JP2011120513A - 子宮内電気穿孔法を用いた高等哺乳動物への遺伝子導入方法およびこの方法によって得られる遺伝子導入高等哺乳動物 - Google Patents

子宮内電気穿孔法を用いた高等哺乳動物への遺伝子導入方法およびこの方法によって得られる遺伝子導入高等哺乳動物 Download PDF

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Abstract

【課題】遺伝子の機能の解析、有用な性質を有する動物の作製などを目的として、動物に遺伝子を導入することによって遺伝子の発現を増強または抑制した動物が作製されているが、高等哺乳動物に対して、簡便、高効率かつ迅速に遺伝子を導入できる方法を提供する。
【解決手段】子宮内の胎児に核酸を注入する工程、および発熱を防止するために十分な量の生理食塩水の存在下で子宮に100V〜200Vの電圧の電気パルスをかける工程を含む、遺伝子導入高等哺乳動物の作製方法。
【効果】遺伝子導入高等哺乳動物の作製方法、およびその方法によって得られる遺伝子導入高等哺乳動物が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、遺伝子導入高等哺乳動物の作製方法に関する。より詳細には、本発明は、子宮内電気穿孔法を用いた高等哺乳動物への遺伝子導入方法、およびこの方法によって得られる遺伝子導入高等哺乳動物に関する。
遺伝子の機能の解析、有用な性質を有する動物の作製などを目的として、動物に遺伝子を導入することによって遺伝子の発現を増強または抑制した動物が作製されている。このような技術には、多くの場合、マウスなどの下等哺乳動物が使用されている。しかし、得られる結果の高等哺乳動物(例えば霊長類)への応用の観点からは、より高等な哺乳動物を使用することが望ましい。さらに、特定の部位における遺伝子の発現を研究しようとする場合などには、部位特異的な遺伝子の発現制御が必要である。
例えば、脳神経系の研究のためには、ヒト脳に類似な、より複雑な脳を持つ高等哺乳動物における解析が望ましい。高等哺乳動物の脳内には、マウスには見られない様々な構造が存在している。そのような構造の例としては、大脳皮質一次視覚野における眼優位性カラム構造が挙げられる。さらに、脳の表面に脳回(脳のしわの隆起部分)が無く脳表面が平滑であることを特徴とする発達障害疾患である滑脳症は遺伝病であることが知られているが、マウスには脳回がないので、この疾患のモデル動物をマウスを使用して作製することはできない。このように、マウスなどの下等哺乳動物を用いた解析だけでは高等哺乳動物の脳神経および脳神経疾患を十分に理解することは困難であり、脳神経系の形成過程、機能や病態などを理解するためには、高等哺乳動物へ遺伝子を導入することが非常に重要である。
高等哺乳動物への遺伝子導入に関しては、ウイルスベクターを霊長類哺乳動物であるマーモセットの受精卵に感染させることにより遺伝子改変動物を作製したことが報告されている(非特許文献1)。しかし、この方法には、実験手技が特殊であり、動物作製に時間がかかるといった問題点がある。また、ウイルスを扱うための特殊な施設が必要とされるという問題点もある。また、例えば脳における特異的発現のためにウイルスベクターを直接脳内に注入した場合では、高い遺伝子導入効率は得られない。
子宮内電気穿孔法は、もっぱらマウスなどの齧歯類哺乳動物の脳機能を解析する目的で脳神経系に遺伝子を導入するために使用されている方法であり、この方法では、麻酔をかけた妊娠マウスの腹壁を開き、子宮内にあるマウス胎児の脳室内にプラスミドDNAを注入したのちに、子宮壁ごしに電気パルスをかける(非特許文献2〜5)。子宮内電気穿孔法には、特別なマウス系統を作製する必要が無い、操作が簡便である、迅速に遺伝子を発現させる、脳部位特異的に遺伝子を発現させることができるなどといった利点がある。
子宮内電気穿孔法によって高等哺乳動物に遺伝子を導入することができれば、マウスの場合と同様な利点に加えて、マウスでは得られなかった有用性が期待される。しかし、現在までに、子宮内電気穿孔法を用いて齧歯類以外の哺乳動物への遺伝子導入が成功した例は報告されていない。
Sasaki, E. et al. (2009) Nature, 459: 523-527. Tabata, H. et al. (2001) Neuroscience, 103: 865-872. Saito, T. et al. (2001) Dev. Biol., 240: 237-246. Saito, T. (2006) Nature Protocols, 1: 1552-1558. Tabata, H. et al. (2008) Dev. Growth Differ., 50: 507-511.
上記のように、高等哺乳動物に対して、簡便、高効率かつ迅速に遺伝子を導入できる方法が求められていた。この現状をふまえ、本発明者は、高等哺乳動物に対して子宮内電気穿孔法を用いた遺伝子導入技術の確立を行い、高等哺乳動物への簡便かつ迅速な遺伝子導入方法を確立することを目的とした。
本発明は、
[1]子宮内の胎児に核酸を注入する工程、および発熱を防止するために十分な量の生理食塩水の存在下で子宮に100V〜200Vの電圧の電気パルスをかける工程を含む、遺伝子導入高等哺乳動物の作製方法;
[2]高等哺乳動物が食肉類哺乳動物である、[1]の方法;
[3][1]または[2]の方法によって作製される遺伝子導入高等哺乳動物
に関する。
本発明により、遺伝子導入高等哺乳動物の作製方法、およびこの方法によって得られる遺伝子導入高等哺乳動物が提供される。
子宮内電気穿孔法によるフェレット脳へのGFP導入を示す図である。
本明細書において使用する「子宮内電気穿孔法」という用語は、胎児を子宮からから取り出すことなしに、胎児に核酸を注入し、子宮の外側から電気パルスをかけることによって胎児に遺伝子を導入する方法を指す。「電気穿孔法」は、核酸の存在下で細胞に電気パルスをかけると、その際に生じる細胞膜の小孔を通して核酸が細胞中に取り込まれる現象を利用した遺伝子導入方法であり、細菌、酵母、動物細胞、植物細胞などの広範な生物に適用されている。子宮内電気穿孔法は、上記操作を、子宮内に存在する胎児に対して実施するものである。これに対して、子宮から胎児を取り出して電気パルスをかける方法を子宮外電気穿孔法という。通常、子宮内電気穿孔法は以下の工程を含む:1)妊娠動物の麻酔および子宮の露出、2)胎児への核酸の注入、3)電気穿孔、4)妊娠動物の覚醒。
電気穿孔に供する胎児の胎生期は遺伝子が導入される部位および新生仔生存率などに影響するので、使用する動物、目的などに応じて適切に選択される。例えばフェレットの大脳皮質へ遺伝子を導入する場合、電気穿孔は胎生期31日目以降(E31〜)、好ましくは35〜37日目(E35〜37)に行われる。電気穿孔を実施した後、動物を飼育し、任意の時点で実験に供することができる。例えば、フェレットの場合、1匹当たりの胎児数は通常約10匹であり、妊娠期間は通常約40日間であり、妊娠期間終了前に胎児の一部または全部を取り出してもよく、または出産後の動物を検討してもよい。
本明細書において使用する「高等哺乳動物」という用語は、非齧歯類哺乳動物を指す。好ましくは、高等哺乳動物は、非ヒト哺乳動物である。1つの実施態様において、高等哺乳動物は、食肉類哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、イタチ、フェレットなどであり、好ましくは、フェレットである。別の実施態様において、高等哺乳動物は、大脳皮質一次視覚野における眼優位性カラム構造および脳表面の脳回を有する哺乳動物である。
ネコに近縁の食肉類哺乳動物であるフェレットには下記の特徴がある。第一に、フェレットは発達した脳神経系を持つ。詳細には、フェレットは、霊長類と同様に、大脳皮質一次視覚野における眼優位性カラム構造を有し、そしてフェレットの脳表面には脳回が存在する。第二に、前記特徴から、フェレットは欧米を中心に視覚系研究などの脳神経研究に広く用いられている。第三に、フェレットには様々な解剖学的、組織学的、生理学的データの蓄積がある。以上の点より、フェレットを使用して、マウスなどの下等動物では得られなかった情報を得ることができ、その結果をより高等な哺乳動物(例えば霊長類)へ応用できる可能性がある。
1つの実施態様において、高等哺乳動物は、胎盤が帯状の形態を有する哺乳動物である。胎盤の形態は動物種によって異なる。齧歯類(例えばマウス)などの場合、胎盤の形態は円板状である(すなわち、胎盤は子宮の片側に局在している)。従って、子宮内の胎児の位置や向きを目視によって把握し、核酸を注入すべき部位を確認することは比較的容易である。一方、食肉類哺乳動物(例えばフェレット)などの場合、胎盤の形態は帯状である(すなわち、胎盤は子宮を取り囲むように全周に存在する)。それゆえ、子宮内の胎児を目視によって確認することは困難である。また、妊娠フェレットの子宮はマウスに比べて約3倍以上の大きさがあり、子宮筋が厚いので、マウスに使用されているような通常の光源での照明を使用した場合、十分な光が子宮壁を通過しない。このことはさらに胎児の目視での観察を困難にしている。
本発明者は、発熱による胎児への悪影響を回避するために、非発熱性の光源(例えば光ファイバー)を使用し、その先端を子宮壁に密着させて照明することにより、子宮内部の胎児の可視化が可能となることを見出した。その際、光源で光を当てながら胎児の頭部を胎盤の無い子宮壁に押しやり、胎児の特定の部位(例えば眼および鼻)の位置に基づいて目的の部位(例えば頭部中央)を決定して核酸を注入すれば、胎盤の損傷を回避することができることを見出した。子宮内の胎児の位置や向きを把握でき、胎盤への損傷が回避できるのであれば、他の任意の方法(例えば超音波断層撮影法)を使用して核酸を注入することもできる。なお、子宮内の胎児を目視により確認するために、子宮を切開し、子宮外で胎児に電気パルスをかける子宮外電気穿孔法は、おそらく、子宮の切開の際に帯状胎盤が損傷を受け、新生仔生存率が低下するので、適切ではない。
本発明において使用する核酸は、その導入が所望される任意の核酸である。核酸は、好ましくは、DNAであり、より好ましくはプラスミドDNAである。例えば、目的の遺伝子を過剰発現させるかまたは組織特異的もしくは時期特異的に発現させるための発現ベクター、目的の遺伝子の発現を抑制するためのリボザイム、アンチセンスRNAまたはsiRNAを発現する発現ベクターなどを使用することができる。子宮内の胎児への核酸の注入を、公知の方法に従って実施することができる。例えば、ガラスキャピラリー針を使用して、胎児の目的の部位に核酸を注入することができる。核酸を注入する部位は、目的に応じて任意に選択される。例えば、脳神経系における遺伝子機能の解析のために、核酸を側脳室に注入することができる。
子宮の外側から核酸を注入した胎児の部位を電極ではさみ、電気パルスをかけて、電気穿孔を実施することができる。電気パルスを発生させる装置および電極として、市販されているものを使用することができる。子宮内電気穿孔法の結果を、遺伝子導入効率および新生仔生存率に基づいて評価することができる。一般に、電気パルスの電圧は、高ければ高いほど遺伝子導入効率が上昇しそして新生仔生存率が低下する傾向がある。従って、至適な電圧はこれらを考慮して決定される。例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子などのマーカー遺伝子を導入した際に観察される遺伝子発現の程度に基づいて、遺伝子導入効率を決定することができる。新生仔生存率を、電気穿孔に供した胎児に対する生存個体数の割合として算出することができる。電気パルスの電圧は、好ましくは80V以上、より好ましくは100V以上であり、好ましくは200V以下、より好ましく150V以下であり、さらに好ましくは100Vである。さらに、電気パルスの回数、長さ、波形によっても子宮内電気穿孔法の結果は影響を受け得る。電気パルスの回数は、例えば3回以上、好ましくは4回以上であり、例えば7回以下、好ましくは6回以下であり、より好ましくは5回である。電気パルスの長さは、例えば40ms以上、好ましくは50ms以上であり、例えば120ms以下、好ましくは100ms以下であり、より好ましくは50msである。電気パルスの波形は減衰波または矩形波であり得るが、矩形波であることが好ましい。
本明細書において使用する「生理食塩水」という用語は、細胞の生存を維持させるように調節された塩類を含有する溶液であって、その存在下で電気穿孔を行うことのできる任意の溶液を指す。例えば、生理食塩水は約0.9%の塩化ナトリウムを含有する水溶液である。pHを安定に維持するための緩衝作用を有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの溶液も生理食塩水に含まれる。
本発明の方法によれば、発熱を防止するために十分な量の生理食塩水の存在下で子宮に電気パルスをかける。マウスを使用した従来の方法においても、子宮の乾燥を防止するために生理食塩水で子宮を湿らせていたが、マウスの場合は電気パルスの電圧が比較的低く(通常30〜50V)、電気穿孔の際の発熱は大きな問題とはならなかった。しかし、本発明の方法では、上記のように比較的高い電圧が使用されるので、マウスのための方法をそのまま適用すると、子宮が焼けて損傷を受け、新生仔生存率が低下する。本発明者は、子宮に電気パルスをかける際に発熱を防止するために十分な量の生理食塩水を使用することによってこの問題を解決した。
本明細書において使用する「発熱を防止するために十分な量」という用語は、電気パルスをかけた際に発生する熱による、子宮および/または子宮内の胎児への悪影響を回避または抑制するために十分な生理食塩水の量を指す。子宮および/または子宮内の胎児への悪影響は、子宮の損傷、新生仔生存率などに基づいて評価され得る。例えば、生理食塩水を、3回のパルスの後に滴下しさらに2回パルスをかける、5回のパルス間毎に滴下する、またはパルスをかける間中連続的に滴下することによって、発熱を防止するために十分な量の生理食塩水を提供することができる。
本発明の方法は、簡便、高効率かつ迅速に遺伝子を高等哺乳動物に導入できる方法である。本発明の方法によれば、部位特異的に多数の細胞に遺伝子が導入された高等哺乳動物を作製することができる。このような動物は本発明者によって初めて得られたものである。従って、本発明によれば、部位特異的に遺伝子が導入された高等哺乳動物が提供される。本発明は、特に、マウスなどの下等動物を使用した場合には行なえなかった研究のために有用である。例えば、フェレットなどの高等哺乳動物には脳回が存在するので、脳の表面に脳回が無く脳表面が平滑であることを特徴とする滑脳症のモデル動物など、マウスのような下等哺乳動物を使用して作製することができなかった疾患のモデル動物を作製することができる。また、本発明の方法をスクリーニング方法として使用して疾患に関与する遺伝子を同定し、その結果に基づいて生殖細胞に目的の遺伝子を導入した株(トランスジェニック動物)を得ることもできる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)子宮内電気穿孔法の手順
胎生期35〜37日目(E35〜37)の胎児を有する雌性妊娠フェレット(マーシャル社)を1〜4時間絶食させ、850μlのネンブタール(50mg/ml)を腹腔内注射し、その後100μlのアトロピン(0.5mg/ml)を皮下注射して麻酔した。
フェレットを切開して子宮を露出させ、ガラスキャピラリー針からプラスミドDNA溶液(緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするプラスミドpCAG−EGFP、1mg/ml)10μl、10倍濃縮生理食塩水(10×PBS)5μl、5%FastGreen/PBS 5μlおよび水30μlの混合物を胎児の側脳室へ1胎児当たり4〜5μl注入した。通常フェレット1匹当たりの胎児数は約10匹である。この際、Leica冷光源CLS150Xを用いて、光を当てながら胎児の頭部を帯状胎盤の無い子宮壁に押しやり、胎児の眼および鼻の位置を確認し、頭部中央へ注入した。
次いで、電気穿孔装置ECM830(米国BTX−Harvard Apparatus社)に接続した電極CUY650P7−P10(ネッパジーン社)で子宮の外側から胎児をはさんで所定の条件で電気パルスをかけた。
切開した部分を縫合した後、アンピシリン(125mg/ml)200μlを皮下注射し、覚醒後、動物を飼育した。電気穿孔法を実施した1〜2週間後に遺伝子導入効率の指標としてのGFPを観察した。
(2)電気穿孔条件の検討
マウスの場合、40V、50ms、5回の電気パルスが電気穿孔のための至適条件として報告されている(非特許文献4参照)。しかし、この条件をフェレットに適用しても遺伝子導入効果は見られなかった。そこで、電圧を上昇させてみたところ、熱が出るために子宮壁が焼けてしまうようになった。これを防ぐために、5回の電気パルスの間に生理食塩水を流すようにしたところ、問題点が解決された。生理食塩水を、3回のパルスの後に滴下しさらに2回パルスをかけた場合、または5回のパルスの間毎に滴下した場合のいずれでも良好な結果が得られた。以下では、3回のパルスの後に生理食塩水を滴下し、さらに同条件で2回パルスをかけ、電圧、パルス長を変化させて実験を行った。例示的な結果を表1に示す。表中、「−」はGFP蛍光が目視により観察されないこと(陰性)を示し、「++++」はGFP蛍光が大脳の半分ぐらいの面積で目視により観察されること(最大、図1参照)を示し、「+」、「++」、「+++」はそれぞれその間のGFP蛍光の程度を表す。また「ND」はフェレットが死亡したためGFP蛍光が観察されなかった場合を示す。
電圧については、50Vより高い電圧(100V以上)で高いGFP蛍光(すなわち、遺伝子導入効率)が観察され、電圧を上げるにつれて遺伝子導入効率は上昇したが、150V以上の場合は、新生仔生存率が低くなった。詳細には、100Vの場合の新生仔生存率は約60〜80%であったのに対して、150Vの場合の新生仔生存率は約10〜30%であり、200Vの場合の新生仔生存率は約0〜30%であった。パルス長さについては、50msよりも100msの場合で若干多くのGFP蛍光が観察されるようであったが、有意な差はなかった。
本発明により、遺伝子導入高等哺乳動物の作製方法、およびこの方法によって得られる遺伝子導入高等哺乳動物が提供される。

Claims (3)

  1. 子宮内の胎児に核酸を注入する工程、および発熱を防止するために十分な量の生理食塩水の存在下で子宮に100V〜200Vの電圧の電気パルスをかける工程を含む、遺伝子導入高等哺乳動物の作製方法。
  2. 高等哺乳動物が食肉類哺乳動物である、請求項1記載の方法。
  3. 請求項1または2記載の方法によって作製される遺伝子導入高等哺乳動物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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