JP2011121034A - 薄膜塗工装置並びに両面薄膜塗工装置 - Google Patents

薄膜塗工装置並びに両面薄膜塗工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥する前に連続的に精度良くスピーディーに薄膜を形成できる両面塗工が実現でき、特にリチウムイオン電池形成材の作製にあたってこの基材となる金属製フィルム(被塗工体)を傷付けたりノズル部の先端接触部の摩耗粉の発生・混入による不良も低減できる、画期的な薄膜塗工装置並びにこれを用いた両面薄膜塗工装置を提供する。
【解決手段】被塗工体5と摺動接触するノズル部4の先端接触部6を、塗工液2に溶けず導電性を有しない合成樹脂材Pで形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばスリット状の先端吐出孔から塗工液を吐出するノズル部に対して、フィルム状や板状などの被塗工体を搬送して表面に薄膜を塗工形成するように構成した薄膜塗工装置,並びに被塗工体の片面に塗工した後、これを乾燥する前に反対面にも塗工し、この両面を塗工した後に乾燥して被塗工体の両面に薄膜を塗工形成する両面薄膜塗工装置に関するものである。
液供給部から供給された塗工液をスリット状の先端吐出孔から吐出するノズル部を有し、このノズル部の先端吐出孔から塗工液を吐出しながら、このノズル部と対向する被塗工体をこのノズル部に対して相対搬送(どちらを搬送しても良いという意味である)させることで、前記被塗工体に塗工液を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置において、このノズル部を被塗工体に近接させて吐出塗工するよりもノズル部の先端接触部を被塗工体に接触させた状態で、この先端接触部に対して被塗工体の搬送下流側近傍に設けた先端吐出孔から吐出塗工する接触式のノズル部とした方が精度良く均一な膜厚に形成できる場合があり、また、例えば被塗工体がフィルム状である場合に、このフィルム状の被塗工体の塗工面と反対面を支承できる場合は、この反対面を塗工用支承ロールなどで支承して、このフィルム振動がない支承状態でノズル部を近接させて塗工することができるが、反対面を支承できない場合には、たとえ搬送上流側の塗工面を支承ロールで支承しても、搬送下流側で生じる振動,例えば熱風乾燥やIR乾燥など乾燥工程、特に熱風乾燥の場合に顕著となるフィルム振動が伝わり均一に塗工できず膜厚を精度良く管理できない。
しかし、前述のようにノズル部の先端接触部をこのフィルム状の被塗工体に押圧接触すれば、このフィルム振動が減衰され、均一な厚さの薄膜を精度良く塗工形成できることとなる。
特にWet状態で100〜200μmオーダーの薄膜を均一に塗工形成する場合には、塗工面と反対側の反対面を支承できない場合は、ノズル部を近接させて塗工する方式より前記接触式のノズル部の方が望ましい。
また、搬送する被塗工体の片面に第一塗工機構により塗工した後、熱風乾燥やIR乾燥などの乾燥を行う前に第二塗工機構により反対面も塗工し、この両面塗工した後に乾燥機構により乾燥することで装置の小型化や量産性を向上できる両面薄膜塗工装置の前記反対面を塗工する第二塗工機構においては、塗工面と反対側の前記片面は既に前記第一塗工機構によって塗工されていてまだ乾燥していないため、この片面からは支承できず前述のような問題が生じ、接触式のノズル部を用いることが望ましい。
しかしながら、前記接触式のノズル部を用いると、膜厚の均一精度が高められ、前述のようなフィルムの場合や両面塗工の場合にはフィルム振動も抑えることができる反面、被塗工体とこのノズル部の先端接触部との接触により被塗工体を傷付ける場合があり、またこの被塗工体へのダメージを抑えるためにノズル部の先端接触部の材質を単に硬度の低いものに選定すると、このダメージは抑えられても先端接触部が摩耗し易くなり、この摩耗した先端接触部の摩耗粉が許容以上に塗工薄膜に混入するおそれもあり、また先端接触部の変形によって先端吐出孔が微妙に変形したのでは均一な薄膜を形成できないおそれもある。
また、特にアルミ製又は銅製などの金属フィルムを被塗工体とし、この表面にコバルト酸リチウムなどの正極活性物質又はグラファイトなどの負極活性物質にバインダーなどを混合しこれを塗工液として、100μmオーダーの薄膜を塗工形成するリチウムイオン電池形成材を作製する場合、この被塗工体に傷がつき易く不良となるおそれがあり、またノズル部の先端接触部が摩耗してこの摩耗粉が混入してしまうとこれも不良となるので接触式のノズル部は実用化しにくい問題があった。
そのため、このようなリチウムイオン電池形成材、特に両面塗工して小型化,高出力化を図るリチウムイオン電池形成材を作製する場合は、片面塗工後これを乾燥する前に反対面を塗工して装置の小型化や量産性を上げる前述の両面塗工を実現したいが前記問題により難しい。
言い換えると、乾燥する前に両面塗工しようとすると、片面を塗工した後の反対面の塗工に際して、この片面は支持できないし、反対面の塗工面はこの塗工していない搬送上流側でしか支持できないから、搬送下流側の熱風乾燥などの乾燥工程などによるフィルム振動のために、非接触式の(近接させて塗工する)ノズル部によっては、均一な膜厚を塗工形成できない。
また従来のように片面塗工後に一旦乾燥してから反対面を塗工する場合には、塗工面の温度変化によって膜厚に変化が生じるおそれがあるため、片面塗工して乾燥した後に再びクーリング装置で冷却しなければならず、そのため一旦巻き取りしない連続塗工を行う場合には、この二度の乾燥とクーリング工程を行う装置を配置しなければならず、装置が大型化し量産性に劣る。
そこで、前述のように乾燥する前に両面を塗工できる両面塗工装置が要望されており、特に両面塗工することが要望されている前記リチウムイオン電池形成材においては装置の小型化やこのリチウムイオン電池形成材の作製のスピードアップによる量産化を図るために、このような両面塗工が行える両面薄膜塗工装置が切望されている。
本発明は、このような問題点を解決し、精度良く均一に薄膜を塗工形成でき、これを用いることで乾燥する前に連続的に精度良く均一に薄膜を形成する両面塗工も実現でき、特にリチウムイオン電池形成材の基材となる金属製フィルムの両面に精度良く均一に塗工でき、しかも前記問題点を解決し被塗工体(リチウムイオン電池形成材の作製にあたっては金属フィルム)を傷付けたりノズル部の先端接触部の摩耗粉の発生・混入による不良も低減でき、従って、例えばこの両面塗工したリチウムイオン電池形成材の作製装置の小型化やこの作製の量産化も図れる画期的な薄膜塗工装置並びに両面薄膜塗工装置を提供することを目的としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
液供給部1から供給された塗工液2をスリット状の先端吐出孔3から吐出するノズル部4を有し、このノズル部4の先端吐出孔3から塗工液2を吐出しながら、このノズル部4と対向する被塗工体5をこのノズル部4に対して相対搬送させることで前記被塗工体5に塗工液2を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置において、前記被塗工体5と摺動接触する前記ノズル部4の先端接触部6を、前記塗工液2に溶けず導電性を有しない合成樹脂材Pで形成したことを特徴とする薄膜塗工装置に係るものである。
また、液供給部1から供給された塗工液2をスリット状の先端吐出孔3から吐出するノズル部4を有し、このノズル部4の先端吐出孔3から塗工液2を吐出しながら、このノズル部4と対向する被塗工体5をこのノズル部4に対して相対搬送させることで前記被塗工体5に塗工液2を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置において、前記先端吐出孔3を間隙を介して対向する金属材Mで形成し、この先端吐出孔3と近接する位置で前記被塗工体5と摺動接触する前記ノズル部4の先端接触部6を合成樹脂材Pで形成したことを特徴とする薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記先端接触部6を形成する前記合成樹脂材Pを、非導電性で且つ潤滑性に優れ耐摩耗性に優れた合成樹脂材Pとすると共に、鋭利な形状とせず面接触する形状に形成して、前記先端接触部6を、前記被塗工体5を傷付けにくく且つ摩耗しにくく、摩耗してもこの摩耗粉は導電性を有しない構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、液供給部1から供給された塗工液2をスリット状の先端吐出孔3から吐出するノズル部4を有し、このノズル部4の先端吐出孔3から塗工液2を吐出しながら、このノズル部4と対向する被塗工体5をこのノズル部4に対して相対搬送させることで前記被塗工体5に塗工液2を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置において、前記被塗工体5と摺動接触する前記ノズル部4の先端接触部6を、三フッ化化合物若しくは四フッ化化合物から成る合成樹脂材Pで形成したことを特徴とする薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記ノズル部4の前記先端吐出孔3に対して前記被塗工体5の搬送上流側に前記先端接触部6を設け、この先端接触部6の搬送下流側の前記先端吐出孔3から吐出する前記塗工液2が、この先端吐出孔3に対して搬送するフィルム状の前記被塗工体5に薄膜を塗工形成するように構成し、この先端接触部6がフィルム状の前記被塗工体5と接触することでフィルム振動を抑えるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記フィルム状の被塗工体5の前記先端吐出孔3より搬送上流側を支持する支持ロール7を設け、この支持ロール7の位置設定によって前記先端接触部6の接触圧を調整設定した構成としたことを特徴とする請求項5記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記先端吐出孔3を前記合成樹脂材Pで形成した前記先端接触部6で形成せず、前記先端吐出孔3は間隙を介して対向する金属材Mで形成し、この先端吐出孔3から2mm以内の近接位置で前記被塗工体5と摺動接触する位置に前記合成樹脂材Pで形成した前記先端接触部6を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記合成樹脂材Pで形成した接触部形成用部材8の先端部を前記先端接触部6としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記接触部形成用部材8を金属材Mで挟持若しくは金属材Mに係止して金属材Mに支持固定したことを特徴とする請求項8記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記ノズル部4の先端吐出孔3及び前記先端接触部6に対して前記被塗工体5の搬送上流側に、この被塗工体5に前記先端吐出孔3からの塗工液2が吐出塗工される前に予め塗工する予塗工部9を設けて、この予塗工部9により予め塗工した前記被塗工体5に更に前記先端吐出孔3からの塗工液2により塗工することで、前記ノズル部4の前記先端接触部6が、直接この被塗工体5の表面に摺動接触せず、前記予塗工されている表面に摺動接触するように構成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記予塗工部9の予塗工に用いる予塗工液11は、前記先端吐出孔3から吐出して塗工する本塗工の前記塗工液2と同じ液若しくは前記塗工液2に混ぜるバインダーとし、この予塗工液11による塗工膜厚は、前記本塗工での前記塗工液2による塗工膜厚より薄い膜厚となるように前記予塗工部9を構成したことを特徴とする請求項10記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記ノズル部4の前記先端吐出孔3及び前記先端接触部6に対して前記被塗工体5の搬送上流側に、前記予塗工液11を吐出する予塗工用のスリット状の予塗工用先端吐出孔10を前記先端吐出孔3と並設して前記予塗工部9を構成したことを特徴とする請求項10,11のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置に係るものである。
また、フィルム状の前記被塗工体5の両面に塗工を行う両面薄膜塗工装置であって、片面に塗工する第一塗工機構Aと、反対面に更に塗工する第二塗工機構Bと、この両面塗工を終えた被塗工体5を乾燥する乾燥機構Cとを備え、前記第二塗工機構Bとして前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置を用いたことを特徴とする両面薄膜塗工装置に係るものである。
また、前記被塗工体5として金属製フィルムを用い、この両面に塗工する前記塗工液2としてリチウムイオン電池の正極活性物質若しくは負極活性物質を用いて、両面にこの薄膜を塗工形成したリチウムイオン電池形成材を作製するように構成したことを特徴とする請求項13記載の両面薄膜塗工装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、精度良く均一に薄膜を塗工形成でき、これを用いることで乾燥する前に連続的に精度良く均一に薄膜を形成する両面塗工も実現でき、特にリチウムイオン電池形成材の基材となる金属製フィルムの両面に精度良く均一に塗工でき、しかも前記問題点を解決し被塗工体(リチウムイオン電池形成材の作製にあたっては金属フィルム)を傷付けたりノズル部の先端接触部の摩耗粉の発生・混入による不良も低減でき、従って、例えばこの両面塗工したリチウムイオン電池形成材の作製装置の小型化やこの作製の量産化も図れる画期的な薄膜塗工装置並びに両面薄膜塗工装置となる。
更に説明すると、請求項1記載の発明においては、先端接触部は、塗工液に溶けず、また潤滑性に優れた合成樹脂材であるから、被塗工体を傷めにくく且つ耐摩耗性に優れ、しかもたとえ摩耗して摩耗粉が発生し塗工膜に混入しても、導電性を有しないため塗工膜の性能に支障をきたさない画期的な薄膜塗工装置となる。
また、請求項2記載の発明においては、被塗工体を傷めにくく、また摩耗もしにくい合成樹脂材で被塗工体と摺動接触することになり、また先端吐出孔は従来通りSUSなどの金属材で形成し、フィルム振動を抑えられる十分に近接した位置で合成樹脂材で形成した先端接触部を摺動接触させるから、合成樹脂材の変形で先端吐出孔が変化するおそれがないため膜厚が変化することがなく、常にフィルム振動を抑えつつ均一に塗工できる画期的な薄膜塗工装置となる。
また、請求項3記載の発明においては、合成樹脂材の材質選定による潤滑性の向上及び接触面の形状による平滑性の向上により一層耐摩耗性に優れ摩耗粉の発生も低減でき、またこの合成樹脂材を非導電材とすることで、たとえ摩耗粉が発生して塗工液に混入しても導電性を有しないため塗工膜の機能に支障をきたさない一層優れた薄膜塗工装置となる。
また、請求項4記載の発明においては、例えば塗工液が、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に、二フッ化化合物は溶かすが三フッ化化合物や四フッ化化合物は溶けないNMP(Nメチルピロリドン)を加えたものをバインダーとして前記コバルト酸リチウムやカーボングラファイトを塗工する場合には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの四フッ化化合物や三フッ化化合物で前記先端接触部を形成することで、非導電性で塗工液に溶けず潤滑性に優れて耐摩耗性に優れ、例えば金属フィルム(アルミ製や銅製のフィルム)などの被塗工体に対してもこれより軟らかいため傷付けにくく、また摩耗しにくいため摩耗粉を低減でき、しかももしたとえ摩耗し摩耗粉が塗工液に混入しても導電性を有しないため支障をきたしにくく均一に塗工膜を形成できる画期的な薄膜塗工装置となる。
従って、本発明、特に請求項5,6記載の発明においては、フィルム状の被塗工体であってもフィルム振動を抑制でき、特に先端吐出孔を金属材で形成し、これに近接した位置に合成樹脂材で形成した先端接触部を設けることで、先端吐出孔の孔形状は微小なりとも変化しにくく、また乾燥工程によるフィルム振動もたとえ支承ロールで反対面を支承できなくても抑制した状態で塗工でき常に均一に塗工でき、しかも前述のようにフィルムを傷めることなく、また摩耗もしにくく、たとえ摩耗粉が混入しても支障をきたしにくい画期的な薄膜塗工装置となる。
特に請求項6記載の発明においては、更にノズル部の先端接触部への接触圧も支持ロールの位置調整によって調整でき、塗工面の反対面が支承できないフィルム状の被塗工体への塗工に際してフィルム振動を一層良好に抑えつつ適切な接触圧で接触させつつ塗工することができる更に優れた薄膜塗工装置となる。
また、請求項7,8,9記載の発明においては、一層簡易な構成で一層良好に前記作用・効果を発揮する極めて優れた薄膜塗工装置となる。
また、請求項10記載の発明においては、前記先端吐出孔からの塗工液が吐出塗工される前に予め塗工する予塗工部を設けて、前記ノズル部の前記先端接触部が、直接この被塗工体の表面に摺動接触せず、前記予塗工されている表面に摺動接触するため、一層被塗工体(リチウムイオン電池形成材の作製にあたっては金属フィルム)を傷付けたりノズル部の先端接触部の摩耗粉の発生・混入による不良も一層低減できる更に優れた薄膜塗工装置並びに両面薄膜塗工装置となる。
また、請求項11記載の発明においては、この予塗工部による予塗工が本塗工に影響を与えず均一に精度良く薄膜を塗工形成でき、特に予塗工液を本塗工に用いるバインダーとすれば、バインダーは摩耗させにくい滑らかな液である場合が多いことから、ノズル部の先端接触部の接触によるダメージや摩耗を一層抑えることができ、また先端接触部の摩耗粉の発生・混入を更に抑えることができ、しかも本塗工への影響も少ないなど一層優れた薄膜塗工装置となる。
また、請求項12記載の発明においては、前述のようにフィルム振動を抑えることができ、前記接触式のノズル部とすることによる摩耗や被塗工体への損傷の前記問題点も一層減じることができる極めて優れた薄膜塗工装置となる。
また、請求項13記載の発明においては、片面に塗工する第一塗工機構と、反対面に更に塗工する第二塗工機構と、この両面塗工を終えた被塗工体を乾燥する乾燥機構とを備え、二度の乾燥工程と乾燥後のクーリング工程を要しないで連続して両面塗工を行え、装置の小型化や両面塗工のスピードを上げて量産性を向上できる両面塗工が、前記第二塗工機構として前記薄膜塗工装置を用いることで実現でき、且つ前記接触式のノズル部の摩耗や被塗工体の損傷の問題も生じにくく、実用化が図れる画期的な両面薄膜塗工装置となる。
特に請求項14記載の発明においては、このような装置の小型化や製作量産化が図れる両面塗工のリチウムイオン電池形成材の作製が実現できる画期的な両面薄膜塗工装置となる。
本実施例の概略構成説明図である。 本実施例の要部の拡大説明図である。 本実施例の要部の更に拡大した拡大説明図である。 第二実施例の要部の拡大説明図である。 第三実施例の要部の拡大説明図である。 第四実施例の要部の拡大説明図である。 第五実施例の要部の拡大説明図である。 第六実施例の要部の拡大説明図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
ノズル部4の先端吐出孔3から塗工液2を吐出しながら、このノズル部4に対して被塗工体5が相対搬送されることで、被塗工体5の表面に均一な薄膜が塗工形成されるが、このノズル部4の先端接触部6が被塗工体5に接触することで、更に精度良く均一な膜厚の薄膜を塗工形成できる。
特に被塗工体5がフィルム状である場合には、このフィルム状の被塗工体5のフィルム振動を抑えることができるので、前記作用・効果は一層良好に発揮され均一な薄膜を塗工形成できる。
しかし、この被塗工体5の表面が傷付き易いものであったり、傷や摩耗粉の混入も不良となるおそれのある場合には、このようなノズル部4の先端接触部6を被塗工体5の表面に接触摺動させることはできない。
特にリチウムイオン電池形成材の作製にあっては、基材となるアルミや銅などの金属フィルムを被塗工体5として用いることから、傷付け易く、また正極ではコバルト酸リチウムなどの正極活性物質,負極ではカーボングラファイトなどの負極活性物質を塗工して100μmオーダーの薄膜を均一に塗工するため、金属フィルムへのわずかなダメージも不良となりかねないし、またノズル部4の先端接触部6を単に硬度の小さい軟らかいものにすればダメージを抑えることができるがこの場合もこの摩耗粉が薄膜に混入するおそれがありこれも不良となるおそれがあるため、前記接触式のノズル部4を用いることができなかった。
この点本発明は、被塗工体5と摺動接触する先端接触部6を、面接し潤滑性に優れた合成樹脂材Pで形成したもので、これによりフィルム振動を抑えつつ被塗工体5に損傷も与えずまた潤滑性に優れた合成樹脂材Pとすることで耐摩耗性に優れ摩耗粉の混入も低減できることとなる。
また、この合成樹脂材Pを塗工液2に溶けない材質とすることで耐久性に優れ、しかも非導電性の材質とすることで、たとえわずかな摩耗粉が混入してもこれは導電性を有しないため塗工膜の機能に支障をきたさない。
また、特に先端接触部6が先端吐出孔3に近いほどフィルム振動の影響は少なく、例えば膜厚100μmで±2μmで均一な塗工膜を形成する場合には、先端接触部6から2mm以内に先端吐出孔3を設ける必要がある。
このように先端接触部6と先端吐出孔3との距離は近いほど良好となるが、先端吐出孔3自体(スリット形成部材)を合成樹脂材Pで形成すると、この微妙な変形によって先端吐出孔3の形状自体が微小ながらも変動するため均一な塗工を行えないおそれがあるため、先端吐出孔3は金属材Mで形成し、この近接位置で先端吐出孔3でのフィルム振動を抑えられるに十分な近接位置に合成樹脂材Pで形成した先端接触部6を突出形成している。
また、この合成樹脂材Pは被塗工体5と摺動接触する突出部にコーティングしたり含浸させたりして先端接触部6を合成樹脂材Pで形成しても良い。
即ち、例えば金属材Mの先端部にコーティングしたり、酸化させる等して形成した先端多孔部に含浸させて先端接触部6を合成樹脂材8で形成しても良く、この場合変形強度があるため先端吐出孔3を形成する一方の先端部にこのようにして先端接触部6を設ける構成とすることができる。
またコーティングの場合、例えばPTFEなどは40μm以上厚くコーティングするともろくなるため、コーティングの厚さの管理も要するため、合成樹脂材Pで形成した接触部形成用部材8の先端部を先端接触部6とすることが望ましい。
また、この場合は、この合成樹脂材Pで形成した接触部形成用部材8を金属材Mで挟持固定したり、金属材Mに埋設したり、インサート成形など接触部形成用部材8を金属材Mに支持固定することが望ましく、また摩耗した場合や潤滑性が劣化するおそれがある場合には交換したり先端接触部6を再研磨することができるように取り替え自在に構成することが望ましい。
また、前述のように先端吐出孔3の微小な変形を防止するため先端吐出孔3はSUSなどの金属材Mで形成し、この近傍、即ち1〜2mm以内に近づけて接触部形成用部材8の先端部を先端接触部6として配設するが、具体的には例えばこの先端吐出孔3を形成する金属材Mに合成樹脂材Pで形成した接触部形成用部材8を沿設し、更に金属材Mで押さえ込む構成とすれば、製作容易で取り替え自在となり、また接触部形成用部材8及びその先端の先端接触部6の変形強度も良好となり一層実用性に優れる。
また、例えば前述のようにリチウムイオン電池形成材を作製する場合には、アルミ製や銅製の金属フィルムを被塗工体5とし、これに正極ならコバルト酸リチウム,負極ならカーボングラファイトを塗工するにあたり、この塗工液2には例えば前述のようにPVDFをNMPに溶解したバインダーを用いるが、このような塗工液2のバインダーに溶けることなく耐久性に優れ、また、この金属フィルム5を傷付けず、自身耐摩耗性に優れる潤滑性の良好な合成樹脂材Pとして、PTFEなどの四フッ化化合物若しくは三フッ化化合物を用いる。
例えばこのPTFE製の接触部形成用部材8の先端部を先端吐出孔3の近接位置に先端吐出孔3よりやや突出するように配設して先端接触部6を設ける。
即ち、PTFE製の接触部形成用部材8の先端接触部6として先端吐出孔3の近接位置に設けることで、前記作用・効果が確実にして良好に発揮され、フィルム振動を抑えつつ金属フィルム5に傷を与えず接触部自身も摩耗しにくく摩耗粉の発生・混入も低減でき、しかもたとえ混入しても導電性を有しないため作製した塗工膜の機能に支障をきたさない極めて優れた接触式のノズル部4を実現できることとなる。
これにより両面塗工における第二塗工機構に用いる塗工装置としては極めて有用となり、例えばリチウムイオン電池形成材を、小型化・量産性を図れる両面塗工装置により作製できる。
また、更に請求項10記載の発明のように、前記先端吐出孔3からの塗工液2が吐出塗工される前に予め塗工する予塗工部9を設けて、前記ノズル部4の前記先端接触部6が、直接この被塗工体5の表面に摺動接触せず、前記予塗工されている表面に摺動接触する構成とすれば、即ち、ノズル部4の先端吐出孔3からの吐出による本塗工の前に予塗工部9を設けてこの本塗工に影響を与えない厚さで予塗工を行うことで、接触式のノズル部4の被塗工体5への損傷や摩耗粉の問題を一層低減できることとなる。
この予塗工は、本塗工の塗工液2と同じ液やこれに混合させるバインダーを用いて例えば塗工形成する薄厚の1/10や1/100程度の極薄膜を予塗工する。
これはノズル部4の先端吐出孔3の塗工位置に対して被塗工体5の搬送上流側でスプレーなどの噴霧によって予塗工を行っても良いが、例えば後述する実施例のように先端吐出孔3及び前述の先端接触部6より被塗工体5の搬送上流側に、もう一つの予塗工用先端吐出孔10を並設し、例えば合成樹脂材Pで形成し先端部に先端接触部6を設ける接触部形成用部材8内やこの外側、例えば押さえ込み部として設ける金属材Mに予塗工液供給路16を設けてこの先端部に予塗工用先端吐出孔10を形成し、この予塗工用先端吐出孔10から予塗工液供給路16を介して前記予塗工液11を吐出して極薄の予塗工薄膜を形成する。
これによりノズル部4の先端接触部6は被塗工体5の表面(塗工面)に直接摺動接触せず、必ず予塗工部9によって予塗工されている被塗工体5の塗工面(予塗工済み面)に摺動接触することになり、それだけ更に一層被塗工体5を傷付けにくく、また先端接触部6も摩耗しにくく、それ故この摩耗粉の発生・混入も更に抑制できることとなる。
繰り返しになるが、このように本発明では、接触式のノズル部4の問題点を減じることができるため、接触式のノズル部4を用いてフィルム振動を抑えつつ均一に薄膜を形成できることとなる。
従って、フィルム状の被塗工体5であっても、両面塗工における片面塗工後の反対面の塗工に際しても前記問題点を生じにくく、熱風乾燥などの乾燥工程により生じるフィルム振動を良好に抑えつつ塗工できるため、装置の小型化が図れ両面塗工スピードを上げることで量産性も向上する前述の両面塗工が実現できる画期的な薄膜塗工装置並びに両面薄膜塗工装置となる。
特にこのような作製スピード向上による量産性が切望されていて、また接触式のノズル部4による被塗工体5(金属製フィルム)へのダメージや摩耗粉の混入を抑えなければならない両面塗工のリチウムイオン電池形成材の作製においては、極めて実用性に優れた両面薄膜塗工装置となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、反対面を支承できない状態でフィルム状の被塗工体5に薄膜を塗工するのに極めて有用な薄膜塗工装置を用いたもので、片面塗工後にこれを乾燥する前に連続して反対面も塗工する際にこの本発明に係る薄膜塗工装置を用いて両面薄膜塗工装置を構成したものであり、特にフィルム振動の問題及びこれを解決する接触式のノズル部4の問題の双方を解決する両面薄膜塗工装置である。
即ち、本実施例は、前記フィルム状の被塗工体5の両面に塗工を行う両面薄膜塗工装置であって、片面に塗工する第一塗工機構Aと、反対面に更に塗工する第二塗工機構Bと、この両面塗工を終えた被塗工体5を乾燥する乾燥機構Cとを備え、前記第二塗工機構Bとして本発明に係る以下の薄膜塗工装置を用いた両面薄膜塗工装置としている。
また、本実施例は、前述のように両面塗工に際してのフィルム振動の問題を解決する接触式のノズル部4を用い、このノズル部4の被塗工体5との先端接触部6を樹脂製とすることでこの接触式のノズル部4の問題点をも解決し、これまで容易に実用化できないとされていた両面塗工のリチウムイオン電池の作製における装置の小型化が図れ且つスピーディーに作製できる両面薄膜塗工装置を実現したものである。
即ち、前記被塗工体5としてアルミ製や銅製などの金属フィルムを用い、この両面に塗工する前記塗工液2として例えばコバルト酸リチウムなどのリチウムイオン電池の正極活性物質若しくはカーボングラファイトなどの負極活性物質を用いて、両面にこの薄膜を塗工形成したリチウムイオン電池形成材を作製するように構成した両面薄膜塗工装置としている。
具体的には、例えば被塗工体5は厚さ10〜20μmで幅650mmの金属フィルムとし、このフィルムの両面にコバルト酸リチウムなどの正極活性物質若しくはカーボングラファイトなどの負極活性物質にバインダーを混合した塗工液2を用いて100μmオーダーの薄膜を、プラスマイナス2μmの誤差で均一に塗工形成するもので、液供給部1から液溜め部13を介して供給された塗工液2をスリット状の先端吐出孔3から吐出するノズル部4を前記フィルム状の被塗工体5に対向配設し、このノズル部4の先端吐出孔3から塗工液2を吐出しながら、このノズル部4と対向するフィルム状の被塗工体5をこのノズル部4に対して搬送させることで前記被塗工体5に塗工液2を薄膜状に塗工するように構成している。
本実施例では、このようなフィルム状の被塗工体5の片面に先ず塗工液2により塗工する第一塗工機構Aは、供給ロール14に巻き取ってあるフィルム状の被塗工体5を引き出し、塗工面と反対面を塗工用支持ロール15で支持しながら、片面に前記ノズル部4の先端吐出孔3を近接させて片面に薄膜を塗工形成する従来の非接触式の薄膜塗工装置で構成し、この第一塗工機構Aにより片面塗工を終え、乾燥工程もクーリング工程も経ることなく、まだ乾燥処理しないこのフィルム状の被塗工体5に、この既に塗工済みの片面を支持することなく第二塗工機構Bにより反対面を接触式のノズル部4で塗工し、この両面塗工を終えた後に、例えばIRや熱風で乾燥する乾燥機構Cを設けている。
また、この乾燥機構Cの手前にエアニップ方式の非接触式振動抑制機構Dを更に設けてフィルム振動をできるだけ抑え込んだ状態で接触式のノズル部4でフィルム振動を抑えている。
これにより二つの乾燥工程やクーリング工程も不要となり連続して両面塗工が行え、リチウムイオン電池の作製にあたって装置の小型化や作製スピードの向上による量産化が図れる。
本実施例では、このような両面薄膜塗工装置の前記第二塗工機構Bに本発明に係る薄膜塗工装置を適用したものである。
具体的には、本実施例の第二塗工機構Bとして用いる薄膜塗工装置は、前記フィルム状の被塗工体5と摺動接触する前記ノズル部4の先端接触部6を、ノズル部4(先端吐出孔3)を形成している金属材Mとせず、前記塗工液2に溶けず導電性を有しない合成樹脂材Pで形成している。
即ち、先端接触部6を金属製でなく、潤滑性に優れ非導電性で塗工液2に浸食されない合成樹脂材Pで形成している。
更に説明すると、前記先端吐出孔3を間隙を介して対向する金属材Mで形成し、この先端吐出孔3と近接する位置にやや突出する形状であって、所定の接触圧で被塗工体5を傷めることなく滑らかに面接するように先端接触部6を突出形成するが、この先端接触部6は金属製でなく、樹脂製としている。
この先端接触部6を形成する前記合成樹脂材Pは、非導電性で且つ潤滑性に優れ耐摩耗性に優れた合成樹脂材Pとすると共に、鋭利な形状とせず面接触する形状に形成して、前記先端接触部6を、前記被塗工体5を傷付けにくく且つ摩耗しにくく、摩耗してもこの摩耗粉は導電性を有しない構成としている。
具体的には、このような合成樹脂材Pとして、最適な三フッ化化合物若しくは四フッ化化合物から成る合成樹脂材Pとしており、比較的安価で入手し易く、加工もし易く、前述のような性能を発揮し、特に前述したように、リチウムイオン電池形成材の作製においては、この際に使用する前述した塗工液2に対して溶けず前記性能(作用・効果)を良好に発揮するPTFEが最適である。
また、更に具体的に説明すると、本実施例では、このPTFEで形成した接触部形成用部材8の先端部を先端接触部6とし、この接触部形成用部材8を固定してこの先端部の先端接触部6を、先端吐出孔3の近接位置にして先端吐出孔3よりやや突出状態に固定する構成としている。
即ち、前記先端吐出孔3自体を前記合成樹脂材Pで形成した前記先端接触部6で形成せず、前記先端吐出孔3は間隙を介して対向する金属材Mで形成し、この先端吐出孔3から2mm以内の近接位置で前記被塗工体5と摺動接触する位置にPTFEで形成した接触部形成用部材8の先端部を先端接触部6として配設している。
単に先端のスリット間隙を介して重合することで先端吐出孔3の一方側をPTFEで形成し、この先端吐出孔3の一方のPTFE製の先端部を先端接触部6として被塗工体5に接触させると、この先端接触部6が微小に変形することで先端吐出孔3の形状が微小に変動し均一な塗工膜を形成できないおそれがある。
本実施例では、あくまで先端吐出孔3は従来通りSUSなどの金属材Mを重合することで形成している。即ち、金属材Mをシムなどを挟んで突き合わせてスリット間隙を形成し、このスリット間隙に塗工液2を供給する塗工液供給路(液供給部1)を連通させて、このスリット間隙を先端吐出孔3とし、このように先端吐出孔3はあくまで金属材Mで形成し、この搬送上流側近傍にこの先端吐出孔3よりやや突出状態に合成樹脂材Pで形成した接触部形成用部材8の先端部を配設し、前記先端接触部6を先端吐出孔3とは別にノズル部4の先端吐出孔3の近傍に設けている。
また、この接触部形成用部材8及びこの先端部の先端接触部6の変形強度が向上し、位置変動が生じにくいように前記樹脂製の接触部形成用部材8を金属材Mに支持固定している。
例えば、先端吐出孔3を形成する金属材MにPTFE製の接触部形成用部材8を沿設し、これに更に押さえ込み部としての金属材Mを沿設し金属材M間に接触部形成用部材8を挟持固定している。また、金属材Mに埋設して係止固定しても良い。
例えば、図1〜図3に示す本実施例(第一実施例)では、金属材Mを塗工液供給路(液供給部1)と連通するスリット間隙を介して重合して構成するノズル部4の搬送上流側の金属材M(ノズル形成半体)の肩部を切り欠いた形状に形成し、ここにPTFE製の接触部形成用部材8を当接し、更に金属製の押さえ込み部を当接して接触部形成用部材8を金属材M間に挟持した状態で止着ボルトで固定する構成としている。
この接触部形成用部材8の先端部も先端吐出孔3と同様にフィルム幅より大きく形成し、先端吐出孔3の近傍で先端吐出孔3よりやや突出した状態となり、このフィルム幅方向にスリット状の先端吐出孔3と並設するように先端部を形成して先端接触部6とし、搬送されてくる被塗工体5に所定圧で摺動接触するように所定範囲で面接する湾曲突出形状に形成している。即ち、この先端接触部6は、幅方向に長さを有し且つフィルム長さ方向でこのフィルム5と線接触とならず所定範囲で面接接触状態で摺動接触する湾曲突条に突出した形状としている。
従って、例えば接触部形成用部材8を取り替え自在に構成できると共に、この接触部形成用部材8の底部にシムを入れることで先端接触部6の突出位置を微調整できると共に、摩耗度に応じてシムを入れて適正位置に調整できる構成としている。
また、更に本実施例では、前記フィルム状の被塗工体5の前記先端吐出孔3より搬送上流側を支持する支持ロール7を設け、この支持ロール7の位置設定によって前記先端接触部6を押圧接触させることで前述のようにこの先端接触部6の接触圧を調整設定した構成としている。
また、図4の第二実施例は、接触部形成用部材8を板材として先端吐出孔3を形成する金属材Mの外側に沿設追加して先端接触部6を設けた実施例である。
図6に示す第四実施例は、先端吐出孔3を形成する一方の半体を接触部形成用部材8で形成するが、この接触部形成用部材8の外側に押さえ込み部としての金属材Mを締め付け固定し、接触部形成用部材8の幅も十分にとることで先端吐出孔3の変形による問題が生じにくいように構成している。
また、図7,図8に示す第五実施例及び第六実施例は、金属材Mに係止状態にして合成樹脂材P(PTFE)を埋設固定し、金属材Mから突出している部分を加工により切除して、所定位置に突起部を形成してこれを先端接触部6とする構成の実施例である。
また、図5,図6,図8に示す第三実施例や第四実施例や第六実施例に示すように、この接触式の前記ノズル部4の先端吐出孔3に対して前記被塗工体5の搬送上流側に、この被塗工体5に前記先端吐出孔3からの塗工液2が吐出塗工される前に予め塗工する予塗工部9を設けて、この予塗工部9により予め塗工した前記被塗工体5に更に前記先端吐出孔3からの塗工液2により塗工することで、前記ノズル部4の前記被塗工体5との先端接触部6が、直接この被塗工体5の表面に摺動接触せず、前記予塗工されている表面に摺動接触するように構成している。
本実施例では、前述のように100μmオーダーの薄膜をプラスマイナス2μmの誤差で均一に塗工形成するもので、このノズル部4の先端吐出孔3からの吐出による本塗工前に予塗工部9によってこの膜厚の1/10あるいは1/100程度の更に極薄の薄膜を予塗工するもので、この予塗工部9の予塗工に用いる予塗工液11は、前記先端吐出孔3から吐出して塗工する本塗工の前記塗工液2と同じ液若しくは前記塗工液2に混ぜるバインダーとしている。
従って、リチウムイオン電池形成材の基材となる金属フィルムの両面に精度良く均一に塗工でき、しかも前記問題点を解決し被塗工体5(金属フィルム)を傷付けたりノズル部の先端接触部の摩耗粉の発生・混入による不良も一層低減でき、また、予塗工部による予塗工が本塗工に影響を与えず均一に精度良く薄膜を塗工形成でき、特に予塗工液11を本塗工に用いるバインダーとすれば、バインダーは摩耗させにくい滑らかな液である場合が多いことから、ノズル部の先端接触部の接触によるダメージや摩耗を一層抑えることができ、また先端接触部の摩耗粉の混入を更に抑えることができ、しかも本塗工への影響も少ないなど一層優れる。
更に説明すると、本実施例では、前記ノズル部4を利用してこの先端吐出孔3に並設して前記予塗工部9を設ける構成としたもので、具体的には先端吐出孔3及び先端接触部6に対して前記被塗工体5の搬送上流側に、前記予塗工液11を吐出する予塗工用のスリット状の予塗工用先端吐出孔10を前記先端吐出孔3と並設して接触部形成用部材の外側面やこの中に設けて前記予塗工部9を構成している。
具体的には、例えば接触部形成用部材8の数箇所に先端部を予塗工用先端吐出孔10とした予塗工液供給路16を設けても良いが、例えば図5に示す第三実施例のように、接触部形成用部材8の押さえ込み部の金属材Mの合わせ面に、予塗工液供給路16と連通する溝(予塗工液供給路16)と、幅方向に長さを有する液溜め凹部(液溜め部13)と、先端段差面(スリット状の予塗工用先端吐出孔10)とを形成して、これを接触部形成用部8の外側と合わせ重合することで、接触部形成用部8の外側に沿って供給されこの接触部形成用部8の先端部の先端接触部6の近傍で予塗工液11を吐出させる予塗工用先端吐出孔10(予塗工部9)を設けた構成としている。
また、本塗工の塗工液2と予塗工液11とを同じ液とする場合には液供給部1から分岐させて予塗工液供給路16を設けて予塗工用先端吐出孔10から塗工液2を予塗工液11として吐出するように構成すれば良い。
また、本実施例では、前述のように第二塗工機構Bと乾燥機構Cとの間、即ち支持ロール7と乾燥機構Cとの間にノズル部4を配設するが、このノズル部4と乾燥機構Cの間に非接触式振動抑制機構Dを設けている。
この非接触式振動抑制機構Dは、フィルム状の被塗工体5を非接触状態で挟むように板状のエア噴出部17を対向配設し、このエア噴出部17に設けた多数のエア噴出孔からエアを噴出して被塗工体5をエア圧で押さえ、これにより被塗工体5の振動,特に熱風乾燥などの乾燥機構Cにより生じるフィルム振動を抑制減衰させるように非接触支持するものである。
具体的には、フィルム状の被塗工体5の所定範囲、例えば被塗工体5の幅が650mmであるとすれば、これよりやや大きい幅、例えば800mmとして、長さは例えば600mmとし、少なくともエア噴出部17間を被塗工体5が通過するのに1秒位かかる範囲をエアで押さえ込むように構成している。
具体的には、このエア噴出部17の表面には0.5φの多数のエア噴出孔を設け、このエア噴出部17内にはエア供給源から供給されたエアを整流均一化する多孔板(邪魔板)を内装し、最終的に内部に供給されたエアが表面の前記エア噴出孔から均一に噴出するように構成している。
このエアの噴出量は多く且つエア噴出速度が遅い方が、被塗工体5のフィルム振動を抑制減衰させるフィルム保持効果が良好となる。
本実施例では、このように非接触式振動抑制機構Dを介在して、できるだけ乾燥機構Cによるフィルム振動を抑えた上で接触式のノズル部4を用いた本発明に係る薄膜塗工装置による第二塗工機構Bによって、片面を支承できない状態での反対面を塗工する両面塗工においても、精度良く均一に薄膜を塗工形成できるようにしている。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 液供給部
2 塗工液
3 先端吐出孔
4 ノズル部
5 被塗工体
6 先端接触部
7 支持ロール
8 接触部形成用部材
9 予塗工部
10 予塗工用先端吐出孔
11 予塗工液
A 第一塗工機構
B 第二塗工機構
C 乾燥機構
M 金属材
P 合成樹脂材

Claims (14)

  1. 液供給部から供給された塗工液をスリット状の先端吐出孔から吐出するノズル部を有し、このノズル部の先端吐出孔から塗工液を吐出しながら、このノズル部と対向する被塗工体をこのノズル部に対して相対搬送させることで前記被塗工体に塗工液を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置において、前記被塗工体と摺動接触する前記ノズル部の先端接触部を、前記塗工液に溶けず導電性を有しない合成樹脂材で形成したことを特徴とする薄膜塗工装置。
  2. 液供給部から供給された塗工液をスリット状の先端吐出孔から吐出するノズル部を有し、このノズル部の先端吐出孔から塗工液を吐出しながら、このノズル部と対向する被塗工体をこのノズル部に対して相対搬送させることで前記被塗工体に塗工液を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置において、前記先端吐出孔を間隙を介して対向する金属材で形成し、この先端吐出孔と近接する位置で前記被塗工体と摺動接触する前記ノズル部の先端接触部を合成樹脂材で形成したことを特徴とする薄膜塗工装置。
  3. 前記先端接触部を形成する前記合成樹脂材を、非導電性で且つ潤滑性に優れ耐摩耗性に優れた合成樹脂材とすると共に、鋭利な形状とせず面接触する形状に形成して、前記先端接触部を、前記被塗工体を傷付けにくく且つ摩耗しにくく、摩耗してもこの摩耗粉は導電性を有しない構成としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置。
  4. 液供給部から供給された塗工液をスリット状の先端吐出孔から吐出するノズル部を有し、このノズル部の先端吐出孔から塗工液を吐出しながら、このノズル部と対向する被塗工体をこのノズル部に対して相対搬送させることで前記被塗工体に塗工液を薄膜状に塗工するように構成した薄膜塗工装置において、前記被塗工体と摺動接触する前記ノズル部の先端接触部を、三フッ化化合物若しくは四フッ化化合物から成る合成樹脂材で形成したことを特徴とする薄膜塗工装置。
  5. 前記ノズル部の前記先端吐出孔に対して前記被塗工体の搬送上流側に前記先端接触部を設け、この先端接触部の搬送下流側の前記先端吐出孔から吐出する前記塗工液が、この先端吐出孔に対して搬送するフィルム状の前記被塗工体に薄膜を塗工形成するように構成し、この先端接触部がフィルム状の前記被塗工体と接触することでフィルム振動を抑えるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置。
  6. 前記フィルム状の被塗工体の前記先端吐出孔より搬送上流側を支持する支持ロールを設け、この支持ロールの位置設定によって前記先端接触部の接触圧を調整設定した構成としたことを特徴とする請求項5記載の薄膜塗工装置。
  7. 前記先端吐出孔を前記合成樹脂材で形成した前記先端接触部で形成せず、前記先端吐出孔は間隙を介して対向する金属材で形成し、この先端吐出孔から2mm以内の近接位置で前記被塗工体と摺動接触する位置に前記合成樹脂材で形成した前記先端接触部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置。
  8. 前記合成樹脂材で形成した接触部形成用部材の先端部を前記先端接触部としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置。
  9. 前記接触部形成用部材を金属材で挟持若しくは金属材に係止して金属材に支持固定したことを特徴とする請求項8記載の薄膜塗工装置。
  10. 前記ノズル部の先端吐出孔及び前記先端接触部に対して前記被塗工体の搬送上流側に、この被塗工体に前記先端吐出孔からの塗工液が吐出塗工される前に予め塗工する予塗工部を設けて、この予塗工部により予め塗工した前記被塗工体に更に前記先端吐出孔からの塗工液により塗工することで、前記ノズル部の前記先端接触部が、直接この被塗工体の表面に摺動接触せず、前記予塗工されている表面に摺動接触するように構成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置。
  11. 前記予塗工部の予塗工に用いる予塗工液は、前記先端吐出孔から吐出して塗工する本塗工の前記塗工液と同じ液若しくは前記塗工液に混ぜるバインダーとし、この予塗工液による塗工膜厚は、前記本塗工での前記塗工液による塗工膜厚より薄い膜厚となるように前記予塗工部を構成したことを特徴とする請求項10記載の薄膜塗工装置。
  12. 前記ノズル部の前記先端吐出孔及び前記先端接触部に対して前記被塗工体の搬送上流側に、前記予塗工液を吐出する予塗工用のスリット状の予塗工用先端吐出孔を前記先端吐出孔と並設して前記予塗工部を構成したことを特徴とする請求項10,11のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置。
  13. フィルム状の前記被塗工体の両面に塗工を行う両面薄膜塗工装置であって、片面に塗工する第一塗工機構と、反対面に更に塗工する第二塗工機構と、この両面塗工を終えた被塗工体を乾燥する乾燥機構とを備え、前記第二塗工機構として前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の薄膜塗工装置を用いたことを特徴とする両面薄膜塗工装置。
  14. 前記被塗工体として金属製フィルムを用い、この両面に塗工する前記塗工液としてリチウムイオン電池の正極活性物質若しくは負極活性物質を用いて、両面にこの薄膜を塗工形成したリチウムイオン電池形成材を作製するように構成したことを特徴とする請求項13記載の両面薄膜塗工装置。
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