JP2011112730A - 画像形成装置 - Google Patents

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富子 井本
Osamu Yamada
修 山田
Katsuyuki Hirata
勝行 平田
Takanori Tsutsumi
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Abstract

【課題】装置構成上の変動要因及び現像剤等の経時劣化に起因するトナー像パッチの濃度ムラを抑え、高い画像品質を安定的に維持する。
【解決手段】感光体の周長以上の長さを有する濃度変動検出用トナー像30を形成するとともに、濃度センサー43によって濃度変動検出用トナー像30の濃度を検出して、濃度変動の周期性を検出し、所定のセンサー検出値を示す前記像担持体上の位置に周期的に前記トナー像パッチを形成する。そして、累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が所定時間又は所定枚数に達するごとに、前記センサー検出値のより大きな値を示す感光体上の位置に、トナー像パッチを形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は画像形成装置に関し、より詳細には、画像濃度に影響を与える画像形成条件を多段階に変化させてトナー像パッチを形成するとともに、その濃度を前記濃度センサーにより検出し最適の画像形成条件の設定する画像形成装置に関するものである。
ファクシミリやプリンタ、複写機などの電子写真方式を用いた画像形成装置では、環境条件の変化や感光体・現像剤の経時劣化などにより最適の画像形成条件が変動するため、初期設定条件のままでは良好な画像形成が達成できない。このため、所定のタイミングで、画像濃度に影響を与える現像バイアス電圧や帯電電圧、露光量などの画像形成条件を多段階に変化させて、濃度検出用のトナー像パッチを形成し、このトナー像パッチの濃度をセンサーで検出して、最適の画像形成条件を設定することが従来から行われている。
ところが、このような画像形成装置では、像担持体の偏心など装置構成上の変動要因に起因して、形成されるトナー像パッチの濃度が周期的に変動することがある。トナー像パッチにこのような変動が現れた場合、その画像濃度に基づいて画像形成条件の最適化を行ったとしても画像形成条件を適正な値に設定することは困難となり、良好な画質のトナー像を安定して形成することができなくなる。
そこで、例えば、特許文献1では、感光体周長の領域内に、現像ローラ周長に相当するトナー像パッチを形成することで、感光体及び現像ローラに起因する濃度変動の影響を除外する技術が提案されている。また、特許文献2では、濃度変動が顕著である低付着量のトナー像パッチにおいて感光体周長のパッチ画像の検出値を平均化することで、濃度変動の影響を除外する技術が提案されている。
特開2004-61837号公報 特開2004-61809号公報
しかしながら、特許文献1において、トナー像パッチの濃度変動は、感光体及び現像ローラの偏心のみが原因とは限らず、正弦波のような周期で濃度変動が常に起こるとは言えない。また、特許文献2において、トナー像パッチの付着量は、濃度センサーで検出するまでは不明であり、全てのトナー像パッチが低付着量である可能性もあるので、濃度変動の影響を完全に除外できるとは限らない。加えて、目標付着量(高付着量)域の濃度変動と低付着量域の濃度変動とを比較すると、高付着量域の方が濃度変動は小さいものの、高付着量域での濃度変動がまったくないわけではない。さらに、トナー像パッチの全てを感光体周長以上とした場合には、画像形成条件の適正化に要する時間が非常に長くなる。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、装置構成上の変動要因及び現像剤等の経時劣化に起因するトナー像パッチの濃度変動を抑え、高い画像品質を安定的に維持できる画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、表面に静電潜像を担持し回転駆動する無端状の像担持体と、前記静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する現像手段と、濃度検出用として形成されたトナー像パッチの濃度を検出する濃度センサーとを備え、画像濃度に影響を与える画像形成条件を多段階に変化させてトナー像パッチを形成するとともに、その濃度を前記濃度センサーにより検出し最適の画像形成条件の設定する画像形成装置において、前記像担持体の周長以上の長さを有する濃度変動検出用トナー像を形成するとともに、前記濃度センサーによって前記濃度変動検出用トナー像の濃度を検出して、濃度変動の周期性を検出し、所定のセンサー検出値を示す前記像担持体上の位置に周期的に前記トナー像パッチを形成し、累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が所定時間又は所定枚数に達するごとに、前記センサー検出値のより大きな値を示す前記像担持体上の位置に、前記トナー像パッチを形成することを特徴とする画像形成装置が提供される。
累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が所定時間又は所定枚数に達するごとに、前記センサー検出値に所定係数を乗じた値を示す前記像担持体上の位置に、前記トナー像パッチを形成するのが好ましい。前記所定係数としては1.0より大きく1.2以下の範囲であるのが好ましい。
また、前記濃度変動検出用トナー像のセンサー検出値の、下記式から算出される変動率が0.05以上のとき、所定のセンサー検出値を示す前記像担持体上の位置に周期的に前記トナー像パッチを形成するのが好ましい。
センサー検出値の変動率=(最大値−最小値)/平均値
前記トナー像パッチ間に、トナー像の位置ズレ検出用のレジストパッチを形成してもよい。
本発明の画像形成装置では、像担持体の周長以上の長さを有する濃度変動検出用トナー像を形成し、濃度センサーによって濃度変動検出用トナー像の濃度を検出して、濃度変動の周期性を検出し、そして所定のセンサー検出値を示す像担持体上の位置に周期的にトナー像パッチを形成するので、装置構成上の変動要因に起因するトナー像パッチの濃度変動を小さく抑えることができる。これにより、高画像品質を安定的に維持できるようになる。また、累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が所定時間又は所定枚数に達するごとに、前記センサー検出値のより大きな値を示す前記像担持体上の位置に、前記トナー像パッチを形成するので、現像剤等の経時劣化に起因するトナー像パッチの濃度ムラも抑えることができるようになる。
本発明に係る画像形成装置(複写機)の一例を示す概説図である。 本発明で使用する濃度センサーの一例を示す概説図である。 濃度変動検出用トナー像及び濃度センサーによるその検出値の一例を示す図である。 図3において、センサー検出値の平均値Vaveを示す位置POにトナー像パッチP,P,Pを形成する場合の概説図である。 トナー像パッチの、トナー付着量と現像バイアス電圧との相関関係例を示す図である。 濃度変動検出用トナー像、濃度センサーによるその検出値、トナー像パッチの形成例を示す図である。 画像形成条件の最適化制御におけるトナー像パッチの形成制御例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例としてのタンデム型フルカラー複写機(以下、「複写機」と記すことがある)の概説図である。以下、図を参照しながら説明する。
(複写機の全体構成)
図1の複写機は、画像読取部10と、画像形成部20と、制御部100とを備えている。
画像読取部10は、不図示の原稿ガラス板上に載置された原稿の画像を、スキャナ11を移動させて読み取るものである。スキャナ11に設置された露光ランプの照射により得られた原稿画像は、光学系により結像され、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の三種類の波長の光にそれぞれ対応したCCDイメージセンサー12によりAD変換され、原稿に対応したR、G、Bの各画像データとされる。
得られた各色成分の画像データは、制御部100において各種のデータ処理が施され、更にY、M、C、Kの各再現色(以下、各再現色に関連する構成部分の番号に、このY、M、C、Kを添字として付加する)の画像データに変換される。変換された画像データは制御部100内の画像メモリ100aに再現色ごとに格納され、記録媒体Sの供給と同期して1走査ラインごとに読み出され、感光体ドラム51Y〜51Kを露光するレーザダイオード(不図示、以下、「LD」と表記する)の駆動信号となる。
画像形成部20は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、中間転写ベルト41が張架されてなる中間転写部40と、中間転写ベルト41に対向してその周回方向上流側(以下、単に「上流側」という)から周回方向下流側(以下、単に「下流側」という)に沿って所定間隔で配置されたY、M、C、Kの各色の画像プロセス部50Y〜50Kとからなる。
他に、矢印B方向に沿った記録媒体Sの搬送経路上には、中間転写部40の二次転写位置へ記録媒体Sを給送する給紙部70と、中間転写部40の二次転写位置の、記録媒体搬送方向下流側に配置された定着部80とがある。
Y、M、C、Kの各色の画像プロセス部50Y〜50Kにおいて、露光走査部60Y〜60Kは、それぞれ上記制御部100から出力された駆動信号を受けてレーザ光を発するLD(不図示)や、このレーザ光を偏向して感光体ドラム51Y〜51K上を主走査方向に露光走査させるためのポリゴンミラー(不図示)等を備えている。また画像プロセス部50Y〜50Kは、感光体ドラム51Y〜51Kと、その周囲に配設された帯電チャージャ52Y〜52K、現像器53Y〜53K、転写チャージャ54Y〜54K及びクリーナ55Y〜55Kなどからなる。
感光体ドラム51Y〜51Kは、前記露光を受ける前にクリーナ55Y〜55Kで表面の残存トナーが除去され、不図示のイレーサランプに照射されて除電された後、帯電チャージャ52Y〜52Kにより一様に帯電されており、このように帯電した状態で上記レーザ光により露光を受けると、感光体ドラム51Y〜51Kの表面に静電潜像が形成される。
現像器53Y〜53Kには、それぞれの色のトナーをそれぞれ所定のトナー濃度で含有する二成分の現像剤が入っており、各静電潜像は、それぞれ各色の現像器53Y〜53Kにより各色のトナーで現像される。これにより感光体ドラム51Y〜51Kの表面にY、M、C、Kのトナー像がそれぞれ形成され、各転写位置において中間転写ベルト41の裏面側に配設された転写チャージャ54Y〜54Kの作用により、矢印A方向に周回している中間転写ベルト41上に順次転写されていく。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が、周回してくる中間転写ベルト41上の同じ位置に重ね合せて転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
各色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト41は、さらに周回して、中間転写ベルト41が対向する二次転写ローラ42と当接して転写ニップ部を形成する位置までやってくる。この転写ニップ部には、中間転写ベルト41の周回と同期して記録媒体Sが給送されてきており、転写ニップ部で中間転写ベルト41上の多重転写された各色のトナー像が記録媒体Sに転写される。なお、記録媒体Sに転写されず中間転写ベルト41上に残存したトナーはクリーニングブレード49で除去・回収される。
各色のトナー像が多重転写された記録媒体Sは、矢印B方向に定着部80まで搬送される。定着部80の定着ローラ81は内部にヒータHを備え、制御部100により、ヒータHへの通電が制御される。記録媒体Sは、定着ローラ81により高温で加圧され、定着ローラ81の表面のトナー粒子が記録媒体表面に融着して定着された後、排紙トレイ82上に排出される。
制御部100は、上記のような通常の画像形成動作の制御を行う以外に、画像形成条件の最適化制御のタイミングや内容などの制御も行う。画像形成条件の最適化制御の構成及び制御内容について以下説明する。
制御部100は、環境変化、経時変化等による画質の変動に対して、常時適切な画像が形成できるように、画像形成条件の最適化制御を行う。最適化制御として、カブリマージン制御、光量制御、最大濃度制御、ガンマ補正制御、レジスト制御などが実施され、所定のシステム速度や露光量、現像バイアス、帯電電位などのプロセス条件を設定後、中間転写ベルト41上にトナー像パッチを形成し、濃度センサー43により当該パッチを検出し、検出結果に基づいて画像形成条件を調整する。濃度センサー43は、光学式に画像濃度を検知するセンサーであり、その構成などについては後述する。
なお、トナー像パッチを中間転写ベルト41から記録媒体Sに転写・定着した後、その濃度を検出してもよいが、画像形成条件の最適化の度に記録媒体Sを消費することになるので、記録媒体Sに転写させることなく中間転写ベルト41でトナー像パッチの濃度を測定することが望ましい。
画像形成条件の最適化制御は定期的に実施される。本実施形態にかかる複写機では、例えば、カラープリントの場合、200枚プリント毎、モノクロプリントの場合、100枚プリント毎に実施する。なお、実施の頻度は異なっても実施する最適化制御の内容は共通である。モノクロプリントが100枚に達した時点、カラープリントが200枚に達した時点、何れの場合であっても、プリントモードには関係なく、M、C、Y、K、すべての色について最適化制御(トナー像パッチの形成)が行われる。
最適化制御時に用いるトナー像パッチは、モノクロ、カラー何れのプリントモードでも、最適化制御の動作は基本的に共通であるから同一のトナー像パッチを用いることができる。
以下、画像形成条件の一つである最大濃度の最適化制御を例に説明を続ける。図2に、濃度センサーとしての濃度センサー43の基本構成を示す。濃度センサー43は、発光素子431と受光素子432とを備える。中間転写ベルト41上に形成されたトナー像パッチPに発光素子431から光を照射し、トナー像パッチPで反射された光を受光素子432で受光し、トナー像パッチPの濃度を検知する。なお、中間転写ベルト41が透光性部材からなる場合には、発光素子と受光素子とを、トナー像パッチを挟んで対称となるように配置し、トナー像パッチ及び中間転写ベルト41を透過した光を受光素子で受光するようにしても構わない。
図3に、濃度変動検出用トナー像30及び濃度センサー43によるその検出値の一例を示す。中間転写ベルト41(図1に図示)上に、回転方向に細長い帯状の濃度変動検出用トナー像30が形成される。この濃度変動検出用トナー像30の形状は、感光体の回転方向の長さLが感光体の周長以上であれば特に限定はないが、画像形成条件の最適化制御を短時間で終わらせると共に、消費トナー量を抑える観点からは、長さLを感光体の周長と同じ長さとし、幅Dを濃度センサー43が検知できる必要最小限の幅とするのが好ましい。また、濃度変動検出用トナー像30を形成する際の現像バイアス電圧は、濃度変動が敏感に検知されるよう、最大濃度バイアス電圧の半分程度のとするのが好ましい。なお、感光体や現像器等を新品に交換した場合に濃度変動の検出を行うときは、規定の現像バイアス電圧で度変動検出用トナー像を形成してもよい。
中間転写ベルト41上に形成された濃度変動検出用トナー像30は、中間転写ベルト41の回転によって濃度センサー43の検知領域に搬送される。そして、濃度センサー43によって濃度変動検出用トナー像30の濃度が検出される。図3に示すグラフは、センサー検出値と、濃度変動検出用トナー像30の位置とを対応させて表したものである。なお、このグラフの縦軸としてのセンサー検出値は、スパイクノイズ等を除去するため移動平均をとった値である。このグラフから理解されるように、濃度変動検出用トナー像の濃度は回転方向の位置によって変動する。
そこで、まず、濃度変動検出用トナー像30の濃度変動率を求める。具体的には、センサー検出値の平均値Vave、最大値Vmax、最小値Vminをそれぞれ求め、下記式からセンサー検出値の変動率を算出する。
センサー検出値の変動率=(Vmax−Vmin)/Vave
この変動率が0.05以上の場合、濃度変動検出用トナー像30の位置による濃度変動が大きいと判断し、後述するように、所定の検出値を示す感光体上の位置に周期的にトナー像パッチを形成する。一方、変動率が0.05未満の場合には、濃度変動が僅かであるので、トナー像パッチの形成位置は前回の位置から変更しない。なお、上記変動率に拘わらず、センサー検出値に基づきトナー像パッチの形成位置を変更するようにしてももちろん構わない。
上記変動率が0.05以上の場合にトナー像パッチは、所定のセンサー検出値を示す感光体上の位置に周期的に形成する。これにより、感光体や現像ローラの偏心等の装置構成上の変動要因等に起因するトナー像パッチの濃度変動が小さく抑えられる。トナー像パッチ形成位置の指標となるセンサー検出値に特に限定はないが、例えば、経時劣化によって顕著に現れる濃度ムラなどの画像ノイズが視認しやすくなるので、センサー検出値が最小値Vminを示す位置にトナー像パッチを形成すれば、トナー画像濃度を全体的に薄くなる方向へシフトでき、画像ノイズを視認しにくく制御することができるようになる。
図3では、感光体上の、センサー検出値が最小値Vminを示す位置POにトナー像パッチを形成している。この図の濃度変動検出用トナー像には、センサー検出値が最小値Vminを示す位置が1箇所しかないので、図4に示すように、トナー像パッチP,P,Pは感光体周長の間隔で形成される。具体的には、トナー像パッチP,P,Pは、現像バイアス電圧をV、V、Vとして感光体周長の間隔でそれぞれ形成される。露光部電位Viと現像バイアス電位とのギャップは、|Vi−V|<|Vi−V|<|Vi−V|の関係にある。現像バイアス電圧V、V、Vは、予め設定しておいてもよいし、あるいは前回定めた値を中心として設定してもよい。トナー像パッチの形成個数、すなわち、変化させる現像バイアス電圧の数は、複数であれば特に限定はない。形成数が増えるほど、後述する相関関係の精度は高まるが、画像形成条件の最適化のための時間が長くなるので、通常は3〜5個程度が実使用上推奨される。
また、図4(b)に示すように、トナー像パッチの形成間隔が感光体の周長といった長い場合には、トナー像パッチの形成間に、トナー像の位置ズレ検出用のレジストパッチRPを形成してもよい。これにより、画像形成条件の最適化のための時間を短縮できるようになる。このレジストパッチRPは、中間転写ベルト41上に、トナーの色ごとに回転方向先端側から順にブラック、イエロー、シアン、マゼンタの順に形成され、これらのレジストパッチRPがセンサーで検知され、主走査、副走査書き出し位置や画像クロックが調整される。レジストパッチRPを形成できるトナー像パッチの形成間隔は、レジストパッチRPの形状や個数等などによって異なるが、通常は、トナー像パッチの形成間隔が感光体周長の1/2以上あればレジストパッチRPは形成できる。
次に、以上のようにして形成したトナー像パッチP,P,Pの濃度を、濃度センサーによって検出し、濃度センサーの検出値を記録媒体S上のトナー付着量に換算して、現像バイアス電圧とトナー付着量との相関関係を回帰計算により算出する。図5に一例を示す。そして、現像バイアス電圧とトナー付着量との相関関係から、図5に示すように、トナー付着量が前記基準出力値となる現像バイアス電圧を求め、この現像バイアス電圧を設定値と定める。
ところで、画像形成を重ねると、現像剤や感光体などが使用によって経時劣化し、トナー像パッチに濃度ムラが生じるという現象が不可避的に生じる。そこで、本発明では、現像器や感光体などの累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が、所定時間又は所定枚数に達するごとに、前回のトナー像パッチの形成指標としたセンサー検出値よりも大きなセンサー検出値を示す感光体上の位置にトナー像パッチを形成する。例えば、前回のトナー像パッチの形成指標としたセンサー検出値に所定係数(1より大きい)を乗じたセンサー検出値を示す感光体上に位置にトナー像パッチを形成する。前記所定係数としては1.0より大きく1.2以下の範囲が好ましい。
本発明で使用する濃度センサーの場合、トナー像パッチの濃度が濃いほど、センサー検出値は小さくなる。したがって、同じ現像バイアス電圧を印加した場合、トナー像パッチの濃度は、感光体上のセンサー検出値の小さい位置に形成するほど濃くなる。例えば、図6に示すように、画像形成装置の使用開始の際は、センサー検出値がVを示す感光体上の位置POに形成し、その後、現像器や感光体などの累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が、所定時間又は所定枚数に達すると、感光体上のトナー像パッチを形成する位置を、センサー検出値がVを示す感光体上の位置POから、感光体上のセンサー検出値V(=1.1×V)を示す位置POに変えてトナー像パッチを形成する。さらに、現像器や感光体などの累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が、所定時間又は所定枚数に達すると、感光体上のトナー像パッチを形成する位置を、センサー検出値がVを示す感光体上の位置POから、センサー検出値V(=1.1×V)を示す位置POに変えてトナー像パッチを形成する。以下、同様の操作を適宜繰り返し行う。
このようにトナー像パッチの形成位置を、画像濃度が薄くなる方向に移動させることによって、現像剤や感光体の経時劣化に起因して生じるトナー像パッチの濃度ムラを小さく抑えられる。
なお、トナー像パッチを形成して最適の画像形成条件を求める時期は、上記のトナー像パッチを形成する位置を定める時期よりも短い周期で行われる。このため、現像器や感光体などの累積稼働時間及び累積画像形成枚数が、所定時間又は所定枚数に達するまでの間に行われる画像形成条件の最適化制御では、前回求めた位置にトナー像パッチを形成する。
図7に、以上説明した画像形成条件の一つとしての最大濃度の最適化制御のフローチャート例を示す。まず、感光体の周長以上の回転方向の長さを有する濃度変動検出用トナー像を形成する(ステップS101)。そして、形成された濃度変動検出用トナー像の濃度を濃度センサーによって検出する(ステップS102)。次いで、濃度センサーの検出値から、その平均値Vave、最大値Vmax、最小値Vminをそれぞれ求め(ステップS103)、前記式からセンサー検出値の変動率を算出する(ステップS104)。センサー検出値の変動率が0.05以上の場合は(ステップS105)、続いて現像器の累積稼働時間Tが1,700min未満であるかどうかが判断される(ステップS106)。
現像器の累積稼働時間Tが1,700min未満であれば、センサー検出値Vの位置に、現像バイアス電圧を段階的に変化させながらトナー像パッチを周期的に形成する(ステップS107)。現像器の累積稼働時間Tが1,700min以上で3,400min未満の場合は(ステップS108)、センサー検出値Vの位置に、現像バイアス電圧を段階的に変化させながらトナー像パッチを周期的に形成する(ステップS109)。現像器の累積稼働時間Tが3,400min以上の場合は(ステップS108)、センサー検出値Vの位置に、現像バイアス電圧を段階的に変化させながらトナー像パッチを周期的に形成する(ステップS110)。
一方、センサー検出値の変動率が0.05未満の場合は(ステップS105)、感光体の周方向位置による濃度変動は小さいと判断し、センサー出力値によるトナー像パッチの形成位置の特定は行わす、バイアス電圧の変更が段階的に行える範囲において任意にトナー像パッチを形成する(ステップS111)。
以上説明した実施形態では、画像形成条件として現像バイアス電圧を例に説明したが、これ以外にも、現像バイアス電圧の振幅や帯電電圧、露光量などの画像形成条件を最適化することができる。
また、前記実施形態は、中間転写ベルトを用いた、いわゆるフルカラー画像形成装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、感光体上に形成されたトナー画像を用紙等の転写材に転写し定着させるものであればよい。したがって、モノクロ画像を形成する画像形成装置についても本発明を提供できる。
本発明の画像形成装置は、装置構成上の変動要因及び現像剤等の経時劣化に起因するトナー像パッチの濃度ムラを抑え、高い画像品質を安定的に維持できるので有用である。
P,P,P,P,P トナー像パッチ
RP レジストパッチ
30 濃度変動検出用トナー像
43 濃度センサー
51Y,51M,51C,51K 感光体ドラム(像担持体)
53Y,53M,53C,53K 現像器(現像手段)
431 発光素子
432 受光素子

Claims (5)

  1. 表面に静電潜像を担持し回転駆動する無端状の像担持体と、前記静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する現像手段と、濃度検出用として形成されたトナー像パッチの濃度を検出する濃度センサーとを備え、画像濃度に影響を与える画像形成条件を多段階に変化させてトナー像パッチを形成するとともに、その濃度を前記濃度センサーにより検出し最適の画像形成条件の設定する画像形成装置において、
    前記像担持体の周長以上の長さを有する濃度変動検出用トナー像を形成するとともに、前記濃度センサーによって前記濃度変動検出用トナー像の濃度を検出して、濃度変動の周期性を検出し、所定のセンサー検出値を示す前記像担持体上の位置に周期的に前記トナー像パッチを形成し、
    累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が所定時間又は所定枚数に達するごとに、前記センサー検出値のより大きな値を示す前記像担持体上の位置に、前記トナー像パッチを形成することを特徴とする画像形成装置。
  2. 累積稼働時間及び累積画像形成枚数の少なくとも一方が所定時間又は所定枚数に達するごとに、前記センサー検出値に所定係数を乗じた値を示す前記像担持体上の位置に、前記トナー像パッチを形成する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記所定係数が1.0より大きく1.2以下の範囲である請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記濃度変動検出用トナー像のセンサー検出値の、下記式から算出される変動率が0.05以上のとき、所定のセンサー検出値を示す前記像担持体上の位置に周期的に前記トナー像パッチを形成する請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
    センサー検出値の変動率=(最大値−最小値)/平均値
  5. 前記トナー像パッチ間に、トナー像の位置ズレ検出用のレジストパッチを形成する請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092691A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Ricoh Co Ltd 粉体付着量検知方法及び画像形成装置

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