JP2011113903A - 照明装置およびその製造方法 - Google Patents

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Akimasa Yuki
昭正 結城
Kenji Itoga
賢二 糸賀
Naoko Iwasaki
直子 岩崎
Isamu Nagae
偉 長江
Takahiro Nishioka
孝博 西岡
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Abstract

【課題】光学シート、LEDの数を減らし、光の均一性、利用効率を高める導光板を備える照明装置およびその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明にかかる照明装置は、導光板1と、導光板1の側面に配置された光源2と、導光板1の裏面において、光源2からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列11とを備え、複数のプリズム列11の各々は、導光板1の第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、導光板1は、屈折率の異方性を有し、その分子配向が複数のプリズム列11のノコギリ形状の稜線と平行である。
【選択図】図1

Description

本発明は照明装置およびその製造方法に関し、特に液晶パネルディスプレイに用いられる照明装置に関する。
今日、液晶ディスプレイは、画質に優れたディスプレイとして広く普及しており、今後は、さまざまな場面でこれまでに無かった用途で使用され、世の中の利便性を高めるデバイスになると期待されている。これを実現するためには、より製造コストを下げ、消費電力をさげ、安価で使いやすいディスプレイとなることが期待されている。
液晶ディスプレイの製造コストを高めている要因のひとつには、バックライトである照明装置に、正面方向に高輝度を実現するために反射シート、拡散シート、レンズシートなどの多くの光学シートを用いていること、ならびに、水銀ランプに比べ環境負荷が少なく発光効率は高いがコストも高いLED光源の採用が増えてきていることにある。
特許文献1では光学シートを不要にするために、エッジライト方式のバックライトにおいて、バックライトの導光板入光面に平行に配置された冷陰極ランプ(CCFL)からの光を面状に広げ表面から出光させる導光板の裏面に微細なドット形状の分散ドットパターンを形成し、分散ドットの各ドットは四角錐の上部を底面と平行に切断した断面台形状とし、冷陰極ランプから遠くなるにつれてドットが粗から密の状態に変化するように形成している。
また、特許文献2では光学シートを不要にするために、エッジライト方式のバックライトにおいて、バックライトの導光板の裏面に、光を反射するプリズムの集まった小領域を複数形成し、入光面から遠ざかるにつれてその小領域の面積あるいは存在比率を上げることにより、面内の輝度分布の均一化を行っている。
また、特許文献3では、点状光源から効率的に光を伝播させLEDの数を減らすために、ライトガイドを設けて点状光源からの光を誘導している。
特開2000−221329号公報 特表2008−516391号公報 特開平11−231320号公報
特許文献1および2に示されるような従来の導光板では、光学シートがなくとも導光板から面内に均一に光を取り出すことを目指しているが、取り出された光の進む方向までは制御されていない。このため、正面方向に高輝度を実現するために、やはり反射シート、拡散シート、レンズシートなどの多くの光学シートを必要とするという問題があった。
また、光の分布を均一にする、特許文献3に示されるようなライトガイドが設けられているが、正面方向に放射され液晶パネルを照明する光には、液晶パネルでは利用できない偏光成分が半分近く含まれており、液晶ディスプレイとして光の利用効率はまだ低いという問題もあった。
本発明は、上記のような問題を解決すべくなされたものであり、LEDの数、光学シートの使用を減らし、製造コストを抑えるため光の利用効率を高めた導光板を備える照明装置およびその製造方法の提供を目的とするものである。
本発明の第1の態様にかかる照明装置は、導光板と、前記導光板の側面に配置された光源と、前記導光板の裏面において、前記光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列とを備え、前記複数のプリズム列の各々は、前記導光板の前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記導光板は、屈折率の異方性を有し、その分子配向が前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行である。
また、本発明の第2の態様にかかる照明装置は、ライトガイドと、前記ライトガイドの第1側面に配置された導光板と、前記ライトガイドの前記第1側面に垂直な第2側面に配置された点状光源と、前記ライトガイドの前記第1側面と向かい合う側面において、前記点状光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列とを備え、前記ライトガイドは、前記点状光源から出射した光を前記導光板に誘導し、前記複数のプリズム列の各々は、前記ライトガイドの前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記ライトガイドは、屈折率の異方性を有し、その分子配向が前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行である。
また、本発明の第1の態様にかかる照明装置の製造方法は、(a)導光板の金型を用意する工程と、(b)前記金型に、前記導光板の材料を流し込み、射出成形により前記導光板を形成する工程と、(c)光源を前記導光板の側面に配置する工程とを備え、前記工程(a)は、前記導光板の裏面において、前記光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列を備えた前記導光板の金型を用意する工程であり、前記複数のプリズム列の各々は、前記導光板の前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記工程(b)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率の異方性を有する前記導光板の材料を流し込む工程である。
また、本発明の第2の態様にかかる照明装置の製造方法は、(a)ライトガイドの金型を用意する工程と、(b)前記金型に、前記ライトガイドの材料を流し込み、射出成形により前記ライトガイドを形成する工程と、(c)導光板を前記ライトガイドの第1側面に配置する工程と、(d)点状光源を前記ライトガイドの前記第1側面に垂直な第2側面に配置する工程とを備え、前記工程(a)は、前記導光板の裏面において、前記点状光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列を備えた前記ライトガイドの金型を用意する工程であり、前記複数のプリズム列の各々は、前記ライトガイドの前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記工程(b)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率に異方性を有する前記ライトガイドの材料を流し込む工程である。
本発明の第1の態様にかかる照明装置によれば、導光板と、前記導光板の側面に配置された光源と、前記導光板の裏面において、前記光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列とを備え、前記複数のプリズム列の各々は、前記導光板の前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記導光板は、屈折率の異方性を有し、その分子配向が前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行であることにより、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分の光をより多く正面方向へ放射させ、光の利用効率を高めることができる。
また、本発明の第2の態様にかかる照明装置によれば、ライトガイドと、前記ライトガイドの第1側面に配置された導光板と、前記ライトガイドの前記第1側面に垂直な第2側面に配置された点状光源と、前記ライトガイドの前記第1側面と向かい合う側面において、前記点状光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列とを備え、前記ライトガイドは、前記点状光源から出射した光を前記導光板に誘導し、前記複数のプリズム列の各々は、前記ライトガイドの前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記ライトガイドは、屈折率の異方性を有し、その分子配向が前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行であることにより、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分の光をより多く導光板に入射させ、光の利用効率を高めることができる。また、ライトガイドに光を伝播させることで、放射される光の分布が均一になる。
また、本発明の第1の態様にかかる照明装置の製造方法によれば、(a)導光板の金型を用意する工程と、(b)前記金型に、前記導光板の材料を流し込み、射出成形により前記導光板を形成する工程と、(c)光源を前記導光板の側面に配置する工程とを備え、前記工程(a)は、前記導光板の裏面において、前記光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列を備えた前記導光板の金型を用意する工程であり、前記複数のプリズム列の各々は、前記導光板の前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記工程(b)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率の異方性を有する前記導光板の材料を流し込む工程であることにより、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分の光をより多く正面方向へ放射させ、光の利用効率を高めることができる。
また、本発明の第2の態様にかかる照明装置の製造方法によれば、(a)ライトガイドの金型を用意する工程と、(b)前記金型に、前記ライトガイドの材料を流し込み、射出成形により前記ライトガイドを形成する工程と、(c)導光板を前記ライトガイドの第1側面に配置する工程と、(d)点状光源を前記ライトガイドの前記第1側面に垂直な第2側面に配置する工程とを備え、前記工程(a)は、前記導光板の裏面において、前記点状光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列を備えた前記ライトガイドの金型を用意する工程であり、前記複数のプリズム列の各々は、前記ライトガイドの前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、前記工程(b)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率に異方性を有する前記ライトガイドの材料を流し込む工程であることにより、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分の光をより多く導光板に入射させ、光の利用効率を高めることができる。また、ライトガイドに光を伝播させることで、放射される光の分布が均一になる。
実施の形態1にかかる照明装置の模式図である。 実施の形態1にかかる導光板の成形時の樹脂の流れを示す模式図である。 実施の形態1にかかる導光板から液晶パネルに放射される光の配光特性(平行偏光成分と直交偏光成分)を示した図である。 実施の形態1にかかる導光板の成形時の樹脂の流れを示す模式図である。 実施の形態1にかかる導光板から液晶パネルに放射される光の配光特性(平行偏光成分と直交偏光成分)を示した図である。 一般的なポリカーボネイトの分子構造図である。 実施の形態1にかかる導光板の中を伝播する光の模式図である。 実施の形態1にかかる導光板の中を伝播する光の模式図である。 実施の形態2にかかる導光板の構造を示す図である。 実施の形態2にかかる導光板にポリカーボネイトを用いた場合の光の配光特性(平行偏光成分と直交偏光成分)を示した図である。 実施の形態2にかかる導光板にトパスを用いた場合の光の配光特性(平行偏光成分と直交偏光成分)を示した図である。 実施の形態2にかかる導光板にアクリルを用いた場合の光の配光特性(平行偏光成分と直交偏光成分)を示した図である。 実施の形態3にかかる導光板のプリズム列の断面図である。 実施の形態3にかかる導光板のプリズム列金型による加工方法を示した図である。 実施の形態3にかかる導光板から液晶パネルに放射される光の配光特性(平行偏光成分と直交偏光成分)を示した図である。 実施の形態4の照明装置の模式図である。
<A.実施の形態1>
<A−1.構成>
図1は本発明の実施の形態1の照明装置のエッジライト方式バックライトの模式図であり、図1(a)はその平面図、図1(b)はその断面図である。照明装置に備えられた導光板1と、導光板1の一側面に対向して配置された光源2と、導光板1により光が導かれる液晶パネル5とが示されている。液晶パネル5と導光板1との間には拡散シート3が配置され、導光板1の裏面側には裏面シート4が配置されている。
導光板1は、液晶パネル5が配置される側とは反対の裏面側に、プリズム列11が形成されている。プリズム列11は、光源2からの遠近を規定する第1方向に複数形成され、その第1方向の断面形状は、頂角が100°で底面幅が50μmの二等辺三角形(三角形の斜面はどちらも、導光板1の底面の法線方向から50°の傾斜角を持つ平面)のノコギリ形状であり、導光板1の裏面において第1方向と垂直な方向にはストライプ状に延長され、第1方向には平坦部分により分離され、間欠的に形成されている。
分離されたプリズム列11の間隔は、光源2から遠ざかるにつれ小さくなるように(すなわちピッチPが小さくなるように)配置されている。
導光板1のサイズは、例えば厚さが0.6mm、光源2に対向する入光面の幅が46mm、入光面と直交する長さが69mmである。
導光板1の材料は例えばポリカーボネイトであり、射出成形を用いて形成する。このとき、図示しない金型の、溶融した樹脂を流し込む入り口であるゲートは、図2に示すように光源2に対向する入光面に直交する側面全面わたって設け(縦ゲート100)、溶融した樹脂(ポリカーボネイト)は、プリズム列11のノコギリ形状の稜線に沿った方向に流れる。
<A−2.動作>
<A−2−1.平行偏光増大効果>
図1において、光源2から放射された光Laは、導光板1に入射し、導光板1の液晶パネル5側の上面とその反対側の底面とにおいて、内面全反射を繰り返しながら反光源方向に進むが、その全反射の際プリズム列11に到達した光Laは、通常の全反射とは異なる方向の液晶パネル5側に反射され、導光板1から放射される。この途中で、拡散シート3により配光特性は調整され、表示品位がなめらかになる。一方、裏面シート4は導光板1の裏面から漏れた光を反射し、導光板1の裏面における構造を隠し見栄えを改善し、プリズム列11自体を保護する役割を持つ。
光源2から遠ざかるにつれて導光板1の中を伝播する光Laの量は減少するため、プリズム列11のピッチPを、光源2から遠ざかるにつれて小さくすることにより、光Laがプリズム列11に反射する確率が高くなり、光Laの量の低下を補い液晶パネル5側に放射される光の輝度を均一にすることが出来る。
このとき、プリズム列11により導光板1の底面の法線方向から反光源側に4.5〜10°の方向に放射される光の偏光状態に関して図3を参照して以下に述べる。なお図1に示すように、導光板1の光源2に対向する入光面の長手方向に平行な偏光成分(図1のA方向成分)を平行偏光成分、これと直交する偏光成分(図1のB方向成分)を直交偏光成分とする。
図3は、導光板1から液晶パネル5に放射される光について、上記の平行偏光成分(図3(a))、直交偏光成分(図3(b))それぞれの配光特性を示した図である。図における−90°方向に光源2が配置されているものとする。図3に示すように、導光板1のプリズム列11により液晶パネル5方向に放射される光の偏光の割合は、導光板1の底面の法線方向から反光源側に4.5〜10°の方向に放射される光では、平行偏光成分が直交偏光成分の2倍近く多い。以後、この現象を平行偏光増大効果と呼ぶことにする。
この平行偏光増大効果が発現する場合、バックライト側に配置される図示しない偏光板の透過軸の方向が、導光板1の入光面の長手方向と平行な方向(平行偏光成分を透過するA方向)である場合に、その偏光板と液晶パネル5とを組み合わせることによって、より効果的に高い正面方向の表示輝度が得られることになる。
<A−2−2.原因の検討>
この現象の発現に必要な要件を明らかにするために、以下の検討を行った。図4に示すように、図示しない金型の、溶融した樹脂を流し込む入り口であるゲートを光源2と対向する入光面と反対側の反入光面に設け(横ゲート200)、溶融した樹脂であるポリカーボネイトをプリズム列11のノコギリ形状の稜線に対し直交する方向(B方向)に流して導光板101を製造した。この横ゲート200で製造した導光板101を用いた場合の、導光板101から液晶パネル5方向に放射される光の配光特性を図5に示す。図5に示すように、導光板101の底面の法線方向から反光源側に4.5〜10°の方向に放射される光では、平行偏光成分(図5(a))と直交偏光成分(図5(b))はほぼ同程度の強さであり、図3に見られるような平行偏光増大効果は見られなかった。
また、流し込む樹脂をPMMA(アクリル)やトパスなどの複屈折性の少ない材料に変えた場合は、ゲートを縦ゲート100にした場合であっても、導光板1の底面の法線方向から反光源側に4.5〜10°の方向に放射される光において、平行偏光成分と直交偏光成分はほぼ同程度の強さであり、平行偏光増大効果は見られなかった。
図6に導光板1の材料としてポリカーボネイトの分子構造を示す。図に示すようにポリカーボネイトは、分子の中に異方性の大きなカーボネイト基を有しており、構造物の中で分子配向した場合は、屈折率の異方性が0.01〜0.20程度の大きな値となる。射出成形に際してゲートを入光面に直交する側面全面に設ける縦ゲート100とした場合は、流し込まれたポリカーボネイトはノコギリ形状の稜線に沿った方向(図1のA方向)に流れる。この時、流動配向により、プリズム列11の表面近傍において、プリズム列11のノコギリ形状の稜線に沿った方向(図1のA方向)に分子が配向し、遅相軸がプリズム列11のノコギリ形状の稜線に沿った状態で屈折率の異方性が発生する。この屈折率異方性が、平行偏光増大効果に必要と推察される。
さらに、プリズム列11における光源2側ならびに反光源側の斜面をそれぞれ導光板1の底面の法線方向から50°と20°の傾斜角度とした場合には、導光板1の材料をポリカーボネイトとして縦ゲート100で射出成形した場合でも、導光板1の底面の法線方向から反光源側に4.5〜10°の方向に放射される光では、平行偏光成分と直交偏光成分はほぼ同程度の強さであり、平行偏光増大効果は見られなかった。
この平行偏光増大効果の発現メカニズムは必ずしも明確ではないが、以上の実験的事実から以下のモデルが考えられる。
プリズム列11に反射して、導光板1の底面の法線から反光源側に4.5〜10°傾いた方向に放射される光は、図7に示すように、導光板1の中を導光板1の底面と3.5〜6.9°程度の角度を持った、すなわち底面と平行に近い角度で伝播する光La1がノコギリ形状の光源2側の斜面に当たった場合に発生する。
ここで、導光板1の中を伝播し、液晶パネル5側に放射される光には、図7に示すように、光源2から直接にきた光La1がノコギリ形状の斜面に全反射し放射される場合と、図8に示すように、伝播角度が大きいためにプリズム列11で全反射されずに屈折して、空気層から再度導光板1に入射する経路で伝播した光La2がノコギリ形状の斜面に全反射し放射される場合とがある。
平行偏光増大効果の見られる導光板1において、光源2からの光La1が、プリズム列11を介することなく直接反光源側端面まで到達し空気層に出る場合には、平行偏光成分と直交偏光成分とがほぼ等しいことが計測により確認された。よって、プリズム列11の寄与により、平行偏光増大効果が生じていることが推測できる。
次に図8を参照し、伝播角度が大きいためプリズム列11から空気層に透過し、空気層から再度導光板1に入射する経路で伝播する光La2について検討する。導光板1が光学的に当方性を有する場合、光La2が本発明にかかる照明装置のプリズム列11を通過すると、幾何光学的に2回のプリズム列11の通過でその伝播角度が元に戻ることになるため、導光板1中を光La2のような経路で光が伝播するとき、その伝播角度は変化しないという特徴を持つ。
図8では、27.6°の角度で伝播している光La2は1回目のプリズム通過で伝播角度は16.0°に変わる(図8(a)参照)が、2回目のプリズム通過で再び27.6°に戻っている(図8(b)参照)。2回のプリズム通過の光路が鏡面対称になることから、その理由は容易に理解される。ここで、導光板1の屈折率は例えば1.59であるものとする。
しかし、導光板1が光の進行方向に対し異方性を持っている場合には、より複雑な挙動を示すと考えられる。実施の形態1の導光板1は図2に示すように、縦ゲート100によるポリカーボネイトの射出成形により、プリズム列11の表面近傍にノコギリ形状の稜線に沿った方向(A方向)に分子が配向し、遅相軸がノコギリ形状の稜線に沿った状態であるので、伝播する光に対し大きな屈折率の異方性が存在していた。そのため平行偏光成分、直交偏光成分の進行方向が僅かずつ変化し、結果として平行偏光成分が直交偏光成分より多く伝播角度が導光板1の底面と3.5〜6.9°程度の角度に変化し、その光がプリズム列11により反射され、導光板1の底面の法線方向から反光源側に4.5〜10°の方向に放射されるため、平行偏光増大効果が発現したと推定される。
本モデルによれば、ゲートを入光面あるいは反入光面に設け(図4の横ゲート200)、流動配向によりポリカーボネイトがプリズム列11のノコギリ形状の稜線と直交する方向(B方向)に配向した場合、遅相軸がプリズムと直交する方向になるため、プリズム列11を通過して伝播する光が大きな屈折率差を感じなくなり、平行偏光増大効果は生じないとの説明ができる。
また本モデルによれば、樹脂材料にアクリルやトパスのような屈折率異方性が小さく、よって複屈折の小さい材料を用いた場合には、縦ゲート100で射出成形しても、導光板1内に複屈折が生じにくいため、平行偏光増大効果は弱くなるとの説明ができる。
さらに本モデルによれば、ノコギリ形状の斜面の傾斜角度を、光源2側と反光源側とでそれぞれ、導光板1の底面の法線方向から50°、20°とした場合には、導光板1の屈折率が等方性の材料であっても、偏光方向に関係なく光の伝播につれて角度が複雑に変化してしまう。よって、伝播角度が導光板1の底面と3.5〜6.9°程度の角度の光が、偏光方向に関係なく発生するため、平行偏光増大効果は発現しないとの説明ができる。
以上より、平行偏光成分が直交偏光成分の2倍近い強度で導光板1の液晶パネル5側に放射される平行偏光増大効果が、以下の3つの要件を同時に満たす場合に発現することを実験的に見出した。即ち、1つ目に、導光板1が複屈折性の大きな樹脂(ポリカーボネイト)等であること、2つ目に、導光板1は、入光面と平行に分子配向されていること、3つ目に、プリズム列11のノコギリ形状の稜線は入光面に平行であり、ノコギリ形状の斜面の傾斜角度が、各山を挟んで左右対称であること、である。
<A−3.効果>
本発明にかかる実施の形態1によれば、照明装置において、導光板1と、導光板1の側面に配置された光源2と、導光板1の裏面において、光源2からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列11とを備え、複数のプリズム列11の各々は、導光板1の第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、導光板1は、屈折率の異方性を有し、その分子配向が複数のプリズム列11のノコギリ形状の稜線と平行であることで、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く液晶パネル5側へ放射させ、光の利用効率を高めることができる。
また、これに伴い光源2としてのLEDの個数の削減、消費電力の削減が可能となる。
また、本発明にかかる実施の形態1によれば、照明装置において、導光板1は、ポリカーボネイトよりなることで、屈折率に異方性が生じ、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く液晶パネル5側へ放射させることができる。
<B.実施の形態2>
<B−1.構成>
図9に示すのは、実施の形態2のエッジライト方式照明装置における導光板1の、プリズム列11のノコギリ形状である。頂角96°の二等辺三角形の断面形状を持つノコギリ形状となっている。ノコギリ形状の斜面は、光源2側、反光源側ともに、導光板1の底面の法線方向から48°の傾斜角を持つ平面である。ノコギリ形状の各山の幅は、50μm程度となっている。
ここで導光板1の材料は、実施の形態1の場合と同様にポリカーボネイトであり、また図2に示すような縦ゲート100を用いて射出成形により導光板1を形成する。溶融した樹脂であるポリカーボネイトは、プリズム列11のノコギリ形状の稜線に沿った方向(図2のA方向)に流れ、その方向に分子配向する。
<B−2.動作>
図10は、導光板1から液晶パネル5に放射される光について、平行偏光成分(図10(a))、直交偏光成分(図10(b))それぞれの配光特性を示した図である。図における−90°方向に光源2が配置されているものとする。図に示すように、プリズム列11に到達した光が液晶パネル5方向に放射される偏光の割合を見ると、導光板1の底面の法線方向(図10における横軸0°付近)に丁度ピークを持つ配光特性を示している。このピークの光において、平行偏光成分が直交偏光成分の4倍近く多く、平行偏光増大効果が発現している。これは、実施の形態1においてノコギリ形状の頂角を100°としていた場合に比べ、平行偏光成分の割合が高いものになっていることを示す。
導光板1の底面の法線方向から反光源側に4.5〜10°の方向に放射される光は、図7において示したように、導光板1中をその底面と平行に近い角度で伝播する光La1がプリズム列11の光源2側斜面に当たった場合に発生する。したがって、この放射光をより効率的に液晶パネル5側に取り出すためには、光La1が光源2側斜面で全反射することを考えると、光源2側のプリズム列11の斜面の傾斜角度は48°が望ましい。即ちプリズム列11のノコギリ形状は、頂角96°の二等辺三角形の断面形状を持つものであることが望ましい。
ただし、当該形状はこの傾斜角度に限られるものでなく、拡散シート3における適度な散乱機能を選定することにより、半値角度10°程度は光の配光分布を広げることは可能であるため、液晶パネル5側への放射角度は−10〜10°程度であれば、液晶パネル5側の輝度を高めることは可能である。
したがって、屈折率が1.55〜1.6程度のポリカーボネイトを導光板1に用いる場合、プリズム列11のノコギリ形状の斜面の傾斜角度が46°(頂角92°)〜50°(頂角100°)の範囲であれば、液晶パネル5の輝度を高めることが出来る。
なお、図11(a)(b)、図12(a)(b)には、導光板1に使用する樹脂をトパス、PMMA(アクリル)を用いた場合の、導光板1から液晶パネル5に放射される光の配光特性についてそれぞれ示している。図に示すように、プリズム列11に到達した光が液晶パネル5方向に放射される偏光の割合を見ると、導光板1の底面の法線方向(横軸0°付近)に丁度ピークを持つ光において、平行偏光成分は直交偏光成分と同程度であり、平行偏光増大効果が発現していない。よって、平行偏光増大効果の発現には、実施の形態1で言及したように、導光板1に構成する樹脂に例えばポリカーボネイトのような屈折率異方性を有するものを用いることが必要であることが確認できる。
<B−3.効果>
本発明にかかる実施の形態2によれば、照明装置において、導光板1の屈折率が1.55〜1.6である場合、ノコギリ形状の各斜面の傾斜角度が46〜50°であることで、導光板1の底面と平行に近い角度で伝播する光をより効率的に液晶パネル5側に放射することができる。
<C.実施の形態3>
<C−1.構成>
図13に本発明の実施の形態3のエッジライト方式照明装置における導光板1の、プリズム列11の断面形状をしめす。図に示すように、プリズム列11の断面形状は、頂角96°の山の間に、頂角24°の山を配置したノコギリ形状である。すなわち、ノコギリ形状の各斜面には、2種以上の異なる傾斜角度が混在している。また、頂角24°の山は、その頂角の端部において平坦部を設けている。この平坦部は、プリズム列11自体の保護のために形成される。
<C−2.製造方法>
図14に示すのは、図13に示す導光板1を成形する金型30の加工方法の模式図である。頂角96°のダイヤモンドバイト31と頂角24°のダイヤモンドバイト32を用いて切削加工を行い、導光板1の特にプリズム列11の部分の金型30を形成する様子を示している。図に示すように、導光板1の裏面において、光源2からの遠近を規定する第1方向(図14における左右方向)に間欠的に複数のプリズム列11が備えられるように金型30は形成されている。プリズム列11は、実施の形態1、2に示すように、第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、各山を挟む2斜面の傾斜角度は等しい。
図中に示される数字は寸法の例示であり、例えば同じ頂角のダイヤモンドバイトを100μm間隔で用いて切削加工する。
上記の導光板1の金型30を用意した後、導光板1の材料となる樹脂を金型30のゲートより流し込み、射出成形により導光板1を形成する。導光板1の材料はポリカーボネイトを用い、ノコギリ形状の稜線と平行な方向に流し込むべく、縦ゲート100(図2参照)により射出成形する。さらに、導光板1の側面に光源2を配置する。
図14の金型30に示されるように、導光板1におけるプリズム列11のノコギリ形状は、その各山の間隔が一定ではない。すなわち、頂角24°のダイヤモンドバイト32により切削する位置は、頂角96°のダイヤモンドバイト31で切削した位置同士を二分する位置ではなく、二分する位置よりも光源2から遠ざかる方向にずれた位置に配置される(図14の左方向に光源2が配置されるとする)。これは、導光板1内を伝播してきた光La4、光La5(図13参照)が、ノコギリ形状のうちの頂角96°の斜面に最初に到達する確率を高めるためのものである。なお、導光板1における位置によって、ずらす量を調節することも可能である。
本実施の形態3の製造方法においては、ダイヤモンドバイト31の頂角を96°としているが、当該角度に限定されるものではない。導光板1の屈折率が1.55〜1.6である場合、92〜100°の頂角であってもよい。
図14には示していないが、図13に示すような平坦部を形成するために、さらなる加工を施すことも可能である。
<C−3.動作>
図15は、導光板1から液晶パネル5に放射される光について、平行偏光成分(図15(a))、直交偏光成分(図15(b))それぞれの配光特性を示した図である。図における−90°方向に光源2が配置されているものとする。図に示すように平行偏光成分ならびに直交偏光成分は、導光板1の底面の法線方向に丁度ピークを持つ配光特性を示している。このピークの光において、平行偏光成分が直交偏光成分の2倍近く多く、平行偏光増大効果が発現している。
さらに、図10に示す実施の形態2の配光特性と異なり、図15に示す配光特性では、−20°や40°方向への光のピークが小さくなっていることがわかる。40°方向の光とは、図13に示す光La4のような伝播をした光である。すなわち、連なったプリズム列11の中で、より光源2側のノコギリ形状の反光源側斜面から空気層へ抜けた光が、再度光源2から遠ざかる方向のノコギリ形状の光源2側斜面に入射し、入射したノコギリ形状の反光源側斜面で反射されて伝播角度が大きく曲がり、導光板1から放射される光である。
しかし、頂角24°の山が頂角96°の山の間に存在することにより、光La5のように伝播角度が大きく変化し、空気層から再入射した場合に入射したノコギリ形状の反光源側斜面に到達せずに、導光板1中を伝播していく可能性が大きくなっている。このため、光La4のような伝播をした場合の40°方向のピーク輝度が低下したのである。これにより、液晶パネル5の輝度を効率よく高めることが可能となる。
ここで、伝播してゆく光La5の光路を見ると、光La5が次に到達するノコギリ形状が頂角96°の山の部分である場合には、その光路は鏡面対称になる。このため、平行偏光増大効果が発現する。しかし、光La5が次に到達するノコギリ形状が頂角24°の山の部分である場合には、上記のような光路の対称性はなくなる。よって、平行偏光増大効果をより大きくするためには、頂角24°の山の部分の反光源側斜面にLa5が当たる確率を小さくすることが必要である。そのためには、頂角を小さくすることが有効であるが、製造の際に、ダイヤモンドバイト32の角度を24°以下にすると寿命が短くなる。
また、ダイヤモンドバイト32の角度を小さくすると射出成形での転写性が悪くなる。このような制約から、実際には20°〜30°が適しており、本発明においては前述のように、頂角24°の山を頂角96°の山を二分する位置から光源2から遠ざける方向にずらすことで対応している。
<C−4.効果>
本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置において、複数のプリズム列11のノコギリ形状は、山の頂点に平坦部を有することで、プリズム列11自体の保護をすることができる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置において、ノコギリ形状の各斜面は、2種以上の異なる傾斜角度が混在していることで、導光板1の法線方向に対して大きな角度を持って液晶パネル5側に放射される光La4が減少し、理想的な配光分布を形成でき、光の利用効率を高めることができる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置において、ノコギリ形状の各山の間隔は一定でないことで、プリズム列11に到達した光が、直接頂角の小さい山の斜面に入射する確率を減少させることができ、光路が鏡面対称となり平行偏光成分増大効果が期待できる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置の製造方法において、(a)導光板1の金型30を用意する工程と、(b)金型30に、導光板1の材料を流し込み、射出成形により導光板1を形成する工程と、(c)光源2を導光板1の側面に配置する工程とを備え、工程(a)は、導光板1の裏面において、光源2からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列11を備えた導光板1の金型30を用意する工程であり、複数のプリズム列11の各々は、導光板1の第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、工程(b)は、複数のプリズム列11のノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率の異方性を有する導光板1の材料を流し込む工程であることで、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く液晶パネル5側へ放射させ、光の利用効率を高めることができる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置の製造方法において、(a)導光板1の金型30を用意する工程は、導光板1の屈折率が1.55〜1.6である場合、ノコギリ形状の各斜面の傾斜角度が46〜50°である導光板1の金型30を用意する工程であることで、導光板1の底面と平行に近い角度で伝播する光をより効率的に液晶パネル5側に放射することができる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置の製造方法において、(b)金型30に、導光板1の材料を流し込み、射出成形により導光板1を形成する工程は、導光板1の材料としてポリカーボネイトを流し込む工程であることで、屈折率に異方性が生じ、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く液晶パネル5側へ放射させることができる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置の製造方法において、(a)導光板1の金型30を用意する工程は、複数のプリズム列11のノコギリ形状の山の頂点に平坦部を設けた導光板1の金型30を用意する工程であることで、プリズム列11自体の保護をすることができる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置の製造方法において、(a)導光板1の金型30を用意する工程)は、ノコギリ形状の各斜面に、2種以上の異なる傾斜角度が混在している導光板1の金型30を用意する工程であることで、導光板1の法線方向に対して大きな角度を持って液晶パネル5側に放射される光La4が減少し、理想的な配光分布を形成でき、光の利用効率を高めることができる。
また、本発明にかかる実施の形態3によれば、照明装置の製造方法において、(a)導光板1の金型30を用意する工程は、ノコギリ形状の各山の間隔が一定でない導光板1の金型30を用意する工程であることで、プリズム列11に到達した光が、直接頂角の小さい山の斜面に入射する確率を減少させることができ、光路が鏡面対称となり平行偏光成分増大効果が期待できる。
<D.実施の形態4>
<D−1.構成>
図16に本発明にかかる実施の形態4のエッジライト方式照明装置を示す。図に示すようにこの照明装置は、液晶パネル5と、液晶パネル5の下方に配置される拡散シート3と、拡散シート3の下方に配置される導光板1と、導光板1の一側面に配置される長方形断面の棒状のライトガイド21と、ライトガイド21に光を入射する点状光源20(LEDあるいはレーザー光源)とを備えるものである。導光板1は、ライトガイド21の第1側面側に配置されるものとし、点状光源20は、第1側面に垂直なライトガイド21の第2側面側に配置されているものとする。ライトガイド21は、点状光源20から出射した光を導光板1に誘導する。ライトガイド21の材料には、ポリカーボネイトを用いてもよい。
ライトガイド21には、導光板1側の第1側面と向かい合う側面において、点状光源20からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成されたプリズム列110が備えられる。プリズム列110は入光面に平行な方向に延びるストライプ状であり、第1方向における断面形状は頂角96°の山の間に、頂角24°の山を配置したノコギリ形状である。すなわち、ノコギリ形状の各斜面は、2種以上の異なる傾斜角度が混在している。実施の形態1〜3におけるノコギリ形状の場合と同様に、各山を挟む2斜面の傾斜角度は等しい。また、ライトガイド21は、屈折率の異方性を有し、その分子配向がプリズム列110のノコギリ形状の稜線と平行である。
頂角24°の山は、頂角の端部において平坦部を設けている。この平坦部は、プリズム列110自体を保護するために形成される。
図16に示す導光板1にはプリズム列11が形成されているが、このプリズム列11は形成されていなくてもよい。導光板1にプリズム列11が設けられる場合には、液晶パネル5の方向に光を反射するようにプリズム列11が備えられる。すなわちプリズム列11は、導光板1の裏面においてライトガイド21からの遠近を規定する方向に間欠的に形成された複数のプリズム列11を備える。
<D−2.製造方法>
ライトガイド21の材料はポリカーボネイトであり、実施の形態3に示す方法と同様の方法で、射出成形を用いて形成される。すなわち、実施の形態3において用いた金型30(図示せず)を用意し、金型30のゲートからライトガイド21の材料となる樹脂を流し込み、射出成形によりライトガイド21を形成する。ライトガイド21の材料にはポリカーボネイトを用い、ノコギリ形状の稜線と平行な方向に流し込むべく、縦ゲート100(図2参照)により射出成形する。さらに、ライトガイド21の第1側面に導光板1を配置し、第2側面に点状光源20を配置する。なお、図に示すようにプリズム列110のノコギリ形状は、その各山の間隔が一定ではない。
<D−3.動作>
点状光源20から出射し、ライトガイド21に入射し伝播した光は、プリズム列110により導光板1の入光面に対し垂直方向に放射され、さらに、導光板1のプリズム列11により液晶パネル5の方向に放射される。
ライトガイド21から導光板1に入射される光には、導光板1の入光面が延びる方向(長手方向)に直交する方向(紙面表裏方向)の偏光成分が、第1方向の偏光成分よりも多く含まれる。このため、バックライト側の偏光板(図示せず)の透過軸の方向が、導光板1の入光面の延びる方向(長手方向)と直交する方向(紙面表裏方向)である液晶パネル5と組み合わせた場合に、より効果的に高い輝度が得られる。また、LEDの個数削減、消費電力の削減が可能になる。
なお、以上の説明では、液晶パネル5のバックライトに関して説明したが、導光板1のプリズム列11の間にある平坦部分の間隔を適度に広げて透過率を高め、フロントライトにしても同じ高輝度な液晶パネルの照明が可能になる。
屈折率が1.55〜1.6程度のポリカーボネイトをライトガイド21に用いる場合、プリズム列110のノコギリ形状の斜面の傾斜角度が46°(頂角92°)〜50°(頂角100°)の範囲であれば、液晶パネル5の輝度を高めることができる。
<D−4.効果>
本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置において、ライトガイド21と、ライトガイド21の第1側面に配置された導光板1と、ライトガイド21の第1側面に垂直な第2側面に配置された点状光源20と、ライトガイド21の第1側面と向かい合う側面において、点状光源20からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列110とを備え、ライトガイド21は、点状光源20から出射した光を導光板1に誘導し、複数のプリズム列110の各々は、ライトガイド21の第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、ライトガイド21は、屈折率の異方性を有し、その分子配向が複数のプリズム列110のノコギリ形状の稜線と平行であることで、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く導光板1側へ放射させ、導光板1における光の利用効率を高めることができる。また、ライトガイド21に光を伝播させることで、放射される光の分布が均一になる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置において、ライトガイド21の屈折率が1.55〜1.6である場合、ノコギリ形状の各斜面の傾斜角度が46〜50°であることで、ライトガイド21を伝播する光をより効率的に導光板1に放射することができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置において、ライトガイド21は、ポリカーボネイトよりなることで、屈折率に異方性が生じ、プリズム列110のノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く導光板1側へ放射させることができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置において、複数のプリズム列110のノコギリ形状は、山の頂点に平坦部を有することで、プリズム列11自体の保護をすることができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置において、ノコギリ形状の各斜面は、2種以上の異なる傾斜角度が混在していることで、ライトガイド21の法線方向に対して大きな角度を持って導光板1側に放射される光が減少し、理想的な配光分布を形成でき、光の利用効率を高めることができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置において、ノコギリ形状の各山の間隔は一定でないことで、プリズム列110に到達した光が、直接頂角の小さい山の斜面に入射する確率を減少させることができ、光路が鏡面対称となり平行偏光成分増大効果が期待できる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置の製造方法において、(a)ライトガイド21の金型30を用意する工程と、(b)金型30に、ライトガイド21の材料を流し込み、射出成形によりライトガイド21を形成する工程と、(c)導光板1をライトガイド21の第1側面に配置する工程と、(d)点状光源20をライトガイド21の第1側面に垂直な第2側面に配置する工程とを備え、工程(a)は、導光板1の裏面において、点状光源20からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列110を備えたライトガイド21の金型30を用意する工程であり、複数のプリズム列110の各々は、ライトガイド21の第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、工程(b)は、複数のプリズム列110のノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率に異方性を有するライトガイド21の材料を流し込む工程であることで、ノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く導光板1側へ放射させ、導光板1における光の利用効率を高めることができる。また、ライトガイド21に光を伝播させることで、放射される光の分布が均一になる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置の製造方法において、工程(a)は、ライトガイド21の屈折率が1.55〜1.6である場合、ノコギリ形状の各斜面の傾斜角度が46〜50°であるライトガイド21の金型30を用意する工程であることで、ライトガイド21を伝播する光をより効率的に導光板1に放射することができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置の製造方法において、工程(b)は、ライトガイド21の材料としてポリカーボネイトを流し込む工程であることで、屈折率に異方性が生じ、プリズム列110のノコギリ形状の稜線に平行な平行偏光成分をより多く導光板1側へ放射させることができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置の製造方法において、工程(a)は、複数のプリズム列110のノコギリ形状の山の頂点に平坦部を設けたライトガイド21の金型30を用意する工程であることで、プリズム列11自体の保護をすることができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置の製造方法において、工程(a)は、ノコギリ形状の各斜面に、2種以上の異なる傾斜角度が混在しているライトガイド21の金型30を用意する工程であることで、ライトガイド21の法線方向に対して大きな角度を持って導光板1側に放射される光が減少し、理想的な配光分布を形成でき、光の利用効率を高めることができる。
また、本発明にかかる実施の形態4によれば、照明装置の製造方法において、工程(a)は、ノコギリ形状の各山の間隔が一定でないライトガイド21の金型30を用意する工程であることで、プリズム列110に到達した光が、直接頂角の小さい山の斜面に入射する確率を減少させることができ、光路が鏡面対称となり平行偏光成分増大効果が期待できる。
1,101 導光板、2 光源、3 拡散シート、4 裏面シート、5 液晶パネル、11,110 プリズム列、20 点状光源、21 ライトガイド、30 金型、31,32 ダイヤモンドバイト、100 縦ゲート、200 横ゲート。

Claims (24)

  1. 導光板と、
    前記導光板の側面に配置された光源と、
    前記導光板の裏面において、前記光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列とを備え、
    前記複数のプリズム列の各々は、前記導光板の前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、
    前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、
    前記導光板は、屈折率の異方性を有し、その分子配向が前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行である、
    照明装置。
  2. 前記導光板の屈折率が1.55〜1.6である場合、前記ノコギリ形状の前記各斜面の傾斜角度が46〜50°である、
    請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記導光板は、ポリカーボネイトよりなる、
    請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状は、山の頂点に平坦部を有する、
    請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
  5. 前記ノコギリ形状の各斜面は、2種以上の異なる傾斜角度が混在している、
    請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
  6. 前記ノコギリ形状の各山の間隔は一定でない、
    請求項1〜5のいずれかに記載の照明装置。
  7. ライトガイドと、
    前記ライトガイドの第1側面に配置された導光板と、
    前記ライトガイドの前記第1側面に垂直な第2側面に配置された点状光源と、
    前記ライトガイドの前記第1側面と向かい合う側面において、前記点状光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列とを備え、
    前記ライトガイドは、前記点状光源から出射した光を前記導光板に誘導し、
    前記複数のプリズム列の各々は、前記ライトガイドの前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、
    前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、
    前記ライトガイドは、屈折率の異方性を有し、その分子配向が前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行である、
    照明装置。
  8. 前記ライトガイドの屈折率が1.55〜1.6である場合、前記ノコギリ形状の前記各斜面の傾斜角度が46〜50°である、
    請求項7に記載の照明装置。
  9. 前記ライトガイドは、ポリカーボネイトよりなる、
    請求項7または8に記載の照明装置。
  10. 前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状は、山の頂点に平坦部を有する、
    請求項7〜9のいずれかに記載の照明装置。
  11. 前記ノコギリ形状の各斜面は、2種以上の異なる傾斜角度が混在している、
    請求項7〜10のいずれかに記載の照明装置。
  12. 前記ノコギリ形状の各山の間隔は一定でない、
    請求項7〜11のいずれかに記載の照明装置。
  13. (a)導光板の金型を用意する工程と、
    (b)前記金型に、前記導光板の材料を流し込み、射出成形により前記導光板を形成する工程と、
    (c)光源を前記導光板の側面に配置する工程とを備え、
    前記工程(a)は、前記導光板の裏面において、前記光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列を備えた前記導光板の金型を用意する工程であり、
    前記複数のプリズム列の各々は、前記導光板の前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、
    前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、
    前記工程(b)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率の異方性を有する前記導光板の材料を流し込む工程である、
    照明装置の製造方法。
  14. 前記工程(a)は、前記導光板の屈折率が1.55〜1.6である場合、前記ノコギリ形状の前記各斜面の傾斜角度が46〜50°である前記導光板の金型を用意する工程である、
    請求項13に記載の照明装置の製造方法。
  15. 前記工程(b)は、前記導光板の材料としてポリカーボネイトを流し込む工程である、
    請求項13または14に記載の照明装置の製造方法。
  16. 前記工程(a)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の山の頂点に平坦部を設けた前記導光板の金型を用意する工程である、
    請求項13〜15のいずれかに記載の照明装置の製造方法。
  17. 前記工程(a)は、前記ノコギリ形状の各斜面に、2種以上の異なる傾斜角度が混在している前記導光板の金型を用意する工程である、
    請求項13〜16のいずれかに記載の照明装置の製造方法。
  18. 前記工程(a)は、前記ノコギリ形状の各山の間隔が一定でない前記導光板の金型を用意する工程である、
    請求項13〜17のいずれかに記載の照明装置の製造方法。
  19. (a)ライトガイドの金型を用意する工程と、
    (b)前記金型に、前記ライトガイドの材料を流し込み、射出成形により前記ライトガイドを形成する工程と、
    (c)導光板を前記ライトガイドの第1側面に配置する工程と、
    (d)点状光源を前記ライトガイドの前記第1側面に垂直な第2側面に配置する工程とを備え、
    前記工程(a)は、前記導光板の裏面において、前記点状光源からの遠近を規定する第1方向に間欠的に形成された複数のプリズム列を備えた前記ライトガイドの金型を用意する工程であり、
    前記複数のプリズム列の各々は、前記ライトガイドの前記第1方向の断面において、谷山形状のノコギリ形状であり、
    前記ノコギリ形状は、少なくとも各山を挟む2斜面の傾斜角度が等しく、
    前記工程(b)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の稜線と平行な方向に、屈折率に異方性を有する前記ライトガイドの材料を流し込む工程である、
    照明装置の製造方法。
  20. 前記工程(a)は、前記ライトガイドの屈折率が1.55〜1.6である場合、前記ノコギリ形状の前記各斜面の傾斜角度が46〜50°である前記ライトガイドの金型を用意する工程である、
    請求項19に記載の照明装置の製造方法。
  21. 前記工程(b)は、前記ライトガイドの材料としてポリカーボネイトを流し込む工程である、
    請求項19または20に記載の照明装置の製造方法。
  22. 前記工程(a)は、前記複数のプリズム列の前記ノコギリ形状の山の頂点に平坦部を設けた前記ライトガイドの金型を用意する工程である、
    請求項19〜21のいずれかに記載の照明装置の製造方法。
  23. 前記工程(a)は、前記ノコギリ形状の各斜面に、2種以上の異なる傾斜角度が混在している前記ライトガイドの金型を用意する工程である、
    請求項19〜22のいずれかに記載の照明装置の製造方法。
  24. 前記工程(a)は、前記ノコギリ形状の各山の間隔が一定でない前記ライトガイドの金型を用意する工程である、
    請求項19〜23のいずれかに記載の照明装置の製造方法。
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