JP2011125104A - Ipmモータ用ロータとipmモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度が保障され、しかも、永久磁石からの漏れ磁束を効果的に解消することのできる、IPMモータ用ロータと該ロータを具備するIPMモータを提供する。
【解決手段】円柱状のロータコア10において、その側面に凹溝11が形成されており、凹溝11と非接触の姿勢で、該凹溝11内に配された分割磁石2a,2bを該凹溝11とともに挟持し、鋼板4が積層してなる複数の分割体から構成された抑え材40を備え、積層方向で隣接する分割磁石2a,2bの間、および隣接する分割体40,40の間、のそれぞれに、ロータコアの一部が張り出してなる張り出し箇所12が介層されており、ロータコアの端部に配される2つのエンドプレート30,30により、少なくとも、分割磁石2a,2bと抑え材40が固定されているIPMモータ用ロータ100である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータの内側に配されたロータ内に磁石が埋設されている、IPMモータ用ロータと該ロータを具備するIPMモータに関するものである。
自動車産業においては、ハイブリッド自動車や電気自動車のさらなる走行性能の向上を目指して、駆動用モータの高出力化、軽量化、小型化への開発が日々進められている。また、家電製品メーカーにおいても、各種家電製品に内蔵されるモータのさらなる小型化、高性能化への開発に余念がない。
上記するモータには、ステータ内部に配されたロータが回転するインナーロータ型モータと、ステータの外周に筒状のロータが回転するアウターロータ型モータが存在する。
ところで、インナーロータ型であって、永久磁石がロータ内に埋設されてなるIPMモータにおいては、永久磁石の端部とロータ内周面(ステータに対応する側面)との距離を可及的に狭くすることでこの領域における磁束を流れ難くし、漏れ磁束を低減して磁石の磁束をより有効利用することでモータのトルク性能の向上を図ろうとしている。これを図7を参照して説明すると、ロータR内に平面視でV字状に配された磁石穴E,Eに配された永久磁石に関し、その端部からロータ側面までの領域(領域Aでアウターブリッジと称される)の距離:Lを短くすることにより、漏れ磁束Mを生じ難くするというものである。
しかし、上記のごとく、磁石穴E(永久磁石)の端部からロータ側面までの距離:L、すなわちアウターブリッジの幅を短くすることにより、漏れ磁束は流れ難くなる一方、今度は領域Aが狭くなるためにロータ強度が低下することは理解に易い。特に、この領域Aには、ロータ回転によって永久磁石に遠心力が作用し、この永久磁石の遠心力が直接的に作用する部位であることから、当該領域Aには十分な強度が要求されている。そこで、領域Aを可及的に狭くしながらもその強度を向上させるために、たとえばロータを構成する電磁鋼板自体の強度を向上させようとすると、今度はロータの磁気特性が悪化し、モータのトルク性能を低下させることになってしまう。
そこで、上記する漏れ磁束を低減するべく、隣接する永久磁石同士の間や、永久磁石とロータ端部の間、等に高磁気抵抗部を設けたロータ(回転子)が特許文献1に開示されている。また、他の公開技術として、V字状に配された磁石穴のうち、内側の隙間(センターブリッジと称される)に臨む端辺にネック部を設け、これによって該センターブリッジ部の強度が高められたロータが特許文献2に開示されている。
特開2002−281700号公報 特開2005−57958号公報
特許文献1に開示の回転子によれば、永久磁石側方の鉄心に相対的に高磁気抵抗部を設けることで、このような高磁気抵抗部を具備しない永久磁石に比して、該永久磁石の側方からの漏れ磁束を低減することはできる。また、特許文献2に開示のロータによれば、一見、センターブリッジ部の幅を狭くするネック部を設けたことで遠心力に対するロータコア強度が低下するように考えられるが、実験の結果、逆にロータコア強度が向上するというものである。
しかし、上記するいずれの文献に開示のロータ(回転子)ともに、永久磁石の側方は、依然として鉄心に連通しており、漏れ磁束を完全に解消することはできないことから、この回転子もしくはロータを具備するモータのトルク性能は、漏れ磁束が完全に解消できるロータを具備するモータのトルク性能に比して格段に劣るものである。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、高強度が保障され、しかも、永久磁石からの漏れ磁束を効果的に解消することのできる、IPMモータ用ロータと該ロータを具備するIPMモータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるIPMモータ用ロータは、円柱状のロータコアにおいて、その側面に凹溝が形成されており、前記凹溝と非接触の姿勢で、該凹溝内に配された分割磁石を該凹溝とともに挟持し、鋼板が積層してなる複数の分割体から構成された抑え材を備え、積層方向で隣接する前記分割磁石の間、および隣接する前記分割体の間、のそれぞれに、前記ロータコアの一部が張り出してなる張り出し箇所が介層されており、ロータコアの端部に配される2つのエンドプレートにより、少なくとも前記抑え材が固定されているものである。
本発明のIPMモータ用ロータは、磁極を構成する磁石を非接触で完全に縁切りされたロータコアと抑え材とで挟み、エンドプレートでこれらを締結したものであり、磁石の側方にロータコアが存在しないことで、少なくとも上記するアウターブリッジを完全に廃し、もって、磁石からの漏れ磁束を完全に解消することのできるIPMモータ用ロータである。なお、ここでいう「非接触」とは、分割磁石の側方領域、すなわち、上記するアウターブリッジやセンターブリッジに相当する領域においてロータコアと抑え材が非接触であることを意味しており、ロータコアを構成する張り出し箇所と抑え材(を構成する分割体)とは接触している。
より具体的な構成として、凹溝を有するロータコアにおいて、ロータコアの一部がこの凹溝内に張り出してなる張り出し箇所を複数設けておき、隣接する張り出し箇所の間の隙間に分割磁石を介装し、鋼板が積層してなる複数の分割体を介装することで、ロータコアの凹溝壁面と分割体にて分割磁石を挟み込んで固定するとともに、分割体は、その両端(上下)のロータコアの張り出し箇所にて挟み込まれて固定される構造を呈するものである。たとえば、ロータコアの周方向に設けられ、その全高さに亘って形成された凹溝から、薄板状の張り出し箇所がロータコアの高さ方向に所定の間隔を置いて複数設けられた構成を挙げることができる。
また、ロータコアに形成される凹溝の形状は任意であるが、たとえば平面視矩形の永久磁石がVの字配置でロータコア内に固定されて一つの磁極を形成する形態においては、略円弧状の側面(直線部と湾曲部が連続した複合面)を有する凹溝を形成しておき、抑え材の形状も、双方がVの字配置の2つの永久磁石を挟んだ姿勢において、この凹溝の形状に対応する略円弧状の側面と、ロータコアの外周面となる側面を有する円弧状の側面と、を有する形態を適用できる。本発明のロータの構造を適用することで、2つの永久磁石とロータコアの端部の間のアウターブリッジに加えて、2つの永久磁石間のセンターブリッジも廃することができる。
ここで、永久磁石よりもステータ側となる抑え材は、モータ駆動時にトルクに寄与する磁束(ティースから抑え材を通って隣接ティースに向かうリラクタンストルクに寄与する磁束や、永久磁石側面からステータ側に向かう磁束)が通過する領域であるとともに、磁束の変動も激しい一方で、永久磁石よりもロータコアの内側領域(ここでは、凹溝が形成されたロータコア本体)は、上記する磁束変動もなく、この領域の磁気特性がモータのトルク性能等に与える影響は極めて低い。そこで、抑え材は、電磁鋼板もしくは高グレード電磁鋼板等の鋼板が積層した構造を適用する一方で、ロータコアは、コア自体の剛性を確保できればよく、磁束の流れを考慮すれば抑え材に比して高い磁気特性は要求されないことを考慮して、たとえば鋳鉄系磁性材料から一体成形したり(薄板状で凹溝内に張り出す張り出し箇所も一体に成形される)、抑え材よりも磁気特性が劣る鋼板を積層してなる鋼板積層体から形成するのが経済的である。なお、「鋳鉄系磁性材料」とは、鉄を主成分とした炭素含有の材料のことであり、その一例として鋳鉄や鋼を挙げることができ、さらには、これに添加元素である、ケイ素、ニッケル、コバルト、アルミニウム、バナジウム、ボロン(ホウ素)、タングステン、モリブデン、チタン及びリンなどを含む材料であり、電磁鋼板等に比して廉価であり、これを使用して鋳造することで、多様な形状のコア体(ロータコア)を容易に成形することができる。
ロータコアの凹溝内に張り出した複数の張り出し箇所の間に、分割磁石と抑え材を構成する分割体を配し、ロータコアの両端部を、たとえば、非磁性素材であるアルミニウムや銅、それらの合金、真鍮などから形成されるエンドプレートにて挟み込み、全体をかしめる等することにより、本発明のIPMモータ用ロータが形成される。
このロータでは、既述するように、従来構造のロータが有するアウターブリッジ等を廃することができるため、分割磁石(永久磁石)からの漏れ磁束を完全に解消することができ、もって、回転効率に優れ、トルク性能、回転性能に優れたIPMモータに供することができる。
加えて、ロータコアと抑え材の間に介層される磁石が分割磁石であることより、分割磁石でない一般の永久磁石に比して磁束通過面積を狭小化でき、磁石内に生じ得る渦電流の低減をも図ることができるものである。
ここで、ロータコアの前記張り出し箇所と、前記分割体および前記分割磁石とが、接着固定されている形態であってもよい。
エポキシ系接着剤等の耐熱性に優れた接着剤にて、ロータコアの張り出し箇所と抑え材の分割体、張り出し箇所と分割磁石のそれぞれが接着固定されていることで、かしめ等の際に鋼板積層体からなる抑え材の各鋼板に過度の応力が作用し、鋼板の磁気特性を低下させてしまうといった問題は生じ得ない。
また、抑え材をエンドプレートによって固定する際の固定強度を一層高めるための方策として、前記抑え材およびロータコアの前記張り出し箇所が位置決めされた姿勢において、これらを貫く貫通孔が形成されて前記2つのエンドプレート側の両端に臨んでおり、前記貫通孔に棒材が貫挿され、該棒材が前記2つのエンドプレートに固定されている形態であってもよい。
たとえば、エンドプレートに貫通孔を開設しておき、少なくとも、各分割体の合計厚および各張り出し箇所の合計厚の総厚よりも長い棒材を該抑え材に形成された貫通孔に挿通させ、抑え材のエンドプレート側端面から突出する棒材の端部をエンドプレートの貫通孔に挿通する等の形態を挙げることができる。
そして、上記する棒材は、相対的に小断面の線材が束ねられたもの、もしくは、相対的に小断面の面材が積層されたもの、のいずれか一方であるのが好ましい。小断面の線材もしくは面材から形成されていることにより、この棒材を磁束が通過する際の通過面積を可及的に小さくでき、生じ得る鉄損を抑制できるためである。
たとえば、電磁鋼板を積層して棒材を形成し、この積層方向が抑え材の長手方向(棒材の挿通方向)に直交する方向となるようにし、さらに、各電磁鋼板の積層面がステータ側に沿うようにして(ロータコアの径方向)当該棒材を貫通孔に挿通させることで、鉄損の防止に加えて、棒材の最も高い断面剛性(曲げ剛性)を期待することができる。すなわち、2つのエンドプレートでその両端が拘束された棒材に関し、ロータ回転時に永久磁石に作用する遠心力が外力として抑え材を介して棒材に作用する場合において、最も高い曲げ剛性断面にてこの外力に抗し得ることができる。
なお、上記のごとく、棒材にて抑え材とエンドプレートを固定する形態においては、前記抑え材のうち、該抑え材の内部の磁束流れと干渉しない位置に前記棒材が配設されているのが望ましい。
以上の説明から理解できるように、本発明のIPMモータ用ロータとこれを具備するIPMモータによれば、ロータの外周と磁石(永久磁石)との間のブリッジ部(アウターブリッジ)を完全に廃すことができ、2つの永久磁石がVの字配置で一つの磁極を形成する形態においては、さらにセンターブリッジをも廃することができるため、ロータコアの十分な強度(剛性)を確保しながら、磁石からの漏れ磁束を完全に抑止でき、もってトルク性能に優れたIPMモータを得ることができる。
本発明のIPMモータ用ロータの一実施の形態の分解斜視図である。 図1のロータの組立て斜視図である。 本発明のIPMモータ用ロータの他の実施の形態の分解斜視図である。 図3のロータの組立て斜視図である。 図4のロータにおいて、抑え材における棒材の平面的な配設位置を説明した図である。 本発明のロータを具備するモータの解析モデル(実施例)と、従来構造のロータを具備するモータの解析モデル(比較例)の各トルクを比較した磁場解析結果である。 従来のインナーロータ型IPMモータ用ロータにおいて、永久磁石からの漏れ磁束を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示するロータは、2つの永久磁石(分割磁石)がVの字状に配されて一つの磁極を形成するものであるが、一つの磁極を形成する一つの永久磁石(分割磁石)が不図示のステータのティースに正対し、これがロータコアの周方向に磁極数だけ配設されたロータであってもよいことは勿論のことである。
図1は、本発明のIPMモータ用ロータの一実施の形態の分解斜視図、図2は、図1のロータの組立て斜視図であり、図3は、図1に対応する形で本発明のIPMモータ用ロータの他の実施の形態の分解斜視図、図4は、図3のロータの組立て斜視図である。
図1,2で示すロータ100は、鋳鉄系磁性材料が一体成形されてなるロータコア10と、このロータコア10の側面であってその周方向に複数設けられた凹溝11,…と、それぞれの凹溝11内に配設される複数の分割磁石2a,2b(これで1つの磁極20を形成)と、凹溝11の側面との間で分割磁石2a,2bを挟み込んで固定する抑え材40(を構成する分割体)と、分割磁石2a,2b、抑え材40を位置決め固定するとともにロータ構成部材を一体に形成するためのエンドプレート30,30と、から大略構成されている。そして、このロータ100を構成するエンドプレート30の中央に開設されたシャフト孔、ロータコア10の中央に開設されたシャフト孔10aが図2で示すロータ完成形において同軸に位置決めされ、これに回転シャフトが挿通されるようになっている。
ここで、ロータコア10を形成する鋳鉄系磁性材料としては、たとえば鉄を主成分とした炭素含有の材料のことであり、その一例として鋳鉄や鋼を挙げることができ、さらには、これに添加元素である、ケイ素、ニッケル、コバルト、アルミニウム、バナジウム、ボロン(ホウ素)、タングステン、モリブデン、チタン及びリンなどを含む材料である。このような材料が成形型内で加圧成形されてロータコア10が成形される。
また、抑え材40を構成する各分割体は、電磁鋼板4,…が積層してなる鋼板積層体から形成されている。ステータ側へ発生する磁石の磁束等が通過する抑え材40を磁気特性に優れた電磁鋼板積層体から形成し、磁束変動がほとんどなく、トルクに寄与する磁束の通過もほとんどないロータコア10を比較的安価な鋳鉄等から成形することで、磁気特性に優れ(したがってモータのトルク性能が高い)、可及的に安価なIPMモータ用ロータ100を製作することができる。
ここで、ロータコア10の凹溝11内には、複数の板状の張り出し箇所12が張り出しており、この張り出し箇所12と分割磁石2a,2bが耐熱性能に優れたエポキシ系接着剤にて接着され、さらに、これら分割磁石2a,2bをロータコア10とともに挟持する抑え材40も、この張り出し箇所12と接着固定される。また、図2で示すロータの完成形において、エンドプレート30と、コアの端部に位置する分割磁石2a,2bおよび抑え材40もまた、接着固定されている。
なお、接着剤によって各部材を接着固定する形態のほかにも、たとえば図2で示すロータの完成形において、両端のエンドプレート30,30間をかしめる等することで、構成部材全体の一体化が図られる形態であってもよい。
通常一般の円筒状のロータコアに比して、図示するロータコア10が凹溝11やこの凹溝11内に延びる張り出し箇所12を有する複雑な形状を呈しているものであっても、このロータコア10は上記する鋳鉄系磁性材料等で一体に成形されることより、ロータコア10専用の成形型が作成されてしまえば、その製造は何等困難なものとはならない。
図1,2で示すロータ100によれば、各磁極を形成する分割磁石2a,2b間のセンターブリッジ、分割磁石2a,2bの端部とロータコアの間のアウターブリッジがともに廃されていることで、従来構造のロータが有している課題、すなわち、各ブリッジを介して永久磁石からロータコア内へ磁束が漏れ、この漏れ磁束によってモータ効率やモータトルクが低下するといった課題は効果的に解消される。さらに、磁極を形成する磁石が分割磁石であることより、磁束通過面積を可及的に狭小化して渦電流損失の低減を図ることもできる。これらの相互作用により、従来構造のロータを具備するIPMモータに比して、トルク性能、回転性能、および回転効率に優れたIPMモータの製造に寄与することができる。
加えて、各分割磁石2a,2bはその内側のロータコア10とその外側の抑え材40(を構成する分割体)とで挟み込まれ、これらはエンドプレート30、30にて強固に一体化されることから、ブリッジレス構造であってもロータ100の強度は十分に保障される。
次に、図3,4で示す他の実施の形態のロータを概説する。このロータ100Aと図1,2で示すロータ100の構成上の相違点は、分割磁石2a,2bをロータコア10とともに挟持する抑え材40Aを、棒材50を介してエンドプレート30Aに固定する構成を適用した点である。
より具体的には、抑え材40Aを構成する各分割体の適所に貫通孔4aを開設しておき、ロータ完成形においてこの貫通孔4aに対応するエンドプレート位置にも固定孔32を開設しておき、これら貫通孔4a、固定孔32から形成される貫通孔に棒材50を挿通して全体の一体化を図るものである。
ここで、棒材50は、電磁鋼板5,…を積層した鋼板積層体であり、これを抑え材40Aに開設された貫通孔4aに挿通する際に、その電磁鋼板5の広幅面がロータコア10の径方向、すなわち、ステータ側に沿う方向に配設されるようにして挿通される。
このような配設態様で棒材50が貫通孔4a内に挿通されることで、ロータ回転時に永久磁石2a,2bに遠心力が作用し、これが抑え材40Aを介して棒材50に作用した際の、該棒材50における最も高い曲げ剛性を期待することができる。
そして、抑え材40Aにおける貫通孔4aの最適な開設位置、言い換えれば、抑え材40Aにおける棒材50の最適な挿通位置は、図5で示すように、各分割磁石2a,2bから不図示のステータ側に流れる磁束Jの束と干渉しない位置(図中の、非干渉位置HA)に設定されているのが望ましい。
[本発明のロータを具備するモータの解析モデル(実施例)と、従来構造のロータを具備するモータの解析モデル(比較例)の各トルクを比較した磁場解析とその結果]
本発明者等は、図2で示す本発明のロータを具備するモータの解析モデル(実施例)と、従来構造のロータ(図7で模式的に示すブリッジ部が存在するロータ)を具備するモータの解析モデル(比較例)をそれぞれコンピュータ内で形成し、1Tで周波数が1000Hzの磁気を作用させた磁場解析をおこない、双方の最大トルクを求めて比較した。その結果を図6に示している。なお、同図では、比較例の最大トルクを1に正規化し、実施例のトルクをそれに対する比率で示している。
同図より、比較例に比して実施例は、トルクが10%も向上することが実証されている。
以上の解析結果等より、本発明のIPMモータ用ロータを具備するモータでは、従来構造のモータに比してトルクが10%程度も向上すること、ロータコアの多くの部分を可及的に安価な鋳鉄等で成形できることでその全体の製造コストも安価となること、という多くの効果が奏されるものである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
10…ロータコア、11…凹溝、12…張り出し箇所、12a…孔、2…分割磁石(永久磁石)、20…磁極、30,30A…エンドプレート、31…シャフト孔、32…固定孔、4…電磁鋼板、4a…貫通孔、40,40A…抑え材(の分割体)、5…電磁鋼板、50…棒材、100,100A…IPMモータ用ロータ

Claims (7)

  1. 円柱状のロータコアにおいて、その側面に凹溝が形成されており、
    前記凹溝と非接触の姿勢で、該凹溝内に配された分割磁石を該凹溝とともに挟持し、鋼板が積層してなる複数の分割体から構成された抑え材を備え、
    積層方向で隣接する前記分割磁石の間、および隣接する前記分割体の間、のそれぞれに、前記ロータコアの一部が張り出してなる張り出し箇所が介層されており、
    ロータコアの端部に配される2つのエンドプレートにより、少なくとも前記抑え材が固定されている、IPMモータ用ロータ。
  2. 前記抑え材は、前記ロータコアに比して、相対的に高い磁束密度を有するものである、請求項1に記載のIPMモータ用ロータ。
  3. 前記ロータコアの前記張り出し箇所と、前記分割体および前記分割磁石と、が接着固定されている、請求項1または2に記載のIPMモータ用ロータ。
  4. 前記抑え材およびロータコアの前記張り出し箇所が位置決めされた姿勢において、これらを貫く貫通孔が形成されて前記2つのエンドプレート側の両端に臨んでおり、
    前記貫通孔に棒材が貫挿され、該棒材が前記2つのエンドプレートに固定されている、請求項1または2に記載のIPMモータ用ロータ。
  5. 前記棒材は、相対的に小断面の線材が束ねられたもの、もしくは、相対的に小断面の面材が積層されたもの、のいずれか一方である、請求項4に記載のIPMモータ用ロータ。
  6. 前記抑え材のうち、該抑え材の内部の磁束流れと干渉しない位置に前記棒材が配設されている、請求項4または5に記載のIPMモータ用ロータ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のロータと、その外側に配されたステータと、からなる、IPMモータ。
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