JP2011115983A - フィラメントワインディング方法、繊維強化プラスチック長尺体の製造方法、及びフィラメントワインディング装置 - Google Patents

フィラメントワインディング方法、繊維強化プラスチック長尺体の製造方法、及びフィラメントワインディング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ロービングからのマルチフィラメントの繰り出しについて安定性を高めることのできるフィラメントワインディング方法、繊維強化プラスチック長尺体の製造方法、及びフィラメントワインディング装置を提供する。
【解決手段】回転体14の中央部には、軸線方向に沿って挿通部14aが貫設されている。挿通部14aには、長尺材32が挿通される。回転体14には、ロービング21を装着するためのコア15が複数設けられている。各コア15によって、複数のロービング21の内周側が支持される。また、複数のロービング21は、その軸線方向と回転体14の軸線方向とが平行になるように固定される。マルチフィラメントは、複数のロービング21の外周側から繰り出されて長尺材32に巻き付けられる。回転体14には、複数のロービング21の外周側から繰り出されるマルチフィラメントをガイドするガイド部材16が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、長尺材にフィラメントを巻き付けるフィラメントワインディング方法、繊維強化プラスチック長尺体の製造方法、及びフィラメントワインディング装置に関する。
長尺材をFRPで被覆したFRP長尺製品は、例えば農業用資材、水産用資材、建築用資材として利用されている。例えば特許文献1には、巻回された強化繊維を含む繊維強化熱硬化性樹脂層を外周に有する繊維強化中空構造体が開示されている。こうしたFRP長尺製品は、長尺材にフィラメントを巻き付ける工程を通じて得られる。長尺材にフィラメントを巻き付ける方法としては、例えば特許文献2に記載の繊維強化樹脂管の製造方法が知られている。特許文献2の方法では、円筒状芯型の外周に、繊維状補強材を巻回するに際して、円筒状芯型を周方向に回転させるとともにその円筒状芯型の回転方向とは逆方向に繊維供給装置を回転させている。
特開2004−330559号公報 特開2001−270004号公報
長尺材にマルチフィラメントを巻き付けるに際して、長尺材が連続して供給される場合や長尺材が大型となる場合では、上記特許文献2のように長尺材を周方向に回転させることは困難である。このため、マルチフィラメントの巻き付ける際の効率は、ロービングを備えた回転体の回転に依存することになる。こうしたフィラメントワインディングにおいて効率を高めようとすると、回転体による遠心力がロービングに作用することで、ロービングが変形しやすくなる。こうしたロービングの変形は、マルチフィラメントを繰り出す際に、過剰な張力を要したり、マルチフィラメント同士が擦れ合ったりすることがある。すなわち、ロービングの変形は、ロービングからのマルチフィラメントの繰り出しを不安定にするおそれがある。このようにマルチフィラメントの繰り出しが不安定となることで、FRPにより被覆された長尺材においては、マルチフィラメントと硬化性樹脂との複合比率のばらつきが大きくなるおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロービングからのマルチフィラメントの連続的な繰り出しについて安定性を高めることのできるフィラメントワインディング方法、繊維強化プラスチック長尺体の製造方法、及びフィラメントワインディング装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、マルチフィラメントを円筒状に巻回してなる複数のロービングが装着された回転体を回転させることで、前記回転体の中央部に挿通されるとともに前記回転体の軸線方向に沿って連続して供給される長尺材に前記複数のロービングから繰り出される前記マルチフィラメントを巻き付けるフィラメントワインディング方法であって、前記複数のロービングの内周側を支持した状態で前記複数のロービングの軸線方向と前記回転体の軸線方向とが平行になるように前記回転体に前記複数のロービングを固定するとともに、前記マルチフィラメントを前記複数のロービングの外周側から繰り出して前記長尺材に巻き付けることを要旨とする。
例えば、ロービングの外周側を支持するとともに内周側からマルチフィラメントを繰り出す場合では、マルチフィラメントを繰り出すにつれてロービングの内径が拡径することになる。これによりロービングはその径方向において変形しやすい状態となる。この点、上記の発明のように、ロービングの内周側を支持するとともに外周側からマルチフィラメントを繰り出すことで、ロービングの変形が抑制されるようになる。
また、ロービングからマルチフィラメントを繰り出すべくロービングを自転させることで、マルチフィラメントを繰り出す際の抵抗を低減することができるものの、ロービングには回転体による遠心力とロービングの自転による遠心力とが加わることになる。このため、ロービングはその径方向に変形しやすくなる。また、ロービングの重心は、各ロービングにおいて異なるため、それらロービングの自転させる際の軸とロービングの重心軸とを一致させることは困難であることから、自転に伴って重心のバランスが崩れることで、ロービングはその径方向に変形しやすくなる。この点、上記の発明によれば、ロービングが回転体に固定されているため、ロービングの自転による遠心力は作用せず、その結果、ロービングの変形が抑制されるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフィラメントワインディング方法において、前記複数のロービングのうち、隣り合って装着されるロービングにおいて、前記マルチフィラメントの巻回方向を互いに逆方向とされて装着した一対のロービングを含むことを要旨とする。
上記のようにロービングを固定するとともにロービングの外周側からマルチフィラメントを連続的に繰り出す場合、マルチフィラメントはロービングにおける巻回方向とは逆方向に周回しながら順次繰り出されることになる。ここで、隣り合って装着されるロービングにおいて、それらの巻回方向が互いに同方向である場合、ロービングを周回して繰り出される各マルチフィラメントは、隣り合って装着されるロービングの間において対向するように移動するため、各マルチフィラメントは正面衝突しやすくなる。これにより、マルチフィラメントの繰り出しが不安定となるおそれがある。この点、隣り合って装着されるロービングにおいて、マルチフィラメントの巻回方向が互いに逆方向とされることで、それらロービングの間では、互いのマルチフィラメントは同方向に沿うようにして繰り出されることになるため、各マルチフィラメントの繰り出しが円滑となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフィラメントワインディング方法において、前記長尺材が樹脂材料の押出成形により連続して前記回転体に供給されることを要旨とする。
長尺材が樹脂材料の押出成形により連続して回転体に供給されるラインでは、マルチフィラメントの繰り出しが不安定になることで、押出成形に影響を及ぼすおそれがある。すなわち、フィラメントワインディングの停止及び再始動は、押出成形における停止及び再始動により、歩留まりに大きな影響を与えるおそれがある。こうしたラインにおいて、上記のフィラメントワインディング方法を適用することで、歩留まりを高めることが容易となる。
請求項4に記載の発明の繊維強化プラスチック長尺体の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング方法を実施することで前記長尺材に前記マルチフィラメントを巻き付ける工程と、そのマルチフィラメントに含浸された硬化性樹脂を硬化させる工程とを含むことを要旨とする。
この製造方法によれば、繊維強化プラスチック長尺体を安定して連続生産することができるようになる。
請求項5に記載の発明のフィラメントワインディング装置は、マルチフィラメントを円筒状に巻回してなる複数のロービングが装着される回転体を備え、前記回転体の中央部に挿通されるとともに前記回転体の軸線方向に沿って連続して供給される長尺材に前記複数のロービングから繰り出される前記マルチフィラメントを前記回転体の回転により巻き付けるフィラメントワインディング装置であって、前記複数のロービングの内周側を支持した状態で前記複数のロービングの軸線方向と前記回転体の軸線方向とが平行になるように前記回転体に前記複数のロービングを固定するコアと、前記回転体に設けられ、複数のロービングの外周側から繰り出される前記マルチフィラメントをガイドするガイド部材とを備えることを要旨とする。
この構成によれば、ロービングの内周側を支持するとともに外周側からマルチフィラメントを連続的に繰り出すことで、ロービングの変形が抑制されるようになる。また、ロービングが回転体に固定されているため、ロービングの自転による遠心力は作用せず、その結果、ロービングの変形が抑制される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のフィラメントワインディング装置において、前記コアは、その径寸法が変更可能に構成されていることを要旨とする。
この構成によれば、上述したロービングの装着が容易となる。
本発明によれば、ロービングからのマルチフィラメントの連続的な繰り出しについて安定性を高めることができる。
本実施形態のフィラメントワインディング装置の概略構成を示す部分端面図。 ロービングが装着された回転体の概略構成を示す正面図。 ロービングの装着態様を変更した回転体の概略構成を示す正面図。 (a)は縮径状態のコアとロービングとの関係を示す説明図、(b)は拡径状態のコアに固定されたロービングを示す説明図。
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態のフィラメントワインディング装置11は、基台12に固定支持される本体部13と、本体部13に回転可能に支持される回転体14とを備えている。回転体14には、複数のロービング21が装着されている。ロービング21は、マルチフィラメントが巻回されることで円筒状をなしている。フィラメントワインディング装置11は、押出成形装置31から供給される長尺材32にマルチフィラメントを巻き付ける装置である。以下の説明においては、図1の左側を上流側とし、右側を下流側として、長尺材32は上流側から下流側に搬送されるものとして説明する。
長尺材32は、例えば、フィラメントワインディング装置11の上流側に設置されている押出成形装置31により押出成形される。押出成形された長尺材32は、図示を省略している搬送手段により、本体部13に連続して搬入される。本体部13には、上流側から下流側に向けて貫通した搬送部13aが形成されている。長尺材32は、搬送部13aを通じて回転体14へ搬送される。回転体14の中央部には、搬送部13aから搬入された長尺材32が挿通される挿通部14aが回転体14の軸線方向に沿って貫設されている。長尺材32は、挿通部14aを通じて上流側に搬送される。このように長尺材32は、回転体14の軸線方向に沿って連続してフィラメントワインディング装置11に供給される。なお、長尺材32は、押出成形装置31から連続して供給されるため、回転不能である。
図1及び図2に示されるように、回転体14には、複数のロービング21を装着するための複数のコア15が固定されている。各コア15は、下流側から上流側に突出してなり、それらコア15により、複数のロービング21は、その軸線方向と回転体14の軸線方向とが平行になるように回転体14に固定される。本実施形態では、回転体14の周方向において等間隔となるように6個のコア15が設けられることで、6個のロービング21が固定されている。なお、ロービング21自体は、マルチフィラメントのみからなるコアレス構造とされている。
図2に示されるように、複数のロービング21のうち、隣り合って装着される各ロービング21においては、マルチフィラメントの巻回方向Dが互いに逆方向とされている。
マルチフィラメントは、各ロービング21の外周側から繰り出される。回転体14には、ロービング21から繰り出されたマルチフィラメントをガイドするガイド部材16がロービング21の数に対応して設けられている。こうしたガイド部材16は、ロービング21の下流側に延びるように設けられ、マルチフィラメントを挿通させるガイド孔が上流側から下流側に向けて貫設されている。ガイド孔を通じたマルチフィラメントは、長尺材32に対して所定の角度をなすように導かれる。また、長尺材32に至るマルチフィラメントの張力はガイド孔により調整される。なお、ガイド部材16は、回転体14に対して移動又は着脱可能に設けられることで、ロービング21の装着における障害となることが回避されている。
回転体14は、図示を省略している駆動装置により回転駆動される。駆動装置は、モータを駆動源として、ギア、ベルト、チェーン等を介して回転体14に駆動力が伝達されるように構成される。
上述した回転体14が回転駆動されることで、長尺材32にマルチフィラメントが巻き付けられる。このとき、長尺材32は所定の速度で下流側に搬送されることで、単位長さ当たりに所定量のマルチフィラメントが巻き付けられた長尺材32を連続して得ることができる。
ここで、例えばロービングの外周側を支持するとともに内周側からマルチフィラメントを繰り出す場合では、マルチフィラメントを繰り出すにつれてロービングの内径が拡径することになる。これによりロービングはその径方向において変形しやすい状態となる。こうした状態では回転体14による遠心力によりロービングが変形されることで、ロービングの内周においてマルチフィラメントが繰り出される際に、マルチフィラメント同士が強く擦れ合ったり、マルチフィラメントに過剰な張力が加わったりすることになる。この点、本実施形態ではロービング21の内周側がコア15により支持されることで、ロービング21の径方向への変形が抑制される。また、ロービング21の外周側からマルチフィラメントを繰り出すことで、マルチフィラメントの消費に伴ったロービング21の内径変化はないため、ロービング21の変形は、マルチフィラメントの使用完了に至るまで、コア15により抑制されるようになる。
また、ロービングからマルチフィラメントを繰り出すべくロービングを自転させることで、マルチフィラメントを繰り出す際の抵抗を低減することができるものの、ロービングには回転体による遠心力とロービングの自転による遠心力とが加わることになる。このため、ロービングはその径方向に変形しやすくなる。また、ロービングの重心は、各ロービングにおいて異なるため、それらロービングの自転させる際の軸とロービングの重心軸とを一致させることは困難であることから、自転に伴って重心のバランスが崩れることで、ロービングはその径方向に変形しやすくなる。この点、本実施形態では、ロービング21が回転体14に固定されているため、ロービング21の自転による遠心力は作用せず、その結果、ロービング21の変形が抑制されるようになる。
上記のようにロービング21が固定されており、ロービング21の外周側からマルチフィラメントを連続的に繰り出す場合、マルチフィラメントは巻回方向Dとは逆方向にロービング21を周回しながら順次繰り出されることになる。このとき、図2に示されるように、回転体14の回転駆動に伴う遠心力や空気抵抗により、ロービング21から過剰に繰り出されたマルチフィラメントがロービング21を周回する。
ここで、図3に示されるように、隣り合って装着される各ロービング21において、巻回方向Dを互いに同方向として装着してフィラメントワインディングを行うこともできる。この場合、マルチフィラメントは巻回方向Dとは逆方向にロービング21を周回しながら順次繰り出されることになる。このとき、隣り合って装着されるロービング21において、それらロービング21を周回して繰り出される各マルチフィラメントは、図3に二点鎖線で示すように、それらロービング21の間において対向するように移動するため、各マルチフィラメントは正面衝突しやすくなる。これにより、マルチフィラメントの繰り出しが不安定となるおそれがある。この点、図2に示されるように、隣り合って装着される各ロービング21においては、マルチフィラメントの巻回方向Dが互いに逆方向とされていることで、各ロービング21の間では、図2に二点鎖線で示すように、互いのマルチフィラメントが同方向に沿うようにして繰り出されることになるため、マルチフィラメントの繰り出しが円滑となる。
図4(a)に示されるように、本実施形態のコア15は、その径方向に移動可能に分割された構成とされている。こうしたコア15を構成する分割体の相対位置は、例えばトグル機構、四節リンク等をコア15に内蔵させることで、変更可能に構成される。図4(a)に示される縮径状態のコア15にロービング21を挿入した後に、コア15の分割体を離間させることで、図4(b)に示される拡径状態のコア15とされる。こうしてロービング21の内周側が拡径状態のコア15により支持されることで、ロービング21はコア15に固定される。なお、回転体14の回転駆動に伴う遠心力に抗してロービング21を保持するという観点から、図2及び図3に示されるように、コア15を分割する分割線15aと遠心力が加わる方向(回転体14の回転中心を通る径方向)とが異なる方向となるように、コア15を装備することが好ましい。
こうしてマルチフィラメントが巻き付けられた長尺材32から、繊維強化プラスチック長尺体を得ることができる。すなわち、繊維強化プラスチック長尺体を得るには、マルチフィラメントが巻き付けられた長尺材32において、マルチフィラメントに含浸された硬化性樹脂を硬化させる工程を実施する。マルチフィラメントに硬化性樹脂を含浸させるには、長尺材32の外周面にあらかじめ硬化性樹脂を付着させた後に、上記フィラメントワインディングを実施する。これにより、長尺材32の外周面では、マルチフィラメントが巻き付けられるとともに巻き付けられたマルチフィラメントに硬化性樹脂が含浸される。
なお、フィラメントワインディングの後工程において、マルチフィラメントに硬化性樹脂を含浸する工程を実施してもよい。この場合、フィラメントワインディングに供される長尺材32には、あらかじめ硬化性樹脂を付着してもよいし、この付着を省略してもよい。
なお、上記のフィラメントワインディングでは、マルチフィラメントを巻き付け可能であれば、長尺材32の材質は特に限定されない。長尺材32を構成する樹脂材料としては、例えばABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン−スチレン樹脂)、PO樹脂(ポリオレフィン樹脂)、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)、PC(ポリカーボネート樹脂)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)、及びPPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂、すなわちポリフェニレンとポリスチレンとのグラフト共重合体)等が挙げられる。また、長尺材32の断面形状は、特に限定されず、例えば中実であってもよいし、管状であってもよい。
マルチフィラメントを構成するモノフィラメントとしては、例えばガラス繊維、炭素繊維等の無機系繊維、ポリアミド系繊維(特にアラミド繊維)等の有機系繊維が挙げられる。
繊維強化プラスチックを形成する硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂であってもよいし、紫外線等のエネルギー線により硬化されるエネルギー線硬化性樹脂であってもよい。硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
繊維強化プラスチック長尺体は、用途に応じて所定の長さに切断される。こうした長尺材32の用途としては、特に限定されず、例えば農業用資材、水産用資材、及び建築用資材が挙げられる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)本実施形態のフィラメントワインディング方法は、ロービング21を回転体14に固定した状態で実施される。ロービング21はその内周側を支持され、外周側からマルチフィラメントを繰り出し、そのマルチフィラメントを長尺材32に巻き付けている。このため、ロービング21の変形が抑制されるようになる。これにより、ロービング21からのマルチフィラメントの繰り出しについて安定性を高めることができる。これにより、長尺材32の単位長さ当たりに巻き付けられるマルチフィラメント量は安定化されることで、繊維強化プラスチック長尺体では、マルチフィラメントと硬化性樹脂との複合比率のばらつきが低減される。従って、繊維強化プラスチック長尺体において、強度等の性能を安定化させることができる。
(2)複数のロービング21のうち、隣り合って装着される各ロービング21においては、巻回方向Dが互いに逆方向とされている。これにより、各ロービング21の間において、互いのマルチフィラメントは同方向に沿うようにして繰り出されることになる。このため、各マルチフィラメントの繰り出しが円滑となる。従って、ロービング21からのマルチフィラメントの繰り出しについて安定性をさらに高めることができる。
(3)長尺材32は、樹脂材料の押出成形により連続して回転体14に供給されている。ここで、長尺材32が樹脂材料の押出成形により連続して回転体14に供給されるラインでは、マルチフィラメントの繰り出しが不安定となることで、歩留まりに大きな影響を与えるおそれがある。この点、上記のフィラメントワインディング方法を適用することで、歩留まりを高めることが容易となる。
(4)繊維強化プラスチック長尺体の製造方法では、マルチフィラメントが巻き付けられた長尺材32において、そのマルチフィラメントに含浸された硬化性樹脂を硬化させる工程を実施している。この製造方法によれば、フィラメントワインディングを実施する工程において、マルチフィラメントの連続的な繰り出しについて安定性が高められる結果、繊維強化プラスチック長尺体を安定して連続生産することができるようになる。
(5)フィラメントワインディング装置11は、複数のロービング21を固定するコア15と、複数のロービング21の外周側から繰り出されるマルチフィラメントをガイドするガイド部材16とを備えている。このように構成されたフィラメントワインディング装置11によれば、上記(1)で述べた作用効果を得ることができる。
(6)径寸法の変更不能なコアの場合では、コアにロービングを挿入するとともに、例えばコアの外周面とロービングの内周面との間隙にスペーサを挿入することで、ロービングを固定することになる。こうしたロービングの装着作業は煩わしく、例えばスペーサ挿入時にロービングの端面を変形させてしまうおそれがある。本実施形態のコア15は、その径寸法が変更可能に構成されているため、ロービング21を装着する作業が容易となる。しかも、コア15の径寸法の変更によりロービング21が固定されることで、ロービング21端面の変形を回避することが容易となる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成してもよい。
・図2に示されるように前記実施形態の各ロービング21では、隣り合って装着されているものすべてが、マルチフィラメントの巻回方向Dを逆方向とされて装着されている。例えば、隣り合って装着されている一対のロービング21のみについて、マルチフィラメントの巻回方向Dを互いに逆方向として装着してもよい。
・図4(a)及び図4(b)に示されるように前記コア15は、軸線方向に沿って2分割された構成とされているが、3分割以上とした構成により、コアの径寸法を変更可能に構成してもよい。また、コアの外周面から突出する突出部材をコアの径方向に沿って移動可能に設けることで、コアの径寸法を部分的に変更可能に構成してもよい。
・ロービング21の数(すなわち、コア15の数)は、特に限定されないが、フィラメントワインディングの効率を高めるという観点から、例えば4個以上であることが好ましく、装置の小型化の観点から、6個以下であることが好ましい。また、フィラメントワインディング装置11において、コア15の数よりも少ない数のロービング21を装着することで、フィラメントワインディングを実施してもよい。
・前記ガイド部材16に、マルチフィラメントが張架されることで、マルチフィラメントの張力を調整する調整部材(ガイドローラー等)を設けてもよい。
・前記長尺材32は、樹脂材料の押出成形により連続して前記回転体14に供給されているが、予め成形された長尺材32を準備し、その長尺材32に対して上記のフィラメントワインディングを実施してもよい。
・前記フィラメントワインディング装置11を併設することで、前記フィラメントワインディングを複数回実施してもよい。例えば、長尺材32に対するマルチフィラメントの巻き付け方向が逆方向となる複数回のフィラメントワインディングを実施することで、強度等の物性を高めたFRP製品を得ることができるようになる。また、前記フィラメントワインディングの前工程又は後工程において、長尺材32の軸線方向に沿うようにマルチフィラメント又はモノフィラメントを長尺材32に一体化させてもよい。
・繊維強化プラスチック長尺体において、FRP層の外層に例えば樹脂層を設けた構成としてもよい。また、長尺材32は、単一の樹脂材料から形成されてもよいし、複数種の樹脂材料から形成されていてもよい。例えば、異なる樹脂材料から形成した複数層を有する長尺材32であってもよい。
11…フィラメントワインディング装置、14…回転体、15…コア、16…ガイド部材、21…ロービング、32…長尺材。

Claims (6)

  1. マルチフィラメントを円筒状に巻回してなる複数のロービングが装着された回転体を回転させることで、前記回転体の中央部に挿通されるとともに前記回転体の軸線方向に沿って連続して供給される長尺材に前記複数のロービングから繰り出される前記マルチフィラメントを巻き付けるフィラメントワインディング方法であって、
    前記複数のロービングの内周側を支持した状態で前記複数のロービングの軸線方向と前記回転体の軸線方向とが平行になるように前記回転体に前記複数のロービングを固定するとともに、
    前記マルチフィラメントを前記複数のロービングの外周側から繰り出して前記長尺材に巻き付けることを特徴とするフィラメントワインディング方法。
  2. 前記複数のロービングのうち、隣り合って装着されるロービングにおいて、前記マルチフィラメントの巻回方向を互いに逆方向とされて装着した一対のロービングを含むことを特徴とする請求項1に記載のフィラメントワインディング方法。
  3. 前記長尺材が樹脂材料の押出成形により連続して前記回転体に供給されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフィラメントワインディング方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング方法を実施することで前記長尺材に前記マルチフィラメントを巻き付ける工程と、そのマルチフィラメントに含浸された硬化性樹脂を硬化させる工程とを含むことを特徴とする繊維強化プラスチック長尺体の製造方法。
  5. マルチフィラメントを円筒状に巻回してなる複数のロービングが装着される回転体を備え、前記回転体の中央部に挿通されるとともに前記回転体の軸線方向に沿って連続して供給される長尺材に前記複数のロービングから繰り出される前記マルチフィラメントを前記回転体の回転により巻き付けるフィラメントワインディング装置であって、
    前記複数のロービングの内周側を支持した状態で前記複数のロービングの軸線方向と前記回転体の軸線方向とが平行になるように前記回転体に前記複数のロービングを固定するコアと、
    前記回転体に設けられ、複数のロービングの外周側から繰り出される前記マルチフィラメントをガイドするガイド部材とを備えることを特徴とするフィラメントワインディング装置。
  6. 前記コアは、その径寸法が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載のフィラメントワインディング装置。
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