JP2011116005A - 画像形成装置 - Google Patents

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健 井熊
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Abstract

【課題】アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置において、残存キャリアの発生を抑えて、良好な画像形成を実現可能とする技術を提供する。
【解決手段】軸を有するアモルファスシリコン感光体ドラムと、600[nm]以上で650[nm]以下の範囲にピーク波長を有する光を発光する有機EL発光素子、および有機EL発光素子が発光する光を結像してアモルファスシリコン感光体に照射する結像光学系を有する露光ヘッドと、露光ヘッドが照射した光によってアモルファスシリコン感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像部と、を備える。
【選択図】図4

Description

この発明は、発光素子からの光をアモルファスシリコン感光体に照射して、前記アモルファスシリコン感光体に静電潜像を形成する画像形成装置に関する。
従来、発光素子からの光を結像することで、スポット状の光を感光体に照射し、当該感光体に静電潜像を形成する画像形成装置が知られている。また、このような感光体として、アモルファスシリコンを主成分とする感光体(アモルファスシリコン感光体)が提案されている(特許文献1)。このアモルファスシリコン感光体は、耐摩耗性や耐熱性の点で優れた性能を有するものである。
特開昭60−168187号公報
しかしながら、特許文献1にも指摘があるように、アモルファスシリコン感光体は、長波長の光に対して露光履歴を生じるという課題を有している。つまり、アモルファスシリコン感光体は長波長の光ほど感光層の深くまで到達するとう特性を有するため、長波長光による露光を行なった場合に感光層の深くにキャリアが発生し、この感光層深部に発生したキャリアの一部は感光層の中にそのままトラップされてしまうこととなる。その結果、過去に露光された部分にキャリアが残存して(露光履歴)、その後に形成する静電潜像にこの残存キャリアが悪影響を及ぼして、良好な画像を形成できない場合があった。具体的には、静電潜像を現像した画像に、残存キャリアに起因した意図しない画像パターンが薄く現れるといった画像メモリー(残像、ゴースト現象)が起こる場合があった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、アモルファスシリコン感光体を用いた画像形成装置において、残存キャリアの発生を抑えて、良好な画像形成を実現可能とする技術の提供を目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、軸を有するアモルファスシリコン感光体ドラムと、600[nm]以上で650[nm]以下の範囲にピーク波長を有する光を発光する有機EL発光素子、および有機EL発光素子が発光する光を結像してアモルファスシリコン感光体に照射する結像光学系を有する露光ヘッドと、露光ヘッドが照射した光によってアモルファスシリコン感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像部と、を備えることを特徴としている。
このように構成された発明(画像形成装置)が備えるアモルファスシリコン感光体ドラムは、750[nm]以上の長波長の光を照射した場合に、残存キャリアの発生が顕著となる。そこで、この発明は、アモルファスシリコン感光体ドラムを露光する光の光源として、有機EL発光素子を用いている。つまり、この有機EL発光素子は、600[nm]以上で650[nm]以下の範囲にピーク波長を有しており、長波長成分が少ないという性質を有するものである。このように、残存キャリアの発生が顕著となる波長領域よりも十分に短い波長範囲に、波長分布のピークを持つ有機EL発光素子を用いることで、残存キャリアの発生を抑えて、良好な画像形成の実現を図ることができる。
また、結像光学系は、第1のレンズおよび第2のレンズを有する結像光学系を有し、有機EL発光素子が発光した光は、第1のレンズを透過した後に第2のレンズを透過してアモルファスシリコン感光体ドラムに照射されるように構成しても良い。このように、2枚のレンズを有する結像光学系を用いることで有機EL発光素子のような拡散光源に対しても収差の少ない結像を得られ、高精細な静電潜像の形成が容易となる。また、有機EL発光素子の発光プロファイルは、強度分布がフラットであるとともにエッジが極めてシャープとなる。そのため、収差の少ない2枚のレンズで構成された結像光学系によって、有機EL発光素子からの光を結像することで、くっきりとした輪郭の小径なスポットSPを容易に形成することができる。その結果、高精細な静電潜像の形成が可能となり、高解像度の画像を良好に形成することができる。
また、結像光学系は、(アモルファスシリコン感光体ドラム)の軸方向と当該軸方向に直交する方向とで倍率が異なっても良い。これにより、軸方向(主走査方向)に細長く発光素子が配列されていても収差を小さく抑えて、高精細な静電潜像の形成が可能となる。
ところで、上記構成では、これにより、結像光学系が有機EL発光素子の光を結像することで、アモルファスシリコン感光体ドラムに光のスポットを照射する。そして、高精細な静電潜像を形成するにあたっては、このスポットは、ぼやけの少ないシャープなエッジを有することが好適となる。そこで、アモルファスシリコン感光体ドラムが有する感光層の厚みは、結像光学系の倍率の絶対値に有機EL発光素子の上記軸方向の長さを乗じた値以下であるように構成しても良い。これにより、ぼやけの少ないシャープなエッジを有するスポットの形成が容易となる。
このように、この画像形成装置では、発光素子からの光を結像光学系が結像することで、アモルファスシリコン感光体ドラムにスポットが照射されて、静電潜像が形成される。そこで、より高精細な静電潜像を実現するために、種々の条件を満たすように各スポットを形成することが好適となる。特に、結像光学系の収差を小さく抑えることと、スポット形成に供する光量を十分に確保することを実現することで、より高精細な静電潜像の形成が容易となる。そして、これら2つの条件を両立させるにあたっては、結像光学系の倍率が重要なパラメーターとなる。つまり、倍率が大きくなると収差が悪化する一方、倍率が小さくなると光利用効率が悪化して、スポット形成に供する光量が低下する。
そこで、結像光学系の倍率の絶対値は、0.7倍以上かつ0.8倍以下であるように構成しても良い。この構成では、結像光学系の倍率が0.8倍以下であるため、結像光学系の収差を小さく抑えることが可能となるとともに、結像光学系の倍率が0.7倍以上であるため、光利用効率の低下を抑えて、スポット形成に供する光量を十分に確保することが可能となっている。その結果、より高精細な静電潜像の実現が図られている。
また、現像部は、粒径が3[μm]以下のトナーにより静電潜像を現像するように構成しても良い。このように、小粒径のトナーにより静電潜像を現像することで、高精細な画像の形成が容易となる。
また、現像部は、液体現像剤により静電潜像を現像するように構成しても良い。このように、液体現像剤を用いることで、さらに小粒径のトナーにより静電潜像を現像することが可能となり、より高精細な画像の形成が容易となる。
本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図。 図1の装置の電気的構成を示すブロック図。 ラインヘッドの一例を示す平面図。 ラインヘッドの一例を示す部分階段断面図。 遮光部材のA−A線における階段断面図。 遮光部材の分解斜視図。 発光素子グループでの発光素子の配列態様を示す部分平面図。 ラインヘッドの電気的構成を示すブロック図。 結像光学系のレンズデータ。 図9のS4面の面形状を与えるデータ。 図9のS7面の面形状を与えるデータ。 結像光学系の主方向断面における光路図。 結像光学系の副方向断面における光路図。 光路を求めるにあたって用いた値等を表としてまとめた図。 倍率の絶対値=0.60倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.65倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.70倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.75倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.80倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.85倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.90倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.95倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=1.00倍でのスポットダイアグラムを示す図。 倍率の絶対値=0.7倍の結像光学系のレンズデータ。 図24のS4面の面形状を与えるデータ。 図24のS7面の面形状を与えるデータ。 倍率の絶対値=0.7倍の結像光学系の主方向断面における光路図。 倍率の絶対値=0.7倍の結像光学系の副方向断面における光路図。 倍率の絶対値=0.8倍の結像光学系のレンズデータ。 図29のS4面の面形状を与えるデータ。 図29のS7面の面形状を与えるデータ。 倍率の絶対値=0.8倍の結像光学系の主方向断面における光路図。 倍率の絶対値=0.8倍の結像光学系の副方向断面における光路図。 結像光学系のシミュレーションに用いたデータを表として示した図。 図34のデータWsm、Wssの説明図。 主走査方向への倍率の絶対値に対する光利用効率を示した図。 主走者方向への倍率の絶対値に対するエネルギー損失を示した図。 アモルファスシリコン感光体ドラムの分光感度特性を示す図。 有機EL素子およびLEDの波長分布を示す図。 有機EL素子およびLEDのビームプロファイルを示す図。 有機EL素子およびLEDで形成したスポットのビームプロファイル。 画像形成装置で形成した文字画像を示す図。 有機EL素子およびLEDのビームプロファイルを示す図。 有機EL素子およびLEDで形成したスポットのビームプロファイル。
図1は本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図2は図1の装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、互いに異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。そして、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能となっている。
この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号を与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、ヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメーター値とに基づき、各色の画像形成ステーション2Y、2M、2C、2Kそれぞれのラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート状の記録媒体RMに画像形成指令に対応する画像を形成する。
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kは、トナー色を除けばいずれも同じ構造および機能を有している。そこで、図1では、図を見やすくするために、画像形成ステーション2Cを構成する各部品にのみ符号を付し、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kに付すべき符号については記載を省略する。また、以下の説明では、図1に付した符号を参照して画像形成ステーション2Cの構造および動作を説明するが、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kの構造および動作も、トナー色が異なることを除けば同じである。
画像形成ステーション2Cには、シアン色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。この感光体ドラム21は、厚み(膜厚)が20[μm]の感光層を有するアモルファスシリコン正帯電感光体ドラムである。感光体ドラム21は、その回転軸が主走査方向MD(図1の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように配置されており、図1中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより、感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動することとなる。
感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21表面を所定の電位に帯電させるコロナ帯電器である帯電器22と、感光体ドラム21表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成するラインヘッド29と、該静電潜像をトナー像として顕像化する現像器24と、第1スクイーズ部25と、第2スクイーズ部26と、転写後の感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーニングユニットとが、それぞれこれらの順に感光体ドラム21の回転方向D21(図1では、時計回り)に沿って配設されている。
この実施形態では、帯電器22は2つのコロナ帯電器221、222で構成されており、感光体ドラム21の回転方向D21においてコロナ帯電器221がコロナ帯電器222に対して上流側に配置されており、2つのコロナ帯電器221、222により2段階で帯電されるように構成されている。各コロナ帯電器221、222は同一構成であり、感光体ドラム21の表面に接触しないものであり、スコロトロン帯電器である。
そして、コロナ帯電器221、222により帯電された感光体ドラム21表面に対して、ラインヘッド29がビデオデータVDに基づいて静電潜像を形成する。つまり、ヘッドコントローラーHCがラインヘッド29のデータ転送基板TBにビデオデータVDを送信すると(図8)、データ転送基板TBが各ドライバーIC295にビデオデータVDを転送し、ドライバーICがこのビデオデータVDに基づいて各発光素子Eを発光させる。これにより、感光体ドラム21表面が露光されて、画像信号に対応した静電潜像が形成される。なお、ラインヘッド29の構成および動作の詳細は後述する。
こうして形成された静電潜像に対して現像器24からトナーが付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。この画像形成装置1の現像器24は、現像ローラー241を有している。この現像ローラー241は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。この現像ローラー241は現像用モーターに接続され、図1紙面において反時計回りに回転駆動されて感光体ドラム21に対してウィズ回転する。また、この現像ローラー241は図示を省略する現像バイアス発生部(定電圧電源)と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
また、この現像ローラー241に対して液体現像剤を供給するためにアニロックスローラーが設けられており、アニロックスローラーを介して現像剤貯留部から現像ローラー241へ液体現像剤が供給される。このようにアニロックスローラーは現像ローラー241に対して液体現像剤を供給する機能を有する。このアニロックスローラーは、液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に彫刻された螺旋溝などによる凹部パターンが形成されたローラーである。現像ローラー241と同様に、金属の芯金にウレタン、NBRなどのゴム層を巻き付けたものや、PFAチューブを被せたものなどが用いられる。また、アニロックスローラーは現像用モーターに接続されて回転する。
現像剤貯留部に貯留される液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)を液体キャリアとした低濃度(1〜2wt%)かつ低粘度の常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性樹脂中へ顔料などの着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤が用いられる。
上記のようにして、液体現像剤が供給された現像ローラー241はアニロックスローラーと同時に回転すると共に、感光体ドラム21の表面とは同方向に移動するように回転して現像ローラー241の表面に担持された液体現像剤を現像位置に搬送する。なお、トナー像を形成するため、現像ローラー241の回転方向は、その表面が感光体ドラム21の表面と同方向に移動するようにウィズ回転する必要があるが、アニロックスローラーに対しては、逆方向、或いは、同方向、どちらに移動する構成であってもよい。
また、現像器24では、この現像ローラー241の回転方向において現像位置の上流側直前にトナー圧縮コロナ発生器242が現像ローラー241に対向して配置されている。このトナー圧縮コロナ発生器242は現像ローラー241の表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、定電流電源で構成されたトナーチャージ発生部(図示省略)と電気的に接続されている。そして、トナー圧縮コロナ発生器242に対してトナーチャージバイアスが与えられると、現像ローラー241によって搬送される液体現像剤のトナーに対して、このトナー圧縮コロナ発生器242と近接する位置で電界が印加され、帯電、圧縮が施される。なお、このトナー帯電、圧縮には、電解印加によるコロナ放電に代えて、接触して帯電させるコンパクションローラーを用いてもよい。
また、このように構成された現像器24は感光体ドラム21上の潜像を現像する現像位置と感光体ドラム21から離れた退避位置との間で往復可能となっている。したがって、現像器24が退避位置に移動して位置決めされると、その間、シアン用の画像形成ステーション2Cでは、感光体ドラム21への新たな液体現像剤の供給は停止される。
感光体ドラム21の回転方向D21において現像位置の下流側に、第1スクイーズ部25が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部25の下流側に第2スクイーズ部26が配置されている。これらのスクイーズ部25、26にはスクイーズローラー251、261がそれぞれ設けられている。そして、スクイーズローラー251が第1スクイーズ位置で感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰現像剤を除去する。また、感光体ドラム21の回転方向D21において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置でスクイーズローラー261が感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰液体キャリアやカブリトナーを除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー251、261に対して図示省略するスクイーズバイアス発生部(定電圧電源)が電気的に接続されており、適当なタイミングでスクイーズバイアスが印加されるように構成されている。なお、本実施形態では2つのスクイーズ部25、26を設けているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
これらのスクイーズ位置を通過してきたトナー像は転写部3の中間転写体31に1次転写される。この中間転写体31は、その表面、より詳しくはその外周面にトナー像を一時的に担持可能な像担持体としての無端状ベルトであり、複数のローラー32、33、34、35および36に掛け渡されている。これらのうちローラー32はメインモーターに連結されて、中間転写体31を図1の矢印方向D31に周回駆動するベルト駆動ローラーとして機能している。なお、本実施形態では、記録紙RMとの密着性を高めて記録紙RMへのトナー像の転写性を高めるために、中間転写体31の表面に弾性層を設け、当該弾性層の表面にトナー像が担持されるように構成されている。
ここで、中間転写体31を掛け渡されたローラー32ないし36のうち、メインモーターにより駆動されるのは上記したベルト駆動ローラー32のみであり、他のローラー33ないし36は駆動源を有しない従動ローラーである。また、ベルト駆動ローラー32は、ベルト移動方向D31において一次転写位置TR1の下流側、かつ後述する二次転写位置TR2の上流側で中間転写体31を巻き掛けている。
転写部3は一次転写バックアップローラー37を有しており、一次転写バックアップローラー37は中間転写体31を挟んで感光体ドラム21と対向して配設されている。感光体ドラム21と中間転写体31とが当接する一次転写位置TR1では、感光体ドラム21の外周面が中間転写体31と当接して一次転写ニップ部NP1cを形成している。そして、感光体ドラム21上のトナー像が中間転写体31の外周面(一次転写位置TR1において下面)に転写される。こうして画像形成ステーション2Cにより形成されたシアン色のトナー像が中間転写体31に転写される。同様に、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kでもトナー像の転写が実行されることで、各色のトナー像が中間転写体31上に順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像が形成される。一方、モノクロトナー像が形成される際には、ブラック色に対応した画像形成ステーション2Kのみにおいて、中間転写体31へのトナー像転写が行われる。
こうして中間転写体31に転写されたトナー像は、ベルト駆動ローラー32への巻き掛け位置を経由して二次転写位置TR2に搬送される。この二次転写位置TR2では、中間転写体31を巻き掛けられたローラー34に対して二次転写部4の二次転写ローラー42が中間転写体31を挟んで対向配置されており、中間転写体31表面と転写ローラー42表面とが互いに当接して二次転写ニップ部NP2を形成している。すなわち、ローラー34は二次転写バックアップローラーとして機能している。バックアップローラー34の回転軸は、例えばバネのような弾性部材である押圧部345によって弾性的に、かつ中間転写体31に対して近接・離間移動自在に支持されている。
二次転写位置TR2においては、中間転写体31上に形成された単色あるいは複数色のトナー像が、一対のゲートローラー51から搬送経路PTに沿って搬送される記録媒体RMに転写される。また、トナー像が二次転写された記録媒体RMは、二次転写ローラー42から搬送経路PT上に設けられた定着ユニット7へ送出される。定着ユニット7では、記録媒体RMに転写されたトナー像に熱や圧力などが加えられて記録媒体RMへのトナー像の定着が行われる。こうして、記録媒体RMに所望の画像を形成することができる。
以上が画像形成装置1の概略構成である。続いて、画像形成装置1が備えるラインヘッド29の構成および動作の詳細について説明する。図3および図4は、ラインヘッドの一例を示す図である。特に、図3は、ラインヘッド29が備える発光素子およびレンズの位置関係をラインヘッド29の厚さ方向TKDから見た平面図であり、図4は、ラインヘッド29のA−A線(図3の階段状の二点鎖線)における部分階段断面図であって、該断面をラインヘッド29の長手方向LGDから見た場合に相当する。このラインヘッド29は、長手方向LGDに長尺で幅方向LTDに短尺であるとともに、厚さ方向TKDに所定の厚さ(高さ)を有するものである。図3および図4含む以下の図面では必要に応じて、ラインヘッド29の長手方向LGD、幅方向LTDおよび厚さ方向TKDを示す。なお、これらの方向LGD、LTD、TKDは互いに直交もしくは略直交している。また、以下では、必要に応じて、厚さ方向TKDの矢印側を「表」あるいは「上」と表現し、厚さ方向TKDの矢印と反対側を「裏」あるいは「下」と表現する。
また、上述したとおり、同ラインヘッド29を画像形成装置に適用するにあたっては、ラインヘッド29は、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動する感光体ドラム21表面に対して露光を行なうものであり、しかも、主走査方向MDはラインヘッド29の長手方向LGDに平行もしくは略平行であり、副走査方向SDはラインヘッド29の幅方向LTDに平行もしくは略平行である。そこで、必要に応じて、長手方向LGD・幅方向LTDと一緒に、主走査方向MD・副走査方向SDも図示することとする。
本実施形態のラインヘッド29では、複数の発光素子Eをグループ化して1つの発光素子グループEGが構成されており(発光素子Eの配置態様は後に図7を用いて詳述する)、さらに、複数の発光素子グループEGが千鳥状(3行千鳥)で離散的に並べられている(図3)。こうして、複数の発光素子グループEGのそれぞれは、長手方向LGDに距離Dgだけ相互にずれるとともに幅方向LTDに距離Dtだけ相互にずれて配置されている。なお、見方を変えれば、複数の発光素子グループEGが長手方向に直線的に並ぶ発光素子グループ行GRが、幅方向LTDの異なる位置に3行GRa、GRb、GRc配置されているとも言える。
また、各発光素子Eは、互いに同一の発光スペクトルを有するボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子である。つまり、各発光素子Eを構成する有機EL素子は、長手方向LGDに長く幅方向LTDに短いガラス平板であるヘッド基板293の裏面293−tに形成されて、ガラス製の封止部材294により封止されている。なお、この封止部材294は、ヘッド基板293の裏面293−tに接着剤により固定されている。
複数の発光素子グループEGそれぞれに対しては1つの結像光学系が対向している。この結像光学系は、発光素子グループEG側に凸の2枚のレンズLS1、LS2から構成されている。なお、図3では、レンズLS1、LS2が一点鎖線円で示されているが、これらは、厚さ方向TKDの平面視における発光素子グループEGとレンズLS1、LS2との位置関係を示すものであり、レンズLS1、LS2がヘッド基板293に直接形成されていることを示すものではない。また、図4では、発光素子グループEGと結像光学系LS1、LS2との間には部材297が図示されているが、これについては結像光学系の説明の後に説明する。
このラインヘッド29では、3行千鳥で並ぶ複数の発光素子グループEGのそれぞれに対向してレンズLS1、LS2を配置するために、複数のレンズLS1を3行千鳥で並べたレンズアレイLA1と、複数のレンズLS2を3行千鳥で並べたレンズアレイLA2とが設けられている。つまり、レンズアレイLA1(LA2)では、複数のレンズLS1(LS2)それぞれが、長手方向LGDに距離Dgだけ相互にずれるとともに幅方向LTDに距離Dtだけ相互にずれて配置されている。
ちなみに、レンズアレイLA1(LA2)は、光透過製のガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を形成することで構成することができる。また、この実施形態では、長手方向LGDに長尺なレンズアレイLA1(LA2)を一体的な構成で作成することは困難であることに鑑みて、比較的短尺なガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を3行千鳥で並べて1つの短尺なレンズアレイを作製し、この短尺レンズアレイを長手方向LGDに複数並べることで、長手方向LGDに長尺なレンズアレイLA1(LA2)を構成している。
より具体的には、ヘッド基板293の表面293−hの幅方向LTDの両端部には、スペーサーAS1が配置されており、長手方向LGDに並ぶ複数の短尺レンズアレイのそれぞれがこれらスペーサーAS1、AS1に架設されて、1つのレンズアレイLA1が構成されている。また、レンズアレイLA1の表面の幅方向LTDの両側にはスペーサーAS2が配置されており、長手方向LGDに並ぶ複数の短尺レンズアレイのそれぞれがこれらスペーサーAS2、AS2に架設されて、1つのレンズアレイLA2が構成されている。さらに、レンズアレイLA2の表面には平板状の支持ガラス299が接着されており、レンズアレイLA2を構成する各短尺レンズアレイはスペーサーAS2のみならず、当該スペーサーAS2の反対側から支持ガラス299によっても支持されている。また、この支持ガラス299は、レンズアレイLA2が外部に露出しないように、当該レンズアレイLA2を覆う機能も併せ持つ。
こうして、厚さ方向TKDにおいて、所定間隔を空けて並ぶレンズアレイLA1、LA2がヘッド基板293に対向する。これにより、厚さ方向TKDに平行もしくは略平行な光軸OAを有する結像光学系LS1、LS2が発光素子グループEGに対向することとなり、発光素子グループEGの各発光素子Eが射出した光は、ヘッド基板293、結像光学系LS1、LS2および支持ガラスSSをこの順番に透過して、感光体ドラム21表面に照射される(図4の破線)。これにより、発光素子グループEGの各発光素子Eからの光が結像光学系LS1、LS2から結像作用を受けてスポットとして感光体ドラム21表面に照射され、感光体ドラム21表面に複数のスポットから成るスポットグループSGが形成される。ちなみに、結像光学系LS1、LS2は倒立像を形成するとともに、倍率の絶対値が1未満の反転縮小光学系である。この結像光学系の具体的な構成は後述する。
上述の説明から判るように、本実施形態のラインヘッド29は、複数の発光素子グループEGそれぞれに対して専用の結像光学系LS1、LS2を配置している。そして、このようなラインヘッド29では、発光素子グループEGからの光は、当該発光素子グループEGに設けられた結像光学系にのみ入射し、それ以外の結像光学系に入射しないことが望ましい。そこで、本実施形態では、ヘッド基板293の表面293−hとレンズアレイLA1との間に、遮光部材297が設けられている。
図5は、遮光部材のA−A線における階段断面図であり、図6は、遮光部材の分解斜視図である。両図では、光軸OAに平行であって発光素子グループEGから感光体ドラム21表面に向かう方向に、光進行方向Doaがとられている(この光進行方向Doaは厚さ方向TKDに平行もしくは略平行となる)。両図に示すように、遮光部材297は、第1遮光平板FP、第2遮光平板LSPa、第3遮光平板LSPbおよび絞り平板APと、これら平板FP、LSPa、LSPb、APの間隔を規定する第1スペーサーSSaおよび第2スペーサーSSbから成っており、具体的には、これらの平板およびスペーサーを厚さ方向TKDに積層して接着剤で固定した構成を備えている。
平板FP、LSPa、LSPb、APはいずれも、発光素子グループEGからの光の一部の通過を許し、その他の光の通過を遮る機能を有するものであり、発光素子グループEGとこれに対向する結像光学系LS1、LS2との間に開口Hf、Ha、Hb、Hpを有している。これら開口Hf、Ha、Hb、Hpそれぞれは、幾何重心が結像光学系LS1、LS2の光軸に一致もしくは略一致するように位置決めされている。つまり、図5、図6に示すように、平板FP、LSPa、LSPb、APのそれぞれには、発光素子グループEGの3行千鳥配列に対応して、厚さ方向TKDに貫通する円形の開口Hf、Ha、Hb、Hpが3行千鳥で並んでいる。そして、発光素子グループEGから射出された光のうち、開口Hf、Ha、Hb、Hpを通過した光が結像光学系LS1、LS2に入射し、その他の光のほとんどは平板FP、LSPa、LSPb、APに遮られる。なお、平板FP、LSPa、LSPb、APの厚さは次の大小関係、FP≒AP≒LSPa<LSPbを満たしており、各開口の径は次の大小関係、Hf<Hp<Ha<Hbを満たしている。
スペーサーSSa、SSbは、厚さ方向TKDに貫通する略長方形の長孔Hsa、Hsbが形成された枠体である。この長孔Hsa、Hsbは、厚さ方向TKDから遮光部材297を平面透視した場合において、各開口Hf、Ha、Hb、Hpをすっぽりとその内部に含む程度に十分な大きさで形成されている。したがって、各発光素子グループEGから射出された光は、長孔Hsa、Hsbを抜けて感光体ドラム21表面(図4)に向けて進行する。
続いて、遮光部材297のより具体的な配列態様について詳述する。第1遮光平板FPはヘッド基板293の表面293−h(図4)上に載置・固定されており、さらに、この第1遮光平板FPの光進行方向Doa側に第2遮光平板LSPaが配置されている。これら第1遮光平板FPと第2遮光平板LSPaとの間には2枚のスペーサーSSa、SSbが介挿されている。この第2遮光平板LSPaの光進行方向Doa側では、2種類の平板から迷光吸収層ALが構成されており、当該第2遮光平板LSPaと迷光吸収層ALとの間には第1スペーサーSSaが介挿されている。迷光吸収層ALは、開口径および厚さにおいて異なる2種類の遮光平板LSPa、LSPbを光進行方向Doaに交互に積層したものであり、具体的には、4枚の第1遮光平板LSPaおよび3枚の第2遮光平板LSPbで構成されている。迷光吸収層ALの光進行方向Doa側には、第1遮光平板LSPaと絞り平板APとが光進行方向Doaにこの順番に配置されている。また、迷光吸収層ALと第1遮光平板LSPaとの間にはスペーサーSSaが介挿されており、当該第1遮光平板LSPaと絞り平板APとの間には2枚のスペーサーSSa、SSbが介挿されている。
このように、遮光部材297を設けることで、各発光素子グループEGとこれに対向する結像光学系LS1、LS2との間には、複数の開口Hf、Ha、Hb、Hpが光の進行方向Doaに並ぶこととなる。その結果、発光素子グループEGから射出された光のうち、当該発光素子グループEGに対向する開口Hf、Ha、Hb、Hpを通過した光が結像光学系LS1、LS2にまで到達し、その他の光のほとんどは遮光平板FP、LSPa、LSPb、APに遮光されて結像光学系LS1、LS2に到達しない。こうして、ゴーストの影響の少ない良好な露光の実現が図られている。
続いて、発光素子グループEGにおける発光素子Eの配置態様について説明する。図7は、発光素子グループでの発光素子の配列態様を示す部分平面図である。同図の左端の1点鎖線円は、同図略中央の一点鎖線円で囲まれた範囲を抜粋したものである。同図はヘッド基板293の裏面293−tの構成を示しており、同図に示された構成はいずれもヘッド基板293の裏面293−tに形成されている。発光素子グループEGは、直径27.5[μm]の円形の複数(17個×4行)の発光素子Eを、1つのグループとして構成したものである。つまり、同図が示すように、17個の発光素子Eが長手方向LGDにピッチPe1(=60[μm])で直線的に並んで1行の発光素子行ERが構成されており、しかも、1個の発光素子グループEGは、幅方向LTDにおいて異なる位置に配置された4行の発光素子行ER1〜ER4から構成されている。
ちなみに、発光素子Eの直径を27.5[μm]とした理由は次のとおりである。つまり、発光素子Eからの光が倍率β(主走査方向倍率)で結像されて、スポットが感光体ドラム21表面に形成される。この際、解像度1200〜4800dpi(dot per inch)の高解像度露光を実現するにあたっては、スポットの主走査方向MDへの直径は、10〜30[μm]以下とする必要がある。一方、後述するように、本実施形態の結像光学系では、主走査方向MDへの倍率βの絶対値が0.7倍〜0.8倍に設定される。したがって、発光素子Eの主走査方向MDへの直径は、スポットの主走査方向MDへの直径を、主走査方向MDへの倍率βで除算した値に概ね設定すると良い。そこで、発光素子Eの直径を27.5[μm]としたのである。なお、スポットの主走査方向MDへの直径は、スポットのビームプロファイルにおいてピークの半値以上となる範囲の主走査方向MDへの直径として求めることができる。
また、この発光素子Eの直径Deは、アモルファスシリコン感光体21の感光層の厚みT21と、結像光学系の倍率の絶対値|β|との間に次式、
T21<|β|×De …式1
を満たす。
図7を用いて、発光素子グループEGにおける、発光素子Eのより詳細な配置態様について説明を続ける。発光素子行ER1と発光素子行ER2とは、長手方向LGDにピッチPe2(=Pe1/2)だけ互いにシフトしており、その結果、発光素子行ER1に属する発光素子Eと発光素子行ER2に属する発光素子Eとが交互に、長手方向LGDにピッチPe2で千鳥状に並んでいる。また、同様に、発光素子行ER3と発光素子行ER4とは、長手方向LGDにピッチPe2だけ互いにシフトしており、その結果、発光素子行ER3に属する発光素子Eと発光素子行ER4に属する発光素子Eとが交互に、長手方向LGDにピッチPe2で千鳥状に並んでいる。また、発光素子行ER1、ER2の発光素子Eから成る千鳥配置ZA12と発光素子行ER3、ER4の発光素子Eから成る千鳥配置ZA34とは、長手方向LGDにピッチPe3(=Pe2/2)だけ互いにシフトしている。その結果、発光素子行ER2、ER4、ER1、ER2に属する4個の発光素子Eがこの順番で周期的に、長手方向LGDにピッチPe3で並んでいる。
ここで、例えば、長手方向LGDへの発光素子Eのピッチは、当該ピッチで並ぶ2個の発光素子E、Eそれぞれの幾何重心間の長手方向LGDへの距離として求めることができる。
また、発光素子グループEGにおける、4行の発光素子行ER1〜ER4それぞれの間の幅方向LTDへの距離Dr12、Dr23、Dr34は次の通りである。つまり、発光素子行ER1と発光素子行ER2との距離Dr12と、発光素子行ER2と発光素子行ER3との距離Dr23と、発光素子行ER3発光素子行ER4との距離Dr34とは、整数比を満たす。すなわち次式、Dr12:Dr23:Dr34=l:m:n(l、m、nは正の自然数)が満足される。特に、本実施形態では、Dr12:Dr23:Dr34=l:m:n=2:3:2となっている。
ここで、例えば、距離Dr12は、発光素子行ER1の発光素子Eの幾何重心を通って長手方向LGDに平行な仮想直線と、発光素子行ER2の発光素子Eの幾何重心を通って長手方向LGDに平行な仮想直線との間の幅方向LTDへの距離として求められる。距離Dr23、Dr34についても同様にして求めることができる。
また、発光素子グループEGの幅方向LTDの一方側には、発光素子行ER1、ER2に属して千鳥配置ZA12を構成する複数の発光素子Eを駆動するための駆動回路DC1、DC2が配置されている。具体的には、発光素子行ER1の発光素子Eを駆動する駆動回路DC1と、発光素子行ER2の発光素子Eを駆動する駆動回路DC2とが長手方向LGDに交互に並んでいる。これら駆動回路DC1、DC2、…は、ピッチPdc(>Pe2)で長手方向LGDに直線的に並んでいる。駆動回路DC1、DC2のそれぞれは、TFT(thin film transistor)から構成されており、後述するドライバーIC295により書き込まれた信号値を一時的に保持し(具体的には、信号値としての電圧値を容量に記憶し)、当該信号値に応じた駆動電流を発光素子Eに供給するものである。
また、幅方向LTDにおいて、千鳥配置ZA12を構成する発光素子Eと駆動回路DC1、DC2、…との間には、複数のコンタクトCTが形成されている。これら複数のコンタクトCTは、千鳥配置ZA12を構成する複数の発光素子Eに対して一対一の対応関係で隣接して設けられており、これら複数の発光素子Eと同じピッチPe2で長手方向LGDに直線的に並んでいる。そして、千鳥配置ZA12を構成する各発光素子Eと、当該発光素子Eに隣接するコンタクトCTとが配線WLa(図7の破線)で接続される。なお、図7に示すように、発光素子行ER1の発光素子EとコンタクトCTとを接続する配線Wlaは略一定の幅を有している。これに対して、発光素子行ER2の発光素子EとコンタクトCTとを接続する配線Wlaの幅は一定ではなく、発光素子E側の先端部分が細くなっている。これは、発光素子行ER1の発光素子Eの間を抜けて、発光素子行ER2の発光素子Eにまで配線WLaを通すためである。
そして、発光素子行ER1の発光素子Eに接続されたコンタクトCTと、駆動回路DC1とが配線WLbで接続される。また、発光素子行ER2の発光素子Eに接続されたコンタクトCTと、駆動回路DC2とが配線WLbで接続される。そして、これらの配線経路を介して、駆動回路DC1、DC2はそれぞれ対応する発光素子Eに駆動電流を供給する。なお、図7に示すように、千鳥配置ZA12を構成する複数の発光素子Eのうち、長手方向LGDの両端部に2個ずつ形成された発光素子Eには駆動回路DC1、DC2が接続されていない。つまり、これらの発光素子Eは、駆動電流が供給されず、実際には発光しないダミー素子である。
また、同様に、発光素子グループEGの幅方向LTDの他方側にも、複数の駆動回路が長手方向LGDにピッチPdc(>Pe2)で並んでいる。これら駆動回路DC3、DC4は、発光素子行ER3、ER4に属して千鳥配置ZA34を構成する複数の発光素子Eを駆動するために設けられたものであり、駆動回路DC3、DC4と発光素子行ER3、ER4(千鳥配置ZA34)との関係は、上述した駆動回路DC1、DC2と発光素子行ER1、ER2(千鳥配置ZA12)との関係と同様であるので、説明を省略する。
このように、発光素子グループEGの発光素子Eには、駆動回路DC1〜DC4が接続されており、駆動回路DC1〜DC4からの駆動電流の供給を受けて、各発光素子Eは光を射出する。この駆動回路DC1〜DC4による電流供給は、ラインヘッド29が備える電気的構成により制御される。
図8は、ラインヘッドの電気的構成を示すブロック図である。図8に示すように、ラインヘッド29の電気的構成は、上述した駆動回路DC1〜DC4以外に、データ転送基板TBと複数のドライバーIC295とを備える。データ転送基板TBは、ヘッドコントローラーHCから受信したビデオデータVDを各ドライバーIC295に転送する。また、各ドライバーIC295は、ビデオデータVD(具体的には、電圧値に変換されたビデオデータVD)を駆動回路DC1〜DC4に書き込んで、発光素子Eの発光制御を行う。この際、ドライバーIC295は、発光素子Eの劣化や温度特性等に応じて補正したビデオデータVDを駆動回路DC1〜DC4に書き込んでも良い。また、この書き込み動作は、いわゆる時分割駆動によって実行しても良い。ちなみに、データ転送基板TBは、ヘッドコントローラーHCから供給された電源Vddを、ヘッド基板293(の駆動回路DC1〜DC4)に給電する機能も果たす。
以上がラインヘッド29の概略的な構成である。続いて、レンズLS1、LS2で構成される結像光学系の具体的例について説明する。なお、以下の説明では適宜、主走査方向MDに対応する方向として主方向(あるいは主方向x)との表現を用い、副走査方向SDに対応する方向として副方向(あるいは副方向y)との表現を用いることとする。
図9〜図13は、結像光学系の構成を示すデータである。つまり、図9は、結像光学系のレンズデータであり、図10は、図9のS4面の面形状を与えるデータであり、図11は、図9のS7面の面形状を与えるデータであり、図12は、結像光学系の主方向断面における光路図であり、図13は、結像光学系の副方向断面における光路図である。また、図14は、図12および図13の光路を求めるにあたって用いた値等を表としてまとめた図である。
図9〜図13から判るように、面S1は、ヘッド基板293としてのガラス基板の裏面(有機EL素子が形成された面)であり、面S2は、ヘッド基板293としてのガラス基板の表面であり、面S3は、開口絞りであり、面S4は、樹脂レンズLS1のレンズ面であり、面S5は、樹脂レンズLS1と当該樹脂レンズLS1が形成されたガラス基板SB1の裏面との境界であり、面S6は、ガラス基板SB1の表面であり、面S7は、樹脂レンズLS2のレンズ面であり、面S8は、樹脂レンズLS2と当該樹脂レンズLS2が形成されたガラス基板SB2のレンズ面であり、面S9は、ガラス基板SB2の表面であり、面S10は像面(感光体ドラム21表面)である。
以上のデータ(特に図14の表)に示すように、この結像光学系の主走査方向MDへの倍率βは−0.7056であり、当該倍率βの絶対値が0.7倍以上でかつ0.8倍以下に設定されている。以下では、このように倍率を設定する理由について説明する。
図15〜図23は、倍率βの絶対値|β|を0.60倍〜1.00倍にまで変化させた際のスポットダイアグラムをシミュレーションによって求めた結果であり、より詳しくは、図15は|β|=0.60倍に対応し、図16は|β|=0.65倍に対応し、図17は|β|=0.70倍に対応し、図18は|β|=0.75倍に対応し、図19は|β|=0.80倍に対応し、図20は|β|=0.85倍に対応し、図21は|β|=0.90倍に対応し、図22は|β|=0.95倍に対応し、図23は|β|=1.00倍に対応する。
また、図24は、|β|=0.7倍の結像光学系のレンズデータであり、図25は、図24のS4面の面形状を与えるデータであり、図26は、図24のS7面の面形状を与えるデータであり、図27は、|β|=0.7倍の結像光学系の主方向断面における光路図であり、図28は、|β|=0.7倍の結像光学系の副方向断面における光路図である。
また、図29は、|β|=0.8倍の結像光学系のレンズデータであり、図30は、図29のS4面の面形状を与えるデータであり、図31は、図29のS7面の面形状を与えるデータであり、図32は、|β|=0.8倍の結像光学系の主方向断面における光路図であり、図33は、|β|=0.8倍の結像光学系の副方向断面における光路図である。
図24〜図33から判るように、面S1は、ヘッド基板293としてのガラス基板の裏面(有機EL素子が形成された面)であり、面S2は、ヘッド基板293としてのガラス基板の表面であり、面S3は、開口絞りであり、面S4は、樹脂レンズLS1のレンズ面であり、面S5は、樹脂レンズLS1と当該樹脂レンズLS1が形成されたガラス基板SB1の裏面との境界であり、面S6は、ガラス基板SB1の表面であり、面S7は、樹脂レンズLS2のレンズ面であり、面S8は、樹脂レンズLS2と当該樹脂レンズLS2が形成されたガラス基板SB2のレンズ面であり、面S9は、ガラス基板SB2の表面であり、面S10は像面(被露光面)である。ちなみに、ヘッド基板293、ガラス基板SB1、SB2としては、SCHOTT BK7を用いた。
また、図34は、結像光学系のシミュレーションに用いたデータを表として示した図であり、図35は、図34のデータWsm、Wssの説明図である。つまり、結像光学系が、発光素子グループEGのダミー素子以外の各発光素子Eからの光を結像することで、複数のスポットSPから成るスポットグループSGが形成される(図35)。そして、像側スポットグループ主方向全幅Wsmが0.582[mm]、像側スポットグループ副方向全幅Wssが0.063[mm]、像側開口数が0.3038という条件を満たすように、以上のシミュレーションは行なわれた。
図15〜図23が示すように、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|が0.85倍から大きくなるに連れて、スポットダイアグラムが大きくなって、収差が大きくなっているのが判る。逆に、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|が0.8倍以下では、スポットダイアグラムは小さく、収差が小さく抑えられているのが判る。そこで、この実施形態では、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|は0.8倍以下に設定される。ただし、この値をあまりに小さくすると、光利用効率が低下して、スポット形成に供する光量を十分に確保できないおそれがある。そこで、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|の下限は次のようにして求められた。
図36は、主走査方向への倍率の絶対値(横軸)に対する光利用効率(縦軸)をグラフで示した図である。また、ここでは、光が利用されないことで生じるエネルギー損失を、図37で示した。なお、図37は、主走者方向への倍率の絶対値(横軸)に対するエネルギー損失(縦軸)をグラフで示した図である。
図36に示すように、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|が0.70倍未満になると、光の利用効率が5[%]を下回っているのが判る。逆に、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|が0.70倍以上では、5[%]以上の光利用効率を実現して、スポット形成に供する光量を十分に確保できるのが判る。また、付け加えると、図37から次のことが判る。つまり、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|が0.70倍未満になると、エネルギー損失が95[%]より大きくなっており、この損失分のエネルギーの一部が熱となることで、有機EL素子である発光素子Eの熱劣化が加速されるおそれがある。これらを踏まえて、この実施形態では、主走査方向MDへの倍率の絶対値|β|は0.7倍以上に設定される。
このように本実施形態では、結像光学系の主走査方向MDの倍率が0.8倍以下であるため、結像光学系の収差を小さく抑えることが可能となるとともに、結像光学系の主走査方向MDの倍率が0.7倍以上であるため、光利用効率の低下を抑えて、スポット形成に供する光量を十分に確保することが可能となっている。その結果、高精細な静電潜像の実現が図られている。
ところで、特許文献1でも指摘されているとおり、本実施形態のようにアモルファスシリコン感光体を感光体ドラム21として用いた場合、感光体ドラム21に残存キャリアが生じてしまい、良好な画像形成ができないおそれがあった。これについて、図38を用いて説明する。ここで、図38は、本実施形態のアモルファスシリコン感光体ドラムの分光感度特性を示す図である。同図に示すとおり、このような感光体ドラム21は、750[nm]以上の長波長領域(同図斜線領域)において残存キャリアの発生が顕著となり、その結果、画像メモリー効果が生じやすい。したがって、発光素子Eとして、この長波長領域の成分を多く含む波長分布を有する素子を用いた場合、良好な画像形成が実行できないおそれがあった。
これに対して、本実施形態では、発光素子Eとして有機EL素子(有機EL発光素子)を用いている。つまり、長波長成分を少なくすることができる有機EL素子を用いることで、残存キャリアの発生を抑制しているのである。その結果、本実施形態では、良好な画像形成が実現可能となっている。この点について、図39を用いてより具体的に説明する。
図39は、有機EL素子(同図上段)およびLED(同図下段)の波長分布を示す図である。図39に示すように、LED(Light Emitting Diode)の波長分布は、750[nm]以上で800[nm]以下の範囲に単一の大きなピークを有するのに対して、有機EL素子の波長分布は、600[nm]以上で650[nm]以下の範囲に1番高いピーク(最大ピーク)を有する。つまり、LEDの波長分布と比較して、有機EL素子の波長分布は750[nm]以上の長波長成分が極めて少ない。このように、残存キャリアの発生が顕著となる長波長領域(750[nm]以上の領域)よりも十分に短い波長範囲に、波長分布のピークを持つ有機EL素子を用いることで、残存キャリアの発生を抑えて、良好な画像形成の実現を図ることができる。なお、このような有機EL素子は、例えば、特開平10−237439号公報に記載の技術を用いて作製することができる。
また、ビームプロファイル(発光プロファイル)という観点からも、LEDと比較して有機EL素子は、良好な画像形成にとって有利である。図40は、有機EL素子(同図上段)およびLED(同図下段)のビームプロファイルの主走査方向断面を示す図である。LEDのプロファイルは、中央を対称軸として概ね対称な形状を有する2つのピークを有している。これは、中央部分に形成された電極の両側を抜けた光がそれぞれピークを形成するためである。そして、各ピークは比較的なだらかな広がり持っている。この理由の1つは、LEDチップ周辺のボンディングワイヤなどに光が散乱されることにある。そして、LEDがブロードなプロファイルを有することから、LEDからの光を結像して得られるスポットSPのビームプロファイルもなだらかな広がりを持つこととなり、その結果、LEDでは小径のスポットSPを形成することが困難であった。一方、有機EL素子では光の散乱はほとんど生じず、その結果、有機EL素子のプロファイルは、強度分布がフラットであるとともにエッジが極めてシャープである。そのため、有機EL素子からの光を結像することで、くっきりとした輪郭の小径なスポットSPを容易に形成することができる。その結果、高精細な静電潜像の形成が可能となり、高解像度の画像を良好に形成することができる。
しかも、本実施形態の画像形成装置1は、このような有機EL素子からの光を、2枚のレンズLS1、LS2で構成された結像光学系により結像しているため、より小径なスポットSPを形成することができる(図41)。図41は、2枚のレンズで構成された結像光学系により有機EL素子からの光を結像して形成されるスポットのビームプロファイル(同図上段)と、屈折率分布型ロッドレンズで構成された結像光学系によりLED素子からの光を結像して形成されるスポットのビームプロファイル(同図下段)それぞれの主走査方向断面である。LEDからの光を屈折率分布型ロッドレンズで結像して形成されるスポットSPのビームプロファイルは、比較的なだらかな広がりを持つのが判る。これに対して、有機EL素子からの光を2枚のレンズLS1、LS2で結像して形成されるスポットSPのビームプロファイルは、矩形に近い強度分布を示しており、比較的シャープな裾を持つため、小径化が容易という利点を有する。その結果、極めて高精細な静電潜像の形成が可能となり、高解像度の画像を良好に形成することができる。
図42は、以上の構成を備える画像形成装置で形成した文字画像を示す図である。同図では、黒抜き文字(同図上段)と白抜き文字(同図下段)とが示されており、また、各段において、小さい方の文字は2ポイントの文字であり、大きい方の文字は3ポイントの文字である。また、解像度は2400dpiである。同図の画像より、有機EL素子からの光を2枚のレンズLS1、LS2で結像するラインヘッド29を用いることにより、黒抜き文字(ポジ)および白抜き文字(ネガ)の両方の文字に対して、十分に解像できていることが判る。
また、本実施形態の画像形成装置1は、さらに以下の点においても有利な構成を備えている。つまり、この画像形成装置では、結像光学系を構成する2枚のレンズLS1、LS2のうち像側のレンズLS2が主走査方向と副走査方向で曲率が異なり、結像光学系がアナモルフィックである。これにより、図7のように発光素子グループEGにおいて複数の発光素子Eが主走査方向MDに細長く配列されていても、収差を小さく抑えて、極めて高精細な静電潜像の形成が可能となる。
また、上述のとおり本実施形態では、アモルファスシリコン感光体21の感光層の厚みT21と、結像光学系の倍率の絶対値|β|との間に次式、
T21<|β|×De …式1
が成立しており、アモルファスシリコン感光体が有する感光層の厚みT21は、結像光学系の倍率の絶対値に発光素子の直径を乗じた値以下である。したがって、ぼやけの少ないシャープなエッジを有するスポット形成が容易となり、高精細な静電潜像を簡便に形成することができる。ちなみに、有機EL素子E(の発光面)の形状は上述したような円形に限られず、例えば楕円やその他の形状であっても良い。この場合は、感光体ドラム21の軸方向(主走査方向MD)における有機EL素子E(の発光面)の長さに、結像光学系の倍率の絶対値|β|を乗じた値が、感光層の厚みT21より大きくなるようにすれば良い(換言すれば、感光体ドラム21の軸方向(主走査方向MD)における有機EL素子E(の発光面)の長さをDeとして扱って、式1を満たすように構成すれば良い)。これにより、同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、粒径が3[μm]以下のトナーにより静電潜像を現像するように現像器24を構成することで、小粒径のトナーにより静電潜像を現像して、高精細な画像の形成が容易となる。
特に、上記実施形態のように、液体現像剤を用いることで、さらに小粒径(粒経1[μm]程度)のトナーにより静電潜像を現像することが可能となり、より高精細な画像の形成が容易となる。
また、有機EL素子は、発光部の形状を比較的自由に形成することができる。この点においても、有機EL素子は高精細な静電潜像形成に有利であり、かかる有機EL素子を用いることで良好な画像形成を図ることができる。
その他
以上のように、上記実施形態では、感光体ドラム21が本発明の「アモルファスシリコン感光体」に相当し、現像器24が本発明の「現像部」に相当し、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当し、レンズLS1、LS2とが協働して本発明の「結像光学系」として機能し、レンズLS1が本発明の「第1のレンズ」に相当し、レンズLS2が本発明の「第2のレンズ」に相当している。また、主走査方向MDが本発明の「軸方向」に対応している。また、本発明における「軸方向と直交する方向」とは、感光体ドラム表面の露光ヘッドからの光の照射点での接線方向であり、感光体ドラムが軸を中心に回転するときの感光体ドラム表面の移動方向すなわち、本実施形態の副走査方向SDに対応する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。つまり、例えば、レンズアレイLA1、LA2それぞれの構成(レンズの配置態様、レンズの形成位置等)を適宜変更することができる。
さらに言えば、上記実施形態では、結像光学系を2枚のレンズLS1、LS2で構成していたが、結像光学系の構成はこれに限られず、特開2006−44023号公報に記載されているような日本板硝子株式会社製のセルフォック(登録商標)レンズ(屈折率分布型ロッドレンズ)により結像光学系を構成しても良い。そして、かかる構成においては、長波長成分を少なくすることができる有機EL素子からの光を屈折率分布型ロッドレンズにより結像することで、アモルファスシリコン感光体での残存キャリアの発生を抑制して、良好な画像形成を実現することができる。
また、屈折率分布型ロッドレンズを用いた構成においても、ビームプロファイル(発光プロファイル)という観点から、LEDと比較して有機EL素子は、良好な画像形成にとって有利である。図43は、有機EL素子(同図上段)およびLED(同図下段)のビームプロファイルを示す図である。ここで、同図上段では、主走査方向MDへ2行千鳥で並べられた有機EL素子のビームプロファイルが示され、同図下段では、主走査方向MDへ直線的に並べられたLEDのビームプロファイルが示されている。LEDのプロファイルは、比較的ブロードな分布を持っている。この理由の1つは、上述の図40を用いた説明と同様に、LEDチップ周辺のボンディングワイヤなどに光が散乱されることにある。一方、有機EL素子では、このような光の散乱はほとんど見られない。
そして、このような有機EL素子からの光を、屈折率分布型ロッドレンズにより結像することで、小径なスポットSPを形成することができる。図44は、有機EL素子からの光を結像して形成されるスポットのビームプロファイル(同図上段)と、LED素子からの光を結像して形成されるスポットのビームプロファイル(同図下段)それぞれの主走査方向断面である。LEDからの光を結像して形成されるスポットSPのビームプロファイルは、比較的なだらかな広がりを持つのが判る。これに対して、有機EL素子からの光を結像して形成されるスポットSPのビームプロファイルは、矩形に近い強度分布を示しており、比較的シャープな裾を持つため、小径化が容易という利点を有する。具体的に数値を示すと、主走査方向MDに20[μm]で副走査方向SDに30[μm]の大きさの長方形状を有するLEDの光を結像して、主走査方向MDに53[μm]の直径のスポットが形成されるのに対して、直径27.5[μm]の円形状を有する有機EL素子の光を結像して、主走査方向MDに47[μm]の直径のスポットが形成される。ここで、主走査方向MDへの直径は、強度が1/e×eとなる領域の主走査方向MDへの長さである(eは自然対数の底)。このように、LEDと比較して有機EL素子は、小径なスポットを形成するのに有利であるため、極めて高精細な静電潜像の形成が可能となり、高解像度の画像を良好に形成することができる。
また、上述した実施形態では、発光素子Eとしてボトムエミッション型の有機EL素子が用いられている。しかしながら、トップエミッション型の有機EL素子を発光素子Eとして用いても良い。
また、発光素子グループEGを構成する発光素子Eの個数や、各発光素子Eの配置態様も適宜変更可能である。
21…感光体ドラム、24…現像器、 29…ラインヘッド、 E…発光素子、 EG…発光素子グループ、 293…ヘッド基板、 LA1,LA2…レンズアレイ、 LS1,LS2…レンズ、 297…遮光部材、 MD…主走査方向、 LGD…長手方向LGD

Claims (7)

  1. 軸を有するアモルファスシリコン感光体ドラムと、
    600[nm]以上で650[nm]以下の範囲にピーク波長を有する光を発光する有機EL発光素子、および前記有機EL発光素子が発光する光を結像して前記アモルファスシリコン感光体に照射する結像光学系を有する露光ヘッドと、
    前記露光ヘッドが照射した光によって前記アモルファスシリコン感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記結像光学系は、第1のレンズおよび第2のレンズを有し、前記有機EL発光素子が発光した光は、前記第1のレンズを透過した後に前記第2のレンズを透過して前記アモルファスシリコン感光体ドラムに照射される請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記結像光学系は、前記軸方向と前記軸方向に直交する方向とで倍率が異なる請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記アモルファスシリコン感光体ドラムが有する感光層の厚みは、前記結像光学系の前記軸方向の倍率の絶対値に前記有機EL発光素子の発光部の前記第軸方向の長さを乗じた値以下である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記結像光学系の前記軸方向の倍率の絶対値は、0.7倍以上かつ0.8倍以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記現像部は、粒径が3[μm]以下のトナーにより前記静電潜像を現像する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記現像部は、液体現像剤により前記静電潜像を現像する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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