JP2011118250A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間開口率を高くしつつ、振れ角を確実に目標値にすることができ、画像の台形歪みを防止することができ、効率良く駆動することができる光走査装置を提供すること。
【解決手段】光走査装置1は、光出射部と、光走査部と、前記光走査部の作動を制御する制御手段とを備え、前記光走査部は、所定の大きさおよび所定の周波数の電圧信号または電流信号である駆動信号が供給されることにより、第1の方向に走査する反射面を共振駆動する走査機構を有し、前記制御手段は、前記第1の方向の走査を行うに際し、前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数をそれぞれ互いに異なるタイミングで変更する変更手段と、前記第1の方向に走査する反射面の回動中心軸を中心とする振れ角を減少させるブレーキ信号を前記駆動信号に重畳させるブレーキ信号重畳手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光走査装置に関するものである。
2ミラータイプ(例えば、共振を利用した水平走査用ミラーとガルバノミラー等の垂直走査用ミラーの2つのミラーで描画するタイプ)のスキャンプロジェクターは、光出射部から出射した光を、投影面に対し、水平方向に走査(水平走査:主走査)すると共に、この水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査(垂直走査:副走査)することで2次元的に走査し、投影面上に画像(映像)を描画するよう構成されている。水平走査用ミラーの回動中心軸を中心とする振れ角(振幅)は、一定である。
このようなスキャンプロジェクターでは、投影面上に画像を描画する際、その投影面までの光路差に起因する歪み、例えば、投影面上に描画された画像の上側と下側とで、横方向(水平方向)の長さが異なる「台形歪み」と呼ばれる歪みが発生するため、補正が必要となる。
ところで、図26に示すように、スキャンプロジェクター300の光出射部から光を出射した光出射状態でその光を投影面上に2次元的に走査したときの、投影面21上での光の軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)141のうち、左描画限界ラインよりも左側の部分および右描画限界ラインよりも右側の部分は、それぞれ、水平走査用ミラーの角速度(速度)が小さく、描画に適さない。このため、投影面21上の左描画限界ラインと右描画限界ラインとの間の領域が、画像を描画することが可能な描画可能領域143として用いられ、その描画可能領域143内に、画像を描画する領域である描画領域142が設定される。すなわち、描画可能領域143は、画像を描画する領域である描画領域142と、画像を描画しない領域である非描画領域とに分けられる。描画領域142は、描画可能領域143の中央部に位置し、長方形(正方形を含む)をなすように設定され、その描画領域142の右側の部分および左側の部分が、非描画領域となる。
前記台形歪みを防止(補正)するには、通常は、前記のように、投影面21上に長方形の描画領域142を設定し、光出射部から出射した光がその描画領域142内に投射(照射)されるように光出射部の駆動を制御する。すなわち、描画領域142の範囲で、垂直走査用ミラーの角度および水平走査用ミラーの角度に応じて投影面21上の1画素に相当する時間毎(この時間も描画する位置により異なるためミラーの角度から制御する)に光源の変調を行い、画像を補正して表示(画素密度補正)するのが一般的である。
しかしながら、水平方向から見たとき、スキャンプロジェクター300から投影面21に向けて出射した光の光軸と投影面とのなす角(角度)が、90°からずれるほど、大きな歪補正が必要となる。例えば、図27に示すように、投影面21に対し、垂直方向の斜め方向から画像を投影する際には、スキャンプロジェクター300から垂直方向に遠い位置ほど、1本の描画ライン141の水平方向の長さ(光出射部から光を出射した光出射状態での投影面上における光の水平方向の振れ幅)が長くなり、これにより、非描画領域が大きくなって、時間開口率(画像の描画を行う期間の割合)が低下し、1画素あたりの輝度が低下してしまい、また、光源の変調の高速化が必要となるという問題があった。
前記の問題を解決する手段として、水平走査用ミラーの回動中心軸を中心とする振れ角(振幅)を可変にし、徐々に変化させる手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、図28に示すように、特許文献1のスキャンプロジェクター300では、投影面21に対し、光を走査する際、その光が走査される投影面21上の垂直方向の位置がスキャンプロジェクター300から遠いほど、水平走査用ミラーの振れ角を小さくし、画像の台形歪みを防止している。
また、水平走査用ミラーの駆動周波数は高いので、その水平走査用ミラーとしては、通常、エネルギー効率の良い共振駆動のもの(共振を利用したもの)が用いられている。
しかながら、特許文献1のスキャンプロジェクター300では、水平走査用ミラーに供給する電圧信号または電流信号である駆動信号の大きさを変更して、水平走査用ミラーの振れ角を変更するので、駆動信号の大きさ変更すると、それに伴って共振周波数も変化してしまう。これにより、水平走査用ミラーの駆動周波数が共振周波数から外れ、共振駆動を行うことができなくなり、これによって、効率良く駆動することができなくなるという問題がある。
また、特許文献1のスキャンプロジェクター300では、水平走査用ミラーの振れ角を徐々に減少させる場合は、その駆動信号の大きさを徐々に減少させても、慣性の影響で、水平走査用ミラーの振れ角を目標値にすることができず、これにより台形歪みを防止できない場合がある。
特開2007−199251号公報
本発明の目的は、時間開口率を高くしつつ、第1の方向に走査する反射面の振れ角を確実に目標値にすることができ、画像の台形歪みを防止することができ、また、効率良く駆動することができる光走査装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光走査装置は、投影面に対し、光を走査することにより画像を描画するよう構成され、
光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射された光を反射させ、回動可能に設けられた少なくとも1つの反射面を有し、前記光出射部から出射された光を、前記投影面に対し、第1の方向に走査すると共に、前記第1の方向の走査速度よりも遅い走査速度で前記第1の方向に直交する第2の方向に走査することで2次元的に走査する光走査部と、
前記光走査部の作動を制御する制御手段とを備え、
前記光走査部は、所定の大きさおよび所定の周波数の電圧信号または電流信号である駆動信号が供給されることにより、前記第1の方向に走査する反射面を共振駆動する走査機構を有し、
前記制御手段は、前記第1の方向の走査を行うに際し、前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数をそれぞれ互いに異なるタイミングで変更する変更手段と、
前記第1の方向に走査する反射面の回動中心軸を中心とする振れ角を減少させるブレーキ信号を前記駆動信号に重畳させるブレーキ信号重畳手段とを有することを特徴とする。
これにより、時間開口率を高くしつつ、画像の台形歪みを防止することができ、また、効率良く駆動することができる。
また、駆動信号の大きさおよび周波数をそれぞれ変更して第1の方向に走査する反射面を共振駆動するので、効率良く駆動することができる。そして、特に、駆動信号の大きさおよび駆動信号の周波数をそれぞれ互いに異なるタイミングで変更するので、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
また、ブレーキ信号重畳手段を有するので、第1の方向に走査する反射面の振れ角を確実に目標値にすることができ、これにより、画像の台形歪みを確実に防止することができる。
本発明の光走査装置では、前記ブレーキ信号は、該ブレーキ信号が重畳されない状態の前記駆動信号に対して逆位相のパルス信号であることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
本発明の光走査装置では、前記駆動信号への前記パルス信号の1パルスの重畳を開始するタイミングは、前記光走査部により走査される光が、前記投影面上の画像を描画する描画領域内から該描画領域の前記第1の方向の端部に到達したとき、または、前記第1の方向の端部に到達した後であることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
本発明の光走査装置では、前記駆動信号への前記パルス信号の1パルスの重畳を終了するタイミングは、前記第1の方向に走査する反射面が最大に回動するまでの間であることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
本発明の光走査装置では、前記ブレーキ信号の大きさのデータを含むブレーキ信号用データを記憶する第1の記憶手段を有し、
前記ブレーキ信号重畳手段は、前記ブレーキ信号用データに基づいて、前記ブレーキ信号の大きさを決定する第1の決定部を有することが好ましい。
これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
本発明の光走査装置では、前記光出射部から光を出射した光出射状態で前記投影面上での光の前記第1の方向の振れ幅が、前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を一定にする場合に比べて、前記第2の方向に沿って揃い、かつ、前記第1の方向に走査する反射面が共振するための前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数のデータを含む駆動信号用データが記憶された第2の記憶手段を有し、
前記変更手段は、前記駆動信号用データに基づいて、変更する前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を決定する第2の決定部を有することが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記第1の方向に走査する反射面の角度を検出する角度検出手段を有し、
前記変更手段は、前記駆動信号の大きさと前記駆動信号の周波数との一方を変更した後、他方を変更するタイミングを、前記角度検出手段の検出結果と、前記駆動信号の周波数とに基づいて決定するよう構成されていることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記変更手段は、前記第1の方向に走査する反射面が最大に回動したとき、前記一方を変更するよう構成されていることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記変更手段は、前記角度検出手段の検出結果と、前記駆動信号の周波数とに基づいて、前記振れ角を推定する振れ角推定部と、
前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致するか否かを判別する判別部とを有し、
前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致したとき、前記他方を変更するよう構成されていることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記変更手段は、前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致しない場合は、今回は、前記他方を変更しないよう構成されていることが好ましい。
これにより、第1の方向に走査する反射面の共振状態を確実に持続させることができる。
本発明の光走査装置では、前記変更手段は、前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致しない場合、次に前記駆動信号の大きさと前記駆動信号の周波数との一方を変更する際、該一方の設定予定の値を補正する補正部を有することが好ましい。
これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
本発明の光走査装置では、前記変更手段は、前記振れ角を増大させる場合は、前記駆動信号の大きさを先に変更し、前記駆動信号の周波数を後に変更するよう構成されていることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記変更手段は、前記振れ角を減少させる場合は、前記駆動信号の周波数を先に変更し、前記駆動信号の大きさを後に変更するよう構成されていることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記変更手段は、前記駆動信号の大きさを先に変更し、前記駆動信号の周波数を後に変更する第1のモードと、前記駆動信号の周波数を先に変更し、前記駆動信号の大きさを後に変更する第2のモードとを有し、前記振れ角を増大させる場合は、前記第1のモードで作動し、前記振れ角を減少させる場合は、前記第2のモードで作動するよう構成されていることが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を確実に共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記第2の方向の走査を往路および復路のそれぞれで行い、前記第2の方向の走査の往路および復路のそれぞれにおいて、前記第1の方向の走査を行って画像を描画するよう構成されていることが好ましい。
これにより、第1の方向に走査する反射面の回動中心軸を中心とする振れ角を急激に変化させることなく、画像の台形歪みを防止することができる。
すなわち、第2の方向の走査の往路および復路のそれぞれにおいて、第1の方向の走査を行って画像を描画するので、第2の方向の走査において往路から復路に切り替わる際や、復路から往路に切り替わる際に、第1の方向に走査する反射面の振れ角を急激に変化させる必要がなくなり、これにより、容易かつ確実に、第1の方向に走査する反射面の振れ角を変更することができる。
また、第2の方向の走査の往路および復路のそれぞれにおいて、第1の方向の走査を行って画像を描画するので、第2の方向の帰線期間がなくなり、これにより、1フレーム中の非表示期間の割合を小さくすることができる。これにより、第2の方向の走査の往路のみで第1の方向の走査を行って画像を描画する場合と第1の方向に走査する反射面の角速度(速度)が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、単位時間当たりのフレーム数(コマ数)を多くすることができ、これによって、動画における早い動きにも容易に対応することができる。逆に言えば、第2の方向の走査の往路のみで第1の方向の走査を行って画像を描画する場合と単位時間当たりのフレーム数が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、第1の方向に走査する反射面の角速度を小さくすることができ、これによって、安定的に画像を描画することができる。
本発明の光走査装置では、前記走査機構の温度を検出する温度検出手段を有し、
前記変更手段は、さらに前記温度検出手段の検出結果を加味して、前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を変更するよう構成されていることが好ましい。
これにより、より確実に、第1の方向に走査する反射面を共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記走査機構の温度を検出する温度検出手段を有し、
前記第2の記憶手段には、温度毎に、前記駆動信号用データが記憶されており、
前記第2の決定部は、前記温度検出手段の検出結果と、前記駆動信号用データとに基づいて、変更する前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を決定するよう構成されていることが好ましい。
これにより、より確実に、第1の方向に走査する反射面を共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記走査機構の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記走査機構の温度を目標温度に調整する温度調整手段とを有することが好ましい。
これにより、より確実に、第1の方向に走査する反射面を共振させることができる。
本発明の光走査装置では、前記走査機構は、回動可能に設けられ、前記第1の方向に走査する反射面を有する可動板と、前記可動板を回動可能に支持する支持部と、前記可動板と前記支持部とを連結する連結部と、前記可動板を回動させる駆動手段とを備えるアクチュエーターであり、
前記光走査部は、前記第2の方向に走査する反射面を有するガルバノミラーを備えることが好ましい。
これにより、第1の方向に走査する反射面と、第2の方向に走査する反射面とを別々に駆動することができるので、より確実に、画像の台形歪みを防止しつつ、第1の方向に走査する反射面を共振させることができる。
本発明の光走査装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示す光走査装置を示す図である。 図1に示す光走査装置のアクチュエーターを示す模式的斜視図である。 図1に示す光走査装置のアクチュエーターの駆動を示す模式的断面図である。 図1に示す光走査装置のガルバノミラーを示す図である。 図1に示す光走査装置の作動制御部、光走査部および光源ユニットを示すブロック図である。 図1に示す光走査装置の動作を説明するための図である(aは、側面図、bは、正面図)。 図1に示す光走査装置の作動中のアクチュエーターの可動板の振れ角(振れ角の経時的変化)を示すグラフである。 図1に示す光走査装置の作動中のガルバノミラーのミラーの角度(角度の経時的変化)を示すグラフである。 図1に示す光走査装置の検量線記憶部に記憶されているテーブル(検量線)の構成例を示す図である。 図1に示す光走査装置のアクチュエーターの周波数特性を示すグラフである。 図1に示す光走査装置のアクチュエーターの周波数特性を示すグラフである。 図1に示す光走査装置のアクチュエーターの駆動信号および可動板の角度を示すグラフである。 図1に示す光走査装置のアクチュエーターの駆動信号および可動板の角度を示すグラフである。 図1に示す光走査装置の変形例およびその動作を示す図である(aは、側面図、bは、正面図)。 本発明の第2実施形態に係る光走査装置のエラー処理の際の制御動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る光走査装置のエラー処理の際の制御動作を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る光走査装置のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る光走査装置のアクチュエーターを示す模式的斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る光走査装置のブロック図である。 本発明の第5実施形態に係る光走査装置が備えるアクチュエーターを示す模式的平面図である。 図21中のB−B線断面図である。 図21に示すアクチュエーターが備える駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図である。 図23に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る光走査装置の動作を説明するための図である(aは、側面図、bは、正面図)。 従来のスキャンプロジェクターの動作を説明するための図である(aは、側面図、bは、正面図)。 従来のスキャンプロジェクターの動作を説明するための図である(aは、側面図、bは、正面図)。 従来のスキャンプロジェクターの動作を説明するための図である(aは、側面図、bは、正面図)。
以下、本発明の光走査装置(画像形成装置)の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、代表的に、第1の方向を「水平方向」、第2の方向を「垂直方向」として説明を行う。
<第1実施形態>
まず、本発明の光走査装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の光走査装置の第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す光走査装置を示す図である。図3は、図1に示す光走査装置のアクチュエーターを示す模式的斜視図である。図4は、図1に示す光走査装置のアクチュエーターの駆動を示す模式的断面図である。図5は、図1に示す光走査装置のガルバノミラーを示す図である。図6は、図1に示す光走査装置の作動制御部、光走査部および光源ユニットを示すブロック図である。また、図7は、図1に示す光走査装置の動作を説明するための図であり、図7(a)は、側面図、図7(b)は、正面図である。また、図8は、図1に示す光走査装置の作動中のアクチュエーターの可動板の振れ角(振れ角の経時的変化)を示すグラフである。図9は、図1に示す光走査装置の作動中のガルバノミラーのミラーの角度(角度の経時的変化)を示すグラフである。図10は、図1に示す光走査装置の検量線記憶部に記憶されているテーブル(検量線)の構成例を示す図である。図11および図12は、それぞれ、図1に示す光走査装置のアクチュエーターの周波数特性を示すグラフである。図13は、図1に示す光走査装置のアクチュエーターの駆動信号および可動板の角度を示すグラフである。図14は、図1に示す光走査装置のアクチュエーターの駆動信号および可動板の角度を示すグラフであり、図14(a)には、ブレーキ信号が単独の状態で示され、図14(b)には、ブレーキ信号が駆動信号に重畳された状態で示されている。図15は、図1に示す光走査装置の変形例およびその動作を示す図であり、図15(a)は、側面図、図15(b)は、正面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図3、図4、図7、図15中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
これらの図に示す光走査装置(画像形成装置)1は、図1に示すように、例えば、机等の支持台2上に載置して使用される装置である。また、光走査装置1は、その支持台2の表面(光走査装置1が載置されている面)を投影面21とし、その投影面21上に光を走査して画像(映像)を形成(描画)(投影)する装置である。すなわち、支持台2の表面付近がスクリーンとして用いられ、その投影面21には、光走査装置1により光が走査されることで、静止画や動画等の所定の画像が描画される。なお、光走査装置1は、支持台2の投影面21上に載置して使用されるので、その光走査装置1と投影面21上の描画領域142との位置関係は、一定である。
図2に示すように、光走査装置1は、光を出射する光源ユニット(光出射部)4と、投影面21に対して光源ユニット4から出射した光を走査する光走査部5と、光源ユニット4および光走査部5の作動(駆動)を制御する作動制御装置(制御手段)8とを有している。
図2に示すように、光源ユニット4は、各色のレーザー光源41r、41g、41bと、各色のレーザー光源41r、41g、41bに対応して設けられたコリメーターレンズ42r、42g、42bおよびダイクロイックミラー43r、43g、43bとを備えている。
図6に示すように、各色のレーザー光源41r、41g、41bは、それぞれ、駆動回路410r、410g、410bと、赤色の光源420r、緑色の光源420g、青色の光源420bとを有しており、図2に示すように、赤色、緑色および青色のレーザー光RR、GG、BBを射出する。レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、作動制御装置8の後述する光源変調部84から送信される駆動信号に対応して変調された状態で射出され、コリメート光学素子であるコリメーターレンズ42r、42g、42bによって平行化されて細いビームとされる。
ダイクロイックミラー43r、43g、43bは、それぞれ、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有し、各色のレーザー光RR、GG、BBを結合して1つのレーザー光(光)LLを射出する。
なお、コリメーターレンズ42r、42g、42bに代えてコリメーターミラーを用いることができ、この場合も、平行光束の細いビームを形成することができる。また、各色のレーザー光源41r、41g、41bから平行光束が射出される場合、コリメーターレンズ42r、42g、42bは、省略することができる。さらに、レーザー光源41r、41g、41bについては、同様の光束を発生する発光ダイオード等の光源に置換することができる。また、図2の各色のレーザー光源41r、41g、41b、コリメーターレンズ42r、42g、42b、及びダイクロイックミラー43r、43g、43bの順番はあくまで1例であり、各色の組み合わせ(赤色はレーザー光源41r、コリメーターレンズ42r、ダイクロイックミラー43r、緑色はレーザー光源41g、コリメーターレンズ42g、ダイクロイックミラー43g、青色はレーザー光源41b、コリメーターレンズ42b、ダイクロイックミラー43b)を保持したままその順序は自由に設定できる。例えば、光走査部5に近い順に、青色、赤色、緑色という組み合わせも可能である。
次に、光走査部5について説明する。
光走査部5は、光源ユニット4から出射したレーザー光LLを投影面21に対し、水平方向(第1の方向)に走査(水平走査:主走査)すると共に、水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向(第1の方向に直交する第2の方向)に走査(垂直走査:副走査)することで2次元的に走査するものである。この光走査部5は、光源ユニット4から出射したレーザー光LLを投影面21に対し、水平方向に走査する水平走査用ミラーであるアクチュエーター(第1の方向走査部)(走査機構)51と、アクチュエーター51の後述する可動板511a(光反射部511eの反射面)の角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)52と、光源ユニット4から出射したレーザー光LLを投影面21に対し、垂直方向に走査する垂直走査用ミラーであるガルバノミラー(第2の方向走査部)12と、ガルバノミラー12の後述するミラー121(ミラー121の反射面)の角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)13とを有している。
図3に示すように、アクチュエーター51は、いわゆる共振駆動される形態のもの(共振を利用したもの)で、いわゆる1自由度振動系のものであり、基体511と、基体511の下面に対向するよう設けられた対向基板513と、基体511と対向基板513との間に設けられたスペーサー部材512とを有している。
基体511は、可動板511aと、可動板511aを回動可能に支持する支持部511bと、可動板511aと支持部511bとを連結する1対の連結部511c、511dとを有している。
可動板511aは、その平面視にて、略長方形状をなしている。このような可動板511aの上面には、光反射性を有する光反射部(ミラー)511eが設けられている。光反射部511eの表面(上面)は、光を反射する反射面(第1の反射面)を構成している。光反射部511eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成されている。また、可動板511aの下面には、永久磁石514が設けられている。
支持部511bは、可動板511aの平面視にて、可動板511aの外周を囲むように設けられている。すなわち、支持部511bは、枠状をなしていて、その内側に可動板511aが位置している。
連結部511cは、可動板511aの左側にて、可動板511aと支持部511bとを連結し、連結部511dは、可動板511aの右側にて、可動板511aと支持部511bとを連結している。
連結部511c、511dは、それぞれ、長手形状をなしている。また、連結部511c、511dは、それぞれ、弾性変形可能である。このような1対の連結部511c、511dは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下「回動中心軸J」と言う)を中心(回動中心)として、可動板511aが支持部511bに対して回動する。
このような基体511は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板511aと支持部511bと連結部511c、511dとが一体的に形成されている。このように、シリコンを主材料とすることにより、優れた回動特性を実現できるとともに、優れた耐久性を発揮することができる。また、微細な処理(加工)が可能であり、アクチュエーター51の小型化を図ることができる。
スペーサー部材512は、枠状をなしていて、その上面が基体511の下面と接合している。また、スペーサー部材512は、可動板511aの平面視にて、支持部511bの形状とほぼ等しくなっている。このようなスペーサー部材512は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン、SiOなどで構成されている。
なお、スペーサー部材512と基体511との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー部材512の構成材料などによっては陽極接合などを用いてもよい。
対向基板513は、スペーサー部材512と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、SiOなどで構成されている。このような対向基板513の上面であって、可動板511aと対向する部位には、コイル515が設けられている。
永久磁石514は、板棒状をなしていて、可動板511aの下面に沿って設けられている。このような永久磁石514は、可動板511aの平面視にて、回動中心軸(第1の回動中心軸)Jに対して直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石514は、両極(S極、N極)を結んだ線分が、回動中心軸Jに対して直交するよう設けられている。図4に示すように、本実施形態では、回動中心軸Jの左側がN極、右側がS極となっている。
このような永久磁石514としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などを用いることができる。
コイル515は、可動板511aの平面視にて、永久磁石514の外周を囲むように設けられている。
また、アクチュエーター51は、コイル515に電流を供給する(流す)手段、すなわち、コイル515に電流信号である駆動信号を供給する通電手段(駆動回路)516を有している。通電手段516は、供給する駆動信号の電流値(大きさ)や周波数等の各条件を変更(調整)し得るように構成されている。この通電手段516、コイル515および永久磁石514等により、可動板511aを回動させる駆動手段517が構成される。
コイル515には、作動制御装置8の制御により、通電手段516から所定の駆動信号が供給され、所定の電流が流れる。
例えば、作動制御装置8の制御により、通電手段516からコイル515に交番電流を供給すると、コイル515にその交番電流が流れ、可動板511aの厚さ方向(図4中上下方向)の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。すなわち、コイル515の上側付近がS極、下側付近がN極となる状態Aと、コイル515の上側付近がN極、下側付近がS極となる状態Bとが交互に切り換わる。
状態Aでは、図4(a)に示すように、永久磁石514の右側が、コイル515への通電により発生する磁界との反発力により上側へ変位するとともに、永久磁石514の左側が、前記磁界との吸引力により下側へ変位する。これにより、可動板511aが反時計回りに回動して傾斜する。
反対に、状態Bでは、図4(b)に示すように、永久磁石514の右側が下側へ変位するとともに、永久磁石514の左側が上側へ変位する。これにより、可動板511aが時計回りに回動して傾斜する。
このような状態Aと状態Bとを交互に繰り返すことにより、連結部511c、511dを捩り変形させながら、可動板511aが回動中心軸Jまわりに回動(振動)する。この場合、通電手段516により、コイルに515に、後述する所定の大きさおよび所定の周波数の駆動信号を供給することで、可動板511aを共振駆動する(共振させる)。
また、作動制御装置8の制御により、通電手段516からコイル515に供給する駆動信号を変更することにより、可動板511a(光反射部511eの反射面)の回動中心軸Jを中心とする振れ角(振幅)を変更することができる。したがって、通電手段516および作動制御装置8により、可動板511aの回動中心軸Jを中心とする振れ角を変更する振れ角変更手段の主要部が構成される。この振れ角変更手段は、本実施形態では、ガルバノミラー12の後述するミラー121(ミラー121の反射面)の角度に応じて、前記振れ角を変更する。
前記振れ角とは、アクチュエーター51の初期状態(コイル515に駆動信号が供給されていない状態)のときを基準(角度が0°)としたときに、可動板511aが所定方向に回動したときの最大の角度(回動角)(偏角)である。すなわち、振れ角とは、アクチュエーター51の初期状態のときの光反射部511eと、可動板511aが所定方向に最大に回動したときの光反射部511eとのなす角である。
なお、このようなアクチュエーター51の構成としては、可動板511aを回動させることができれば、特に限定されず、例えば、駆動方式については、コイル515と永久磁石514とを用いた電磁駆動に代えて、例えば、圧電素子を用いた圧電駆動や静電引力を用いた静電駆動としてもよい。前記圧電駆動や静電駆動の場合は、駆動信号として、電圧信号を用いる。
図5に示すように、ガルバノミラー12は、表面に光を反射する反射面(第2の反射面)を有し、回動中心軸(第2の回動中心軸)Jaを中心に回動可能に設けられたミラー121と、ミラー121を回動させるモーター(駆動源)122およびモーター122の駆動回路123を有する駆動手段124とを備えている。このガルバノミラー12は、駆動回路123によりモーター122が正転と反転とを交互に繰り返し、これにより、ミラー121が回動中心軸Jaまわりに回動(振動)する。
図2に示すように、アクチュエーター51と、ガルバノミラー12とは、互いの回動中心軸J、Jaが直交するように設けられている。アクチュエーター51と、ガルバノミラー12とをこのように設けることにより、投影面21に対し、光源ユニット4から出射したレーザー光LLを2次元的に(互いに直交する2方向に)走査することができる。これにより、比較的簡単な構成で、投影面21に2次元画像を描画することができる。
光源ユニット4から出射した光は、アクチュエーター51の光反射部511eの反射面で反射し、次いで、ガルバノミラー12のミラー121の反射面で反射し、支持台2の投影面21に投射(照射)される。そして、光反射部511eを回動させると共に(同時に)、その角速度(速度)よりも遅い角速度でミラー121を回動させることにより、光源ユニット4から出射したレーザー光LLは、投影面21に対し、水平方向に走査される共に(同時に)、その水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査される。これにより、光源ユニット4から出射したレーザー光LLは、投影面21に対し、2次元的に走査され、投影面21に画像が描画される。
なお、光源ユニット4から出射した光が、先に、ガルバノミラー12のミラー121の反射面で反射し、次に、アクチュエーター51の光反射部511eの反射面で反射するようになっていてもよい。すなわち、先に、垂直走査がなされ、次に、水平走査がなされるように構成されていてもよい。
次に、アクチュエーター51の可動板511a(光反射部511eの反射面)の角度を検出する角度検出手段52について説明する。
図3に示すように、角度検出手段52は、アクチュエーター51の連結部511c上に設けられた圧電素子521と、圧電素子521から発生する起電力を検出する起電力検出部522と、起電力検出部522の検出結果に基づいて可動板511aの角度(挙動)を求める(検知する)角度検知部(挙動検知部)523とを有している。
圧電素子521は、可動板511aの回動に伴って連結部511cが捩り変形すると、それに伴って変形する。圧電素子521は、外力が付与されていない自然状態から変形すると、その変形量に応じた大きさの起電力を発生する性質を有しているため、角度検知部523は、起電力検出部522で検出された起電力の大きさに基づいて、連結部511cの捩れの程度を求め、さらに、その捩れの程度から可動板511a(光反射部511eの反射面)の角度(回動角)を求める。また、角度検知部523は、可動板511aの回動中心軸Jを中心とする振れ角を求める。この可動板511aの角度および振れ角の情報を含む信号は、角度検知部523から作動制御装置8に送信される。
なお、前記検出する可動板511aの角度は、アクチュエーター51の初期状態(コイル515に駆動信号が供給されていない状態)のときを基準(角度が0°)としたときに、可動板511aが所定方向に回動したときの角度(回動角)(偏角)である。すなわち、検出する可動板511aの角度は、アクチュエーター51の初期状態のときの光反射部511eと、可動板511aが所定方向に回動したときの光反射部511eとのなす角である。
また、前記可動板511aの角度の検出は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、また、間欠的に行ってもよい。また、角度検出手段52としては、可動板511aの角度を検出することができれば、本実施形態のような圧電素子を用いたものに限定されないことは、言うまでもない。
次に、ガルバノミラー12のミラー121(ミラー121の反射面)の角度を検出する角度検出手段13について説明する。
図5に示すように、角度検出手段13は、ガルバノミラー12に設けられたエンコーダー131と、エンコーダー131から送出される信号を受信し、その信号に含まれる情報に基づいてミラー121の角度(挙動)を求める(検知する)角度検知部(挙動検知部)132とを有している。
駆動手段124の作動によりミラー121が回動すると、それに応じて、エンコーダー131から角度検知部132に信号が送信される。角度検知部132は、エンコーダー131から送信される信号に含まれる情報に基づいて、ミラー121の角度(回動角)を求める。このミラー121の角度の情報を含む信号は、角度検知部132から作動制御装置8に送信される。
なお、前記検出するミラー121の角度は、ガルバノミラー12のいずれの状態のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定してもよい。
また、前記ミラー121の角度の検出は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、また、間欠的に行ってもよい。また、角度検出手段13としては、ミラー121の角度を検出することができれば、本実施形態のようなエンコーダーを用いたものに限定されないことは、言うまでもない。
次に、作動制御装置8について説明する。
図6に示すように、作動制御装置8は、画像を描画する際に用いられる映像データ(画像データ)を記憶する映像データ記憶部(映像データ記憶手段)81と、映像データ演算部82と、描画タイミング生成部83と、光源変調部(光変調部)84と、振れ角演算部(振幅演算部)85と、角度指示部86と、検量線を記憶する検量線記憶部(検量線記憶手段)87とを有している。振れ角演算部85は、比較演算部851および駆動信号指示部852を有している。なお、振れ角演算部85は、第2の決定部、判別部および振れ角推定部等を有する変更手段の機能と、第1の決定部を有するブレーキ信号重畳手段の機能とを備えている。すなわち、比較演算部851は、振れ角推定部および判別部の機能を有し、駆動信号指示部852は、第1の決定部および第2の決定部の機能を有している。
ここで、光走査装置1は、垂直方向(第2の方向)の走査(以下、単に「垂直走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行い、その垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて、水平方向(第1の方向)の走査(以下、単に「水平走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行って画像を描画する。そして、光走査装置1は、水平走査を行うに際し、光源ユニット4からレーザー光(光)LLを出射した光出射状態(以下、単に「光出射状態」とも言う)で投影面21上でのレーザー光LLの水平方向の振れ幅(以下、単に「レーザー光(光)LLの振れ幅」とも言う)が、可動板511aの回動中心軸Jを中心とする振れ角(以下、単に「可動板511aの振れ角」とも言う)の変更を行わない場合に比べて(駆動信号の大きさおよび駆動信号の周波数を一定にする場合に比べて)、垂直方向に沿って揃い、かつ、可動板511aが共振するように、可動板511aの振れ角を変更するよう構成されている。特に、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になり、かつ、可動板511aが共振するように、可動板511aの振れ角を変更するよう構成されていることが好ましい。これにより、時間開口率を高くしつつ、画像の台形歪みを防止することができ、また、効率良く駆動することができる。本実施形態では、代表的に、前記振れ幅が垂直方向に沿って一定になり、かつ、可動板511aが共振するようにその可動板511aの振れ角を変更する場合について説明する。
なお、前記振れ幅とは、光出射状態で、可動板511aが所定方向(時計回りまたは反時計回り)に最大角度まで回動したときの投影面21上でのレーザー光LLの位置と、それに続いて可動板511aが前記と逆方向に最大角度まで回動したときの投影面21上でのレーザー光LLの位置との水平方向の距離(間隔)である。すなわち、振れ幅とは、図7に示すように、光出射状態でそのレーザー光LLを投影面21上に2次元的に走査したときの、投影面21上でのレーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)141のそれぞれの水平方向の長さである。
図7に示すように、前記複数の描画ライン141は、ジグザグに配置される。各描画ライン141のうち、左側の端部および右側端部は、それぞれ、ミラー121の角速度(速度)が小さく、描画に適さず、このため、その左側の端部および右側端部を除いて、画像を描画する領域である描画領域142を設定する。なお、描画領域142は、例えば、長方形(正方形を含む)をなすように設定される。
可動板511aの振れ角が一定の場合は、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅は、ミラー121の角度に応じて変化し、レーザー光LLが走査される投影面21上の垂直方向の位置(描画ライン141の垂直方向の位置)が光走査装置1から遠いほど、長くなる。そこで、この光走査装置1では、ミラー121の角度に応じて可動板511aの振れ角を変更する。すなわち、レーザー光LLが走査される投影面21上の垂直方向の位置(描画ライン141の垂直方向の位置)が光走査装置1から遠いほど、可動板511aの振れ角を小さくすることにより、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする。
具体的には、レーザー光LLが走査される投影面21上の垂直方向の位置が光走査装置1に近づく場合(遠から近の垂直走査の場合)は、可動板511aの振れ角を徐々に増大させて、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする。
一方、レーザー光LLが走査される投影面21上の垂直方向の位置が光走査装置1から遠ざかる場合(近から遠の垂直走査の場合)は、可動板511aの振れ角を徐々に減少させて、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする。
そして、前記可動板511aの振れ角の変更においては、振れ角演算部85は、駆動信号の大きさ(振幅)および周波数をそれぞれ互いに異なるタイミングで変更する。すなわち、駆動信号の大きさの変更と駆動信号の周波数の変更とを時間差を付けて行う。これにより、可動板511aを確実に共振させることができ、効率良く駆動することができる。
なお、可動板511aの振れ角を徐々に増大させる場合は、駆動信号の大きさおよび周波数をそれぞれ徐々に増大させ、また、可動板511aの振れ角を徐々に減少させる場合は、駆動信号の大きさおよび周波数をそれぞれ徐々に減少させる。
また、振れ角演算部85は、駆動信号の大きさを先に変更し、駆動信号の周波数を後に変更する第1のモードと、駆動信号の周波数を先に変更し、駆動信号の大きさを後に変更する第2のモードとを有している。
可動板511aの振れ角を徐々に増大させて、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする場合は、振れ角演算部85は、第1のモードで作動し、先に、駆動信号の大きさを変更し、後に、駆動信号の周波数を変更する。その理由は、下記の通りである。
まず、可動板511aの振れ角を増大させる場合は、駆動信号の大きさおよび周波数をそれぞれ増大させる。また、アクチュエーター51の周波数特性は、図11に示す通りであり、アクチュエーター51の駆動周波数が共振周波数f0を超えた付近から、可動板511aの振れ角が急激に減少する。このため、駆動周波数が共振周波数f0付近に設定されて可動板511aが共振しているときに、駆動信号の大きさおよび周波数を同時に増大させるか、または、先に駆動信号の周波数を増大させると、アクチュエーター51の駆動周波数が共振周波数f0よりも大きくなり、可動板511aが共振しなくなるか、または、停止してしまうことがある。しかしながら、この光走査装置1では、先に、駆動信号の大きさを増大させ、後に、駆動信号の周波数を増大させるので、前記の不具合を防止することができ、可動板511aを確実に共振させることができる。
一方、可動板511aの振れ角を徐々に減少させて、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする場合は、振れ角演算部85は、第2のモードで作動し、先に、駆動信号の周波数を変更し、後に、駆動信号の大きさを変更する。その理由は、下記の通りである。
まず、可動板511aの振れ角を減少させる場合は、駆動信号の大きさおよび周波数をそれぞれ減少させる。また、アクチュエーター51の周波数特性は、駆動信号の大きさを減少させると、図12中の実線から破線で示すように変化する。このため、駆動周波数が共振周波数f0付近に設定されて可動板511aが共振しているときに、駆動信号の大きさおよび周波数を同時に減少させるか、または、先に駆動信号の大きさを減少させると、アクチュエーター51の共振周波数がf0からf0’に低下し、アクチュエーター51の駆動周波数が共振周波数f0’よりも大きくなり、可動板511aが共振しなくなるか、または、停止してしまうことがある。しかしながら、この光走査装置1では、先に、駆動信号の周波数を減少させ、後に、駆動信号の大きさを減少させるので、前記の不具合を防止することができ、可動板511aを確実に共振させることができる。
ここで、駆動信号の大きさの変更と周波数の変更との時間差(時間間隔)は、駆動信号の周期の0.5%以上であることが好ましく、0.5%以上、100%以下であることがより好ましく、1%以上、80%以下であることがさらに好ましい。具体的には、時間差の大きさは、0.1μ秒以上であることが好ましく、0.1μ秒以上、150μ秒以下であることがより好ましく、0.3μ秒以上、100μ秒以下であることがさらに好ましい。
時間差が前記下限値よりも小さいと、他の条件によっては、可動板511aが共振しなくなるか、または、停止してしまうことがある。また、時間差が前記上限値よりも大きいと、画像の台形歪みを防止する効果が低減してしまうことがある。
また、この光走査装置1では、振れ角演算部85は、可動板511aの振れ角を徐々に減少させて、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする場合は、可動板511aの共振を維持しつつ、可動板511aの振れ角の減少を促進させる信号処理を駆動信号に対して行うよう構成されている。すなわち、振れ角演算部85は、可動板511aの振れ角を徐々に減少させる場合に、可動板511aが共振した状態で、その振れ角を目標値に収束させる(振れ角を減少させる)ブレーキ信号を駆動信号に重畳させる。これにより、慣性の影響で、可動板511aの振れ角が目標値を超えてしまうことを防止することができる。すなわち、可動板511aの振れ角を確実に目標値にすることができ、これにより、画像の台形歪みを確実に防止することができる。
図14に示すように、ブレーキ信号71は、そのブレーキ信号71が重畳されない状態の駆動信号に対して逆位相のパルス信号である。このパルス信号の形状、大きさ、幅(時間)等の各条件を適正に設定することにより、可動板511aの振れ角を確実に目標値にすることができる。
ブレーキ信号71の形状は、本実施形態では、図14(a)に示すように、矩形波の先端側を尖らせた形状をなしているが、この形状に限定されるものではなく、この他、例えば、矩形状等であってもよい。
ここで、駆動信号へのブレーキ信号71の重畳を開始するタイミング、すなわち、駆動信号へのパルス信号の1パルスの重畳を開始するタイミングは、光走査部5により走査されるレーザー光LLが、描画領域142内からその描画領域142の水平方向の端部に到達したとき、または、描画領域142の水平方向の端部に到達した後とすることが好ましい。本実施形態では、前記のタイミングは、図14に示すように、レーザー光LLが、描画領域142内からその描画領域142の水平方向の端部に到達したときに設定されている。
また、駆動信号へのブレーキ信号71の重畳を終了するタイミング、すなわち、駆動信号へのパルス信号の1パルスの重畳を終了するタイミングは、可動板511aが最大に回動するまでの間であることが好ましい。本実施形態では、前記のタイミングは、図14に示すように、可動板511aが最大に回動したときに設定されている。
第1の記憶手段および第2の記憶手段である検量線記憶部87には、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になり光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が駆動信号の大きさおよび駆動信号の周波数を一定にする場合に比べて垂直方向に沿って揃い)、かつ、可動板511aが共振する条件を満たす、投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の位置(描画ライン141の垂直方向の位置)と、アクチュエーター51の駆動信号の大きさ、その駆動信号の周波数および可動板511aの振れ角の目標値(目標振れ角)との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線が記憶(格納)される。また、この検量線には、前記ブレーキ信号に関するものも含まれており、そのブレーキ信号は、前述したように、駆動信号に重畳したとき、可動板511aの振れ角が目標値になり、かつ、可動板511aが共振を継続するように構成されている。すなわち、検量線記憶部87には、前記投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の位置に対応する駆動信号の大きさ、駆動信号の周波数および可動板511aの振れ角の目標値等のデータを含む駆動信号用データと、前記ブレーキ信号の大きさ等のデータを含むブレーキ信号用データとが記憶される。
画像を描画する際は、その検量線を用い、投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の位置に対応する駆動信号の大きさ、駆動信号の周波数、ブレーキ信号のデータおよび可動板511aの振れ角の目標値をそれぞれ取得する。前記検量線は、計算や実験的に求めることができ、予め、検量線記憶部87に記憶される。なお、光走査装置1は、支持台2の投影面21上に載置して使用され、その光走査装置1と投影面21上の描画領域142との位置関係は一定であるので、1パターンの検量線を作成し、記憶すればよい。
なお、図10には、前記検量線の構成例として、駆動信号用データについてのテーブルが示されている。このテーブルは、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になり、かつ、可動板511aが共振する条件を満たす、投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の位置と、アクチュエーター51の駆動信号の大きさ、その駆動信号の周波数および可動板511aの振れ角の目標値との関係を示すものである。
すなわち、図10に示すテーブルには、前記条件を満たすように、投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の各位置に応じて、それぞれ、可動板511aの振れ角の目標値、駆動信号の周波数および駆動信号の大きさが規定されている。
例えば、前記垂直方向の所定の位置では、可動板511aの振れ角の目標値が「10°」、駆動信号の周波数が「8000Hz」、駆動信号の大きさが「20mA」と規定されている。
また、前記垂直方向の別の所定の位置では、可動板511aの振れ角の目標値が「10.1°」、駆動信号の周波数が「8001Hz」、駆動信号の大きさが「20.3mA」と規定されている。
さらに、前記垂直方向の別の所定の位置では、可動板511aの振れ角の目標値が「10.2°」、駆動信号の周波数が「8002Hz」、駆動信号の大きさが「20.4mA」と規定されている。
ここで、駆動信号の大きさと駆動信号の周波数との一方(先に変更する方)を変更するタイミングと、その一方を変更した後、他方(後に変更する方)を変更するタイミングは、それぞれ、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定することができる。
本実施形態では、前記一方を変更するタイミングは、可動板511aが所定方向に最大に回動したときとされる。
また、前記他方を変更するタイミングは、角度検出手段52の検出結果と、駆動信号の周波数とに基づいて決定される。すなわち、角度検出手段52の検出結果と、駆動信号の周波数とに基づいて、可動板511aの振れ角を推定し、その振れ角の推定値と振れ角の目標値とが一致したときが、前記他方を変更するタイミングである。なお、振れ角の推定値と振れ角の目標値とが一致しない場合は、前記他方の変更は行わない。前記可動板511aの振れ角の推定と、その振れ角の推定値と振れ角の目標値とが一致するか否かの判別は、それぞれ、振れ角演算部85の比較演算部851により行われる。
なお、前記振れ角の推定に用いる駆動信号の周波数(周期)は、先に駆動信号の周波数を変更する場合は、その変更後の周波数であり、後に駆動信号の周波数を変更する場合は、その変更予定の周波数である。
また、駆動信号の変更は、1ライン毎に行ってもよく、複数ライン毎に行ってもよいが、以下では、代表的に、2ライン毎(駆動信号の1周期毎)に行う場合について説明する。
すなわち、可動板511aの振れ角の目標値をθ、駆動信号の大きさと周波数との一方(先に変更する方)を変更したときから計測したときの時間tにおいて角度検出手段52により検出された角度をθ(t)、時間tにおいて角度検出手段52により検出された角度とその1つ前に角度検出手段52により検出された角度との差をΔθ(t)、駆動信号の周波数をf、駆動信号の周期をTとしたとき、下記式1または式2を満たしたときが、駆動信号の大きさと周波数との他方(後に変更する方)を変更するタイミングである。なお、前述したように、fおよびTは、それぞれ、先に駆動信号の周波数を変更する場合は、その変更後の周波数および周期であり、後に駆動信号の周波数を変更する場合は、その変更予定の周波数および周期である。
θ−{|Δθ(t)|/2πf・|cos(2πft)|}=0
(但し、0≦t<T/8、3T/8≦t<5T/8、7T/8≦t<T)・・・(式1)
θ−{θ(t)/|sin(2πft)|}=0
(但し、T/8≦t<3T/8、5T/8≦t<7T/8)・・・(式2)
上記式1における「|Δθ(t)|/2πf・|cos(2πft)|」の値、上記式2における「θ(t)/|sin(2πft)|」の値は、それぞれ、前記他方の変更後における可動板511aの振れ角の推定値であり、式1または式2を満たすということは、その振れ角の推定値と、振れ角の目標値とが一致することと同義である。すなわち、式1または式2を満たした場合は、前記他方の変更後において、可動板511aの振れ角がその目標値と等しくなることを意味する。
以下、図13および図14に基づいて、具体例を説明する。
まず、可動板511aの振れ角を徐々に増大させて、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする場合は、第1のモードで作動し、先に、駆動信号の大きさ(振幅)を変更し、後に、駆動信号の周波数を変更する。すなわち、図13に示すように、まず、可動板511aの角度が所定方向に最大になると、電流信号(駆動信号)の振幅(電流値)をI1からI2に変更する。なお、可動板511aの角度が、前記と反対方向に最大になったときに、電流信号の振幅を変更するように構成してもよい。
次に、電流信号の振幅をI1からI2に変更した時点から、随時、角度検出手段52により角度検出を行い、式1または式2を満たすか否かを判断し、式1または式2を満たすと、電流信号の周波数を変更する。また、式1および式2のいずれも満たさない場合は、周波数については、現状の値を維持する。
次に、同様にして、可動板511aの角度が所定方向に最大になると、電流信号の振幅をI2からI3に変更する。そして、その後、随時、角度検出手段52により角度検出を行い、式1または式2を満たすか否かを判断し、式1または式2を満たすと、周波数を変更する。
次も、同様にして、可動板511aの角度が所定方向に最大になると、電流信号の振幅をI3からI4に変更する。そして、その後、随時、角度検出手段52により角度検出を行い、式1または式2を満たすか否かを判断し、式1または式2を満たすと、周波数を変更する。以降、同様であるので、説明は省略する。
また、可動板511aの振れ角を徐々に減少させて、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする場合は、第2のモードで作動し、先に、駆動信号の周波数を変更し、後に、駆動信号の大きさ(振幅)を変更する。また、駆動信号にブレーキ信号を重畳させる。
すなわち、図14に示すように、まず、可動板511aの角度が、レーザー光LLが描画領域の水平方向の一方の端部に到達したときに相当する角度になると、電流信号(駆動信号)にブレーキ信号71を重畳する。すなわち、電流信号の位相や電流値を変更する。これにより、可動板511aが制動され、その振れ角の減少が促進し、振れ角が目標値に収束する。なお、可動板511aの角度が、レーザー光LLが描画領域の水平方向の他方の端部に到達したときに相当する角度になったときに、電流信号にブレーキ信号71を重畳するように構成してもよい。
次に、可動板511aの角度が所定方向に最大になると、ブレーキ信号71の重畳を終了するとともに、電流信号の周波数をf1からf2に変更する。なお、可動板511aの角度が、前記と反対方向に最大になったときに、電流信号の周波数を変更するように構成してもよい。
次に、電流信号の周波数をf1からf2に変更した時点から、随時、角度検出手段52により角度検出を行い、式1または式2を満たすか否かを判断し、式1または式2を満たすと、電流信号の振幅(電流値)を変更する。また、式1および式2のいずれも満たさない場合は、振幅については、現状の値を維持する。
次に、同様にして、可動板511aの角度が、レーザー光LLが描画領域の水平方向の一方の端部に到達したときに相当する角度になると、電流信号にブレーキ信号71を重畳する。次いで、可動板511aの角度が所定方向に最大になると、ブレーキ信号71の重畳を終了するとともに、電流信号の周波数をf2からf3に変更する。そして、その後、随時、角度検出手段52により角度検出を行い、式1または式2を満たすか否かを判断し、式1または式2を満たすと、電流信号の振幅を変更する。
次も、同様にして、可動板511aの角度が、レーザー光LLが描画領域の水平方向の一方の端部に到達したときに相当する角度になると、電流信号にブレーキ信号71を重畳する。次いで、可動板511aの角度が所定方向に最大になると、ブレーキ信号71の重畳を終了するとともに、電流信号の周波数をf3からf4に変更する。そして、その後、随時、角度検出手段52により角度検出を行い、式1または式2を満たすか否かを判断し、式1または式2を満たすと、電流信号の振幅を変更する。以降、同様であるので、説明は省略する。
また、この光走査装置1では、描画領域142において、上側から奇数番目の各描画ライン141について、隣り合う描画ライン141同士の垂直方向の間隔が一定になり、同様に、上側から偶数番目の各描画ライン141について、隣り合う描画ライン141同士の垂直方向の間隔が一定になるように、ミラー121の角度や角速度を調整するのが好ましい。これにより、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
本実施形態では、例えば、各描画ライン141の描画開始の際における描画領域142の左側の端部および右側の端部において、それぞれ、隣り合う描画ライン141の垂直方向の間隔が一定になるようにミラー121の角度を調整し、ミラー121の角速度を所定の値に設定する。すなわち、各描画ライン141について、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるようにミラー121の角度を調整し、ミラー121の角速度は、各描画ライン141毎に一定の値に設定する。なお、描画ライン141の垂直方向の位置が光走査装置1から遠いほど、ミラー121の角速度は、小さく設定される。これにより、比較的簡単な制御で、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
次に、投影面21上に画像を描画する際の光走査装置1の動作(作用)について説明する。
まず、光走査装置1に映像データが入力される。入力された映像データは、映像データ記憶部81に一時的に記憶され、その映像データ記憶部81から読み出され、その映像データを用いて画像の描画が行われる。この場合、映像データのすべてが映像データ記憶部81に記憶された後に、画像の描画を開始してもよく、また、映像データの一部が映像データ記憶部81に記憶された後に、画像の描画を開始し、その画像の描画と並行して続きの映像データを映像データ記憶部81に記憶するようにしてもよい。
映像データの一部が映像データ記憶部81に記憶された後に画像の描画を開始する場合は、初めに、少なくとも1フレーム分、好ましくは、2フレーム分以上、全フレーム以下(例えば、2フレーム分)の映像データを映像データ記憶部81に記憶し、その後に画像の描画を開始する。その理由は、この光走査装置1では、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて水平走査を行って画像を描画(以下、単に「垂直方向で往復描画」とも言う)し、後述するように、垂直走査の往路において画像を描画する際と、垂直走査の復路において画像を描画する際とで、映像データ記憶部81からの映像データの読み出し順序を逆にするので、垂直走査の復路において画像の描画を開始する際、映像データを反対側から読み出すためには、少なくともその復路における画像の描画に用いる1フレーム分の映像データが映像データ記憶部81に記憶されている必要があるためである。
描画タイミング生成部83では、描画タイミング情報および描画ライン情報がそれぞれ生成される。描画タイミング情報は、映像データ演算部82に送出され、描画ライン情報は、振れ角演算部85に送出される。
描画タイミング情報には、描画を行うタイミングの情報等が含まれる。また、描画ライン情報には、描画を行う描画ライン141の垂直方向の位置(ミラー121の角度)の情報等が含まれる。なお、描画ライン141のいずれの部位の位置を前記描画ライン141の垂直方向の位置として設定してもよいが、例えば、左側の先端、右側の先端、中央等が挙げられる。
映像データ演算部82は、描画タイミング生成部83から入力された描画タイミング情報に基づいて、映像データ記憶部81から描画する画素に対応する映像データを読み出し、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部84に送出する。
光源変調部84は、映像データ演算部82から入力された各色の輝度データに基づいて、各駆動回路410r、410g、410bを介して各光源420r、420g、420bの変調を行う。すなわち、各光源420r、420g、420bのオン/オフや、出力の調整(増減)等を行う。
アクチュエーター51側の角度検出手段52は、その可動板511aの角度および振れ角を検出し、その角度および振れ角の情報(可動板511aの角度情報)を作動制御装置8の描画タイミング生成部83および振れ角演算部85に送出する。また、ガルバノミラー12側の角度検出手段13は、そのミラー121の角度を検出し、その角度の情報(ミラー121の角度情報)を作動制御装置8の角度指示部86に送出する。
描画タイミング生成部83は、現在の描画ライン141の描画が終了すると、それに同期して、角度指示部86に、次に描画を行う描画ライン141の描画開始点にレーザー光LLが照射されるときのミラー121の目標角度を示す目標角度情報(角度指示)を送出する。そのミラー121の目標角度は、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように設定される。角度指示部86は、角度検出手段13で検出されたミラー121の角度と、前記ミラー121の目標角度とを比較して、その差が0になるような補正を行い、ガルバノミラー12の駆動手段124に駆動データを送出する。
駆動手段124は、前記駆動データに基づいて、モーター122を駆動する。これにより、描画開始点にレーザー光LLが照射されたとき、ミラー121の角度は、前記目標角度になる。
なお、本実施形態では、各描画ライン141において、描画開始点から描画終了点まで、ミラー121の角速度を一定とし、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を一定としてもよく、また、ミラー121の角速度を徐々に変化させ、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を徐々に変化さてもよい。
また、描画タイミング生成部83は、振れ角演算部85に、描画ライン情報、すなわち、次に描画を行う描画ライン141の垂直方向の位置の情報を送出する。
振れ角演算部85では、検量線記憶部87から読み出された検量線を用い、描画タイミング生成部83から入力された次に描画を行う描画ライン141の垂直方向の位置の情報に基づいて、次に描画を行う描画ライン141における可動板511aの振れ角の目標値と、アクチュエーター51の駆動信号の大きさと、その駆動信号の周波数とを取得する。そして、振れ角演算部85の駆動信号指示部852は、アクチュエーター51の駆動手段517に駆動データ(駆動信号の大きさおよび周波数、ブレーキ信号を示すデータ)を送出する。
駆動手段517は、前記駆動データに基づいて、コイル515に、対応する駆動信号を供給し、所定大きさおよび所定の周波数の電流を流し、所定の磁界を発生させ、可動板511aを共振させる。
ここで、前述したように、駆動信号の大きさおよび周波数をそれぞれ互いに異なるタイミングで変更するが、ここでは、代表的に、第2のモード、すなわち、先に、駆動信号の周波数を変更し、後に、駆動信号の大きさを変更する場合について説明する。
振れ角演算部85は、まず、可動板511aの角度が、レーザー光LLが描画領域の水平方向の一方の端部に到達したときに相当する角度になると、駆動信号へのブレーキ信号の重畳を開始する(駆動信号にブレーキ信号を重畳する)。すなわち、駆動信号指示部852は、検量線記憶部87に記憶されているブレーキ信号用データのテーブルから、対応するブレーキ信号のデータを読み出し、駆動信号に重畳するブレーキ信号の大きさおよび幅をその読み出したブレーキ信号の大きさおよび幅に決定する。そして、駆動信号指示部852は、駆動手段517に前記読み出したブレーキ信号の大きさおよび幅を示す駆動データを送出する。駆動手段517は、その駆動データに基づいて、コイル515に供給する駆動信号にブレーキ信号を重畳する。なお、本実施形態では、駆動信号へのブレーキ信号の重畳を終了するタイミングは、可動板511aが最大に回動したときに設定されており、駆動信号指示部852は、可動板511aが所定方向に最大に回動したとき、駆動信号へのブレーキ信号の重畳を終了する。
また、振れ角演算部85は、前記可動板511aが所定方向に最大に回動したとき、前記駆動信号へのブレーキ信号の重畳を終了すると同時に、駆動信号の周波数を変更する。すなわち、駆動信号指示部852は、検量線記憶部87に記憶されている駆動信号用データのテーブルから、次に描画を行う描画ライン141の垂直方向の位置の情報に基づいて、対応する駆動信号の周波数を読み出し、変更する駆動信号の周波数をその読み出した駆動信号の周波数に決定する。そして、駆動信号指示部852は、駆動手段517に前記読み出した駆動信号の周波数を示す駆動データを送出する。駆動手段517は、その駆動データに基づいて、コイル515に供給する駆動信号の周波数を変更する。
また、比較演算部851では、駆動信号の周波数を変更した時点から、随時、角度検出手段52で検出された角度に基づいて、式1または式2を満たすか否かを判断する。そして、式1または式2を満たすと、振れ角演算部85は、駆動信号の大きさを変更する。すなわち、駆動信号指示部852は、検量線記憶部87に記憶されている駆動信号用データのテーブルから、前記描画ライン141の垂直方向の位置の情報に基づいて、対応する駆動信号の大きさを読み出し、変更する駆動信号の大きさをその読み出した駆動信号の大きさに決定する。そして、駆動信号指示部852は、駆動手段517に前記読み出した駆動信号の大きさを示す駆動データを送出する。駆動手段517は、その駆動データに基づいて、コイル515に供給する駆動信号の大きさを変更する。
以降も同様にして、振れ角演算部85は、可動板511aの角度がレーザー光LLが描画領域の水平方向の前記と同一方向の端部に到達したときに相当する角度になったときから可動板511aが前記と同一方向に最大に回動するまでの間、駆動信号にブレーキ信号を重畳し、可動板511aが前記と同一方向に最大に回動したとき、駆動信号の周波数を変更し、その後、式1または式2を満たすと、駆動信号の大きさを変更する。
なお、第1のモード、すなわち、先に、駆動信号の大きさを変更し、後に、駆動信号の周波数を変更する場合については、駆動信号にブレーキ信号を重畳せず、また、周波数を変更する順番と大きさを変更する順番が前記と逆になるだけであるので、その説明は省略する。
このようにして、可動板511aの振れ角が目標振れ角になり、かつ可動板511aが共振するように、その可動板511aの振れ角を変更しつつ、描画領域142の各描画ライン141上に、順次、レーザー光LLを走査し、画像を描画してゆく。
また、描画タイミング生成部83では、描画を行うフレームが、奇数フレーム(奇数番目のフレーム)と偶数フレーム(偶数番目のフレーム)とのいずれであるかの管理を行い、それにより、ミラー121の回動方向(移動方向)と、映像データ記憶部81からの映像データの読み出し順序を決定している。すなわち、奇数フレーム(垂直方向の走査の往路)において画像を描画する際と、偶数フレーム(垂直方向の走査の復路)において画像を描画する際とで、映像データの読み出し順序を逆にする。
また、奇数フレームと偶数フレームとで、投影面21の同じライン上にレーザー光LLを走査する。すなわち、奇数フレームの各描画ライン141と偶数フレームの各描画ライン141とが一致するように、レーザー光LLを走査する。
具体的には、例えば、図7に示すように、1番目のフレーム(奇数番目のフレーム)については、左上から描画を開始し、ジグザグに右下まで描画し、2番目のフレーム(偶数番目のフレーム)については、ミラー121の回動方向を前記と逆にし、前記と逆に右下から左上まで描画を行う。以降、同様にして、奇数番目のフレームについては、左上から右下まで描画し、偶数番目のフレームについては、右下から左上まで描画を行う。
なお、本実施形態では、垂直方向の走査の往路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の復路を偶数フレームとしているが、これに限らず、垂直方向の走査の復路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の往路を偶数フレームとしてもよい。
また、本実施形態では、1番目のフレームについて描画を開始する位置は、左上であるが、これに限らず、例えば、右上、左下、右下等であってもよい。
また、奇数フレームと偶数フレームとで、投影面21の異なるライン上にレーザー光LLを走査してもよい。
ここで、前記画像の描画の際の可動板511aの振れ角の経時的変化およびミラー121の角度の経時的変化は、下記の通りである。
水平走査では、図8に示すように、可動板511aの振れ角は、最小振れ角から徐々に増大し、最大振れ角に到達した後、徐々に減少し、最小振れ角に到達した後、再び、徐々に増大し、以降、同様に、前記動作を繰り返す。
このように、この光走査装置1では、可動板511aの振れ角が急激に変化しないので、容易かつ確実に、共振を利用して動作させる形態のアクチュエーター51の可動板511aの振れ角を変更することができる。
また、垂直走査では、図9に示すように、奇数フレーム(垂直方向の走査の往路)において画像の描画を行う表示期間(描画期間)と、偶数フレーム(垂直方向の走査の復路)において画像の描画を行う表示期間との間に、画像の描画を行わない非表示期間(非描画期間)が設けられている。この表示期間において、次のフレームの描画を開始するタイミング等の各タイミングを調整することができる。
そして、垂直方向の走査の往路および復路、すなわち、ミラー121を所定方向に回動させる際と、前記と逆方向に回動させる際との両方で、画像の描画を行うので、従来のような垂直帰線期間が不要になり、前記非表示期間を短くすることができる。これにより、時間開口率(画像の描画を行う期間の割合)を高くすることができる。
すなわち、1フレーム中の垂直方向の非表示期間を往復描画することで短くすることができ、これにより、垂直時間開口率が高くなり、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と可動板511aの角速度(速度)が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、単位時間当たりのフレーム数(コマ数)を多くすることができ、これによって、動画における早い動きにも容易に対応することができる。逆に言えば、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と単位時間当たりのフレーム数が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、可動板511aの角速度を小さくすることができ、これによって、安定的に画像を描画することができる。また、上記の場合で、可動板511aの角速度を変化させない時には、より垂直解像度の高い描画が可能となる。
以上説明したように、この光走査装置1によれば、時間開口率を高くしつつ、可動板511aの振れ角を急激に変化させることなく、画像の台形歪みを防止することができ、また、効率良く駆動することができる。
特に、可動板511aの振れ角を徐々に減少させる場合は、駆動信号にブレーキ信号を重畳させるので、その振れ角を確実に目標値にすることができ、これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
次に、図15に基づいて、変形例を説明する。
図15に示す光走査装置1では、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅は、垂直方向に沿って一定になっていないが、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が、可動板511aの振れ角の変更を行わない場合に比べて(駆動信号の大きさおよび駆動信号の周波数を一定にする場合に比べて)、垂直方向に沿って揃い、かつ、可動板511aが共振するように、可動板511aの振れ角を変更するよう構成されている。これにより、画像を描画することが可能な描画可能領域143の上側の幅が減少し、描画可能領域143の形状は、長方形(正方形を含む)に近づき、非描画領域を小さくすることができる。
この光走査装置1では、投影面21上、すなわち、描画可能領域143内に長方形の描画領域142を設定し、光源ユニット4から出射したレーザー光LLがその描画領域142内に投射(照射)されるように光源ユニット4の駆動を制御する。これにより、画像の台形歪みを防止することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の光走査装置の第2実施形態について説明する。
図16および図17は、それぞれ、本発明の第2実施形態に係る光走査装置のエラー処理の際の制御動作を示すフローチャートである。
以下、第2実施形態の光走査装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、例えば、ブレーキ信号等、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の光走査装置1では、前記式1および前記式2のいずれも満たさない場合、すなわち、可動板511aの振れ角の推定値と、振れ角の目標値とが一致ない場合、エラー処理を行うよう構成されている。なお、振れ角演算部85は、第2の決定部、判別部、振れ角推定部および補正部等を有する変更手段の機能と、第1の決定部を有するブレーキ信号重畳手段の機能とを備えている。
まずは、駆動信号の大きさを先に変更し、駆動信号の周波数を後に変更する第1のモードで作動する場合のエラー処理について説明する。
なお、可動板511aの現在の振れ角の目標値が「θ」であり、電流信号(駆動信号)の現在の振幅である電流値が「I(θ)」に設定されていることを前提とする。また、水平方向の2ライン分の描画が終了するまでは、前述したように、前記式1または前記式2を満たすか否が判断され、満たした場合のみ、電流信号の周波数が変更される。
図16に示すように、まず、振れ角演算部85は、水平方向の2ライン分の描画が終了すると(ステップS101)、今回の電流信号の変更において、前記式1または前記式2を満たして、電流信号の周波数が変更されたか否かを判断する(ステップS102)。
電流信号の周波数が変更されている場合は、次に電流値を変更する際、電流信号の次に設定する予定の振幅である電流値I(θn+1)を、検量線記憶部87に記憶されている、例えば、テーブルから取得する(ステップS103)。そして、電流値をその設定予定の電流値I(θn+1)に変更(設定)する(ステップS104)。すなわち、電流値I(θn+1)の補正は行わない。
一方、電流信号の周波数が変更されていない場合は、エラー処理を実行する。すなわち、エラー処理では、まず、可動板511aの現在の振れ角の目標値θと、現在の振れ角の推定値との差分θdを求める(ステップS105)。そして、その差分θdに対応する電流信号の振幅(振幅の増加分)である差分電流値Idを求め(ステップS106)、その差分電流値Idを用いて、前記次の設定予定の電流値I(θn+1)を補正する。すなわち、差分電流値Idを電流値I(θn+1)に加算する。
差分電流値Idは、電流信号の現在の電流値I(θ)と、電流信号の1つ前の振幅である電流値I(θn−1)とに基づいて、線形補間して求める。具体的には、電流信号の現在の電流値I(θ)と、1つ前の電流値I(θn−1)と、現在の振れ角の目標値θと、1つ前の振れ角の目標値θn−1とを下記式3に代入して、差分電流値Idを求める。
Id=θd・{I(θ)−I(θn−1)}/(θ−θn−1)・・・(式3)
次に電流値を変更する際は、得られた差分電流値Idを設定予定の電流値I(θn+1)に加算し、電流値をその加算値(補正後の値)「I(θn+1)+Id」に変更(設定)する(ステップS107)。これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
なお、前記I(θn+1)の他、前記θn−1、θ、θn+1、I(θn−1)、I(θ)も、それぞれ、検量線記憶部87に記憶されている、例えば、テーブルから取得することができる。
次に、駆動信号の周波数を先に変更し、駆動信号の大きさを後に変更する第2のモードで作動する場合のエラー処理について説明する。
なお、可動板511aの現在の振れ角の目標値が「θ」であり、電流信号(駆動信号)の現在の周波数が「f(θ)」に設定されていることを前提とする。また、水平方向の2ライン分の描画が終了するまでは、前述したように、前記式1または前記式2を満たすか否が判断され、満たした場合のみ、電流信号の振幅である電流値が変更される。
図17に示すように、まず、光走査装置1の振れ角演算部85は、水平方向の2ライン分の描画が終了すると(ステップS201)、今回の電流信号の変更において、前記式1または前記式2を満たして、電流信号の電流値が変更されたか否かを判断する(ステップS202)。
電流信号の電流値が変更されている場合は、次に周波数を変更する際、電流信号の次に設定する予定の周波数f(θn+1)を、検量線記憶部87に記憶されている、例えば、テーブルから取得する(ステップS203)。そして、周波数をその設定予定の周波数f(θn+1)に変更(設定)する(ステップS204)。すなわち、周波数f(θn+1)の補正は行わない。
一方、電流信号の電流値が変更されていない場合は、エラー処理を実行する。すなわち、エラー処理では、まず、可動板511aの現在の振れ角の目標値θと、現在の振れ角の推定値との差分θdを求める(ステップS205)。そして、その差分θdに対応する電流信号の周波数(周波数の増加分)である差分周波数fdを求め(ステップS206)、その差分周波数fdを用いて、前記次の設定予定の周波数f(θn+1)を補正する。すなわち、差分周波数fdを周波数f(θn+1)に加算する。
差分周波数fdは、電流信号の現在の周波数f(θ)と、電流信号の1つ前の周波数f(θn−1)とに基づいて、線形補間して求める。具体的には、電流信号の現在の周波数f(θ)と、1つ前の周波数f(θn−1)と、現在の振れ角の目標値θと、1つ前の振れ角の目標値θn−1とを下記式4に代入して、差分周波数fdを求める。
fd=θd・{f(θ)−f(θn−1)}/(θ−θn−1)・・・(式4)
次に周波数を変更する際は、得られた差分周波数fdを設定予定の周波数f(θn+1)に加算し、周波数をその加算値(補正後の値)「f(θn+1)+fd」に変更(設定)する(ステップS207)。これにより、画像の台形歪みをより確実に防止することができる。
なお、前記f(θn+1)の他、前記θn−1、θ、θn+1、f(θn−1)、f(θ)も、それぞれ、検量線記憶部87に記憶されている、例えば、テーブルから取得することができる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、この第2実施形態は、後述する第3〜第5実施形態にも適用することができる。
なお、本実施形態では、現在の振れ角の目標値θとの差分θdを求める際、現在の振れ角の推定値を用いたが、本発明では、これに限らず、例えば、角度検出手段52により検出された振れ角の検出値(測定値)を用いてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の光走査装置の第3実施形態について説明する。
図18は、本発明の第3実施形態に係る光走査装置のブロック図、図19は、本発明の第3実施形態に係る光走査装置のアクチュエーターを示す模式的斜視図である。
以下、第3実施形態の光走査装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、例えば、ブレーキ信号等、同様の事項については、その説明を省略する。
図18および図19に示すように、第3実施形態の光走査装置1は、アクチュエーター51の温度を検出する温度検出手段61を有している。アクチュエーター51の共振周波数は、温度に応じて変化するので、光走査装置1では、温度検出手段61の検出結果と、レーザー光LLが走査される投影面21上の垂直方向の位置(描画ライン141の垂直方向の位置)とに基づいて、駆動信号の大きさおよび周波数をそれぞれ変更するよう構成されている。これにより、可動板511aを確実に共振させることができる。
温度検出手段61は、温度センサー611および温度検知部612を有している。温度センサー611は、アクチュエーター51の温度として、アクチュエーター51の共振周波数への影響が大きい部位である連結部511dの温度を検出するものであり、その連結部511d上に設けられている。この温度センサー611としては、例えば、サーミスタや、半導体抵抗を利用したもの等を用いることができる。
温度検知部612は、温度センサー611から出力される電圧を検出し、その検出値に基き、アクチュエーター51の温度を求める(検知する)。この検出された温度の情報を含む信号は、温度検知部612から作動制御装置8の振れ角演算部85に送信される。
また、検量線記憶部87には、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になり、かつ、可動板511aが共振する条件を満たす、投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の位置(描画ライン141の垂直方向の位置)および温度検出手段61により検出された温度と、アクチュエーター51の駆動信号の大きさ、その駆動信号の周波数および可動板511aの振れ角の目標値(目標振れ角)との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線が記憶されている。すなわち、検量線記憶部87には、温度毎に、駆動信号用データが記憶されている。換言すれば、第1実施形態で説明したテーブルが、温度毎に設けられている。画像を描画する際は、その検量線を用い、投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の位置および温度検出手段61により検出された温度に対応する駆動信号の大きさ、駆動信号の周波数および可動板511aの振れ角の目標値をそれぞれ取得し、前述したように、駆動信号の大きさおよび周波数の変更が行われる。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、この第3実施形態は、前記第2実施形態、後述する第5実施形態にも適用することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の光走査装置の第4実施形態について説明する。
図20は、本発明の第4実施形態に係る光走査装置のブロック図である。
以下、第4実施形態の光走査装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、例えば、ブレーキ信号等、同様の事項については、その説明を省略する。
図20に示すように、第4実施形態の光走査装置1は、アクチュエーター51の温度を検出する温度検出手段61と、温度制御部62と、ヒーターコントロール部63と、アクチュエーター51を加熱するヒーター(加熱手段)64とを有している。アクチュエーター51の共振周波数は、温度に応じて変化するので、温度制御部62、ヒーターコントロール部63およびヒーター64は、温度検出手段61の検出結果に基づいて、アクチュエーター51の温度を目標温度に調整する。したがって、温度制御部62、ヒーターコントロール部63およびヒーター64により、温度調整手段が構成される。なお、温度検出手段61については、前述した第3実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
ヒーター64は、アクチュエーター51の連結部511c、511dの近傍に設けられており、主に、連結部511c、511dを加熱する。このヒーター64としては、例えば、電熱線等を用いることができ、ヒーターコントロール部63からヒーター64に電圧を印加することで加熱するようになっている。
温度検出手段61により検出された温度の情報を含む信号は、温度制御部62に送信される。温度制御部62は、検出温度が目標温度になるように、ヒーターコントロール部63を介して、ヒーター64の作動(駆動)を制御する。
すなわち、温度制御部62は、検出温度と目標温度とを比較し、検出温度と目標温度とを差分を求め、検出温度が目標温度よりも低い場合は、その差分に対応する分だけ、ヒーター64の出力を増大させ、アクチュエーター51の温度を増大させる。また、温度制御部62は、検出温度が目標温度よりも高い場合は、ヒーター64を停止させ、アクチュエーター51の温度を低下させる。この制御が繰り返し行われ、アクチュエーター51の温度、特に、アクチュエーター51の共振周波数への影響が大きい部位である連結部511c、511dの温度は、目標温度に維持される。これにより、可動板511aを確実に共振させることができる。なお、目標温度は、室温に対して十分に高い温度に設定される。
なお、検量線記憶部87には、前記目標温度に対応し、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になり、かつ、可動板511aが共振する条件を満たす、投影面21に走査するレーザー光LLの投影面21上の垂直方向の位置(描画ライン141の垂直方向の位置)と、アクチュエーター51の駆動信号の大きさ、その駆動信号の周波数および可動板511aの振れ角の目標値(目標振れ角)との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線が記憶されている。
このような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、この第4実施形態は、前記第2実施形態、後述する第5実施形態にも適用することができる。
なお、本発明では、さらに、アクチュエーター51を冷却する冷却手段として、例えば、ペルチェ素子等が設けられていてもよい。また、ヒーター64に代えて、加熱および冷却を行うことができる加熱・冷却手段として、例えば、ペルチェ素子等を設けてもよい。これによれば、より確実に、アクチュエーター51の温度を目標温度に保持することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の光走査装置の第5実施形態について説明する。
図21は、本発明の第5実施形態に係る光走査装置が備えるアクチュエーターを示す模式的平面図である。図22は、図21中のB−B線断面図である。図23は、図21に示すアクチュエーターが備える駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図である。図24は、図23に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図である。図25は、本発明の第5実施形態に係る光走査装置の奇数フレームにおける動作を説明するための図であり、図25(a)は、側面図、図25(b)は、正面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図21中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図22中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態の光走査装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、例えば、ブレーキ信号等、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態の光走査装置は、光走査部が備えるアクチュエーターの構成が異なる点、及び投影面21上の第1の方向の走査(水平走査)の軌跡が直線でない事以外は、第1実施形態とほぼ同様である。
光走査部5は、いわゆる2自由度振動系の1つのアクチュエーター53を有している。
アクチュエーター53は、図21に示すような第1の振動系54aと第2の振動系54bと支持部54cとを備える基体54と、基体54と対向配置された対向基板56と、基体54と対向基板56との間に設けられたスペーサー部材55と、永久磁石57と、コイル58とを備えている。なお、第2の振動系54b側が、水平走査の走査機構の主要部を構成する。
第1の振動系54aは、枠状の支持部54cの内側に設けられた枠状の駆動部541aと、駆動部541aを支持部54cに両持ち支持する1対の第1の連結部542a、543aとで構成されている。
第2の振動系54bは、駆動部541aの内側に設けられた可動板541bと、可動板541bを駆動部541aに両持ち支持する1対の第2の連結部542b、543bとで構成されている。
駆動部541aは、図21の平面視にて、円環状をなしている。なお、駆動部541aの形状は、枠状をなしていれば特に限定されず、例えば、図21の平面視にて、四角環状をなしていてもよい。このような駆動部541aの下面には、永久磁石57が接合されている。
第1の連結部542a、543aは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第1の連結部542a、543aは、それぞれ、駆動部541aを支持部54cに対して回動可能とするように、駆動部541aと支持部54cとを連結している。このような、第1の連結部542a、543aは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J1」という)を中心として、駆動部541aが支持部54cに対して回動するように構成されている。
第1の連結部542aには、可動板541bの角度(回動中心軸J1まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子521が設けられている。
可動板541bは、図21の平面視にて、円形状をなしている。だたし、可動板541bの形状は、駆動部541aの内側に形成することができれば特に限定されず、例えば、図26の平面視にて、楕円形状をなしていてもよいし、四角形状をなしていてもよい。このような可動板541bの上面には、光反射性を有する光反射部544bが形成されている。
第2の連結部542b、543bは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第2の連結部542b、543bは、それぞれ、可動板541bを駆動部541aに対して回動可能とするように、可動板541bと駆動部541aとを連結している。このような第2の連結部542b、543bは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J2」という)を中心として、可動板541bが駆動部541aに対して回動するように構成されている。
第2の連結部542bには、可動板541bの角度(回動中心軸J2まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子521が設けられている。
図21に示すように、回動中心軸J1と回動中心軸J2とは、互いに直交している。また、駆動部541aおよび可動板541bの中心は、それぞれ、図21の平面視にて、回動中心軸J1と回動中心軸J2との交点上に位置している。
図22に示すように、以上のような基体54は、スペーサー部材55を介して対向基板56と接合している。対向基板56の上面には、永久磁石57に作用する磁界を発生させるコイル58が設けられている。
永久磁石57は、図21の平面視にて、回動中心軸J1と回動中心軸J2との交点を通り、回動中心軸J1および回動中心軸J2のそれぞれの軸に対して傾斜した線分Mに沿って設けられている。
このような永久磁石57は、回動中心軸J1と回動中心軸J2との交点に対して長手方向の一方側がS極、他方側がN極となっている。図22では、永久磁石57の長手方向の左側がS極、右側がN極となっている。
また、図22に示すように、永久磁石57の上面には、凹部57aが形成されている。この凹部57aは、永久磁石57と可動板541bとの接触を防止するための逃げ部である。このような凹部57aを形成することで、可動板541bが回動中心軸J2まわりに回動する際、永久磁石57と接触してしまうことを防止することができる。
コイル58は、図21の平面視にて、駆動部541aの外周を囲むように形成されている。これにより、アクチュエーター53の駆動の際、駆動部541aとコイル58との接触を確実に防止することができる。その結果、コイル58と永久磁石57との離間距離を比較的短くすることができ、コイル58から発生する磁界を効率的に永久磁石57に作用させることができる。
コイル58は、電圧印加手段59と電気的に接続されていて、電圧印加手段59によりコイル58に所定の電圧が印加されると、コイル58に所定の電流が流れ、コイル58から回動中心軸J1および回動中心軸J2のそれぞれの軸に直交する軸方向の磁界が発生する。なお、本実施形態でも第1実施形態と同様に、駆動信号は、電流信号であるが、ここでは、電圧印加手段59により所定の電圧を印加して所定の電流が流れるものとして説明する。
図23に示すように、電圧印加手段59は、可動板541bを回動中心軸J1まわりに回動させるための第1の電圧V1を発生させる第1の電圧発生部591と、可動板541bを回動中心軸J2まわりに回動させるための第2の電圧V2を発生させる第2の電圧発生部592と、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを重畳し、その電圧をコイル58に印加する電圧重畳部593とを備えている。
第1の電圧発生部591は、第1実施形態の図9と同様、図24(a)に示すように、フレーム周波数の倍の周期T1で周期的に変化する第1の電圧V1(垂直走査用電圧)を発生させるものである。
第1の電圧V1は、三角波のような波形をなしている。そのため、アクチュエーター53は、効果的に光を垂直往復走査(副走査)することができる。なお、第1の電圧V1の波形は、これに限定されない。ここで、第1の電圧V1の周波数(1/T1)は、垂直走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、15Hz以上、40Hz以下(30Hz程度)であるのが好ましい。
本実施形態では、第1の電圧V1の周波数は、駆動部541aと1対の第1の連結部542a、543aとで構成された第1の振動系54aのねじり共振周波数と異なる周波数となるように調整されている。
一方、第2の電圧発生部592は、図24(b)に示すように、周期T1と異なる周期T2で周期的に変化する第2の電圧V2(水平走査用電圧)を発生させるものである。
第2の電圧V2は、正弦波のような波形をなしている。そのため、アクチュエーター53は効果的に光を主走査することができる。なお、第2の電圧V2の波形は、これに限定されない。
また、第2の電圧V2の周波数は、第1の電圧V1の周波数より高く、かつ、水平走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、10kHz以上、40kHz以下であるのが好ましい。このように、第2の電圧V2の周波数を10kHz以上、40kHz以下とし、前述したように第1の電圧V1の周波数を30Hz程度とすることで、投影面21への描画に適した周波数で、可動板541bを回動中心軸J1および回動中心軸J2のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。ただし、可動板541bを回動中心軸J1および回動中心軸J2のそれぞれの軸まわりに回動させることができれば、第1の電圧V1の周波数と第2の電圧V2の周波数との組み合わせなどは、特に限定されない。
本実施形態では、第2の電圧V2の周波数は、可動板541bと1対の第2の連結部542b、543bとで構成された第2の振動系54bのねじり共振周波数と等しくなるように調整されている。これにより、可動板541bの回動中心軸J2まわりの回動角を大きくすることができる。
また、第1の振動系54aの共振周波数をf[Hz]とし、第2の振動系54bの共振周波数をf[Hz]としたとき、fとfとが、f>fの関係を満たすことが好ましく、f≧10fの関係を満たすことがより好ましい。これにより、より円滑に、可動板541bを回動中心軸J1まわりに第1の電圧V1の周波数で回動させつつ、回動中心軸J2まわりに第2の電圧V2の周波数で回動させることができる。
第1の電圧発生部591および第2の電圧発生部592は、それぞれ、作動制御装置8に接続され、この作動制御装置8からの信号に基づき駆動する。このような第1の電圧発生部591および第2の電圧発生部592には、電圧重畳部593が接続されている。
電圧重畳部593は、コイル58に電圧を印加するための加算器593aを備えている。加算器593aは、第1の電圧発生部591から第1の電圧V1を受けるとともに、第2の電圧発生部592から第2の電圧V2を受け、これらの電圧を重畳しコイル58に印加するようになっている。
以上のような構成のアクチュエーター53は、次のようにして駆動する。
例えば、図24(a)に示すような第1の電圧V1と、図24(b)に示すような電圧V2とを電圧重畳部593にて重畳し、重畳した電圧をコイル58に印加する(この重畳された電圧を「電圧V3」ともいう)。
すると、電圧V3中の第1の電圧V1に対応する電圧によって、永久磁石57のS極側をコイル58に引き付けようとするとともに、N極側をコイル58から離間させようとする磁界と、永久磁石57のS極側をコイル58から離間させようとするとともに、N極側をコイル58に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第1の連結部542a、543aを捩れ変形させつつ、駆動部541aが可動板541bとともに、第1の電圧V1の周波数で回動中心軸J1まわりに回動する。
なお、第1の電圧V1の周波数は、第2の電圧V2の周波数に比べて極めて低く設定されており、また、第1の振動系54aの共振周波数は、第2の振動系54bの共振周波数よりも低く設計されている。そのため、第1の振動系54aは、第2の振動系54bよりも振動しやすくなっており、第1の電圧V1によって、可動板541bが回動中心軸J2まわりに回動してしまうことを防止することができる。
一方、電圧V3中の第2の電圧V2に対応する電圧によって、永久磁石57のS極側をコイル58に引き付けようとするとともに、N極側をコイル58から離間させようとする磁界と、永久磁石57のS極側をコイル58から離間させようとするとともに、N極側をコイル58に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第2の連結部542b、543bを捩れ変形させつつ、可動板541bが第2の電圧V2の周波数で回動中心軸J2まわりに回動する。
なお、第2の電圧V2の周波数が第2の振動系54bのねじり共振周波数と等しいため、第2の電圧V2によって、支配的に、可動板541bを回動中心軸J2まわりに回動させることができる。そのため、第2の電圧V2によって、可動板541bが回動中心軸J1まわりに回動してしまうことを防止することができる。
以上のようなアクチュエーター53によれば、1つのアクチュエーターで2次元的にレーザー光(光)を走査でき、光走査部5の省スペース化を図ることができる。また、例えば、第1実施形態のようにアクチュエーターとガルバノミラーとを用いる場合には、アクチュエーターとガルバノミラーとの相対的位置関係を高精度に設定しなければならないが、本実施形態ではその必要がないため、製造の容易化を図ることができる。
なお、本実施形態では、第1実施形態の図7とは異なり、図25に示すように光源ユニット4からレーザー光(光)LLを出射した光出射状態でそのレーザー光LLを投影面21上に2次元的に走査したときの、投影面21上でのレーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)141は、ジグザグにかつ歪曲して配置される。
また、走査ラインが歪曲しているため、映像データ演算部82は、これから走査するライン上に描画すべき画素データに相当するデータ算出をしながら、映像データ記憶部81からデータを読み出し、描画タイミング生成部83から入力された描画タイミング情報に基づいて、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部84に送出する。
上記以外の処理に関しては、第1実施形態と同様の処理を行ない、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になり、かつ、水平走査において可動板541bが共振するようになっている。
このような第5実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、この第5実施形態は、前記第2〜第4実施形態にも適用することができる。
以上、本発明の光走査装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、光走査装置として、支持台上に載置し、その支持台の表面を投影面として画像を描画するものについて説明したが、本発明では、これに限定されず、例えば、スクリーンや壁などに画像を描画するものであってもよい。なお、画像をスクリーンに描画する場合は、そのスクリーンが本発明の構成要素として含まれていてもよく、また、含まれていなくてもよい。
また、前記第1〜第3実施形態では、光走査部において、第1の方向に走査する第1の方向走査部(走査機構)として、共振駆動される(共振を利用して動作させる)形態のアクチュエーターを用い、第2の方向に走査する第2の方向走査部として、ガルバノミラーを用いたが、本発明では、これに限定されず、第2の方向走査部として、ガルバノミラーに換えて、例えば、ポリゴンミラー、共振駆動される形態のアクチュエーター等を用いてもよい。
また、本発明では、垂直走査を往路のみで行い、その垂直走査の往路において、水平走査を往路および復路のそれぞれで行って画像を描画するよう構成されていてもよい。
また、前記実施形態では、第1の方向を「水平方向」、第2の方向を「垂直方向」としたが、本発明では、これに限らず、例えば、第1の方向を「垂直方向」、第2の方向を「水平方向」としてもよい。
また、前記実施形態では、ダイクロイックミラー43r、43g、43bを用いて、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを結合して1つのレーザー光(光)LLを射出しているが、これに限定されず、例えば、ダイクロイックプリズム等を用いて結合してもよい。
1……光走査装置 2……支持台 21……投影面 4……光源ユニット(光出射部) 41r、41g、41b……レーザー光源 410r、410g、410b……駆動回路 42r、42g、42b……コリメーターレンズ 420r、420g、420b……光源 43r、43g、43b……ダイクロイックミラー 5……光走査部 51……アクチュエーター 511……基体 511a……可動板 511b……支持部 511c、511d……連結部 511e……光反射部 512……スペーサー部材 513……対向基板 514……永久磁石 515……コイル 516……通電手段 517……駆動手段 52……角度検出手段 521……圧電素子 522……起電力検出部 523……角度検知部 53……アクチュエーター 54……基体 54a……第1の振動系 541a……駆動部 542a、543a……第1の連結部 54b……第2の振動系 541b……可動板 542b、543b……第2の連結部 544b……光反射部 54c……支持部 55……スペーサー部材 56……対向基板 57……永久磁石 57a……凹部 58……コイル 59……電圧印加手段 591……第1の電圧発生部 592……第2の電圧発生部 593……電圧重畳部 593a……加算器 61……温度検出手段 611……温度センサー 612……温度検知部 62……温度制御部 63……ヒーターコントロール部 64……ヒーター 71……ブレーキ信号 300……スキャンプロジェクター 8……作動制御装置 81……映像データ記憶部 82……映像データ演算部 83……描画タイミング生成部 84……光源変調部 85……振れ角演算部 851……比較演算部 852……駆動信号指示部 86……角度指示部 87……検量線記憶部 12……ガルバノミラー 121……ミラー 122……モーター 123……駆動回路 124……駆動手段 13……角度検出手段 131……エンコーダー 132……角度検知部 141……描画ライン 142……描画領域 143……描画可能領域 S101〜S107……ステップ S201〜S207……ステップ LL、RR、GG、BB……レーザー光 J、Ja、J1、J2……回動中心軸

Claims (19)

  1. 投影面に対し、光を走査することにより画像を描画するよう構成され、
    光を出射する光出射部と、
    前記光出射部から出射された光を反射させ、回動可能に設けられた少なくとも1つの反射面を有し、前記光出射部から出射された光を、前記投影面に対し、第1の方向に走査すると共に、前記第1の方向の走査速度よりも遅い走査速度で前記第1の方向に直交する第2の方向に走査することで2次元的に走査する光走査部と、
    前記光走査部の作動を制御する制御手段とを備え、
    前記光走査部は、所定の大きさおよび所定の周波数の電圧信号または電流信号である駆動信号が供給されることにより、前記第1の方向に走査する反射面を共振駆動する走査機構を有し、
    前記制御手段は、前記第1の方向の走査を行うに際し、前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数をそれぞれ互いに異なるタイミングで変更する変更手段と、
    前記第1の方向に走査する反射面の回動中心軸を中心とする振れ角を減少させるブレーキ信号を前記駆動信号に重畳させるブレーキ信号重畳手段とを有することを特徴とする光走査装置。
  2. 前記ブレーキ信号は、該ブレーキ信号が重畳されない状態の前記駆動信号に対して逆位相のパルス信号である請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記駆動信号への前記パルス信号の1パルスの重畳を開始するタイミングは、前記光走査部により走査される光が、前記投影面上の画像を描画する描画領域内から該描画領域の前記第1の方向の端部に到達したとき、または、前記第1の方向の端部に到達した後である請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記駆動信号への前記パルス信号の1パルスの重畳を終了するタイミングは、前記第1の方向に走査する反射面が最大に回動するまでの間である請求項2または3に記載の光走査装置。
  5. 前記ブレーキ信号の大きさのデータを含むブレーキ信号用データを記憶する第1の記憶手段を有し、
    前記ブレーキ信号重畳手段は、前記ブレーキ信号用データに基づいて、前記ブレーキ信号の大きさを決定する第1の決定部を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の光走査装置。
  6. 前記光出射部から光を出射した光出射状態で前記投影面上での光の前記第1の方向の振れ幅が、前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を一定にする場合に比べて、前記第2の方向に沿って揃い、かつ、前記第1の方向に走査する反射面が共振するための前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数のデータを含む駆動信号用データが記憶された第2の記憶手段を有し、
    前記変更手段は、前記駆動信号用データに基づいて、変更する前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を決定する第2の決定部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の光走査装置。
  7. 前記第1の方向に走査する反射面の角度を検出する角度検出手段を有し、
    前記変更手段は、前記駆動信号の大きさと前記駆動信号の周波数との一方を変更した後、他方を変更するタイミングを、前記角度検出手段の検出結果と、前記駆動信号の周波数とに基づいて決定するよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の光走査装置。
  8. 前記変更手段は、前記第1の方向に走査する反射面が最大に回動したとき、前記一方を変更するよう構成されている請求項7に記載の光走査装置。
  9. 前記変更手段は、前記角度検出手段の検出結果と、前記駆動信号の周波数とに基づいて、前記振れ角を推定する振れ角推定部と、
    前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致するか否かを判別する判別部とを有し、
    前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致したとき、前記他方を変更するよう構成されている請求項7または8に記載の光走査装置。
  10. 前記変更手段は、前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致しない場合は、今回は、前記他方を変更しないよう構成されている請求項9に記載の光走査装置。
  11. 前記変更手段は、前記振れ角の推定値と前記振れ角の目標値とが一致しない場合、次に前記駆動信号の大きさと前記駆動信号の周波数との一方を変更する際、該一方の設定予定の値を補正する補正部を有する請求項10に記載の光走査装置。
  12. 前記変更手段は、前記振れ角を増大させる場合は、前記駆動信号の大きさを先に変更し、前記駆動信号の周波数を後に変更するよう構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の光走査装置。
  13. 前記変更手段は、前記振れ角を減少させる場合は、前記駆動信号の周波数を先に変更し、前記駆動信号の大きさを後に変更するよう構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載の光走査装置。
  14. 前記変更手段は、前記駆動信号の大きさを先に変更し、前記駆動信号の周波数を後に変更する第1のモードと、前記駆動信号の周波数を先に変更し、前記駆動信号の大きさを後に変更する第2のモードとを有し、前記振れ角を増大させる場合は、前記第1のモードで作動し、前記振れ角を減少させる場合は、前記第2のモードで作動するよう構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の光走査装置。
  15. 前記第2の方向の走査を往路および復路のそれぞれで行い、前記第2の方向の走査の往路および復路のそれぞれにおいて、前記第1の方向の走査を行って画像を描画するよう構成されている請求項1ないし14のいずれかに記載の光走査装置。
  16. 前記走査機構の温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記変更手段は、さらに前記温度検出手段の検出結果を加味して、前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を変更するよう構成されている請求項1ないし15のいずれかに記載の光走査装置。
  17. 前記走査機構の温度を検出する温度検出手段を有し、
    前記第2の記憶手段には、温度毎に、前記駆動信号用データが記憶されており、
    前記第2の決定部は、前記温度検出手段の検出結果と、前記駆動信号用データとに基づいて、変更する前記駆動信号の大きさおよび前記駆動信号の周波数を決定するよう構成されている請求項6に記載の光走査装置。
  18. 前記走査機構の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記走査機構の温度を目標温度に調整する温度調整手段とを有する請求項1ないし15のいずれかに記載の光走査装置。
  19. 前記走査機構は、回動可能に設けられ、前記第1の方向に走査する反射面を有する可動板と、前記可動板を回動可能に支持する支持部と、前記可動板と前記支持部とを連結する連結部と、前記可動板を回動させる駆動手段とを備えるアクチュエーターであり、
    前記光走査部は、前記第2の方向に走査する反射面を有するガルバノミラーを備える請求項1ないし18のいずれかに記載の光走査装置。
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