JP2008235230A - 炭素繊維発熱線 - Google Patents
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Abstract
【課題】 炭素繊維の長さ方向の強度は焼入れ鋼以上であるが、折り曲げにはきわめて弱いという問題点を有する。炭素繊維を折り曲げる、あるいは強くこすると、炭素繊維の一部は簡単に破断する。この結果として電気抵抗値が減少するとともに、破断した細い炭素繊維に電流が流れると抵抗加熱によって白熱するのできわめて危険である。炭素繊維は最も優れた遠赤外線放出物質でありながら、電気毛布などへの応用がされていないのは、このような理由による。
【解決手段】極細ステンレス鋼線を巻きつけて炭素繊維線を束ねた後に、その表面をシリコーン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂でコーティングすることによって破断しない感電の心配がない炭素繊維発熱体を提供する。
【解決手段】極細ステンレス鋼線を巻きつけて炭素繊維線を束ねた後に、その表面をシリコーン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂でコーティングすることによって破断しない感電の心配がない炭素繊維発熱体を提供する。
Description
本発明は、遠赤外線で暖房するための、しなやかで高強度、かつ電気絶縁性に優れた炭素繊維発熱線の製造法に関する。
電気抵抗がRオームである電線にiアンペアの電流を流すとi2Rワットのジュール熱が発生する。この原理を用いてニクロム線、炭化けい素、黒鉛などを発熱体とする電気加熱装置が広く用いられている。これらの中で細いニクロム線はしなやかに曲げられるが、炭化けい素と黒鉛は脆いので曲げられない。
また、これらの材料が発熱体として広く用いられる理由は1000℃以上の高温加熱を目的とするからである。暖房を目的とする場合は光を発するほどの高温に加熱することはエネルギーの無駄であって、波長5〜20μm程度の遠赤外線を効率良く放射できる材料を発熱体として用いるならば、無駄な光を発しない適切な温度でのエネルギー効率の良い加熱が可能となる。
柔らかな布で体をつつみ、布を発熱させると生体を効率よく暖めることができる。電気毛布はこの代表的な製品であって、やわらかに曲げられるようにニクロム線などの金属線を発熱線に用いている。しかしながら感電や火災を防止するために、金属パイプ内に絶縁物を介してニクロム線を保持した「シース発熱線」が用いられるために、発熱線は太く、しなやかさに欠ける。
また電気カーペットや電気座布団として用いる場合は、太い発熱線による凹凸を目立たなくするために厚い布が用いられている。このために不使用時に場所を取る、あるいは、熱容量が増加するので暖まるのに時間がかかるなどの問題がある。
炭素は4000℃まで溶融しないので、黒鉛や炭素繊維は高温用発熱体として用いられるが、発熱体の燃焼を防止するために真空または不活性ガス中での使用に限定される。一方、炭素繊維をコンクリートに埋め込んで空気との接触を絶った発熱体(特許文献1)、あるいは燃焼の恐れのない低温加熱に炭素繊維を用いる発熱体(特許文献2)が特許出願されている。これらの例で炭素繊維は固定された状態で使用される。
炭素繊維線は直径が数マイクロメートルである多数の炭素繊維を束ねて構成されており、柔軟性に富む発熱体として使用できる。炭素繊維の長さ方向の強度は焼入れ鋼以上であるが、折り曲げにはきわめて弱いという問題点を有する。炭素繊維を折り曲げる、あるいは強くこすると、炭素繊維の一部は簡単に破断する。この結果として電気抵抗値が減少するとともに、破断した細い炭素繊維に電流が流れると抵抗加熱によって白熱するのできわめて危険である。炭素繊維は最も優れた遠赤外線放出物質でありながら、電気毛布などへの応用されていないのは、このような理由による。
本発明者らは、高分子繊維を芯線に用いる強化によって、折り曲げても破断しない炭素繊維(特許文献3)を開発したが、▲1▼高分子繊維は通電加熱できない、▲2▼芯線に高分子繊維を用いて強化しても、外力による表面の炭素繊維破断を防止できない、などの問題が残った。
これらの問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、極細ステンレス鋼線を巻きつけて炭素繊維線を束ねた後に、その表面をシリコーン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂でコーティングすることを特徴とする本発明を行うに至った。
本発明の炭素繊維発熱線は以下の特徴を有する。
(1)しなやかで小さく折り曲げても繊維が破断しない。
(2)表面が強くこすられても炭素繊維が破断しない。
(3)電気的に絶縁されており感電の心配がない。
本発明の炭素繊維発熱線は以下の特徴を有する。
(1)しなやかで小さく折り曲げても繊維が破断しない。
(2)表面が強くこすられても炭素繊維が破断しない。
(3)電気的に絶縁されており感電の心配がない。
炭素繊維を束ねた線に細い金属線を巻き付けて炭素繊維を固定する。金属線の種類としては耐酸化性が良い、加工が容易、高強度であるなどの要件を満たす材料はすべて適用が可能である。入手が容易でこれらの要件を満たす材料としてはオーステナイト系ステンレス鋼線がある。金属線を巻き付けて炭素繊維を固定した発熱線の両端に銅線から成る電極を取り付けた後に、炭素繊維線の表面にシリコン樹脂、またはフッ素樹脂をコーティングして樹脂が固まると発熱線は完成する。
以下に本発明の実施例を示すが、これらはあくまで本発明の一例に過ぎず、下記の実施例の条件に本発明が制限されることはない。すなわち、本発明は明細書に記載する技術思想の範囲で、構成上の変更、変形又は他の実施例は当然含まれるものである。
(実施例1)
1本の直径が6μmの炭素繊維多数を束ねて、直径0.8mmの炭素繊維線を作った。これに直径0.05mmのステンレス鋼SUS304の線を巻き付けることにより、炭素繊維を固定した。この外観を図1に示す。この線は鋭角に折り曲げても炭素繊維は折れず、また線を結んで強く引いても炭素繊維が切れることがなかった。1m当たりの電気抵抗は25Ωであって、線の両端に電圧をかけて加熱しても、金属線のみが高温になることなく線全体の温度が均一に上昇した。この線の表面に防水シール用のシリコーン樹脂を薄く塗布して固化させると、発熱線としての柔軟性は低下することなく、表面の電気抵抗はデジタルテスターで測定不能なほど高めることができた。コーティング線を100℃に熱しても、シリコーン樹脂は劣化することがなかった。
1本の直径が6μmの炭素繊維多数を束ねて、直径0.8mmの炭素繊維線を作った。これに直径0.05mmのステンレス鋼SUS304の線を巻き付けることにより、炭素繊維を固定した。この外観を図1に示す。この線は鋭角に折り曲げても炭素繊維は折れず、また線を結んで強く引いても炭素繊維が切れることがなかった。1m当たりの電気抵抗は25Ωであって、線の両端に電圧をかけて加熱しても、金属線のみが高温になることなく線全体の温度が均一に上昇した。この線の表面に防水シール用のシリコーン樹脂を薄く塗布して固化させると、発熱線としての柔軟性は低下することなく、表面の電気抵抗はデジタルテスターで測定不能なほど高めることができた。コーティング線を100℃に熱しても、シリコーン樹脂は劣化することがなかった。
(実施例2)
上記の炭素繊維の量を減らして線の直径が0.4mmの炭素繊維線を作り、これに直径0.1mmのステンレス鋼線を巻き付けて、上記と同様な炭素繊維発熱線を作製した。これの外観を図2に示す。この線の柔軟性は上記の太い線よりもさらに良く、耐折曲げ性や結んだ時の強度は上記の太い線と同様であった。電気抵抗は1mあたり39Ωであった。シリコーン樹脂を塗布した後の発熱線としての性能は、電気抵抗が高い以外は上記の太い線と同様であった。
上記の炭素繊維の量を減らして線の直径が0.4mmの炭素繊維線を作り、これに直径0.1mmのステンレス鋼線を巻き付けて、上記と同様な炭素繊維発熱線を作製した。これの外観を図2に示す。この線の柔軟性は上記の太い線よりもさらに良く、耐折曲げ性や結んだ時の強度は上記の太い線と同様であった。電気抵抗は1mあたり39Ωであった。シリコーン樹脂を塗布した後の発熱線としての性能は、電気抵抗が高い以外は上記の太い線と同様であった。
(比較例)
金属線で周囲を固定しない、太さが0.8mm炭素繊維の束から成る線は、線を結んで強く引くと断線した。また線を鋭角に折り曲げるとかなりの炭素繊維が折れて、通電加熱時に折れた線が接触すると高温に白熱した。金属線で固定しないためにシリコーン樹脂を塗布する際に炭素繊維が毛玉状に固まりやすく、樹脂コーティングは困難であった。
金属線で周囲を固定しない、太さが0.8mm炭素繊維の束から成る線は、線を結んで強く引くと断線した。また線を鋭角に折り曲げるとかなりの炭素繊維が折れて、通電加熱時に折れた線が接触すると高温に白熱した。金属線で固定しないためにシリコーン樹脂を塗布する際に炭素繊維が毛玉状に固まりやすく、樹脂コーティングは困難であった。
本発明によれば、柔らかくしなやかな炭素繊維線を、直接布地に接触させて電気毛布や電気カーペットを製造できる。炭素繊維線は遠赤外線の放射効率が0.98と物質中最高なので、100℃以上の高温に加熱しなくとも、十分に身体を暖めることができる。炭素繊維線は柔軟で高耐熱性の樹脂でコーティングされているために感電の恐れがない。
1.炭素繊維
2.ステンレス鋼の細線
2.ステンレス鋼の細線
Claims (2)
- 金属細線を炭素繊維の束に巻き付けて炭素繊維を固定することにより、炭素繊維の破断を防止するとともに、折り曲げた時の形状安定性を高めることを特徴とする炭素繊維発熱線。
- 表面にシリコーン樹脂またはフッ素樹脂などの耐熱性樹脂を塗布することによって、電気絶縁性を高めた請求項1に記載の炭素繊維発熱線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007106516A JP2008235230A (ja) | 2007-03-17 | 2007-03-17 | 炭素繊維発熱線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007106516A JP2008235230A (ja) | 2007-03-17 | 2007-03-17 | 炭素繊維発熱線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008235230A true JP2008235230A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39907781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007106516A Pending JP2008235230A (ja) | 2007-03-17 | 2007-03-17 | 炭素繊維発熱線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008235230A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011119149A (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-16 | Toyota Boshoku Corp | 布材 |
KR101206421B1 (ko) | 2010-11-02 | 2012-11-29 | 박명숙 | 카본사 제조방법 |
-
2007
- 2007-03-17 JP JP2007106516A patent/JP2008235230A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011119149A (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-16 | Toyota Boshoku Corp | 布材 |
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