JP2011107473A - カラーフィルタ基板および液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】平坦性が優れ、少ない工程で精度良く形成可能なカラーフィルタ基板、及びこのカラーフィルタ基板を具備する液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】透明基板上に、有機顔料を主たる色材とする遮光層を有効表示領域の外周に配置するとともに、3色以上の着色層からなる着色画素を有効表示領域に形成したカラーフィルタ基板において、前記有効表示領域内に形成された、前記遮光層と同一材料からなり、前記遮光層より薄い、0.4μm以上1.0μm以下の膜厚を有するスペーサの台座、及びこの台座上に形成された複数色の着色層の積層からなるスペーサとを具備し、前記遮光層と着色層の膜厚が略等しく、液晶表示装置を構成したときの液晶層の厚みと、前記台座上に形成されたスペーサの前記着色画素上に突出する部分の高さとが略等しいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置用カラーフィルタ基板および液晶表示装置に関わり、特に、大型TVやモニターなどの高画質を要求される液晶表示装置向けカラーフィルタ基板に関する。
近年、液晶ディスプレイなどの薄型表示装置のさらなる高画質化、低価格化および省電力化が求められている。液晶表示装置向けカラーフィルタにおいては、十分な色純度や高いコントラスト、平坦性及び低い誘電率など液晶駆動に支障を与えにくい電気的特性を要求されてきている。
高画質液晶ディスプレイにおいて、IPS(In-Plane Switching)、VA(Vertically Aligned)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、FFS(Fringe Field Switching)、OCB(Optically Compensated Bend)などの液晶駆動方式が提案され、広視野角・高速応答のディスプレイが実用化されている。
液晶をガラスなど基板面に並行に配向させたIPS方式や、高速応答に対応しやすいVA、また広視野角に有効なFFS方式などの液晶表示装置では、カラーフィルタに対する平坦性(膜厚の均一性やカラーフィルタ表面の凹凸の低減)と誘電率など電気的特性について、さらに高いレベルの要求となっている。これら高画質液晶ディスプレイでは、斜め方向視認での着色の低減と、さらなる高速応答のため、液晶セル厚(液晶層の厚み)を薄くする技術が主要な課題となっている。
斜め方向視認での着色の低減は、カラーフィルタ平坦化とあわせて、液晶セル厚の均一化のために着色層を重ねてスペーサとして利用する技術がある(例えば特許文献1,2)。スペーサを着色層などを用いてフォトリソグラフィの手法で形成することは、均一な液晶セルギャップ確保の観点では優れている。
また、正面視認でのコントラスト向上のため、及びカラーフィルタの低価格の目的で、表示着色画素の重畳部分をブラックマトリクスとして用いる技術は、特許文献3に開示されている。液晶表示画面の表示領域外周に額縁状の遮光層を設ける技術は、特許文献4,5に開示されている。
特開昭63−82405号公報 特開平9−49914号公報 特開2003−14917号公報 特開平10−170958号公報 特開2008−203545号公報
上述した色重ねによりブラックマトリクスを形成する技術(特許文献3)や表示領域内でブラックマトリクスと着色画素を重ねる技術(特許文献4)、及び色重ねを単純にスペーサとして用いる技術(特許文献1)は、その色重ね部分で着色画素端部の膜厚がそのまま飛び出る突起となり、液晶配向の観点で好ましくない。例えば、カラーフィルタの着色画素の膜厚は、通常1.5μm以上3μm以下前後であり、高画質を要求するIPS、VAなどの液晶表示装置では高さのある突起は液晶配向に支障となる。遮光性材料を用いるブラックマトリクスを配設するこれら技術(特許文献2を含む)は、ブラックマトリクスと着色画素の膜厚を、平坦性の観点で考慮しておらず、高画質を求める液晶表示装置に適用しにくい。
また、特許文献5に記載の技術は、平坦化の観点からは好ましい技術といえる。しかし、液晶セルギャップの均一化のためのスペーサ技術は検討されておらず、そこでは、遮光層(額縁部)とブラックマトリクスを2回の工程で形成し、スペーサの形成を含めて、低コスト化の検討が不十分である。また、この技術では、遮光層やブラックマトリクスの材料について、電気的特性の点で検討されていない。
従って、本発明は、上記の問題点を解決し、平坦性に優れ、少ない工程で精度良く形成可能なカラーフィルタ基板、及びこのカラーフィルタ基板を具備する液晶表示装置を提供することを目的とする。
特許文献2の段落0023には、カーボンブラック(以下、カーボンと略称)が遮光性の観点で優れ、特に好ましいとされているが、カーボンは誘電率の高い色材であり、FFS方式やIPS方式などの液晶表示装置には適当でない。カーボンを主たる色材(顔料総量(重量比)に対し100%から90%)として用いる場合、それにより構成される遮光層やブラックマトリクスの比誘電率は、おおよそ、7から15となり、FFS方式やIPS方式の液晶駆動には適さないカラーフィルタ構成部材となる。TFTなどアクティブ素子で駆動する液晶材料の比誘電率は、比誘電率の大きな分子方向で7から40程度である。FFS方式やIPS方式の液晶表示装置向けのカラーフィルタの構成部材として、その比誘電率は5以下、好ましくは4.5以下が必要である。FFS方式やIPS方式などの液晶表示装置では、櫛歯状の画素電極と共通電極間に形成されるアーチ状の電気力線が、カーボンなどの高誘電率色材を含有する従来の遮光層やブラックマトリクスにより変形され、液晶層の均一な応答に支障が生じていた。
従って、本発明は、比誘電率などの電気的特性を考慮した高画質液晶表示装置用カラーフィルタ基板および液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、透明基板上に、有機顔料を主たる色材とする遮光層を有効表示領域の外周に配置するとともに、3色以上の着色層からなる着色画素を有効表示領域に形成したカラーフィルタ基板において、前記有効表示領域内に形成された、前記遮光層と同一材料からなり、前記遮光層より薄い、0.4μm以上1.0μm以下の膜厚を有するスペーサの台座、及びこの台座上に形成された複数色の着色層の積層からなるスペーサとを具備し、前記遮光層と着色層の膜厚が略等しく、液晶表示装置を構成したときの液晶層の厚みと、前記台座上に形成されたスペーサの前記着色画素上に突出する部分の高さとが略等しいことを特徴とするカラーフィルタ基板を提供する。
かかるカラーフィルタ基板において、前記着色層の一つを、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンを主たる色材とする緑色着色層とすることが出来る。
また、前記有効表示領域内に、前記遮光層と同一材料からなる、前記遮光層より薄い膜厚を有するブラックマトリクスを配設することが出来る。
更に、前記着色画素の隣接部を、それぞれの着色画素の端部の傾斜部分で重畳することが出来る。
更にまた、前記透明基板面に対する前記着色画素の端部の傾斜角度を、15°以上40°以下とすることが出来る。
また、前記有効表示領域内において、前記着色画素の重畳部に形成される突起の高さを、0.25μm以下とすることが出来る。
また更に、前記有効表示領域内において、前記着色画素の長手方向中央に液晶配向制御用構造物を兼ねるスペーサを配設することが出来る。
本発明の第2の態様は、上述したカラーフィルタ基板を具備することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
本発明によると、平坦性に優れ、少ない工程で精度良く形成可能なカラーフィルタ基板、及びこのカラーフィルタ基板を具備する液晶表示装置が提供される。また、本発明によると、比誘電率などの電気的特性を考慮した高画質液晶表示装置用カラーフィルタ基板および液晶表示装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。 図1に示すカラーフィルタ基板の破線の円で囲んだ部分を拡大して示す図である。 本発明の一実施形態に係るカラーフィルタ基板における、遮光層、台座、スペーサの平面配置を示す図である。 台座の膜厚と台座上の着色層の膜厚の関係を示す特性図である。 ブラックマトリクスの膜厚とブラックマトリクス上で重畳する着色画素端部の突起の高さの関係を示す特性図である。 本発明の他の実施形態に係るカラーフィルタ基板における、遮光層、台座、ブラックマトリクス、スペーサの平面視配置を示す図である。 厚い膜厚の着色画素のパターンエッヂの形状及び傾斜角度を示す断面図である。 薄い膜厚の着色画素のパターンエッヂの形状及び傾斜角度を示す断面図である。 図1に示すカラーフィルタ基板を備えた液晶表示装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態について説明する前に、本明細書において使用されている用語の意味について説明する。
本明細書において、遮光層と額縁部は同義であり、有効表示領域の外周の額縁状の遮光パターンを意味する。ブラックマトリクスは、表示領域内の格子状の遮光パターンを指す。スペーサは、本発明が対象とする液晶表示装置のセル厚み(液晶層の厚み)を維持するための部材であり、従って、スペーサの高さは、液晶層の厚みと略同一である。
通常、液晶表示パネルは、カラーフィルタ基板と、液晶を駆動するアクティブ素子が形成されたTFT基板とを、液晶層を挟持するように向かいあわせて貼り合わせることにより得られる。従って、スペーサの高さは、このときのマージンを含むものでなければならない。なお、スペーサの高さは、スペーサの頂部から隣接する画素間の中心における着色画素の表面までの高さとする。
また、感光性着色組成物を透明基板上に塗布して着色層を形成し、この着色層に公知のフォトリソグラフィ技術でパターン形成したものが着色画素である。着色画素の膜厚は、透明基板の面からそれぞれの画素の中心の表面までの高さを指す。隣接する着色画素の重畳部分(以下突起と呼称)の高さは、突起の頂部から画素の中心における着色画素の表面までの高さとする。複数色の着色画素は、青色画素、赤色画素、緑色画素、黄色画素、白色画素(透明画素)などである。
本発明においては、遮光層を含む複数色の着色画素の構成をカラーフィルタと呼称し、カラーフィルタをガラスなどの透明基板に形成したものをカラーフィルタ基板と称する。スペーサとして積層する着色層は、それぞれ赤色積層部、緑色積層部、青色積層部と呼称する。本発明において、略同一の膜厚とは、膜厚差が、遮光層や着色層の形成においてその製造プロセスで制御することの可能な、たとえば設定膜厚に対して±0.2μm、あるいは±0.15μmといった範囲内にある場合を言う。
本明細書で言う比誘電率は、液晶駆動に用いる周波数50Hzから500Hz、室温での測定を前提としている。
図1は、本発明の一実施形態に係るカラーフィルタ基板を示す断面図である。
図1に示すカラーフィルタ基板では、透明基板1上の表示領域の外周の額縁部に有機顔料を主たる色材とする遮光層2が、表示領域に赤色画素3R、緑色画素3G、及び青色画素3Bからなる3色の着色画素が、それぞれ形成されている。遮光層2の厚さと着色画素の厚さは、略同一とされている。赤色画素3Rと緑色画素3Gの境界における透明基板1上には、遮光層2と同一の材料からなる台座4が形成され、この台座4上には、赤色積層部5R、緑色積層部5G、及び青色積層部5Bの積層からなるスペーサ5が形成されている。なお、緑色画素3Gと青色画素3Bの境界における透明基板1上には、スペーサ5が形成されない、遮光層2と同一の材料からなる台座4’が形成されている。また、遮光層2上には、3層構造のスペーサ5よりも高さの低い、例えば2層構造のサブスペーサ6が配設されている。
台座4は、遮光層2よりも薄い、0.4μm以上1.0μm以下の膜厚を有している。台座4の膜厚が0.4μm未満では、フォトリソグラフィーにより台座4を形成する際に、安定した膜厚が得にくくなる。一方、1.0μmを越えると、その上に積層される積層部の厚さが薄くなり、画素との間で急激な膜厚の変化が生じ、積層部の厚さが不安定と成る。
以上のように構成されるカラーフィルタ基板に対向して、TFT基板が配置され、カラーフィルタ基板とTFT基板との間に液晶層を介在させて液晶表示装置が構成されるが、この液晶層の厚みと、台座上に形成されたスペーサの高さとが略等しくされている。なお、スペーサ5の高さhは、赤色積層部5R、緑色積層部5G、及び青色積層部5Bの積層のうちの、着色画素3R,3G,3Bの表面から突出する部分の厚みである。
図2は、図1に示すカラーフィルタ基板の破線の円で囲んだ部分を拡大して示す図である。この破線の円で囲んだ部分は、青色画素3Bと緑色画素3Gの重畳部である。この重畳部は、画素の面に対し突出する突起7となっており、この突起7の高さdは、高過ぎると画素の平坦性を損なってしまうため、0.25μm以下であることが望ましい。
図3は、カラーフィルタ基板における、遮光層2、台座4,4’、スペーサ5の平面配置を示す図である。図3のA−A’断面が図1に相当する。なお、スペーサ5を形成していない台座4’は、赤色画素3R、緑色画素3G、青色画素3Bの開口率の調整及びTFTなどのアクティブ素子の遮光目的で配設されている。また、額縁部には、図1においても示されているように、3層構造のスペーサ5よりも高さの低い、例えば2層構造のサブスペーサ6が配設されている。
以上説明した本発明の一実施形態に係るカラーフィルタ基板では、遮光層の主たる色剤として比誘電率の低い有機顔料を用いることにより、比誘電率の高いカーボンの使用を極力へらすことが出来る。また、遮光層の膜厚を着色画素と略同一とすることにより、平坦性を向上させることが出来る。その結果、高画質液晶表示に最適なカラーフィルタ基板及び液晶表示装置を得ることができる。
また、あらかじめ、スペーサが形成される部分に遮光層より薄い膜厚の台座を設けられているため、スペーサの微妙な高さ調整と、入射光によるTFTなどのアクティブ素子での光電流発生を抑制することができる。台座は、平坦性に影響しにくい薄い膜厚、即ち、0.4μm以上1.0μm以下の膜厚で配設されているので、高画質液晶表示に最適な平坦性を損なうものでない。
特に、遮光層の厚み及び着色層の厚みを略同一とすることと、それぞれの着色画素端部の傾斜部分で重ねあわせることで、重畳部分での突起発生を解消し、高い平坦性を確保することができる。
加えて、本実施形態に係るカラーフィルタ基板では、遮光層(額縁部)と表示領域である着色画素との膜厚差がないため、表示領域と額縁部との境界部の膜厚差で生じる液晶の配向乱れがなく、配向乱れからくる光り漏れを解消することができる。
上述したように、遮光層や台座は、比誘電率の高いカーボンの使用を極力へらしているため、TFTなどのアクティブ素子で駆動される画素電極からの電界の影響を液晶に与えず、液晶の配向を乱すことがない。
また、本実施形態に係るカラーフィルタ基板では、緑色画素あるいは緑色着色層として一般に用いられるハロゲン化銅フタロシアニンより誘電率が小さいハロゲン化亜鉛フタロシアニンを主たる緑色の有機顔料として用いることにより、視感度の高い緑色表示に好適なカラーフィルタを得ることが可能である。
以上のように、本発明によると、大型TVや高画質モニターに適したカラーフィルタ基板を、高品質でありながらも、例えば4回のフォトリソグラフィ工程のみによる低コストで提供することが可能である。
次に、以上のような構成を有するカラーフィルタ基板の、遮光層2、赤色画素3R、緑色画素3G、青色画素3B、台座4、スペーサ5を構成する材料について説明する。
最初に、遮光層2、赤色画素3R、緑色画素3G、青色画素3B、台座4、スペーサ5に用いることの可能な有機顔料を以下に列記する。なお、遮光層に含有させる有機顔料は、各種有機顔料の混合物であるが、下記に記載の緑色顔料を抜いても良く、また、遮光層の比誘電率を大きくしない範囲(例えば 比誘電率5以下)でカーボンを加えても良い。加え得るカーボンは、比誘電率を下げるため、カーボン粒子に樹脂被覆や表面処理を施したものがより好ましい。加え得るカーボンは、顔料総量に対し、10重量%以下であるのが好ましく、5重量%以下であるのがより好ましい。下記に示す有機顔料の使用量は、顔料総量に対し90重量%以上であるのが好ましい。
(有機顔料)
赤色顔料には、例えばC.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等を用いることができる。
黄色顔料としてはC.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
青色顔料には、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等の青色顔料、好ましくはC.I. Pigment Blue 15:6を用いることができる。
紫色顔料には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料、好ましくはC.I. Pigment Violet 23を併用することができる。
緑色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等を挙げることができる。緑色着色層に含有させる顔料としては、この中でもC.I.Pigment Green58が好ましい。
以下、C.I.Pigmentの顔料種の記載において、単に PB(Pigment Blue)、PV(Pigment Violet)、PR(Pigment Red)、PY(Pigment Yellow)、PG(Pigment Green)などと省略して記載することがある。
上述したPG58は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンであり、後述の〔顔料製造例G2〕でその製造例を示す。PG58は、PG36であるハロゲン化銅フタロシアニンより小さい誘電率を有し、これにより明度の高い緑色画素を形成することができる。PG58とPG36は、中心化金属が亜鉛と銅の違いを除けば、ほぼ、同一の化学構造を有する有機顔料であるが、電気的特性は誘電率のバラツキを含めてPG58の方が小さい傾向にある。
本発明者らの知見によれば、化学構造が類似しているにも関わらず、PG58が本発明に好適な理由は、以下に示す光学的測定〔緑色顔料の複屈折率Δnの測定〕から実証できるものと考えられる。なお、着色組成物中のハロゲン化亜鉛フタロシアニンなど有機顔料の固形分比率は、小さい方が比誘電率を下げる傾向にあり、好ましい。液晶駆動に支障を生ずるカラーフィルタに起因する浮遊容量を下げるため、顔料比率を下げ、樹脂比率を上げることは好ましい。従って、遮光層や着色画素の膜厚を厚く形成することは、好ましいものといえる。
〔緑色顔料の複屈折率Δnの測定〕
周知のように、誘電率の値は、屈折率の自乗とほぼ等しい。換言すれば、電子分極に起因する誘電率は、屈折率の自乗に比例する。
この観点から、本発明者らは、PG58とPG36の分極の差異を、直交座標系におけるX軸、Y軸、Z軸でのそれぞれの屈折率Nx、Ny、Nzを測定して明らかにした。測定試料は、実際に用いる緑色着色層に近い構成とするため、下記表4に示す顔料分散体(例えばGP−4)をガラス基板上に1μmの膜厚に塗布し、230℃で乾燥させたものを用いた。
下記表3に示すGP−4の顔料分散体の主たる顔料G2は、PG58である。GP−4の第一顔料G2をPG36に置き換えた顔料分散体を、GP−5として表記する。測定は、分光エリプソメータM−220(日本分光製)を用い、Nx、Ny、Nzを測定し、下記式によりΔnを算出した。測定波長は550nmとした。
Δn={(Nx+Ny)/2}−Nz
下記表1より、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(PG58)を主たる顔料とする緑色の顔料分散体GP−4の塗膜の方がΔnの絶対値が小さく、分極が小さいことが理解できる。
Figure 2011107473
(有機顔料分散体の製造)
有機顔料の分散体の製造方法としては、種々の方法を採用することができ、以下にその一例を示す。
まず、顔料、溶剤、顔料分散剤(色素誘導体含む)及び/又は分散助剤、界面活性剤、場合によりポリマーやモノマーを各々所定量秤量し、分散処理工程に供して顔料を分散させ、液状の顔料分散液とする。この分散処理工程では、例えば、ペイントコンディショナー、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理を行うことによって顔料が微粒子化されるため、この顔料分散体を用いた感光性樹脂組成物の塗布特性が向上する。
顔料を分散処理する際には、アルカリ可溶性樹脂、又は色素誘導体等を適宜併用してもよい。例えば、ビーズミルを用いて分散処理を行う場合は、0.1mmから数mm径のガラスビーズ、又はジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理する際の温度は通常0℃以上、好ましくは室温以上であり、通常100℃以下、好ましくは80℃以下の範囲に設定する。なお、分散時間は、顔料分散液の組成(含有される顔料、溶剤、分散剤等)、及びビーズミル等の装置の大きさなどにより最適な分散時間が異なるため、適宜調整することが望ましい。
(分散剤・分散助剤)
顔料分散剤として高分子分散剤を用いると経時の分散安定性に優れるので好ましい。高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。中でも、特に窒素原子を含有するグラフト共重合体からなる分散剤が、顔料を多く含む本発明の遮光性感光性樹脂組成物としては現像性の点で好ましい。
これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbik(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)等を挙げることができる。
これらの分散剤は、1種を用いてもよいが、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。
分散助剤としては、例えば色素誘導体等を用いることができる。色素誘導体としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもキノフタロン系が好ましい。
色素誘導体の置換基としては、例えばスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられる。この中でも、好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。色素誘導体の具体例としてはフタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。
これらの分散助剤及び色素誘導体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。後述する実施例で用いる色素誘導体を、下記表2に示した。
Figure 2011107473
(透明樹脂)
遮光層あるいは着色層として用いる感光性着色組成物は、上記顔料分散体に、さらに多官能モノマー、感光性樹脂ないし非感光性樹脂、重合開始剤、溶剤等を含有させる。感光性樹脂及び非感光性樹脂など本発明に用いることの可能な透明性の高い有機樹脂を総称して透明樹脂と呼ぶ。
透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、下記のメラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させたものを用いてもよい。
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明に用いる感光性着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂である透明樹脂を採用することが望ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はない。例えばエポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂等が挙げられる。中でもエポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、特にエポキシアクリレート系樹脂やノボラック系樹脂が好ましい。
(アクリル樹脂)
本発明に採用可能な透明樹脂の代表として、以下のアクリル系樹脂が例示できる。アクリル系樹脂は、単量体として、例えば(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートペンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエーテル基含有(メタ)アクリレート;及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等を使用した重合体が挙げられる。
なお、以上挙げた単量体は、単独で、または、2種以上を併用して使用することができ
る。さらに、これら単量体と共重合可能なスチレン、シクロヘキシルマレイミド、及びフ
ェニルマレイミド等の化合物の共重合体でもよい。
また、例えば(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基を有するカルボン酸を共重合
し、得られた共重合体と、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基及び不飽和二重結合
を含有する化合物とを反応させることや、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有
(メタ)アクリレートの重合体、又はそれとその他の(メタ)アクリレートとの共重合体
に、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸含有化合物を付加させることによって、感光性を
有する樹脂を得ることができる。
さらに、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート等のモノマーの、水酸基を有する重合体に、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基及びエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることによっても、感光性を有する樹脂を得ることができる。
また、上述したように、複数の水酸基を有するヒドロキシエチルメタクリレート等の共重合体と多塩基酸無水物を反応させて、共重合体にカルボキシル基を導入し、カルボキシル基を有する樹脂を得ることが出来る。その製造方法は、上記記載の方法のみに限るものではない。
上記の反応に用いる酸無水物の例として、例えばマロン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、及びトリメリト酸無水物等が挙げられる。
上述したアクリル系樹脂の固形分酸価は、20mgKOH/g以上180mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が20mgKOH/gより小さい場合には、感光性樹脂組成物の現像速度が遅すぎて現像に要する時間が多くなり、生産性に劣る傾向となる。また、固形分酸価が180mgKOH/gより大きい場合には、逆に現像速度が速すぎて、現像後でのパターンハガレやパターン欠けの不具合が生じる傾向となる。
さらに、上記アクリル系樹脂が感光性を有する場合、このアクリル樹脂の二重結合当量は100以上であることが好ましく、より好ましくは100以上2000以下であり、最も好ましくは100以上1000以下である。二重結合当量が2000を越える場合には十分な光硬化性が得られない場合がある。
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーの例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)ア
クリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、
N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得ら
れる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好まし
い。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせ
は任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレート
を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジ
クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル
、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香
酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾ
フェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系
化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソ
プロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系
化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト
−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキ
シ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4
−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4
’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジ
オン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセ
チル)-N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン
)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カ
ンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバ
ゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。
感度向上にオキシム誘導体類(オキシム系化合物)が有効である。これらは1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(増感剤)
重合開始剤と光増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤は、光重合開始剤100質量部に対して、0.1質量部から60質量部の量を含有させることができる。
(エチレン性不飽和化合物)
上記の光重合開始剤は、エチレン性不飽和化合物と共に用いることが好ましい。 エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。中でも、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部との現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。また、その不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来する(メタ)アクリレート化合物が更に好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等が挙げられる。 エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、例えば、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
(多官能チオール)
感光性着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオ
ネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグ
リコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリ
スチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロー
ルプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオ
グリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプ
ロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカ
プトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチル
アミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能
チオールは、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.2質量部以上150質量部以下、好ましくは0.2質量部以上100質量部以下の量で用いることができる。
(貯蔵安定剤)
感光性着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させ
ることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチル
ヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およ
びそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニ
ルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1質量部から10質量部の量で含有させることができる。
(密着向上剤)
また、前記感光性着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング
剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)ア
クリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル
)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シ
ランカップリング剤は、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.01質量部から100質量部で含有させることができる。
(溶剤)
前記感光性着色組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、水や有機溶剤
等の溶剤が配合される。また、上述した着色組成物がカラーフィルタの着色層を形成する場合、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いることが出来る。
溶剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、800質量部から4000質量部、好ましくは1000質量部から2500質量部で含有させることができる。
(膜厚/液晶厚み)
本発明に関わる技術は、前記したようにIPS(水平配向、横電界方式)やFFS(Fringe Field Switching)といった液晶駆動方式に好適であるが、カラーフィルタ上に透明電極を形成することでVA(垂直配向、縦電界方式)の液晶表示装置にも適用できる。カラーフィルタ上の透明電極と、対向する基板である液晶駆動素子(TFT)の形成されたアレイ基板の画素電極との間で 液晶の駆動電圧を印可する方式では、通常、液晶厚み(セルギャップ)は 薄い方が液晶の応答速度を高めることができる。上記した主要な液晶駆動方式では、液晶厚みは、およそ2μm以上4μm以下、特に3μm以上4μm以下の範囲である。また、液晶厚みを薄くした方が、斜め方向から見たときの着色(色変化)が小さくなるため、応答性や着色の改善の観点から、また、液晶材料の使用量の観点から液晶厚みは薄い方が良い。なお、着色画素の膜厚は、着色画素中央の表面から、当該着色画素の接している透明基板表面までの厚みを言う。
しかしながら、液晶厚みを薄くするほど、あるいは液晶の表示画面が大きくなるほど、液晶セル化時のゴミ・異物の影響が大きくなり、縦電界方式での液晶厚みはおよそ2μmが下限である。IPSやFFS方式では、カラーフィルタ側に透明電極を形成する必要がないため、混入する導電性ゴミによる対向ショート(電気的短絡)が発生しにくい。導電性ゴミの観点からは、IPSやFFS方式のほうが液晶厚みを薄くできる。液晶層厚みを薄くするため、用いる液晶の屈折率異方性Δnは 0.08より大きいものを用いることが望ましい。
従って、本発明に係るカラーフィルタ基板の遮光層および着色画素の膜厚は、上記の液晶厚みに近い膜厚となり、例えば0.6倍から1倍となる。着色層の積層スペーサは、下地としてあらかじめ形成する台座の厚みでその高さを微調整できる。本発明に関わる遮光層の光学濃度ODは、高い方が好ましく、OD値で3以上あることが望ましい。着色画素の膜厚は、着色画素形成に用いる感光性の着色組成物の固形比(溶剤量、粘度)、塗布条件で制御できる。着色画素の分光特性を変えずに膜厚をコントロールする場合は、単位面積に塗布される顔料割合が一定になるように樹脂ほかの透明材料の比率を変えればよい。
むろん、本発明は、画面サイズの小さい液晶表示装置や液晶セル化技術の進展から2μmを下回る遮光層および着色画素の膜厚にも対応できる。カラーフィルタでの色再現を考慮した着色層の厚みは以下のようになる。すなわち、透過型ディスプレイ(液晶表示装置の裏面に蛍光灯やLEDなどの光源を裏面に配した表示装置)では、色純度を保持する(換言すれば単位面積あたり顔料濃度を一定に保つ)ためには着色層の厚みの下限は、0.6μm前後である。高い顔料濃度で公知のフォトリソグラフィの手法でパターン形成できるのは0.6μmがほぼ限界である。反射型ディスプレイであれば、外部から入射する光はアルミニウムなどの反射電極で反射されカラーフィルタを2回通過して視認されるため、着色層は、その半分の0.3μmの膜厚が下限である。
なお、駆動する電極の密度や配置・駆動方法により、着色層の厚みを透過部と反射部を同一として半透過型ディスプレイとしても良い。たとえば、特開2007−34151号公報に示される技術を用いて、アレイ基板側に透明導電性膜による櫛歯状の画素電極と、ベタ状の反射電極(例えばアルミニウムや銀などの金属の薄膜)を形成した反射型や半透過型ディスプレイ向けカラーフィルタに、本発明の技術が適用可能である。後述する実施例でのTFT基板に配設される共通電極を、反射電極としても良い。
(台座及びスペーサ)
本発明に係るスペーサ用台座は、少なくとも、後述するスペーサが形成される部分とTFTなどアクティブ素子の遮光に必要な部分にのみ形成すればよい。また、本発明に係るスペーサ用台座は、額縁部である遮光層と同一材料で同時に形成することが望ましい。具体的には、グレートーン(階調マスク)の類の透過率の異なる複数種のパターンを形成したフォトマスク、あるいは、台座のパターンサイズより小さな開口部(開口部の大きさ調整で露光量を調節する)や開口形状を工夫した開口部を形成したフォトマスクを用いた露光及び露光後の現像以降のフォトリソグラフィの手法により、遮光層と台座を同時に形成することができる。フォトマスクとして、遮光パターンを金属クロムの薄膜、半透過部をITOなどの金属酸化物膜、さらにこれらの膜形成のない透過部をもつフォトマスクを用いても良い。金属酸化物膜は、成膜条件や膜厚で透過率を調整できるメリットを持つ。
本発明者らは、台座の膜厚の好適な範囲について検討した。即ち、台座の膜厚を変化させて、台座上の着色層の膜厚を測定したところ、図4に示す結果を獲た。図4に示すように、台座の膜厚は1.0μm以下であれば その上に積層される着色層の膜厚を安定して得やすいことがわかる。これに対し、台座膜厚が1.0μmを超えてくると、その上に積層される着色層の膜厚は急な変化を生じて薄くなり、不安定となる。台座膜厚が0.4μm未満では、フォトリソグラフィの工程で安定した膜厚を得にくい。そのため、台座の膜厚は、0.4μm以上1.0μm以下が好ましい範囲となる。なお、後述するブラックマトリクスの膜厚は、0.4μm以下の薄い膜厚で形成しても良く、あるいはブラックマトリクスの形成を省いても良い。
台座のパターンは、液晶を駆動するTFTなどアクティブ素子に入射する光による光電流の発生を抑制する機能を有するため、遮光パターンとして併用できる。TFTなどのアクティブ素子の遮光は、光学濃度が1あれば十分なため、0.4μm以上1.0μm以下の台座の膜厚と着色画素の重畳部膜厚とを加算した膜厚であれば、遮光の機能を十分に果たすことが出来る。
丸みを帯びた形状のスペーサを形成する場合には、他の2色と比較して顔料含有量が少なく、流動性のある青色着色層を3層積層や2層積層のスペーサの最上層とすることができる。
本発明に係るカラーフィルタ基板では、青色画素、赤色画素、緑色画素の他に、黄色画素などの補色による着色画素、あるいは白色(透明)画素を設けた4色以上のカラーフィルタとしても良い。また、図1及び図3に示すように、液晶厚みにあわせた高さのスペーサ(メインスペーサ)5の他に、高さの低いサブスペーサ6を配設しても良い。メインスペーサ5が3層積層である場合は、たとえば2層積層のサブスペーサ6を額縁部のみに配設しても良い。サブスペーサ6は、単層の着色層としても良いし、小径のスペーサとすることで高さを低減させて用いても良い。
本発明に係るカラーフィルタ基板は、近い将来に薄い液晶厚みの液晶表示装置に適用できるものであるが、薄い液晶厚みでは、たとえば 液晶の封入口近くのスペーサ形成の配置を変えるなど、液晶セル化時の液晶材料の流れを勘案してスペーサの数やレイアウトを調整しても良い。
本発明に係るカラーフィルタ基板において、遮光層2と台座4,4’は、後述するように、同一のフォトリソグラフィの工程で形成することが出来る。複数のスペーサ5の高さは略同一となるが、液晶セル化の際のマージン0.1μm程度を液晶厚みに加算した高さであるのが好ましい。また、スペーサ5を形成していない台座4’は、赤色画素3R、緑色画素3G、青色画素3Bの開口率の調整及びTFTなどアクティブ素子の遮光目的で配設してあることは、上述した通りである。
本発明に係るカラーフィルタ基板において、台座4とスペーサ5は、着色画素単位に,
例えば画素の長手方向の中央(画素中央あるいは画素長辺の中央部一ヶ所)に形成し、これらスペーサを液晶配向制御機能を兼ねる構造物とすることもできる。
このようなスペーサと液晶配向制御機能とを兼ねる構造物の平面視形状は、円形、菱形、多角形などを採用することができる。液晶表示素子を駆動するTFT素子も、これらスペーサの位置に合わせて、画素の長手方向中央に形成することが出来る。例えば、平面視菱形の液晶配向制御構造物としたとき、TFT基板側の画素電極は菱形の同心形状のスリット状(くの字形状で透明電極の開口部とパターンを交互)でスペーサを囲むように配設すればよい。垂直配向の液晶をFFS方式で駆動するときに特に有効である。
また、このようなスペーサと配向制御用構造物とを兼ねる構成は、実質的に液晶表示装置の開口率を上げ、明るさを向上することができる。一般に、配向制御用構造物は、その高さを高く形成するか、あるいは高い密度で形成することにより、液晶分子の応答性を向上することができるが、これらの技術は、実質的に画素の開口率の低下につながる。これに対し、スペーサと配向制御用構造物を兼用する構成では、開口率低下にはつながらない。
また、このような構成のスペーサは、着色層の熱硬化時に流動性が豊かな、例えば、青色着色層を最上層としてスペーサ全体を覆うことにより、滑らかな断面形状を得ることができる。
(ブラックマトリクスの膜厚)
図6は、本発明の他の実施形態に係るカラーフィルタ基板における、遮光層2、台座4、ブラックマトリクス8、赤色画素3R、緑色画素3G、青色画素3B及び台座4上に積層された3色の着色層の積層によるスペーサ5、2色の着色層の積層によるサブスペーサ6の平面視配置を示す図である。即ち、図6には、赤色画素3R、緑色画素3G、及び青色画素3Bからなる3色の着色画素を区分するブラックマトリクス8が設けられている。
遮光層2、台座4、ブラックマトリクス8は、後述するように、同一のフォトリソグラフィの工程により、同一材料で形成される。なお、複数のスペーサ5の高さは略同一となるが、高さの調整は、台座の厚み、着色層の選択、カラーフィルタ製造工程における塗布・現像・硬膜等のプロセスの条件、スペーサ径(大きさ)などにより、種々調整可能である。また、スペーサ5を形成していない台座4’は、赤色画素R、緑色画素G、青色画素Bの開口率調整及びTFTなどアクティブ素子の遮光目的で配設してあることもまた、図3に示す構成と同様である。
本発明者らによると、額縁部(遮光層)と同一材料によるブラックマトリクス8の膜厚が、平坦性向上に影響することが確認されている。なお、ブラックマトリクス8は、通常、コントラストの向上の目的のため、着色画素を囲むように形成する格子状の遮光パターンであるが、ストライプ状に画素長手方向に形成しても良い。なお、図3に示すように、ブラックマトリクス8を省いたカラーフィルタ基板であっても良い。
図5は、ブラックマトリクスの膜厚を変化させた場合の、ブラックマトリクス上で重畳する着色画素端部の突起の高さの変化を示す特性図である。図5に示す結果から、ブラックマトリクスの膜厚が1.1μmを超えると、その上の色画素端部の突起の高さは著しく高くなり、液晶配向に好ましくない高さとなる。ブラックマトリクスの膜厚が、1μm以下、特に0.8μm以下の場合には、着色画素端部の突起高さは0.25μm以下、さらには0.2μm以下の低い高さとなることがわかる。
従って、ブラックマトリクスの膜厚を薄くすることにより、着色画素の膜厚のバラツキを含めた平坦性は、±0.15μmを下回る良好な平坦性を確保することが可能であり、IPS方式やFFS方式などの高画質液晶表示装置の高い要求に応えるカラーフィルタを提供することができる。即ち、人の目の視感度が高い緑の波長550nmの1/4波長のレンジ(±0.15μm)以内の高い平坦性を有するカラーフィルタが得られ、液晶表示素子の着色ムラを減らすことができる。
薄いブラックマトリクスは、上述した台座と同様、グレートーンマスクやハーフトーンマスクなどを用いるフォトリソグラフィの手法で、遮光層と同時に形成することができる。あるいは、レーザー露光を用いて、遮光層とブラックマトリクスの露光量を、ショット回数を変えることにより膜厚差を付けることで形成しても良い。なお、図5は、0.4μm未満の膜厚を示していないが、ブラックマトリクスの膜厚が0.4μm未満であっても、その上に重畳された突起の高さは、同様に低くなることを本発明者らは確認している。
遮光層(額縁部)とは異なり、ブラックマトリクスの遮光性はさほど要求されないので、本発明ではブラックマトリクスの形成を省き、異なる色の着色層の重畳のみでブラックマトリスの代替とすることも可能である。なお、透過型液晶表示装置の裏面に配設される光源(バックライト)からの光は、TFTなどアクティブ素子の走査線や信号線で遮光することができる。
(着色画素の重畳形状)
TFT用露光装置として、アライメント精度が3σで1.5μmの高精度の装置が市販されている。カラーフィルタ基板の場合、TFTの金属配線と異なり、有機物(例えばブラックマトリクスなどの感光性着色組成物)に付されたアライメントマークを用いる。また、積層していく着色層も同様に有機物であり、膜厚も1μmから4μmとTFT配線と比較して厚く、パターンエッヂにテーパが形成されるため、そのアライメント精度は、3σで4.5μmは少なくとも必要となる。
上述したように、IPS方式、VA方式、及びFFS方式の液晶表示装置の液晶層の厚みは、およそ2μm以上4μm以下である。通常、カラーフィルタ基板の着色層の厚みは、その液晶層の厚みの0.6倍〜1倍程度である。従って、本発明の一実施形態に係るカラーフィルタ基板における着色層の厚みは、1.2μm以上4μm以下となる。なお、ブラックマトリクスの画線幅は、モバイル(小型)液晶表示装置向けと大型TV向けで異なるが、およそ5μm以上30μm以下である。画素の開口率を優先するとすれば、上述したように、ブラックマトリクスの形成を省いても良い。
図7に厚い膜厚の着色画素12のパターンエッヂ形状を、図8に薄い膜厚の着色画素13のパターンエッヂ形状をそれぞれ示す。アライメントに関わるパターンエッヂの長さm、nを4.5μmとし、着色画素12の膜厚s,着色画素13の膜厚tに、上述した着色層の厚み1.2μm以上4μm以下を適用し、そのパターンエッジのテーパ角度θ,θ(着色画素端部の透明基板11の面となす角度)を計算すると、その角度範囲は、約15°以上40°以下となる。従って、着色層12,13の膜厚s,tにもよるが、良好な平坦性を得るためには、15°以上40°以下のテーパ角度で着色画素の端部形状を形成することが望ましい。着色画素の端部のテーパ角度が40°を超えると、良好な平坦性が得られず、15°未満のテーパ角度を得ることは困難である。
なお、着色画素の端部形状は、重合開始剤の量、現像方法、露光量などを変えるなど、種々の方法で制御することができる。着色画素の平面視形状は、着色画素の連続したストライプ形状であるのが好ましい。
本発明に係るカラーフィルタ基板上に、カラーフィルタ表面の微妙なテクスチャー(0.1μm以下の表面の凹凸)をカバーする目的や、電気絶縁性を向上させる観点で、透明樹脂からなる保護層や絶縁層を積層しても良い。スペーサの高さをある程度確保するために、透明樹脂の分子量を大きくするなどの工夫により、追随性を確保(平坦性確保と逆の方向)しやすい保護層を形成することができる。保護層を、たとえば 0.05μmから0.3μmの薄い膜厚で塗布形成することで、スペーサの高さを確保することができる。
保護層は、配向膜を兼ねても良いし、あるいは、光配向をアシストする添加剤(たとえば紫外線吸収剤)を含有するものであっても良い。さらに、ITOなどと呼称される金属酸化物の薄膜による透明導電膜を形成しても良い。また、遮光層と同じ材料で、突起をあらかじめ画素内に形成し、その上にさらに着色層を積層して配向制御用構造物として用いても良い。
また、スペーサと配向制御用構造物を兼用しても良い。例えば、TFT基板側の液晶を駆動するTFT素子と、カラーフィルタ基板側の台座とを向かい合うように画素中心に形成することで、垂直配向の液晶ディスプレイのスペーサと配向制御用構造物とを兼用することができる。
透明導電膜は、櫛歯状に形成しても良く、液晶配向制御を目的に、これに開口部であるスリットを形成しても良い。
(遮光層材料/黒色組成物の調製)
(顔料分散体RD1)
着色剤としてC.I.ピグメントレッド254/C.I.ピグメントレッド177=80/20(重量比)混合物20部、分散剤としてBYK−2001を5部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75部を、ビーズミルにより分散処理して、顔料分散体(RD1)を調製した。
(顔料分散体YD1)
着色剤としてC.I.ピグメントイエロー150を20部、分散剤としてソルスパース24000を5部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75部を、ビーズミルにより分散処理して、顔料分散体(YD1)を調製した。
(顔料分散液BD1)
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6を20部、分散剤としてアジスパーPB−821を5部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75部を、ビーズミルにより処理して、顔料分散体(BD1)を調製した。
(顔料分散液VD1)
着色剤としてC.I.ピグメントバイオレット23を20部、分散剤としてアジスパーPB−821を5部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75部を、ビーズミルにより処理して、顔料分散体(VD1)を調製した。
(樹脂溶液(P1)の合成)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら加熱して、下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を滴下して重合反応を行った。
スチレン 60部
メタクリル酸 60部
メチルメタクリレート 65部
ブチルメタクリレート 65部
熱重合開始剤 10部
連鎖移動剤 3部
滴下後十分に加熱した後、熱重合開始剤2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させた溶液を添加し、さらに反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。
この樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製し、樹脂溶液(P1)とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約10000であった。
(黒色組成物)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルタで濾過して黒色組成物を得た。この黒色組成物は、後述する実施例において、遮光層及び台座の形成に用いる。
上記顔料分散液(RD1) 21部
上記顔料分散液(BD1) 17部
上記顔料分散液(YD1) 4部
樹脂溶液(P−1) 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.8部
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア−369」) 2.8部
光増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
シクロヘキサノン 36.2部
この黒色組成物を用いて、塗布し、硬化させた膜厚1μmのもので、およそ1.8の光学濃度(OD値)の遮光層を得ることができる。塗布条件により、膜厚の調整が可能である。また、樹脂溶液の成分(固形分)比の調整により、濃度を制御することも可能である。なお、この黒色組成物には、緑色有機顔料は遮光性が悪いため、添加をしていない。
(光学濃度(OD)の測定)
光学濃度(OD値)は、物質が光を吸収する程度を表わす特性値であり、光路長が一定のとき、OD値が大きいほど物質の濃度が高いことを示す。本発明に係るカラーフィルタ基板における光学濃度(OD値)は、下記数式(1)により表される。上記した黒色組成物を用いて得た測定試料を、オリンパス社製分光器OSP−200を用いて、C光源での三刺激値Yを測定し、下記式により光学濃度(OD)を算出した。
光学濃度(OD)=−log(Y/100)
(但し、YはC光源での三刺激値Yである)
測定試料は、次のようにして得た。まず、有機溶剤で希釈して濃度調整した黒色組成物Blkをガラス基板上に1μmの厚さに塗工し、自然乾燥させた。次いで、ホットプレートにて90℃で1分間加熱して、余剰の溶剤を除去乾燥させた。その後、230℃にて1時間オーブンで焼成を行って、遮光層の光学濃度測定試料とした。
この測定試料について光学濃度(OD)を測定したところ、およそ1.8の値を得た。なお、後述する実施例の遮光層(膜厚2.5μm)では、光学濃度を約4.5とした。
(着色画素材料/着色組成物の調製)
[顔料製造例R2]
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB-CF」;R−1)100部、色素誘導体(D−1)18部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。
この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして、食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部のソルトミリング処理顔料(R2)を得た。
[顔料製造例R3]
アントラキノン系赤色顔料PR177(チバスペシャリティケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(D−2)8部、粉砕した食塩700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、102部のソルトミリング処理顔料(R3)を得た。
[顔料製造例R4]
スルホン化フラスコにtert−アミルアルコール170部を窒素雰囲気下において装填した。これにナトリウム11.04部を添加し、この混合物を92〜102℃に加熱した。溶融したナトリウムを激しく撹拌しながら100〜107℃で一晩保持した。
得られた溶液に、4−クロロベンゾニトリルの44.2部およびジイソプロピルスクシナートの37.2部を80℃でtert−アミルアルコールの50部中に溶解した溶液を、80〜98℃で2時間かけて導入した。導入後、この反応混合物を80℃でさらに3時間撹拌し、同時にジイソプロピルスクシナートの4.88部を滴下添加した。
この反応混合物を室温に冷却し、メタノール270部、水200部、および濃硫酸48.1部からなる20℃の混合物へ添加し、20℃で攪拌を6時間続けた。得られた赤色混合物を濾過し、残留物をメタノールと水とで洗浄した後、80℃で乾燥して、46.7部の赤色顔料(R4)を得た。
[顔料製造例G2]
塩化アルミニウム356部および塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタ
ロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却して1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。
この反応液を水3200部に徐々に注入した後、濾過し、水洗して、107.8部の粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素化数は14.1個、平均塩素数は1.9個であった。なお、本実施例においては、臭素化数を限定するものではない。
得られた粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料120部、粉砕した食塩1600部、
およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)
に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサー
で約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた
後、80℃で24時間乾燥し、117部のソルトミリング処理顔料(G2)を得た。
[顔料製造例Y2]
セパラブルフラスコに水150部を仕込み、さらに攪拌しながら35%塩酸63部を仕
込み、塩酸溶液を調製した。発泡に注意しながらベンゼンスルホニルヒドラジド38.7
部を仕込み、液温が0℃以下になるまで氷を追加した。冷却後、30分かけて亜硝酸ナト
リウム19部を仕込み、0〜15℃で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙で着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。
次に、バルビツール酸25.6部を添加後、55℃まで昇温し、2時間そのまま撹拌した。次いで、バルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温したのち、pHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで温度を下げ、濾過、温水洗浄を行った。
得られたプレスケーキを1200部の温水にリスラリーした後、80℃で2時間攪拌した。その後、そのままの温度で濾過を行い、80℃の水2000部で温水洗浄を行い、ベンゼンスルホンアミドが濾液側へ移行していることを確認した。得られたプレスケーキを80℃で乾燥し、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.0部を得た。
その後、セパラブルフラスコに水200部を仕込み、さらに撹拌しながら、得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末8.1部を投入して分散した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温した、メラミン5.7部、ジアリルアミノメラミン1.0部を添加した。
さらに、塩化コバルト(II)6水和物6.3部を水30部に溶解した緑色溶液を30分
かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。その後、pHを5.5に調整し、さらにキシレン4部、オレイン酸ナトリウム0.4部、水16部をあらかじめ攪拌してエマルジョン状態とした溶液20.4部を添加し、4時間加温撹拌した。70℃まで冷却した後、速やかに濾過し、無機塩が洗浄できるまで70℃で温水洗を繰り返した。 その後、乾燥、粉砕の工程を経て、14部のアゾ系黄色顔料(Y2)を得た。
[顔料製造例B2]
銅フタロシアニン系青色顔料PB15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーE
S」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステン
レス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部のソルトミリング処理顔料(B2)を得た。
[顔料製造例V2]
LIONOGEN VIOLET RL(東洋インキ製造製)300部を96%硫酸3000部に投入し、1時間撹拌した後、5℃の水に注入した。1時間撹拌した後、濾過し、温水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、70℃で乾燥した。
得られたアシッドペースティング処理顔料を120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、90℃で18時間混練した。次いで、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過し、水洗して、塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除去し、80℃で24時間乾燥して、118部のソルトミリング処理顔料(V2)を得た。
(樹脂溶液(P2)の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃
に加熱して、同温度で下記のモノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下し
て重合反応を行った。
スチレン 70.0部
メタクリル酸 10.0部
メタクリル酸メチル 65.0部
メタクリル酸ブチル 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて、樹脂溶液を合成した。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加して、アクリルの樹脂溶液(P2)を調製した。
(顔料分散体および着色組成物の調製)
下記表3に示す組成(重量部)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散し、5μmのフィルタで濾過して、赤色、緑色、青色の顔料分散体を得た。
Figure 2011107473
その後、下記表4に示すように 顔料分散体アクリル樹脂溶液(P2)、モノマー、重合開始剤、増感剤、及び有機溶剤からなる混合物を混合撹拌した後、5μmのフィルタでろ過し、赤色、緑色、青色のそれぞれ着色組成物を得た。以下の実施例では、下記表4の着色組成物を用いて、赤色画素、緑色画素、青色画素を形成した。
Figure 2011107473
以下の実施例で詳述しないが、下記表5には、膜厚3μmで形成できる赤色画素、緑色画素、青色画素向けのそれぞれの着色組成物を、また、下記表6には、膜厚2μmで形成できる赤色画素、緑色画素、青色画素向けのそれぞれの着色組成物を示した。
膜厚2μm構成での黒色組成物の色剤には、上記のような有機顔料のほかに、樹脂被覆等のカーボン表面処理で誘電率を下げたカーボンを少量添加して遮光性をあげ、かつ、比誘電率を4以下にすることができる。これらの黒色組成物・着色組成物を用いて、遮光層と着色層の膜厚を2μmとして、以下の実施例と同様にカラーフィルタ基板を製造できる。膜厚を厚く形成できる着色組成物を用いることにより、スペーサを2層で形成できる。また、液晶厚みの薄い液晶セルであればこれにあわせてスペーサを着色層の2層で形成しても良い。
Figure 2011107473
Figure 2011107473
実施例1
(カラーフィルタの作製)
図1に示すように、透明基板1上に、遮光層2、赤色画素3R、緑色画素3G、青色画素3B、0.6μm厚みの台座4、また、赤色積層部5R、緑色積層部5G、青色積層部5Bの積層によるスペーサ5を形成した。なお、遮光層2と台座4は、前記した黒色組成物を塗布し、乾燥した後、グレートーンフォトマスク(遮光層パターンと台座パターンにそれぞれ透過率差をつけたフォトマスク)を用いて、一回の露光・現像及び熱処理による硬膜処理にて、透明基板1上に形成した。
遮光層2と着色層(赤色画素3R、緑色画素3G、青色画素3B)の膜厚は、いずれも2.5μmとした。また、スペーサ5の底辺の大きさは30μmとし、スペーサ5を構成する赤色着色層の積層部5Rの台座4への乗り上げ高さは2.2μm、高さ0.6μmの台座4で調整したスペーサ5の高さhは3.65μmとした。対象とする液晶表示装置の液晶厚みは、3.6μmである。
図2に示す台座4上の突起高さdは、青色画素側で0.1μm、緑色画素側で0.17μmと低く、平坦性は良好であった。
実施例2
(液晶表示装置の作製)
図9に示す構成の液晶表示装置を作製した。
カラーフィルタ基板21とTFT基板22を対向して配置し、それらの間に基板面と並行に配向するIPS方式の液晶層23を挟持して、液晶表示装置とした。なお、偏光フィルム、位相差フィルム、配向膜の図示は省略した。
TFT素子24と電気的に接続される画素電極25は、透明導電膜からなる櫛歯状パターンとし、図示していないが、共通電極が絶縁層を介して画素電極下部に配設してある。カラーフィルタ基板21としては、図1に示す実施例1で得たものと同じものを用い、液晶層23の厚みは、3.6μmの設定とした。
本実施例において、カラーフィルタ基板21は、遮光層と着色層が同じ膜厚であり、余分な突起構造物がないため、スムーズで均一な液晶の充填をすることができ、画像表示も極めて均質であり、良好であった。着色画素周辺や遮光層と表示領域との境界部での液晶配向の乱れもなく、光漏れのない高画質の液晶表示装置が得られた。
なお、上記絶縁層の膜厚が薄い場合、画素電極と共通電極間に形成されるアーチ状の電気力線により絶縁層を介しての液晶駆動が可能であり、高透過率の液晶表示装置を提供することできる。上述したように、本発明は、液晶駆動方式について、IPS方式に限定するものでない。
1,11・・・透明基板
2・・・遮光層
3R・・・赤色画素
3G・・・緑色画素
3B・・・青色画素
4,4’・・・台座
5・・・スペーサ
5R・・・赤色積層部
5G・・・緑色積層部
5B・・・青色積層部
6・・・サブスペーサ
7・・・突起
8・・・ブラックマトリクス
12,13・・・着色画素
21・・・カラーフィルタ基板
22・・・TFT基板
23・・・液晶層
24・・・TFT素子
25・・・画素電極。

Claims (8)

  1. 透明基板上に、有機顔料を主たる色材とする遮光層を有効表示領域の外周に配置するとともに、3色以上の着色層からなる着色画素を有効表示領域に形成したカラーフィルタ基板において、
    前記有効表示領域内に形成された、前記遮光層と同一材料からなり、前記遮光層より薄い、0.4μm以上1.0μm以下の膜厚を有するスペーサの台座、及びこの台座上に形成された複数色の着色層の積層からなるスペーサとを具備し、
    前記遮光層と着色層の膜厚が略等しく、液晶表示装置を構成したときの液晶層の厚みと、前記台座上に形成されたスペーサの前記着色画素上に突出する部分の高さとが略等しいことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 前記着色層の一つが、ハロゲン化亜鉛フタロシアニンを主たる色材とする緑色着色層であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
  3. 前記有効表示領域内に、前記遮光層と同一材料からなる、前記遮光層より薄い膜厚を有するブラックマトリクスを配設したことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ基板。
  4. 前記着色画素の隣接部が、それぞれの着色画素の端部の傾斜部分で重畳されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  5. 前記透明基板面に対する前記着色画素の端部の傾斜角度が、15°以上40°以下であることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ基板。
  6. 前記有効表示領域内において、前記着色画素同士の重畳部に形成される突起の高さが、0.25μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ基板。
  7. 前記有効表示領域内において、前記着色画素の長手方向中央に液晶配向制御用構造物を兼ねるスペーサを配設したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルタ基板を具備することを特徴とする液晶表示装置。
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