JP2012121188A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スキュー補正を効果的に行いながらも、ライン潜像での段差の抑制を可能とする技術を提供する。
【解決手段】第1の方向に移動する潜像担持体と、第1の発光素子、第2の発光素子、第3の発光素子、第1の発光素子が発光する光を結像して第1のスポットを潜像担持体に形成する第1のレンズ、および第2の発光素子が発光する光を結像して第1の方向に直交もしくは略直交する第2の方向から第1のスポットに隣接する第2のスポットを潜像担持体に形成するとともに第3の発光素子が発光する光を結像して第2のスポットの第2の方向側で第3のスポットを潜像担持体に形成する第2のレンズを有する露光ヘッドとを備え、第1のスポットの形成タイミングの補正量と第2のスポットの形成タイミングの補正量を同じにする。
【選択図】図13
【解決手段】第1の方向に移動する潜像担持体と、第1の発光素子、第2の発光素子、第3の発光素子、第1の発光素子が発光する光を結像して第1のスポットを潜像担持体に形成する第1のレンズ、および第2の発光素子が発光する光を結像して第1の方向に直交もしくは略直交する第2の方向から第1のスポットに隣接する第2のスポットを潜像担持体に形成するとともに第3の発光素子が発光する光を結像して第2のスポットの第2の方向側で第3のスポットを潜像担持体に形成する第2のレンズを有する露光ヘッドとを備え、第1のスポットの形成タイミングの補正量と第2のスポットの形成タイミングの補正量を同じにする。
【選択図】図13
Description
この発明は、露光ヘッドが有する発光素子からの光を潜像担持体に照射して潜像を形成する技術に関するものである。
特許文献1では、副走査方向に移動する感光体ドラムの表面に対して、ラインヘッドを用いてスポットを順次形成することで、感光体ドラム表面に潜像を形成する画像形成装置が記載されている。このラインヘッドは、主走査方向に並ぶ複数のレンズと、各レンズに対応して設けられた発光素子とを備えるものであり、発光素子からの光を対応するレンズで結像することで、感光体ドラム表面にスポットを形成する。
なお、特許文献1のラインヘッドでは、複数のレンズが主走査方向に3行千鳥状に並べられており、その結果、3個のレンズが副走査方向に互いにシフトして配置されている。したがって、これら3個のレンズのそれぞれは、副走査方向の異なる位置にスポットを形成する。そこで、特許文献1では、各レンズが形成するスポットを主走査方向に直線的に並べて1ライン分の潜像を形成するために、発光素子の発光タイミングをレンズ毎に異ならせている。具体的には、特許文献1の図面11に示されるように、副走査方向に上流側のレンズに対応する発光素子から順番に発光する。言い換えれば、感光体ドラム表面の副走査方向への移動に合わせて、副走査方向に上流側のレンズから順番にスポットを形成する。これによって、主走査方向に直線的に伸びる1ライン分の潜像(ライン潜像)が形成される。
ところで、ラインヘッドを用いて感光体ドラムに潜像を形成する画像形成装置では、ラインヘッドが感光体ドラムに対して傾いて取り付けられることで、ライン潜像が主走査方向に対して傾いてしまうことがある。このような問題に対応すべく、特許文献2では、発光素子の発光を制御して、スポットの形成タイミングを発光素子毎に補正することで、ライン潜像の傾きを抑制するスキュー補正技術が提案されている。
ただし、このスキュー補正技術を特許文献1に記載されたラインヘッドに適用するにあたっては、次のような課題があった。つまり、このラインヘッドでは、副走査方向において異なる位置に配置された各レンズが、互いに異なるタイミングでスポットを形成する。このとき、第1のレンズが第1のスポットを形成してから第2のレンズが第2のスポットを形成するまでの間に感光体ドラム表面の移動速度に変動があると、第1のスポットと第2のスポットが副走査方向に離れてしまって、ライン潜像に段差が生じてしまうことがある。このとき、スキュー補正のために実行されるスポットの形成タイミングの補正量が第1および第2のスポットで異なると、後述するように、ライン潜像における段差がより広がってしまって、潜像を適切に形成できないおそれがあった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、異なる位置に配されたレンズが形成するスポットによって感光体ドラム等の潜像担持体に潜像を形成する画像形成装置において、スキュー補正を効果的に行いながらも、ライン潜像での段差の抑制を可能とする技術の提供を目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、第1の方向に移動する潜像担持体と、第1の発光素子、第2の発光素子、第3の発光素子、第1の発光素子が発光する光を結像して第1のスポットを潜像担持体に形成する第1のレンズ、および第2の発光素子が発光する光を結像して第1の方向に直交もしくは略直交する第2の方向から第1のスポットに隣接する第2のスポットを潜像担持体に形成するとともに第3の発光素子が発光する光を結像して第2のスポットの第2の方向側で第3のスポットを潜像担持体に形成する第2のレンズを有する露光ヘッドと、第1の発光素子の発光を制御して第1のスポットの形成タイミングを補正し、第2の発光素子の発光を制御して第2のスポットの形成タイミングを補正し、第3の発光素子の発光を制御して第3のスポットの形成タイミングを補正する制御部と、を備え、制御部は、第1のスポットの形成タイミングの補正量と第2のスポットの形成タイミングの補正量を同じにする一方、第3のスポットの形成タイミングを第1のスポットおよび第2のスポットの形成タイミングの補正量と異ならせることを特徴としている。
このように構成された発明では、第1のレンズが第1の発光素子からの光を結像して潜像担持体に第1のスポットを形成するとともに、第2のレンズが第2および第3の発光素子からの光を結像して第2および第3のスポットを、第1の方向に移動する潜像担持体に形成する。こうして第1から第3のスポットが、第1の方向に直交もしくは略直交する第2の方向に並んで形成される。さらに、第1から第3の発光素子の発光が制御されて、第1〜第3のスポットの形成タイミングが補正されており、これによってスキュー補正が実行可能となっている。ただし、第1のスポットとこれに第2の方向から隣接する第2のスポットとは、互いに異なる第1および第2のレンズにより形成されるものであり、しかも、これら第1および第2のレンズは第2の方向に異なる位置に配されている。したがって、第1のスポットと第2のスポットで形成タイミングの補正量が異なると、ライン潜像に大きな段差が発生するおそれがあった。これに対して、この発明では、第1のスポットと第2のスポットの形成タイミングの補正量は同じであるため、ライン潜像の段差を抑制することが可能となっている。一方、第3のスポットの形成タイミングを第1のスポットおよび第2のスポットの形成タイミングの補正量とは異なっているため、スキュー補正を効果的に行うことが同時に可能となっている。こうして、この発明では、スキュー補正を効果的に行いながらも、ライン潜像での段差の抑制が可能となっている。
また、制御部は、第2の方向に1ライン分の画像データを第2の方向への位置とアドレスとを対応付けてメモリーに格納するとともに、第1のスポット、第2のスポットおよび第3のスポットの形成タイミングの補正量に応じて、第1のスポット、第2のスポットおよび第3のスポットに対応する画像データを格納するアドレスをずらすように構成しても良い。これによって、スポットの形成タイミングの補正を簡便な制御で実行することができる。
また、潜像担持体は、第1の方向に回転する感光体ドラムである場合には、本発明を適用することが特に好適となる。つまり、感光体ドラムを用いた構成では、感光体ドラムが回転軸から偏心するといった理由によって、感光体ドラムの速度変動が生じて、その結果、上述のようなライン潜像の段差が生じやすい。そこで、本発明を適用して、ライン潜像での段差を確実に抑制しておくことが、好適となる。
また、本発明は、種々の結像特性のレンズを備えた構成に対して適用可能であるため、言い換えれば、種々の結像特性を備えたレンズを採用可能となる。そこで、第1のレンズ、第2のレンズおよび第3のレンズは倒立像を結像するものであってもよく、あるいは、第1のレンズ、第2のレンズおよび第3のレンズは縮小像を結像するものであっても良い。
図1は本発明を適用可能な画像形成装置の一例を示す図である。また、図2は図1の装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、互いに異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。そして、画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能となっている。
この画像形成装置では、ホストコンピューターなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリーなどを有するメインコントローラーMCに与えられると、このメインコントローラーMCはエンジンコントローラーECに制御信号を与えるとともに画像形成指令に対応するビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。このとき、メインコントローラーMCは、ヘッドコントローラーHCから水平リクエスト信号HREQを受け取る毎に、主走査方向MDに1ライン分のビデオデータVDをヘッドコントローラーHCに与える。また、ヘッドコントローラーHCは、メインコントローラーMCからのビデオデータVDとエンジンコントローラーECからの垂直同期信号Vsyncおよびパラメーター値とに基づき、各色の画像形成ステーション2Y、2M、2C、2Kそれぞれのラインヘッド29を制御する。これによって、エンジン部ENGが所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート状の記録媒体RMに画像形成指令に対応する画像を形成する。
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kは、トナー色を除けばいずれも同じ構造および機能を有している。そこで、図1では、図を見やすくするために、画像形成ステーション2Cを構成する各部品にのみ符号を付し、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kに付すべき符号については記載を省略する。また、以下の説明では、図1に付した符号を参照して画像形成ステーション2Cの構造および動作を説明するが、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kの構造および動作も、トナー色が異なることを除けば同じである。
画像形成ステーション2Cには、シアン色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。感光体ドラム21は、その回転軸が主走査方向MD(図1の紙面に対して垂直な方向)に平行もしくは略平行となるように配置されており、図1中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。これにより、感光体ドラム21の表面が、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動することとなる。
感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21表面を所定の電位に帯電させるコロナ帯電器である帯電器22と、感光体ドラム21表面を画像信号に応じて露光することで静電潜像を形成するラインヘッド29と、該静電潜像をトナー像として顕像化する現像器24と、第1スクイーズ部25と、第2スクイーズ部26と、転写後の感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーニングユニットとが、それぞれこれらの順に感光体ドラム21の回転方向D21(図1では、時計回り)に沿って配設されている。
この実施形態では、帯電器22は2つのコロナ帯電器221、222で構成されており、感光体ドラム21の回転方向D21においてコロナ帯電器221がコロナ帯電器222に対して上流側に配置されており、2つのコロナ帯電器221、222により2段階で帯電されるように構成されている。各コロナ帯電器221、222は同一構成であり、感光体ドラム21の表面に接触しないものであり、スコロトロン帯電器である。
そして、コロナ帯電器221、222により帯電された感光体ドラム21表面に対して、ラインヘッド29がヘッド駆動信号Sdに基づいて静電潜像を形成する。つまり、ヘッドコントローラーHCがラインヘッド29に駆動信号Sdを送信すると、この駆動信号Sdに基づいて各発光素子Eが発光する。これにより、感光体ドラム21表面が露光されて、画像信号に対応した静電潜像が形成される。なお、ラインヘッド29の構成および動作の詳細は後述する。
こうして形成された静電潜像に対して現像器24からトナーが付与されて、静電潜像がトナーにより現像される。この画像形成装置1の現像器24は、現像ローラー241を有している。この現像ローラー241は円筒状の部材であり、鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、PFAチューブなどの弾性層を設けたものである。この現像ローラー241は現像用モーターに接続され、図1紙面において反時計回りに回転駆動されて感光体ドラム21に対してウィズ回転する。また、この現像ローラー241は図示を省略する現像バイアス発生部(定電圧電源)と電気的に接続されており、適当なタイミングで現像バイアスが印加されるように構成されている。
また、この現像ローラー241に対して液体現像剤を供給するためにアニロックスローラーが設けられており、アニロックスローラーを介して現像剤貯留部から現像ローラー241へ液体現像剤が供給される。このようにアニロックスローラーは現像ローラー241に対して液体現像剤を供給する機能を有する。このアニロックスローラーは、液体現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に彫刻された螺旋溝などによる凹部パターンが形成されたローラーである。現像ローラー241と同様に、金属の芯金にウレタン、NBRなどのゴム層を巻き付けたものや、PFAチューブを被せたものなどが用いられる。また、アニロックスローラーは現像用モーターに接続されて回転する。
現像剤貯留部に貯留される液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)を液体キャリアとした低濃度(1〜2wt%)かつ低粘度の常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性の液体現像剤、すなわち、樹脂中へ顔料などの着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤が用いられる。
上記のようにして、液体現像剤が供給された現像ローラー241はアニロックスローラーと同時に回転すると共に、感光体ドラム21の表面とは同方向に移動するように回転して現像ローラー241の表面に担持された液体現像剤を現像位置に搬送する。なお、トナー像を形成するため、現像ローラー241の回転方向は、その表面が感光体ドラム21の表面と同方向に移動するようにウィズ回転する必要があるが、アニロックスローラーに対しては、逆方向、或いは、同方向、どちらに移動する構成であってもよい。
また、現像器24では、この現像ローラー241の回転方向において現像位置の上流側直前にトナー帯電コロナ発生器242が現像ローラー241に対向して配置されている。このトナー帯電コロナ発生器242は現像ローラー241の表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、定電流電源で構成されたトナーチャージ発生部(図示省略)と電気的に接続されている。そして、トナー帯電コロナ発生器242に対してトナーチャージバイアスが与えられると、現像ローラー241によって搬送される液体現像剤のトナーに対して、このトナー帯電コロナ発生器242と近接する位置で電界が印加され、トナーの帯電が施される。なお、このトナー帯電には、電解印加によるコロナ放電に代えて、接触して帯電させるトナー帯電ローラーを用いてもよい。
また、このように構成された現像器24は感光体ドラム21上の潜像を現像する現像位置と感光体ドラム21から離れた退避位置との間で往復可能となっている。したがって、現像器24が退避位置に移動して位置決めされると、その間、シアン用の画像形成ステーション2Cでは、感光体ドラム21への新たな液体現像剤の供給は停止される。
感光体ドラム21の回転方向D21において現像位置の下流側に、第1スクイーズ部25が配置されるとともに、さらに第1スクイーズ部25の下流側に第2スクイーズ部26が配置されている。これらのスクイーズ部25、26にはスクイーズローラー251、261がそれぞれ設けられている。そして、スクイーズローラー251が第1スクイーズ位置で感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰現像剤を除去する。また、感光体ドラム21の回転方向D21において第1スクイーズ位置の下流側の第2スクイーズ位置でスクイーズローラー261が感光体ドラム21の表面と当接しながらメインモーターからの回転駆動力を受けて回転してトナー像の余剰液体キャリアやカブリトナーを除去する。また、本実施形態ではスクイーズ効率を高めるために、スクイーズローラー251、261に対して図示省略するスクイーズバイアス発生部(定電圧電源)が電気的に接続されており、適当なタイミングでスクイーズバイアスが印加されるように構成されている。なお、本実施形態では2つのスクイーズ部25、26を設けているが、スクイーズ部の個数や配置などはこれに限定されるものではなく、例えば1個のスクイーズ部を配置してもよい。
これらのスクイーズ位置を通過してきたトナー像は転写部3の中間転写体31に1次転写される。この中間転写体31は、その表面、より詳しくはその外周面にトナー像を一時的に担持可能な像担持体としての無端状ベルトであり、複数のローラー32、33、34、35および36に掛け渡されている。これらのうちローラー32はメインモーターに連結されて、中間転写体31を図1の矢印方向D31に周回駆動するベルト駆動ローラーとして機能している。なお、本実施形態では、記録紙RMとの密着性を高めて記録紙RMへのトナー像の転写性を高めるために、中間転写体31の表面に弾性層を設け、当該弾性層の表面にトナー像が担持されるように構成されている。
ここで、中間転写体31を掛け渡されたローラー32ないし36のうち、メインモーターにより駆動されるのは上記したベルト駆動ローラー32のみであり、他のローラー33ないし36は駆動源を有しない従動ローラーである。また、ベルト駆動ローラー32は、ベルト移動方向D31において一次転写位置TR1の下流側、かつ後述する二次転写位置TR2の上流側で中間転写体31を巻き掛けている。
転写部3は一次転写バックアップローラー37を有しており、一次転写バックアップローラー37は中間転写体31を挟んで感光体ドラム21と対向して配設されている。感光体ドラム21と中間転写体31とが当接する一次転写位置TR1では、感光体ドラム21の外周面が中間転写体31と当接して一次転写ニップ部NP1cを形成している。そして、感光体ドラム21上のトナー像が中間転写体31の外周面(一次転写位置TR1において下面)に転写される。こうして画像形成ステーション2Cにより形成されたシアン色のトナー像が中間転写体31に転写される。同様に、他の画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Kでもトナー像の転写が実行されることで、各色のトナー像が中間転写体31上に順次重ね合わされ、フルカラーのトナー像が形成される。一方、モノクロトナー像が形成される際には、ブラック色に対応した画像形成ステーション2Kのみにおいて、中間転写体31へのトナー像転写が行われる。
こうして中間転写体31に転写されたトナー像は、ベルト駆動ローラー32への巻き掛け位置を経由して二次転写位置TR2に搬送される。この二次転写位置TR2では、中間転写体31を巻き掛けられたローラー34に対して二次転写部4の二次転写ローラー42が中間転写体31を挟んで対向配置されており、中間転写体31表面と転写ローラー42表面とが互いに当接して二次転写ニップ部NP2を形成している。すなわち、ローラー34は二次転写バックアップローラーとして機能している。バックアップローラー34の回転軸は、例えばバネのような弾性部材である押圧部345によって弾性的に、かつ中間転写体31に対して近接・離間移動自在に支持されている。
二次転写位置TR2においては、中間転写体31上に形成された単色あるいは複数色のトナー像が、一対のゲートローラー51から搬送経路PTに沿って搬送される記録媒体RMに転写される。また、トナー像が二次転写された記録媒体RMは、二次転写ローラー42から搬送経路PT上に設けられた定着ユニット7へ送出される。定着ユニット7では、記録媒体RMに転写されたトナー像に熱や圧力などが加えられて記録媒体RMへのトナー像の定着が行われる。こうして、記録媒体RMに所望の画像を形成することができる。
以上が画像形成装置の概略構成である。続いて、本実施形態にかかる画像形成装置に適用可能なラインヘッド29の詳細について説明する。図3、図4および図5は、ラインヘッドの一例を示す図である。特に、図3は、ラインヘッド29が備える発光素子およびレンズの位置関係を、レンズが構成する結像光学系の光軸方向Doaから見た平面図であり、図4は、ラインヘッド29の部分斜視図であり、図5は、ラインヘッド29のA−A線(図3の階段状の二点鎖線)における部分階段断面図であって、該断面をラインヘッド29の長手方向LGDから見た場合に相当する。図3では、レンズLS1、LS2が一点鎖線で記載されているが、これは、発光素子EとレンズLS1、LS2とが光軸方向Doaにおいて異なる位置にあることを考慮したものである。
このラインヘッド29は、長手方向LGDに長尺で幅方向LTDに短尺な全体構成を備える。そこで、図3〜図5および以下の図面では必要に応じて、ラインヘッド29の長手方向LGDおよび幅方向LTDを示す。また、レンズが構成する結像光学系の光軸方向Doaについても、図3〜図5および以下の図面で適宜示すとともに、必要に応じて、光軸方向Doaの矢印側を「表」あるいは「上」と表現し、光軸方向Doaの矢印と反対側を「裏」「下」あるいは「底」と表現する。なお、これらの方向LGD、LTD、Doaは互いに直交もしくは略直交している。
また、上述のとおり、同ラインヘッド29を画像形成装置に適用するにあたっては、ラインヘッド29は、主走査方向MDに直交もしくは略直交する副走査方向SDに移動する感光体ドラム21表面に対して露光を行なうものであり、しかも、感光体ドラム21表面の主走査方向MDはラインヘッド29の長手方向LGDに平行もしくは略平行であり、感光体ドラム21表面の副走査方向SDはラインヘッド29の幅方向LTDに平行もしくは略平行である。そこで、必要に応じて、長手方向LGD・幅方向LTDと一緒に、主走査方向MD・副走査方向SDも図示することとする。
ラインヘッド29では、複数(図3の例では16個)の発光素子Eを長手方向LGDに2行千鳥で並べて、1個の発光素子グループEGが構成されている。言い換えれば、8個の発光素子Eを長手方向LGDに直線状に並べた発光素子行が2行ERa、ERb幅方向LTDに配置されて、1個の発光素子グループEGが構成されている。さらに、複数の発光素子グループEGが3行千鳥で長手方向LGDに並べられている。かかる配列態様は、換言すれば次のようにも説明できる。つまり、長手方向LGDへ距離3×Dg毎に発光素子グループEGを配置して、長手方向LGDに直線的に並ぶ複数の発光素子グループEGから1行の発光素子グループ行GRa等が構成される。さらに、3行の発光素子グループ行GRa、GRb、GRcは、幅方向LTDに距離Dtを空けて配置されるとともに、長手方向LGDに距離Dgだけ互いにシフトされている。
また、各発光素子Eは、互いに同一の発光スペクトルを有するボトムエミッション型の有機EL(Electro-Luminescence)素子である。つまり、各発光素子Eを構成する有機EL素子は、長手方向LGDに長く幅方向LTDに短いガラス平板であるヘッド基板293の裏面293−tに形成されて、ガラス製の封止部材294により封止されている。なお、この封止部材294は、ヘッド基板293の裏面293−tに接着剤により固定されている。
上述のように配置された複数の発光素子グループEGそれぞれに対しては1つの結像光学系OSが対向している。具体的には、この結像光学系OSは、発光素子グループEG側に凸の2枚のレンズLS1、LS2から構成されている。なお、図4、図5では、発光素子グループEGとレンズLS1、LS2との間には遮光部材297が図示されているが、これについては結像光学系の説明の後に説明する。
このラインヘッド29では、3行千鳥で並ぶ複数の発光素子グループEGのそれぞれに対向してレンズLS1、LS2を配置するために、複数のレンズLS1を3行千鳥で並べたレンズアレイLA1と、複数のレンズLS2を3行千鳥で並べたレンズアレイLA2とが設けられている。つまり、レンズアレイLA1(LA2)では、長手方向LGDへ距離3×Dg毎にレンズLS1(LS2)を配置して、長手方向LGDに直線的に並ぶ複数のレンズLS1(LS2)から1行のレンズ行が構成される。さらに、3行のレンズ行は、幅方向LTDに距離Dtを空けて配置されるとともに、長手方向LGDに距離Dgだけ互いにシフトされている。
ちなみに、レンズアレイLA1(LA2)は、光透過製のガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を形成することで構成することができる。また、この実施形態では、長手方向LGDに長尺なレンズアレイを一体的な構成で作成することは困難であることに鑑みて、比較的短尺なガラス平板に樹脂製のレンズLS1(LS2)を3行千鳥で形成して1つの短尺なレンズアレイLA1(LA2)を作製し、この短尺レンズアレイLA1(LA2)を長手方向LGDに複数並べることで、長手方向LGDに長尺なレンズアレイを構成している。
より具体的には、ヘッド基板表面293−hの幅方向LTDの両端部それぞれには、複数のスペーサーSP1が長手方向LGDに直線的に間隔を空けて並べられている。そして、幅方向LTDへスペーサーSP1、SP1に架設された状態で、複数のレンズアレイLA1が長手方向LGDに並べられて、1つの長尺レンズアレイが構成されている。また、レンズアレイLA1からなる長尺レンズアレイ表面の幅方向LTDの両端部それぞれには、複数のスペーサーSP2が長手方向LGDに直線的に間隔を空けて並べられている。そして、幅方向LTDへスペーサーSP2、SP2に架設された状態で、複数のレンズアレイLA2が長手方向LGDに並べられて、1つの長尺レンズアレイが構成されている。さらに、レンズアレイLA2からなる長尺レンズアレイ表面には平板状の支持ガラスSSが接着されており、複数のレンズアレイLA2は各スペーサーSP2のみならず、当該スペーサーSP2の反対側から支持ガラスSSによっても支持されている。また、この支持ガラスSSは、各レンズアレイLA2が外部に露出しないように、当該レンズアレイLA2を覆う機能も併せ持つ。
つまり、上述のように構成された2枚レンズアレイLA1、LA2をヘッド基板293に対向させることで、発光素子グループEGの3行千鳥配置に対応して、2枚のレンズLS1、LS2で構成される結像光学系OSが3行千鳥で長手方向LGDに並ぶこととなる。そして、発光素子グループEGの各発光素子Eが射出した光は、結像光学系OSおよび支持ガラスSSを透過して、感光体ドラム21表面に照射される。なお、図5では、発光素子グループ行GRaに属する発光素子グループEGからの光を結像する結像光学系OSに対して符号OSaが併記されている。また、同様にして、発光素子グループ行GRb、GRcに属する発光素子グループEGからの光を結像する結像光学系OSに対して符号OSb、OScが併記されている。すなわち、幅方向LTDに互いに異なる位置に配置された結像光学系OSに対して、異なる符合OSa、OSb、OScが付されている。なお、各結像光学系OSは、発光素子グループEGからの光を縮小させつつ倒立させる結像特性を有する。
このように、ラインヘッド29では、複数の発光素子グループEGそれぞれに対して専用の結像光学系OSが配置されている。このようなラインヘッド29では、発光素子グループEGからの光は、当該発光素子グループEGに設けられた結像光学系OSにのみ入射し、それ以外の結像光学系OSに入射しないことが望ましい。そこで、ヘッド基板293の表面293−hとレンズアレイLA1との間には、遮光部材297が設けられている。この遮光部材297は、発光素子グループEGから当該発光素子グループEGに対向する結像光学系OSに向かう光を制限する機能を果たす。具体的には、遮光部材297には、発光素子グループEGからこれに対向する結像光学系OSへと向かう導光孔2971が、光軸方向Doaに貫通形成されている。導光孔2971は円柱形状の孔であり、その中心軸は結像光学系OSの光軸OAと概ね一致している。したがって、発光素子グループEGから射出された光のうち、遮光部材297の底面で遮られることなく導光孔2971を通過した光が、結像光学系OSに入射することとなる。そして、結像光学系OSで結像された光が感光体ドラム21表面に照射されて、感光体ドラム21表面が露光される。続いて、ラインヘッド29による露光動作を説明する。
図6は、ラインヘッドによる露光動作の説明図である。特に図6では、主走査方向MDに伸びるライン状のライン潜像を感光体ドラム21表面に形成するラインヘッド29の動作が示されている。このライン潜像の形成動作は、特許文献1の図面11に示された動作と基本的に同等である。すなわち、副走査方向SDに移動する感光体ドラム21表面に対して、副走査方向SDの上流側の結像光学系OSから順にスポットSTを形成する。
具体的には、先ず時刻t1において、副走査方向SDに最上流の結像光学系OSaが発光素子行ERbからの光を結像することで、図6に示す符号t1のハッチングが施された8個のスポットSTが、主走査方向MDに間隔を空けつつ並んで形成される。こうして形成された8個のスポットSTは、感光体ドラム21表面の移動に伴なって副走査方向SDに搬送される。続いて、時刻t2(>t1)において、副走査方向SDに最上流の結像光学系OSbが発光素子行ERaからの光を結像することで、図6に示す符号t2のハッチングが施された8個のスポットSTが、主走査方向MDに間隔を空けつつ並んで形成される。こうして、時刻t1に発光素子行ERbにより形成された8個のスポットSTの間隔を埋めるように、時刻t2に発光素子行ERaが8個のスポットSTを形成する。こうして、主走査方向MDに直線的に並ぶ16個のスポットSTから、主走査方向MDに伸びる1本の潜像L1が形成される。
ここで、結像光学系OSaが発光素子行ERbからの光によりスポットSTを形成した後に、発光素子行ERaからの光によりスポットを形成したのは、次の理由による。すなわち、結像光学系OSaが反転結像特性を有していることから、発光素子行ERbは発光素子行ERaよりも副走査方向SDの上流側にスポットSTを形成する。そこで、先に発光素子行ERbにより8個のスポットSTを形成しておき、これらのスポットSTが副走査方向SDに移動したタイミングで、これらのスポットSTに隣接するように発光素子行ERaが8個のスポットSTを形成することで、16個のスポットSTを主走査方向MDに直線的に並べて形成して、主走査方向MDに伸びる1本の潜像L1を形成することができる。
その後、結像光学系OSaと同様にして、結像光学系OSbが時刻t3(>t2)および時刻t4(>t3)それぞれでスポットSTを形成して、主走査方向MDに伸びる1本の潜像L2を形成するとともに、結像光学系OScが時刻t5(>t4)および時刻t6(>t5)それぞれでスポットSTを形成して、主走査方向MDに伸びる1本の潜像L3を形成する。こうして、結像光学系OSa、OSb、OScにより形成された潜像L1、L2、L3が主走査方向MDに隣接しつつ周期的に並び、これらの潜像L1、L2、L3によってライン潜像LIが形成される。
ところで、図7に示すように、感光体ドラム21表面の速度が変動してしまうことで、潜像L1、L2、L3それぞれの位置が副走査方向SDにずれて、ライン潜像LIに段差が生じてしまう場合がある。ここで、図7は、感光体ドラム表面の速度変動とライン潜像との関係を示す図である。同図に示すように、感光体ドラム21の表面速度が所定速度で一定しているときは、ライン潜像LIに段差は生じない(同図の「定速時」の欄参照)。一方、感光体ドラム21の表面速度が所定速度より加速または減速した場合は、ライン潜像LIに段差が生じている(同図の「加速時」および「減速時」の欄参照)。
そして、いわゆるスキュー補正の影響を受けて、ライン潜像LIに生じる上述の段差がより広がってしまう場合があった。そこで、以下では、ライン潜像の段差が広がってしまう場合のスキュー補正を比較形態として図8〜図11を用いて説明した後に、ライン潜像の段差を抑制可能なスキュー補正を実施形態として図12〜図16を用いて説明する。また、上述では、1つの結像光学系OSに対して16個の発光素子Eが並ぶ構成を例示して説明したが、以下では、1つの結像光学系OSには64個の発光素子Eが並ぶものとして説明を行なう。
図8は、比較形態におけるページメモリーへのビデオデータの格納の様子を示す模式図である。図8〜図11で示す比較形態および図12〜図16で後に示す実施形態では、1ページ分のビデオデータVD(画像データ)を格納するページメモリーを用いてスキュー補正が実行される。このページメモリーは、主走査方向MDへの位置(画素位置)に対応する列アドレスと副走査方向SDへの位置(画素位置)に対応する行アドレスとから成るマトリックスに、ビデオデータVDを格納するものである。より具体的には、1つのアドレスA(m,n)には64bitのビデオデータVD、すなわち64個の発光素子E分のビデオデータVDが格納される。先に述べたとおり、1つの結像光学系OSに対して設けられる発光素子Eの個数は64個であるから、1つのアドレスA(m,n)には1つの結像光学系OS分に相当する量のビデオデータVDが格納される。
そして、図8では、右肩上がりのスキューが発生しているとして、このスキューを打ち消すように、主走査方向MDへ1ライン分のビデオデータVDが右肩下がりにページメモリーに格納されている。つまり、図8で主走査方向MDに周期的に並ぶ潜像L1、L2、L3のビデオデータは同一のライン潜像LIを構成するものであるが、これらは同じ行のアドレスに格納されるのではなく、8個の結像光学系OSに対応するデータ量(64bit×8=512bit)毎に格納する行アドレスが1つずつシフトしている。すなわち、図8において、8個の列アドレス毎にスキュー補正量が「0」から順番に「1」ずつ増えている。その結果、列アドレス0〜7に格納されるビデオデータVDは、スキュー補正量が「0」であり、列アドレス8〜15に格納されるビデオデータVDは、スキュー補正量が「1」であり、…となっている。こうして、スキュー補正量が「1」だけ異なったスポットSTどうしは、副走査方向SDに1画素分だけ互いにずれたタイミングで形成される。このように、所定bit(512bit)毎にスポットSTの形成タイミングをずらすことで、スキュー補正が実行される。
そして、このようにページメモリーに格納されたライン潜像LIのビデオデータVDが、列アドレス0から順に読み出されるとともに、この読み出されたビデオデータVDに基づいてラインヘッド29がライン潜像LIの形成動作を実行する。これにより、右肩上がりのスキューが補正されて、図9に示すようなライン潜像LIを得ることができる。ここで、図9は、比較形態においてスキュー補正されたライン潜像を示す図である。
ただし、図10、図11に示すように、感光体ドラム21表面に速度変動があると、この速度変動に起因する段差がスキュー補正によってより大きくなってしまう場合があった。図10は、比較形態において感光体ドラム表面が加速した場合のライン潜像を示す図であり、図11は、比較形態において感光体ドラム表面が減速した場合のライン潜像を示す図である。図7を用いて先に説明したとおり、感光体ドラム21表面の速度が変化することでライン潜像LIを構成する潜像L1、L2、L3の間に段差が生じる場合があるが、図10および図11では、スキュー補正によってこの段差がより広がってしまっているのがわかる(破線丸で囲まれた部分を参照)。
この原因について説明する。図8に示すように、ライン潜像LIは所定bit(512bit)毎に1ずつスキュー補正量が増加された1ライン分のビデオデータVDから構成されており、言い換えれば、ライン潜像LIには、スキュー補正量の変化する境界が所定bit毎に現れる。一方、ライン潜像LIは、異なる結像光学系OSa、OSb、OScによって形成された潜像L1、L2、L3が主走査方向MDに並んで構成されている。このとき、ライン潜像LIにおいて、スキュー補正量の変化する境界と、異なる結像光学系OSで形成された潜像の境界とが一致すると、感光体ドラム21表面の速度変動に起因する段差がスキュー補正の影響でより広がってしまい、その結果、図10や図11に示す問題が発生する。
一方、図12〜図16を用いて続いて説明する実施形態は、このような段差を抑制可能な構成を具備するものである。図12は、実施形態が備えるスキュー補正回路の電気的構成を示すブロック図である。なお、図12に示すスキュー補正回路100は、ヘッドコントローラーHC(図2)に内蔵されている。
このスキュー補正回路100は、ラインバッファー110、シフトレジスター120、メモリーコントローラー130およびRAM(Random Access Memory)で構成されたページメモリー140から構成されている。まず、メインコントローラーMCからヘッドコントローラーHCにビデオデータVDが送られてくると、ラインバッファー110はこのビデオデータVDを主走査方向MDに1ラインずつバッファーする。また、ラインバッファー110は、バッファーしたビデオデータVDをシフトレジスター120に転送する。シフトレジスター120は、受け取った1ライン分のビデオデータVDを32bitだけシフトさせた後に、メモリーコントローラー130を介してページメモリー140に格納させる。
図13は、実施形態におけるページメモリーへのビデオデータの格納の様子を示す模式図である。同図においても、比較形態の説明で示した図8と同様に、右肩上がりのスキューが発生しているとして、このスキューを打ち消すように、主走査方向MDへ1ライン分のビデオデータVDが右肩下がりにページメモリーに格納されている。ただし、図13ででは、1ライン分のビデオデータVDが、列アドレスの増加方向に32bit(1つの結像光学系OS分に相当する量の半分)だけシフトされて、ページメモリー140に格納されている点で、図8と異なっている。その結果、ライン潜像LIを構成する1ライン分のビデオデータVDにおいて、スキュー補正量の変化する境界は、一の結像光学系OSで形成される潜像のビデオデータVDの途中に位置しており、異なる結像光学系OSで形成される潜像のビデオデータVDの境界からずれている。
そして、シフトレジスター120は、こうしてページメモリー140にいったん格納したビデオデータVDを、メモリーコントローラー130を介して再び読み出して、ラインバッファー110に書き込む。このとき、シフトレジスター120は、列アドレスの減少方向に32bitだけシフトしつつ、ページメモリー140からビデオデータVDを読み出して、ラインバッファー110に格納する。
このような格納・シフト・読出といった処理を経てビデオデータVDをラインバッファー110に格納することで、実際には図13に示したようにページメモリー140に格納されたビデオデータは、図14に示すようにページメモリー140に格納されているのと等価となる。ここで、図14は、実施形態におけるページメモリーへのビデオデータの格納の様子を示す模式図である。つまり、等価的には、図14に示すようにページメモリー140に格納されているビデオデータVDが、1ラインごとにラインバッファーに110に転送・格納されることとなる。したがって、ラインバッファー110に格納される1ライン分のビデオデータVDにおいて、スキュー補正量の変化する境界は、一の結像光学系OSで形成される潜像のビデオデータVDの途中に位置しており、異なる結像光学系OSで形成される潜像のビデオデータVDの境界からずれている。そして、ラインバッファー110に格納されたビデオデータVDに基づいて、ラインヘッド29はライン潜像を形成する。したがって、ライン潜像LIにおいて、スキュー補正量の変化する境界と、異なる結像光学系OSで形成された潜像の境界とが一致せず、その結果、図15および図16に示すように、ライン潜像LIでの段差が抑制されている。ここで、図15は、実施形態において感光体ドラム表面が加速した場合のライン潜像を示す図であり、図16は、実施形態において感光体ドラム表面が減速した場合のライン潜像を示す図である。
以上のように、この実施形態では、異なる結像光学系OSで形成された潜像の境界で隣接するスポットは同じスキュー補正量で形成されており(換言すれば、形成タイミングの補正量は同じであり)、当該境界におけるライン潜像の段差が抑制可能となっている。一方、同一の結像光学系OSで形成されるスポットSTどうし(例えば、図14での符号L2aが付された部分のスポットと符号L2bが付された部分のスポット)のスキュー補正量は異なっており、このようにスキュー補正量を適宜ずらすことで、スキュー補正を効果的に行うことが同時に可能となっている。こうして、この実施形態では、スキュー補正を効果的に行いながらも、ライン潜像LIでの段差の抑制が可能となっている。
また、スキュー補正回路100(制御部)は、主走査方向MD1ライン分のビデオデータVD(画像データ)を、主走査方向MDへの位置とアドレスとを対応付けてページメモリー140に格納するとともに、各スポットSTの形成タイミングの補正量(スキュー補正量)に応じて、各スポットSRに対応するビデオデータVDを格納するアドレスをずらすように構成している。これによって、スポットSTの形成タイミングの補正を簡便な制御で実行することが可能となっている。
また、本実施形態のように、副走査方向SDに回転する感光体ドラム21を用いた構成では、感光体ドラム21が回転軸から偏心するといった理由によって、感光体ドラム21表面の速度変動が生じて、その結果、上述のようなライン潜像LIの段差が生じやすい。そこで、感光体ドラム21を用いた構成に対しては、本発明を適用して、ライン潜像LIでの段差を確実に抑制しておくことが、好適となる。
その他
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、結像光学系OSが本発明の「レンズ」に相当し、ビデオデータVDが本発明の「画像データ」に相当し、スキュー補正量が本発明の「スポットの形成タイミングの補正量」に相当し、副走査方向SDが本発明の「第1の方向」に相当し、主走査方向MDが本発明の「第2の方向」に相当する。
以上のように、上記実施形態では、ラインヘッド29が本発明の「露光ヘッド」に相当し、感光体ドラム21が本発明の「潜像担持体」に相当し、結像光学系OSが本発明の「レンズ」に相当し、ビデオデータVDが本発明の「画像データ」に相当し、スキュー補正量が本発明の「スポットの形成タイミングの補正量」に相当し、副走査方向SDが本発明の「第1の方向」に相当し、主走査方向MDが本発明の「第2の方向」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明は、種々の結像特性の結像光学系OSを備えた構成に対して適用可能であるため、言い換えれば、種々の結像特性を備えた結像光学系OSを採用可能となる。そこで、上記実施形態のように、縮小像や倒立像を結像させるものはもちろん、拡大像や正立像を結像させるものを結像光学系OSとして採用することも可能である。
また、上記実施形態では、主走査方向MDに512bit毎にスキュー補正量を「1」だけずらしている。しかし、512bit以外のbit数毎にスキュー補正量をずらすように構成しても良いし、スキュー補正量をずらす量も「1」に限られない。
また、副走査方向SDに異なる位置に配置される結像光学系OSの個数(換言すれば、レンズ行の行数)は3個に限られず、2個あるいは4個以上であっても良い。
また、発光素子グループEGを構成する発光素子Eの個数や、配置態様も種々の変更が可能である。
また、上述の有機EL素子以外に、LED(Light Emitting Diode)等の光源を、発光素子Eとして用いることもできる。
21…感光体ドラム、 24…現像器、 29…ラインヘッド、 E…発光素子、 EG…発光素子グループ、 LS1、LS2…レンズ、 OS、OSa、OSb、OSc…結像光学系、 MC…メインコントローラー、 HC…ヘッドコントローラー、 100…スキュー補正回路、 110…ラインバッファー、 120…シフトレジスター、 130…メモリーコントローラー、 MD…主走査方向、 SD…副走査方向、 VD…ビデオデータ
Claims (5)
- 第1の方向に移動する潜像担持体と、
第1の発光素子、第2の発光素子、第3の発光素子、前記第1の発光素子が発光する光を結像して第1のスポットを前記潜像担持体に形成する第1のレンズ、および前記第2の発光素子が発光する光を結像して前記第1の方向に直交もしくは略直交する第2の方向から前記第1のスポットに隣接する第2のスポットを前記潜像担持体に形成するとともに前記第3の発光素子が発光する光を結像して前記第2のスポットの前記第2の方向側で第3のスポットを前記潜像担持体に形成する第2のレンズを有する露光ヘッドと、
前記第1の発光素子の発光を制御して前記第1のスポットの形成タイミングを補正し、前記第2の発光素子の発光を制御して前記第2のスポットの形成タイミングを補正し、前記第3の発光素子の発光を制御して前記第3のスポットの形成タイミングを補正する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1のスポットの形成タイミングの補正量と前記第2のスポットの形成タイミングの補正量を同じにする一方、第3のスポットの形成タイミングを第1のスポットおよび第2のスポットの形成タイミングの補正量と異ならせることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、第2の方向に1ライン分の画像データを第2の方向への位置とアドレスとを対応付けてメモリーに格納するとともに、前記第1のスポット、前記第2のスポットおよび前記第3のスポットの形成タイミングの補正量に応じて、前記第1のスポット、前記第2のスポットおよび前記第3のスポットに対応する画像データを格納するアドレスをずらす請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記潜像担持体は、前記第1の方向に回転する感光体ドラムである請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記第1のレンズ、前記第2のレンズおよび前記第3のレンズは、倒立像を結像する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第1のレンズ、前記第2のレンズおよび前記第3のレンズは、縮小像を結像する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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