JP2011121111A - リフロー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】窒素ガスの供給量を減少し、炉内に外気が入って酸素の濃度が高くなることを防止する。
【解決手段】ゾーンZ6のガス吸い込み部から吸い込まれたガスがフラックス回収装置を介してガス分岐器40に供給され、二つの経路に分岐される。一方の経路を通ったガスがガス混合器32に供給される。ガス混合器32に対して流量調整バルブ33を通過した大気が供給される。流量調整バルブ33に対して入った大気が設定された流量Xでもってガス混合器32に対して出力される。吸い込み量Aと、吐き出し量Bとが等しくなるように制御される。混合器32からのガスがフィルタおよび温度調整ユニットを介して窒素ガス発生器36に供給される。窒素ガス発生器36からの窒素ガスと他方の経路を通ったガスとがガス混合器41で混合されてゾーンZ7の吐き出し部から炉内に噴射される。
【選択図】図3
【解決手段】ゾーンZ6のガス吸い込み部から吸い込まれたガスがフラックス回収装置を介してガス分岐器40に供給され、二つの経路に分岐される。一方の経路を通ったガスがガス混合器32に供給される。ガス混合器32に対して流量調整バルブ33を通過した大気が供給される。流量調整バルブ33に対して入った大気が設定された流量Xでもってガス混合器32に対して出力される。吸い込み量Aと、吐き出し量Bとが等しくなるように制御される。混合器32からのガスがフィルタおよび温度調整ユニットを介して窒素ガス発生器36に供給される。窒素ガス発生器36からの窒素ガスと他方の経路を通ったガスとがガス混合器41で混合されてゾーンZ7の吐き出し部から炉内に噴射される。
【選択図】図3
Description
この発明は、窒素ガス雰囲気中でリフローを行うリフロー装置に関する。
電子部品またはプリント配線基板に対して、予めはんだ組成物を供給しておき、リフロー炉の中に基板を搬送コンベヤで搬送するリフロー装置が使用されている。リフロー装置は、基板を搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤによって被加熱物としての基板が供給されるリフロー炉本体とを備えている。リフロー炉は、例えば、搬入口から搬出口に至る搬送経路に沿って、複数のゾーンに分割されており、これらの複数のゾーンがインライン状に配列されている。複数のゾーンは、その機能によって、加熱ゾーン、冷却ゾーンなどの役割を有する。
加熱ゾーンのそれぞれは、上部炉体および下部炉体を有する。例えばゾーンの上部炉体から基板に対して熱風が吹きつけられ、下部炉体から基板に対して熱風が吹きつけられることによって、はんだ組成物内のはんだを溶融させて基板の電極と電子部品とがはんだ付けされる。リフロー装置では、被加熱物例えば基板の表面温度を所望の温度プロファイルにしたがって制御することによって、所望のはんだ付けを行うことができる。かかるリフロー装置は、非接触ではんだ付けを行うことができ、また、窒素ガス(N2 )等の不活性ガスの雰囲気においてはんだ付けを行うので、酸化を防止することができる。
下記の特許文献1には、リフロー炉の入口および出口から大気が侵入し、また、リフロー炉内の窒素ガスが外部に逃げることによって、炉内の窒素ガスの濃度が低下し、窒素ガスの補給を常時行うことによるランニングコストの上昇を解決することが記載されている。
特許文献1に記載の装置は、リフロー装置の炉内のガスを吸い込み、コンデンサによって窒素ガスを冷却し、液化させることによって溶剤ガスを回収し、窒素ガス供給手段によって酸素ガスを分離し、炉内に戻すようにしている。
特許文献1に記載の装置のように、内部のガスを吸い込んで酸素を分離して内部に戻す場合には、酸素ガスを分離した結果、吸い込んだガスの量に比して吐き出すガスの量が減少する。このガスの減少は、入口側および出口側から炉内へ侵入する外部空気によって補充される。その結果、炉内の雰囲気の酸素濃度が高くなる問題が生じ、窒素ガスの供給量を多くしなければならない問題が生じる。
したがって、この発明の目的は、炉内の酸素濃度が高くなることを防止しつつ、窒素ガスの供給量を減少させてランニングコストを減少することができるリフロー装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明は、搬送される被加熱物の搬送路に沿って複数のゾーンにリフロー炉が順次分割され、複数のゾーンの温度を制御することによって、搬送される被加熱物をリフローするリフロー装置において、
リフロー炉の入口側および出口側にそれぞれ設けられたガス流出制限部と、
複数のゾーンの少なくとも一つに設けられ、該ゾーンから内部のガスを吸い込むガス吸い込み部と、
ガス吸い込み部から吸い込んだガスが供給されるフラックス回収装置と、
複数のゾーンの少なくとも一つのゾーンの内部へガスを吐き出すガス吐き出し部と、
フラックス回収装置からのガスが供給され、窒素ガスを生成し、生成した窒素ガスをガス吐き出し部に供給する窒素ガス濃度調整部と、
ガス吸い込み部からの吸い込み量とガス吐き出し部からの吐き出し量とがほぼ等しくなるように、制御する流量調整部と
を備えるリフロー装置である。
この発明では、フラックス回収装置を設けなくても良い。
好ましくは、ガス吐き出し部が複数のゾーンの中のリフローを行うための1または複数のゾーンに設けられる。
好ましくは、窒素ガス濃度調整部は、供給されたガスに対して大気を混合し、大気が混合されたガスから酸素を分離することによって窒素ガスを生成し、生成した窒素ガスをガス吐き出し部に供給する。
好ましくは、流量調整部が大気の混合量を制御するものである。
好ましくは、フラックス回収装置によってフラックス回収後のガスを第1および第2の経路に分割し、第1の経路を通るガスが窒素ガス濃度調整部に供給され、窒素ガス濃度調整部からの窒素ガスが第2の経路を通るガスと混合されてガス吐き出し部に供給される。
好ましくは、第1の経路を通るガスの流量に比して、第2の経路を通るガスの流量が大とされる。
リフロー炉の入口側および出口側にそれぞれ設けられたガス流出制限部と、
複数のゾーンの少なくとも一つに設けられ、該ゾーンから内部のガスを吸い込むガス吸い込み部と、
ガス吸い込み部から吸い込んだガスが供給されるフラックス回収装置と、
複数のゾーンの少なくとも一つのゾーンの内部へガスを吐き出すガス吐き出し部と、
フラックス回収装置からのガスが供給され、窒素ガスを生成し、生成した窒素ガスをガス吐き出し部に供給する窒素ガス濃度調整部と、
ガス吸い込み部からの吸い込み量とガス吐き出し部からの吐き出し量とがほぼ等しくなるように、制御する流量調整部と
を備えるリフロー装置である。
この発明では、フラックス回収装置を設けなくても良い。
好ましくは、ガス吐き出し部が複数のゾーンの中のリフローを行うための1または複数のゾーンに設けられる。
好ましくは、窒素ガス濃度調整部は、供給されたガスに対して大気を混合し、大気が混合されたガスから酸素を分離することによって窒素ガスを生成し、生成した窒素ガスをガス吐き出し部に供給する。
好ましくは、流量調整部が大気の混合量を制御するものである。
好ましくは、フラックス回収装置によってフラックス回収後のガスを第1および第2の経路に分割し、第1の経路を通るガスが窒素ガス濃度調整部に供給され、窒素ガス濃度調整部からの窒素ガスが第2の経路を通るガスと混合されてガス吐き出し部に供給される。
好ましくは、第1の経路を通るガスの流量に比して、第2の経路を通るガスの流量が大とされる。
この発明によれば、空気に比して窒素の濃度が高いガスを使用して窒素ガスを発生するので、空気を使用する場合にして効率良く窒素ガスを発生できると共に、窒素ガスの供給量を少なくでき、コストを低くすることができる。この発明によれば、炉内に吐き出すガスの量が吸い込んだガスの量より減少し、その結果、外気が炉内に入り込んで、炉内の酸素濃度が高くなることを防止することができる。さらに、吸い込むガスの量と吐き出すガスの量とをほぼ等しくすることによって、炉内の圧力をほぼ一定に保つことができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
<1.第1の実施の形態>
<2.第2の実施の形態>
<3.変形例>
<1.第1の実施の形態>
<2.第2の実施の形態>
<3.変形例>
<1.第1の実施の形態>
「リフロー装置の一例」
図1は、この発明を適用できるリフロー装置の外板を除く概略的構成を示す。なお、以下に説明する複数の実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
「リフロー装置の一例」
図1は、この発明を適用できるリフロー装置の外板を除く概略的構成を示す。なお、以下に説明する複数の実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
プリント配線基板の両面に表面実装用電子部品が搭載された被加熱物が搬送コンベヤの上に置かれ、搬入口11からリフロー装置の炉体内に搬入される。例えば搬送用ローラチェーンの構成の搬送コンベヤが所定速度で矢印方向(図1に向かって左から右方向)へ被加熱物を搬送し、被加熱物が搬出口12から取り出される。搬入口11および12のそれぞれには、炉内の雰囲気ガスが外部に流出することを防止するガス流出制限部として、ガスシール部21および22が設けられている。ガスシール部21および22としては、例えばラビリンスシール機構を使用できる。
搬入口11から搬出口12に至る搬送経路に沿って、リフロー炉が例えば9個のゾーンZ1からZ9に順次分割され、これらのゾーンZ1〜Z9がインライン状に配列されている。入り口側から7個のゾーンZ1〜Z7が加熱ゾーンであり、出口側の2個のゾーンZ8およびZ9が冷却ゾーンである。冷却ゾーンZ8およびZ9に関連して強制冷却ユニット14が設けられている。さらに、冷却ゾーンZ8およびZ9に関連してフラックス回収ユニット17および18が設けられている。
上述した複数のゾーンZ1〜Z9がリフロー時の温度プロファイルにしたがって被加熱物の温度を制御する。図2に温度プロファイルの例の概略を示す。横軸が時間であり、縦軸が被加熱物例えば電子部品が実装されたプリント配線基板の表面温度である。最初の区間が加熱によって温度が上昇する昇温部R1であり、次の区間が温度がほぼ一定のプリヒート(予熱)部R2であり、次の区間が本加熱(リフロー)部R3であり、最後の区間が冷却部R4である。
昇温部R1は、常温からプリヒート部R2(例えば150°C〜170°C)まで基板を加熱する期間である。プリヒート部R2は、等温加熱を行い、フラックスを活性化し、電極、はんだ粉の表面の酸化膜を除去し、また、プリント配線基板の加熱ムラをなくすための期間である。本加熱部R3(例えばピーク温度で220°C〜240°C)は、はんだが溶融し、接合が完成する期間である。本加熱部R3では、はんだの溶融温度を超える温度まで昇温が必要とされる。本加熱部R3は、プリヒート部R2を経過していても、温度上昇のムラが存在するので、はんだの溶融温度を超える温度までの加熱が必要とされる。最後の冷却部R4は、急速にプリント配線基板を冷却し、はんだ組成を形成する期間である。
図2において、曲線1は、鉛フリーはんだの温度プロファイルを示す。共晶はんだの場合の温度プロファイルは、曲線2で示すものとなる。鉛フリーはんだの融点は、共晶はんだの融点より高いので、プリヒート部R2における設定温度が共晶はんだに比して高いものとされている。
リフロー装置では、図2における昇温部R1の温度制御を、主としてゾーンZ1およびZ2が受け持つ。プリヒート部R2の温度制御は、主としてゾーンZ3、Z4およびZ5が受け持つ。本加熱部R3の温度制御は、ゾーンZ6およびZ7が受け持つ。冷却部R4の温度制御は、ゾーンZ8およびゾーンZ9が受け持つ。
加熱ゾーンZ1〜Z7のそれぞれは、それぞれ送風機を含む上部炉体15および下部炉体16を有する。例えばゾーンZ1の上部炉体15および下部炉体16から搬送される被加熱物に対して熱風(熱せられた雰囲気ガス)が吹きつけられる。被加熱物は、プリント配線基板の両面に表面実装用電子部品が搭載されたものである。さらに、上部炉体15内および下部炉体16内は、不活性ガス例えば窒素ガス(N2 )が充満している。なお、熱風と共に赤外線を照射しても良い。
加熱ゾーンZ1〜Z7の上部炉体15は、例えばターボファンの構成の送風機と、ヒータ線を複数回折り返して構成したヒータと、熱風が通過する多数の小孔を有するパネル(蓄熱部材)とを有し、パネルの小孔を通過した熱風が被加熱物に対して上側から吹きつけられる。下部炉体16も上部炉体15と同様の構成を有する。
リフロー時には、上部炉体および下部炉体の対向間隙を搬送手段例えば搬送チェーンによって被加熱物が所定の速度で搬送されると共に、これらの上部炉体および下部炉体のそれぞれの温度が予め設定された温度となるように制御される。さらに、送風機の送風量も所定値とされる。
「第1の実施の形態」
図3に示すように、この発明の第1の実施の形態では、リフロー炉の本加熱部を担当する複数ゾーン(Z6,Z7,Z8)の内のゾーンZ6にガス吸い込み部が設けられ、ガス吸い込み部から炉内のガスが吸い込まれ、外部へ導出される。図3に示す構成は、図1に示すリフロー装置を模式的に描いている。但し、ゾーン数が一つ多くされ、図1では、二つのゾーンZ6,Z7が本加熱(リフロー)部を受け持っているのに対して、図3では、三つのゾーンZ6,Z7,Z8が本加熱部を受け持っている。さらに、フラックス回収装置については、図3では省略されている。
図3に示すように、この発明の第1の実施の形態では、リフロー炉の本加熱部を担当する複数ゾーン(Z6,Z7,Z8)の内のゾーンZ6にガス吸い込み部が設けられ、ガス吸い込み部から炉内のガスが吸い込まれ、外部へ導出される。図3に示す構成は、図1に示すリフロー装置を模式的に描いている。但し、ゾーン数が一つ多くされ、図1では、二つのゾーンZ6,Z7が本加熱(リフロー)部を受け持っているのに対して、図3では、三つのゾーンZ6,Z7,Z8が本加熱部を受け持っている。さらに、フラックス回収装置については、図3では省略されている。
本加熱部のゾーンZ6の炉内から吸い込まれた流量(吸い込み量と適宜称する)Aのガスがフラックス回収ユニット38に供給される。フラックス回収ユニット38は、炉から取り出した雰囲気ガスを冷却して雰囲気ガス内のフラックス成分を凝集させ、液状のフラックスを回収するものである。
フラックス回収ユニット38からのフラックス回収後のガスがブロワ39に供給される。ブロワ39がガスの流れを作り出し、配管内を所望の速度でガスが流れる。ブロワ39の出力ガス(流量C)がガス分岐器40に供給される。ガス分岐器40は、二つの経路にガスを分岐させる。すなわち、ガス混合器32に対してガスを供給する第1の経路と、ガス混合器41に対してガスを供給する第2の経路とが形成される。
ガス混合器32に対して流量調整バルブ33によって設定された量Xの大気が供給される。ガス混合器32に対して流量調整バルブ33を通過した大気が供給される。流量調整バルブ33に対して入った大気が設定された流量Xでもってガス混合器32に対して出力される。ガス混合器32は、ガス分岐器40からの量Dのガスと流量調整バルブ33からの量Xの大気とを均一に混合する。
後述するように、炉内例えば本加熱部のゾーンZ7に設けられたガス吐き出し部から内部へ吐き出されるガスの流量(吐き出し量と適宜称する)をBと表記する。流量調整バルブ33を含む流量調整部は、吸い込み量Aと吐き出し量Bとが等しくなるような量Xの大気を混合器32に対して出力する。この付加量Xは、窒素ガス発生器36の変換効率を考慮して決定される。
流量調整用のコントロール信号は、例えば流量計によって流量AおよびBを測定することによって生成することができる。他の方法として、濃度調整を行わない場合の流量B(<A)を予め測定しておき、流量AおよびBの差を求めることによって、コントロール信号を生成する方法を採用しても良い。さらに、窒素ガス濃度調整部による酸素除去量を予め測定して測定結果からコントロール信号を生成しても良い。
ガス混合器32からのガスがフィルタ34および温度調整ユニット35を介して窒素ガス発生器36に供給される。フィルタ34は、ガス中のゴミや埃等の後段の窒素ガス発生器36に対して流入させたくない成分、水分、油文等を事前に濾過して取り除く。窒素ガス発生器36からの窒素ガスがガス混合器41に供給される。ガス混合器41に対してガス分岐器40で分岐されたガス(流量E)が供給される。ガス混合器41の出力ガス(吐き出し量B)がゾーンZ7の吐き出し部から炉内に吐き出される。
ガス分岐器40を設けるのは、フラックス回収のためのガスの流量Cが窒素ガスを発生するためのガスの流量Dに比してかなり大きいためである。例えばブロワ39からのガスの流量Cが1000リットル/分とすると、ガス混合器32に対するガスの流量Dが250〜350リットル/分とされ、ガス混合器41に対するガスの流量Eが750〜650リットル/分とされる。窒素ガス発生器36からガス混合器41に対するガスの流量250〜350リットル/分となるように大気の量Xが制御される。したがって、リフロー装置のゾーンZ7の吐き出し部から吐き出される窒素ガスの流量Bが1000リットル/分となる。
窒素ガスガス発生器36の一例は、膜分離窒素ガス発生器である。さらに、図示しないが、発生した窒素ガスの酸素濃度を低下させるために、窒素ガスに水素ガスを混合しても良い。この方式において、炉内の酸素濃度を検出し、炉内の酸素濃度をほぼ一定に保つために、水素ガスの供給量を制御しても良い。
膜分離窒素ガス発生器は、耐圧容器内に高分子ポリイミドを素材とする中空糸膜を束ねて収納したものである。耐圧容器の一端から圧縮空気が供給される。圧縮空気中の窒素、酸素等の各分子が中空糸膜を透過する速度(相対透過度)の違いを利用して窒素と酸素冨化空気(酸素リッチガス)とが分離される。すなわち、圧縮空気が中空糸膜内部を通過して行くうちに、酸素、水蒸気、二酸化炭素等の速いガスが膜を透過して酸素リッチガスとして容器から排出される。濃縮された窒素ガスが中空糸膜の反対出口からドライ窒素として供給圧力と殆ど同じ圧力で回収される。
窒素ガス発生器36としてかかる膜分離窒素ガス発生器を使用する場合には、窒素ガスを分離する効率が良い温度が存在するために、温度調整ユニット35によって、窒素ガス発生器36に供給されるガスの温度が制御される。さらに、温度調整ユニット35から出力されるガスがエアコンプレッサによって圧縮されて窒素ガス発生器36に供給される。フィルタ34、温度調整ユニット35および窒素ガス発生器36が窒素ガス濃度調整部を構成する。窒素ガス発生器36からの窒素ガスがリフロー装置の例えばゾーンZ7の吐き出し部から炉内に噴射され、炉内の雰囲気を不活性ガス化する。炉内に吐き出される窒素ガスは、例えば酸素が10ppm(parts per million)以上で100ppm以下の高純度窒素ガ
スであることが好ましい。
スであることが好ましい。
なお、この発明では、膜分離方式に限らず、ゼオライト、活性炭等の微多孔に対する窒素と酸素の吸着力の違いを利用して窒素ガスを発生するPSA方式、酸素と窒素の沸点の違いを利用する分離法等を使用して窒素ガスを発生しても良い。
上述したように、リフロー装置のゾーンZ7の吐き出し部から炉内に吐き出される窒素ガスの吐き出し量Bが測定または推定され、吸い込み量Aと吐き出し量Bの差(A−B)に対して窒素ガス発生器36の変換効率を考慮して追加すべき大気の量Xが計算される。大気の量Xが出力されるように、流量調整バルブ33がコントロール信号によって制御される。
この制御によって、リフロー装置の炉内から吸い込んだガスの量とほぼ等しい量の窒素ガスを炉内に吐き出すことができる。その結果、炉内の窒素ガスの濃度を高くすることができ、すなわち、酸素濃度を低下させることができる。窒素ガス発生器36は、空気に比して窒素の濃度が高いガスを使用して窒素ガスを発生するので、空気を使用する場合にして効率良く窒素ガスを発生できる。
窒素ガス発生器36は、窒素ガスを生成する場合に、酸素を分離するので、窒素ガスの発生によってガスの量が減少する。混合器32において、減少する窒素ガスの量を補うのに必要な量Xの大気が追加される。その結果、炉内の窒素ガスの量が減少し、炉内の圧力が低下し、搬入口11或いは搬出口12から大気が侵入し、炉内の窒素ガスの濃度が低下することを防止できる。すなわち、リフロー炉の内部の圧力をほぼ一定とすることができる。
上述したこの発明の第1の実施の形態は、リフロー装置の炉内から吸い込んだガスの量とほぼ等しい量の窒素ガスを炉内に吐き出すことができる。その結果、炉内の酸素濃度を低下させることができる。さらに、この発明の第1の実施の形態は、窒素の濃度が高く、しかも、フラックスが除去されたガスを使用して窒素ガスを発生するので、空気を使用する場合にして効率良く窒素ガスを発生でき、フラックスによるフィルタ34が汚れる程度を抑えることができる。さらに、炉内の圧力をほぼ一定に保持することができる。
「第2の実施の形態」
図4に示すように、この発明の第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の構成において、フラックス回収ユニット38、ブロワ(送風器)39、ガス分岐器40およびガス混合器41を取り除いたものである。
図4に示すように、この発明の第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の構成において、フラックス回収ユニット38、ブロワ(送風器)39、ガス分岐器40およびガス混合器41を取り除いたものである。
搬入口11側のゾーンZ1(昇温部)のガス吸い込み部から炉内のガスが吸い込まれ、外部へ導出される。上述した第1の実施の形態と同様に、ガス混合器32に対して流量調整バルブ33によって設定された量Xの大気が供給され、吸い込み量Aと吐き出し量Bの差(A−B)に対して窒素ガス発生器36の変換効率を考慮して追加すべき大気の量Xを計算し、大気の量Xが出力されるように、流量調整バルブ33がコントロール信号によって制御される。
ガス混合器32からのガスがフィルタ34および温度調整ユニット35を介して窒素ガス発生器36に供給される。窒素ガス発生器36からの窒素ガス(吐き出し量B)がゾーンZ7の吐き出し部から炉内に吐き出される。
上述したこの発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、リフロー装置の炉内から吸い込んだガスの量とほぼ等しい量の窒素ガスを炉内に吐き出すことができる。その結果、炉内の酸素濃度を低下させることができる。さらに、第1の実施の形態と同様に、炉内の圧力をほぼ一定に保持することができる。
<3.変形例>
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えばガスの吸い込み部の個数は、2箇所に限られず、3個以上のゾーンからガスを吸い込みようにしても良い。同様に、窒素ガスの吐き出し部も、1箇所に限られない。但し、リフローを行う本加熱部の1箇所以上のゾーンに対してガスを吐き出すことが効果的である。さらに、リフロー炉の内部の圧力を上昇させるために、別経路で補助的に窒素ガスを本加熱部のゾーンに対して供給しても良い。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えばガスの吸い込み部の個数は、2箇所に限られず、3個以上のゾーンからガスを吸い込みようにしても良い。同様に、窒素ガスの吐き出し部も、1箇所に限られない。但し、リフローを行う本加熱部の1箇所以上のゾーンに対してガスを吐き出すことが効果的である。さらに、リフロー炉の内部の圧力を上昇させるために、別経路で補助的に窒素ガスを本加熱部のゾーンに対して供給しても良い。
11・・・搬入口
12・・・搬出口
14・・・強制冷却ユニット
15・・・上部炉体
16・・・下部炉体
Z1〜Z10・・・ゾーン
21,22・・・ガスシール部
32,41・・・ガス混合器
33・・・流量調整バルブ
36・・・窒素ガス発生器
38・・・フラックス回収ユニット
40・・・ガス分岐器
12・・・搬出口
14・・・強制冷却ユニット
15・・・上部炉体
16・・・下部炉体
Z1〜Z10・・・ゾーン
21,22・・・ガスシール部
32,41・・・ガス混合器
33・・・流量調整バルブ
36・・・窒素ガス発生器
38・・・フラックス回収ユニット
40・・・ガス分岐器
Claims (7)
- 搬送される被加熱物の搬送路に沿って複数のゾーンにリフロー炉が順次分割され、上記複数のゾーンの温度を制御することによって、搬送される上記被加熱物をリフローするリフロー装置において、
上記リフロー炉の入口側および出口側にそれぞれ設けられたガス流出制限部と、
上記複数のゾーンの少なくとも一つに設けられ、該ゾーンから内部のガスを吸い込むガス吸い込み部と、
上記ガス吸い込み部から吸い込んだガスが供給されるフラックス回収装置と、
上記複数のゾーンの少なくとも一つのゾーンの内部へガスを吐き出すガス吐き出し部と、
上記フラックス回収装置からのガスが供給され、窒素ガスを生成し、生成した窒素ガスを上記ガス吐き出し部に供給する窒素ガス濃度調整部と、
上記ガス吸い込み部からの吸い込み量と上記ガス吐き出し部からの吐き出し量とがほぼ等しくなるように、制御する流量調整部と
を備えるリフロー装置。 - 搬送される被加熱物の搬送路に沿って複数のゾーンにリフロー炉が順次分割され、上記複数のゾーンの温度を制御することによって、搬送される上記被加熱物をリフローするリフロー装置において、
上記リフロー炉の入口側および出口側にそれぞれ設けられたガス流出制限部と、
上記複数のゾーンの少なくとも一つに設けられ、該ゾーンから内部のガスを吸い込むガス吸い込み部と、
上記複数のゾーンの少なくとも一つのゾーンの内部へガスを吐き出すガス吐き出し部と、
上記ガス吸い込み部から吸い込まれたガスが供給され、窒素ガスを生成し、生成した窒素ガスを上記ガス吐き出し部に供給する窒素ガス濃度調整部と、
上記ガス吸い込み部からの吸い込み量と上記ガス吐き出し部からの吐き出し量とがほぼ等しくなるように、制御する流量調整部と
を備えるリフロー装置。 - 上記ガス吐き出し部が上記複数のゾーンの中のリフローを行うための1または複数のゾーンに設けられた請求項1または2に記載のリフロー装置。
- 上記窒素ガス濃度調整部は、供給されたガスに対して大気を混合し、大気が混合されたガスから酸素を分離することによって窒素ガスを生成し、生成した窒素ガスを上記ガス吐き出し部に供給する請求項1または2に記載のリフロー装置。
- 上記流量調整部が上記大気の混合量を制御するものである請求項4記載のリフロー装置。
- 上記フラックス回収装置によってフラックス回収後のガスを第1および第2の経路に分割し、
上記第1の経路を通るガスが上記窒素ガス濃度調整部に供給され、
上記窒素ガス濃度調整部からの窒素ガスが上記第2の経路を通るガスと混合されて上記ガス吐き出し部に供給される
請求項1記載のリフロー装置。 - 上記第1の経路を通るガスの流量に比して、上記第2の経路を通るガスの流量が大とされた請求項6記載のリフロー装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN109482997A (zh) * | 2018-12-21 | 2019-03-19 | 淮安尚研电子科技有限公司 | 一种电路板用回流焊装置及工艺 |
-
2009
- 2009-12-14 JP JP2009283419A patent/JP2011121111A/ja active Pending
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