の先端が、案内部13aの底部に当接し、球貯留皿付扉5の閉鎖に伴って底部の傾斜に案内されて操作部11が回動して解除動作阻止部13に進入する。こうして自動的に操作部11cを規制位置に導くことができ、操作ユニット10の取り外しの規制が不十分となる場合を回避できる。
<参考例>
上記実施形態では扉体の回動を利用して、規制解除動作を阻止する構成としたが、扉体の回動を利用して構成部品の取り外しの規制そのものを行うこともできる。図12は参考例としての取り外し規制構造を示すパチンコ機1の背面側の斜視図である。同図の例は、外枠2に規制部材14を設けている。規制部材14は、本体部3に装着されている電源スイッチSW1とリセットスイッチSWを覆うカバー部材15の取り外しを規制している。カバー部材15は、規制部材14側へ変位させないと取り外すことができなくなっており、図12の状態では規制部材14がカバー部材15に対面しているため、規制部材14が邪魔をして取り外せない。外枠2に対して本体部3を回動させ、カバー部材15と規制部材14とが対面しない位置関係にすることでカバー部材15が取り外せる。
<制御部>
次に、図7を用いて、このパチンコ機1の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機1の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部30と、主制御部30が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う副制御部40と、副制御部40より送信されたコマンドに基づいて装飾図柄表示装置21の表示制御を行う表示制御部50と、主制御部30が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部61と、遊技球の発射制御を行う発射制御部65と、パチンコ機1に供給される電源を制御する電源管理部51と、によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機1の主制御部30について説明する。主制御部30は、主制御部30の全体を制御する基本回路31を備えており、この基本回路31には、CPU31aと、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM31bと、一時的にデータを記憶するためのRAM31cと、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O31dと、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ31eと、プログラム処理の異常を監視するWDT31fとを搭載している。なお、ROM31bやRAM31cについては他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する副制御部40についても同様である。この基本回路31のCPU31aは、水晶発信器32cが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路31には、水晶発信器32cが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路32b(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサや、球貸操作ボタン10bや返却操作ボタン10cの操作を検出するスイッチを含む各種センサ35aが出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路32bおよび基本回路31に出力するためのセンサ回路33aと、第1特図表示装置22bや第2特図表示装置22cの表示制御を行うための駆動回路33cと、普図表示装置22aの表示制御を行うための駆動回路33dと、各種状態表示部35b(例えば、普図保留ランプ23a、第1特図保留ランプ23b、第2特図保留ランプ23c、高確中ランプ23d等)の表示制御を行うための駆動回路33eと、第2特図始動口26dや可変始動口26e等を開閉駆動する各種ソレノイド35cを制御するための駆動回路33gを接続している。
なお、第1特図始動口26cに球が入賞したことを球検出センサが検出した場合には、センサ回路33aは球を検出したことを示す信号をカウンタ回路32bに出力する。この信号を受信したカウンタ回路32bは、第1特図始動口26cに対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口26cに対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路32bは、第2特図始動口26dに球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口26dに対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口26dに対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路31には、情報出力回路34を接続しており、主制御部30は、この情報出力回路34を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路34aにパチンコ機1の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部30には、電源管理部51から主制御部30に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路33gを設けており、この電圧監視回路33gは、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路31に出力する。
また、主制御部30には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)32aを設けており、CPU31aは、この起動信号出力回路32aから起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部30は、副制御部40にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部61にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部40および払出制御部61との通信を可能としている。なお、主制御部30と副制御部40および払出制御部61との情報通信は一方向の通信であり、主制御部30は副制御部40および払出制御部61にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部40および払出制御部61からは主制御部30にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機1の副制御部40について説明する。
副制御部40は、主に主制御部30が送信したコマンド等に基づいて副制御部40の全体を制御する基本回路41を備えており、この基本回路41には、CPU41aと、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM41bと、一時的にデータを記憶するためのRAM41cと、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O41dと、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ41eとを搭載している。この基本回路41のCPU41aは、水晶発信器42が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM41bは、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路41には、スピーカ44a(およびアンプ)の制御を行うための音源IC43aと、各種ランプ44bの制御を行うための駆動回路43bと、演出可動体24用のモータ44dの駆動制御を行うための駆動回路43dと、チャンスボタン10aの操作を検出するスイッチを含む各種センサ44cの検出信号を基本回路41に出力するセンサ回路43cと、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)21の表示制御を行う表示制御部50と、を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機1の払出制御部61、発射制御部65、電源管理部51について説明する。払出制御部61は、主に主制御部30が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置61の払出モータ62を制御すると共に、払出センサ60が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部63を介して、パチンコ機1とは別体で設けられたカードユニット64との通信を行う。
発射制御部65は、払出制御部61が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル5b内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル5bの操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆および発射槌を駆動する発射モータ66の制御や、上皿5aから発射装置6に球を供給する球送り装置67の制御を行う。
電源管理部51は、パチンコ機1に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部30、副制御部40等の各制御部や払出装置等の各装置に供給する。さらに、電源管理部51は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部30のRAM31c等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部51から払出制御部61と表示制御部50に所定電圧を供給し、払出制御部61から主制御部30と表示制御部50と発射制御部65に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図8(a)〜(c)を用いて、パチンコ機1の第1特別図柄表示装置22b、第2特別図柄表示装置22c、装飾図柄表示装置21、普通図柄表示装置22aが停止表示する特図および普図の種類について説明する。図8(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口26cに球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口26dに球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。
特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置22bは、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置22cは、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置22bは特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置22cは特図2の停止図柄態様を停止表示する。
したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが図柄変動停止表示に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図8(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図8(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機1では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。
また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当たり図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当たり図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当たり図柄であり、「特図H」は第2小当たり図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当たりは、2R時短無し大当たりと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置21に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
なお、本実施形態のパチンコ機1には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
図8(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口26cまたは第2特図始動口26dに球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口26cに球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口26dに球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置21の左図柄表示領域RL、中図柄表示領域RC、右図柄表示領域RRの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域RL、RC、RRに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域RL、RC、RRに図8(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図8(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口26bを球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置22aは、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図9を用いて、主制御部30のCPU31aが実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部30には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)32aを設けている。この起動信号を入力した基本回路31のCPU31aは、リセット割込によりリセットスタートしてROM31bに予め記憶している制御プログラムに従って図9に示す主制御部メイン処理を実行する。
S1では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU31aのスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O31dの初期設定、RAM31cに記憶する各種変数の初期設定、WDT31fへの動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT31fに、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
S2では、WDT31fのカウンタの値をクリアし、WDT31fによる時間計測を再始動する。S3では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路33gが、電源管理部51から主制御部30に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU31aが電源の遮断を検知した場合)にはS2に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU31aが電源の遮断を検知していない場合)にはS4に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもS2に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、S3は繰り返し実行される。
S4では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ31eに設定する処理、I/O31dの所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部40への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM31cへの書き込みを許可する設定等を行う。
S5では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部30の基本回路31を初期状態にする場合)には初期化処理(S7)に進む。具体的には、最初に、電源基板に設けたRAMクリアスイッチを遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路31を初期状態にすべくS7に進む。
一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM31cに設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路31を初期状態にすべくS7に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM31cの所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。
そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくSA11に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機1を初期状態にすべくS7に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもS7に進む。
S6では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM31cに設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM31cに設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU31aが、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機1は電源断時の状態に復帰する。
すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(S8、S9内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、主制御部30における基本回路31に搭載されているRAM31cには、送信情報記憶領域が設けられている。このS6では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部30のタイマ割込処理におけるS27において、副制御部40へ送信される。
S7では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM31cの全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部30のRAM31cに設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部30の初期化処理(S7)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部30のタイマ割込処理におけるS27において、副制御部40へ送信される。
S8では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM31cに設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割込許可の設定を行ってS9に進む。
S9では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部30で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。主制御部30のRAM31cには、0から127の範囲の値を取り得る第1特図予告抽選乱数値を生成する第1特図予告抽選乱数カウンタ、および同じく0から127の範囲の値を取り得る第2特図予告抽選乱数値を生成する第2特図予告抽選乱数カウンタが設けられている。このSA17では、これらのカウンタそれぞれの値を更新する。
主制御部30は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、S8およびS9の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図10を用いて、主制御部30のCPU31aが実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部30は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ31eを備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
S11では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU31aの各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。S12では、WDT31fのカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
S13では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O31dの入力ポートを介して、各種センサ35aの検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM31cに各種センサ35aごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM31cに各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM31cに各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM31cに各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、S13では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のS13では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。
この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。
主制御部30のROM31bには、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このS13では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口26a、可変始動口26e、第1特図始動口26c、および第2特図始動口26dへの入球、または普図始動口26bの通過があったと判定する。
すなわち、これらの始動口への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口26aへの入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口26aへ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口26aへの入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口26aへの入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
なお、主制御部30のROM31bには、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
S14およびS15では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記S8で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部30で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。
例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM31cに設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。
例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM31cに設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM31cに設けている。なお、本実施形態では特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
S16では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部30で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。ここでは上記S9で行った演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。したがって、特図1予告抽選乱数カウンタおよび特図2予告抽選乱数カウンタそれぞれの値は、このS16で更新される。
S17では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置22aに図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置22bに図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置22cに図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
S18では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、始動口や入賞口に入賞があった場合に、RAM31cに各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。また、S19では、入賞受付処理を行う。
S20では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部61に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
S21では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置22aを構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置22aは普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置22aを構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置22aを構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。
また、主制御部30のRAM31cには、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置22aは、当り図柄(図8(c)に示す普図A)および外れ図柄(図8(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM31cに設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM31cの設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口26dの羽根部材の開閉駆動用のソレノイドに、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM31cに設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。このように普図変動遊技の結果が当りとなると、第2特図始動口26dに遊技球が入球し易くなる点で、遊技者に対する有利度が高い遊技状態に遊技状態が移行する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイドに、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM31cに設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM31cの設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM31cの設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のS22に移行するようにしている。
S22では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口26dの開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM31cに設けた当りフラグにオンを設定する。
不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置22aに普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM31cに設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。
なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM31cに設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(S23)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置22cを構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置22cは特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、主制御部30のRAM31cには、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。
特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図8(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置22cを構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM31cの設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。
この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置22cは、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM31cに設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、RAM31cに設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(S27)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM31cに追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理S23では、RAM31cの設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置21による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM31cに設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(S27)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変始動口26eに所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)可変始動口26eの扉部材の開閉駆動用のソレノイドに、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM31cに設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。このように特図2変動遊技の結果が大当たりとなると、可変始動口26eに入球可能となる点で遊技者に対する有利度が高い遊技状態に遊技状態が移行する。
また、コマンド設定送信処理(SB33)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理S23では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変始動口26eの扉部材1301の開閉駆動用のソレノイドに、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM31cに設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(S27)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理S23では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置21による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM31cに設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM31cに設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM31cに設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。
ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機1が遊技者にとって有利な状態になることをいう。つまり、時短フラグがオンに設定されると、遊技者に対する有利度が高い遊技状態に遊技状態が移行する。
この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りすると、変動時間が短くなる可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特別始動口26dの一対の羽根部材の1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材は多く開きやすい。
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変始動口26eに所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口26dに多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(S27)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理S23では、RAM31cの設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理S23でも、RAM31cの設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理S23では、何もせずに次のSB27に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(S24)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
S23およびS24における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(S25)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(S26)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部30が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。
また、装飾図柄表示装置21による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、副制御部40によって行われ、第2特図始動口26dへの入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口26cへの入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
S27では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが副制御部40に送信される。なお、副制御部40に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。
コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口26cへの入賞の有無、第2特図始動口26dへの入賞の有無、可変始動口26eへの入賞の有無などを含む。
また、一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM31cに記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM31cに記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。
一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM31cに記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置21、各種ランプ44b、スピーカに出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM31cに記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置21・各種ランプ44b・スピーカ44aに出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM31cに記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM31cに記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このS27では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM31cの送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
副制御部40では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部30における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
S28では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM31cに記憶している遊技情報を、情報出力回路34を介してパチンコ機1とは別体の情報入力回路34aに出力する。
S29では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、S13において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、エラーを検出した場合に、副制御部40に送信すべき送信情報に、エラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイドを駆動して第2特図始動口26dや、可変始動口26eの開閉を制御したり、普通図柄表示装置22a、第1特別図柄表示装置22b、第2特別図柄表示装置22c、各種状態表示部35bなどに出力する表示データを、I/O31dの出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(S20)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O31d)を介して副制御部40に出力する。
S30では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはS31に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはS32に進む。
S31では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、S11で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、S32では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM31cの所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<副制御部40の処理>
図11を用いて、副制御部40の処理について説明する。なお、同図(a)は、副制御部40のCPU41aが実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、副制御部40のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、副制御部40のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のS41では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS41で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。S42では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S43の処理に移行する。S43では、タイマ変数に0を代入する。
S44では、コマンド処理を行う。副制御部40のCPU41aは、主制御部30からコマンドを受信したか否かを判別する。S45では、演出制御処理を行う。例えば、S44で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM41bから読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
S46では、チャンスボタン10aの押下を検出していた場合、S45で更新した演出データをチャンスボタン10aの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。S47では、S45で読み出した演出データの中に音源IC43aへの命令がある場合には、この命令を音源IC43aに出力する。
S48では、S45で読み出した演出データの中に各種ランプ44bへの命令がある場合には、この命令を駆動回路43bに出力する。S49では、S45で読み出した演出データの中に演出可動体24への命令がある場合には、この命令を駆動回路43dに出力する。S50では、S45で読み出した演出データの中に表示制御部50に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S42へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、副制御部40のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、副制御部40が、主制御部30が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のS51では、主制御部30が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM41cに設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、副制御部40のCPU41aによって実行するタイマ割込処理について説明する。副制御部40は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。S52では、図11(a)に示す副制御部メイン処理におけるS42において説明したRAM41cのタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、S42において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。S53では、S50で設定された表示制御部50への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2実施形態>
本発明の実施形態2に係るスロットマシン100について説明する。
<全体構成>
図13に示すスロットマシン100は、本体部101と、本体部101の正面に取付けられ、本体部101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。前面扉102はロック機能(施錠機能)付きで且つ開閉自在となるように本体部101に回動自在に支持された扉体である。前面扉102を開放状態とすることで、前面扉102の内側や本体部101内部が露出してメンテナンス可能となる。前面扉102を閉鎖状態とした場合は、これらの部分は隠れてメンテナンスが不能となる。
本体部101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。メダル投入口141に投入されたメダルは、スロットマシン100の内部に設けられたメダルセレクタを通過し、正規メダルの選別がなされると共に、メダルの通過が検出される。
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバーユニット135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチユニットであり、図1ではその操作部分(球状部分)が図示されている。以下、その操作部分をスタートレバー135とも言う。メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部>
図14は、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。WDT313はウォッチドッグタイマである。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダルセレクタのメダル検出センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ200に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157やシャッタ163の制御を行う。こうして遊技の進行に合わせて演出が実行される。
<図柄配列>
図15(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図15(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。 「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者に対する有利度が通常遊技よりも高い遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者に対する有利度が通常遊技よりも高い遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、遊技者に対する有利度が通常遊技よりも高い遊技状態としてもよい。
<主制御部メイン処理>
図16を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図16に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、S101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
S102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS103へ進む。
S103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S104では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。S105では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役の内部当選フラグをONにする。S106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
S107では全リール110乃至112の回転を開始させる。S108では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した入賞役がある場合は、その入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
全リール110乃至112が停止するとS109へ進む。S109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
S110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S111では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<スタートレバーユニット135の着脱構造>
スタートレバーユニット135遊技者に操作される頻度が高いため、使用によりメンテナンスが必要となる。このため、本実施形態では、スタートレバーユニット135が前面扉102から着脱自在となっている。以下、その構造を図17及び図18を参照して説明する。図17は前面扉102を開放状態としたスロットマシン100の斜視図、図18(a)は規制部材200の説明図、(b)乃至(d)はスタートレバーユニット135の着脱構造の説明図である。
図18(b)乃至(d)に示すように、本実施形態の場合、スタートレバーユニット135は、前面扉102に設けた開口部(取付孔)102’にその胴部135cを差し込むことで前面扉102に装着する構造としている。装着した状態では、開口部102’はスタートレバーユニット135に塞がれている。
スタートレバーユニット135は、その後端部分に、胴部135cより小径の軸部135aと、軸部135aより大径で胴部135cと同径(又は若干小径)の鍔部135bを有しており、装着状態においてこれらは図17や図18(b)乃至(d)に示すように、前面扉102の背面側に位置している。しかして、規制部材200を軸部135aに装着することで、スタートレバーユニット135が開口部102’からスロットマシン100の正面側へ抜きとられて取り外されることが規制される。
図18(a)に示すように、規制部材200はコの字型をしており、コの字の分岐部分の間に軸部135aを挟むことでスタートレバーユニット135に装着される。なお、規制部材200は前面扉102の背面にスライド可能に支持されている。図18(b)に示すように、規制部材200が軸部135aから取り外された状態(解除位置)においては、スタートレバーユニット135を開口部102’からスロットマシン100の正面側へ抜き取って取り外すことができる。これにより、作業者はスタートレバーユニット135のメンテナンスを行える。
一方、図18(c)や図17に示すように、規制部材200が軸部135aに装着された状態(規制位置)においては、スタートレバーユニット135を開口部102’からスロットマシン100の正面側へ抜き取ろうとすると、鍔部135bが規制部材200にひっかかり、規制部材200が前面扉102の背面にひっかかることで、取り外しが規制される。規制部材200のスライド動作でスタートレバーユニット135の着脱作業が行えるので作業を容易化できる。
図17に示すように本体部101には、ブロック状の解除動作阻止部201が設けられている。規制部材200を規制位置に位置させて前面扉102を閉鎖すると、図17において破線で、また、図18(d)に示すように解除動作阻止部201が規制部材200の側方に位置する。この結果、規制部材200を解除位置に移動させることができなくなり、規制部材200の規制解除動作が阻止される。よって、前面扉102が閉鎖状態にあるときに、不正行為者が規制部材200による規制を解除しよとしてもできず、スタートレバーユニット135が不正に取り外されることを防止できる。
このように本実施形態では、スタートレバーユニット135の着脱作業の容易性を維持しながら、不正な取り外しを防止することができる。また、前面扉102を開放状態から閉鎖する際、規制部材200が解除位置にある場合は規制部材200と解除動作阻止部201とが干渉するため、前面扉102の閉鎖が困難となる。よって、作業者に規制部材200が規制位置に位置していないことを気付かせることができる。
<他の着脱構造の例>
スタートレバーユニット135の着脱構造と同様の考えに基づく着脱構造をスロットマシン100の他の構成部品にも適用可能である。図19(a)及び(b)は基板ケース210の着脱構造の説明図である。基板ケース210は、例えば、液晶表示装置157の制御基板等を収容する。
基板ケース210は、前面扉102の背面に設けられたスロット状の開口部102aに装着され、開口部102aを塞ぐ。開口部102の上縁には、左右にスライド自在な一対の規制部材220が設けられている。基板ケース210の装着方向先端部には上方に突出した突出部211左右に離間して1対が形成されており、その離間間隔は一対の規制部材220の合計幅よりも若干広くなっている。
しかして、図19(b)に示すように、一対の規制部材220を中央に寄せると(解除位置)、突出部211と規制部材220とが干渉しないので基板ケース210を開口部102aに挿脱できる。基板ケース210を開口部102aに装着した状態で一対の規制部材220を左右に離間させると、突出部211と規制部材220とが干渉することで、基板ケース210を開口部102aから取り外すことが規制される。規制部材220のスライド動作で基板ケース210の着脱作業が行えるので作業を容易化できる。
図19(a)に示すように本体部101には、ブロック状の解除動作阻止部221が設けられている。規制部材220を規制位置に位置させて前面扉102を閉鎖すると、解除動作阻止部221は、一対の規制部材220の間に挟まる位置に位置することになる。この結果、規制部材220を解除位置に移動させることができなくなり、規制部材220の規制解除動作が阻止される。よって、前面扉102が閉鎖状態にあるときに、不正行為者が規制部材220による規制を解除しよとしてもできず、基板ケース210が不正に取り外されることを防止できる。
このように本実施形態では、基板ケース210の着脱作業の容易性を維持しながら、不正な取り外しを防止することができる。また、前面扉102を開放状態から閉鎖する際、規制部材220が解除位置にある場合は規制部材220と解除動作阻止部221とが干渉するため、前面扉102の閉鎖が困難となる。よって、作業者に規制部材220が規制位置に位置していないことを気付かせることができる。
<参考例>
上記実施形態では扉体の回動を利用して、規制解除動作を阻止する構成としたが、扉体の回動を利用して構成部品の取り外しの規制そのものを行うこともできる。図20(a)及び(b)は参考例としての取り外し規制構造を示す説明図である。同図のボタンユニット230は、例えば、MAXベットボタン132に代わるボタンであり、図20では不図示の前面扉102にねじ部231aで螺着される。ボタンユニット230は、操作部231と、操作部231を内側から発光させるためのLED基板232と、操作部231がLED基板232を収容した状態で、操作部231の下部に係合し、LED基板232の脱落を防止するキャップ部233と、を備える。
規制部材240は、その先端部がコの字型をなしてボタンユニット230の中間部分を挟み込むようにしてボタンユニット230に装着される部材であり、図20では不図示の本体部101に設けられる。しかして、前面扉102を開放すると図20(b)に示すように、規制部材240がボタンユニット230から離脱し、前面扉102を閉鎖すると図20(a)に示すように、規制部材240がボタンユニット230に装着される。
ボタンユニット230を取り外すためには、ねじ部231aの螺着を解くために、ボタンユニット230を回転させなければならないが、図20(a)に示すように、規制部材240がボタンユニット230に装着されている状況では、規制部材240に規制されてボタンユニット230を回転できない。よって、ボタンユニット230の取り外しが規制される。
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の遊技台は、所定の条件が成立した場合に、第1の遊技状態から遊技者に対する有利度が前記第1の遊技状態よりも高い第2の遊技状態に、遊技状態を移行させる制御部(例えば、主制御部30、300を備えた遊技台において、前記遊技台の本体部(例えば、本体部3、101)に対して回動自在に支持され、メンテナンス時に開放状態とされて前記遊技台の内部のメンテナンスを可能とし、非メンテナンス時に閉鎖状態とされる扉体(例えば、球貯留皿付扉5、前面扉102)と、前記扉体に設けた開口部(例えば、開口部11b(5d)、102’、102a)に着脱自在に装着され、該開口部を塞ぐ遊技台構成部品(例えば、操作ユニット10、スタートレバー135、基板ケース210)と、前記遊技台構成部品が前記開口部から取り外されることを、規制解除可能に規制する規制手段(例えば、規制装置11、規制部材200、220)と、前記本体部に設けられ、前記扉体が閉鎖状態にある場合に前記規制手段の規制解除動作を阻止する解除動作阻止部(例えば、解除動作阻止部13、201、221)と、を備えたことを特徴とする。
この構成により、遊技台構成部品の不正な取り外しを防止することができる。なお、規制状態および規制解除状態のうちの一方から他方に規制手段を変化させる際に工具が不要な構成とすると、遊技台構成部品の交換などメンテナンスのための操作が容易になり、不正防止だけでなくメンテナンス性も向上させることができる場合がある。
また、前記解除動作阻止部が遊技台構成部品及び規制手段とは互いに異なる領域(扉体と本体部)に備えることで、例えば振動しやすい場所(遊技者操作・役物動作等)に遊技台構成部品が備えられ、該振動により規制手段の規制が緩みやすい場合にも解除動作阻止部が別領域に備えられることで、振動が伝達し辛く、規制の緩みによる移動も阻止することが可能となる場合がある。
また、万が一遊技台構成部品が取り外され、不正が行われて再度取り付けられようとしても、扉体が閉鎖状態であれば、解除動作阻止部が取り付けを阻止することができる場合があり、不正行為者が遊技台構成部品を元の位置に戻せずに不正行為を働きづらい場合がある。
また、扉体開放後も規制手段による規制が行われるため、遊技台構成部品を外す契機以外で扉体を開放させた際に遊技台構成部品が外れてしまい作業の邪魔になるようなことが無い場合がある。
なお、前記規制手段は、例えば、前記遊技台構成部品又は前記扉体のいずれか一方に設けることができる。
2.また、上記実施形態の遊技台は、前記遊技台構成部品(例えば、操作ユニット10)は蓋状をなして前記扉体の表側に装着されていることを特徴とする。
この構成により、非常に容易にメンテナンス操作が可能となる場合がある。
3.また、上記実施形態の遊技台は、前記遊技台構成部品は、遊技者が操作可能な操作部(例えば、チャンスボタン10a、スタートレバー135)を有することを特徴とする。
この構成により、壊れやすい部品のメンテナンス操作が非常に容易に行なえる場合がある。
4.また、上記実施形態の遊技台は、前記規制手段は、前記遊技台構成部品の取り外しを規制している場合に位置する第1の位置と、前記遊技台構成部品の取り外しの規制を解除している場合に位置する第2の位置と、で変位する可動部(例えば、操作部11c、規制部材200、220)を備え、開放状態にある前記扉体を、前記可動部が前記第2の位置にあるまま閉鎖状態に回動した場合に、前記可動部が前記本体部に干渉して前記扉体の閉鎖を邪魔することを特徴とする。
この構成により、規制手段を規制状態が解除されたままで、扉体と本体が閉鎖されてしまうことを防止できる場合がある。
5.また、上記実施形態の遊技台は、前記規制手段は、前記遊技台構成部品の取り外しの規制とその解除を手動操作する操作部(例えば、操作部11c)を有し、該操作部が規制位置にある場合に前記遊技台構成部品の取り外しを規制し、解除位置にある場合に規制を解除し、開放状態にある前記扉体を、前記操作部が前記規制位置と前記解除位置との中間の位置にあるまま閉鎖状態に回動した場合に、該回動による付勢で前記操作部を前記規制位置に案内する案内部(例えば、案内部13a)を前記本体部に設けたことを特徴とする。
この構成により、規制動作が不十分なまま扉体と本体部が閉鎖されてしまうことを防止できる場合がある。