JP2011113714A - イオン注入装置のクリーニング方法及びクリーニング機構を備えたイオン注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】BFを原料ガスとするイオン注入を実施した後に、タングステンWで構成される引き出し電極のスリット間のW堆積物を除去するため、複雑なパラメータ設定あるいは機構、クリーニング用ガスの導入系を別途設けることなく、原料ガスを用いたクリーニングを可能とするイオン注入装置のクリーニング方法及びそのための機構を有するクリーニング装置を提供する。
【解決手段】原料ガスであるBFをイオン化し、W堆積物にFイオンを作用させ、WFxとし、さらに気化電離したWの正イオンを引き出し電極に正電位を印加して再付着を防止して排気系より排気する、あるいは、BFをイオン化することなく、W堆積物に加熱下接触させた後、Fを含まないガスをイオン化し、ガス中の重元素のイオンを処理後のW堆積物に衝突させて剥離除去する。
【選択図】図4

Description

本発明は、イオン注入装置のクリーニング方法及びクリーニング機構を備えたイオン注入装置に関し、特に、イオン注入装置の引き出し電極のスリット部に発生する堆積物をクリーニング除去する方法及びその機構に関する。
半導体装置の製造では、ソース/ドレイン領域などの形成にイオン注入が多用されており、様々なイオン注入装置が開発されている。
イオン注入装置は、運動エネルギーの付与されたイオンを物質に打ち込むための装置で、1)注入する元素をイオン化し、イオンビームとして引き出すイオン源系、2)必要とするイオンだけを選別する質量分析系、3)ビームを輸送、加速、整形、走査する機能を含むビームライン系、4)試料基板をセットし注入処理を行う試料室(エンドステーション)、から構成される。
また、イオン注入装置は、発生するイオンビームのビーム量及びエネルギーによって、中電流イオン注入装置、大電流イオン注入装置、高エネルギーイオン注入装置に大別される。
半導体装置のイオン注入プロセスでは、低エネルギー化、高ドーズ化が進んでおり、生産性を向上させるため、原料ガスを大量に導入しビーム電流の増加が図られている。
図1に従来のイオン注入装置の概略図を示す。イオン注入装置は、ガス供給源1、ソースチャンバ2、ソースチャンバからイオンを引き出すスリットを有する引き出し電極6、イオン注入すべきイオンを選別する質量分析器8、エンドステーション9から構成されている。イオンビームを加速するビームライン系等は省略している。ソースチャンバ2には、アーク電源3,バイアス電源4,フィラメント電源5などが接続されている。ガス供給源1から供給された原料ガスは、ソースチャンバ2でプラズマ化され、各種のイオン、ラジカル、中性粒子を生成する。ソースチャンバ2で発生したイオンは、引き出し電極6に負電位を与えることによってソースチャンバ2から引き出される。引き出し電極6のスリット部を通過したイオンは、質量分析器8で磁場によりその起動が曲げられ、その軌道は質量数と価数により決定されるため、所望のイオンがエンドステーション9に配置された被処理物である半導体に注入される。引き出し電極6と質量分析器8との間には真空ポンプ等の排気系10が設けられており、不要な粒子を系外に排出して、主にソースチャンバ2と引き出し電極6を備えるイオン源内の真空度を維持している。質量分析器8が属する質量分析系や、エンドステーションには、通常それぞれ独立した排気系が設けられているが、説明を簡略化するために記載を省略している。
半導体基板にP型不純物としてホウ素(B)イオンを注入するために、例えば、原料ガスとして三フッ化ホウ素(BF)を使用した場合、ソースチャンバ2内にはBイオンの他、BFやFの正イオンも発生し、Bイオンと同様に引き出し電極6に引き寄せられる。この時、Fの正イオンは、引き出し電極6を構成するタングステン(W)と反応し、タングステンのフッ化物を生成する。タングステンのフッ化物は気化しやすく、ソースチャンバ2内でプラズマ化され、WとFが分離し、WとFの正イオンをそれぞれ生成する。図2(a)に示すように、Wの正イオン12もやはり負電位を有する引き出し電極6に引き寄せられるため、引き出し電極6のスリット部表面で電荷を失い、電荷を失ったタングステン11が、図2(b)に示すように、マクロ的にみると針状に結晶成長し、堆積物7を生じる。このような堆積物は、引き出し電極6のスリット間隔を狭め、注入するイオンの進路を妨げるため、ビーム電流が低下するだけでなく、イオンビームの均一性を損ねるという問題点がある。
Bイオンの原料ガスとして、BFに代えてジボラン(B)を使用しても良いが、浅い接合を形成するためには、BイオンよりもBFイオンが有利であることから、Bイオンに加えてBFイオンを注入するために別途BFを原料ガスとして用意する必要がある。その結果、原料ガスが複雑となり、コストも掛かるという新たな問題が発生する。また一方で、引き出し電極6の材料変更の候補としてモリブデン(Mo)を使用することも可能であるが、この場合には、BFイオンと質量分析器による分離が困難なMo2+イオンが生成し、被処理物にMo2+イオンも注入されてしまうという別の問題が生じる。
引き出し電極のスリット間に堆積する堆積物を除去するため、装置を停止し、引き出し電極を取り出して分解クリーニングすることで問題を解決することはできるが、その間、イオン注入装置を停止しているので、稼働率が低下するという問題がある。そこで、従来、分解クリーニングせずに堆積物を除去する方法がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1(特開2004−363050号公報)では、原料ガスの代わりにアルゴン等の希ガスをソースチャンバ2に導入し、希ガスのプラズマを生成して、ソースチャンバ2から引き出される希ガスのイオンビームのビーム径を各種パラメータ、例えば、引き出し電極6の引き出し電圧、希ガスの供給量、高周波電力量、希ガスに含まれる水素ガスの混合比などを調節して、電極上の堆積物をスパッタするためのビーム径の有効設定範囲を調整する方法が提案されている。しかし、この方法は、原料ガスとしてジボランを使用し、ソースチャンバの内壁及び引き出し電極系に堆積する絶縁膜としてのボロン膜を除去することを目的としており、BFガスの使用によるWの針状結晶生成についてはなんら開示されていない。
特許文献2(特開昭62−217548号公報)では、Ar等の不活性ガスをソースチャンバ内に供給するのではなく、ソースチャンバと引き出し電極間にガス導入口を設け、さらにソースチャンバと引き出し電極間にクリーニング用のプレート電極を設け、クリーニング時にソースチャンバ内にプラズマを生起せず、プレート電極と引き出し電極間に引き出し電極側が負となる電圧を印加し、プレート電極と引き出し電極間にプラズマを発生させ、正にイオン化した不活性ガスイオンを引き出し電極表面の付着物に衝突させ、その衝突力で付着物を除去する方法が開示されている。この方法では、ガス導入口を別に設け、さらにプレート電極の移動機構(イオン注入時にはプレート電極をイオンビームの軌道から外す)が必要であり、装置が複雑化するという問題がある。
一方、特許文献3(特許第2789247号)には、ソースチャンバ内のWフィラメントの消耗及び引き出し電極のスリット内部のプラズマ作用(スパッタリング、エッチング等)により削られて消耗して飛翔した分子が引き出し電極に付着した付着物を除去するため、原料ガス(ここでは、リン、ヒ素等の原料ガス)とは異なるクリーニング用ガス、例えば、フッ化ホウ素ガス(BF)、塩素ガス(Cl)、三フッ化窒素ガス(NF)をソースチャンバ内に供給し、イオン注入と同様にクリーニング用ガスをプラズマ化し、イオン源内を高真空下に保持して、このクリーニング用ガスの第1のプラズマを排気口からの排気による気体流によってイオン引き出し用スリットからソースチャンバの外に流出させ、引き出し電極に付着した付着物と接触させ、さらに引き出し電極にグロー放電が起こせるだけの電圧を印加することで、第2のプラズマのエッチング作用により付着物を除去する方法が開示されている。
また、特許文献4(特許第2821751号)では、クリーニング用ガスとして三フッ化塩素(ClF)を用いたドライエッチング洗浄工程を設けることで、プラズマレスでイオン源をクリーニングする方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法は、原料ガスとクリーニング用ガスとを切り替える必要があり、そのため、クリーニング用ガスの導入系を設ける必要がある。また、特許文献3では、2段階にプラズマを発生させる必要があり、その分多量に電力を消費する。
特開2004−363050号公報 特開昭62−217548号公報 特許第2789247号 特許第2821751号
本発明では、クリーニングのための複雑なパラメータ設定あるいは機構、クリーニング用ガスの導入系を別途設けることなく、原料ガスを用いたクリーニングを可能とするイオン注入装置のクリーニング方法及びそのための機構を有するクリーニング装置を提供することを目的とする。
本発明では、BFを原料ガスとするイオン注入を実施した後に、タングステンで構成される引き出し電極のスリット間に堆積する堆積物、主に針状に成長したタングステンの結晶状の堆積物を除去する方法を提供する。
すなわち、本発明の一実施形態によれば、
原料ガスを導入してプラズマを生起するプラズマ室と、プラズマ室で発生したイオンを引き出すために、プラズマ室に対して負電位が印加される引き出し電極とを含むイオン源を備えたイオン注入装置において、BFを原料ガスとするイオン注入を実施した後に、タングステンで構成される引き出し電極のスリット間に堆積する堆積物を除去するイオン注入装置のクリーニング方法であって、
プラズマ室でBFガスをイオン化し、引き出し電極に少なくとも正の電位を印加して、前記プラズマ室に対して前記引き出し電極の下流にある排気系による吸引力により、前記イオン化したイオンを前記引き出し電極のスリット間に通過させる工程を含むイオン注入装置のクリーニング方法
が提供される。
また、本発明の別の実施形態によれば、
原料ガスを導入してプラズマを生起するプラズマ室と、プラズマ室で発生したイオンを引き出すために、プラズマ室に対して負電位が印加される引き出し電極とを含むイオン源を備えたイオン注入装置において、BFを原料ガスとするイオン注入を実施した後に、タングステンで構成される引き出し電極のスリット間に堆積する堆積物を除去するイオン注入装置のクリーニング方法であって、
BFガスをイオン化することなく、前記引き出し電極の加熱下に前記堆積物と接触させる工程と
前記引き出し電極を冷却後、フッ素を含まないガスを前記プラズマ室中でイオン化し、前記ガス中の重元素のイオンの衝突により前記堆積物を剥離する工程と
をこの順で有するイオン注入装置のクリーニング方法
が提供される。
本発明によれば、BFを原料ガスとするイオン注入を実施した後に、タングステンで構成される引き出し電極のスリット間に堆積する堆積物、主に針状に成長したタングステンの結晶状の堆積物を、原料ガスであるBFを用いて除去することが可能となり、クリーニング用ガスを別途用いる必要がない。また、引き出し電極に対して負電位を印加する機構あるいは加熱機構を追加するだけでクリーニングが可能となり、また、煩雑なパラメータ設定も不要となる。
従来のイオン注入装置の一例を示す概念図である。 従来のイオン注入装置における問題点を説明する概念図であり、(a)は引き出し電極のスリット間の微視的な概念図であり、(b)は巨視的な概念図である。 第1の実施形態例になるイオン注入装置の一例を示す概念図である。 第1の実施形態例によるクリーニング方法を説明するための概念図である。 第2の実施形態例になるイオン注入装置の一例を示す概念図である。 第2の実施形態例によるクリーニング方法の工程を説明するフロー図である。 第2の実施形態例によるクリーニング方法を説明するための概念図である。
図3及び図5に、本発明によるイオン注入装置の構成例の概略図を示す。これらの実施形態例による構成は、ほぼ従来のイオン注入装置と同じであるが、通常、負電位のみが与えられる引き出し電極に正電位を与える機構13(図3参照)、引き出し電極を加熱する機構(加熱制御系14を含む)(図5)のいずれかまたは両方が備わっている。
第1の実施形態例
第1の実施形態例によるイオン注入のクリーニング装置及びクリーニング方法について説明する。
本実施形態例によるクリーニングは、被処理物である半導体基板にイオン注入処理を行っていない状態で、定期的に実施するのがよい。まず、スリット部を構成する引き出し電極6に電源12より正の電位を与えた状態で、ソースチャンバ2にイオン注入に用いる原料ガスであるBFを供給する。次に、BFをソースチャンバ2内でプラズマ化すると、従来のイオン注入時と同様、各種のイオン、ラジカル、中性粒子が発生する。引き出し電極6には正電位が与えられているので、電位によって発生した正のイオンを吸引することはできないが、この時、引き出し電極6と質量分析器8との間に設けられた真空ポンプ等の排気系10の吸引力によって、発生したイオンは引き出し電極方向に移動させられる。引き出し電極6のスリット間を通過するとき、Fイオンがスリット部表面に針状に結晶成長して堆積物7となったWと反応し、タングステンのフッ化物WFとして気化する。タングステンのフッ化物はさらにWとFの正のイオンにそれぞれ分離するが、引き出し電極6には正の電位が与えられているため、図4に示すように、これらの正イオン(Wイオン13)は引き出し電極6の表面の正電荷と反発し合い、そのまま排気系10により系外に排出される。
ここで、引き出し電極6に与える正電位としては、Wイオン13が引き出し電極6と反発し得るに十分な電位が与えられていれば良く、一方、あまり高い電位を与えすぎるとスリット間に反応に必要なFの正イオンを通過させることが困難となる。通常、20〜50kV程度の正電位が付与されるのが好ましい。また、本実施形態例では、引き出し電極6に与える電位の正負を交互に入れ替えても良い。負電位が与えられている間は、ソースチャンバ2からFイオンが引き出し電極6のスリット間に引き寄せされて、堆積物のW針状結晶と反応してフッ化物を生成し、その後正電位を与えることで、気化して電離したWイオン13の再付着を防止することができる。好ましくは、一連の動作を繰り返すことで効率的に堆積物を除去する。
本実施形態例では、原料ガスを用いてクリーニングすることができるため、クリーニング用ガスを別途導入する必要がない。また、通常、負電位が印加される引き出し電極に対して、正電位を印加する機構とするだけでクリーニング可能となるため、電源系の変更のみで簡易にクリーニングすることができる。例えば、電源として高電圧が印加でき、かつ極性変換が可能な電源や、通常の負電位を与える電源に加えて、正電位を与える電源を追加することで対応することができる。
第2の実施形態例
次に、第2の実施形態例によるイオン注入装置のクリーニング方法について説明する。本実施形態例によるクリーニングも、第1の実施形態例と同様に、被処理物である半導体基板にイオン注入処理を行っていない状態で定期的に実施するのがよい。まず、図6のフロー図に示すように、BFを原料ガスとするイオン注入処理を行った後、イオン注入を停止する。次に図5に示すように、引き出し電極6に設けられた加熱機構(不図示)に加熱制御系14より、所定の温度、例えば300℃程度まで加熱するように制御し、原料ガス供給源1よりBFガスを供給する。この時、ソースチャンバ2ではプラズマを発生させていない。図7(a)に示すように引き出し電極6のスリット間に到達したBFの分子15は、針状に結晶成長して堆積物7となったWに接触し、熱拡散によって堆積物7の内部に入り込む。BFが十分に供給された後、加熱機構による加熱を停止し、引き出し電極6を冷却する。ガス供給源から、例えば稀釈ガスとして使用される窒素(N)ガス等の不活性ガスを流し込み、スリット間を通過させることで冷却効率を高めても良い。BFガスを排気後、原料ガス供給源1よりスパッタリング効果のある重元素のガス、例えばアルゴン(Ar)ガスを供給して、ソースチャンバ内でプラズマ化させ、Arイオンを発生させる。引き出し電極6に通常のイオン注入時と同様に負電位を与えておくと、図7(b)に示すように、Arイオン16は引き出し電極6のスリット間に引き寄せられ、BとFを含むWの堆積物7’に衝突する。WはBとFを含んだ状態では脆くなっているため、Arイオンの衝突(スパッタリング効果)により容易に剥離され、排気系10から系外に排出される。また、必要により、上記のクリーニング工程を繰り返しても良い。Wの堆積物7’を剥離させるためのイオン種としては、フッ素を含まないガスをイオン化して生起したイオン、特にスパッタリング効果のある重元素のイオンであれば、Ar以外でも良く、例えば、N型イオンを注入するためのアルシン(AsH)を原料ガス供給源1より供給して、ソースチャンバ2内でヒ素(As)イオンを発生させても効率的に堆積物7’を除去することができる。これらのNガス、Arガス、アルシンの導入系は、イオン注入装置の原料ガス系に通常的に設置されていることが多く、別途ガス導入系を設ける必要はない。
加熱機構としては、引き出し電極6を所望の温度に加熱できるものであれば、いずれの方法によるものでも良く、例えば、誘導加熱によるヒータ系やランプ系などの公知の加熱機構が採用できる。加熱制御系14は、これらの加熱機構を制御できるものであればいずれのものでも良い。また、イオン注入の直後であれば、イオン源は数百度の温度を有しており、自然に冷却されるまでに1時間以上は掛かることから、別途加熱機構を設けずにこの熱を利用してBF分子をW堆積物7と接触させ、熱拡散させても良い。なお、本発明で規定する加熱機構とは、引き出し電極を所望の温度に制御して加熱する機構であり、プラズマ室からの輻射熱等による加熱は含まない。
加熱温度としては、250℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましい。加熱温度の上限としては、特に規定はないが、900℃以下であることが好ましく、800℃以下であることがより好ましい。また、BFガスの導入時の条件は、わずかにでもWの針状結晶中にBとFとが拡散すれば、未処理のものより剥離しやすくなるため特に制限はないが、例えば、ガス供給量として2sccmであることが好ましい。
本実施形態例によるクリーニング方法の特徴は、原料ガスであるBFガスをプラズマ化することなく堆積物7と接触させ、熱拡散により堆積物7の内部に拡散させることで剥離しやすい堆積物7’としている点にあり、重元素イオンによるスパッタリング効果をより効果的に発揮できる。この結果、特許文献1に示すような複雑なパラメータを設定する必要はなく、また、特許文献2のような複雑な機構も不要となる。
さらに、本発明においては、第1の実施形態例と第2の実施形態例とを組み合わせることもできる。例えば、第1の実施形態例に第2の実施形態例による加熱機構を組み合わせ、WとFとの反応を促進するようにしても良い。あるいは、第1の実施形態例によるクリーニング方法を実施した後、重元素のイオンを用いたスパッタリング処理を行っても良く、第1の実施形態例によるクリーニング方法とスパッタリング処理とを交互に複数回繰り返しても良い。また、逆に第2の実施形態例でスパッタリングによる堆積物の剥離の後、残存する堆積物を第1の実施形態例のクリーニング方法を実施することにより、クリーニング時間の短縮を図ることができる。
1 ガス供給源
2 ソースチャンバ
3 アーク電源
4 バイアス電源
5 フィラメント電源
6 引き出し電極
7 堆積物
7’ 堆積物(B及びFが熱拡散したもの)
8 質量分析器
9 エンドステーション
10 排気系
11 タングステン
12 タングステンの正イオン
13 引き出し電極に正電位を与える電源
14 加熱制御系
15 BF分子
16 Arイオン

Claims (8)

  1. 原料ガスを導入してプラズマを生起するプラズマ室と、
    プラズマ室で発生したイオンを引き出すために、プラズマ室に対して負電位が印加される引き出し電極と
    を含むイオン源を備えたイオン注入装置において、
    BFを原料ガスとするイオン注入を実施した後に、タングステンで構成される引き出し電極のスリット間に堆積する堆積物を除去するイオン注入装置のクリーニング方法であって、
    プラズマ室でBFガスをイオン化し、引き出し電極に少なくとも正の電位を印加して、前記プラズマ室に対して前記引き出し電極の下流にある排気系による吸引力により、前記イオン化したイオンを前記引き出し電極のスリット間に通過させる工程を含むイオン注入装置のクリーニング方法。
  2. 前記イオン化したイオンを前記引き出し電極のスリット間に通過させる際に、前記引き出し電極に正及び負の電位を交互に印加することを特徴とする請求項1に記載のクリーニング方法。
  3. 前記イオン化したイオンを前記引き出し電極のスリット間に通過させる際に、前記引き出し電極を加熱した状態で前記イオンを通過させることを特徴とする請求項1または2に記載のクリーニング方法。
  4. 原料ガスを導入してプラズマを生起するプラズマ室と、
    プラズマ室で発生したイオンを引き出すために、プラズマ室に対して負電位が印加される引き出し電極と
    を含むイオン源を備えたイオン注入装置において、
    BFを原料ガスとするイオン注入を実施した後に、タングステンで構成される引き出し電極のスリット間に堆積する堆積物を除去するイオン注入装置のクリーニング方法であって、
    BFガスをイオン化することなく、前記引き出し電極の加熱下に前記堆積物と接触させる工程と
    前記引き出し電極を冷却後、フッ素を含まないガスを前記プラズマ室中でイオン化し、前記ガスのイオンの衝突により前記堆積物を剥離する工程と
    をこの順で有するイオン注入装置のクリーニング方法。
  5. 前記衝突させるイオンが、ArイオンまたはAsイオンである請求項4に記載のクリーニング方法。
  6. 前記引き出し電極の冷却に際して、イオン源内に不活性ガスを導入する請求項4または5に記載のクリーニング方法。
  7. 原料ガスを導入してプラズマを生起するプラズマ室と、
    プラズマ室で発生したイオンを引き出すための引き出し電極と
    を含むイオン源を備えたイオン注入装置において、
    前記引き出し電極に、プラズマ室に対して正及び負の電位を印加する機構を有するイオン注入装置。
  8. 原料ガスを導入してプラズマを生起するプラズマ室と、
    プラズマ室で発生したイオンを引き出すための引き出し電極と
    を含むイオン源を備えたイオン注入装置において、
    前記引き出し電極を温度を制御して加熱する加熱機構を有するイオン注入装置。
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