JP2011108860A - 固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体撮像素子の製造方法において、重金属汚染等が混入した場合にも白キズ、暗電流等の発生を抑制する。
【解決手段】固体撮像素子の製造方法は、基板に対し、600℃以上で且つ750℃以下、30分以上で且つ180分以下の第1の熱処理を行なう工程(a)と、工程(a)の後、第1の熱処理の温度よりも高い温度において熱酸化を行ない、基板上に熱酸化膜を形成する工程(b)と、工程(b)の後、基板に対し、1000℃以上で且つ1100℃以下、40分以上で且つ180分以下の第2の熱処理を行なう工程(c)と、工程(c)の後、基板に第1の不純物を導入し、光電変換部となる不純物層を形成する工程(d)とを備える。第1の熱処理の温度から熱酸化の温度に昇温する際に、4℃/分以下の昇温速度で昇温を開始する。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体撮像素子の製造方法に関し、特に、低温プロセスに入る前に基板に充分なゲッタリング能力をもたせる方法に関する。
固体撮像素子の白キズ、暗電流等の特性不良は、製造プロセス中に意図せず混入する重金属汚染等により悪化することが知られている。このような特性不良を避けるには、汚染物質の混入の極めて少ない製造プロセスによって固体撮像素子を製造するか、又は、固体撮像装置製造に使用される基板にゲッタリング能力を持たせることが要求される。ゲッタリング能力とは、たとえ汚染物質が混入した場合にも、それを素子形成部(表面)から離れた基板内部等の場所に固定して無害化する能力のことである。
シリコン基板に十分なゲッタリング能力を持たせる方法の例としては、(1)イオン注入により基板内部に積極的にゲッタリングサイトを形成する方法、(2)基板のバックサイドダメージ、バックサイドポリシリコン堆積等のエクストリンシックゲッタリングによる方法、(3)基板内部に含まれる酸素を熱処理により析出させてBMD(Bulk Micro Defect 、バルク微小欠陥)を形成する方法が挙げられる。
このうち(3)に関して、近年、固体撮像装置の高集積化、高機能化及び高速化に伴って製造プロセスの低温化が加速しており、製造プロセス中に加わる熱処理のみではもはや十分なBMDを形成することができなくなっている。そこで、低温プロセスに入る前に、積極的にBMDを形成するための熱処理を行なう方法が用いられている。
以下に、このような方法の例として、特許文献1に形成された、基板内部に大きなサイズのBMDを形成する方法について説明する。図7は、該方法の熱処理工程における温度の時間変化を示す。この熱処理工程は、固体撮像素子のゲート形成よりも前の製造工程であり、N2 雰囲気の下で行なわれる。また、入出炉温度は800℃、昇温速度は8℃/分〜200℃/分、降温速度は3℃/分〜100℃/分に設定されている。更に、1000℃以上で且つ1200℃以下の温度範囲にて行なわれる熱処理工程中に、2回以上のランプアップ(昇温)工程及び2回以上のランプダウン(降温)工程を行なう。これにより、ウェハ内部においてBMDが大きなサイズに成長する。この結果、固体撮像素子の製造工程において混入される重金属等の汚染物質は成長したBMDにゲッタリングされるため、固体撮像素子の白キズや暗電流を抑制することができる。
特開平11−289074号公報
しかしながら、BMDを形成するために前記のような熱処理を行なった場合にも、混入した汚染物質が原因と思われる白キズ等が多く発生し、製造される固体撮像素子の白キズ及び暗電流に関する特性が劣化する場合がある。この結果、固体撮像素子の性能の低下、製造歩留りの低下等の問題が生じる。
以上に鑑み、本発明の目的は、白キズ、暗電流の抑制された固体撮像素子の製造方法を提供することである。
前記目的を達成するため、本願発明者等は、熱処理によりBMDを形成した基板を用いて製造した固体撮像素子において、白キズ、暗電流が十分抑制されない理由を検討した。これを以下に説明する。
BMD核は、比較的低温(例えば650℃〜750℃)で且つ数時間の熱処理により高密度に生成される。生成されたBMD核は、その後の熱処理により大きく成長するものと理解されている。このように大きく成長したBMDがゲッタリング能力を示す。
しかしながら、本願発明者等は、BMDを成長させるための熱処理に際し、処理温度までの昇温速度が大きすぎると、酸素が基板内部に溶解してしまい、生成されていたBMD核の多くが消滅することを見出した。このようにしてBMD核の多くが消滅すると、望ましい大きさに成長したBMDが十分な密度で含まれている基板を得ることができず、基板のゲッタリング能力が不足する。この結果、撮像素子の白キズ等が増加してしまう。
これらのことから、本願発明者等は、昇温速度を制限してBMDの消滅を避けることを着想した。更に、検討の結果、生成させたBMD核に対して熱処理を行なう際、昇温速度を4℃/分以下とすれば、前記のようなBMD核の消滅を避けて大きく成長させうることを見出した。
具体的に、本発明に係る固体撮像素子の製造方法は、基板に対し、600℃以上で且つ750℃以下、30分以上で且つ180分以下の第1の熱処理を行なう工程(a)と、工程(a)の後、第1の熱処理の温度よりも高い温度において熱酸化を行ない、基板上に熱酸化膜を形成する工程(b)と、工程(b)の後、基板に対し、1000℃以上で且つ1100℃以下、40分以上で且つ180分以下の第2の熱処理を行なう工程(c)と、工程(c)の後、基板に第1の不純物を導入し、光電変換部となる不純物層を形成する工程(d)とを備え、第1の熱処理の温度から熱酸化の温度に昇温する際に、4℃/分以下の昇温速度で昇温を開始する。
このようにすると、工程(a)において基板内に形成されたBMD核が消滅するのを抑え、工程(c)において大きく成長させることができる。この結果、基板は高いゲッタリング能力を有するようになり、白キズ及び暗電流に関する特性に優れた固体撮像素子を製造することができる。これは、固体撮像素子の製造歩留りの向上にも貢献する。
ここで、昇温の過程及び工程(b)の熱酸化の際においても、BMD核の更なる形成及びBMDのサイズの成長が起こりうる。BMDがある程度大きくなると、昇温速度が速くなっても比較的消滅しにくくなる。この点から、工程(a)においてBMD核の形成を行なった後、少なくとも昇温を開始する際に昇温速度が4℃/分以下であるようにすることにより、BMDの消滅を抑制することができる。
尚、第1の熱処理の温度から熱酸化の温度に昇温する際に、昇温速度を4℃/分以下に維持することが好ましい。
このようにすると、昇温の際のBMD核の消滅をより確実に抑制することができる。
また、工程(b)の熱酸化は、800℃以上で且つ950℃以下の温度において行なうことが好ましい。
このようにすると、熱酸化膜の膜厚を制御しやすく、特に比較的薄い熱酸化膜を形成するために有利である。また、この範囲の温度であれば、BMDを消滅させる可能性は低く、むしろ熱酸化中にもある程度成長する。
また、熱酸化の温度から第2の熱処理の温度に昇温する際に、昇温速度を10℃/分以下とすることが好ましい。
熱酸化の工程を終えるまでにBMD核はある程度成長し、その後には4℃/分を越える昇温速度としても消滅しにくくなる。しかし、昇温速度が高すぎると、やはりBMDが消滅するおそれがある。そこで、熱酸化の後には、昇温速度を10℃/分以下とするのがよい。
また、工程(d)の後に、熱酸化膜上にシリコン窒化膜を形成する工程(e)と、基板、シリコン窒化膜及び熱酸化膜を選択的にエッチングし、基板における不純物層に隣接する部分を有する凹部を形成する工程(f)と、凹部の側壁部に第2の不純物を導入する工程(g)と、工程(g)の後、凹部に第1の絶縁膜を形成する工程(h)と、工程(h)の後に、950℃以下の温度による第3の熱処理を行なう工程(i)とを備えることが好ましい。
このようにすると、第2の不純物の導入により、光電変換部(第1の不純物により形成された第1の不純物層)の暗電流を抑制するための第2の不純物層を形成することができる。この際、第3の熱処理の温度を950℃以下とすることにより、第2の不純物の拡散を抑制することができ、暗電流抑制の効果を維持することができる。
また、工程(c)の後に、基板に対し、投入温度を650℃以上で且つ800℃以下として、1050℃以上で且つ1100℃以下、30分以上で且つ120分以下の第4の熱処理を行なった後、取り出し温度まで基板を冷却する工程を備えることが好ましい。
このようにすると、工程(c)の第2の熱処理によって成長したBMDについて、更に大きく成長させることができる。よって、基板のゲッタリング能力を更に向上し、固体撮像素子における白キズ、暗電流に関する特性を更に向上することができる。
また、基板は、格子間酸素及び置換炭素を含むシリコン層と、シリコン層上に形成されたエピタキシャル層とを備えることが好ましい。
格子間酸素及び置換炭素を含んでいるシリコン層では、BMD核の高密度な生成が促進されるため、高いゲッタリング能力を持たせることができる。また、フォトダイオード等の素子を形成する層は不純物、格子欠陥等を含まない方が望ましい。そこで、前記のようなシリコン層上に、素子を形成する層としてエピタキシャル層を備える基板を用いるのがよい。
また、工程(c)の後は、1200℃以下に維持することが好ましい。
基板が1200℃以上になると、成長させたBMDについても消滅することがあるため、このような温度になるのを避けるのがよい。
本発明に係る固体撮像素子の製造方法によると、大きなサイズのBMDを基板内部に高密度に形成することができ、光電変換部となる不純物層を活性化するための熱処理、STI周囲のボロン不純物層及びトランジスタを形成する工程等を経ても、BMDが消失するのを避けることができる。このため、製造の最後までゲッタリング効果を得ることができ、低温化された製造プロセスにおいても製造中に混入する汚染物質をゲッタリングし無害化できる。結果として、重金属汚染等によって引き起こされる固体撮像素子の白キズ及び暗電流を抑制することができ、固体撮像素子の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
図1(a)〜(g)は、本開示の一実施形態の例示的固体撮像素子の製造方法を説明する図である。 図2(a)及び(b)は、図1(a)〜(g)の工程中に行なう熱処理のシーケンスを説明する図である。 図3(a)〜(d)は、BMD核の形成後の昇温速度と、熱処理を終えた後のBMD密度の観測結果を示す図である。 図4は、熱処理後のBMD密度と、BMD核形成後の昇温速度との関係を示す図である。 図5(a)〜(g)は、本開示の変形例の例示的固体撮像素子の製造方法を説明する図である。 図6(a)〜(c)は、図5(a)〜(g)の工程中に行なう熱処理のシーケンスを説明する図である。 図7は、固体撮像素子の製造方法に関する背景技術における熱処理のシーケンスを示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る固体撮像素子の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1(a)〜(g)は、該製造方法の各工程を模式的に示す断面図である。また、図2(a)及び(b)は、熱処理のシーケンスを示す図である。
まず、図1(a)に示すシリコン基板100に対して第1の熱処理を行なう。ここでは、図2(a)示すように、650℃で且つ60分の処理とする。この熱処理により、シリコン基板100内部の格子間に存在する酸素がBMD核となって高密度に析出する。ここで、基板結晶の製造の際に炭素が添加されたシリコン基板100を用いると、第1の熱処理におけるBMD核の高密度な生成が促進される。本実施形態の例では、シリコン基板100として、N型の炭素添加シリコン基板上に、N型のエピタキシャル層が成長されたウェハを用いている。
尚、第1の熱処理については、600℃以上で且つ750℃以下、30分以上で且つ180℃以下とする。また、サーマルバジェットとしては、600℃・30分以上で且つ750℃・180分以下とする。このような範囲において熱処理を行なうと、十分な数のBMD核を形成することができる。尚、処理温度は、650℃以上で且つ700℃以下とするのが更に望ましい。
次に、図1(b)に示すように、熱酸化によりシリコン基板100の表面に熱酸化膜101を形成すると共に、第2の熱処理によりシリコン基板100内部にBMD111を形成する。このための熱処理について、図2(a)を参照して更に説明する。
第1の熱処理によりBMD核を形成させた後、熱酸化を行なうために900℃まで昇温する。このようにBMD核形成後に昇温する際、昇温速度が高すぎるとBMD核が消滅する原因となることを本願発明者等は見出している。特に、4℃/分を越える昇温速度とした場合には、BMD核の多くが消滅する。そこで、本実施形態では、昇温速度を3℃/分とした。後に更に説明するが、このような昇温速度であれば、BMD核の消滅を避けることができる。
900℃まで昇温した後、この温度にて25分間の熱酸化を行なう。これにより、シリコン基板100の表面にシリコンの熱酸化膜101が形成される。熱酸化膜101の膜厚は、ここでは11nmとする。これは、電気炉による熱酸化としては比較的薄い。熱酸化の際の温度が高すぎると酸化速度が高くなり過ぎ、酸化膜の膜厚の制御性が悪くなるので、950℃を越えないようにするのがよい。また、800℃未満の温度では、酸化速度が低くなり過ぎて効率が悪い。よって、800℃以上で且つ950℃以下の範囲の温度、例えば900℃とするのが望ましく、この場合に処理時間は25分程度となる。
尚、熱酸化の温度までの昇温過程及び熱酸化の過程において、BMD核が更に形成されることもあり、また、BMDのサイズが幾分か成長する。
熱酸化の工程の後、第2の熱処理を行なってBMDのサイズを大きく成長させるために昇温する。この際にも、昇温速度が高すぎるとBMDが消滅するおそれがあることを見出している。しかしながら、これまでの昇温及び熱酸化の間にBMD核は容易には消滅しない程度には成長している。このため、4℃/分以下とすることまでは不要であるが、10℃/分以下程度にするのが望ましい。本実施形態では、一例として8℃/分とした。
1000℃まで昇温した後、この温度にて120分の第2の熱処理を行なう。これにより、BMDを大きなサイズに成長させることができる。ここで、1000℃未満では既にある程度成長しているBMDを望ましい大きさに成長させるには不十分である。また、1200℃を越える温度では、逆に酸素が基板内部に溶解してしまい、BMDが消滅する方向に反応が進む。このようなことから、BMDの成長のための第2の熱処理については、1000℃以上で且つ1100℃以下の温度にて行なうのがよい。
更に、1000℃・40分未満のサーマルバジェットでは、十分なゲッタリング能力を持つBMDに成長させるためには足りない。また、1100℃・180分を越えるサーマルバジェットでは、シリコン基板100においてスリップ転位、反り等が発生しやすくなる。よって、これらの間の値のサーマルバジェットとするのが望ましい。
第2の熱処理の後、800℃にまで降温した。この際の降温速度は、例えば4℃/分とする。尚、降温速度が大きすぎると、スリップ転位等を生じる場合がある。
続いて、図1(c)に示すように、第1の不純物層103を形成する。このためには、シリコン基板100上に、所定の開口部102aを有するパターンの第1のレジスト102を形成する。この後、第1のレジスト102をマスクとするイオン注入を行なう。イオン種としてAsを用い、加速エネルギー240keV、ドーズ量6×1012/cm2 の条件とする。これにより、シリコン基板100の表面部に第1の不純物層103を形成する。これは、固体撮像素子のフォトダイオード部分(光電変換部)となる。この後、第1のレジスト102を除去する。
続いて、図1(d)に示すように、トレンチ105を形成する。まず、LP−CVD(low pressure chemical vaper deposition)法により、シリコン基板100の表面を覆うように膜厚130nmのシリコン窒化膜104を形成する。次に、第1の不純物層103に隣接する部分を含む開口部106aを有する第2のレジスト106を形成する。
この後、第2のレジスト106をマスクとするドライエッチングを行ない、シリコン窒化膜104を開口する。更に、開口されたシリコン窒化膜104をハードマスクとして用い、熱酸化膜101及びシリコン基板100をパターニングする。これにより、フォトダイオードとなる第1の不純物層103に隣接して、素子分離となるトレンチ105を形成する。ここで、トレンチ105の深さは250nmとしている。この後、第2のレジスト106を除去する。
次に、図1(e)に示すように、シリコン窒化膜104をマスクとして、トレンチ105の側壁及び底部に対してイオン注入によりボロンを導入し、第2の不純物層108を形成する。この際、加速エネルギー16keV、ドーズ量4×1013/cm2 とすると共に、側壁部分に十分な深さに不純物を導入することを目的として、チルト角を16°とした。これにより、素子分離壁の空乏化を阻害して、隣接するフォトダイオード(第1の不純物層103)の暗電流を抑制する第2の不純物層108を形成することができる。
次に、図1(f)に示すように、トレンチ105の内部に埋め込むように、酸化膜109を膜厚550nmに堆積した。これには、プラズマCVDを用いることができる。
次に、図2(b)に示すような第3の熱処理を行なう。この際、トレンチ105の側壁に導入されたボロンが周囲に拡散してしまうと、素子分離壁のボロン濃度が低下し、空乏化を十分に阻害できなくなる。これは、特に、画素の大きさが1.5μm以下である微細画素の場合に深刻な問題である。よって、前記ボロンの拡散を避けるために、比較的低い900°で且つ30分の条件によって、トレンチ105内の酸化膜109を熱処理した。熱処理の温度の上限を設定する(例えば950℃とする)ことにより、第3の熱処理の際に、第2の不純物層108から周囲にボロンが拡散するのを抑制することができる。
この後、図1(g)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing )により酸化膜109を平坦化し、第1の不純物層103に隣接する素子分離110を形成する。この際、シリコン窒化膜104が研磨ストッパーとして利用される。その後、シリコン窒化膜104及び熱酸化膜101を除去する。
尚、蓄積される電荷を転送する転送トランジスタ等も形成されるが、特徴的部分以外の説明を簡略化するため、以上では省略している。
以上に説明した工程の後、製造プロセスは低温化される。しかしながら、この時点において、既にシリコン基板100の内部には大きなサイズのBMDが高密度に形成されている。このため、たとえ重金属汚染物質等が混入したとしても、BMDによってゲッタリングされ、固体撮像素子における白キズ及び暗電流を抑制できる。結果として、製造の歩留りを飛躍的に向上することができる。
尚、シリコン基板100上にエピタキシャル層を備える場合、つまり、いわゆるエピウェハを用いる場合、本発明の効果が特に顕著に発揮される。エピタキシャル層は、例えば膜厚5μm程度に形成され、フォトダイオード等の素子が形成される層として用いられる。
通常、エピタキシャル成長は1200℃程度の温度にて行なわれるため、それまでに基板内部にBMDが高密度に形成されていたとしても、エピタキシャル成長の際に大半は消滅してしまう。これに対し、本実施形態の方法を用いると、エピウェハについても十分に高密度なBMDを有する基板とすることができる。よって、重金属汚染物質等をゲッタリングし、固体撮像素子の製造歩留りを飛躍的に向上することができる。
また、十分な大きさに成長させたBMDについても、1200℃を越える高温では消滅するおそれがあるため、このような高温は避けるのが望ましい。
次に、BMD核を形成した後の昇温速度に関し、図3(a)〜(d)及び図4を参照して更に説明する。
図3(a)は、図2(a)と同じ図であり、図1(a)及び(b)に示す工程において行なう第1の熱処理、熱酸化及び第2の熱酸化を含む熱処理のシーケンスを示す。また、図3(b)は、図3(a)の示すシーケンスを終えた後にBMD密度を観察した結果を示す。図3(b)において、BMDを示す輝点が多数観察され、高密度に大きなサイズのBMDが形成されていることが分かる。
これに対し、図3(c)は、図3(a)のシーケンスにおいて、BMD核を形成する650度で且つ60分の熱処理の後、熱酸化を行なう温度まで昇温する際の昇温速度のみを8℃/分に変更したシーケンスを示す。また、図3(d)は、図3(c)の示すシーケンスを終えた後にBMD密度を観察した結果を示す。図3(d)において、BMDを示す輝点はほとんど見られない。
以上のように、比較的低温(650℃から750℃程度)で数時間の熱処理によりBMD核が形成されるが、その後の昇温の際に昇温速度が高すぎるとBMD核の大半が消滅し、十分な密度で且つ十分なサイズのBMDに成長させることができない。
図4には、熱処理後におけるBMD密度を計測し、BMD核形成後の昇温速度に対してプロットした結果を示す。図4のように、昇温速度が低い方がBMD密度は高くなり、4℃/分以下であればゲッタリングに十分な密度のBMDを確保することができる。
尚、昇温速度が低すぎると、昇温に長時間を要することから効率が悪くなる。よって、実用上、例えば1℃/分以上とする。つまり、昇温速度については、1℃/分以上で且つ4℃/分以下とするのがよい。更には、2℃/分以上で且つ3℃/分以下とするのがより好ましい。
また、以上では、BMD核の形成後、熱酸化の温度まで一定の昇温速度により昇温する例を説明している。しかしながら、BMDは昇温の過程においても少しずつ成長して大きくなり、それにより、高い昇温速度においても多少は消滅しにくくなる。そこで、4℃/分以下の昇温速度で昇温を開始し、その後、BMDの成長に合わせて昇温速度を高くするようなシーケンスとしても良い。このような方法を用いると、昇温に必要な時間を短縮することができる。但し、この場合も、10℃/分以下を維持することが好ましい。
例えば、650℃から900℃まで昇温する場合に、750℃までは3℃/分で昇温し、その後900℃まで5℃/分で昇温する。これにより、最初から最後まで3℃/分で昇温するよりも20分程度短い時間で昇温することができる。
(変形例)
次に、以上に説明した実施形態の変形例について説明する。図5(a)〜(g)は、本変形例における固体撮像素子の製造工程を模式的に示す断面図である。また、図6(a)〜(c)は、熱処理のシーケンスを表す図である。
本変形例の製造工程は、図1(a)〜(g)と図2(a)及び(b)とに示した製造工程に対し、第4の熱処理が追加されたものである。その他の点については同じであるから、以下では主に第4の熱処理に関して説明する。
図5(a)及び(b)の工程は、図1(a)及び(b)の工程と同様である。つまり、シリコン基板100に対して図6(a)に示すシーケンスの処理(図2(a)に示すのと同様の第1の熱処理、熱酸化及び第2の熱処理)により、シリコン基板100の表面に熱酸化膜101、内部にBMD111が形成される。
これに続いて、本変形例では、図6(b)に例示する第4の熱処理を行なう。つまり、例えば投入温度を700℃とし、1100℃まで昇温してAr雰囲気下にて90分の熱処理を行ない、その後ウェハ取り出し温度まで降温する。Ar雰囲気に代えて、N2 雰囲気であっても良い。
このような1100℃の熱処理を行なうことにより、図5(b)までに形成され且つ成長したBMDについて、更に大きく成長させることができる。よって、シリコン基板100のゲッタリング能力をより確実にすることができる。
尚、第1の熱処理及び第2の熱処理を経た後に行なうこの工程において、1050℃未満の処理温度ではBMDを更に成長させるには不十分である。また、処理温度が高くなりすぎた場合、特に1200℃を越えると、酸素が基板内部に溶解して逆にBMDが消滅する方向に反応が向かう。このため、第4の熱処理については、1050℃以上で且つ1100℃以下の処理温度とするのがよい。
また、1050℃・30分以下のサーマルバジェットでは、第2の熱処理後にBMDを更に成長させてゲッタリング能力を高めるためには不十分であり、1100℃・120分を越えるサーマルバジェットとなると、基板においてスリップ転位、反り等が発生しやすくなる。よって、これらの間のサーマルバジェットとするのが望ましい。
また、図6(b)に示す例において、昇温速度は、700℃から1000℃までを8℃/分、1000℃から1050℃までを3℃/分、1050℃から1100℃までを2℃/分としている。BMDは既にある程度大きくなっているので4℃/分以下とすることまでは不要であるが、消滅を避けるためには10℃/分以下にすることが望ましい。また、先に述べたような温度の上限を越えることを避けるため、高温になるほど昇温速度を低くするシーケンスとしている。尚、降温速度は2℃/分としている。但し、一例として挙げるものであるから、このシーケンスに限定されることはない。
このような第4の熱処理により、BMDは更に大きなサイズに成長する。この後の工程を示す図5(c)〜(g)において、より大きなBMD111aを模式的に示している。
図5(c)〜(g)の工程については、図1(c)〜(g)を参照して説明したのと同様であるから、詳しい説明は省略する。図6(c)は、図5(f)において行なう第3の熱処理のシーケンスを示しており、図2(b)と同様である。
以上の変形例によると、BMDをより大きく成長させる第4の熱処理を更に備えることにより、シリコン基板100のゲッタリング能力を更に向上することができる。このため、重金属汚染物質等をゲッタリングして無効化し、固体撮像素子における白キズ及び暗電流を抑制する効果がより顕著である。この結果、製造の歩留りを更に向上することができる。
以上説明したように、本発明によると、製造プロセスの全体にわたって十分なゲッタリング能力を維持することができ、白キズ、暗電流等の特性に優れた固体撮像素子の製造方法としても有用である。
100 シリコン基板
101 熱酸化膜
102 第1のレジスト
102a 開口部
103 第1の不純物層
104 シリコン窒化膜
105 トレンチ
106 第2のレジスト
106a 開口部
108 第2の不純物層
109 酸化膜
110 素子分離
111 BMD
111a BMD

Claims (8)

  1. 基板に対し、600℃以上で且つ750℃以下、30分以上で且つ180分以下の第1の熱処理を行なう工程(a)と、
    前記工程(a)の後、前記第1の熱処理の温度よりも高い温度において熱酸化を行ない、前記基板上に熱酸化膜を形成する工程(b)と、
    前記工程(b)の後、前記基板に対し、1000℃以上で且つ1100℃以下、40分以上で且つ180分以下の第2の熱処理を行なう工程(c)と、
    前記工程(c)の後、前記基板に第1の不純物を導入し、光電変換部となる不純物層を形成する工程(d)とを備え、
    前記第1の熱処理の温度から前記熱酸化の温度に昇温する際に、4℃/分以下の昇温速度で昇温を開始することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1の熱処理の温度から前記熱酸化の温度に昇温する際に、昇温速度を4℃/分以下に維持することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記工程(b)の熱酸化は、800℃以上で且つ950℃以下の温度において行なうことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    前記熱酸化の温度から前記第2の熱処理の温度に昇温する際に、昇温速度を10℃/分以下とすることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、
    前記工程(d)の後に、
    前記熱酸化膜上にシリコン窒化膜を形成する工程(e)と、
    前記基板、前記シリコン窒化膜及び前記熱酸化膜を選択的にエッチングし、前記基板における前記不純物層に隣接する部分を有する凹部を形成する工程(f)と、
    前記凹部の側壁部に第2の不純物を導入する工程(g)と、
    前記工程(g)の後、前記凹部に第1の絶縁膜を形成する工程(h)と、
    前記工程(h)の後に、950℃以下の温度による第3の熱処理を行なう工程(i)とを備えることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    前記工程(c)の後に、前記基板に対し、投入温度を650℃以上で且つ800℃以下として、1050℃以上で且つ1100℃以下、30分以上で且つ120分以下の第4の熱処理を行なった後、取り出し温度まで基板を冷却する工程を備えることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つにおいて、
    前記基板は、格子間酸素及び置換炭素を含むシリコン層と、前記シリコン層上に形成されたエピタキシャル層とを備えることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
    前期工程(c)の後は、1200℃以下に維持することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016541110A (ja) * 2013-10-28 2016-12-28 クアルコム,インコーポレイテッド ウェハへの異種チャネル材料の統合

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