JP2011112530A - シール材およびそれを備えたフローセル - Google Patents

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Abstract

【課題】 フッ素系有機溶媒などの溶媒が流れる流路同士を液密に接続するために有用なシール材、および前記シール材を備えたフローセルを提供すること。
【解決手段】 材質が金からなる流路同士を液密に接続するためのシール材、および光軸に対して傾斜した斜板で仕切られた参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有し前記光軸に対して直交する方向に前記参照液または前記試料液を通過させるための流入口および流出口を設けた直方体のセルと、セルに設けた流入口および流出口と接続する配管と、セルに設けた流入口および流出口と配管とを液密に接続するための前記シール材と、を備えたフローセルにより、前記課題を解決した。
【選択図】 図3

Description

本発明は耐薬品性、耐熱性および液密性に優れたシール材、およびそれを備えたフローセルに係わる。特に本発明のフローセルは、示差屈折率計に用いるフローセルとして有用であり、高温における分子排除クロマトグラフィ用示差屈折率計に用いるフローセルとしてさらに有用である。
物質が溶媒に溶け込むと、一般に溶媒の屈折率は変化する。そのため、液体クロマトグラフではカラムから溶出される成分の汎用的な検出器として、溶媒(参照液という)と、成分が溶けた溶媒(試料液という)の屈折率の差を測定する示差屈折率計が用いられる。示差屈折率計として、屈折率による反射光強度の変化を検出するフレネル型示差屈折率計と、屈折角の変化を検出する偏向型(ブライス型ともいう)示差屈折率計が知られている。
通常用いられる偏向型示差屈折率計は、光源部から生成された平行光がフローセルに導入され、フローセルを通過する参照液と試料液の屈折率に応じて平行光の進行方向が偏向され、その偏向の程度を位置検出光センサにより検出する、というものである。フローセルは、石英ガラスなどの透明体の内部に光の進行方向(光軸)に対して傾斜した斜板で仕切られた2つの直角三角形断面を有する流路を設けており、前記2つの流路に試料液と参照液をそれぞれ通過させた状態で平行光を透過させる。透過した平行光の進行方向の角度変化(偏向)の大きさから、屈折率の差の原因である試料液中の試料濃度を求めることができる。図1にフローセル10の内部構造を示す。試料液を流通させる三角柱状の液体流路からなる試料液側流路11と、参照液を流通させる三角柱状の液体流路からなる参照液側流路12が、透明な斜板13で仕切られている。試料液側流路の流入口16は分析カラムからの配管と接続し、流出口17は廃液ラインへの配管と接続する。参照液側流路の流入口18は溶離液が供給される配管と接続し、流出口19は廃液ラインへの配管と接続する。
高温分子排除クロマトグラフィー(以下、高温SECと略す)は、常温では溶解しないポリエチレン、ポリプロピレンといったポリオレフィン類やエンジニアリングプラスチックの分析に使用され、180℃までの分析が可能である。また、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂などのスーパーエンジニアリングプラスチックを250℃程度までの高温下で分析する超高温GPCも開発されている。なお、高温SECは、高温ゲル浸透クロマトグラフィーを意味する高温GPCと呼ばれることも多い。本明細書では、高温SECと高温GPCは同じ意味で用いる。
高温GPCで使用される示差屈折率計のフローセルは、通常、光学的透明性、耐熱性および耐圧性にすぐれた石英ガラスを材質として用いる。また、フローセルの周囲を金属製のハウジングで保護すると、フローセルの光学的位置決めを確保し、フローセル耐圧性を高め、高温条件下にフローセルを保つことができるため、好ましい。前記ハウジングは、フローセルと外部配管との接続に利用されるので配管ブロックともいい、セルを保護するのでセルブロックともいう。
フローセルに設けた流入口および流出口と配管ブロックとの接続部には液漏れを防止する(液密に接続する)ために、ガスケット(パッキンともいう)、Oリングなどのシール材を挿入する必要がある。高温GPC用示差屈折率計のフローセルに使用するシール材としては、耐薬品性の高いポリテトラフルオロエチレンや、さらに耐熱性にすぐれたパーフロロエラストマーたとえばカルレッツ(登録商標)などが使用されている(非特許文献1参照)。
フッ素系高分子は、そのすぐれた耐薬品性、耐熱性、耐侯性、難燃性、低摩擦性、非粘着性、電気特性、生体適合性等により、多くの合成化学的研究や多方面にわたる応用研究が行なわれている。また、合成化学的研究においては、フッ素系高分子を溶解するフッ素系有機溶媒、たとえば、ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロベンゼン類、ハイドロフルオロケトン類、ハイドロフルオロアルキルベンゼン類、ハイドロフルオロエーテル類、ハイドロフルオロアルコール類などが用いられ、合成した高分子の分析に高温GPCまたは超高温GPCが必要となる。しかしながら、高温GPCなどの示差屈折率計のフローセルに使用する、ポリテトラフルオロエチレンやパーフロロエラストマーで作られたシール材は、高温、高圧下において前述のフッ素系有機溶媒に対して膨潤、劣化、変形などを起こし、シール性が侵されるおそれがあった。
セルと配管ブロックとの接続部に用いるシール材の別の例として、ガスの成分分析に使用する分光分析用測定セルの金属製セル本体と、その先端部に装着するガラス製窓材との間に挿入するシール材が開示されている(特許文献1)。前記シール材は、厚み方向に弾性変形可能なコイルスプリング状の環状物と、それを覆う耐腐食性金属製の断面C字状のシース(鞘)とから構成されている。しかしながら、このようなコイルスプリングを使用する構造のシール材を、示差屈折率計のフローセルの接液部に使用できる内径2mm程度以下に小さく製造することができるか、また高圧状態の液体の液密性を確保できるかは疑問である。
特開平9−311104号公報
植松原一、佐藤達;東ソー研究報告、42、3−16(1998)
本発明は、フッ素系有機溶媒などの溶媒が流れる流路同士を液密に接続するために有用なシール材、および前記シール材を備えたフローセルを提供することを目的とする。
発明者は、従来シール材として用いられているポリテトラフルオロエチレンやパーフロロエラストマーに対して膨潤、劣化、変形などを引き起こす、フッ素系有機溶媒などの溶媒に対する耐薬品性、耐熱性および柔軟性を備えたシール材を探索した結果、本発明を完成した。
すなわち第一の発明は、材質が金からなる、流路同士を液密に接続するためのシール材である。
また第二の発明は、
光軸に対して傾斜した斜板で仕切られた参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有し、前記光軸に対して直交する方向に前記参照液または前記試料液を通過させるための流入口および流出口を設けた直方体のセルと、
セルに設けた流入口および流出口と接続する配管と、
セルに設けた流入口および流出口と配管とを液密に接続するための、材質が金からなるシール材と、
を備えたフローセルである。
また第三の発明は、セルに設けた流入口および流出口の長さが、流入口および流出口を設けた側面間の長さの35%から45%である、第二の発明に記載のフローセルである。
また第四の発明は、セルに設けた、試料液を通過させるための流入口および流出口の軸と、参照液を通過させるための流入口および流出口の軸とが一致している、第二または第三の発明に記載のフローセルである。
また第五の発明は、試料液および参照液を通過させるための流入口および流出口と配管とを接続するための内部流路を設けたハウジングをさらに備えた、第二から第四の発明のいずれかに記載のフローセルである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、流路同士を液密に接続するためのシール材の材質が金からなることを特徴としている。金(Au)は、金属の中でも最も安定性が高く空気中や水中において酸化しない。また空気中で加熱しても酸化や変色を起こさない。金は、王水、青酸、塩素、臭素、ヨウ素カリなどに反応するものの、フッ素系有機溶媒を含め有機溶媒に侵されることはない。さらに金は、きわめて柔軟であり、すべての金属中で展延性が最もすぐれているため、加工性にすぐれており、ガスケットやOリングなど微細な形状のシール材の製造が容易である。したがって、金は、耐薬品性、耐熱性および柔軟性を備えたシール材として好ましいといえる。なお、本発明において「材質が金からなるシール材」とは、純度99.99%以上の金すなわち純金(24金)からなるシール材に限らず、金が有する耐薬品性、耐熱性および柔軟性を損なわない範囲で純金に銀などの金属を含有させた合金からなるシール材であっても、本発明における「材質が金からなるシール材」の範囲に含まれる。本発明のシール材の厚さおよび形状には制限はなく、液密に接続する流路の形状、径の大きさ、流速、送液耐圧などに応じて適宜設計すればよい。
本発明のシール材を備えた装置の一態様として、
光軸に対して傾斜した斜板で仕切られた参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有し、前記光軸に対して直交する方向に前記参照液または前記試料液を通過させるための流入口および流出口を設けた直方体のセルと、
セルに設けた流入口および流出口と接続する配管と、
セルに設けた流入口および流出口と配管とを液密に接続するための、材質が金からなるシール材と、
を備えたフローセルがあげられる。本発明のフローセルを構成するセルの材質は、光の透過性と液体に対する耐食性を考慮して選択すればよいが、多くの場合、透明な石英ガラスが用いられる。また、光が通過する部分以外のすべて、あるいは一部を黒色石英ガラスといった不透明体材料で作ることもできる。セルの別の態様として、試料液に溶解した目的成分の広がりを防ぐために、試料液を流す中空部の断面積を、参照液を流す中空部の断面積より小さくしたセルもあげることができる。
本発明のシール材の材質は金(純金または金が有する性質を損なわない範囲で純金に銀などの金属を含有させた合金)からなっている。そのため、本発明のフローセルにおいて、本発明のシール材を用いてセルと配管とを液密に接続する際は、従来より用いられた樹脂(ポリテトラフルオロエチレンやパーフロロエラストマーなど)製のシール材と比較し、セルと配管との締め付け圧を強くする必要がある。そのため、図1に示す一般的なセルでは前記締め付け圧によりシール材との接触箇所から破壊される可能性があった(実施例1参照)。本発明のフローセルを構成する好ましいセル10の一態様(平面断面図)を図2に示す。図2のセル10は外形が直方体の石英セルである。セル10を構成する三角柱からなる二つの中空部(試料液側流路11および参照液側流路12)は、斜板13を介して平行対峙するように、かつ前記三角柱の直角をなす側面が前記直方体の側面に平行または直角となるように設けている。中空部への流入口(試料液側流路流入口16および参照液側流路流入口18)および流出口(試料液側流路流出口17および参照液側流路流出口19)は中空部を構成する三角柱の直角をなす側面のうち、光が通過しない側面から直角にフローセル本体外部に貫通する貫通孔としてセル10に設けている。前記流入口および流出口の長さ(図2のe1およびe2)は、セル10における流入口および流出口を設けた側面間の長さ(図2のd)の35%から45%とすると好ましい。その理由として、流入口および流出口の長さを流入口および流出口を設けた側面間の長さの35%以下とすると本発明のシール材(ガスケット)を介してセルと配管とを液密に接続する際セルを破損する可能性があり、流入口および流出口の長さを流入口および流出口を設けた側面間の長さの45%以上とするとクロマトグラムの試料ピークが広がる可能性があるためである。また、流入口および流出口の長さを流入口および流出口を設けた側面間の長さの45%以上とすると、流入口および流出口を設けた側面(光が通過しない側面)間の長さ(図2のd)が中空三角柱の直角を挟む辺の長さ(図2のe3)の10倍を超えることになり、セルの製造において不経済といえる。なお、流入口および流出口の位置については、図2のセル10のように、試料液側流路流入口16および試料液側流路流出口17における液体が流れる方向の軸と、試料液側流路流入口18および試料液側流路流出口19における液体が流れる方向の軸とが、一致するように設けるのが好ましい。その理由として、流入口および流出口の軸がずれているとセルにねじれのモーメントが働き、締め付け部に不均一な力が加わるため、セルを破損する可能性があるためである。なお、セル内部で流れの滞る部分が発生しないように、流入口16・18は中空部を構成する三角柱の下端に、流出口17・19は中空部を構成する三角柱の上端に設けるのが好ましい。
本発明のフローセルの好ましい態様として、
光軸に対して傾斜した斜板で仕切られた参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有し、前記光軸に対して直交する方向に前記参照液または前記試料液を通過させるための流入口および流出口を設けた直方体のセルと、
セルに設けた流入口および流出口と接続する配管と、
セルに設けた流入口および流出口と配管とを液密に接続するための、材質が金からなるシール材と、
試料液および参照液を通過させるための流入口および流出口と配管とを接続するための内部流路を設けたハウジングと、
を備えた、フローセルがあげられる。
前記好ましいフローセルを構成するハウジングは、セル周囲を保護することでセルの光学的位置決めの確保、セルの耐圧性の向上、高温条件下におけるセル温度の維持を図るとともに、セルと配管との接続に利用される。ハウジングは、セルのうち光を通過する面以外の部分を取り囲むようにして保護すればよく、一例として、
試料液を通過させるための流入口および流出口と配管とを接続する内部流路を設けた第一のハウジング部材と、
参照液を通過させるための流入口および流出口と配管とを接続する内部流路を設けた第二のハウジング部材と、
セルを介して前記第一のハウジング部材と前記第二のハウジング部材とを固定する手段と、
を設けたハウジングがあげられる。なお、内部流路と配管との接続は、直接溶接をしてもよいし、ねじなどの締結手段で固定してもよいし、公知のチューブコネクターのためのテーパ加工などを施すことにより固定してもよい。ハウジングを構成する材質は、セルを高温に保つ必要があることから熱伝導性の高い金属である必要があり、さらに種々の薬液に接触させる必要があることからステンレス鋼が好ましい。
本発明は、流路同士を液密に接続するためのシール材の材質が金からなることを特徴としている。金は耐薬品性および柔軟性を備えている。そのため、従来の樹脂製シール材では定期的に交換が必要であった、フッ素系有機溶媒などの溶媒に対しても、シール材の定期的な交換なしに流路同士を液密に接続することが可能となる。また、金は耐熱性も有しているため、高温GPCまたは超高温GPCといった高温かつ高圧条件下で使用する装置に設けた流路同士を液密に接続するシール材として特に好ましい。
本発明のシール材を備えた装置の一態様である、
光軸に対して傾斜した斜板で仕切られた参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有し、前記光軸に対して直交する方向に前記参照液または前記試料液を通過させるための流入口および流出口を設けた直方体のセルと、
セルに設けた流入口および流出口と接続する配管と、
セルに設けた流入口および流出口と配管とを液密に接続するための、材質が金からなるシール材と、
を備えたフローセルは、移動相として、従来のフローセルではシール材の交換が定期的に必要であった、フッ素系有機溶媒などの溶媒を使用してもシール材の交換が不要である。そのため、本発明のフローセルを示差屈折率計といった液体クロマトグラフに用いる分析装置に備えることで、メンテナンスが容易かつ安定な分析が可能な分析装置を提供することができる。
本発明のシール材の材質は金、すなわち金属であるため、本発明のフローセルにおいてセルと配管とを接続する際、従来の樹脂製シール材と比較し締め付け圧を高くするする必要がある。そのため、本発明のフローセルにおいて、セルに設けた流入口および流出口 の長さを流入口および流出口を設けた側面間の長さの35%から45%とする、および/または、試料液を通過させるための流入口および流出口の軸と参照液を通過させるための流入口および流出口の軸とを一致させると、締め付け圧または試料液/参照液の流入圧力によるセルの破損リスクが低減するため、好ましい。
さらに、本発明のフローセルに、試料液および参照液を通過させるための流入口および流出口と配管とを接続するための内部流路を設けたハウジングをさらに備えると、セルの耐圧性の向上および高温条件下におけるセル温度の維持が図れるため、高温GPCや超高温GPCといった高温かつ高圧下での分析に用いる分析装置に備えるフローセルとして特に好ましい。
示差屈折率計で用いる一般的なフローセル(セル)の内部構造を示す図。 本発明のフローセルを構成する好ましいセルの一態様を示す図(平面断面図)。 本発明のフローセルの一態様を示す図。 本発明のフローセルの一態様の組み立て構成図。 実施例で検討したセルの平面断面図。 セルAの加圧シミュレーション結果を示す図。 セルBの加圧シミュレーション結果を示す図。 セルCの加圧シミュレーション結果を示す図。 実施例2(耐圧漏れ試験)で用いた装置の流路構成図。
本発明のフローセル100の一態様を図3に示す。セル10は図1に示したセル10と同じ構造である。セル10は試料液側流路および参照液側流路に設けた流入口16・18ならびに流出口17・19に計4個の本発明のシール材(ガスケット)20を介して、ハウジング30で保持されている。試料液側流路の流入口16は分析カラムからの配管接続口36と、試料液側流路の流出口17は廃液ラインへの配管接続口37と、参照液側流路の流入口18は溶離液を供給する配管接続口38と、参照液側流路の流出口19は廃液ラインへの配管接続口39とそれぞれ接続する。ハウジング30は一対のハウジング部材30a・30bから構成されており、隙間ゲージを上下の締め付け調整しろ35に入れながら、締め付け調整しろ35が0.4mm程度になるように、上下のボルト40を均等に締め付けることで、本発明のシール材(ガスケット)20を介して、セル10をハウジング30で保持させている。図4は本発明のフローセル100の組み立て構成図である。ハウジング30には本発明のシール材(ガスケット)20の位置決めに有用な窪み31・32が設けられている。図4において窪み31は分析カラムからの配管接続口と接続する部分であるため、窪み31に設ける穴を細く開けることで試料の広がりを防いでいる。また、窪み32は廃液ラインへの配管接続口と接続する部分であるため、窪み32に設ける穴を太めに開けることでセル10に過大な背圧が掛からないようにしている。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
3次元モデル作製ソフトSolidWorks2007(商品名)および解析ソフトCosmosWorks2007(商品名)を用い、シール材(ガスケット)を介してセルに加重・圧力を加えたときの変位の度合いをシミュレートした。
セルの材質は合成石英、シール材(ガスケット)の材質は純金、圧力条件は0.3MPaとして、解析には各材質の物性値を使用した。セルについては3種類のセルについて検討した。セルAは、d4.8mm×f5mm×高さ12.8mmの直方体とし、流入口および流出口16・17・18・19のd方向の長さ(流入口および流出口を設けた側面間の長さ)(e1およびe2)を1.4mmとしたセルである(平面断面図を図5(a)に示す)。セルBは、d10mm×f5mm×高さ12.8mmの直方体とし、流入口および流出口16・17・18・19のd方向の長さ(e1およびe2)を4mmとしたセルである(平面断面図を図5(b)に示す)。セルCは、セルBにおいて試料液側流路の流入口および流出口16・17の軸と、参照液側流路の流入口および流出口18・19の軸とを1mmずらした(g1)セルである(平面断面図を図5(c)に示す)。
シール材(ガスケット)20を介してセルAに加重・圧力を加える前の正面断面図(図5(a)のA−A’断面図)を図6(a)に、加えた後の正面断面図(シミュレーション結果)を図6(b)にそれぞれ示す。セルAは流路を設けた部分の壁の厚さが比較的薄く、液漏れしないように純金製シール材(ガスケット)20に締付荷重を加えた場合、シール材(ガスケット)20がセル10を押す、流路を設けない部分の壁の厚さ(d=4.8mm)と、流路を設けた部分の壁の厚さ(流入口および流出口のd方向の長さと同じ、e1=e2=1.4mm)の違いが大きい(1:0.29)ため、シール材(ガスケット)20が接触している部分の歪みが不均衡となる。よって、特にセル10の中空部が大きく変形し、流入口および流出口16・17・18・19の部分からセル10が破壊される可能性があることが予想された。
シール材(ガスケット)20を介してセルBに加重・圧力を加える前の正面断面図(図5(b)のB−B’断面図)を図7(a)に、加えた後の正面断面図(シミュレーション結果)を図7(b)にそれぞれ示す。セルBは流路を設けた部分の壁の厚さ(流入口および流出口のd方向の長さ)をセルAと比較して厚くしている。そのため、液漏れしないように純金製シール材(ガスケット)20に締付荷重を加えても、シール材(ガスケット)20がセル10を押す、流路を設けない部分の壁の厚さ(d=10mm)と、流路を設けた部分の壁の厚さ(流入口および流出口のd方向の長さと同じ、e1=e2=4mm)の違いが比較的小さく(1:0.4)、シール材(ガスケット)20が接触している部分の歪みが均衡に掛かる。よって、セル10の中空部の変形はほとんどなく、シール材(ガスケット)20の締め付けに十分に耐えられることが予想された。なお、流路を設けた部分の壁の厚さを厚く(流入口および流出口のd方向の長さを長く)することで、流入口および流出口の容量が増えることになるが、分析カラム出口にセル10を直結しているわけではなく、分析カラムからセル10までの配管容量と比較すると実際には分析上大きな影響とはならない。
シール材(ガスケット)20を介してセルCに加重・圧力を加える前の正面断面図(図5(c)のC−C’断面図)を図8(a)に、加えた後の正面断面図(シミュレーション結果)を図8(b)にそれぞれ示す。セルCは試料液側流路の流入口および流出口16・17の軸と、参照液側流路の流入口および流出口18・19の軸とが一致していない。そのため、シール材(ガスケット)20を介してセル10に加重・圧力を加えると、セルBと比較し、流入口、流出口および試料液側流路と参照液側流路とを隔てる斜板13の変形が大きく、セル10が破壊される可能性があることが予想された。
実施例2
本発明のフローセル100の耐圧漏れ試験を図9に示す装置を用いて実施した。すなわち、溶離液容器200に入れた純水を送液ポンプ300で吸い上げ、圧力センサ400を経て流路を分岐し、フローセル100を構成するセル中の試料液側流路および参照液側流路の流入口へ導く。フローセル100を構成するセル中の試料液側流路および参照液側流路を通過して、それぞれの流出口より出た純水は、合流したのち抵抗管500を通って廃液容器600に送られる。なお、抵抗管500は、高温GPC装置における示差屈折率計のフローセル自身の耐圧上限である0.5MPaを本測定系に与えるために導入したものである。フローセル100に備えた本発明のシール材(ガスケット)は、純金製で、断面が長方形の環状であり、その寸法は、外径φ2.3mm×内径φ1.35mm×厚さ0.6mmである。
図9に示す装置にフローセル100を接続する前に、送液圧が圧力センサ400の表示が0.5MPaになる流量を測定し、その結果約2mL/minを送液することになった。本実施例で用いたフローセルを構成するセルは、実施例1に記載の、流路を設けた部分の壁の厚さが比較的薄い(流入口および流出口のd方向の長さが比較的短い)セルA(図5(a))および流路を設けた部分の壁の厚さが比較的厚い(流入口および流出口のd方向の長さが比較的長い)セルB(図5(b))である。前記セルにハウジングを図4に示す方法で組み立てて得られたフローセル100を図9の装置に接続して、送液を行ないながらフローセルの耐圧が目標の0.5MPaになるようにボルトで締め付けることでフローセルを構成するハウジング部材を増し締めした。
セルAは、ボルトを締め付けて送液圧が上がらない状態(表示は0MPa)で破壊された。破壊は流入口・流出口付近で起きていた。一方セルBは、ハウジング部材間の締め付け調整しろが0.25mm(初期は0.4mm)までネジを締め付けた段階において、0.5MPaの送液圧でも漏れが発生しないことを確認した。また、不図示のヒーターによりフローセルに240℃の温度を印加しても構成するセルBの破壊は起きなかった。
10:フローセル(セル)
11:試料液側流路
12:参照液側流路
13:斜板
16:試料液側流路流入口
17:試料液側流路流出口
18:参照液側流路流入口
19:参照液側流路流出口
20:シール材(ガスケット)
30:ハウジング
31:窪み(試料液側流路流入口側)
32:窪み(試料液側流路流出口側)
35:締め付け調整しろ
36:分析カラムからの配管接続口
37、39:廃液ラインへの配管接続口
38:溶離液を供給する配管接続口
40:ボルト
100:フローセル
200:溶離液容器
300:送液ポンプ
400:圧力センサ
500:抵抗管
600:廃液容器

Claims (5)

  1. 材質が金からなる、流路同士を液密に接続するためのシール材。
  2. 光軸に対して傾斜した斜板で仕切られた参照液と試料液を通過させるための二つの中空部を有し、前記光軸に対して直交する方向に前記参照液または前記試料液を通過させるための流入口および流出口を設けた直方体のセルと、
    セルに設けた流入口および流出口と接続する配管と、
    セルに設けた流入口および流出口と配管とを液密に接続するための、材質が金からなるシール材と、
    を備えたフローセル。
  3. セルに設けた流入口および流出口の長さが、流入口および流出口を設けた側面間の長さの35%から45%である、請求項2に記載のフローセル。
  4. セルに設けた、参照液を通過させるための流入口および流出口の軸と、試料液を通過させるための流入口および流出口の軸とが一致している、請求項2または3に記載のフローセル。
  5. 試料液および参照液を通過させるための流入口および流出口と配管とを接続するための内部流路を設けたハウジングをさらに備えた、請求項2から4のいずれかに記載のフローセル。
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