JP2011111040A - 車両用転舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転舵軸の左右のストロークが規制され、ステアリングシャフトから転舵軸に至る機能部品に過荷重が作用した場合に、かかる状況を運転者に知らせること
【解決手段】転舵機構SM1に、ラックバー60の軸方向に摺動可能な摺動リング部材80を有するストローク可変機構SV1を設ける。摺動リング部材80は、ラックエンド61に対する摺動を許容可能に組付けられる。ストローク可変機構SV1は、ラックバー60(摺動リング部材80)に所定値未満の軸方向荷重が作用するとき摺動リング部材80の摺動を規制してラックバー60の左右の最大ストローク量を初期値(S2)に維持する。一方、ストローク可変機構SV1は、ラックバー60(摺動リング部材80)に所定値以上の軸方向荷重が作用するとき摺動リング部材80の摺動を許容してラックバー60の左右の少なくとも一方の最大ストローク量を初期値(S2)から変更(S1+S2に増加)させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用転舵装置に関し、特に、回動操舵可能なステアリングホイールを一体回転可能に支持するステアリングシャフトと、このステアリングシャフトと車輪を接続して車輪を転舵させる転舵機構とを備え、転舵機構がステアリングシャフトの回転に応じて左右にストローク可能な転舵軸と、この転舵軸をストローク可能に支持する支持部材とを備えた車両用転舵装置に関する。
この種の車両用転舵装置においては、転舵軸が両端に接続部材を有し、支持部材が各接続部材と係合可能な規制部を有している。そして、この種の車両用転舵装置では、接続部材と規制部との係合により、転舵軸の左右のストロークが規制され、ステアリングホイールの初期位置に対する転舵軸の左右の最大ストローク量が規定されていて、例えば、下記特許文献1に記載されている。
下記特許文献1に記載されている車両用転舵装置においては、接続部材に規制部(ラックハウジングの端面)と当接可能な緩衝部材(弾性部材)が組付けられている。このため、下記特許文献1に記載されている車両用転舵装置では、転舵軸が左右のストロークを規制されるとき、緩衝部材により転舵軸に作用する衝撃荷重を緩和することが可能である。
特開2003−312491号公報
ところで、上記特許文献1に記載されている車両用転舵装置においては、例えば、ステアリングホイールから手を放した状態で車輪が縁石等に衝突し、転舵軸が速い速度で軸方向移動してストロークを規制されると、ステアリングホイールとステアリングシャフトとを含む操舵系から大きな(回転)慣性力が、転舵軸に伝達される。このとき、仮に転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合には、ステアリングシャフトから転舵軸に至る機能部品に保守・点検を必要とするような過荷重(悪影響)が作用したおそれがある(作用したことが想定される)。この場合に、上記特許文献1に記載されている車両用転舵装置では、かかる状況(転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用した状況)を運転者に的確に知らせるような構成となっていない。
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、回動操舵可能なステアリングホイールを一体回転可能に支持するステアリングシャフトと、このステアリングシャフトと車輪を接続して前記車輪を転舵させる転舵機構とを備え、前記転舵機構は、両端に接続部材を有し前記ステアリングシャフトの回転に応じて左右にストローク可能な転舵軸と、前記接続部材と係合可能な規制部を有し前記転舵軸をストローク可能に支持する支持部材とを備え、前記接続部材と前記規制部との係合により、前記転舵軸の左右のストロークが規制され前記ステアリングホイールの初期位置に対する前記転舵軸の左右の最大ストローク量が規定される車両用転舵装置において、前記転舵機構に、前記転舵軸の軸方向に摺動可能な摺動部材を有し、前記転舵軸に所定値未満の軸方向荷重が作用するとき前記摺動部材の摺動を規制して前記転舵軸の左右の前記最大ストローク量を初期値に維持し、前記転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用するとき前記摺動部材の摺動を許容して前記転舵軸の左右の少なくとも一方の前記最大ストローク量を初期値から変更させるストローク可変機構を設けたことに特徴がある。
本発明における車両用転舵装置(請求項1に係る発明)においては、転舵軸の両端に設けた接続部材と支持部材の規制部との係合により、転舵軸の左右のストロークが規制され、ステアリングホイールの初期位置に対する転舵軸の左右の最大ストローク量(以下、転舵軸の最大ストローク量と省略する)が規定される。
ところで、転舵軸が左右のストロークを規制されるときにおいて、転舵軸に所定値未満の軸方向荷重が作用する場合には、ストローク可変機構が、摺動部材の摺動を規制して転舵軸の左右の最大ストローク量を初期値に維持する。このため、この場合には、運転者がその後に違和感を感じることなくステアリングホイールを回動操舵する。
一方、転舵軸が左右のストロークを規制されるときにおいて、例えば、ステアリングホイールから手を放した状態で車輪が縁石等に衝突し、転舵軸が速い速度で軸方向移動してストロークを規制されると、ステアリングホイールとステアリングシャフトとを含む操舵系から大きな(回転)慣性力が、転舵軸に伝達される。このとき、仮に転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合には、ストローク可変機構が、摺動部材の摺動を許容して転舵軸の左右の少なくとも一方の最大ストローク量を初期値から変更させる。
このため、この場合(転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合)には、ステアリングホイールの初期位置に対する左右の少なくとも一方の最大回動操舵角が、初期値から変更される。したがって、この最大回動操舵角の変更により、転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用したこと(ステアリングシャフトから転舵軸に至る機能部品に保守・点検を必要とするような過荷重(悪影響)が作用したこと)を運転者に知らせることができ、運転者にディーラーでの保守・点検の必要性を促すことが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記摺動部材は、前記接続部材と前記規制部の間に配置されて前記接続部材または前記規制部に対する摺動を許容可能に組付けられたリング部材であって、前記接続部材または前記規制部に、前記リング部材から前記転舵軸の軸方向に所定量離間して配置されていて摺動を許容された前記リング部材の摺動量を所定量に規定するストッパ手段を設けることも可能である。
この場合には(請求項2に係る発明では)、転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用したとき、リング部材が接続部材または規制部に対して摺動し、転舵軸がストロークする。これにより、転舵軸の左右一方の最大ストローク量が増加するとともに、ステアリングホイールの初期位置に対する左右一方の最大回動操舵角が増加する。したがって、このときには、ステアリングホイールのロックツーロック(ステアリングホイールの左右の最大回動操舵角の和)が初期設定値から増加することにより、運転者にディーラーでの保守・点検の必要性を促すことが可能である。
また、この場合には、転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用したとき、摺動を許容されたリング部材(摺動部材)の摺動量が、ストッパ手段により所定量に規定される。このため、このときには、転舵軸の最大ストローク量の増加量(変更量)を所定量に規定することができ、車輪が必要以上に転舵されることを防止することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記ステアリングホイールの初期位置に対する左右の回動操舵角を検出する検出手段と、この検出手段により検出された前記回動操舵角に基づいて、前記ステアリングホイールの初期位置に対する左右一方の最大回動操舵角が初期値から増加したか否かを判定する判定手段と、この判定手段により前記ステアリングホイールの左右一方の前記最大回動操舵角が初期値から増加したと判定されたとき、前記最大回動操舵角が初期値から増加したことを運転者に報知する報知手段を設けることも可能である。
この場合には(請求項3に係る発明では)、報知手段がステアリングホイールの左右一方の最大回動操舵角が初期値から増加したことを運転者に報知するため、転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用したことを運転者に的確に知らせることが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記転舵軸は、前記接続部材を両端に一体的に有する軸部材と、この軸部材と同軸的に延在する筒状に形成されて前記軸部材の中間部外周に対する摺動を許容可能に組付けられた前記摺動部材とを備え、前記摺動部材は、一側に前記ステアリングシャフトの回転により前記転舵軸の軸方向に駆動されるラックを有し、前記軸部材に、前記摺動部材の両端から前記転舵軸の軸方向に所定量離間して配置されていて摺動を許容された前記摺動部材の摺動を規制するストッパ手段を設けることも可能である。
この場合には(請求項4に係る発明では)、転舵軸が左右のストロークを規制されたときにおいて、転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用したとき、摺動部材が軸部材に対して転舵軸の軸方向に摺動する。このとき、軸部材がストロークしないにも拘わらず、ステアリングシャフトが摺動部材の摺動に伴って回転する。したがって、このときには、ステアリングホイールのニュートラル位置(車輪が転舵されていないときのステアリングホイールの位置)がステアリングホイールの初期位置からずれて(言い換えると、転舵軸の左右一方の最大ストローク量が初期値から増加するとともに、転舵軸の左右他方の最大ストローク量が初期値から減少し)、運転者にディーラーでの保守・点検の必要性を容易に促すことが可能である。
また、この場合には、摺動を許容された摺動部材の摺動が、ストッパ手段により規制される。このため、ステアリングホイールのニュートラル位置がステアリングホイールの初期位置からずれた後でも、摺動部材と軸部材が、ストッパ手段により転舵軸の軸方向に一体的に移動することができ、ステアリングホイールの回動操舵を維持することが可能である。
また、本発明の実施に際して、前記摺動部材は前記軸部材の中間部外周に圧入嵌合されていて、前記ストローク可変機構は、前記摺動部材の両端に配置されて前記軸部材に組付けられていて所定値未満の軸方向荷重が作用されるとき前記摺動部材の摺動を規制し前記所定値以上の軸方向荷重が作用されるとき前記摺動部材の摺動を許容する左右一対の環状部材を備えていることも可能である。
この場合には(請求項5に係る発明では)、摺動部材の摺動が許容されたとき、軸部材に圧入嵌合された摺動部材が摺動し、摺動部材に作用する衝撃荷重が吸収される。このため、摺動部材の摺動がストッパ手段により規制されるときの衝撃を緩和することができ、摺動部材およびストッパ手段の損傷を抑制することが可能である。また、この場合には、環状部材の形状、大きさ等を適宜変更することにより、摺動部材の摺動が許容されるときの軸方向荷重の値を容易に調整することが可能である。
なお、本発明の実施に際して、前記ステアリングシャフトに回転駆動力を伝達可能な電動モータを設けることも可能である。この場合には、転舵軸が左右のストロークを規制されるとき、電動モータの(回転)慣性力が、転舵軸に伝達される。このため、このときには、電動モータの慣性力により転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用し易くなり、本発明における作用効果が顕著に得られる。
本発明における車両用転舵装置の第1実施形態を示した全体構成図である。 図1に示したラックバーが初期位置にあるときの転舵機構の左方部の縦断断面図である。 図2に示した摺動リング部材が段部と当接したときの作動説明図である。 図3に示したラックエンドが摺動リング部材に対して所定量摺動したときの作動説明図である。 第1実施形態の変形実施形態(摺動リング部材が段部に圧入嵌合されている場合)において、図2相当の断面図である。 図5に示したラックエンドが摺動リング部材と当接したときの作動説明図である。 図6に示した摺動リング部材が段部に対して所定量摺動したときの作動説明図である。 本発明における車両用転舵装置の第2実施形態を示した全体構成図である。 図8に示した転舵軸が初期位置にあるときの転舵機構の中間部および左方部の縦断断面図である。 図9に示したラックエンドがストッパ部材と当接したときの作動説明図である。 図10に示した筒状部材が軸部材に対して所定量摺動したときの作動説明図である。
以下に、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は、本発明による車両用転舵装置の第1実施形態を示している。この車両用転舵装置は、図1に示したように、回動操舵可能なステアリングホイールSW1を一体回転可能に支持するステアリングシャフトSS1と、ステアリングホイールSW1の回動操舵に対して所定の補助力を付与するEPS(電動パワーステアリング)アクチュエータAC1と、このステアリングシャフトSS1と左右前輪(図示省略)を接続して左右前輪を転舵させる転舵機構SM1と、転舵機構SM1に設けられたストローク可変機構SV1とを備えている。
ステアリングシャフトSS1は、ステアリングホイールSW1を支持するステアリングメインシャフト10と、このステアリングメインシャフト10にアッパーユニバーサルジョイントUJ1を介して連結されているインターミディエイトシャフト20と、このインターミディエイトシャフト20にロアユニバーサルジョイントLJ1を介して連結されているエクステンションシャフト30と、このエクステンションシャフト30に連結具CM1を介して連結されているピニオンシャフト40とを備えている。ステアリングメインシャフト10、インターミディエイトシャフト20、エクステンションシャフト30およびピニオンシャフト40(本発明におけるステアリングシャフト)は、一体回転可能である。
EPSアクチュエータAC1は、図1に示したように、コラムアシスト形式の電動パワーステアリングアクチュエータであり、電動モータ50と、EPSコンピュータ51とを備えている。電動モータ50は、ステアリングメインシャフト10に回転駆動力を伝達するためのものであり、EPSコンピュータ51から出力されるアシスト電流に応じて、回転駆動可能である。この電動モータ50の出力軸は、減速機(図示省略)を介してステアリングメインシャフト10のアウトプットシャフト(図示省略)に連結されている。EPSコンピュータ51は、モータ回転角センサ、操舵トルクセンサおよび車速センサから出力される信号に基づいてアシスト電流を演算し、このアシスト電流を電動モータ50に出力する。
転舵機構SM1は、図1に示したように、ステアリングシャフトSS1の回転に応じて左右にストローク可能な転舵軸としてのラックバー60と、このラックバー60をストローク可能に支持する支持部材としてのハウジング70と、ラックバー60の両端にボールジョイントBJ1(図2参照)を介して連結されている左右一対のタイロッド71L,71Rとを備えている。なお、各タイロッド71L,71Rは、ナックル(図示省略)等を介して左右前輪に連結されている。
ラックバー60は、一側にピニオンシャフト40に形成されたピニオン(図示省略)に噛合するラック(図示省略)を有していて、ピニオンシャフト40の回転に応じて左右(軸方向)にストロークする。このラックバー60の両端には、接続部材としての左右一対のラックエンド61が接続されている。ここで、左方のラックエンド61と右方のラックエンド61は実質的に同一であるため、左方のラックエンド61を代表して説明する。
左方のラックエンド61(以下、ラックエンド61と省略する)は、図2に示したように、略ドーム状に形成された本体部61aと、ラックバー60の両端に螺合しているネジ部61bを有している。本体部61aは、円盤状の底部分61a1と円筒状の周壁部分61a2を有している。また、本体部61aは、頂上部分にタイロッド71Lの球状頭部71Laを挿通するための挿通孔61a3を有している。底部分61a1および周壁部分61a2の径は、ラックバー60の径より、大きくなっている。なお、ボールジョイントBJ1は、ラックエンド61の本体部61aとタイロッド71Lの球状頭部71Laとボールシート72等により構成されている。
ハウジング70は、図1に示したように、筒状に形成されていて、ラックバー60と同軸的に延在している。また、ハウジング70は、両端部の内周にラックバー60のストロークを規制する規制部としての段部70a(図2参照)を有している。左方の段部70aと右方の段部70aは実質的に同一であるため、左方の段部70aを代表して説明する。左方の段部70a(以下、段部70aと省略する)は、ラックバー60の右方のストロークを規制するためのものであり、ラックエンド61と係合可能である。
ストローク可変機構SV1は、左右のラックエンド61の外周にそれぞれ設けられている。左方のストローク可変機構SV1と右方のストローク可変機構SV1は実質的に同一であるため、左方のストローク可変機構SV1を代表して説明する。左方のストローク可変機構SV1(以下、ストローク可変機構SV1と省略する)は、図2に示したように、ラックエンド61の外周に対してラックバー60の軸方向(以下、軸方向と省略する)に摺動可能に組付けられている摺動リング部材80(摺動部材)と、ラックエンド61の周壁部分61a2の外周に固定されている固定リング部材81とを有している。
摺動リング部材80は、図2に示したように、円筒状に形成されていて、ラックエンド61の底部分61a1の外周に圧入嵌合されている。この摺動リング部材80は、ハウジング70の段部70aと当接可能である。摺動リング部材80とハウジング70の段部70aとの当接(ラックエンド61と段部70aとの係合)により(図3参照)、ラックバー60の右方のストロークが規制され、ラックバー60の右方の最大ストローク量が規定される。この摺動リング部材80は、所定値未満の軸方向荷重が作用されるときラックエンド61に対する摺動が規制され、所定値以上の軸方向荷重が作用されるときラックエンド61に対する摺動を許容される。
固定リング部材81(ストッパ手段)は、図2に示したように、環状に形成されていて、摺動リング部材80から軸方向に所定量S1(5mm)離間して配置されている。この固定リング部材81は、ラックエンド61の周壁部分61a2に対して移動不能に固定されている。これにより、固定リング部材81は、摺動リング部材80のラックエンド61に対する摺動を規制することができ(図4参照)、摺動リング部材80の摺動量を所定量S1(5mm)に規定している。なお、所定量S1(5mm)は、図2および図3において、誇張して示されている。
この図2では、ステアリングホイールSW1が初期位置(ステアリングホイールSW1が回動操舵されていない位置)にある状態、および、ラックバー60が初期位置(左右前輪が転舵されていないときのラックバー60の位置)にある状態が示されている。そして、摺動リング部材80とハウジング70の段部70aの間の軸方向における距離は、S2(75mm)に設定されている。このため、ステアリングホイールSW1の初期位置に対するラックバー60の左右の各最大ストローク量(以下、ラックバー60の最大ストローク量と省略する)は、S2(75mm)に設定されている。
また、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左右の各最大回動操舵角は、540度に設定されている。このため、上述したラックバー60の最大ストローク量とステアリングホイールSW1の最大回動操舵角の関係により、ラックバー60が5mmストロークすると、ステアリングホイールSW1が36度回動操舵される(ステアリングホイールSW1が36度回動操舵されると、ラックバー60が5mmストロークする)。
ところで、この第1実施形態における車両用転舵装置は、図1に示したように、操舵角センサ90と、電子制御装置91と、警報装置92とを備えている。操舵角センサ90は、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左右の回動操舵角を検出するためのものであり、検出した回動操舵角を表す信号を電子制御装置91に出力する。この操舵角センサ90は、ステアリングメインシャフト10の上端部に設けられている。
電子制御装置91は、操舵角センサ90から出力された回動操舵角を表す信号に基づいて、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左右いづれか一方の最大回動操舵角が540度(初期値)より大きい(増加した)か否かを判定する。具体的には、電子制御装置91は、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左右いづれか一方の最大回動操舵角が540度より大きい場合に、警報装置92に通電する。一方、電子制御装置91は、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左右いづれか一方の最大回動操舵角が540度以下である場合に、警報装置92に通電しない。
警報装置92は、車室内のコンビネーションメーター(図示省略)に設けられていて、電子制御装置91により通電されるとウォーニングランプを点灯する。なお、操舵角センサ90が本発明における検出手段であり、電子制御装置91が本発明における判定手段であり、警報装置92が本発明における報知手段である。
上記のように構成した第1実施形態において、ラックバー60の左右のストロークは、左右のラックエンド61に組付けられた各摺動リング部材80が、ハウジング70の左右の段部70aに当接することにより、規制される。なお、左方の摺動リング部材80が左方の段部70aに当接したときの作動および作用効果と、右方の摺動リング部材80が右方の段部70aに当接したときの作動および作用効果は実質的に同一であるため、左方の摺動リング部材80が左方の段部70aに当接したときの作動および作用効果について説明する。
摺動リング部材80(左方の摺動リング部材80)が段部70a(左方の段部70a)に当接したときにおいて、摺動リング部材80に所定値未満の軸方向荷重が作用する場合(ラックバー60に所定値未満の軸方向荷重が作用する場合)には、図3に示したように、摺動リング部材80のラックエンド61に対する摺動が規制される。このため、ラックバー60の右方の最大ストローク量が初期値(75mm)に維持され、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左方の最大回動操舵角が初期値(540度)に維持される。したがって、この場合には、運転者がその後に違和感を感じることなくステアリングホイールSW1を回動操舵する。なお、摺動リング部材80に作用する軸方向荷重には、左右前輪から摺動リング部材80に伝達される外力も含まれる。
一方、摺動リング部材80が段部70aに当接したときにおいて、例えば、ステアリングホイールSW1から手を放した状態で左右前輪が縁石等に衝突し、ラックバー60が速い速度で軸方向移動して右方のストロークを規制されると、ステアリングホイールSW1の大きな慣性力および電動モータ50の大きな慣性力が、ステアリングホイールSW1とステアリングシャフトSS1を含む操舵系からラックバー60(摺動リング部材80)に伝達される。このとき、仮に摺動リング部材80に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合(ラックバー60に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合)には、図4に示したように、摺動リング部材80のラックエンド61に対する摺動が許容される。
このため、この場合(ラックバー60に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合)には、ラックバー60の右方の最大ストローク量が初期値(75mm)から増加(80mmへ増加)し、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左方の最大回動操舵角が初期値(540度)から増加(576度へ増加)する。したがって、ステアリングホイールSW1のロックツーロック(ステアリングホイールSW1の左右の最大回動操舵角の和)が増加(初期値の1080度から1116度に増加)することにより、ラックバー60に所定値以上の軸方向荷重が作用したこと(ステアリングシャフトSS1からラックバー60に至る機能部品に過荷重が作用したこと)を運転者に知らせることができ、運転者にディーラーでの保守・点検の必要性を促すことが可能である。
また、この第1実施形態においては、図4に示したように、摺動を許容された摺動リング部材80の摺動量が、固定リング部材81により所定量S1(5mm)に規定される。このため、このときには、ラックバー60の右方の最大ストローク量の増加量を所定量S1(5mm)に規定することができ、左右前輪が必要以上に転舵されることを防止することが可能である。
また、この第1実施形態においては、操舵角センサ90、電子制御装置91および警報装置92が設けられている。このため、上述したように、ステアリングホイールSW1の初期位置に対する左方の最大回動操舵角が初期値(540度)から増加(576度へ増加)したとき、電子制御装置91が警報装置92に通電し、警報装置92がウォーニングランプを点灯する。したがって、このときには、ラックバー60に所定値以上の軸方向荷重が作用したことを運転者に的確に知らせることが可能である。
また、この第1実施形態においては、摺動リング部材80がラックエンド61の底部分61a1の外周に圧入嵌合されているため、摺動リング部材80のラックエンド61に対する摺動により、摺動リング部材80に作用する衝撃荷重が吸収される。このため、摺動リング部材80と固定リング部材81が当接するときの衝撃を緩和することができ、摺動リング部材80と固定リング部材81の損傷を抑制することが可能である。
上記のように構成した第1実施形態においては、ストローク可変機構SV1の摺動リング部材80をラックエンド61に対して所定量摺動可能に組付けて実施したが、図5〜図7に示した第1実施形態の変形実施形態のように、ストローク可変機構SV2の摺動リング部材180をハウジング170の段部170aに対して所定量摺動可能に組付けて実施することも可能である。
摺動リング部材180は、図5に示したように、段部170aの内孔170a1に圧入嵌合されていて、ラックエンド61の底部分61a1と当接可能である(図6参照)。この摺動リング部材180に所定値未満の軸方向荷重が作用されるとき、摺動リング部材180の内孔170a1に対する摺動が規制される。一方、摺動リング部材180に所定値以上の軸方向荷重が作用されるとき、摺動リング部材180の内孔170a1に対する摺動が許容される。摺動リング部材180の内孔170a1に対する摺動は、段部170aの縦壁170a2(ストッパ手段)により、規制される(図7参照)。なお、ラックエンド61の底部分61a1および周壁部分61a2の径は、段部170aの内孔170a1の径より、僅かに小さくなっている。
摺動リング部材180と段部170aの縦壁170a2の間の軸方向における距離は、図5に示したように、S1(5mm)に設定されている。また、ラックエンド61と摺動リング部材180の間の軸方向における距離は、S2(75mm)に設定されている。上記した変形実施形態の構成以外の構成は、上記した第1実施形態の構成と実質的に同一であるため、対応する部位に同一符合を付して、その説明を省略する。
上記のように構成した第1実施形態の変形実施形態においては、ラックバー60の右方のストロークは、図6に示したように、ラックエンド61が摺動リング部材180に当接することにより、規制される。このとき、摺動リング部材180に所定値以上の軸方向荷重が作用すると、図7に示したように、摺動リング部材180が内孔170a1に対して所定量S1(5mm)摺動する。このため、この変形実施形態においても、ラックバー60の中立位置に対する右方の最大ストローク量が初期値(75mm)から増加(80mmへ増加)して、上記した第1実施形態と実質的に同一の作用効果を得ることが可能である。
図8〜図11は、本発明による車両用転舵装置の第2実施形態を示している。この車両用転舵装置は、図8に示したように、回動操舵可能なステアリングホイールSW2を一体回転可能に支持するステアリングシャフトSS2と、このステアリングシャフトSS2と左右前輪(図示省略)を接続して左右前輪を転舵させる転舵機構SM2と、ステアリングホイールSW2の回動操舵に対して所定の補助力を付与するEPS(電動パワーステアリング)アクチュエータAC2と、転舵機構SM2に設けられたストローク可変機構SV3とを備えている。
ステアリングシャフトSS2は、ステアリングホイールSW2を支持するステアリングメインシャフト210と、このステアリングメインシャフト210にアッパーユニバーサルジョイントUJ2を介して連結されているインターミディエイトシャフト220と、このインターミディエイトシャフト220にロアユニバーサルジョイントLJ2を介して連結されているエクステンションシャフト230と、このエクステンションシャフト230に連結具CM2を介して連結されているピニオンシャフト240とを備えている。ステアリングメインシャフト210、インターミディエイトシャフト220、エクステンションシャフト230およびピニオンシャフト240(本発明におけるステアリングシャフト)は、一体回転可能である。
EPSアクチュエータAC2は、図1に示したように、コラムアシスト形式の電動パワーステアリングアクチュエータであり、電動モータ250と、EPSコンピュータ251とを備えている。電動モータ250は、ステアリングメインシャフト210に回転駆動力を伝達するためのものであり、EPSコンピュータ251から出力されるアシスト電流に応じて、回転駆動可能である。この電動モータ250の出力軸は、減速機(図示省略)を介してステアリングメインシャフト210のアウトプットシャフト(図示省略)に連結されている。EPSコンピュータ251は、モータ回転角センサ、操舵トルクセンサおよび車速センサから出力される信号に基づいてアシスト電流を演算し、このアシスト電流を電動モータ250に出力する。
転舵機構SM2は、図8に示したように、ステアリングシャフトSS2の回転に応じて左右にストローク可能な転舵軸(ラックバー)260と、この転舵軸260をストローク可能に支持する支持部材としてのハウジング270と、転舵軸260の両端にボールジョイントBJ2(図9参照)を介して連結されている左右一対のタイロッド271L,271Rとを備えている。なお、各タイロッド271L,271Rは、ナックル(図示省略)等を介して左右前輪に連結されている。
転舵軸260は、図9に示したように、ラックエンド261(接続部材)を両端に一体的に有する軸部材260aと、この軸部材260aの中間部外周に対する摺動を許容可能に組付けられた筒状部材260b(摺動部材)とを備えている。この軸部材260aには、第1Cリング281(環状部材)を組付けるための左右一対の第1環状溝260a1と、第2Cリング282(ストッパ手段)を組付けるための左右一対の第2環状溝260a2が形成されている。
筒状部材260bは、軸部材260aと同軸的に延在する筒状に形成され、軸部材260aの中間部外周に圧入嵌合されている。また、筒状部材260bは、一側にピニオンシャフト240に形成されたピニオン240aと噛合するラック260b1を有している。ラック260b1は、ピニオンシャフト240の回転により転舵軸260の軸方向(以下、軸方向と省略する)に駆動される。
左方のラックエンド261と右方のラックエンド261は実質的に同一であるため、左方のラックエンド261を代表して説明する。左方のラックエンド261(以下、ラックエンド261と省略する)は、図9に示したように、有底筒状に形成された本体部261aと、転舵軸260の両端に螺合しているネジ部261bを備えている。本体部261aは、タイロッド271Lの球状頭部271Laを挿通するための挿通孔261a1を有している。なお、ボールジョイントBJ2は、ラックエンド261の本体部261aとタイロッド271Lの球状頭部271Laとボールシート272等により構成されている。
ハウジング270は、図8に示したように、筒状に形成されていて、転舵軸260と同軸的に延在している。また、ハウジング270は、両端部の内周に段部270aを(図9参照)有していて、各段部270aに、規制部としてのエンドストッパ273が固定されている。左方のエンドストッパ273と右方のエンドストッパ273は実質的に同一であるため、左方のエンドストッパ273を代表して説明する。左方のエンドストッパ273(以下、エンドストッパ273と省略する)は、転舵軸260の右方のストロークを規制するためのものであり、ラックエンド261と係合(当接)可能である。このエンドストッパ273は、円環状に形成されていて、転舵軸260に貫通されている。なお、エンドストッパ273は、ゴム等の弾性部材で構成されていてもよい。
ストローク可変機構SV3は、転舵軸260の中間部に設けられていて、上述した転舵軸260の筒状部材260bと、左右一対の第1Cリング281と、左右一対の第2Cリング282とを備えている。各第1Cリング281は、筒状部材260bの両端に配置されて、軸部材260aの第1環状溝260a1に縮径した状態(径が小さい状態)で組付けられている。各第1Cリング281は、所定値未満の軸方向荷重が作用されるとき、縮径した状態が維持され、筒状部材260bの軸部材260aに対する摺動を規制する(図10参照)。一方、各第1Cリング281は、所定値以上の荷重が作用されるとき、拡径し(径が大きくなり)、筒状部材260bの軸部材260aに対する摺動を許容する(図11参照)。
各第2Cリング282(ストッパ手段)は、各第1Cリング281から軸方向にS1(5mm)離間していて、軸部材260aの第2環状溝260a2に対して移動不能に固定されている。これにより、第2Cリング282は、筒状部材260bの軸部材260aに対する摺動を規制することができ(図11参照)、筒状部材260bの摺動量を所定量S1(5mm)に規定している。なお、所定量S1(5mm)は、図9および図10において、誇張して示されている。
図9では、ステアリングホイールSW2が初期位置(ステアリングホイールSW2が回動操舵されていない位置)にある状態、および、転舵軸260が初期位置(左右前輪が転舵されていないときの転舵軸260の位置)にある状態が示されている。そして、ラックエンド261とエンドストッパ273の間の軸方向における距離は、S2(75mm)に設定されている。このため、ステアリングホイールSW2の初期位置に対する転舵軸260の左右の各最大ストローク量(以下、転舵軸260の最大ストローク量と省略する)は、S2(75mm)に設定されている。
また、ステアリングホイールSW2の初期位置に対する左右の各最大回動操舵角は、540度に設定されている。このため、上述した転舵軸260の最大ストローク量とステアリングホイールSW2の最大回動操舵角の関係により、転舵軸260(軸部材260a)が5mmストロークすると、ステアリングホイールSW2が36度回動操舵される(ステアリングホイールSW2が36度回動操舵されると、転舵軸260が5mmストロークする)。
上記のように構成した第2実施形態においては、転舵軸260の左右のストロークは、左右のラックエンド261が、左右のエンドストッパ273に当接することにより、規制される。このとき、ステアリングホイールSW2の慣性力および電動モータ250の慣性力がステアリングホイールSW2とステアリングシャフトSS2を含む操舵系から筒状部材260bに伝達される。なお、左方のラックエンド261が左方のエンドストッパ273に当接したときの作動および作用効果と、右方のラックエンド261が右方のエンドストッパ273に当接したときの作動および作用効果は実質的に同一であるため、左方のラックエンド261が左方のエンドストッパ273に当接したときの作動および作用効果について説明する。
ラックエンド261(左方のラックエンド261)がエンドストッパ273(左方のエンドストッパ273)に当接したときにおいて、筒状部材260bから右方の第1Cリング281に所定値未満の軸方向荷重が作用する場合(転舵軸260に所定値未満の軸方向荷重が作用する場合)には、図10に示したように、右方の第1Cリング281により筒状部材260bの軸部材260aに対する摺動が規制される。このため、転舵軸260の右方の最大ストローク量が初期値(75mm)に維持され、ステアリングホイールSW2の初期位置に対する左方の最大回動操舵角が初期値(540度)に維持される。したがって、この場合には、運転者がその後に違和感を感じることなくステアリングホイールSW2を回動操舵する。
一方、ラックエンド261がエンドストッパ273に当接したときにおいて、例えば、ステアリングホイールSW2から手を放した状態で左右前輪が縁石等に衝突し、転舵軸260が速い速度で軸方向移動して右方のストロークを規制されると、ステアリングホイールSW2の大きな慣性力および電動モータ250の大きな慣性力が、ステアリングホイールSW2とステアリングシャフトSS2を含む操舵系から筒状部材260bに伝達される。このとき、仮に筒状部材260bから右方の第1リング部材281に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合(転舵軸260に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合)には、図11に示したように、筒状部材260bの軸部材260aに対する摺動が許容される。
このため、この場合(転舵軸260に所定値以上の軸方向荷重が作用する場合)には、筒状部材260bが軸部材260aに対して軸方向(右方)に5mm摺動する。これにより、軸部材260aがストロークしないにも拘わらず、ステアリングシャフトSS2が筒状部材260bの摺動に伴って回転し、ステアリングホイールSW2が36度左方に回動操舵される。したがって、このときには、ステアリングホイールSW2のニュートラル位置(左右前輪が転舵されていないときのステアリングホイールSW2の位置)がステアリングホイールSW2の初期位置から(左方に36度)ずれて(言い換えると、ステアリングホイールSW2の初期位置に対する転舵軸260の右方の最大ストローク量が初期値から増加(75mmから80mmに増加)するとともに、ステアリングホイールSW2の初期位置に対する転舵軸260の左方の最大ストローク量が初期値から減少(75mmから70mmに減少し)、運転者にディーラーでの保守・点検の必要性を容易に促すことが可能である。
また、この第2実施形態においては、図11に示したように、摺動を許容された筒状部材260bの摺動が、第2Cリング282(ストッパ手段)により規制される。このため、ステアリングホイールSW2のニュートラル位置がステアリングホイールSW2の初期位置からずれた後でも、筒状部材260bと軸部材260aが、軸方向に一体的に移動することができ、ステアリングホイールSW2の回動操舵を維持することが可能である。
また、この第2実施形態においては、筒状部材260bが軸部材260aに圧入嵌合されている。このため、筒状部材260bの摺動が許容されたとき、筒状部材260bの軸部材260aに対する摺動により、筒状部材260bに作用する衝撃荷重を吸収することができる。したがって、筒状部材260bの摺動が第2Cリング282により規制されるときの衝撃を緩和することができ、筒状部材260bおよび第2Cリング282の損傷を抑制することが可能である。また、この第2実施形態においては、各第1Cリング281の形状、大きさ等を適宜変更することにより、筒状部材260bの摺動が許容されるときの軸方向荷重の値を容易に調整することが可能である。
上記した第1実施形態においては、EPSアクチュエータAC1が、コラムアシスト形式の電動パワーステアリングアクチュエータであり、電動モータ50がステアリングメインシャフト10に回転駆動力を伝達するように構成して実施した。これに対して、EPSアクチュエータが、ラックアシスト形式の電動パワーステアリングアクチュエータであり、電動モータがラックバーに回転駆動力を伝達するように構成して実施することも可能である。
上記した第2実施形態においては、所定値以上の軸方向荷重が作用されるとき径が大きくなる第1Cリング281を用いて、筒状部材260bの摺動が許容されるように実施した。これに対して、所定値以上の軸方向荷重が作用されるときせん断(破断)されるせん断変形部材を用いて、筒状部材の摺動が許容されるように実施することも可能である。
また、上記した各実施形態においては、EPSアクチュエータAC1,AC2が、コラムアシスト形式の電動パワーステアリングアクチュエータであり、電動モータ50,250がステアリングメインシャフト10,210に回転駆動力を伝達するように構成して実施した。これに対して、EPSアクチュエータが、ピニオンアシスト形式の電動パワーステアリングアクチュエータであり、電動モータがピニオンシャフトに回転駆動力を伝達するように構成して実施することも可能である。
また、上記した各実施形態においては、車両用転舵装置にEPSアクチュエータAC1,AC2(電動モータ50,250)を設けて実施したが、車両用転舵装置にEPSアクチュエータ(電動モータ)を設けないで実施することも可能である。
また、上記した各実施形態においては、ラックバー60,転舵軸260の左右の各最大ストローク量をS2(75mm)に設定し、摺動リング部材80,筒状部材260bの摺動量をS1(5mm)に設定し、ステアリングホイールSW1,SW2の左右の各最大回動操舵角を540度に設定して実施した。しかしながら、上記各最大ストローク量、上記摺動量、上記各最大回動操舵角の値は、上記した値に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
SW1…ステアリングホイール、SS1…ステアリングシャフト、AC1…EPSアクチュエータ、SM1…転舵機構、SV1…ストローク可変機構、10…ステアリングメインシャフト、20…インターミディエイトシャフト、30…エクステンションシャフト、40…ピニオンシャフト、50…電動モータ、51…EPSコンピュータ、60…ラックバー、61…ラックエンド、61a…本体部、61a1…底部分、61a2…周壁部分、70…ハウジング、70a…段部、71L,71R…タイロッド、80…摺動リング部材、81…固定リング部材、90…操舵角センサ、91…電子制御装置、92…警報装置、170…ハウジング、170a…段部、170a1…内孔、170a2…縦壁、SV2…ストローク可変機構、SW2…ステアリングホイール、SS2…ステアリングシャフト、AC2…EPSアクチュエータ、SM2…転舵機構、SV3…ストローク可変機構、210…ステアリングメインシャフト、220…インターミディエイトシャフト、230…エクステンションシャフト、240…ピニオンシャフト、240a…ピニオン、250…電動モータ、251…EPSコンピュータ、260…転舵軸、260a…軸部材、260b…筒状部材、260b1…ラック、261…ラックエンド、261a…本体部、270…ハウジング、270a…段部、271L,71R…タイロッド、273…ストッパ部材、281…第1Cリング、282…第2Cリング

Claims (5)

  1. 回動操舵可能なステアリングホイールを一体回転可能に支持するステアリングシャフトと、このステアリングシャフトと車輪を接続して前記車輪を転舵させる転舵機構とを備え、
    前記転舵機構は、両端に接続部材を有し前記ステアリングシャフトの回転に応じて左右にストローク可能な転舵軸と、前記接続部材と係合可能な規制部を有し前記転舵軸をストローク可能に支持する支持部材とを備え、
    前記接続部材と前記規制部との係合により、前記転舵軸の左右のストロークが規制され前記ステアリングホイールの初期位置に対する前記転舵軸の左右の最大ストローク量が規定される車両用転舵装置において、
    前記転舵機構には、前記転舵軸の軸方向に摺動可能な摺動部材を有し、前記転舵軸に所定値未満の軸方向荷重が作用するとき前記摺動部材の摺動を規制して前記転舵軸の左右の前記最大ストローク量を初期値に維持し、前記転舵軸に所定値以上の軸方向荷重が作用するとき前記摺動部材の摺動を許容して前記転舵軸の左右の少なくとも一方の前記最大ストローク量を初期値から変更させるストローク可変機構が設けられることを特徴とする車両用転舵装置。
  2. 請求項1に記載された車両用転舵装置において、
    前記摺動部材は、前記接続部材と前記規制部の間に配置されて前記接続部材または前記規制部に対する摺動を許容可能に組付けたリング部材であって、
    前記接続部材または前記規制部に、前記リング部材から前記転舵軸の軸方向に所定量離間して配置されていて摺動を許容された前記リング部材の摺動量を所定量に規定するストッパ手段が設けられることを特徴とする車両用転舵装置。
  3. 請求項2に記載された車両用転舵装置において、
    前記ステアリングホイールの初期位置に対する左右の回動操舵角を検出する検出手段と、
    この検出手段により検出された前記回動操舵角に基づいて、前記ステアリングホイールの初期位置に対する左右一方の最大回動操舵角が初期値から増加したか否かを判定する判定手段と、
    この判定手段により前記ステアリングホイールの左右一方の前記最大回動操舵角が初期値から増加したと判定されたとき、前記最大回動操舵角が初期値から増加したことを運転者に報知する報知手段を設けたことを特徴とする車両用転舵装置。
  4. 請求項1に記載された車両用転舵装置において、
    前記転舵軸は、前記接続部材を両端に一体的に有する軸部材と、この軸部材と同軸的に延在する筒状に形成されて前記軸部材の中間部外周に対する摺動を許容可能に組付けられた前記摺動部材とを備え、
    前記摺動部材は、一側に前記ステアリングシャフトの回転により前記転舵軸の軸方向に駆動されるラックを有し、
    前記軸部材に、前記摺動部材の両端から前記転舵軸の軸方向に所定量離間して配置されていて摺動を許容された前記摺動部材の摺動を規制するストッパ手段が設けられることを特徴とする車両用転舵装置。
  5. 請求項4に記載された車両用転舵装置において、
    前記摺動部材は前記軸部材の中間部外周に圧入嵌合されていて、
    前記ストローク可変機構は、前記摺動部材の両端に配置されて前記軸部材に組付けられていて所定値未満の軸方向荷重が作用されるとき前記摺動部材の摺動を規制し前記所定値以上の軸方向荷重が作用されるとき前記摺動部材の摺動を許容する左右一対の環状部材を有していることを特徴とする車両用転舵装置。
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