JP2011122993A - 光学式エンコーダ用反射板およびその製造方法 - Google Patents

光学式エンコーダ用反射板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学式エンコーダ用反射板において、信号光の反射精度を長期にわたって維持し、生産性を高め、製造コストを削減する。
【解決手段】光学式エンコーダ用反射板1は、信号光を受ける鏡面状の表面2bと、この表面2bの反対側に位置する鏡面状の裏面2cとが形成された板状の透明基材2を有している。透明基材2の裏面2cに高反射率層5の反射パターンが設けられ、透明基材2の裏面2cに低反射率層3が高反射率層5を被覆するように設けられている。これにより、高反射率層5が透明基材2および低反射率層3によって挟み込まれる形で保護され、信号光の反射精度を長期にわたって維持することができる。また、低反射率層3の形成を塗装によって行うことにより、光学式エンコーダ用反射板1の生産性を高め、その製造コストを削減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンコーダディスクに反射領域と非反射領域とを設け、この反射領域で反射する信号光を受光素子で検出することにより、被検体の回転角度や移動距離を計測する反射型の光学式エンコーダに用いられる反射板、つまり光学式エンコーダ用反射板に関するものである。
従来、この種の光学式エンコーダ用反射板としては、図4(f)に示すように、ガラス板2の表面2bに非反射膜3および反射膜5を順に積層した光学式エンコーダ用反射板1が多用されていた(例えば、特許文献1参照)。
そして、このような構成の光学式エンコーダ用反射板1を製造する際には、図4(a)〜(f)に示すように、レジストプロセス、エッチング処理および真空プロセスを用いていた。
すなわち、まず、図4(a)に示すように、ガラス板2の表面2bに、真空蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスによって非反射膜3を形成した後、図4(b)に示すように、非反射膜3の上側に、真空蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスによって反射膜5を形成する。次に、図4(c)に示すように、反射膜5の上側にフォトレジスト膜6を形成した後、フォトマスク(図示せず)を介してフォトレジスト膜6を露光する。その後、フォトレジスト膜6を現像することにより、図4(d)に示すように、フォトレジスト膜6の一部を除去してレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして反射膜5にエッチング処理を施すことにより、図4(e)に示すように、非反射膜3の一部を露出させる。最後に、図4(f)に示すように、フォトレジスト膜6の残部を除去して反射膜5を露出させる。
特開2007−121142号公報(段落〔0013〕の欄、図2)
しかしながら、このような構成を有する光学式エンコーダ用反射板1の反射膜5は、ガラス板2の表面2b側に露出しているため、外部から損傷を受けやすいばかりか、金属製であれば外気に触れて酸化される等して腐食しやすい。したがって、この光学式エンコーダ用反射板1は、反射膜5の安定性および耐久性に劣り、反射膜5による信号光の反射精度を長期にわたって維持できなくなる恐れがあるという欠点があった。
また、光学式エンコーダ用反射板1の製造に際しては、レジストプロセスとエッチング処理の他に、真空プロセスが2工程(非反射膜3の形成工程および反射膜5の形成工程)も必要となる。その結果、製造プロセスが必然的に長くなるため、生産性が低く、製造コストが高騰するという不都合があった。
本発明は、このような事情に鑑み、信号光の反射精度を長期にわたって維持することが可能な光学式エンコーダ用反射板を提供することを第1の目的とし、生産性を高め、製造コストを削減することが可能な光学式エンコーダ用反射板の製造方法を提供することを第2の目的とする。
本発明に係る第1の光学式エンコーダ用反射板(1)は、信号光を受ける鏡面状の表面(2b)と、この表面の反対側に位置する鏡面状の裏面(2c)とが形成された板状の透明基材(2)を有し、前記透明基材の裏面に高反射率層(5)の反射パターンが設けられ、前記透明基材の裏面に低反射率層(3)が前記高反射率層を被覆するように設けられている光学式エンコーダ用反射板としたことを特徴とする。
本発明に係る光学式エンコーダ用反射板の製造方法は、上記の光学式エンコーダ用反射板(1)の製造方法であって、透明基材(2)の裏面(2c)に高反射率層(5)を形成して反射パターンを形成する高反射率層形成工程と、前記透明基材の裏面に低反射率層(3)を前記高反射率層を被覆するように塗装によって形成する低反射率層形成工程とが含まれる光学式エンコーダ用反射板の製造方法としたことを特徴とする。
なお、ここでは、本発明をわかりやすく説明するため、実施の形態を表す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施の形態に限定されるものでないことは言及するまでもない。
本発明のうち光学式エンコーダ用反射板の発明によれば、高反射率層が透明基材および低反射率層によって挟み込まれる形で保護されているため、信号光の反射精度を長期にわたって維持することが可能となる。
また、本発明のうち光学式エンコーダ用反射板の製造方法の発明によれば、低反射率層の形成が塗装によって行われることから、製造プロセスを短縮することができるため、生産性を高め、製造コストを削減することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る光学式エンコーダ用反射板を示す図であって、(a)はその平面図、(b)は(a)のA−A線による断面図である。 同実施の形態1に係る光学式エンコーダ用反射板の製造方法を示す工程図であって、(a)はフォトレジスト形成工程の断面図、(b)は露光工程の断面図、(c)は現像工程の断面図、(d)は反射膜形成工程の断面図、(e)はレジスト剥離工程の断面図、(f)は非反射膜形成工程の断面図である。 本発明の実施の形態2に係る光学式エンコーダ用反射板の製造方法を示す工程図であって、(a)はフォトレジスト形成工程の断面図、(b)は露光工程の断面図、(c)は現像工程の断面図、(d)は反射膜形成工程の断面図、(e)はレジスト剥離工程の断面図、(f)は非反射膜形成工程の断面図である。 従来の光学式エンコーダ用反射板の製造方法を示す工程図であって、(a)は非反射膜形成工程の断面図、(b)は反射膜形成工程の断面図、(c)はフォトレジスト形成工程の断面図、(d)はパターン形成工程の断面図、(e)はエッチング処理工程の断面図、(f)はパターン除去工程の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係る図である。この実施の形態1では、透明基材としてガラス板2を用い、低反射率層として非反射膜3を用い、高反射率層として反射膜5を用いている。
この実施の形態1に係る光学式エンコーダ用反射板1は、図1に示すように、円盤状のガラス板2を有しており、ガラス板2の中心には円形の軸孔2aが貫通して形成されている。このガラス板2は、表面2bおよび裏面2cがいずれも鏡面状となっている。また、ガラス板2の周縁部の裏面には、アルミニウムからなる多数個の長方形の反射膜5が所定の反射パターン(エンコーダパターン)を形成するように互いに所定の間隔を置いて円周上に配置されているとともに、これらの反射膜5を被覆するように円環状の非反射膜3が形成されている。ここで、非反射膜3は、高分子材料に光吸収剤(着色剤)、つや消し剤が配合された組成物である黒色樹脂塗料で構成されている。
そして、以上のような構成を有する光学式エンコーダ用反射板1を製造する際には、次の手順による。
まず、フォトレジスト形成工程で、図2(a)に示すように、ガラス板2の裏面2cにフォトレジスト膜6を形成する。それには、例えば、スピンコーター、スリットコーターなどの塗工装置(図示せず)を用いて、ガラス板2の裏面2cにポジ型のフォトレジストを一様に塗布する。すると、ガラス板2の裏面2cにフォトレジスト膜6が形成された状態となる。
次に、露光工程に移行し、図2(b)に示すように、フォトレジスト膜6の一部(反射膜5に対応する部位)を露光する。それには、例えば、光学式エンコーダ用反射板1の反射パターンとは逆のパターンを形成するようにクロム7bが石英ガラス基板7aに貼付されたフォトマスク7を用意し、このフォトマスク7をフォトレジスト膜6の裏側に密着させて取り付け、この状態で、水銀ランプ9を用いてフォトマスク7の下方からg線(波長436nm)を所定の時間だけ照射した後、フォトマスク7を取り外す。すると、フォトレジスト膜6の一部(反射膜5に対応する部位)が露光された状態となる。
その後、現像工程に移行し、所定の現像液を用いてフォトレジスト膜6を現像する。すると、図2(c)に示すように、フォトレジスト膜6の一部(露光部位)が除去されてガラス板2の裏面2cの一部が露出し、ガラス板2上にレジストパターンが形成された状態となる。
次に、反射膜形成工程に移行し、図2(d)に示すように、真空蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスにより、ガラス板2の裏面2cおよびフォトレジスト膜6の裏側に反射膜5を形成する。これにより、ガラス板2上に所定の反射パターンが形成される。ここで、反射膜5は、ガラス板2の裏面2cに形成すれば十分であり、フォトレジスト膜6の裏側に形成する必要はない。
次いで、レジスト剥離工程に移行し、図2(e)に示すように、フォトレジスト膜6をガラス板2から剥離する。それには、フォトレジスト膜6をアセトン(レジスト剥離液)に所定の時間だけ浸漬する。すると、フォトレジスト膜6がガラス板2から剥離される。その結果、ガラス板2の裏面2cの一部にのみ反射膜5が残存した状態となる。
最後に、非反射膜形成工程に移行し、図2(f)に示すように、ガラス板2の裏面2cに、反射膜5を被覆する形で非反射膜3を塗装によって形成する。それには、まず、主剤および硬化剤からなる二液型のポリマーを用意し、この主剤に光吸収剤、つや消し剤を添加した後、硬化剤を混合することにより、流動状態の非反射膜3を調製する。そして、この非反射膜3を流動状態のままガラス板2の裏面2cに塗装してから硬化させる。
このとき、非反射膜3の塗装の具体的手法としては、エアースプレー方法、超音波スプレー方法、スピンコーティング方法、ディッピング方法、スリットコーター方法のほか、メッシュを介して塗装する方法や、パッドを使って塗装する方法など各種の方法を採用することができる。
この非反射膜形成工程においては、反射膜5を含めてガラス板2の裏面2cに非反射膜3を塗装することが許されるので、非反射膜3の形成作業を迅速かつ低廉に実施することができる。
ここで、光学式エンコーダ用反射板1の製造が終了し、光学式エンコーダ用反射板1が得られる。
このようにして製造された光学式エンコーダ用反射板1においては、図1(b)に示すように、すべての反射膜5がガラス板2および非反射膜3によって挟み込まれる形で保護されている。したがって、これらの反射膜5は、外部から損傷を受けたり、外気に触れて酸化される等して腐食したりする事態の発生を回避することができる。その結果、反射膜5の安定性および耐久性を向上させ、反射膜5による信号光の反射精度を長期にわたって維持することが可能となる。
また、この光学式エンコーダ用反射板1では、上述したとおり、ガラス板2が鏡面状の表面2bを有しているので、このガラス板2の表面2bにおける信号光の乱反射を防ぎ、光学式エンコーダ用反射板1として十全に機能させることができる。
さらに、この光学式エンコーダ用反射板1では、上述したとおり、ガラス板2が鏡面状の裏面2cを有しているので、この裏面2c上に形成された反射膜5の反射面(図1(b)上面)は、ガラス板2の裏面2cと同程度に平滑となる。そのため、信号光が反射膜5の反射面で反射するときに、ノイズ光を低減して反射光を強くし、光学式エンコーダ用反射板1として十全に機能させることができる。これに対して、図4(f)に示すように、ガラス板2の表面2bに非反射膜3および反射膜5が順に積層された従来の光学式エンコーダ用反射板1では、ガラス板2と反射膜5との間に非反射膜3が介在しているため、たとえガラス板2の表面2bが鏡面状であっても、反射膜5の反射面が平滑になる保証がない。したがって、信号光が反射膜5の反射面で反射するときに、ノイズ光が増大して反射光が弱くなり、光学式エンコーダ用反射板1として十全に機能しなくなる恐れがある。
しかも、この光学式エンコーダ用反射板1では、非反射膜3が主に高分子材料から構成されているので、非反射膜3は、耐水性に優れると同時に吸水性が低いことから、反射膜5による反射率の経年変化を抑制することができる。また、この非反射膜3には光吸収剤が含まれているため、非反射膜3に入射した信号光をこの光吸収剤で吸収することにより、ノイズ光を低減することができる。さらに、この非反射膜3にはつや消し剤が含まれているため、非反射膜3に入射した信号光の反射率を低下させることにより、ノイズ光を低減することができる。
また、光学式エンコーダ用反射板1の製造に際しては、レジスト剥離工程において、レジスト剥離液としてアセトンを用いたので、アルカリ溶液を現像液として使用する場合と異なり、アルミニウム製の反射膜5を侵食することなくフォトレジスト膜6を溶解することができる。
さらに、非反射膜形成工程においては、非反射膜3が塗装によって形成されるため、レジストプロセスとエッチング処理の他に、真空プロセスが1工程(反射膜形成工程)で済む。その結果、2工程の真空プロセスを必要とする従来の製造方法に比べて、光学式エンコーダ用反射板1の製造プロセスを短縮することができるため、生産性を高め、製造コストを削減することができる。
また、非反射膜形成工程において非反射膜3を調製する際に、硬化剤を使用したので、非反射膜3の調製作業を簡便かつ迅速に行うことができる。
その上、フォトレジスト形成工程においては、ポジ型のフォトレジストを用いたので、ネガ型のフォトレジストを用いる場合と違って、現像工程において現像液として有機溶媒を使う必要がない。そのため、環境保全や取扱い容易性の点で優れる。
[発明の実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2に係る図である。
この実施の形態2では、光学式エンコーダ用反射板1の製造におけるフォトレジスト形成工程において、ポジ型のフォトレジストに代えてネガ型のフォトレジストを用いた点を除き、上述した実施の形態1と同じ構成を有している。
すなわち、光学式エンコーダ用反射板1の製造に際しては、フォトレジスト形成工程で、図3(a)に示すように、ガラス板2の裏面2cにフォトレジスト膜6を形成する。それには、例えば、スピンコーター、スリットコーターなどの塗工装置(図示せず)を用いて、ガラス板2の裏面2cにネガ型のフォトレジストを一様に塗布する。すると、ガラス板2の裏面2cにフォトレジスト膜6が形成された状態となる。
次に、露光工程に移行し、図3(b)に示すように、フォトレジスト膜6の一部(反射膜5に対応する部位を除く部位)を露光する。それには、例えば、光学式エンコーダ用反射板1の反射パターンに合致するパターンを形成するようにクロム7bが石英ガラス基板7aに貼付されたフォトマスク7を用意し、このフォトマスク7をフォトレジスト膜6の裏側に密着させて取り付け、この状態で、水銀ランプ9を用いてフォトマスク7の下方からg線(波長436nm)を所定の時間だけ照射した後、フォトマスク7を取り外す。すると、フォトレジスト膜6の一部(反射膜5に対応する部位を除く部位)が露光された状態となる。
その後、現像工程に移行し、所定の現像液を用いてフォトレジスト膜6を現像する。すると、図3(c)に示すように、フォトレジスト膜6の一部(非露光部位)が除去されてガラス板2の裏面2cの一部が露出し、ガラス板2上にレジストパターンが形成された状態となる。
次に、反射膜形成工程に移行し、図3(d)に示すように、真空蒸着やスパッタリングなどの真空プロセスにより、ガラス板2の裏面2cおよびフォトレジスト膜6の裏側に反射膜5を形成する。これにより、ガラス板2上に所定の反射パターンが形成される。ここで、反射膜5は、ガラス板2の裏面2cに形成すれば十分であり、フォトレジスト膜6の裏側に形成する必要はない。
次いで、レジスト剥離工程に移行し、上述した実施の形態1と同じ手順により、図3(e)に示すように、フォトレジスト膜6をガラス板2から剥離する。その結果、ガラス板2の裏面2cの一部にのみ反射膜5が残存した状態となる。
最後に、非反射膜形成工程に移行し、上述した実施の形態1と同じ手順により、図3(f)に示すように、ガラス板2の裏面2cに、反射膜5を被覆する形で非反射膜3を塗装によって形成する。
ここで、光学式エンコーダ用反射板1の製造が終了し、光学式エンコーダ用反射板1が得られる。
このようにして製造された光学式エンコーダ用反射板1においては、上述した実施の形態1と同様に、すべての反射膜5がガラス板2および非反射膜3によって挟み込まれる形で保護されている。したがって、これらの反射膜5は、外部から損傷を受けたり、外気に触れて酸化される等して腐食したりする事態の発生を回避することができる。その結果、反射膜5の安定性および耐久性を向上させ、反射膜5による信号光の反射精度を長期にわたって維持することが可能となる。
また、この光学式エンコーダ用反射板1では、ガラス板2が鏡面状の表面2bを有しているので、このガラス板2の表面2bにおける信号光の乱反射を防ぎ、光学式エンコーダ用反射板1として十全に機能させることができる。
さらに、この光学式エンコーダ用反射板1では、ガラス板2が鏡面状の裏面2cを有しているので、この裏面2c上に形成された反射膜5の反射面は、ガラス板2の裏面2cと同程度に平滑となる。そのため、信号光が反射膜5の反射面で反射するときに、ガラス板2の表面2bに非反射膜3および反射膜5が順に積層された従来の光学式エンコーダ用反射板1と異なり、ノイズ光を低減して反射光を強くし、光学式エンコーダ用反射板1として十全に機能させることができる。
しかも、この光学式エンコーダ用反射板1では、非反射膜3が主に高分子材料から構成されているので、非反射膜3は、耐水性に優れると同時に吸水性が低いことから、反射膜5による反射率の経年変化を抑制することができる。また、この非反射膜3には光吸収剤が含まれているため、非反射膜3に入射した信号光をこの光吸収剤で吸収することにより、ノイズ光を低減することができる。さらに、この非反射膜3にはつや消し剤が含まれているため、非反射膜3に入射した信号光の反射率を低下させることにより、ノイズ光を低減することができる。
また、光学式エンコーダ用反射板1の製造に際しては、レジスト剥離工程において、レジスト剥離液としてアセトンを用いたので、アルカリ溶液を現像液として使用する場合と異なり、アルミニウム製の反射膜5を侵食することなくフォトレジスト膜6を溶解することができる。
さらに、非反射膜形成工程においては、非反射膜3が塗装によって形成されるため、レジストプロセスとエッチング処理の他に、真空プロセスが1工程(反射膜形成工程)で済む。その結果、2工程の真空プロセスを必要とする従来の製造方法に比べて、光学式エンコーダ用反射板1の製造プロセスを短縮することができるため、生産性を高め、製造コストを削減することができる。
また、非反射膜形成工程において非反射膜3を調製する際に、硬化剤を使用したので、非反射膜3の調製作業を簡便かつ迅速に行うことができる。
[発明のその他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態1、2では、透明基材としてガラス板2を用いる場合について説明したが、ガラス板2以外の透明基材(例えば、アクリルやポリカーボネートからなる樹脂板など)を代用または併用することもできる。
また、上述した実施の形態1、2では、低反射率層として非反射膜3を用いるとともに、高反射率層として反射膜5を用いる場合について説明した。しかし、低反射率層および高反射率層の反射率は、必ずしもそれぞれ0%および100%とする必要はなく、光学式エンコーダ用反射板1に要求される反射率に応じて適切な数値(例えば、5%および80%、10%および95%など)を設定すればよい。
また、上述した実施の形態1、2では、1種類の高分子材料を含む非反射膜3を用いる場合について説明したが、2種類以上の高分子材料を含む非反射膜3を代用しても構わない。
また、上述した実施の形態1、2では、非反射膜3を形成する際に、主剤および硬化剤からなる二液型のポリマーを使用する場合について説明した。しかし、紫外線硬化型の高分子材料を代用することにより、紫外線照射によって非反射膜3の形成作業を簡便に行うことも可能である。
さらに、上述した実施の形態1、2では、反射膜5の材料がアルミニウムである場合について説明したが、反射膜5の材料は、所定の反射特性を発現するものである限り、アルミニウム以外(例えば、銀、クロムなど)であっても構わない。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
上述した実施の形態1に示す手順により、光学式エンコーダ用反射板を製造した。
この実施例1では、透明基材として、鏡面ガラス基板製の円板状部材(直径24mm、厚さ4mm)を使用し、フォトレジスト形成工程において使用するポジ型のフォトレジストとして、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製のフォトレジスト「AZ3100」を使用し、現像工程において使用する現像液として、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製の現像液「AZ300MIF」を用い、レジスト剥離工程において使用するレジスト剥離液として、アセトンを用い、非反射膜形成工程において使用する塗料として、日本特殊塗料(株)製の塗料「エポラ2000N」を用いた。
すなわち、まず、フォトレジスト形成工程で、鏡面ガラス基板製の円板状部材(直径24mm、厚さ4mm)の裏面にAZエレクトロニックマテリアルズ(株)製のフォトレジスト「AZ3100」をスピンナーで一様に塗布した。その後、100℃で1分間加熱処理を施して、プレベークを行なった。このようにして、円板状部材の裏面にフォトレジスト膜を形成した。
次に、露光工程に移行し、光学式エンコーダ用反射板の反射パターンとは逆のパターンを形成するようにクロムが石英ガラス基板に貼付されたフォトマスクをフォトレジスト膜の裏側に密着させて取り付け、水銀ランプを用いてフォトマスクの下方からg線を約20秒間だけ照射した。
その後、現像工程に移行し、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製の現像液「AZ300MIF」を用いて、フォトレジスト膜を現像した。
次に、反射膜形成工程に移行し、真空蒸着装置に予め装着された円板押さえ治具に円板状部材を取り付けた。そして、真空蒸着装置内が1.3×10−3N/m(1×10−5Torr)の圧力に達するまで真空に引き、この状態のまま、アルミニウムを抵抗加熱で飛ばして円板状部材の裏面に約1μm付着させることにより、反射膜を形成して反射パターンを形成した。その後、真空蒸着装置から円板状部材を取り出した。
次いで、レジスト剥離工程に移行し、フォトレジスト膜をアセトンに約3分間だけ浸漬した。
最後に、非反射膜形成工程に移行し、円板状部材を所定の治具に取り付け、日本特殊塗料(株)製の塗料「エポラ2000N」を用いてスプレー塗装を行った後、120℃で1時間処理して硬化させることにより、非反射膜を形成した。この非反射膜の膜厚は約30μmであった。なお、ここで使用した塗料「エポラ2000N」は、エポキシ樹脂にカーボンブラック(光吸収剤)およびシリカ粉(つや消し剤)が配合された主剤と、ポリアミド樹脂にシリカ粉(つや消し剤)が配合された硬化剤とからなる二液型のポリマーである。
これにより、長期経過後における信号光の反射精度については、光学式エンコーダ用反射板として十分な反射精度を維持することができる。
本発明は、反射型の光学式エンコーダに適用することができる。
1……光学式エンコーダ用反射板
2……透明基材(ガラス板)
2a……軸孔
2b……表面
2c……裏面
3……非反射膜(低反射率層)
5……反射膜(高反射率層)
6……フォトレジスト膜
7……フォトマスク
7a……石英ガラス基板
7b……クロム
9……水銀ランプ

Claims (6)

  1. 信号光を受ける鏡面状の表面と、この表面の反対側に位置する鏡面状の裏面とが形成された板状の透明基材を有し、
    前記透明基材の裏面に高反射率層の反射パターンが設けられ、
    前記透明基材の裏面に低反射率層が前記高反射率層を被覆するように設けられていることを特徴とする光学式エンコーダ用反射板。
  2. 前記低反射率層は、1種類以上の高分子材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ用反射板。
  3. 前記低反射率層には、光吸収剤が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式エンコーダ用反射板。
  4. 前記低反射率層には、つや消し剤が含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学式エンコーダ用反射板。
  5. 前記高反射率層の材料は、アルミニウム、銀またはクロムであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光学式エンコーダ用反射板。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光学式エンコーダ用反射板の製造方法であって、
    透明基材の裏面に高反射率層を形成して反射パターンを形成する高反射率層形成工程と、
    前記透明基材の裏面に低反射率層を前記高反射率層を被覆するように塗装によって形成する低反射率層形成工程と
    が含まれることを特徴とする光学式エンコーダ用反射板の製造方法。
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