JP2011119350A - パッケージの製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋲体がベース基板から脱落するのを抑制することにより作業効率を向上することができるパッケージの製造方法と、効率よく製造された低コストな圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計を提供する。
【解決手段】ベース基板用ウエハ40の第1面U側における貫通孔30,31の第1開口部30U,31Uの外形は、第2面L側における貫通孔30,31の第2開口部30L,31Lの外形より小さく形成されている。一方、鋲体7は、平板状の土台部7cと、土台部7cの表面から法線方向に沿って立設され貫通孔30,31内に挿入される芯材部7bと、芯材部7bの先端に配置される拡張部7aと、を備えている。そして、前記法線方向から見た場合の拡張部7aの外形は、芯材部7bの外形より大きく形成されるとともに、第1開口部30U,31Uの外形よりも小さく形成されていることを特徴とする。
【選択図】図12
【解決手段】ベース基板用ウエハ40の第1面U側における貫通孔30,31の第1開口部30U,31Uの外形は、第2面L側における貫通孔30,31の第2開口部30L,31Lの外形より小さく形成されている。一方、鋲体7は、平板状の土台部7cと、土台部7cの表面から法線方向に沿って立設され貫通孔30,31内に挿入される芯材部7bと、芯材部7bの先端に配置される拡張部7aと、を備えている。そして、前記法線方向から見た場合の拡張部7aの外形は、芯材部7bの外形より大きく形成されるとともに、第1開口部30U,31Uの外形よりも小さく形成されていることを特徴とする。
【選択図】図12
Description
この発明は、パッケージの製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末には、時刻源や制御信号などのタイミング源、リファレンス信号源などとして水晶などを利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られているが、その一つとして、表面実装型の圧電振動子が知られている。この種の圧電振動子として、圧電振動片が形成された圧電基板をベース基板とリッド基板とで上下から挟み込むように接合した3層構造タイプのものが知られている。
この場合、圧電振動子は、ベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ(密閉室)内に収納されている。
この場合、圧電振動子は、ベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ(密閉室)内に収納されている。
また近年では、上述した3層構造タイプのものではなく、2層構造タイプのものも開発されている。このタイプの圧電振動子は、ベース基板とリッド基板とが直接接合されることでパッケージ化された2層構造になっており、両基板の間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が収納されている。このパッケージ化された2層構造タイプの圧電振動子は、3層構造のものに比べて薄型化を図ることができるなどの点において優れており、好適に使用されている。このような2層構造タイプの圧電振動子の1つとして、ベース基板に形成された貫通電極により、圧電振動片とベース基板に形成された外部電極とを導通させた圧電振動子が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
図24は、従来の圧電振動子の内部構造図である。
図25は、図24の圧電振動子のF−F線における断面図である。
この圧電振動子200は、図24、図25に示すように、接合膜207を介して互いに陽極接合されたベース基板201及びリッド基板202と、両基板201、202の間に形成されたキャビティC内に封止された圧電振動片203と、を備えている。圧電振動片203は、例えば音叉型の振動片であって、キャビティC内においてベース基板201の上面に導電性接着剤Eを介して実装されている。
図25は、図24の圧電振動子のF−F線における断面図である。
この圧電振動子200は、図24、図25に示すように、接合膜207を介して互いに陽極接合されたベース基板201及びリッド基板202と、両基板201、202の間に形成されたキャビティC内に封止された圧電振動片203と、を備えている。圧電振動片203は、例えば音叉型の振動片であって、キャビティC内においてベース基板201の上面に導電性接着剤Eを介して実装されている。
ベース基板201及びリッド基板202は、例えばセラミックやガラスなどからなる絶縁基板である。両基板201、202のうちベース基板201には、ベース基板201を貫通する貫通孔204に導電材料が埋め込まれることにより貫通電極205が形成されている。この貫通電極205は、ベース基板201の下面に形成された外部電極206に電気的に接続されるとともに、キャビティC内に実装されている圧電振動片203に電気的に接続される。
ところで、上述した2層構造タイプの圧電振動子において、貫通電極205は、貫通孔204を塞いでキャビティC内の気密を維持するとともに、圧電振動片203と外部電極206とを導通させるという2つの大きな役割を担っている。特に、貫通電極205と貫通孔204との密着が不十分であると、キャビティC内の気密が損なわれてしまう虞がある。また、導電性接着剤Eあるいは外部電極206との接触が不十分であると、圧電振動片203の作動不良を招いてしまう。したがって、このような不具合をなくすためにも、貫通孔204の内面に強固に密着した状態で貫通孔204を完全に塞ぎ、しかも、表面に凹みなどがない状態で貫通電極205を形成する必要がある。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2には、貫通電極205を導電ペースト(AgペーストやAu−Snペーストなど)にて形成する点は記載されているものの、実際にどのように形成するかなどの具体的な製造方法については何ら記載されていない。
一般的に導電ペーストを使用する場合には、焼成して硬化させる必要がある。つまり、貫通孔204内に導電ペーストを埋め込んだ後、焼成を行って硬化させる必要がある。ところが、焼成を行うと、導電ペーストに含まれる有機物が蒸発により消失してしまうため、通常、焼成後の体積が焼成前に比べて減少してしまう。そのため、導電ペーストを利用して貫通電極205を形成したとしても、表面に凹みが発生する虞があり、その結果、圧電振動片203と外部電極206との導通性が損なわれる可能性があった。さらに酷い場合には、貫通電極に孔が開いてしまう虞があり、その結果、キャビティC内の気密が損なわれる可能性があった。
また、特許文献2には、ピン状の金属部材(本発明の鋲体に相当)をベース部材(本発明のベース基板に相当)の貫通孔204に打ち込んで貫通電極205を形成することが記載されている。しかしながら、この場合には、金属部材と貫通孔204との間隙を完全に塞ぐのが困難であり、キャビティC内の気密性を確保できない。
そのような問題を解消するために、平板状の土台部と、土台部の表面から法線方向に沿って立設される芯材部とを有する鋲体を、貫通孔204内に挿入した状態で、貫通孔と芯材部との間隙にガラスフリットを充填する。そして、充填したガラスフリットを焼成して貫通孔と芯材部とガラスフリットとを一体化させた後、鋲体の土台部を研磨して除去することにより貫通電極を形成する技術が提案されている。これにより、ベース基板、ガラスフリット及び芯材部を互いに面一にすることが可能となるので、貫通電極205の表面に凹みが発生するのを防止し、キャビティC内の気密が損なわれたり、圧電振動片203と外部電極206との導通性が損なわれたりするのを防止する。
ところで、上述の貫通電極を形成する貫通電極形成工程は、鋲体配置工程と、ラミネート材貼付工程と、ガラスフリット充填工程(本願のペースト材充填工程に相当)とを有している。
鋲体配置工程では、鋲体の芯材部をベース基板201用ウエハの第1面側から挿入し、貫通孔204の内部に鋲体の芯材部を配置する。このとき、鋲体の土台部がベース基板201用ウエハの第1面側に当接するまで挿入する。
次に、ラミネート材貼付工程を行う。ラミネート材貼付工程では、ラミネート材をベース基板201用ウエハの第1面側に貼付する。これにより、鋲体の土台部がラミネート材により覆われ、次のガラスフリット充填工程における鋲体の脱落やガラスフリットの漏洩を防止することができる。
その後、ガラスフリット充填工程を行う。ガラスフリット充填工程では、ペースト状のガラスフリットを貫通孔204に充填する。これにより、前述のとおりガラスフリットを貫通孔と芯材部との間隙に充填することができる。
鋲体配置工程では、鋲体の芯材部をベース基板201用ウエハの第1面側から挿入し、貫通孔204の内部に鋲体の芯材部を配置する。このとき、鋲体の土台部がベース基板201用ウエハの第1面側に当接するまで挿入する。
次に、ラミネート材貼付工程を行う。ラミネート材貼付工程では、ラミネート材をベース基板201用ウエハの第1面側に貼付する。これにより、鋲体の土台部がラミネート材により覆われ、次のガラスフリット充填工程における鋲体の脱落やガラスフリットの漏洩を防止することができる。
その後、ガラスフリット充填工程を行う。ガラスフリット充填工程では、ペースト状のガラスフリットを貫通孔204に充填する。これにより、前述のとおりガラスフリットを貫通孔と芯材部との間隙に充填することができる。
ここで、鋲体配置工程の後、ラミネート材貼付工程およびガラスフリット充填工程を行うために、貫通孔204内に鋲体の芯材部を挿入した状態でベース基板201を搬送する必要がある。このとき、貫通孔204に鋲体を載置しているだけであり、さらに鋲体の重量は非常に軽いので、ベース基板201を搬送する時の振動等により、鋲体が貫通孔204から飛出してしまい脱落する。そして、脱落した鋲体を貫通孔204内に再度挿入して配置する作業が発生するため、作業効率が悪くコスト上昇の原因になるという問題があった。
そこで本発明は、鋲体がベース基板から脱落するのを抑制することにより作業効率を向上することができるパッケージの製造方法と、効率よく製造された低コストな圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のパッケージの製造方法は、互いに接合されたベース基板及びリッド基板と、前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成された電子部品を封入可能なキャビティと、を備えたパッケージの製造方法であって、前記ベース基板を厚さ方向に貫通し、前記キャビティの内側と前記パッケージの外側とを導通する貫通電極を形成する貫通電極形成工程を備え、前記貫通電極形成工程は、前記ベース基板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記ベース基板の第1面側から前記貫通孔内に、導電材料で形成された鋲体を挿入する鋲体配置工程と、を有している。そして、前記ベース基板の前記第1面側における前記貫通孔の第1開口部の外形は、前記ベース基板の第2面側における前記貫通孔の第2開口部の外形より小さく形成され、前記鋲体は、平板状の土台部と、前記土台部の表面から法線方向に沿って立設され前記貫通孔内に挿入される芯材部と、前記芯材部の先端に配置される拡張部と、を備えており、前記法線方向から見た場合の前記拡張部の外形は、前記芯材部の外形より大きく形成されるとともに、前記第1開口部の外形よりも小さく形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、鋲体の先端に配置されている拡張部の外形は、芯材部の外形より大きく形成されている。そして、拡張部を第1面側の第1開口部から貫通孔内に挿入した後は、鋲体が貫通孔から飛出しそうになっても、拡張部が貫通孔の内面に接触して抜けにくくなる。これにより、鋲体が貫通孔から脱落するのを抑制することができるので、パッケージを製造する際の作業効率を向上することができる。
本発明によれば、鋲体の先端に配置されている拡張部の外形は、芯材部の外形より大きく形成されている。そして、拡張部を第1面側の第1開口部から貫通孔内に挿入した後は、鋲体が貫通孔から飛出しそうになっても、拡張部が貫通孔の内面に接触して抜けにくくなる。これにより、鋲体が貫通孔から脱落するのを抑制することができるので、パッケージを製造する際の作業効率を向上することができる。
また、前記貫通電極形成工程は、前記鋲体配置工程の後に、前記貫通孔と前記芯材部及び前記拡張部との間隙に、ペースト材を充填するペースト材充填工程と、前記ペースト材を硬化させて、前記貫通孔と前記芯材部及び前記拡張部との間隙を密閉封止する硬化工程と、前記ベース基板の前記第1面側を研磨して前記土台部を除去するとともに、前記ベース基板の前記第2面側を研磨して、前記拡張部または前記芯材部を露出させる研磨工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、充填したペースト材を焼成して硬化させることにより、貫通孔、ベース基板、拡張部及び芯材部が一体化するので、気密不良のない貫通電極を形成することができる。また、第1面側と第2面側とを研磨し、ベース基板と拡張部または芯材部とを略面一にして拡張部または芯材部を露出させるので、導通不良のない貫通電極を形成することができる。
本発明によれば、充填したペースト材を焼成して硬化させることにより、貫通孔、ベース基板、拡張部及び芯材部が一体化するので、気密不良のない貫通電極を形成することができる。また、第1面側と第2面側とを研磨し、ベース基板と拡張部または芯材部とを略面一にして拡張部または芯材部を露出させるので、導通不良のない貫通電極を形成することができる。
また、前記貫通孔の内面は、前記貫通孔の中心軸を含む断面において階段状となるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、貫通孔の内面は階段状となっており、複数の角部が形成されている。そして、鋲体が貫通孔から飛出しそうになっても、拡張部が貫通孔の内面に形成された角部に引っ掛かる。これにより、鋲体が貫通孔から脱落するのをより確実に抑制することができるので、パッケージを製造する際の作業効率を向上することができる。
本発明によれば、貫通孔の内面は階段状となっており、複数の角部が形成されている。そして、鋲体が貫通孔から飛出しそうになっても、拡張部が貫通孔の内面に形成された角部に引っ掛かる。これにより、鋲体が貫通孔から脱落するのをより確実に抑制することができるので、パッケージを製造する際の作業効率を向上することができる。
また、拡張部は、先端が先細り形状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、拡張部は、先端が先細り形状に形成されているので、鋲体配置工程において鋲体を貫通孔内に挿入する際に、鋲体の芯材部は拡張部の先端により貫通孔の中心に向かって誘導される。これにより、鋲体配置工程の際に拡張部と貫通孔の位置が多少ずれていても、拡張部が貫通孔の周縁部に引っ掛かることなく、拡張部を貫通孔内に挿入することができる。したがって、鋲体配置工程を簡単かつ確実に行うことができる。
本発明によれば、拡張部は、先端が先細り形状に形成されているので、鋲体配置工程において鋲体を貫通孔内に挿入する際に、鋲体の芯材部は拡張部の先端により貫通孔の中心に向かって誘導される。これにより、鋲体配置工程の際に拡張部と貫通孔の位置が多少ずれていても、拡張部が貫通孔の周縁部に引っ掛かることなく、拡張部を貫通孔内に挿入することができる。したがって、鋲体配置工程を簡単かつ確実に行うことができる。
また、上述のパッケージの製造方法により製造した前記パッケージにおける前記キャビティの内部に、前記電子部品として圧電振動片が封入されていることを特徴とする。
本発明によれば、効率よく製造されたパッケージの内部に圧電振動子を封入しているので、低コストな圧電振動子を提供することができる。
本発明によれば、効率よく製造されたパッケージの内部に圧電振動子を封入しているので、低コストな圧電振動子を提供することができる。
本発明の発振器は、上述した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、上述した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、上述した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明にかかる発振器、電子機器及び電波時計によれば、効率よく製造された低コストな圧電振動子を備えているので、低コストな発振器、電子機器及び電波時計を提供することができる。
本発明によれば、鋲体の先端に配置されている拡張部の外形は、芯材部の外形より大きく形成されている。そして、拡張部を第1面側の第1開口部から貫通孔内に挿入した後は、鋲体が貫通孔から飛出しそうになっても、拡張部が貫通孔の内面に接触して抜けにくくなる。これにより、鋲体が貫通孔から脱落するのを抑制することができるので、パッケージを製造する際の作業効率を向上することができる。
(第1実施形態、圧電振動子)
以下、本発明の実施形態に係る圧電振動子を、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。
図2は圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。
図3は図2のA−A線における断面図である。
図4は図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。
なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17及び重り金属膜21の図示を省略している。
図1から図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2およびリッド基板3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティCに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
なお、本実施形態では、ベース基板におけるリッド基板との接合面を第1面Uとし、その反対面を第2面Lとする。
以下、本発明の実施形態に係る圧電振動子を、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。
図2は圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。
図3は図2のA−A線における断面図である。
図4は図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。
なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17及び重り金属膜21の図示を省略している。
図1から図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2およびリッド基板3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティCに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
なお、本実施形態では、ベース基板におけるリッド基板との接合面を第1面Uとし、その反対面を第2面Lとする。
(圧電振動片)
図5は圧電振動片の平面図である。
図6は圧電振動片の底面図である。
図7は図5のB−B線における断面図である。
図5から図7に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、該一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の両主面上に形成された溝部18とを備えている。この溝部18は、該振動腕部10,11の長手方向に沿って振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
図5は圧電振動片の平面図である。
図6は圧電振動片の底面図である。
図7は図5のB−B線における断面図である。
図5から図7に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、該一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の両主面上に形成された溝部18とを備えている。この溝部18は、該振動腕部10,11の長手方向に沿って振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
この圧電振動片4は、一対の振動腕部10,11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15と、第1の励振電極13及び第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16,17とを有している。励振電極15、マウント電極16,17及び引き出し電極19,20は、例えば、クロム(Cr)やニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)などの導電性材料の被膜により形成されている。
励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。励振電極15を構成する第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。また、第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介してマウント電極16,17に電気的に接続されている。
また、一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
(パッケージ)
図1、図3及び図4に示すように、リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティC用の凹部3aが形成されている。
リッド基板3におけるベース基板2との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜35が形成されている。すなわち接合膜35は、凹部3aの内面全体に加えて、凹部3aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜35はSi膜で形成されているが、接合膜35をAlで形成することも可能である。そして後述するように、この接合膜35とベース基板2とが陽極接合され、キャビティCが真空封止されている。
図1、図3及び図4に示すように、リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティC用の凹部3aが形成されている。
リッド基板3におけるベース基板2との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜35が形成されている。すなわち接合膜35は、凹部3aの内面全体に加えて、凹部3aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜35はSi膜で形成されているが、接合膜35をAlで形成することも可能である。そして後述するように、この接合膜35とベース基板2とが陽極接合され、キャビティCが真空封止されている。
ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる基板であり、図1から図4に示すように、リッド基板3と同等の外形で略板状に形成されている。
このベース基板2には、ベース基板2を厚さ方向に貫通する一対の貫通孔30,31と、貫通電極32,33とが形成されている。
このベース基板2には、ベース基板2を厚さ方向に貫通する一対の貫通孔30,31と、貫通電極32,33とが形成されている。
図2及び図3に示すように、貫通孔30,31は、圧電振動子1を形成したときにキャビティC内に収まるように形成される。より詳しく説明すると、本実施形態の貫通孔30,31は、後述するマウント工程で実装される圧電振動片4の基部12側に対応した位置に一方の貫通孔30が形成され、振動腕部10,11の先端側に対応した位置に他方の貫通孔31が形成される。
貫通電極32,33は、図3に示すように、貫通孔30,31の内部に配置された筒体6及び貫通電極本体7dによって形成されたものである。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で且つベース基板2と略同じ厚みに形成されている。また、筒体6の中心軸を含む断面において、筒体6の外周面の断面形状はテーパ状に形成されている。そして、筒体6の中心には、貫通電極本体7dが筒体6を貫通するように配されている。貫通電極本体7dは、後述する鋲体の土台部を研磨することにより形成され、本実施形態では拡張部7aと芯材部7bとで構成されている。そして、筒体6は、貫通電極本体7d及び貫通孔30,31に対して強固に固着している。
筒体6及び貫通電極本体7dは、貫通孔30,31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、後述する引き回し電極36,37と外部電極38,39とを導通させる役割を担っている。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で且つベース基板2と略同じ厚みに形成されている。また、筒体6の中心軸を含む断面において、筒体6の外周面の断面形状はテーパ状に形成されている。そして、筒体6の中心には、貫通電極本体7dが筒体6を貫通するように配されている。貫通電極本体7dは、後述する鋲体の土台部を研磨することにより形成され、本実施形態では拡張部7aと芯材部7bとで構成されている。そして、筒体6は、貫通電極本体7d及び貫通孔30,31に対して強固に固着している。
筒体6及び貫通電極本体7dは、貫通孔30,31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、後述する引き回し電極36,37と外部電極38,39とを導通させる役割を担っている。
図2から図4に示すように、ベース基板2の第1面U側には、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。一対の引き回し電極36,37のうち、一方の引き回し電極36は、一方の貫通電極32の真上に位置するように形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿って前記振動腕部10,11の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。
そして、これら一対の引き回し電極36,37上にそれぞれバンプBが形成されており、前記バンプBを利用して圧電振動片4の一対のマウント電極が実装されている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
またベース基板2の第2面Lには、図1、図3及び図4に示すように、一対の外部電極38,39が形成されている。一対の外部電極38,39は、ベース基板2の長手方向の両端部に形成され、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電圧を印加することができるので、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、上述した圧電振動子の製造方法を、フローチャートを参照しながら説明する。
図8は本実施形態の圧電振動子の製造方法のフローチャートである。
図9は、ウエハ体の分解斜視図である。
本実施形態に係る圧電振動子の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S50以降)を有している。そのうち、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)およびベース基板用ウエハ作製工程(S30)は、並行して実施することが可能である。なお、パッケージの製造方法は、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程のうち接合工程S70とを少なくとも有している。
次に、上述した圧電振動子の製造方法を、フローチャートを参照しながら説明する。
図8は本実施形態の圧電振動子の製造方法のフローチャートである。
図9は、ウエハ体の分解斜視図である。
本実施形態に係る圧電振動子の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程(S10)と、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程(S50以降)を有している。そのうち、圧電振動片作製工程(S10)、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)およびベース基板用ウエハ作製工程(S30)は、並行して実施することが可能である。なお、パッケージの製造方法は、リッド基板用ウエハ作製工程(S20)と、ベース基板用ウエハ作製工程(S30)と、組立工程のうち接合工程S70とを少なくとも有している。
圧電振動片作製工程S10では、図5から図7に示す圧電振動片4を作製する。具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハとする。続いて、このウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。続いて、ウエハに洗浄などの適切な処理を施した後、該ウエハをフォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状にパターニングするとともに、金属膜の成膜及びパターニングを行って、励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17及び重り金属膜21を形成する。これにより、複数の圧電振動片4を作製することができる。次に、圧電振動片4の共振周波数の粗調を行う。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、振動腕部10,11の重量を変化させることで行う。
リッド基板用ウエハ作製工程S20では、図9に示すように、後にリッド基板となるリッド基板用ウエハ50を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のリッド基板用ウエハ50を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S21)。次いで、凹部形成工程S22では、リッド基板用ウエハ50におけるベース基板用ウエハ40との接合面に、キャビティ用の凹部3aを複数形成する。凹部3aの形成は、加熱プレス成型やエッチング加工などによって行う。次に、接合面研磨工程S23では、ベース基板用ウエハ40との接合面を研磨する。
次に、接合膜形成工程S24では、ベース基板用ウエハ40との接合面に、図1、図2及び図4に示す接合膜35を形成する。接合膜35は、ベース基板用ウエハ40との接合面に加えて、凹部3aの内面全体に形成してもよい。これにより、接合膜35のパターニングが不要になり、製造コストを低減することができる。接合膜35の形成は、スパッタやCVD等の成膜方法によって行うことができる。なお、接合膜形成工程S24の前に接合面研磨工程S23を行っているので、接合膜35の表面の平面度が確保され、ベース基板用ウエハ40との安定した接合を実現することができる。
ベース基板用ウエハ作製工程(S30)では、図9に示すように、後にベース基板となるベース基板用ウエハ40を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のベース基板用ウエハ40を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S31)。
(貫通電極形成工程)
次いで、ベース基板用ウエハ40に、一対の貫通電極32,33を形成する貫通電極形成工程S30Aを行う。以下に、この貫通電極形成工程S30Aについて、詳細に説明する。
次いで、ベース基板用ウエハ40に、一対の貫通電極32,33を形成する貫通電極形成工程S30Aを行う。以下に、この貫通電極形成工程S30Aについて、詳細に説明する。
貫通電極形成工程S30Aは、ベース基板用ウエハに貫通電極を配するための貫通孔を形成する貫通孔形成工程S32と、貫通孔内に鋲体を挿入する鋲体配置工程S33とを有している。また、鋲体配置工程S33の後にラミネート材を貼付するラミネート材貼付工程S34と、貫通孔と芯材部および拡張部との間隙に、ペースト状のガラスフリットを充填するガラスフリット充填工程(ペースト材充填工程)S35と、ベース基板用ウエハ上の余分なガラスフリットを除去するガラスフリット除去工程S36とを有している。さらに、ガラスフリットを焼成する硬化工程S37と、ラミネート材を剥離するラミネート材剥離工程S38と、ベース基板用ウエハの第1面Uを研磨して土台部を除去するとともに、第2面Lを研磨して拡張部または芯材部を露出させる研磨工程S39とを有している。
図10は貫通孔形成工程及び鋲体配置工程の説明図である。
貫通電極形成工程S30Aにおいて、図10に示すように、ベース基板用ウエハ40に貫通電極を配するための貫通孔を形成する貫通孔形成工程S32を行う。貫通孔は、ベース基板用ウエハ40の第1面U側における第1開口部30U,31Uの外形が、第2面L側における第2開口部30L,31Lの外形より小さくなるように形成する。
貫通電極形成工程S30Aにおいて、図10に示すように、ベース基板用ウエハ40に貫通電極を配するための貫通孔を形成する貫通孔形成工程S32を行う。貫通孔は、ベース基板用ウエハ40の第1面U側における第1開口部30U,31Uの外形が、第2面L側における第2開口部30L,31Lの外形より小さくなるように形成する。
本実施形態では、ベース基板用ウエハ40の第2面Lから第1面Uにかけて開口部の外形が小さくなるようにプレス加工で貫通孔30,31を成型する。具体的には、まず、プレス型を加熱しながらベース基板用ウエハ40に押圧する。ここで、プレス型に形成された円錐台状の凸部により、ベース基板用ウエハ40にすり鉢状の凹部が形成される。最後に、ベース基板用ウエハ40の両面を研磨して凹部の底面を除去することで、テーパ状の内面を有する貫通孔30,31が形成される。また、本実施形態では、貫通孔30,31は、中心軸Oに垂直な方向の断面において、断面形状が円形状となるように形成されている。
続いて、貫通孔内に鋲体を挿入する鋲体配置工程S33を行う。
図11は鋲体7の説明図であり、図11(a)は斜視図であり、図11(b)は図11(a)のC−C線における断面図である。
図12は貫通孔と鋲体の説明図である。
図11は鋲体7の説明図であり、図11(a)は斜視図であり、図11(b)は図11(a)のC−C線における断面図である。
図12は貫通孔と鋲体の説明図である。
鋲体7は、ステンレスや銀、ニッケル合金、アルミニウム等の金属材料により形成された導電性の部材であり、特に、鉄を58重量パーセント、ニッケルを42重量パーセント含有する合金(42アロイ)で形成することが望ましい。鋲体7は、平板状の土台部7cと、土台部7cの表面から法線方向に沿って立設される芯材部7bと、芯材部7bの先端に配置される拡張部7aとを備えている。
鋲体7を形成するには、まず、芯材部7bと略同径の棒状部材を切断する。その後、棒状部材の両端をプレス加工や鍛造により成型して、一端側に拡張部7aを、他端側に土台部7cを、両者間に芯材部7bを形成する。本実施形態では、拡張部7aは略円柱状に、土台部7cは略円盤状に形成されている。このようにして、拡張部7a、芯材部7b及び土台部7cを有する鋲体7を形成する。
拡張部7aの平面視における外形は、芯材部7bの平面視における外形よりも大きく、なおかつ第1開口部30U,31Uの平面視における外形より小さく形成されている。したがって、第1開口部30U,31Uから貫通孔30,31の内部に拡張部7aおよび芯材部7bを挿入することができる。また、鋲体7の長手方向の寸法に関し、拡張部7aと芯材部7bとをあわせた長さは、ベース基板用ウエハの厚さよりも若干短く形成されている。
また、土台部7cの平面視における外形は、芯材部7bおよび拡張部7aの平面視における外形よりも大きく、なおかつ第1開口部30U,31Uの平面視における外形よりも大きく形成されている。したがって、後述する鋲体配置工程では、土台部7cがベース基板用ウエハ40の第1面Uと当接した状態で鋲体7が配置される。
鋲体配置工程S33では、上述した鋲体を貫通孔内に挿入する。
具体的には、図10に示すように、芯材部7bの中心軸と貫通孔30,31の中心軸Oとが略一致するように、拡張部7aをベース基板用ウエハ40の第1開口部30U,31Uから挿入して、貫通孔30,31の内部に芯材部7b及び拡張部7aを配置する。土台部7cがベース基板用ウエハ40の第1面Uに当接するまで挿入するだけの簡単な作業で、拡張部7aの軸方向の位置決めができる。なお、前述のとおり、拡張部7aと芯材部7bとをあわせた長さは、ベース基板用ウエハ40の厚さよりも若干短く形成されているので、ベース基板用ウエハ40の第2面Lから拡張部7aが飛び出ることはない。
具体的には、図10に示すように、芯材部7bの中心軸と貫通孔30,31の中心軸Oとが略一致するように、拡張部7aをベース基板用ウエハ40の第1開口部30U,31Uから挿入して、貫通孔30,31の内部に芯材部7b及び拡張部7aを配置する。土台部7cがベース基板用ウエハ40の第1面Uに当接するまで挿入するだけの簡単な作業で、拡張部7aの軸方向の位置決めができる。なお、前述のとおり、拡張部7aと芯材部7bとをあわせた長さは、ベース基板用ウエハ40の厚さよりも若干短く形成されているので、ベース基板用ウエハ40の第2面Lから拡張部7aが飛び出ることはない。
ここで、鋲体配置工程S33の後、ラミネート材貼付工程S34を行うために貫通孔30,31内に鋲体を挿入した状態でベース基板用ウエハ40を搬送する。このとき、鋲体7が第1面U側から落下するのを防止するために、図12に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uを上にした状態で搬送する。ここで、鋲体7の先端に配置されている拡張部7aの外形は、芯材部7bの外形より大きく形成されている。したがって、ベース基板用ウエハ40を搬送する時の振動等により鋲体7が貫通孔から飛出しそうになっても、図12に示すように、拡張部7aが貫通孔30,31の内面に接触して抜けにくくなるので、鋲体7が貫通孔30,31から脱落するのを抑制することができる。
図13はラミネート材貼付工程の説明図である。
次に、図13に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uに、鋲体7の土台部7cを覆うようにラミネート材70を貼付するラミネート材貼付工程S34を行う。本実施形態では、ラミネート材70をベース基板用ウエハ40の第1面Uの略全面に亘って貼付する。ラミネート材70は、例えば、紙製のテープ本体にアクリル系などの熱可塑性粘着剤が塗布されたものである。このラミネート材70により、ベース基板用ウエハ40の第1面Uと鋲体7の土台部7cとを隙間無く当接させることができる。そして、土台部7cをベース基板用ウエハ40の第1面Uに当接させることで、後述するガラスフリット充填工程S35において、ガラスフリットが第1面Uと土台部7cとの隙間から漏洩するのを防止できる。これにより、ペースト状のガラスフリット6aを確実に貫通孔30,31内に充填させることができる。
次に、図13に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uに、鋲体7の土台部7cを覆うようにラミネート材70を貼付するラミネート材貼付工程S34を行う。本実施形態では、ラミネート材70をベース基板用ウエハ40の第1面Uの略全面に亘って貼付する。ラミネート材70は、例えば、紙製のテープ本体にアクリル系などの熱可塑性粘着剤が塗布されたものである。このラミネート材70により、ベース基板用ウエハ40の第1面Uと鋲体7の土台部7cとを隙間無く当接させることができる。そして、土台部7cをベース基板用ウエハ40の第1面Uに当接させることで、後述するガラスフリット充填工程S35において、ガラスフリットが第1面Uと土台部7cとの隙間から漏洩するのを防止できる。これにより、ペースト状のガラスフリット6aを確実に貫通孔30,31内に充填させることができる。
図14はガラスフリット充填工程の説明図である。
次に、図14に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uにラミネート材70を貼付した状態で、貫通孔30,31と鋲体7との間にペースト状のガラスフリット6aを充填するガラスフリット充填工程S35を行う。本実施形態では、貫通孔30,31におけるベース基板用ウエハ40の第2面L側からペースト状のガラスフリット6aを塗布することで充填する。ベース基板用ウエハ40の第1面Uには、ラミネート材70が貼り付けられているので、ペースト状のガラスフリット6aが第1面Uと土台部7cとの隙間から漏洩するのを確実に防止することができる。仮に、ベース基板用ウエハ40の第1面U上に漏洩した場合でも、ラミネート材70の内側に留めることができる。加えて、ベース基板用ウエハ40と鋲体7とをラミネート材70で保持することが可能となり、ガラスフリット充填工程S35において鋲体7がベース基板用ウエハ40から脱落するのを確実に防止することができる。
次に、図14に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uにラミネート材70を貼付した状態で、貫通孔30,31と鋲体7との間にペースト状のガラスフリット6aを充填するガラスフリット充填工程S35を行う。本実施形態では、貫通孔30,31におけるベース基板用ウエハ40の第2面L側からペースト状のガラスフリット6aを塗布することで充填する。ベース基板用ウエハ40の第1面Uには、ラミネート材70が貼り付けられているので、ペースト状のガラスフリット6aが第1面Uと土台部7cとの隙間から漏洩するのを確実に防止することができる。仮に、ベース基板用ウエハ40の第1面U上に漏洩した場合でも、ラミネート材70の内側に留めることができる。加えて、ベース基板用ウエハ40と鋲体7とをラミネート材70で保持することが可能となり、ガラスフリット充填工程S35において鋲体7がベース基板用ウエハ40から脱落するのを確実に防止することができる。
図15はガラスフリット除去工程の説明図である。
次に、図15に示すように、焼成前に余分なガラスフリット6aを除去するガラスフリット除去工程S36を行う。例えば樹脂製のスキージ45を用い、スキージ45の先端45aをベース基板用ウエハ40の第2面Lに当接させて、第2面Lに沿って移動させることにより、貫通孔30,31からはみ出ているガラスフリット6aを除去する。
次に、図15に示すように、焼成前に余分なガラスフリット6aを除去するガラスフリット除去工程S36を行う。例えば樹脂製のスキージ45を用い、スキージ45の先端45aをベース基板用ウエハ40の第2面Lに当接させて、第2面Lに沿って移動させることにより、貫通孔30,31からはみ出ているガラスフリット6aを除去する。
続いて、貫通孔30,31に充填したガラスフリット6aを焼成する硬化工程S37を行う。これにより、ガラスフリット6aが固化し、貫通孔30,31と、ガラスフリット6aと、ガラスフリット6a内に配置された鋲体7と、が互いに固着し合う。また、ラミネート材70を貼付した状態で焼成を行うため、ラミネート材70に塗布されている熱可塑性粘着剤の粘着力が低下する。
図16はラミネート材除去工程の説明図である。
続いて、図16に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uからラミネート材70を剥離するラミネート材剥離工程S38を行う。上記のように、S37の硬化工程においてラミネート材70に塗布された熱可塑性粘着剤の粘着力は低下しているため、容易にラミネート材70を剥離することができる。
続いて、図16に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uからラミネート材70を剥離するラミネート材剥離工程S38を行う。上記のように、S37の硬化工程においてラミネート材70に塗布された熱可塑性粘着剤の粘着力は低下しているため、容易にラミネート材70を剥離することができる。
図17は研磨工程の説明図である。
続いて、図17に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uと第2面Lとを研磨する研磨工程S39を行う。第1面Uを研磨することにより、土台部7cを除去することができ、芯材部7bと拡張部7aとを筒体6の内部に取り残すことができる。また、第2面Lを研磨することにより、第2面Lを平坦面にすることができ、拡張部7aの先端が露出する。その結果、ベース基板用ウエハ40の表面と鋲体7の両端とを略面一な状態とすることができ、図3に示す一対の貫通電極32,33を複数得ることができる。なお、研磨工程S39を行った時点で、貫通電極形成工程S30Aが終了する。
続いて、図17に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uと第2面Lとを研磨する研磨工程S39を行う。第1面Uを研磨することにより、土台部7cを除去することができ、芯材部7bと拡張部7aとを筒体6の内部に取り残すことができる。また、第2面Lを研磨することにより、第2面Lを平坦面にすることができ、拡張部7aの先端が露出する。その結果、ベース基板用ウエハ40の表面と鋲体7の両端とを略面一な状態とすることができ、図3に示す一対の貫通電極32,33を複数得ることができる。なお、研磨工程S39を行った時点で、貫通電極形成工程S30Aが終了する。
次に、図9に戻り、貫通電極にそれぞれ電気的に接続された引き回し電極36,37を複数形成する引き回し電極形成工程S40を行う。そして、引き回し電極36,37上に、それぞれ金等からなる先細り形状のバンプを形成する。なお、図9では、図面の見易さのためバンプの図示を省略している。この時点でベース基板用ウエハ作製工程S30が終了する。
(マウント工程S50以降の圧電振動子組立工程)
次に、ベース基板用ウエハ40の引き回し電極36,37上に、バンプBを介して圧電振動片4を接合するマウント工程S50を行う。具体的には、圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置し、バンプBを所定温度に加熱しながら圧電振動片4をバンプBに押し付ける。これにより、図3に示すように、圧電振動片4の振動腕部10,11がベース基板用ウエハ40の第1面Uから浮いた状態で、基部12がバンプBに機械的に固着される。また、マウント電極16,17と引き回し電極36,37とが電気的に接続された状態となる。
次に、ベース基板用ウエハ40の引き回し電極36,37上に、バンプBを介して圧電振動片4を接合するマウント工程S50を行う。具体的には、圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置し、バンプBを所定温度に加熱しながら圧電振動片4をバンプBに押し付ける。これにより、図3に示すように、圧電振動片4の振動腕部10,11がベース基板用ウエハ40の第1面Uから浮いた状態で、基部12がバンプBに機械的に固着される。また、マウント電極16,17と引き回し電極36,37とが電気的に接続された状態となる。
圧電振動片4の実装が終了した後、図9に示すように、ベース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程S60を行う。具体的には、図示しない基準マークなどを指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位置にアライメントする。これにより、ベース基板用ウエハ40に実装された圧電振動片4が、リッド基板用ウエハ50の凹部3aとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収容された状態となる。
重ね合わせ工程S60の後、重ね合わせた両ウエハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程S70を行う。具体的には、接合膜35とベース基板用ウエハ40との間に所定の電圧を印加する。すると、接合膜35とベース基板用ウエハ40との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片4をキャビティC内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合した、図9に示すウエハ体60を得ることができる。なお、図9においては、図面を見易くするために、ウエハ体60を分解した状態を図示しており、リッド基板用ウエハ50から接合膜35の図示を省略している。なお、図9に示す点線は、後に行う切断工程で切断する切断線Mを図示している。
次に、ベース基板用ウエハ40の第2面Lに導電性材料をパターニングして、一対の貫通電極32,33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,39(図3参照)を複数形成する外部電極形成工程S80を行う。この工程により、圧電振動片4は、貫通電極32,33を介して外部電極38,39と導通する。
次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC内に封止された個々の圧電振動子の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程S90を行う。具体的には、図4に示す外部電極38,39から所定電圧を継続的に印加して、圧電振動片4を振動させつつ周波数を計測する。この状態で、ベース基板用ウエハ40の外部からレーザ光を照射し、図5及び図6に示す重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10,11の先端側の重量が低下するため、圧電振動片4の周波数が上昇する。これにより、圧電振動子の周波数を微調整して、公称周波数の範囲内に収めることができる。
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ体60を図9に示す切断線Mに沿って切断する切断工程S100を行う。具体的には、まずウエハ体60のベース基板用ウエハ40の表面にUVテープを貼り付ける。次に、リッド基板用ウエハ50側から切断線Mに沿ってレーザを照射する(スクライブ)。次に、UVテープの表面から切断線Mに沿って切断刃を押し当て、ウエハ体60を割断する(ブレーキング)。その後、UVを照射してUVテープを剥離する。これにより、ウエハ体60を複数の圧電振動子に分離することができる。なお、これ以外のダイシング等の方法によりウエハ体60を切断してもよい。
なお、切断工程S100を行って個々の圧電振動子にした後に、微調工程S90を行う工程順序でも構わない。但し、上述したように、微調工程S90を先に行うことで、ウエハ体60の状態で微調を行うことができるため、複数の圧電振動子をより効率良く微調することができる。よって、スループットの向上化を図ることができるため好ましい。
その後、内部の電気特性検査S110を行う。即ち、圧電振動片4の共振周波数や共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子の製造が終了する。
本実施形態によれば、図12に示すように、鋲体7の先端に配置されている拡張部7aの外形は、芯材部7bの外形より大きく形成されている。そして、拡張部7aを第1面U側の第1開口部30U,31Uから貫通孔30,31内に挿入した後は、鋲体7が貫通孔30,31から飛出しそうになっても、拡張部7aが貫通孔30,31の内面に接触して抜けにくくなる。これにより、鋲体7が貫通孔30,31から脱落するのを抑制することができるので、パッケージを製造する際の作業効率を向上することができる。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態の変形例について、図を用いて説明する。
図18は変形例の貫通孔の説明図である。
第1実施形態では、貫通孔の内面の断面形状はテーパ状に形成されていたが、本変形例では、貫通孔の内面の断面形状は階段状に形成されている点で異なっている。
第1実施形態の変形例について、図を用いて説明する。
図18は変形例の貫通孔の説明図である。
第1実施形態では、貫通孔の内面の断面形状はテーパ状に形成されていたが、本変形例では、貫通孔の内面の断面形状は階段状に形成されている点で異なっている。
図18に示すように、第1実施形態の変形例では、貫通孔30,31の中心軸Oを含む断面形状は階段状となるように形成されている。また、貫通孔30,31の中心軸Oに垂直な方向の断面形状は、例えば円形状となるように形成されている。本変形例の貫通孔30,31は、第1実施形態と同様にプレス加工により成型される。
ここで、鋲体7の先端に配置されている拡張部7aの外形は、芯材部7bの外形より大きく形成されている。さらに、貫通孔30,31の内面には角部30a,31aが複数個(本変形例では2個)形成されている。本変形例では、図18に示すように、鋲体7が貫通孔30,31から飛出しそうになっても、拡張部7aが貫通孔30,31の内面に形成された角部30a,31aに引っ掛かる。これにより、鋲体7が貫通孔30,31から脱落するのをより確実に抑制することができる。
(第2実施形態、先細り形状の鋲体)
図19は第2実施形態の鋲体7の説明図であり、図19(a)は斜視図であり、図19(b)はD−D線における断面図である。
図20は第2実施形態における鋲体配置工程の説明図である。
第1実施形態の鋲体の拡張部は、円柱状であるため先端が平面状に形成されていたが、図19に示す第2実施形態の鋲体7の拡張部7aは、先端が先細り形状に形成されている点で第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
図19は第2実施形態の鋲体7の説明図であり、図19(a)は斜視図であり、図19(b)はD−D線における断面図である。
図20は第2実施形態における鋲体配置工程の説明図である。
第1実施形態の鋲体の拡張部は、円柱状であるため先端が平面状に形成されていたが、図19に示す第2実施形態の鋲体7の拡張部7aは、先端が先細り形状に形成されている点で第1実施形態と異なっている。なお、第1実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
図19および図20に示すように、本実施形態の鋲体7の拡張部7aは、先端が先細り形状に形成されている。具体的には、本実施形態の拡張部7aは円錐形状に形成されている。拡張部7aの先端(円錐の頂部)は、鋲体7の中心軸P上に配置されている。拡張部7aの芯材部7b側の面(円錐の底面)の直径は、芯材部7bの直径よりも大きく形成されている。そして、拡張部7aの芯材部7b側の面の外形は、ベース基板用ウエハの第1面の開口部の外形よりも小さく形成されている。
ここで、図20に示すように、貫通孔30,31の中心軸Oと鋲体7の中心軸Pとがずれた状態で鋲体配置工程S33が行われる場合がある。第1実施形態では、図11に示すように、拡張部7aの先端が平面状となっているので、貫通孔の中心軸と鋲体の中心軸とがずれていると、拡張部がベース基板用ウエハ40の第1面Uに当たってしまい、貫通孔内に鋲体を挿入するのが困難になる虞がある。
しかし、本実施形態では、図20に示すように、拡張部7aは、先端が先細り形状に形成されている。そして、鋲体7の中心軸Pを第1面U側の第1開口部30U,31Uの内部に配置して、鋲体7を貫通孔30,31内に挿入する際、鋲体7の芯材部7bは拡張部7aの先端により貫通孔30,31の中心に向かって誘導される。これにより、鋲体配置工程S33の際に鋲体7の中心軸Pと貫通孔30,31の中心軸Oの位置が多少ずれていても、拡張部7aが貫通孔30,31の周縁部に引っ掛かることなく、拡張部7aを貫通孔30,31の内部に挿入することができる。したがって、鋲体配置工程S33を簡単かつ確実に行うことができる。
しかし、本実施形態では、図20に示すように、拡張部7aは、先端が先細り形状に形成されている。そして、鋲体7の中心軸Pを第1面U側の第1開口部30U,31Uの内部に配置して、鋲体7を貫通孔30,31内に挿入する際、鋲体7の芯材部7bは拡張部7aの先端により貫通孔30,31の中心に向かって誘導される。これにより、鋲体配置工程S33の際に鋲体7の中心軸Pと貫通孔30,31の中心軸Oの位置が多少ずれていても、拡張部7aが貫通孔30,31の周縁部に引っ掛かることなく、拡張部7aを貫通孔30,31の内部に挿入することができる。したがって、鋲体配置工程S33を簡単かつ確実に行うことができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図21を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図21に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図21を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図21に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
このような本実施形態の発振器110によれば、効率よく製造された圧電振動子1を備えているので、低コストな発振器を提供することができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図22を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図22を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図22に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133及び呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129及び着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、効率よく製造された圧電振動子1を備えているので、低コストな携帯情報機器を提供することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図23を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図23に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図23を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図23に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、効率よく製造された圧電振動子1を備えているので、低コストな電波時計を提供することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
第1実施形態及び第2実施形態では、音叉型の圧電振動片及び音叉型の圧電振動片を用いた圧電振動子を例に挙げて説明した。しかし、例えばATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)の圧電振動片及びATカット型の圧電振動片を用いた圧電振動子に採用しても構わない。
第1実施形態及び第2実施形態では、音叉型の圧電振動片及び音叉型の圧電振動片を用いた圧電振動子を例に挙げて説明した。しかし、例えばATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)の圧電振動片及びATカット型の圧電振動片を用いた圧電振動子に採用しても構わない。
第1実施形態及び第2実施形態では、拡張部と芯材部とをあわせた長さは、ベース基板用ウエハの厚さよりも若干短く設定する旨を説明したが、長さは自在に設定可能であり、スキージで余分なガラスフリットを除去する際にスキージと拡張部とが接触しない構成であればよい。ただし、ベース基板用ウエハの厚さよりも極端に短い長さに設定すると、研磨工程で拡張部を露出させるのに時間がかかる点で、第1実施形態及び第2実施形態の寸法設定が望ましい。
第1実施形態及び第2実施形態では、研磨工程で拡張部を露出させている。しかし、研磨工程で拡張部を全て除去し、芯材部を露出させてもよい。ただし、研磨量が少なく、研磨工程に要する時間が少ない点で、第1実施形態及び第2実施形態に優位性がある。
第1実施形態および第2実施形態では、貫通孔の形状は、中心軸Oに垂直な方向の断面において、断面形状は円形状となるように形成されている。しかし、断面形状は円形状に限られず、例えば、断面形状が多角形状であってもよい。ただし、断面形状を多角形状に形成する場合、貫通孔を成型するプレス型のピンを多角形に加工する必要があるため、金型の製作の容易さという点で、第1実施形態及び第2実施形態に優位性がある。
第1実施形態および第2実施形態では、土台部、芯材部および拡張部の軸直角断面形状を円形状に形成している。しかし、鋲体の土台部、芯材部および拡張部のうち、全部または一部の軸直角断面形状を非円形状に形成してもよい。
第1実施形態および第2実施形態では、本発明に係るパッケージの製造方法を使用しつつ、パッケージの内部に圧電振動片を封入して圧電振動子を製造したが、パッケージの内部に圧電振動片以外の物を封入して、圧電振動子以外のデバイスを製造することもできる。
1・・・圧電振動子 2・・・ベース基板 3・・・リッド基板 4・・・圧電振動片 7・・・鋲体 7a・・・拡張部 7b・・・芯材部 7c・・・土台部 9・・・パッケージ 30,31・・・貫通孔 30U,31U・・・第1開口部 30L,31L・・・第2開口部 32,33・・・貫通電極 70・・・ラミネート材 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 140・・・電波時計 C・・・キャビティ L・・・第2面 O・・・貫通孔の中心軸 S30A・・・貫通電極形成工程 S32・・・貫通孔形成工程 S33・・・鋲体配置工程 S34・・・ラミネート材貼付工程 S35・・・ガラスフリット充填工程(ペースト材充填工程) S37・・・硬化工程 S39・・・研磨工程 U・・・第1面
Claims (8)
- 互いに接合されたベース基板及びリッド基板と、前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成された電子部品を封入可能なキャビティと、を備えたパッケージの製造方法であって、
前記ベース基板を厚さ方向に貫通し、前記キャビティの内側と前記パッケージの外側とを導通する貫通電極を形成する貫通電極形成工程を備え、
前記貫通電極形成工程は、
前記ベース基板に貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記ベース基板の第1面側から前記貫通孔内に、導電材料で形成された鋲体を挿入する鋲体配置工程と、
を有し、
前記ベース基板の前記第1面側における前記貫通孔の第1開口部の外形は、前記ベース基板の第2面側における前記貫通孔の第2開口部の外形より小さく形成され、
前記鋲体は、平板状の土台部と、前記土台部の表面から法線方向に沿って立設され前記貫通孔内に挿入される芯材部と、前記芯材部の先端に配置される拡張部と、を備えており、
前記法線方向から見た場合の前記拡張部の外形は、前記芯材部の外形より大きく形成されるとともに、前記第1開口部の外形よりも小さく形成されていることを特徴とするパッケージの製造方法。 - 請求項1に記載のパッケージの製造方法において、
前記貫通電極形成工程は、前記鋲体配置工程の後に、
前記貫通孔と前記芯材部及び前記拡張部との間隙に、ペースト材を充填するペースト 材充填工程と、
前記ペースト材を硬化させて、前記貫通孔と前記芯材部及び前記拡張部との間隙を密 閉封止する硬化工程と、
前記ベース基板の前記第1面側を研磨して前記土台部を除去するとともに、前記ベー ス基板の前記第2面側を研磨して、前記拡張部または前記芯材部を露出させる研磨工程 と、
を有することを特徴とするパッケージの製造方法。 - 請求項1または2に記載のパッケージの製造方法において、
前記貫通孔の内面は、前記貫通孔の中心軸を含む断面において階段状となるように形成されていることを特徴とするパッケージの製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のパッケージの製造方法において、
前記拡張部は、先端が先細り形状に形成されていることを特徴とするパッケージの製造方法。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のパッケージの製造方法により製造した前記パッケージにおける前記キャビティの内部に、前記電子部品として圧電振動片が封入されていることを特徴とする圧電振動子。
- 請求項5に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
- 請求項5に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
- 請求項5に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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