JP6120259B2 - イオン注入法 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン注入法に関し、より詳細には、結晶シリコン太陽電池用のシリコン基板にボロンを注入してp型シリコン層を形成するものに関する。
太陽電池として、例えば、多結晶又は単結晶のシリコン基板を用いた結晶シリコン太陽電池が知られている。結晶シリコン太陽電池は、太陽光を受光する受光面とこの受光面と対向する裏面との間で光電変換機能を発現するp型のシリコン基板を備える。基板の一方の主面側には、高濃度のp型シリコン層(p層)が形成され、他方の主面側には、n型シリコン層(n層)が形成され、これらp層とn層との間には、p層よりも低濃度のp型シリコン層(p層)が形成される。そして、上記基板の受光面に光が照射されると、p層において励起された電子、正孔のうち、電子がn層に接続された電極に、正孔がp層に接続された電極に夫々捕捉されて電流が流れる。
このようなp層の形成には、ボロンを注入することが一般的であり、ボロンを注入するイオン注入装置が例えば特許文献1で知られている。然し、上記特許文献1記載のイオン注入装置は、質量分析器によりイオンを質量分離し、所望のイオンのみを注入する質量分離型のものであるため、その装置コストが多大であり、太陽電池の製造コストの増大を招来していた。
そこで、非質量分離型のイオン注入装置を用いてボロンを注入することが考えられ、この場合、処理ガスとしてジボランが一般に用いられる。然し、ジボランのみを吸着させたガスボンベは存在せず、ジボランを単体として供給することができない。このため、ジボランにH、NやHeといった希釈ガスを最大10%程度添加して混合ガスとし、この混合ガスをプラズマ発生室に導入してプラズマを発生させている。プラズマ中に、ジボランの電離により得られるボロン含有イオンの他に、希釈ガスの電離により得られるイオンが多く含まれる。このため、基板表面に供給されるボロン含有イオンが少なくなり、シリコン基板内部にボロンを短時間で効率良く注入することが困難である。
特開2012−501524号公報(図1参照)
本発明は、以上の点に鑑み、処理対象物の内部にボロンを短時間で効率良く注入可能な低コストのイオン注入法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のイオン注入法は、プラズマ発生室にデカボランを導入してプラズマを発生させ、このプラズマ中で電離したボロン含有イオンを加速し、プラズマ発生室に連通する真空処理室内に存する処理対象物にボロン含有イオンを注入するイオン注入工程と、前記処理対象物を所定温度で加熱するアニール工程とを含み、前記イオン注入工程にて、プラズマ中のボロン含有イオンのうち1個のボロンを含有するイオン又は2個のボロンを含有するイオンの量が最も多くなるように、前記プラズマ発生室に印加する電力を設定することを特徴とする。
本発明によれば、処理対象物を太陽電池用のシリコン基板とし、B1014で表されるデカボランを導入する場合を例に説明すると、イオン注入工程にて、プラズマ中でデカボランを電離させてボロン含有イオンを生成し、ボロン含有イオンを加速し、このときの加速エネルギーでシリコン基板に注入する。3個以下のボロンを含有するイオンは、シリコン基板内部まで注入され、この中で、B,BH,BH ,BH 等の1個のボロンを含有するイオンは、ボロンが有するエネルギーが大きいため、シリコン基板内部の深い位置(基板厚さ方向において基板表面から最も遠い位置)に注入される。そして、これよりも浅い位置に、B,B ,B 等の2個のボロンを含有するイオンが注入され、さらに浅い位置に、B,B ,B 等の3個のボロンを含有するイオンが注入される。3個以上のボロンを含有するイオンは、ボロンが有するエネルギーが小さいため、シリコン基板内部まで注入されず、BH*、BH*、BH*等のボロンを含有する活性種と共に、主としてシリコン基板表面に付着、堆積する。
次に、アニール工程にて、上記シリコン基板を所定温度に加熱すると、シリコン基板中のボロンが活性化し、そして、シリコン基板表面のボロンはシリコン基板内部へと拡散する。このとき、イオンや活性種に含まれる水素は、シリコン基板から脱離する(除去される)。その結果、シリコン基板の厚さ方向(イオン注入方向)において、シリコン基板内部の浅い位置から深い位置までの広範囲に亘ってボロンを効率良く注入することができる。上記イオン注入工程にて、デカボラン単体を気化させてプラズマ発生室に供給すれば、プラズマ中にデカボランが電離したイオン及び活性種のみを生成でき、シリコン基板に対するボロン含有イオン及び活性種の供給量が多くなるため、シリコン基板内部にボロンを短時間で効率良く注入することができる。さらに、装置コストが高い質量分離型のイオン注入装置を用いないため、製造コストを低減できる。
ここで、シリコン基板の深い位置までボロンを低い加速エネルギーで注入するには、プラズマ中で1個又は2個のボロンを含有するイオンの量を多く生成することが好ましい。本発明者らの実験では、処理対象物を200mmφのシリコン基板とし、プラズマ発生室に設けた300mmφのコイルに高周波電力を投入してプラズマ発生室内にプラズマを発生させる場合に、13.56MHz、500W〜1kWの高周波電力を印加することで、1個又は2個のボロンを含有するイオンの量が最も多くなることが確認された。
上記イオン注入工程にて、BxHy(式中、x=10〜36、y=14〜44)で表されるボランがプラズマ中で分解されると、含有するボロンの数が異なる分子イオンが多数生成され、これにより、プラズマ発生室内の圧力が上昇して、放電の安定性が損なわれる虞がある。この場合、イオン注入工程にて、ボランと共にヘリウムガス又はネオンガスを導入することが好ましい。これによれば、プラズマ発生室内の圧力上昇が抑制でき、放電の安定性を保つことができる。しかも、ヘリウムガスやネオンガスはイオン化エネルギーが大きいためプラズマ中で分解されず、シリコン基板内部に注入され難いので、シート抵抗値の上昇を招くこともない。
上記イオン注入工程にて、プラズマ中の活性種は、プラズマ発生室の内壁面に付着、堆積してボロン含有膜となる。このボロン含有膜は、プラズマ発生室の内壁面から剥離し易く、異常放電の原因となるため、所定のタイミングで除去することが望ましい。そこで、本発明では、イオン注入工程後、プラズマ発生室にフッ素含有ガスを導入してプラズマを発生させることにより、プラズマ発生室の内壁面に付着、堆積したボロン含有膜を除去することができる。
本発明の実施形態で用いられるイオン注入装置の模式図。 本発明の実験結果を示すグラフ。 本発明の実験結果を示すグラフ。 本発明の実験結果を示すグラフ。
以下、図面を参照して、処理対象物を太陽電池用のp型のシリコン基板Wとし、デカボラン(B1014)のプラズマを形成し、プラズマ中のボロン含有イオンをシリコン基板Wの一方の面に注入してp層を形成する場合を例に、本発明の実施形態のイオン注入法を説明する。以下においては、図1を基準に、プラズマ発生室からプラズマ処理室に向かう方向を下とし、上、右、左といった方向を示す用語を用いるものとする。
図1を参照して、IMは、本実施形態のイオン注入法で用いるイオン注入装置である。イオン注入装置IMは、真空ポンプVPが接続される真空チャンバ1を備え、真空チャンバ1は、上面が開口した有底筒状の下側チャンバ11と、下側チャンバ11上に絶縁体2を介して設置され、下側チャンバ11より小径で下面が開口した上側チャンバ12とで構成されている。真空チャンバ1内には、絶縁体2で支持させてメッシュ電極3が設けられ、電気的に浮遊電位のメッシュ電極3により、上側のプラズマ発生室1aと下側のプラズマ処理室1bとに区画されている。
メッシュ電極は、200mmφ〜300mmφとなるように導電性の板に3mm程度の穴を5mmピッチでメッシュ状に開けたものであり、本実施形態では、2枚のメッシュ電極3,3を所定間隔で上下に配置して構成され、プラズマ電位を安定させる役割を果たす。また、メッシュ電極3,3は、直流電源E1に接続され、負の電位を持つ直流電圧(加速電圧)が投入されてプラズマ中の正イオン(ボロン含有イオン)を引き出してシリコン基板Wに向けて加速する役割を果たす。直流電圧の大きさは、1kV〜30kVの範囲内に設定することができる。なお、メッシュ電極3,3の構成は、上記各役割を果たすものであれば、上記のものに限定されるものではない。
上側チャンバ12上壁は、高周波導入するための石英製の導入窓12aで構成され、導入窓12aの上面には、同心に配置した一対のリング状の永久磁石4a,4bと、永久磁石4a,4bの周囲に配置した高周波導入用のコイル5とが設けられ、コイル5が高周波電源E2に接続されている。コイル5の直径は、シリコン基板Wのサイズに応じて適宜設定できる。例えば、シリコン基板Wが200mmφである場合、300mmφのコイル5が用いられる。導入窓12aには、この導入窓12aを貫通してプラズマ発生室1aに通じる、マスフローコントローラ60aが介設されたガス導入管6が接続されている。ガス導入管6の他端は、デカボランのガス源61aに連通している。ガス源61aの内部には、図示省略の固体(例えば粉末状)のデカボランが収容される。ガス源61aは、固体のデカボランを加熱して気化(蒸発)させるためのヒータ62を備えている。気化温度は、80℃以下(例えば、50℃)に制御される。そして、プラズマ発生室1aに流量制御されたデカボランを導入し、高周波電源E2からコイル5に高周波電力を投入すると、プラズマ発生室1a内にICP放電によりプラズマPが発生する。高周波電力は、コイル5の面積に比例する電力密度を考慮して適宜設定される。例えば、300mmφのコイル5の場合、13.56MHz、500W〜1kWの範囲内で設定できる。1kWより大きいと、高周波電源E2の価格が高くなり、製造コストアップを招来する。
マスフローコントローラ60aの下流側でガス導入管6は分岐され、この分岐管6aの他端はクリーニング用のフッ素含有ガスのガス源に連通し、その途中にはマスフローコントローラ60bが介設されている。フッ素含有ガスとしては、CFやNF等を好適に用いることができる。そして、プラズマ発生室1aに流量制御されたフッ素含有ガスを導入し、高周波電源E2からコイル5に高周波電力を投入すると、プラズマ発生室1a内にプラズマが発生し、このプラズマ発生室1aの内壁に堆積したボロン含有膜を除去できる。
下側チャンバ11により区画されるプラズマ処理室1b内には、シリコン基板Wをメッシュ電極3,3に対向する姿勢で保持する、アース接地のステージ7が設けられている。以下、上記イオン注入装置IMを用いてシリコン基板内部にボロン含有イオンを注入し、図示省略のアニール装置を用いてボロン含有イオンを活性化させる場合を例に、本実施形態のシリコン基板へのイオン注入法について説明する。
プラズマ処理室1b内にシリコン基板Wを図示省略の搬送ロボットにより搬送し、シリコン基板Wをステージ7上に載置する。次いで、ヒータ62によりガス源61aでデカボランを気化させ、気化したデカボランを1〜5sccmの流量に制御してプラズマ発生室1aに導入し、高周波電源E2からコイル5に周波数13.56MHz、500W〜1kWの高周波電力を印加してプラズマPを発生させる。そして、メッシュ電極3,3に加速電圧として負の電位を持った−1kV〜−30kVを投入することにより、プラズマP中で電離したボロン含有イオン(B、BH、BH 、BH 、B 、B 、B 等)がメッシュ電極3によって引き出され、シリコン基板Wに向けて加速され、このときの加速エネルギーで注入される(イオン注入工程)。
このとき、厳密な計算では6個以下のボロンを含有するイオンは、シリコン基板W内部まで注入され、この中で、B,BH,BH ,BH 等の1個のボロンを含有するイオンは、ボロンが有するエネルギーが大きいため、シリコン基板W内部の深い位置(基板厚さ方向において基板表面から最も遠い位置)に注入される。そして、これよりも浅い位置に、B,B ,B 等の2個のボロンを含有するイオンが注入され、さらに浅い位置に、3個のボロンを含有するイオンが注入される。実際にはボロンの堆積があるので、3個以上のボロンを含有するイオンは、ボロンが有するエネルギーが小さいため、シリコン基板W内部まで注入されず、主としてシリコン基板W表面に付着、堆積する。これと共に、プラズマP中のボロンを含有する活性種(BH*、BH*、BH*等)も、メッシュ電極3,3の各開口を通ってシリコン基板W上面に付着、堆積される。
次いで、上記イオン注入装置IMのプラズマ処理室1bからシリコン基板Wを上記搬送ロボットにより搬出する。搬出したシリコン基板Wをアニール装置に搬送し、アニール装置にてシリコン基板Wを所定温度に加熱する(アニール工程)。アニール装置としては、公知の構造を備えるものを用いることができるため、ここでは装置構成やアニール条件の詳細な説明を省略する。アニール工程を行うことにより、シリコン基板中のボロンが活性化し、そして、シリコン基板W表面のボロンはシリコン基板W内部へと拡散する。このとき、イオンや活性種に含まれる水素は、シリコン基板から脱離する(除去される)。その結果、シリコン基板Wの厚さ方向(イオン注入方向)において、シリコン基板W内部の浅い位置から深い位置までの広範囲に亘ってボロンを効率良く注入することができる。加熱温度は、800℃以上に設定することが好ましく、900℃〜1050℃に設定することがより好ましい。800℃未満では、活性種及びイオンの拡散が不十分となる虞がある。上記イオン注入工程にて、デカボラン単体を気化させてプラズマ発生室1aに供給するため、プラズマ中にデカボランが電離したイオン及び活性種のみを生成でき、シリコン基板Wに対するボロン含有イオン及び活性種の供給量が多くなるため、シリコン基板W内部にボロンを短時間で効率良く注入することができる。さらに、装置コストが高い質量分離型のイオン注入装置を用いないため、製造コストを低減できる。
また、上記イオン注入工程にてコイル5に13.56MHz、500W〜1kWの高周波電力を印加することで、プラズマ中でデカボランの分解を促進でき、B,BH,BH ,BH 等の1個のボロンを含有するイオンを多く生成できる。これにより、シリコン基板W内部の深い位置にボランを低い加速エネルギーで注入できる。
ところで、プラズマ発生室1aの内壁には、プラズマPの活性種が付着、堆積してボロン含有膜が形成される。このボロン含有膜は容易に剥離し、異常放電の原因となる。本実施形態で用いられるデカボランはジボランよりもボロンの数が多く、上述の如く希釈ガスを用いない場合、ボロン含有膜の堆積量も多くなり、異常放電を起こしやすくなる。そこで、本実施形態では、プラズマ処理室1bでの処理枚数が所定枚数に達すると、プラズマ発生室1a内にガス源61bからフッ素含有ガスを導入し、高周波電源E2からコイル5に周波数13.56MHz、700Wの高周波電力を印加してプラズマを発生させる。これによれば、プラズマ中のフッ素イオンがボロン含有膜と反応してBF等のフッ化ホウ素の形でプラズマ処理室1bから排出される。
以上の効果を確認するため、次の実験を行った。実験1では、上記イオン注入装置IMを用い、プラズマ発生室1aに導入するデカボランの流量を1sccmに設定し、コイル5に印加する高周波電力を周波数13.56MHz、600Wに設定し、メッシュ電極3に印加する加速電圧を−30kV(発明1)、−10kV(発明2)に設定してシリコン基板W内部にボロン含有イオンを注入し、その後、シリコン基板Wを950℃、60分の条件でアニール処理した。尚、デカボランの気化温度は55℃に設定した。図2は、アニール処理後のシリコン基板Wのボロン注入面のシート抵抗を四探針法で測定した結果を示す。図2には、デカボランに代えて三フッ化ホウ素(BF)を用いた場合(比較例)の結果も併せて示している。比較例では、シリコン基板内部にフッ素が残留するため、シート抵抗値が大きくなり、また、発明2では、比較例よりも加速電圧が低いが、比較例よりも小さいシート抵抗値を達成できることが確認された。そして、加速電圧を比較例と同等にした発明1では、より一層小さいシート抵抗値を達成できることが確認された。
実験2では、上記実験1の発明1と同じ条件でイオン注入工程及びアニール工程を行い、イオン注入後とアニール処理後の夫々のシリコン基板のSIMS(Secondary Ion-microprobe Mass Spectrometer)分析を行った。SIMS分析結果を図3に示す。アニール工程を行うことでボロンが活性化するため、シリコン基板内部の浅い位置から深い位置までの広範囲に亘って、しかも、シリコン基板の表面に近い領域でもボロン濃度が高い理想的なプロファイルでボロンを注入できることが確認された。
実験3では、コイル5に印加する高周波電力を400W、500W、600W、1000Wに夫々設定した場合、プラズマ中の不純物含有イオンのボロンの質量スペクトルを、シリコン基板に代えて配置した磁石を用いた簡易型の質量測定器によって求めた。その結果を図4に示す。400Wの場合には、ボロンを3個含むイオンの量が最も多く、ボロンを4個以上含むイオンの量も比較的多い。それに対して、500Wの場合には、ボロンを2個含むイオンの量が最も多くなり、600W、1000Wの場合には、ボロンを1個含むイオンの量が最も多いことが確認され、低い加速電圧でもシリコン基板W内部の深い位置にボロンを注入できることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態では、プラズマ発生室1aにデカボランを導入する場合を例に説明したが、オクタデカボラン(B1822)又はB3644を導入する場合にも適用できる。また、上記実施形態では、p型シリコン基板にボロンを注入するものを例に説明したが、n型シリコン基板にボロンを注入する場合にも利用できる。さらに、パワーデバイスの製造工程において、不純物拡散層を形成するためにボロンを注入する場合にも応用可能である。また、上記実施形態では、ICP放電を利用したものを例に説明したが、プラズマを発生させる方式は上記に限定されるものではなく、他のものにも広く適用できる。
また、上記実施形態では、プラズマ発生室1aにデカボランのみを導入しているが、デカボランがプラズマ中で分解されると、含有するボロンの数が異なる分子イオンが多数生成され、これにより、プラズマ発生室内の圧力が上昇して、放電の安定性が損なわれる虞がある。この場合、デカボランと共にヘリウムガス又はネオンガスを導入することが好ましい。これによれば、プラズマ発生室内の圧力上昇が抑制でき、放電の安定性を保つことができる。しかも、ヘリウムガスやネオンガスはイオン化エネルギーが大きいためプラズマ中で分解されず、シリコン基板内部に注入され難いので、シート抵抗値の上昇を招くこともない。
IM…イオン注入装置、1a…プラズマ発生室、1b…プラズマ処理室(真空処理室)、5…コイル、W…シリコン基板(処理対象物)。

Claims (5)

  1. プラズマ発生室にデカボランを導入してプラズマを発生させ、このプラズマ中で電離したボロン含有イオンを加速し、プラズマ発生室に連通する真空処理室内に存する処理対象物にボロン含有イオンを注入するイオン注入工程と、
    前記処理対象物を所定温度で加熱するアニール工程とを含み、
    前記イオン注入工程にて、プラズマ中のボロン含有イオンのうち1個のボロンを含有するイオン又は2個のボロンを含有するイオンの量が最も多くなるように、前記プラズマ発生室に印加する電力を設定することを特徴とするイオン注入法。
  2. 前記プラズマ発生室に設けた高周波導入用コイルに500W〜1kWの高周波電力を印加してICP放電により前記プラズマを発生させることを特徴とする請求項1記載のイオン注入法。
  3. 前記プラズマ中のボロン含有イオンのうちボロンを1個含むイオンの量が最も多くなるように、前記高周波導入用コイルに600W〜1000Wの高周波電力を印加することを特徴とする請求項2記載のイオン注入法。
  4. 前記イオン注入工程にて、前記デカボランと共にヘリウムガス又はネオンガスを導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のイオン注入法。
  5. イオン注入工程後、プラズマ発生室にフッ素含有ガスを導入してプラズマを発生させ、プラズマ発生室の内壁面に付着、堆積したボロン含有膜を除去する工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のイオン注入法。
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