JP2012218344A - 露光ヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの光のスポットの副走査方向への距離が結像光学系でばらつくことを抑えて、適切な露光を実現可能とする。
【解決手段】第1の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第1の光を照射するとともに第2の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第2の光を照射する第1の結像光学系と、第3の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第3の光を照射するとともに第4の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第4の光を照射する第2の結像光学系と、を備え、第1の光と第2の光の第1の方向への潜像担持体での距離が、第3の光と第4の光の第1の方向への潜像担持体での距離と等しくなるように、第1の結像光学系の結像倍率と、第2の結像光学系の結像倍率との関係が設定されている。
【選択図】図7
【解決手段】第1の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第1の光を照射するとともに第2の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第2の光を照射する第1の結像光学系と、第3の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第3の光を照射するとともに第4の発光素子が発光する光を結像して潜像担持体に第4の光を照射する第2の結像光学系と、を備え、第1の光と第2の光の第1の方向への潜像担持体での距離が、第3の光と第4の光の第1の方向への潜像担持体での距離と等しくなるように、第1の結像光学系の結像倍率と、第2の結像光学系の結像倍率との関係が設定されている。
【選択図】図7
Description
この発明は、発光素子が射出した光を結像光学系により結像して、感光体ドラム等の潜像担持体に光を照射する画像形成装置に関するものである。
特許文献1では、回転軸で回転する円筒形状の感光体ドラムに、露光ヘッドを用いて露光する画像形成装置が記載されている。この露光ヘッドは、複数の結像光学系を感光体ドラムの回転軸に平行もしくは略平行な主走査方向に配置するとともに、これら結像光学系それぞれに対して、結像される光を発光する複数の発光素子で構成される発光素子グループを対向させた構成を備える。そして、発光素子グループの各発光素子が発光すると、当該発光素子グループに対向する結像光学系がこれら発光素子からの光を結像して、複数の光のスポットからなるスポットグループを感光体ドラムの周面に形成する。
特に、特許文献1の画像形成装置では、これら複数の結像光学系は、副走査方01向において互いに異なる位置で3個の結像光学系が感光体ドラム周面に対向している。したがって、感光体ドラム周面では、副走査方向において互いに異なる位置に3個のスポットグループが形成されることとなる。
ちなみに、特許文献1の発光素子グループは、複数の発光素子を、主走査方向に一列ではなくて千鳥状に並べたものである。したがって、発光素子グループは、副走査方向の両端に位置する発光素子の間の距離に相当する幅を、副走査方向に有することとなる。そして、発光素子グループの発光素子を同時に発光させたときに結像光学系が発光素子グループからの光を結像することで得られるスポットグループも、副走査方向の両端に形成されるスポットの間の距離に相当する幅(副走査幅)を、感光体ドラム周面において副走査方向に有することとなる。
ところで、円筒形状の潜像担持体(感光体ドラム)の周面は、副走査方向に曲率を有している。そして、特許文献1では、このような潜像担持体周面に対して、複数(特許文献1では3個)の結像光学系を副走査方向の互いに異なる位置で対向させている。したがって、結像光学系とこれが対向する潜像担持体周面の関係を見たとき、潜像担持体の周面から離れた結像光学系ほど、より大きく傾く潜像担持体周面に対向することとなる。その結果、スポットグループの両端に位置する2つの光のスポットの副走査方向における距離が、結像光学系毎に異なる値となり、潜像担持体の適切な露光が困難になる場合があった。この様な課題に対し特許文献1では、副走査方向におけるスポットの距離の差について、特に考慮されていない。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、副走査方向の異なる位置に配された複数の結像光学系により潜像担持体を露光する画像形成装置において、1の結像光学系で結像された2つの光のスポットの副走査方向への距離が結像光学系毎に異なる値となることを抑えた画像形成を行うことを目的とする。
この発明にかかる露光ヘッドは、上記目的を達成するために、光を発光する第1の発光素子、第1の発光素子の第1の方向に配されて光を発光する第2の発光素子、第2の発光素子の第1の方向に配されて光を発光する第3の発光素子、第3の発光素子の第1の方向に配されて光を発光する第4の発光素子を有する発光素子基板と、第1の方向に第1の光学倍率を有して第1の発光素子が発光する光を第1の方向に曲率を有する被露光面に結像するとともに第2の発光素子が発光する光を第1の方向に曲率を有する被露光面に結像する第1の結像光学系、及び第1の方向に第1の光学倍率と異なる第2の光学倍率を有して第1の結像光学系の第1の方向に配されて第3の発光素子が発光する光を第1の方向に曲率を有する被露光面に結像するとともに第4の発光素子が発光する光を第1の方向に曲率を有する被露光面に結像する第2の結像光学系を有するレンズアレイと、を備える。
ちなみに、この発明にかかる露光ヘッドは、第1の発光素子及び第3の発光素子は、第1の発光素子と被露光面との間の距離が第3の発光素子と被露光面との間の距離よりも短くなる位置に配設された時、第1の結像光学系の第1の光学倍率の絶対値を第2の光学系の第2の光学倍率の絶対値よりも大きくする構成にしても良い。
また、この発明にかかる画像形成装置は、回転軸で回転して周面を第1の方向に移動させるとともに、潜像が形成される潜像担持体ドラムと、光を発光する第1の発光素子、第1の発光素子の第1の方向に配されて光を発光する第2の発光素子、第2の発光素子の第1の方向に配されて光を発光する第3の発光素子、第3の発光素子の第1の方向に配されて光を発光する第4の発光素子を有する発光素子基板と、第1の方向に第1の光学倍率を有して第1の発光素子が発光する光を潜像担持体ドラムに結像するとともに第2の発光素子が発光する光を潜像担持体ドラムに結像する第1の結像光学系、及び第1の方向に第1の光学倍率と異なる第2の光学倍率を有して第1の結像光学系の前記第1の方向に配されて第3の発光素子が発光する光を潜像担持体ドラムに結像するとともに第4の発光素子が発光する光を潜像担持体ドラムに結像する第2の結像光学系を有するレンズアレイとを備え、潜像担持体に潜像を形成する露光部と、露光部で潜像担持体ドラムに形成された潜像を現像する現像部と、を備える。
ちなみに、この発明にかかる画像形成装置は、第1の発光素子と第3の発光素子とを、第1の発光素子と像担持体ドラムの回転中心との間の距離が第3の発光素子と像担持体ドラムの回転中心との間の距離よりも短くなる位置に配設するとともに、第1の結像光学系の第1の光学倍率の絶対値を第2の光学系の第2の光学倍率の絶対値よりも大きくする構成にしても良い。
ところで、第1の発光素子、第2の発光素子、第3の発光素子、及び発光素子を同時に発光させた時、第1の発光素子が発光した光が潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置と第2の発光素子が発光した光が潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置との間の第1の方向の像担持体ドラムの周面距離が、第3の発光素子が発光した光が潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置と第4の発光素子が発光した光が潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置との間の第1の方向の像担持体ドラムの周面距離と等しいか略等しい距離となる第1の光学倍率及び第2の光学倍率を有する構成としても良い。ここで、略等しいとは距離の誤差が±0.001[mm]の範囲に収まる領域である。
また、この発明の第1の結像光学系もしくは第2の結像光学系は回転対称ではないレンズ面を有するレンズを備えていても良く、また、結像光学系および前記第2の結像光学系は像担持体ドラム側がテレセントリックな構成であっても良い。
また、第1の結像光学系および第2の結像光学系に対応する光源画素の副走査方向への配列間隔を等間隔に配置しても良い。なお、この際、第1の結像光学系および第2の結像光学系は、倒立像を結像するものであっても良く、また、縮小像を結像するものであっても良い。
また、第1の結像光学系および第2の結像光学系に対応する光源画素の副走査方向への配列間隔を等間隔に配置しても良い。なお、この際、第1の結像光学系および第2の結像光学系は、倒立像を結像するものであっても良く、また、縮小像を結像するものであっても良い。
ところで、この発明の発光素子基板は、第1の発光素子の第2の発光素子が配設された第1の方向と反対方向の第2の側に配設される第5の発光素子、及び第5の発光素子の第2の側に第6の発光素子を有し、レンズアレイは、第1の結像光学系の第2の側に配設されて第5の発光素子から発光される光及び第6の発光素子から発光される光を結像する第3の結像光学系を有する構成であっても良い。
本発明の構成によれば、副走査方向の異なる位置に配された複数の結像光学系により潜像担持体を露光する画像形成装置において、1の結像光学系で結像された2つの光のスポットの副走査方向への距離が結像光学系で異なる値となることを抑えた画像形成を行うことが可能となる。
また、本発明の構成によれば、光源回路の簡略化、潜像形成のための光量確保、もしくはスポット位置の安定化を図ることが可能となる。
また、本発明の構成によれば、光源回路の簡略化、潜像形成のための光量確保、もしくはスポット位置の安定化を図ることが可能となる。
本発明の実施例に適用可能な形態の概要を以下に示す。図1は本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図2は図1の装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、互いに異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。そして、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能となっている。
この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号を与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、ヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメーター値とに基づき、各色の画像形成ステーション2Y、2M、2C、2Kそれぞれのラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート状の記録媒体RMに画像形成指令に対応する画像を形成する。
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kは、トナー色を除けばいずれも同じ構造および機能を有している。そこで、図1では、図を見やすくするために、画像形成ステーション2Cを構成する各部品にのみ符号を付し、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kに付すべき符号については記載を省略する。また、以下の説明では、図1に付した符号を参照して画像形成ステーション2Cの構造および動作を説明するが、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kの構造および動作も、トナー色が異なることを除けば同じである。
画像形成ステーション2Cには、シアン色のトナー像がその周面に形成される感光体ドラム21が設けられている。感光体ドラム21は、図1中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。
感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21周面を所定の電位に帯電させるコロナ帯電器である帯電器22と、感光体ドラム21表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成するラインヘッド29と、ラインヘッド29で形成された該静電潜像をトナー像として顕像化する現像器24と、現像器24で現像された像をスクイーズする第1スクイーズ部25と、第1スクイーズ部25でスクイーズされた像をスクイーズする第2スクイーズ部26と、第2のスクイーズ部26でスクイーズされた像を転写する転写部(TR1c)と、転写部(TR1c)で転写された感光体ドラム21の周面をクリーニングするクリーニングユニットとが、それぞれこれらの順に感光体ドラム21の回転方向D21(図1では、時計回り)に沿って配設されている。
帯電器22は2つのコロナ帯電器221、222で構成されており、感光体ドラム21の回転方向D21においてコロナ帯電器221がコロナ帯電器222に対して上流側に配置されており、2つのコロナ帯電器221、222により2段階で帯電されるように構成されている。各コロナ帯電器221、222は同一構成であり、感光体ドラム21の表面に接触しないものであり、スコロトロン帯電器である。
そして、コロナ帯電器221、222により帯電された感光体ドラム21表面に対して、ラインヘッド29がヘッド制御信号に基づいて静電潜像を形成する。つまり、ヘッドコントローラーHCがラインヘッド29にヘッド制御信号を送信すると、このヘッド制御信号に基づいて各発光素子Eが発光する。これにより、感光体ドラム21表面が露光されて、画像信号に対応した静電潜像が形成される。なお、ラインヘッド29の構成および動作の詳細は後述する。
こうして形成された静電潜像に対して現像器24からトナーが付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。この画像形成装置1の現像器24は、現像ローラー241を有している。この現像ローラー241は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。この現像ローラー241は現像用モーターに接続され、図1紙面において反時計回りに回転駆動されて感光体ドラム21に対してウィズ回転する。また、この現像ローラー241は図示を省略する現像バイアス発生部(定電圧電源)と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
現像剤貯留部に貯留される現像剤はトナー及び液体キャリアを含む液体現像剤であり、従来一般的に使用されている、Isopar(登録商標:エクソン)を液体キャリアとした低濃度(トナー濃度1〜2wt%)かつ低粘度の常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性の液体現像剤、すなわち、樹脂中へ顔料などの着色剤を分散させた平均粒径1μmのトナーを、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー濃度を15〜25%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤が用いられる。
液体現像剤が供給された現像ローラー241の周面は、感光体ドラム21の周面と同方向に移動するように回転して現像ローラー241の周面に担持された液体現像剤を現像位置に搬送する。
また、現像器24では、この現像ローラー241の回転方向において現像位置の上流側にトナー帯電コロナ発生器242が現像ローラー241に対向して配置されている。このトナー帯電コロナ発生器242は現像ローラー241の周面に担持された液体現像剤中のトナーを帯電させる電界印加手段であり、定電流電源で構成されたトナーチャージ発生部(図示省略)と電気的に接続されている。そして、トナー帯電コロナ発生器242に対してトナーチャージバイアスが与えられると、現像ローラー241によって搬送される液体現像剤のトナーに対して、このトナー帯電コロナ発生器242と近接する位置で電界が印加され、トナーの帯電が施される。なお、このトナー帯電には、電界印加によるコロナ放電に代えて、接触して帯電させるトナー帯電ローラーを用いてもよい。
また、このように構成された現像器24は感光体ドラム21上の潜像を現像する現像位置と感光体ドラム21から離れた退避位置との間で往復可能となっている。したがって、現像器24が退避位置に移動して位置決めされると、その間、シアン用の画像形成ステーション2Cでは、感光体ドラム21への新たな液体現像剤の供給は停止される。
感光体ドラム21の回転方向D21において現像位置の下流側に、第1スクイーズ部25が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部25の下流側に第2スクイーズ部26が配置されている。これらのスクイーズ部25、26にはスクイーズローラー251、261がそれぞれ設けられている。そして、スクイーズローラー251が第1スクイーズ位置で感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰現像剤を除去する。また、感光体ドラム21の回転方向D21において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置でスクイーズローラー261が感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰液体キャリアやカブリトナーを除去する。また、スクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー251、261に対して図示省略するスクイーズバイアス発生部(定電圧電源)が電気的に接続されており、適当なタイミングでスクイーズバイアスが印加されるように構成されている。なお、2つのスクイーズ部25、26を設けているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
これらのスクイーズ位置を通過してきたトナー像は転写部3の中間転写体31に1次転写される。この中間転写体31は、その表面、より詳しくはその外周面にトナー像を一時的に担持可能な像担持体としての無端状ベルトであり、複数のローラー32、33、34、35および36に掛け渡されている。これらのうちローラー32はメインモーターに連結されて、中間転写体31を図1の矢印方向D31に周回駆動するベルト駆動ローラーとして機能している。なお、記録紙RMとの密着性を高めて記録紙RMへのトナー像の転写性を高めるために、中間転写体31に弾性層を設けている。
ここで、中間転写体31を掛け渡されたローラー32ないし36のうち、メインモーターにより駆動されるのは上記したベルト駆動ローラー32であり、他のローラー33ないし36は駆動源を有しない従動ローラーである。また、ベルト駆動ローラー32は、ベルト移動方向D31において一次転写位置TR1の下流側、かつ後述する二次転写位置TR2の上流側で中間転写体31を巻き掛けている。
転写部3は一次転写バックアップローラー37を有しており、一次転写バックアップローラー37は中間転写体31を挟んで感光体ドラム21と対向して配設されている。感光体ドラム21と中間転写体31とが当接する一次転写位置TR1では、感光体ドラム21の外周面が中間転写体31と当接して一次転写ニップ部NP1cを形成している。そして、感光体ドラム21上のトナー像が中間転写体31の外周面(一次転写位置TR1において下面)に転写される。こうして画像形成ステーション2Cにより形成されたシアン色のトナー像が中間転写体31に転写される。同様に、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kでもトナー像の転写が実行されることで、各色のトナー像が中間転写体31上に順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像が形成される。一方、モノクロトナー像が形成される際には、ブラック色に対応した画像形成ステーション2Kのみにおいて、中間転写体31へのトナー像転写が行われる。
こうして中間転写体31に転写されたトナー像は、ベルト駆動ローラー32への巻き掛け位置を経由して二次転写位置TR2に搬送される。この二次転写位置TR2では、中間転写体31を巻き掛けられたローラー34に対して二次転写部4の二次転写ローラー42が中間転写体31を挟んで対向配置されており、中間転写体31表面と転写ローラー42表面とが互いに当接して二次転写ニップ部NP2を形成している。すなわち、ローラー34は二次転写バックアップローラーとして機能している。バックアップローラー34の回転軸は、例えばバネのような弾性部材である押圧部345によって弾性的に、かつ中間転写体31に対して近接・離間移動自在に支持されている。
二次転写位置TR2においては、中間転写体31上に形成された単色あるいは複数色のトナー像が、一対のゲートローラー51から搬送経路PTに沿って搬送される記録媒体RMに転写される。また、トナー像が二次転写された記録媒体RMは、二次転写ローラー42から搬送経路PT上に設けられた定着ユニット7へ送出される。定着ユニット7では、記録媒体RMに転写されたトナー像に熱や圧力などが加えられて記録媒体RMへのトナー像の定着が行われる。こうして、記録媒体RMに所望の画像を形成することができる。
以上が画像形成装置の概略構成である。続いて、上記画像形成装置に適用可能なラインヘッド29の詳細について説明する。図3、図4、図5および図6は、ラインヘッドの一例を示す図である。特に、図3は、ラインヘッド29が備える発光素子およびレンズの位置関係を、レンズが構成する結像光学系の光軸方向Doaから見た平面図であり、図4は、ラインヘッド29が備える発光素子グループEGの構成を示す平面図であり、図5は、ラインヘッド29の部分斜視図であり、図6は、ラインヘッド29のA−A線(図3の階段状の二点鎖線)における部分階段断面図であって、該断面をラインヘッド29の長手方向LGDから見た場合に相当する。図3では、レンズLS1、LS2が一点鎖線で記載されているが、これは、発光素子EとレンズLS1、LS2とが光軸方向Doaにおいて異なる位置にあることを考慮したものである。
このラインヘッド29は、長手方向LGDに長尺で幅方向LTDに短尺な全体構成を備える。そこで、図3〜図6および以下の図面では必要に応じて、ラインヘッド29の長手方向LGDおよび幅方向LTDを示す。また、レンズが構成する結像光学系の光軸方向Doaについても、図3〜図6および以下の図面で適宜示すとともに、必要に応じて、光軸方向Doaの矢印側を「表」あるいは「上」と表現し、光軸方向Doaの矢印と反対側を「裏」「下」あるいは「底」と表現する。なお、これらの方向LGD、LTD、Doaは互いに直交もしくは略直交している。
また、上述のとおり、同ラインヘッド29を画像形成装置に適用するにあたっては、ラインヘッド29は、潜像担持体の回転軸に平行もしくは略平行な主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動する感光体ドラム21周面に対して露光を行なうものであり、しかも、感光体ドラム21表面の主走査方向MDはラインヘッド29の長手方向LGDに平行もしくは略平行であり、感光体ドラム21表面の副走査方向SDはラインヘッド29の幅方向LTDに平行もしくは略平行である。そこで、必要に応じて、長手方向LGD・幅方向LTDと一緒に、主走査方向MD・副走査方向SDも図示することとする。また、略平行で示す角度の範囲は基準の方向に対して±0.5°の範囲である。
図3、図4に示すように、ラインヘッド29では、複数の発光素子Eがレンズで構成された1の結像光学系で結像される1つの発光素子グループEGを有する。より具体的には、この発光素子グループEGは、次のような構成となる。つまり、複数(14個)の発光素子Eが長手方向LGDにピッチPrmで直線的に並んで1行の発光素子行ERが構成されるとともに、複数行(5行)の発光素子行ERが幅方向LTDにピッチPrs(45.36[μm])で並んで発光素子ブロックEBが構成される。したがって、この発光素子ブロックEBでは、5個の発光素子Eが幅方向LTDにピッチPrsで一列に並んでいる(換言すれば、5個の発光素子Eが長手方向LGDの同じ位置に配置されている)。そして、これら5個の発光素子Eそれぞれは、感光体ドラム21周面において副走査方向SDの同じ位置にスポットSPを形成して、いわゆる多重露光が実行可能である。
さらに、発光素子グループEGでは、4個の発光素子ブロックEBが幅方向LTDに間隔Prsを空けて並ぶ。こうして、20行(5行×4)の発光素子行ERが幅方向LTDにピッチPrsで並ぶこととなる。また、この際、4個の発光素子ブロックEBは、長手方向LGDにシフト量Peだけ互いにずれて配置されている。このシフト量PeはピッチPrmの4分の1に設定されており(Pe=Prm/4)、その結果、4個の発光素子ブロックEBは、主走査方向MDに互いにずれた位置にスポットSPを形成する。このように、発光素子グループEGは、多重露光を行なう5行の発光素子行ERからなる発光素子ブロックEBを、幅方向LTDに4個並べた構成を備えており、幅方向LTDに幅WSs(=862[μm])を有し、長手方向LGDに幅WSm(=832[μm])を有する。そして、ラインヘッド29が備える平板のヘッド基板293(の裏面293−t)では、このような発光素子グループEGが長手方向LGDに3行千鳥で複数並んでいる(図3)。
ちなみに、ヘッド基板293にこうして並べられた各発光素子Eは、互いに同一の発光スペクトルを有するボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子である。つまり、各発光素子Eを構成する有機EL素子は、長手方向LGDに長く幅方向LTDに短いガラス平板であるヘッド基板293の裏面293−tに形成されて、ガラス製の封止部材294により封止されている。なお、この封止部材294は、ヘッド基板293の裏面293−tに接着剤により固定されている。
また、ヘッド基板293に対しては、2枚のレンズアレイLA1、LA2が対向している。ここで、レンズアレイとは複数の結像光学系を有する部材である。そして、レンズアレイLA1のレンズLS1およびレンズアレイLA2のレンズLS2で構成される結像光学系OSが、各発光素子グループEGに設けられることとなる。つまり、レンズアレイLA1に対しては、3行千鳥に配列された複数の発光素子グループEGに一対一で対応して、複数のレンズLS1が3行千鳥で配列されている。同様に、レンズアレイLA2に対しては、3行千鳥に配列された複数の発光素子グループEGに一対一で対応して、複数のレンズLS2が3行千鳥で配列されている。このようなレンズアレイLA1(LA2)におけるレンズLS1(LS2)の配列態様は、換言すれば次のようにも説明できる。つまり、主走査方向MDへ距離3×Dg毎にレンズLS1(LS1)を配置して、主走査方向MDに直線的に並ぶ複数のレンズLS1(LS2)から1行のレンズ行GRa等が構成される。さらに、3行のレンズ行GRa、GRb、GRcは、副走査方向SDに距離Dt(=2[mm])を空けて配置されるとともに、主走査方向MDに距離Dg(=582[μm])だけ互いにシフトされている。
なお、図3、図6等では、レンズ行GRaのレンズLS1(LS2)に対向する発光素子グループEGに符号EGaが付され、レンズ行GRbのレンズLS1(LS2)に対向する発光素子グループEGに符号EGbが付され、レンズ行GRcのレンズLS1(LS2)に対向する発光素子グループEGに符号EGcが付されている。また、図5、図6では、発光素子グループEGとレンズLS1、LS2との間には遮光部材297が図示されているが、これについては結像光学系の説明の後に説明する。
ちなみに、レンズアレイLA1(LA2)は、光透過製のガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を形成することで構成することができる。また、長手方向LGDに長尺なレンズアレイを一体的な構成で作成することは困難であることに鑑みて、比較的短尺なガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を3行千鳥で形成して1つの短尺なレンズアレイLA1(LA2)を作製し、この短尺レンズアレイLA1(LA2)を長手方向LGDに複数並べることで、長手方向LGDに長尺なレンズアレイを構成している。
より具体的には、ヘッド基板表面293−hの幅方向LTDの両端部それぞれには、複数のスペーサーSP1が長手方向LGDに直線的に間隔を空けて並べられている。そして、幅方向LTDへスペーサーSP1、SP1に架設された状態で、複数のレンズアレイLA1が長手方向LGDに並べられて、1つの長尺レンズアレイが構成されている。また、レンズアレイLA1からなる長尺レンズアレイ表面の幅方向LTDの両端部それぞれには、複数のスペーサーSP2が長手方向LGDに直線的に間隔を空けて並べられている。そして、幅方向LTDへスペーサーSP2、SP2に架設された状態で、複数のレンズアレイLA2が長手方向LGDに並べられて、1つの長尺レンズアレイが構成されている。さらに、レンズアレイLA2からなる長尺レンズアレイ表面には平板状の支持ガラスSSが接着されており、複数のレンズアレイLA2は各スペーサーSP2のみならず、当該スペーサーSP2の反対側から支持ガラスSSによっても支持されている。また、この支持ガラスSSは、各レンズアレイLA2が外部に露出しないように、当該レンズアレイLA2を覆う機能も併せ持つ。
つまり、上述のように構成された2枚レンズアレイLA1、LA2をヘッド基板293に対向させることで、発光素子グループEGの3行千鳥配置に対応して、2枚のレンズLS1、LS2で構成される結像光学系OSが3行千鳥で長手方向LGDに並ぶこととなる。そして、発光素子グループEGの各発光素子Eが射出した光は、結像光学系OSおよび支持ガラスSSを透過して、感光体ドラム21周面に照射される。なお、図6では、発光素子グループ行GRaに属する発光素子グループEGからの光を結像する結像光学系OSに対して符号OSaが併記されている。また、同様にして、発光素子グループ行GRb、GRcに属する発光素子グループEGからの光を結像する結像光学系OSに対して符号OSb、OScが併記されている。すなわち、幅方向LTDに互いに異なる位置に配置された結像光学系OSに対して、異なる符合OSa、OSb、OScが付されている。
このように、ラインヘッド29では、複数の発光素子グループEGそれぞれに対して専用の結像光学系OSが配置されている。このようなラインヘッド29では、発光素子グループEGからの光は、当該発光素子グループEGに設けられた結像光学系OSにのみ入射し、それ以外の結像光学系OSに入射しないことが望ましい。そこで、ヘッド基板293の表面293−hとレンズアレイLA1との間には、遮光部材297が設けられている。
この遮光部材297は、発光素子グループEGから当該発光素子グループEGに対向する結像光学系OSに向かう光を制限する機能を果たす。具体的には、遮光部材297には、発光素子グループEGからこれに対向する結像光学系OSへと向かう導光孔2971が、光軸方向Doaに貫通形成されている。導光孔2971は円柱形状の孔であり、その中心軸は結像光学系OSの光軸OAと概ね一致している。したがって、発光素子グループEGから射出された光のうち、遮光部材297の底面で遮られることなく導光孔2971を通過した光が、結像光学系OSに入射することとなる。なお、図6では記載を省略しているが、遮光部材297の導光孔2971内部には開口絞り2972(図7)が設けられており、結像光学系OSa、OSb、OScの像側はテレセントリックとなっている。そして、導光孔2971を通過して結像光学系OSで結像された光が感光体ドラム21周面に照射されて、感光体ドラム21周面が露光される。
特に、本発明のラインヘッド29では、複数の発光素子Eからなる発光素子グループEGが結像光学系OSに対向して設けられている。したがって、感光体ドラム21周面の露光動作では、発光素子グループEGの各発光素子Eからの光が結像光学系OSによって結像されて、複数のスポットSPからなるスポットグループSGが形成される(図7)。続いて、ラインヘッド29による露光動作を説明する。
図7は、ラインヘッドの露光動作の説明図である。図7では、各発光素子グループEGa、EGb、EGcの幅方向LTD両端の発光素子Eが示されるとともに、これら両端の発光素子Eからの光を結像光学系OSa、OSb、OScにより結像することで感光体ドラム21表面に形成されるスポットSP(つまり、スポットグループSGの副走査方向SD両端のスポットSP)が示されている。なお、結像光学系OSa、OSb、OScそれぞれは、上述のとおり発光素子側に凸の2枚のレンズLS1、LS2で構成されるものであるが、図7では両凸レンズで等価的に示されている。ここで感光体ドラム21の回転中心から感光体ドラム21の周面の任意の点A(図に追加記載すること)を通る仮想線が発光素子基板と交差する位置をOとする。点Aを通る仮想接線に対して平行もしくは略平行に前記発光素子基板は配設される。そして位置Oに対して最も近い位置に(感光体ドラム21の周面から近接した位置)に発光素子グループEGb、位置Oから感光体ドラム21の移動方向に発光素子グループEGcを、感光体ドラム21の移動方向と逆方向に発光素子グループEGaを配設している。ここで、略平行で示す角度の範囲は基準の方向に対して±0.5°の範囲である。
図7に示すように、幅方向LTDに並ぶ3個の発光素子グループEGa、EGb、EGcそれぞれは、副走査方向SDにおいて互いに異なる位置にスポットグループSGを形成する。こうして、発光素子グループEGa、EGb、EGそれぞれは、感光体ドラム21周面において副走査方向SDへ幅Dsa、Dsb、Dscを有するスポットグループSGを形成する。ちなみに、感光体ドラム21は径R21の円筒形状を有しており、感光体ドラム21周面が副走査方向SDに曲率を有する。次に図7の感光体ドラム周面に形成されるスポットグループSGそれぞれの感光体ドラム21周面における副走査方向SDへの幅Dsa、Dsb、Dscについて説明する。
感光体ドラム21表面の近傍に存在して、光軸方向Doa(結像光学系OSの光軸)に直交する仮想平面VPを考える。仮想平面VPにおける各スポットグループSGの副走査方向SDへの幅Dla、Dlb、Dlcは、発光素子グループEGの幅方向LTDへの幅Dea、Deb、Decに結像光学系OSa、OSb、OScの副走査方向の結像倍率の絶対値|ma|、|mb|、|mc|を乗じた値となる。すなわち、次式
Dla=Dea×|ma|
Dlb=Deb×|mb|
Dlc=Dec×|mc|
が成立する。
Dla=Dea×|ma|
Dlb=Deb×|mb|
Dlc=Dec×|mc|
が成立する。
感光体ドラム21周面は副走査方向SDに曲率を有しており、仮想平面VPに対して傾斜している。そのため、感光体ドラム21表面に形成されるスポットグループSGの幅Dsa、Dsb、Dscは、仮想平面VPでの幅Dla、Dlb、DlcよりΔだけ広くなる。これについて、発光素子グループEGcで代表して具体的に説明する。図7において、感光体ドラム21の中心軸からスポットグループSG両端の各スポットSPまでの副走査方向SDへの距離をx1、x2としたとき、次式
Dsc=R21×{arccos(x1/R21)−arccos(x2/R21)}
Dlc=x2−x1
が成立する。ここで、arccosは、余弦関数の逆関数である。つまり、
Δ=Dsc−Dlc=R21×{arccos(x1/R21)−arccos(x2/R21)}−(x2−x1)
だけ、仮想平面VPに対して感光体ドラム21表面ではスポットグループSGの幅が広がる。
Dsc=R21×{arccos(x1/R21)−arccos(x2/R21)}
Dlc=x2−x1
が成立する。ここで、arccosは、余弦関数の逆関数である。つまり、
Δ=Dsc−Dlc=R21×{arccos(x1/R21)−arccos(x2/R21)}−(x2−x1)
だけ、仮想平面VPに対して感光体ドラム21表面ではスポットグループSGの幅が広がる。
しかも、感光体ドラム21表面が仮想平面VPに対して傾斜する程度は、感光体ドラム21の中心軸から幅方向LTDに離れるにしたがって(図7において原点Oから幅方向LTDに離れるにしたがって)大きくなる。
(第1実施形態)
図7に基づいて第1実施形態について説明する。ここで用いる結像光学系は球面レンズおよび球面シリンドリカルレンズを用いたときの実施形態である。この実施形態では、各スポットグループSGの幅Dsa、Dsb、Dscがいずれも等しいか略等しい値となるように(つまり、Dsa=Dsb=Dscとなるように)、結像光学系OSa、OSb、OScの副走査方向の光学倍率を設定している。ここで結像光学系OSa、OSb、OScの主走査方向の光学倍率は−0.7である。また、略等しいとは距離の誤差が±0.001[mm]の範囲に収まる領域である。
図7に基づいて第1実施形態について説明する。ここで用いる結像光学系は球面レンズおよび球面シリンドリカルレンズを用いたときの実施形態である。この実施形態では、各スポットグループSGの幅Dsa、Dsb、Dscがいずれも等しいか略等しい値となるように(つまり、Dsa=Dsb=Dscとなるように)、結像光学系OSa、OSb、OScの副走査方向の光学倍率を設定している。ここで結像光学系OSa、OSb、OScの主走査方向の光学倍率は−0.7である。また、略等しいとは距離の誤差が±0.001[mm]の範囲に収まる領域である。
発光素子グループEGcで代表して具体的に説明すると、スポットグループSGの右端(図7)のスポットSPの形成幅Dlcが次式
Dlc=R21×cos{arccos(x1/R21)−Di/R21}− x1
を満たすように光学倍率mcを設定している。この時の光学倍率mcは次式
mc=−Dlc/Dec
となる。
このような光学倍率の設定を各結像光学系OSa、OSb、OScに行なった結果、感光体ドラム21の中心軸付近にある結像光学系OSbに比べて、感光体ドラム21の中心軸から離れた結像光学系OSa、OScは、絶対値の小さい光学倍率となる。この実施形態では、感光体ドラム21の径R21が10[mm]であり、Dea=Deb=Dec=0.8618[mm]、距離x1=1.69837[mm]、ma=mc=−0.685827、mb=−0.7とした。この結果、各スポットグループSGの幅Dsa、Dsb、Dscはそれぞれ
Dsa=0.6033[mm]
Dsb=0.6034[mm]
Dsc=0.6033[mm]
となり、Dsa、Dsbは、補正をしない場合の値0.6158[mm]より小さくなり、Dsa、Dsb、Dscいずれもほぼ近接した値とすることができた。
Dlc=R21×cos{arccos(x1/R21)−Di/R21}− x1
を満たすように光学倍率mcを設定している。この時の光学倍率mcは次式
mc=−Dlc/Dec
となる。
このような光学倍率の設定を各結像光学系OSa、OSb、OScに行なった結果、感光体ドラム21の中心軸付近にある結像光学系OSbに比べて、感光体ドラム21の中心軸から離れた結像光学系OSa、OScは、絶対値の小さい光学倍率となる。この実施形態では、感光体ドラム21の径R21が10[mm]であり、Dea=Deb=Dec=0.8618[mm]、距離x1=1.69837[mm]、ma=mc=−0.685827、mb=−0.7とした。この結果、各スポットグループSGの幅Dsa、Dsb、Dscはそれぞれ
Dsa=0.6033[mm]
Dsb=0.6034[mm]
Dsc=0.6033[mm]
となり、Dsa、Dsbは、補正をしない場合の値0.6158[mm]より小さくなり、Dsa、Dsb、Dscいずれもほぼ近接した値とすることができた。
以上のように、この実施形態では、幅方向LTDに並ぶ結像光学系OSa、OSb、OScが感光体ドラム21に対して配置されている。そして、各結像光学系OSa、OSb、OScそれぞれは、ヘッド基板293に設けられた発光素子グループEGa、EGb、EGcからの光を結像して、感光体ドラム21表面にスポットグループSGを照射する。そして、本実施形態では、結像光学系OSa、OSb、OScそれぞれの副走査方向の結像倍率ma、mb、mcが、感光体ドラム21の中心軸から各発光素子グループEGa、EGb、EGcまでの距離に応じて設定されており、これによって、各発光素子グループEGa、EGb、EGcが形成するスポットグループSGの感光体ドラム21表面における副走査方向SDへの幅Dsa、Dsb、Dscがほぼ等しくなっている。その結果、スポットグループSGの副走査方向SDへの幅(言い換えれば、副走査方向SDにおけるスポットグループSG両端にあるスポット間距離)が、結像光学系OSa、OSb、OSc毎に異なることを抑えて、適切な露光が実現可能となっている。
(第2実施形態)
図8、図9、表1〜表4および式1は、第2実施形態では非球面レンズを用いた結像光学系OSa、OSb、OScが備えている構成を示している。ここで、図8は、主走査方向断面における結像光学系の光線図である。また、図9は、副走査方向断面における結像光学系の光線図である。図8および図9では特に、発光素子グループEGbおよびEGcの両端および幾何重心から射出される光を結像する結像光学系OScの光線図が示されている。表1は、図8および図9に示す結像光学系の光線図の光学系諸元を示した表である。表2は、結像光学系のレンズデータを示す表であり、式1は、xy多項式面の面形状を与える式であり、表3は、結像光学系OSa、OSb、OScそれぞれのS4面(xy多項式面)の面形状を与えるコーニック数および単項式の係数を示した表であり、表4は、結像光学系OSa、OSb、OScそれぞれのS7面(xy多項式面)のコーニック定数および単項式の係数を示した表である。
図8、図9、表1〜表4および式1は、第2実施形態では非球面レンズを用いた結像光学系OSa、OSb、OScが備えている構成を示している。ここで、図8は、主走査方向断面における結像光学系の光線図である。また、図9は、副走査方向断面における結像光学系の光線図である。図8および図9では特に、発光素子グループEGbおよびEGcの両端および幾何重心から射出される光を結像する結像光学系OScの光線図が示されている。表1は、図8および図9に示す結像光学系の光線図の光学系諸元を示した表である。表2は、結像光学系のレンズデータを示す表であり、式1は、xy多項式面の面形状を与える式であり、表3は、結像光学系OSa、OSb、OScそれぞれのS4面(xy多項式面)の面形状を与えるコーニック数および単項式の係数を示した表であり、表4は、結像光学系OSa、OSb、OScそれぞれのS7面(xy多項式面)のコーニック定数および単項式の係数を示した表である。
図8、図9において、S1面からS10面の光学系構成面は、図7で簡略表記した光学系OSを本実施形態に置き換えて表示したものであり、図中のS1面、S2面はそれぞれヘッド基板293の裏面293−t、表面293−hであり、S3面は開口絞りであり、S4面はレンズLS1のレンズ面であり、S5、S6はレンズLS1が形成されたガラス板の裏面、表面であり、S7面はレンズLS2のレンズ面であり、S8、S9はレンズLS2が形成されたガラス板の裏面、表面であり、S10面は感光体ドラム21の表面である。
表1に示すように、発光素子グループEGから射出される光の波長を690[nm]とし、各結像光学系OSa、OSb、OScのレンズLS1、LS2の径を、1.6[mm]として、図8および図9の光線図は求められている。これら結像光学系OSa、OSb、OScは、主走査方向の結像倍率が−0.7倍であり、副走査方向の結像倍率はそれぞれma=mc=−0.685827、mb=−0.7とした。これにより、各スポットグループSGの幅Dsa、Dsb、Dscは、理想幅Di=0.60325[mm]とほぼ等しくすることができた(つまり、Dsa=Dsb=Dsc=Diとなっている)。
また、図9に示すように、結像光学系OScを構成するレンズLS1、LS2のレンズ面S4、S7は、副走査方向SDに非対称(図9において上下非対称)な面形状を有する。したがって、発光素子グループEGcの両端および幾何重心から射出された光の結像位置IPは、ヘッド基板293の裏面S1の法線方向Doaにおいて互いに異なる位置にある。より詳しくは、これらの結像位置IPのうち、副走査方向SDにおいて感光体ドラム21の曲率中心から遠い結像位置IP程、法線方向Doaの矢印方向側(物体面から像面へと向かう側)に位置している。こうして、各結像位置IPは、ヘッド基板裏面293−tに対して傾いている感光体ドラム21表面に沿って並び、感光体ドラム21表面に位置する。
また、この実施形態では、結像光学系OSa、OSb、OScの像側がテレセントリックである。このような構成は、結像光学系OSa、OSb、OScと感光体ドラム21表面との距離が変動したような場合であっても、感光体ドラム21表面におけるスポットグループSGの副走査方向SDへの幅を安定させておくことができ、適切な露光実現により有利と言える。
また、この実施形態のように、複数の発光素子Eで多重露光を行なう構成では、本発明を適用することが特に好適となる。つまり、多重露光に供する複数の発光素子Eを幅方向LTDに並べるスペースを結像光学系OSa、OSb、OSc毎に確保する必要があるため、結像光学系OSa、OSb、OSc間の距離が大きくなって、スポットグループSGの副走査方向SDへの幅が結像光学系OSa、OSb、OSc毎にばらつくといった問題が顕著になるおそれがあった。そこで、このような構成に対しては本発明を適用して、かかる問題の発生を抑制することが好適となる。
ところで、この発明は、光学系OSでの副走査方向の結像倍率を設定することで、スポットグループSGの副走査方向SDへの幅が結像光学系OSa、OSb、OSc毎に異なることを抑えるものである。したがって、発光素子グループEGa、EGb、EGcとしては、このようなスポットグループSGへの幅の差異を考慮すること無く、上記実施形態に示したように何れも光源ピッチが等しいものを採用しておけば良い。これにより、結像光学系EGa、EGb、EGcの構成および回路機能の共通化・簡素化が可能となるといった利点が得られる。
以上のように、この実施形態では、幅方向LTD・副走査方向SDが本発明の「第1の方向」に相当し、長手方向LGD・主走査方向MDが本発明の「第2の方向」に相当する。また、発光素子グループEGa、EGb、EGcの幅方向LTDの両端に位置する発光素子Eが本発明の「第1、第2、第3あるいは第4の発光素子」に相当し、スポットグループSGの副走査方向SDの両端に位置するスポットSPが本発明の「第1、第2、第3あるいは第4の光」に相当し、結像光学系OSa、OSb、OScが本発明の「第1あるいは第2の結像光学系」に相当し、ヘッド基板293が本発明の「基板」に相当している。
(第3の実施形態)
上記実施形態では、レンズ行の行数は3行であったが、レンズ行の行数はこれに限られない。そこで、図10、図11に示すような、レンズ行の行数が2行である構成に対してこの実施形態で説明する。
上記実施形態では、レンズ行の行数は3行であったが、レンズ行の行数はこれに限られない。そこで、図10、図11に示すような、レンズ行の行数が2行である構成に対してこの実施形態で説明する。
図10は、2行レンズのラインヘッドを示す図であり、特に、ラインヘッド29が備える発光素子およびレンズの位置関係を、レンズが構成する結像光学系の光軸方向Doaから見た平面図を示している。図11は、この実施形態のラインヘッドの露光動作の説明図である。図10、図11では、複数のレンズLS1、LS2が長手方向LGDに2行千鳥で並んでおり、換言すれば、2行のレンズ行が設けられている。また、これに対応して、複数の発光素子グループEGが長手方向LGDに2行千鳥で並んでいる。また、ヘッド基板293の裏面293−tでは、異なるレンズ行に対応する発光素子グループEGの間に電気回路C1、C2が配置されている。電気回路C1は、図10上側の発光素子グループEG毎に設けられて、当該発光素子グループEGを駆動して発光させるものである。また、電気回路C2は、図10下側の発光素子グループEG毎に設けられて、当該発光素子グループEGを駆動して発光させるものである。
そして、この実施形態においても、幅方向LTDに並ぶ2つの発光素子グループEGが感光体ドラム21周面に形成するスポットグループSGの副走査方向SDの幅Dsが、理想幅Diとなるように、結像光学系OSa、OSbにおいて副走査方向の光学倍率が設定されている。その結果、スポットグループSGの副走査方向SDへの幅(言い換えれば、副走査方向SDにおけるスポットグループSG両端にあるスポット間距離)が、結像光学系OS毎にばらつくことを抑えた潜像形成が可能となっている。
なお、この実施形態に示したような構成では、電気回路C1、C2を配するスペースを結像光学系OSの間に確保する必要がある。そのため、結像光学系OS間の距離が幅方向LTDに大きくなって、スポットグループSGの副走査方向SDへの幅が結像光学系OS毎にばらつくといった問題が顕著になるおそれがあった。これに対して、本発明を適用することで、かかる問題の発生を抑制しており、好適である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。また、発光素子グループEGを構成する発光素子Eの個数や、配置態様も種々の変更が可能である。
また、上述の有機EL素子以外に、LED(Light Emitting Diode)等の光源を、発光素子Eとして用いることもできる。
LTD…幅方向、 SD…副走査方向、 LGD…長手方向、 MD…主走査方向、 EG、EGa、EGb、EGc…発光素子グループ、 E…発光素子、 SG…スポットグループ、 SP…スポット、 OS、OSa、OSb、OSc…結像光学系、 293…ヘッド基板。
Claims (8)
- 光を発光する第1の発光素子、前記第1の発光素子の第1の方向に配されて光を発光する第2の発光素子、前記第2の発光素子の前記第1の方向に配されて光を発光する第3の発光素子、前記第3の発光素子の前記第1の方向に配されて光を発光する第4の発光素子を有する発光素子基板と、
前記第1の方向に第1の光学倍率を有して前記第1の発光素子が発光する光を前記第1の方向に曲率を有する被露光面に結像するとともに前記第2の発光素子が発光する光を前記第1の方向に曲率を有する前記被露光面に結像する第1の結像光学系、及び前記第1の方向に前記第1の光学倍率と異なる第2の光学倍率を有して前記第1の結像光学系の前記第1の方向に配されて前記第3の発光素子が発光する光を前記第1の方向に曲率を有する前記被露光面に結像するとともに前記第4の発光素子が発光する光を前記第1の方向に曲率を有する前記被露光面に結像する第2の結像光学系を有するレンズアレイと、
を備えることを特徴とする露光ヘッド。 - 前記第1の発光素子及び前記第3の発光素子は、前記第1の発光素子と前記被露光面との間の距離が前記第3の発光素子と前記被露光面との間の距離よりも短くなる位置に配設された時、前記第1の結像光学系の前記第1の光学倍率の絶対値を前記第2の光学系の前記第2の光学倍率の絶対値よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の露光ヘッド。
- 回転軸で回転して周面を第1の方向に移動させるとともに、潜像が形成される潜像担持体ドラムと、
光を発光する第1の発光素子、前記第1の発光素子の前記第1の方向に配されて光を発光する第2の発光素子、前記第2の発光素子の前記第1の方向に配されて光を発光する第3の発光素子、前記第3の発光素子の前記第1の方向に配されて光を発光する第4の発光素子を有する発光素子基板と、前記第1の方向に第1の光学倍率を有して前記第1の発光素子が発光する光を前記潜像担持体ドラムに結像するとともに前記第2の発光素子が発光する光を前記潜像担持体ドラムに結像する第1の結像光学系、及び前記第1の方向に前記第1の光学倍率と異なる第2の光学倍率を有して前記第1の結像光学系の前記第1の方向に配されて前記第3の発光素子が発光する光を前記潜像担持体ドラムに結像するとともに前記第4の発光素子が発光する光を前記潜像担持体ドラムに結像する第2の結像光学系を有するレンズアレイとを備え、前記潜像担持体に前記潜像を形成する露光部と、
前記露光部で前記潜像担持体ドラムに形成された前記潜像を現像する現像部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の発光素子と前記第3の発光素子とを、前記第1の発光素子と前記像担持体ドラムの回転中心との間の距離が前記第3の発光素子と前記像担持体ドラムの回転中心との間の距離よりも短くなる位置に配設するとともに、
前記第1の結像光学系の前記第1の光学倍率の絶対値を前記第2の光学系の前記第2の光学倍率の絶対値よりも大きくする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記第1の発光素子、前記第2の発光素子、前記第3の発光素子、及び前記発光素子を同時に発光させた時、前記第1の発光素子が発光した光が前記潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置と前記第2の発光素子が発光した光が前記潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置との間の前記第1の方向の前記像担持体ドラムの周面距離が、前記第3の発光素子が発光した光が前記潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置と前記第4の発光素子が発光した光が前記潜像担持体ドラムに潜像を形成する位置との間の前記第1の方向の前記像担持体ドラムの周面距離と等しいか略等しい距離となる前記第1の光学倍率及び前記第2の光学倍率とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記第1の結像光学系もしくは前記第2の結像光学系は回転対称ではないレンズ面を有するレンズを備える請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第1の結像光学系および前記第2の結像光学系は前記像担持体ドラム側がテレセントリックである請求項3乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記発光素子基板は、前記第1の発光素子の前記第2の発光素子が配設された前記第1の方向と反対方向の第2の側に配設される第5の発光素子、及び前記第5の発光素子の前記第2の側に第6の発光素子を有し、
前記レンズアレイは、前記第1の結像光学系の前記第2の側に配設されて前記第5の発光素子から発光される光及び前記第6の発光素子から発光される光を結像する第3の結像光学系を有する請求項3乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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JP2011087992A JP2012218344A (ja) | 2011-04-12 | 2011-04-12 | 露光ヘッドおよび画像形成装置 |
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