JP2011111045A - 車載アンテナ用支持具構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能で安定的に車載アンテナを固定可能であり、さらに、ユーザによる分解は難しい一方、メンテナンス性は良い車載アンテナ用支持具構造を提供する。
【解決手段】車載アンテナ用支持具構造は、吸盤10と、頭部差込部20と、固定用ピン30とからなる。吸盤10は、貫通孔15を有する頭部11と吸着部12とからなる。頭部差込部20は、吸盤の頭部が挿入されるときに吸盤の頭部の貫通孔の両側の位置に対応して設けられる一対の枢支孔21,21と、吸盤の頭部の貫通孔に対してオフセットされて設けられるオフセット孔22とを有する。固定用ピン30は、一対の枢支孔に枢支され、頭部差込部のオフセット孔から吸盤の頭部の貫通孔の軸に対して斜め方向に挿入され、吸盤の頭部の貫通孔を貫通し、頭部差込部内に収容された後、固定用ピンの軸が吸盤の頭部の貫通孔の軸側に移動する。
【選択図】図2

Description

本発明は車載アンテナ用支持具構造に関し、特に、吸盤を用いてアンテナを車両に取りつけることが可能な車載アンテナ用支持具構造に関する。
車載アンテナ、例えばGPSアンテナやテレビアンテナ、マイクロ波検出アンテナ等には、ダッシュボードやフロントガラスに取り付け可能なものがある。これらは、一般的には両面テープにより固定されたり、吸盤により固定されたりする。
吸盤により固定される車載アンテナとしては、例えば特許文献1に記載のものがある。これは、ダッシュボードやフロントガラスに固定可能なものであり、固定後は安定して位置を保つことが可能なように、吸盤を2個用いることで車載アンテナが回転することを防止している。そして、吸盤は、アンテナの支持具を構成するベース部の装着孔に差し込まれて固定されるものである。装着孔は、大小の円形孔を連結したものであり、吸盤の頭部を小さい円形孔に差し込んだ後、大きい円形孔側にスライドすることで吸盤が固定されるものである。
吸盤により固定される車載アンテナの他の例としては、吸盤の頭部を貫通するピンを吸盤の頭部に挿入し、これをアンテナの支持具に設けられるI字型孔に挿入した後、回転させることにより固定されるものも存在する。
特開2005−112305号公報
車載アンテナは、運転や視界を妨げることがないものが望まれているため、小型であることが好ましい。さらに、デジタルテレビ用アンテナにおいては、回路基板が小型化しているため、アンテナ自体の大きさは小さくなっている。しかしながら、上述の従来技術に挙げられたような吸盤により車載アンテナを車両に固定するものは、何れも支持具に設けられた孔に吸盤を挿入後、吸盤をスライドさせたり回転させたりすることで吸盤が支持具に固定されるものであった。このため、吸盤の頭部をスライドさせるための領域や吸盤を回転させることにより吸盤の頭部に挿入されたピンが回転される領域が必要となり、アンテナを小型化していくと、この部分が占める割合が大きくなって車載アンテナ全体の小型化が難しかった。さらに、吸盤をスライドさせたり回転させて固定する構造の場合には、車両の振動等により車載アンテナが回転してしまったりずれてしまったりする可能性があり、より安定的に固定することが望まれていた。
さらに、ねじが車載アンテナの表に見えていると、ユーザにより分解されてしまうおそれがある。したがって、ねじを隠すことでユーザによる分解が難しい車載アンテナの開発も望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、小型化が可能で安定的に車載アンテナを固定可能であり、さらに、ユーザによる分解は難しい一方、メンテナンス性は良い車載アンテナ用支持具構造を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による車載アンテナ用支持具構造は、貫通孔を有する頭部と、吸着部と、からなる吸盤と、吸盤の頭部が差込可能に構成される頭部差込部であって、吸盤の頭部が挿入されるときに吸盤の頭部の貫通孔の両側の位置に対応して設けられる一対の枢支孔と、吸盤の頭部の貫通孔に対してオフセットされて設けられるオフセット孔とを有する、吸盤の頭部差込部と、一対の枢支孔に枢支され、吸盤を固定するための固定用ピンであって、該固定用ピンは、頭部差込部のオフセット孔から吸盤の頭部の貫通孔の軸に対して斜め方向に挿入され、吸盤の頭部の貫通孔を貫通し、頭部差込部内に収容された後、固定用ピンの軸が吸盤の頭部の貫通孔の軸側に移動する、固定用ピンと、を具備するものである。
ここで、頭部差込部のオフセット孔はアーチ状の孔であり、頭部差込部の枢支孔はオフセット孔とは反対方向のアーチ状の孔であれば良い。
さらに、頭部差込部は、オフセット孔に対向する位置であって、挿入される固定用ピンが当接する位置に、固定用ピンの長手方向に垂直な断面よりも小さい、固定用ピン押出用孔を有しても良い。
さらに、頭部差込部は、吸盤の頭部が差し込まれる位置に隠しねじ用ねじ孔を有しても良い。
また、固定用ピンは、吸盤の頭部の貫通孔に挿入される側の先端が面取りされても良い。
本発明の車載アンテナ用支持具構造には、小型化が可能で安定的に車載アンテナを固定可能であり、さらに、ユーザによる分解は難しい一方、メンテナンス性は良いという利点がある。
図1は、本発明の車載アンテナ用支持具構造を説明するための概略側面図である。 図2は、本発明の車載アンテナ用支持具構造の図1のb−b断面図である。 図3は、本発明の車載アンテナ用支持具構造を説明するための概略下面図である。 図4は、本発明の車載アンテナ用支持具構造の頭部差込部に設けられる一対の枢支孔とオフセット孔との関係を説明するための概略斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の車載アンテナ用支持具構造を説明するための概略側面図である。また、図2は、本発明の車載アンテナ用支持具構造の図1のb−b断面図である。さらに、図3は、本発明の車載アンテナ用支持具構造を説明するための概略下面図である。図示の通り、本発明の車載アンテナ用支持具構造は、吸盤10と、吸盤の頭部差込部20と、固定用ピン30とから主に構成されている。これらが車載アンテナのアンテナベース40に設けられている。アンテナベース40上には、所定の回路基板(図示せず)が載置され、その上からアンテナカバー50が嵌め込まれている。そして、ここからアンテナ55及び外部機器へのケーブル56が延びている。以下、車載アンテナ用支持具構造について説明する。
吸盤10は、頭部11と吸着部12からなる。頭部11には、貫通孔15が設けられている。貫通孔15は、頭部11を貫通するものであり、固定用ピン30が貫通されるものである。したがって、貫通孔15の長手方向に垂直な断面は固定用ピン30の長手方向に垂直な断面と対応していることが好ましい。即ち、固定用ピン30が円柱状のものであれば円柱状の貫通孔が設けられ、固定用ピン30が角柱形状のものであれば角柱形状の貫通孔が設けられれば良い。吸盤10は、一般的な樹脂等からなるもので貫通孔15を有するものであれば、汎用的なものを用いることが可能である。
頭部差込部20は、吸盤10の頭部11が挿入可能に構成されている。即ち、頭部差込部20には、吸盤10の頭部11の形状に合わせた孔29が設けられており、孔29に吸盤10の頭部11が嵌合する。また、頭部差込部20には、一対の枢支孔21,21が設けられている。一対の枢支孔21,21は、吸盤10の頭部11が挿入されるときに吸盤10の頭部11の貫通孔15の両側の位置に対応して設けられている。即ち、一対の枢支孔21,21の間に吸盤10の頭部11が位置し、吸盤10の頭部11の貫通孔15と一対の枢支孔21,21が一連の貫通孔となり、ここに固定用ピン30が挿通される。なお、図示例では、一対の枢支孔21,21はアーチ状の孔で構成されている。さらに、頭部差込部20には、オフセット孔22が設けられている。オフセット孔22は、吸盤10の頭部11の貫通孔15に対してオフセットされて設けられるものである。図示例では、オフセット孔22は、一対の枢支孔21,21の外側に位置している。なお、一対の枢支孔とオフセット孔との関係については後述する。
そして、固定用ピン30は、吸盤10を固定するためのものである。固定用ピン30は、一対の枢支孔21,21に枢支されている。また、固定用ピン30は、頭部差込部20のオフセット孔22から吸盤10の頭部11の貫通孔15の軸に対して斜め方向に挿入される。そして、固定用ピン30が貫通孔15を貫通し、頭部差込部20内に収容された後、固定用ピン30の軸が貫通孔15の軸側に移動する。即ち、オフセット孔22が吸盤10の頭部11の貫通孔15に対してオフセットされて設けられているため、固定用ピン30は斜め方向に挿入しなければ貫通孔15に挿入されない。そして、斜め方向に挿入された固定用ピン30は、貫通孔15が吸盤10の頭部11に設けられているため、貫通孔15が変形することで、挿入可能となる。ここで、固定用ピン30の軸とは、固定用ピン30の長手方向の軸(円柱軸)を意味する。また、貫通孔15の軸とは、貫通孔の長手方向の軸(貫通孔の中心軸)を意味する。また、固定用ピン30は、貫通孔15への挿入やオフセット孔22、枢支孔21への貫通を容易とするために、貫通孔15に挿入される側の先端が面取りされていることが好ましい。
図4を用いて、一対の枢支孔とオフセット孔との関係を説明する。図4は、本発明の車載アンテナ用支持具構造の頭部差込部に設けられる一対の枢支孔とオフセット孔との関係を説明するための概略斜視図である。図中、図1乃至図3と同一の符号を付した部分は同一物を表している。図示例では、車載アンテナ用支持具構造のうち、一対の枢支孔21,21とオフセット孔22の部分のみを抽出して示している。なお、説明の都合上、図中左側の枢支孔21を破線で示した。図示の通り、オフセット孔22は、アーチ状の孔である。また、枢支孔21についても、アーチ状の孔である。そして、図示の通り、枢支孔21は、オフセット孔22とは反対方向のアーチ状の孔とすることが好ましい。なお、アーチ状の孔は、図示のようなアーチ状の切り欠きであっても良い。アーチ状の切り欠きとすることで、頭部差込部を金型成形することが容易となる。即ち、2つの金型を用いて、一方の金型でオフセット孔22を成形すると共に、他方の金型で枢支孔21を成形することが可能となる。したがって、コストを抑えることが可能となる。
このような位置関係で設けられた一対の枢支孔21,21とオフセット孔22に固定用ピン30を挿入しようとすると、まずオフセット孔22と枢支孔21がオフセットされているため、斜め方向に固定用ピン30を挿入することになる。オフセット孔22及び枢支孔21がアーチ状の孔であれば、それぞれのアーチ内で固定用ピン30が移動可能であるため、これが「遊び」となって固定用ピン30の挿入を容易とすることが可能である。そして、枢支孔21を貫通した固定用ピン30は、貫通孔15を通りながら貫通孔15の軸に近づいていく。固定用ピン30がオフセット孔22を完全に貫通すると、貫通孔15の弾性力により固定用ピン30の末端がオフセット孔22の内側に入り込み、固定用ピン30の軸が貫通孔15の軸側に移動する。即ち、図2及び図4を用いて説明すると、斜め方向に挿入された固定用ピン30は吸盤10の頭部11の貫通孔15を変形させながら進み、オフセット孔22を貫通した固定用ピン30は、左側(オフセット孔22側)の枢支孔21を支点に、固定用ピン30の先端側が下側に移動し、末端側が上側に移動して挿入が完了する。これにより、固定用ピン30がロックされ、頭部差込部20から固定用ピン30が抜けなくなる。なお、図2に示されるように、オフセット孔22側の枢支孔21は、斜め方向に挿入される固定用ピン30の挿入を容易とするために、オフセット孔22側の面が面取りされても良い。
本発明の車載アンテナ用支持具構造では、このような構成により、固定用ピン30により吸盤10が頭部差込部20に確実に固定されるため、回転やずれが起こることなく、安定的に車載アンテナを固定することが可能となる。また、吸盤を回転したりスライドしたりする必要が無いため、吸盤の固定に必要な領域を小さくすることが可能である。したがって、装置の小型化が可能である。
また、固定された吸盤10を頭部差込部20から取り外すことが可能なように、図示例では固定用ピン押出用孔25が頭部差込部20に設けられている。なお、吸盤を取り外す必要が無い場合には、固定用ピン押出用孔は設ける必要はない。固定用ピン押出用孔25は、オフセット孔22に対向する位置の、挿入される固定用ピン30が当接する位置に設けられている。固定用ピン押出用孔25の大きさを、固定用ピン30の長手方向に垂直な断面よりも小さくすることで、固定用ピン30の先端側から抜け落ちることを防止できる。
固定用ピン30を取り外すときには、固定用ピン30を挿入の際とは逆方向に動かせば良い。このため、固定用ピン押出用孔25から治具等(図示せず)を用いて固定用ピン30を押し出す。例えば図4上で説明すると、固定用ピン押出用孔25からピン状の治具にてな斜め上方向に固定用ピン30を押し出すと、左側(オフセット孔22側)の枢支孔21を支点に、固定用ピン30の先端側が上側に移動し、末端側が下側に移動する。これにより、固定用ピン30の末端側のロックが解除され、オフセット孔22から固定用ピン30を引き抜くことが可能となる。
さらに、本発明の車載アンテナ用支持具構造は、頭部差込部内に隠しねじ用ねじ孔を設けても良い。図3に破線で示されるように、頭部差込部20に設けられた、吸盤10の頭部11の形状に合わせた孔29内に、隠しねじ用ねじ孔26が設けられている。隠しねじ用ねじ孔26には、アンテナカバー固定用ねじ60がねじ込まれる。アンテナカバー固定用ねじ60は、アンテナベース40にアンテナカバー50を固定するためのものである。なお、アンテナベース40及びアンテナカバー50には、固定爪45が設けられることが好ましい。アンテナカバー50は、固定爪45とアンテナカバー固定用ねじ60の2点で、確実にアンテナベース40に固定されることになる。
このように頭部差込部内にねじ孔を設けたことで、ユーザによる分解が難しくなる。即ち、本発明の車載アンテナ用支持具構造は、固定用ピンが頭部差込部内に一端固定されると、治具無しでは容易に吸盤を取り外すことができなくなる。したがって、アンテナカバー固定用ねじを頭部差込部内で締め付けるように構成することで、アンテナカバー固定用ねじへのアクセスを難しくすることが可能となる。
一方、車載アンテナのメンテナンス等で分解が必要な場合には、治具により容易に固定用ピンを引き抜き、吸盤を取り外すことが可能であるため、容易にアンテナカバー固定用ねじへアクセスすることが可能となる。
また、図1や図3に示されるように、頭部差込部20の側面には、張出部70が設けられている。張出部70は、頭部差込部20と面一となるように設けられており、アンテナベース40が揺れたときに張出部70により突っ張るように構成されている。これによりアンテナベース40が大きく揺れることを防止することが可能である。
以上、説明したように、本発明の車載アンテナ用支持具構造によれば、吸盤を固定する領域を小型化でき且つ安定的に車載アンテナをフロントガラス等に固定することが可能となる。さらに、アンテナカバー固定用ねじを頭部差込部内に収容することで、ユーザによる分解を困難とする一方、必要により簡単に吸盤を取り外すことが可能であることからメンテナンス性は良い車載アンテナ用支持具構造が実現可能となる。
なお、本発明の車載アンテナ用支持具構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
10 吸盤
11 頭部
12 吸着部
15 貫通孔
20 頭部差込部
21 枢支孔
22 オフセット孔
25 固定用ピン押出用孔
26 隠しねじ用ねじ孔
29 吸盤頭部が嵌合する孔
30 固定用ピン
40 アンテナベース
45 固定爪
50 アンテナカバー
55 アンテナ
56 ケーブル
60 アンテナカバー固定用ねじ
70 張出部

Claims (5)

  1. 車載アンテナを支持する車載アンテナ用支持具構造であって、該車載アンテナ用支持具構造は、
    貫通孔を有する頭部と、吸着部と、からなる吸盤と、
    前記吸盤の頭部が差込可能に構成される頭部差込部であって、吸盤の頭部が挿入されるときに吸盤の頭部の貫通孔の両側の位置に対応して設けられる一対の枢支孔と、吸盤の頭部の貫通孔に対してオフセットされて設けられるオフセット孔とを有する、吸盤の頭部差込部と、
    前記一対の枢支孔に枢支され、吸盤を固定するための固定用ピンであって、該固定用ピンは、頭部差込部のオフセット孔から吸盤の頭部の貫通孔の軸に対して斜め方向に挿入され、吸盤の頭部の貫通孔を貫通し、頭部差込部内に収容された後、固定用ピンの軸が吸盤の頭部の貫通孔の軸側に移動する、固定用ピンと、
    を具備することを特徴とする車載アンテナ用支持具構造。
  2. 請求項1に記載の車載アンテナ用支持具構造において、前記頭部差込部のオフセット孔はアーチ状の孔であり、前記頭部差込部の枢支孔はオフセット孔とは反対方向のアーチ状の孔であることを特徴とする車載アンテナ用支持具構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車載アンテナ用支持具構造において、前記頭部差込部は、さらに、オフセット孔に対向する位置であって、挿入される固定用ピンが当接する位置に、固定用ピンの長手方向に垂直な断面よりも小さい、固定用ピン押出用孔を有することを特徴とする車載アンテナ用支持具構造。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車載アンテナ用支持具構造において、前記頭部差込部は、さらに、吸盤の頭部が差し込まれる位置に隠しねじ用ねじ孔を有することを特徴とする車載アンテナ用支持具構造。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車載アンテナ用支持具構造において、前記固定用ピンは、吸盤の頭部の貫通孔に挿入される側の先端が面取りされることを特徴とする車載アンテナ用支持具構造。
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