JP2011119149A - 布材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表材12の一面側にパッド材14が積層された布材10において、布材10が、通電可能な導電線材20と、導電線材20に電力を供給可能な通電手段18とを有し、表材12としての織物に、一面側に配置の第一組織部12aと、前記一面とは異なる他面側に配置の第二組織部12bとを備える重ね組織部を設けるとともに、第一組織部12aの一部又は全部を導電線材20にて構成した。
【選択図】図5
Description
そして公知の発熱体は、例えば車両用シートのヒータとして使用することができる。このとき発熱体(シート構成と別体の発熱体)は、シートの伸縮性や使用時の耐久性等を考慮して、車両用シートの内部(表皮材とクッション材の間)に配設されることが多い。
そしてパッド材として、典型的に多孔性のパッド材(含気率の高いウレタンパッド等)が用いられる。しかし多孔性のパッド材は断熱性に優れることから、上述の構成(表皮材の裏面側に発熱体を配設する構成)では、シートの昇温に時間がかかったり、消費電力が増加したりすることがあった。
そして特許文献2の技術では、表材自体を発熱させることにより、シートの昇温性や消費電力の改善(ヒータの性能向上)を図ることができる。
このため特許文献2の技術では、着座側に露出の導電線材に乗員が接触等することで、導電線材の折れ曲がりによるほつれや摩耗による断線が生じて、表皮材のヒータ機能等が低下したり失われたりすることがあった。また導電線材の折れや摩耗によって、表皮材の表面意匠性の低下や着座性の悪化が生じる(シート特性が悪化する)ことがあり、車両用シートの表皮材としてすんなり採用できる構成ではなかった。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シート特性等に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材として使用可能な布材に導電線材を性能良く取付けることにある。
そこで本発明では、第一表皮ピース中央部に重ね組織部を形成する。そして第一表皮ピース末端部において、上述の導電線材を、第一組織部から第二組織部に配置転換して、通電手段に電気的につなげる構成とした。このように第二組織部に導電線材を配置(パッド材等のない表皮材他面側に導電線材を配置)することで、パッド材等の除去作業を要することなく通電手段と導電線材を電気的につなげることができる。
そして各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート側方に符号L、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付す。なお各図では、便宜上、一部の導電線材にのみ符号を付すことがある。
図1の車両用シート2は、シートクッション4とシートバック6とヘッドレスト8を有する。これら部材は、各々、シート外形をなすクッション材(4P,6P,8P)と、クッション材を覆う表皮材(4S,6S,8S)を有する(図1及び図9を参照)。典型的なクッション材として、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)を用いることができる。
そして本実施形態では、シートクッション4の表皮材4Sが、発熱可能な布材10(詳細は後述)にて構成される。この布材10には、導電線材20と通電手段18(いずれも詳細は後述)が取付けられるのであるが、このとき導電線材20を性能良く取付けることが好ましい(図2を参照)。そこで本実施形態では、シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、導電線材20を布材10に性能良く取付けることとした。
表皮材4Sは、複数の表皮ピース(例えば第一表皮ピース40fと第二表皮ピース40s)を結合して作製された袋状部材である(図1及び図2を参照)。
第一表皮ピース40fは、シートの座面形状に対応する略矩形(正面視)の部材である。また第二表皮ピース40sは、第一表皮ピース40fと結合可能な形状を有する部材であり、例えば布帛(織物、編物、不織布又はこれらの複合体)や皮革にて構成することができる。
そして本実施形態では、第一表皮ピース40fが布材10(後述)にて構成されており、通電手段18によって導電線材20を通電状態とすることで、静電容量式センサの電極やヒータとして機能させることができる。以下、各構成について詳述する。
布材10は、基本構成(表材12,パッド材14,裏基布16)と、導電線材20と、通電手段18を有する(図2及び図9を参照)。ここで表材12は、表皮材4Sの着座側(意匠面)を構成する部材である(図4を参照)。本実施形態の表材12は、導電線材20と他の線材にて作製された織物であり、重ね組織部(12a,12b)を有する(各部材等の詳細は後述する)。
またパッド材14は、柔軟性を備える多孔性の部材であり、好ましくはクッション材4Pよりも柔軟な部材である。パッド材14として、例えば含気率の高いウレタンパッドや、軟質ウレタンフォームからなるスラブウレタンフォームを用いることができる。そして裏基布16は、布材10の裏側(意匠面側とは異なる側)を構成する部材であり、例えば織編物や不織布にて構成することができる。
導電線材20は、通電可能な線状部材であり、金属や合金などの導電糸、金属又は合金のメッキ糸(メッキ層を有する絶縁繊維)、炭素繊維、炭素繊維のカバリング糸を例示することができる(図2及び図3を参照)。
なかでも炭素繊維のカバリング糸は、座り心地への影響が少なく、一般的な炭素繊維よりも耐久性に優れるため、本実施形態の導電線材20として用いることが好ましい。
ここで炭素繊維のカバリング糸は、炭素繊維からなる芯糸22(例えば複数の炭素繊維のフィラメントからなる束)と、この芯糸22に撚り合された鞘糸24を有することが好ましい(図3を参照)。芯糸22中の炭素繊維の本数(フィラメント数)は特に限定しないが、典型的には2本以上の複数であることが望ましい。
そして炭素繊維の芯糸22を鞘糸24でカバリングすることで、着座時の応力(繊維軸に対する垂直方向のせん断力や圧縮力)が特定の炭素繊維に集中することを防止又は低減できる。このように導電線材20の耐久性を向上させることで、着座時の押圧や摩擦による断線を防止又は低減できる。また導電線材20をカバリングにより強化することで、導電線材20の折れ曲がりを極力なくしつつ、同導電線材20をガイド間で屈曲しつつ走行させたり、綜絖で上下させたりすることができる(重ね組織部の作製が容易となる)。
上述の炭素繊維として、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)やピッチ系炭素繊維のフィラメントを例示することができる(図3を参照)。
PAN系炭素繊維とは、ポリアクリロニトリル(PAN)を炭化焼成してなる繊維であり、耐炎化繊維、炭素化繊維及び黒鉛化繊維を例示できる。またピッチ系炭素繊維とは、石油ピッチや石炭ピッチを炭化焼成してなる繊維であり、不融化繊維、炭素化繊維及び黒鉛繊維を例示できる。なかでも焼成温度1000℃以上の炭素繊維(炭素化繊維、黒鉛化繊維、黒鉛繊維)は良好な電気伝導性を有するため、本実施形態の炭素繊維として使用することが好ましい。
上述の鞘糸24として、動物系又は植物系の天然繊維、合成繊維又はこれらの混紡繊維のフィラメントを例示することができる(図3を参照)。
合成繊維として、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、セルロース系繊維又はこれらの混紡繊維のフィラメントを例示できる。なかでもポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリトリエチレンテレフタレート,ポリ乳酸など)のフィラメントや、ポリアミド系繊維(ナイロン6,ナイロン66など)のフィラメントは、使用時の耐久性に優れるため、鞘糸24として好適に使用することができる。
シングルカバリングすることで、芯糸22の露出性(通電手段18との接触性)を好適に確保することができる(図2及び図3を参照)。一方、ダブルカバリングすることにより、導電線材20の耐久性を向上させることができる。なお鞘糸24の撚り方向はS撚又はZ撚のいずれでもよい。
例えばシングルカバリングの場合、鞘糸24の撚数を20〜1000T/mに設定することで、導電線材20に所望の耐久性を付与することができる。ここで鞘糸24の撚数が20T/m未満であると、所望の導電線材20の耐久性が得られない傾向にある。また鞘糸24の撚数が1000T/mより多いと、芯糸22(炭素繊維)の露出面積が低下して、後述する通電手段18との接触が阻害されるおそれがある。そして鞘糸24の撚数を150〜500T/mに設定することで、所望の耐久性と接触性を備えた導電線材20とすることができる。
他の線材(21a〜21d、22u等)の材質として、植物系及び動物系の天然繊維、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる化学繊維及びこれらの混繊糸を例示することができる(図5〜図7を参照)。そして経糸又は緯糸として、他の線材(紡績糸、フィラメント、延伸糸又は伸縮加工糸(仮撚加工糸や座屈糸)などの線材)を使用できる。
なお天然繊維では、綿、麻又は羊毛が風合いに優れるため、表材12の構成として用いることが好ましい。また化学繊維では、ポリエステル繊維(例えばポリエチレンテレフタレートのフィラメント)やナイロン繊維は耐久性と風合いと強度に優れるため、表材12の構成として用いることが好ましい。
重ね組織部は、第一組織部12aと第二組織部12bを有する組織であり、表材12の全部又は一部に形成することができる(図2、図4及び図5を参照)。第一組織部12aは、パッド材14側に配置された一重織物である。また第二組織部12bは、表材12の着座側に配置された一重織物であり、その全部又は一部が導電線材20によって形成される。
そして重ね組織部は、経糸と緯糸のいずれか一方あるいは経糸と緯糸の双方に2種以上の糸を用いて作製することができ、二重組織、片重ね組織及び多層組織を例示することができる。二重組織とは、一重織物を上下に2枚重ね合わせて同時に織り出した二重の織物であり、後述の袋織(通常袋や横口袋等)を例示できる。また多層組織とは、一重織物を3枚以上重ね合わせて織り出した組織である。
そして片重ね組織として、ヨコ二重織(経糸1種と緯糸2種を用いて作製される二重の織物)や、タテ二重織(経糸2種と緯糸1種を用いて作製される二重の織物)を例示できる(図5を参照)。
本実施形態では、他の線材と、導電線材20を用いて表材12(織物)の原反を製織する(図4〜図7を参照)。
そして本実施形態では、ジャガード織機を用いるなどして、第一表皮ピース40fの形状(略矩形)を柄として取り込みつつ原反を製織することができる。例えば第一表皮ピース40fの形状に対応して、略矩形の重ね組織部(ピース中央部40C)を原反に製織する。そして重ね組織部の周囲(ピース末端部40E)において、導電線材20の配置転換を行い、ピース中央部40Cとは異なる組織を製織する。
本実施形態では、1種の経糸(21a〜21d)と、2種の緯糸(表緯糸22u,裏緯糸22d)を用いる。そしてヨコ二重裏付織(ヨコ二重織の一例)の重ね組織部をピース中央部40Cに作製する(図4を参照)。
そして第一組織部12aと第二組織部12bを織り出すとともに、第一組織部12aの一部を導電線材20にて構成する(図5及び図7を参照)。本実施形態では、表緯糸22uと各経糸(21a〜21d)によって1/3↑斜文織りの第二組織部12bを製織する。そして裏緯糸22dと各経糸(21a〜21d)によって3/1↑斜文織りの第一組織部12aを製織する。このとき裏緯糸22d(一部又は全部)の代わりに導電線材20を使用することで、第一組織部12aの一部又は全部を導電線材20にて構成することができる。
そして本実施形態では、表緯糸22uと裏緯糸22d(20)を1:1の割合で組織化したことで、第一組織部12aと第二組織部12bが比較的強固に繋がり合う構成となる(図7(c)を参照)。なお本実施形態では、表緯糸22uと裏緯糸22d(20)を2:1や3:1の割合で組織化することもできる。
例えばピース末端部40Eにおいて、裏緯糸22d(20)と表緯糸22uを上下に交差させる。そして裏緯糸22d(20)と各経糸(21a〜21d)によって1/3↑斜文織りの第二組織部12bを製織する。また表緯糸22uと各経糸(21a〜21d)によって3/1↑斜文織りの第一組織部12aを製織する。こうすることで裏緯糸22d(20)を、第一組織部12aから第二組織部12bに配置転換させることができる。
さらに図7を参照して、第一組織部12aと第二組織部12bを共に斜文織組織にて構成する。このとき表緯糸22uの繊度を裏緯糸22dよりも小さく(細く)することで、第一組織部12aのカバーファクタを、第二組織部12bよりも大きくすることができる。なおカバーファクタ(K)とは、織物表面から見た緯糸(又は経糸)間の間隔の大きさを表す単位であり、カバーファクタが大きいほど強靭な織物となる。
ここで表皮材4Sとして布材10を用いる場合には、複数の導電線材20を平行に配置することが好ましい(図2を参照)。例えば布材10にヒータ機能を持たせる場合、導電線材20同士の間隔寸法(W1)を1mm〜60mmに設定することができる。
また布材10にセンサ(電極)機能を持たせる場合、導電線材20同士の間隔寸法を60mmの範囲内に設定することが望ましい。導電線材20同士の間隔寸法が60mmを超えると、布材10のセンサ機能が悪化(静電容量が低下)して電極として機能しないおそれがある。好ましくは導電線材20の間隔寸法の上限値を30mmとすることで、布材10がより好適なセンサ機能(静電容量)を備える。
そこで本実施形態では、第一表皮ピース40fの前側(大腿部後面に対応する位置)に、後側よりも密に導電線材20を配設することとした。このように第一表皮ピース40fの前側に導電線材20を密に配置することで、乗員を効率良く加温することができる。また第一表皮ピース40fの後側に導電線材20を疎に配置することで、表皮材4S(ヒータやセンサ)の消費電力を極力抑えることができる。
つぎに布材10の原反を略矩形状(座面形状)にカットしたのち、通電手段18(後述)を取付けることで第一表皮ピース40fを作製する(図4を参照)。原反をカットする手法は特に限定しないが、布材10と物理的に接触可能なカット装置(パンチ機構やハサミ機構等)や、レーザなどの光学的なカット手段を例示できる。
通電手段18は、導電線材20と電源9を電気的につなげる部材であり、導線、導電テープ、導電化された布体を例示することができる(図2を参照)。
この通電手段18によって、導電線材20と電源9を電気的につなげることで、導電線材20を通電状態とすることができる。
布体18bは、導線18aの配索方向に長尺な帯状(例えばシート前後方向に長尺な帯状)であり、布帛や不織布にて構成することができる(図2を参照)。布体18bによって導電線材20とより広い面積で接着することができ、接触抵抗を低減できる。なお導電線材20と布体18bの接触をより広くするために、例えば縫製を複数本とすることが好ましく、より好ましくは縫製を3本以上とする。
またメッキ層18cは、電気伝導性を有する金属又は合金を有する層であり、布体18b(被めっき体)に設けられる。メッキ層18cは、布体18b全体に形成してもよく、布体18bの一面(表材12を臨む面)にのみ形成してもよい。
そして導線18aとして、金属や合金などの導線、メッキされた線材(合成繊維の芯材とメッキ層を備える線材)、炭素繊維、炭素繊維のカバリング糸を例示できる。そして導線18aは、導電線材20と接続するために表材12又は布体18bに取付けることができる。このとき導線18aを周期的に揺動させて表材12又は布体18bに配置することが好ましい。
図2、図6〜図9を参照して、第一表皮ピース40fの両末端部(表面側)に通電手段18を配設する。そして通電手段18を表材12に縫着して、複数の導電線材20の両端を電気的に並列につなげる。このとき第二組織部12bに導電線材20を配置したことで、パッド材14や樹脂層の除去作業を要することなく通電手段18と導電線材20を電気的につなげることができる。
そして一対の通電手段18,18に、各々電源ケーブル9aの端子をつなげて、複数の導電線材20の並列回路を布材10に形成する。
本実施形態では、一対の通電手段18,18によって、複数の導電線材20の並列回路を形成することにより、比較的省電力で複数の導電線材20を発熱させることができる。
そして本実施形態では、一対の通電手段18を、第一表皮ピース40fの対向配置する二つの末端部に各々配設することができる(図2を参照)。こうすることで両末端部の間(比較的広い範囲)の導電線材20を通電状態とすることができる。
また本実施形態では、炭素繊維のカバリング糸を導電線材20に用いたことで、布材10のセンサ機能やヒータ機能を好適に維持することができる。また第一組織部12aが導電線材20の補強材として機能するとともに、第二組織部12bが導電線材20の保護材として機能するため、導電線材20の耐久性を更に向上させることができる。
そして本実施形態では、第二組織部12b(表材12表面)に導電線材20が極力露出しないため、見栄えや着座性の良いシート構成となる。またクッション材4Pやパッド材14には導電線材20を取付けないため、シート本来のクッション性が好適に維持される(着座性の良い構成である)。
このため本実施形態によれば、シート特性に悪影響を極力及ぼすことなく、表皮材4Sとして使用可能な布材10に導電線材20を性能良く取付けることができる。
本実施形態の車両用シート及びその構成は、実施形態1とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施例の表材12では、重ね組織部(12a,12b)と、一重組織の第三組織部12cがシート前後方向に交互に配置するように形成される(図10を参照)。
重ね組織部(12a,12b)は、導電線材20の配索方向(シート幅方向)に長尺な組織であることが好ましい。また重ね組織部(12a,12b)は、複数の導電線材20を並列して取付け可能な幅寸法を備えることが好ましい。
本実施形態では、袋織(二重組織の一例)を用いて重ね組織部を作製する。例えば図11の袋織では、2種の経糸(表経糸21u,裏経糸21d)と、2種の緯糸(表緯糸22u,裏緯糸22d)を用いる。そして第一組織部12aと第二組織部12bを重ね合わせて織り出すとともに、第一組織部12aの一部を導電線材20にて構成する。
より具体的には、表経糸21uと表緯糸22uを交絡させて第二組織部12bを形成するとともに、裏経糸21dと裏緯糸22dを交絡させて第一組織部12aを形成する。このとき裏経糸21d(一部)の代わりに導電線材20を使用することで、第一組織部12aの一部を導電線材20にて構成することができる。最後に第一組織部12aと第二組織部12bの端部を、第三組織部12c(例えば表緯糸22u及び裏緯糸22dと、表経糸21uの一重織物)で閉じて袋状とすることができる。
本実施形態によれば、第一組織部12aの一部又は全部を導電線材にて構成することにより、第二組織部12b(一般に表材の着座側)に導電線材20が露出しない構成とすることができる。
例えば第一表皮ピース側部(ピース末端部40E)に表緯糸22uを配置する。そしてピース末端部40Eにおいて、裏経糸21d(20)と表経糸21uを上下に交差させて入れ替える。こうすることで裏緯糸22d(20)を、第一組織部12aから第二組織部12b側に配置転換させることができる。
なお裏経糸21d(20)と表経糸21uは一度交差させるだけでもよく、複数回交差させることもできる。
(1)本実施形態では、複数の重ね組織部を表材12に形成することができ、単数の重ね組織部を表材12に形成することもできる。例えば第一表皮ピース中央部の略全面に重ね組織部を形成することができる。また第一表皮ピース中央部の一部に単数又は複数の重ね組織部を形成することができる。
(2)また本実施形態では、専ら二重組織及び片重ね組織の重ね組織部を例示した。重ね組織部は多層組織にて構成することもできる。例えば3枚の一重組織を重層した場合、最も着座側の一重組織が第二組織部となる。そして残り2枚の一重組織中の少なくとも一枚が第一組織部となる。
また織部は、バッキングにより導電線材を固定しやすくするために、導電線材が交差する組織点の少ない組織とすることが好ましい。例えば図12を参照して、表皮ピース末端部40Eの第二組織部12bに導電線材20を経糸浮きで配置することで、通電手段18と導電線材20が接触しやすくなり、両者の接続安定性が向上する。
(3)また本実施形態では、表皮ピース末端部において導電線材の配置転換を行う例を説明したが、必ずしも導電線材の配置転換を行う必要はない。この場合には、布材からパッド材等を除去したのち、通電手段を布材(第一組織部)に取付けて導電線材に電気的につなげる。
(5)また本実施形態では、専ら第一組織部12aの一部を導電線材20にて構成したが、第一組織部12aの全てを導電線材20にて構成することができる。また導電線材を、等間隔で第一組織部12aに配置することができる。
(7)また本実施形態では、布材10に対して導電線材20を直線状に配設した。この導電線材は、波状やジグザグ状などの各種状態で表材に配設できる。
(8)また本実施形態では、シートクッション4の表皮材4Sとして布材10を使用する例を説明した。本実施形態の布材は、天板メイン部、天板サイド部、かまち部、背裏部、及びヘッドレスト部などの車両用シートの各種構成の表皮材として使用することができる。また車両用シートのほか、天井部、ドア部、コンソールボックスなどの車両内装品の表皮材(センサの電極、ヒータ)として使用することができる。
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
10 布材
12 表材
12a 第一組織部
12b 第二組織部
12c 第三組織部
14 パッド材
16 裏基布
18 通電手段
20 導電線材
22 芯部
24 鞘糸
Claims (3)
- 表材の一面側にパッド材が積層された布材において、
前記布材が、通電可能な導電線材と、前記導電線材に電力を供給可能な通電手段とを有し、
前記表材としての織物に、前記一面側に配置の第一組織部と、前記一面とは異なる他面側に配置の第二組織部とを備える重ね組織部を設けるとともに、前記第一組織部の一部又は全部を前記導電線材にて構成した布材。 - 前記導電線材が、炭素繊維からなる芯糸と、前記芯糸に撚り合された鞘糸を有する請求項1に記載の布材。
- 複数の表皮ピースを結合してなる車両内装品の表皮材において、
前記表皮材が、前記複数の表皮ピースとしての第一表皮ピースを有するとともに、前記第一表皮ピースが請求項1又は請求項2の布材にて構成され、
前記第一表皮ピース中央部に前記重ね組織部を形成するとともに、前記第一表皮ピース末端部において、前記導電線材を、前記第一組織部から前記第二組織部に配置転換して、前記通電手段に電気的につなげる構成とした車両内装品の表皮材。
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