JP2012037666A - 半透過型液晶表示装置用基板および半透過型液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より明るい半透過型液晶表示装置を提供することを可能とする、半透過型液晶表示装置に最適な半透過型液晶装置用基板、及びそのような基板を備える半透過型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】透明基板上に形成されたブラックマトリクス19と、セルギャップ調整層5’と、前記ブラックマトリクス及びセルギャップ調整層を覆うように形成された透明導電膜3と、前記透明導電膜上に形成され、前記ブラックマトリクスの上方に凹部23を形成し、前記セルギャップ調整層の上方に凸部24を形成する透明樹脂層4とを具備し、前記複数の矩形画素は、前記セルギャップ調整層を中心に対称に、中心に近い側から透過部T及び反射部Rの順で構成され、前記透過部Tでは透明導電膜上に前記透明樹脂層が積層され、前記反射部Rでは、前記セルギャップ調整層上に前記透明導電膜及び透明樹脂層がこの順に積層されていることを特徴とする半透過型液晶表示装置用基板。
【選択図】図1
【解決手段】透明基板上に形成されたブラックマトリクス19と、セルギャップ調整層5’と、前記ブラックマトリクス及びセルギャップ調整層を覆うように形成された透明導電膜3と、前記透明導電膜上に形成され、前記ブラックマトリクスの上方に凹部23を形成し、前記セルギャップ調整層の上方に凸部24を形成する透明樹脂層4とを具備し、前記複数の矩形画素は、前記セルギャップ調整層を中心に対称に、中心に近い側から透過部T及び反射部Rの順で構成され、前記透過部Tでは透明導電膜上に前記透明樹脂層が積層され、前記反射部Rでは、前記セルギャップ調整層上に前記透明導電膜及び透明樹脂層がこの順に積層されていることを特徴とする半透過型液晶表示装置用基板。
【選択図】図1
Description
本発明は、半透過型液晶表示装置用基板及びこれを備える半透過型液晶表示装置に関する。特に、本発明は、一方の基板、例えばカラーフィルタ基板に配設した透明導電膜と、他方の基板、例えばアレイ基板側に設けた第1及び第2の電極との間に電圧を印加することにより生じる斜め電界による液晶の駆動に最適な半透過型液晶表示装置用基板、及びこれを備える半透過型液晶表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイなどの薄型表示装置のさらなる高画質化、低価格化および省電力化が求められている。液晶表示装置向けカラーフィルタにおいては、十分な色純度や高いコントラスト、平坦性など、より高画質表示に合わせた要求がでてきている。
高画質液晶ディスプレイにおいて、VA(Vertically Alignment)、HAN(Hybrid-aligned Nematic)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Bend)、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)などの液晶の配向方式あるいは液晶駆動方式が提案され、それにより、広視野角・高速応答のディスプレイが実用化されている。
液晶をガラスなどからなる基板面に並行に配向させた広視野角で高速応答に対応しやすいVA方式、また広視野角に有効なHAN方式などの液晶表示装置では、カラーフィルタに対する平坦性(膜厚の均一性やカラーフィルタ表面の凹凸の低減)と誘電率など電気的特性について、さらに高いレベルが要求されている。このような高画質液晶ディスプレイでは、斜め方向視認での着色の低減のため、液晶セル厚(液晶層の厚み)を薄くする技術が主要な課題となっている。
VA方式では、MVA(Multi-Domain Vertically Alignment)、PVA(Patterned Vertically Alignment)、VAECB(Vertically Alignment Electrically Controlled Birefringence)、VAHAN(Vertical Alignment Hybrid-aligned Nematic)、VATN(Vertically Alignment Twisted Nematic)等の種々の改良モードの開発が進んでいる。また、VA方式などの液晶の厚み方向に駆動電圧を印加する縦電界方式の液晶表示装置では、より高速の液晶応答、広い視野角技術、より高い透過率が主要な課題となっている。MVA技術は、液晶駆動の電圧印加時に不安定な垂直配向液晶(基板表面に対し初期に垂直に配向している液晶が電圧印加時に倒れる方向が定まりにくいこと)の問題を解消するために、リブやスリットと呼称される液晶配向規制用構造物を複数設け、これらのリブ間に液晶ドメインを形成するとともに複数の配向方向のドメインを形成することにより、広い視野角を確保する技術である。特許文献1には、第1及び第2の配向規制構造物(リブ)を用いて液晶ドメインを形成する技術が開示されている。
また、特許文献1には、光配向を用いて4つの液晶ドメインを形成する技術が開示されている。当特許文献は、広い視野角を確保するためにそれぞれドメインでの厳密なチルト角(例えば89度)制御に係わる複数回の配向処理と、かつ、ドメイン形成のため、それぞれ平面視90度異なる配向軸の必要なことが開示されている。
液晶が負の誘電率異方性の場合、具体的には、カラーフィルタなどの上に形成した2つの樹脂製のリブ間に位置する液晶は、駆動電圧の印加時に、例えば、平面視で、このリブに垂直な方向に倒れ、基板面に水平に並ぼうとする。しかし、2つのリブ間の中央の液晶は、電圧印加にも関わらず倒れる方向が一義的に定まらず、スプレー配向やベンド配向をとることがある。このような液晶の配向乱れは、液晶表示でのざらつきや表示ムラにつながっていた。また、MVA方式の場合、上記問題も含め、液晶の倒れる量を駆動電圧で細かく制御することが難しく、中間調表示に難点があった。
このような問題を解決するため、カラーフィルタ基板側の透明導電膜(透明電極、表示電極あるいは第3電極)と、アレイ基板側の第1及び第2の電極を用い、これらの電極に電圧が印加されることにより生ずる斜め電界により垂直配向の液晶を制御する技術が、特許文献2および特許文献3に開示されている。特許文献2では、負の誘電率異方性の液晶を用いており、特許文献3には、正の誘電率異方性の液晶が記載されている。
特許文献2や特許文献3に示されるように、第1と第2と第3の電極を用い、斜め電界にて液晶配向を制御する手法は極めて有効である。斜め電界により、液晶の倒れる方向を設定することができる。また、斜め電界により液晶の倒れる量を制御しやすくなり、中間調表示に大きな効果が出てくる。
しかし、これらの技術でも、液晶のディスクリネーション対策が不十分である。ディスクリネーションとは、意図しない液晶の配向乱れや未配向により光の透過率の異なる領域が画素(画素は、液晶表示の最小単位で、本発明で表記の矩形画素と同義)内に生じる問題である。
特許文献2では、画素中央のディスクリネーション固定化のため、対向電極(第3の電極)の画素中央に透明導電膜のない配向制御窓を設けている。しかし、画素周辺のディスクリネーションの改善策は開示されていない。また、画素中央のディスクリネーション固定化はできるものの、ディスクリネーションの最小化への方策も示されていない。さらに、液晶の応答性の改善技術についても記載されていない。
特許文献3では、透明導電膜(透明電極)上に誘電体層を積層した分、斜め電界の効果が増長され、好ましい。しかし、特許文献3の図7に示されるように電圧印加後も画素中央および画素端部には垂直配向の液晶が残り、透過率あるいは開口率の低下につながる問題がある。また、正の誘電率異方性の液晶を用いる場合(特許文献3は、負の誘電率異方性の液晶はその記載・実施例において開示していない)、画素中央部のディスクリネーションのため、透過率を向上させにくい。このため、半透過型液晶表示装置では採用しにくい技術となっている。
通常、VA方式やTN方式などの液晶表示装置の基本的構成は、共通電極を備えたカラーフィルタ基板と、液晶を駆動する複数の画素電極(例えば、TFT素子と電気的に接続され、櫛歯状パターン状に形成された透明電極)を備えたアレイ基板とで、液晶を挟持する構成である。この構成では、カラーフィルタ上の共通電極とアレイ基板側に形成された画素電極との間に駆動電圧を印加して液晶を駆動する。画素電極やカラーフィルタ表面の共通電極としての透明導電膜は、通常、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Garium Zinc Oxide)などの導電性の金属酸化物の薄膜を用いる。
青色画素・緑色画素・赤色画素及びブラックマトリクスなどを備えるカラーフィルタを開示する技術として、例えば、ブラックマトリクスと着色画素上に透明導電膜を形成し、さらにオーバーコートを積層する技術が特許文献4に開示されている。しかし、特許文献4には、半透過型液晶表示装置において液晶のディスクリネーションを軽減し、斜め電界活用により液晶表示を向上させる技術は開示されていない。
負の誘電率異方性の液晶を用いた半透過型液晶表示装置であって、カラーフィルタ上の共通電極に電極スリット(電極開口部)を設け、さらに透過部のカラーフィルタである画素上に凸状部を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5には、透過部のカラーフィルタである画素の中央に凸状部を設け、さらに電極スリットにて配向の乱れ(ディスクリネーション)を生じさせにくくする技術が開示されている。しかし、透過部及び反射部のそれぞれ画素の中央部のみの液晶を対象としており、画素端部や画素のコーナー部でのディスクリネーションについては触れておらず、その対応策を考慮していない。従って、ディスクリネーションの最小化への方策を示しておらず、さらに、液晶の応答性の改善技術についても記載されていない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされ、一方の基板に配設した透明導電膜と、他方の基板側に設けた第1及び第2の電極との間に電圧を印加することにより生じる斜め電界による液晶の駆動に最適な半透過型液晶表示装置用基板、及びこれを備える半透過型液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、透明基板上に形成された、複数の矩形画素を区分する開口部を有するブラックマトリクスと、前記矩形画素の中央に形成されたセルギャップ調整層と、前記ブラックマトリクス及びセルギャップ調整層を覆うように形成された透明導電膜と、前記透明導電膜上に形成され、前記ブラックマトリクスの上方に凹部を形成し、前記セルギャップ調整層の上方に凸部を形成する透明樹脂層とを具備し、前記複数の矩形画素は、前記セルギャップ調整層を中心に対称に、中心に近い側から透過部及び反射部の順で構成され、前記透過部では透明導電膜上に前記透明樹脂層が積層され、前記反射部では、前記セルギャップ調整層上に前記透明導電膜及び透明樹脂層がこの順に積層されていることを特徴とする半透過型液晶表示装置用基板を提供する。
かかる半透過型液晶表示装置用基板は、前記矩形画素を区分する開口部に形成された着色層を更に具備するカラーフィルタ基板であり、前記着色層は、前記透明導電膜上に形成し、前記着色層上に前記透明樹脂層を積層することが出来る。あるいは、透過型液晶表示装置用基板は、前記矩形画素を区分する開口部に形成された着色層を更に具備するカラーフィルタ基板であり、前記着色層上に前記透明導電膜及び透明樹脂層を積層することが出来る。
前記透明基板の表面からの、前記凹部の底部の高さと、前記透過部の透明樹脂層の表面の高さと、前記凸部の頂部の高さが、この順で高く形成することが出来る。
前記透過部における透明樹脂層の表面の高さと、前記反射部における透明樹脂層の表面の高さの差を、液晶表示装置を構成したときの液晶層の厚みの略1/2とすることが出来る。
前記セルギャップ調整層は、前記複数画素の矩形画素それぞれにおいて平面視、帯状パターンに配設することが出来る。
また、前記セルギャップ調整層は、マトリクス樹脂中に非晶質微粒子を分散させた光散乱層とすることが出来る。或いは、前記セルギャップ調整層は、透明樹脂からなるものとすることが出来る。
本発明の第2の態様は、上述した本発明の第1の態様に係る半透過型液晶表示装置用基板と、液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設したアレイ基板とを液晶を介して対向させて配置し、貼り合わせてなる液晶表示装置であって、前記アレイ基板が、それぞれ矩形画素を駆動するために異なる電位が印加される第1電極及び第2電極を具備することを特徴とする半透過型液晶表示装置を提供する。
かかる半透過型液晶表示装置において、前記矩形画素での液晶の動作は、液晶を駆動する電圧を印加したときに平面視で、矩形画素中心の凸部について点対象あるいは線対称に、前記矩形画素の中央の方向に液晶が倒れる動作とすることが出来る。
また、前記矩形画素での液晶の動作は、液晶を駆動する電圧を印加したときに平面視で、矩形画素中心から平面視、点対象に4つに区分される動作とすることが出来る。
前記第1電極が、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンを有し、前記第2電極が、前記第1電極と同様の櫛歯状パターンを有し、絶縁層を介して前記第1電極の下に配設され、かつ、前記第2電極の櫛歯状パターンが、前記矩形画素中心の凸部について点対称あるいは線対称に、前記矩形画素の中央方向に、前記第1電極の櫛歯状パターンからはみ出ている構成とすることが出来る。
この場合、前記第1電極及び第2電極を、可視域透明な導電性の金属酸化物から構成することが出来る。
また、前記液晶として、負の誘電率異方性を有する液晶を用いることが出来る。
本発明によると、一方の基板に配設した透明導電膜と、他方の基板側に設けた第1及び第2の電極との間に電圧を印加することにより生じる斜め電界による液晶の駆動に最適な半透過型液晶表示装置用基板、及びこれを備える半透過型液晶表示装置が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
以下に説明する本発明の種々の実施形態は、初期配向が垂直配向もしくは水平配向の液晶を用い、ブラックマトリクス基板(透明基板上にブラックマトリクスを形成した基板)やカラーフィルタ基板と、液晶駆動素子であるTFTなどのアクティブ素子が形成されたアレイ基板とを対向させて配置し、それらの間に液晶層を挟持する形で貼り合わせた半透過型液晶表示装置を前提とする。また、それらの実施形態では、加えて、第3電極である透明導電膜をカラーフィルタ基板に配設し、画素電極である第1電極、及びこの第1電極と電位の異なる第2電極をアレイ基板に配設し、このような電極構成で生じる斜め電界を活用する技術である。
本発明の実施形態に適用できる液晶は、初期配向(駆動電圧の無印加の時)で垂直配向の液晶、もしくは初期配向が水平配向の液晶である。液晶の誘電率異方性は、初期配向が水平の液晶の場合に正の液晶を用い、初期配向が垂直である場合に負である液晶を用いる。なお、負の誘電率異方性の液晶を用いた場合、チルト角設定のための配向膜の配向処理を省略できる。換言すれば、実施形態で用いる垂直配向膜は、塗布形成した後の熱処理だけで良く、ラビング配向や光配向などを省略できる。負の誘電率異方性の液晶を用いた場合、矩形画素中央の透過率を上げることができるため、色純度より明るさを重視する、たとえば、半透過型液晶表示装置に好適なカラーフィルタ基板を提供できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半透過型液晶表示装置用基板10を示す断面図である。この基板10は、カラーフィルタを含んでおらず、以後、ブラックマトリクス基板(BM基板)と呼ぶ。図1において、透明基板10a上に、ブラックマトリクス19、光散乱層5、透明導電膜(第3電極)3、及び透明樹脂層4を順次形成することにより、BM基板10が構成されている。
ブラックマトリクス19の開口部である矩形画素は、反射部Rと透過部Tとにより構成され、光散乱層5は反射部Rに形成されている。なお、矩形画素の中央には、光散乱層5による凸部24が形成され、ブラックマトリクス19上には透明樹脂層4の段差による凹部13が形成されている なお、本実施形態に係るBM基板10の透過部と反射部の面積比率は、液晶表示装置の使用目的・条件により調整することができる。
本発明者らは、凹部13のショルダー9a,9bおよび凸部24のショルダー8a,8bが液晶配向の制御に利用できることを見出した。本発明は、この知見と、さらに第3電極3(透明導電膜)との組み合わせによる新規な技術を提案するものである。凹部13のショルダー9a,9bおよび凸部24のショルダー8a,8bは、液晶の動作(垂直方向から水平方向への倒れ)に利用するものである。なお、液晶の動作については後述する。
凸部24の高さH(透過部Tの透明樹脂層4表面から凸部24頂部までの膜厚の差)は、およそ0.4μmから2μmの範囲内にあるのが好ましい。0.4μm未満では、電圧印加時の“液晶の倒れのトリガー”として効果が不十分であり、その高さが2μmを大きく超えると、液晶セルを構成した場合の液晶の流れに支障が出てくる。凹部13の深さDも、同様、0.4μmから2μmの範囲内にあるのが好ましい。なお、液晶表示装置を構成したときの光路長の関係で、凸部24の高さは反射部Rの液晶厚みとほぼ等しい数値にすることが望ましい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る、誘電率異方性が負である液晶を用いた液晶表示装置を示す断面図である。この液晶表示装置は、カラーフィルタ基板20とアレイ基板30とを液晶17を挟持する形で貼り合わせた構造を有する。
カラーフィルタ基板20は、透明基板20a上に、ブラックマトリクス19、光散乱層5、透明導電膜(第3電極)3、赤色画素15、緑色画素14、青色画素16、及び透明樹脂層4を順次形成することにより構成されている。矩形画素の中央には、光散乱層5による凸部34が形成され、ブラックマトリクス19上には凹部23が形成されている
アレイ基板30は、表面に反射膜18を有する透明基板30a上に、第1電極1及び第2電極2を、間に絶縁層25を介して形成することにより構成されている。
アレイ基板30は、表面に反射膜18を有する透明基板30a上に、第1電極1及び第2電極2を、間に絶縁層25を介して形成することにより構成されている。
カラーフィルタ上の配向膜、また、偏光板、位相差板などは図示を省略した。なお、偏光板は、クロスニコルとし、ノーマリブラックの液晶表示装置とした。偏光板は、たとえば、ヨウ素を含有するポリビニルアルコール系有機高分子を延伸して延伸方向に吸収軸を有する偏光板が使用できる。
図10に、矩形画素の平面図を示す。(a)は矩形画素をアレイ基板30の第1電極1側から見た図であり、(b)は第1電極1を省略し、透明樹脂層4を示した図である。また、図11は、隣接画素の一部を含み、第1電極1を破線で表した平面図である。
図10及び11において、矩形画素はブラックマトリクス19により区分されており、このブラックマトリクス19の線幅の中央に、凹部23がスリット状に設けられている。また、画素の中央部には、凸部34を構成するセルギャップ調整層5が、線状に形成されている。この矩形画素に対向して、アレイ基板30の第1電極1が配置されている。第1電極1は、櫛歯状の形状を有している。
なお、液晶分子の動作については、後述するが、図10(a)における矢印は、透明導電膜である第3電極3、及び第1電極1、第2電極2に電圧が印加された場合の、透過部における液晶分子が倒れる方向を示す。
以下に、図1に示す半透過型液晶表示装置用基板(以下、BM基板と略称することがある)10、及び図2に示す液晶表示装置の構成要素について 簡単に説明する。
(ブラックマトリクス、矩形画素)
ブラックマトリクスとは、液晶表示のコントラストをアップさせるため、表示の最小単位である絵素の周囲、あるいは絵素の両辺に配設される遮光層からなる遮光性パターンである。遮光層は、透明樹脂に遮光性の顔料を分散させた塗膜であり、一般に感光性を付与され、露光及び現像を含むフォトリソグラフィの手法でパターニングすることにより形成される。矩形画素は、ブラックマトリクスの開口部を指し、上記絵素と同義である。
ブラックマトリクスとは、液晶表示のコントラストをアップさせるため、表示の最小単位である絵素の周囲、あるいは絵素の両辺に配設される遮光層からなる遮光性パターンである。遮光層は、透明樹脂に遮光性の顔料を分散させた塗膜であり、一般に感光性を付与され、露光及び現像を含むフォトリソグラフィの手法でパターニングすることにより形成される。矩形画素は、ブラックマトリクスの開口部を指し、上記絵素と同義である。
ブラックマトリクスの傾斜部は、丸みを帯びた形状でも良く、表示領域でのブラックマトリクスの断面形状は、半月状、台形、三角形などが例示できる。ブラックマトリクスの基板面からの傾斜角度は、前記した凸部の高さが0.4μmを超えれば特に規定しなくても良い。開口率(矩形画素としての透過率)を別にすれば、2°とか3°などの低い傾斜角度でも良く、逆テーパ(上辺の大きい逆向きの台形状)でなければ良い。しかしながら、開口率の制限のため、実効的には30°から80°の範囲の傾斜が好ましい。
ブラックマトリクスに含有させる遮光性の色材は、周知の材料であるカーボンブラックが適用できる。本発明の半透過型液晶表示装置用基板の実施例において、ブラックマトリクス上に透明導電膜を積層する構成を中心に説明するが、透明導電膜上にブラックマトリクスを積層する構成では、遮光性の色材として誘電率の低い、例えば、有機顔料を混合して用いることができる。
本発明の一実施例として後述するブラックマトリクス上に透明導電膜を具備させた構成では、凹部13上に樹脂層などの誘電体の配設がない(配向膜を除く)、もしくは薄い誘電体のみの積層構成であるため、液晶表示装置とするときの凹部13のショルダー9a、9b近傍の液晶に駆動電圧を伝え易く、液晶駆動のトリガーとして極めて有効な構成となる。
(透明導電膜)
液晶表示装置用基板の上に配設される透明導電膜としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Garium Zinc Oxide)などの導電性の金属酸化物の薄膜を用いることができる。透明導電膜の形成位置は、斜め電界を活用する目的で、矩形画素周囲に形成されるブラックマトリクス上であるのが好ましい。
液晶表示装置用基板の上に配設される透明導電膜としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Garium Zinc Oxide)などの導電性の金属酸化物の薄膜を用いることができる。透明導電膜の形成位置は、斜め電界を活用する目的で、矩形画素周囲に形成されるブラックマトリクス上であるのが好ましい。
特に、液晶表示装置としたときに、アレイ基板側の画素電極(以下、第1電極)と、凹部に形成した透明導電膜の構成位置、反射部である凸部に形成した透過部に形成した透明導電膜の構成位置、透過部の透明導電膜の構成位置、それぞれとの電極間距離に差をつけることが望ましい。これらの工夫により、電圧勾配を付与し、斜め電界を液晶駆動に活用できる。
後述するように、ブラックマトリクス上に着色層を形成し、この着色層上あるいは着色層下に透明導電膜を形成することができる。
(透明樹脂層)
透明樹脂層は、上述した透明導電膜上に配設される。透明樹脂層は、透明で耐熱性を有する有機樹脂により形成できる。透明樹脂層に適用できる材料は、透明樹脂、アルカリ可溶性樹脂、アクリル樹脂として詳細に後述する。
透明樹脂層は、上述した透明導電膜上に配設される。透明樹脂層は、透明で耐熱性を有する有機樹脂により形成できる。透明樹脂層に適用できる材料は、透明樹脂、アルカリ可溶性樹脂、アクリル樹脂として詳細に後述する。
透明樹脂層や後述する光散乱層の厚みは、用いる液晶のセルギャップ(液晶層の厚み)や液晶の電気特性との関係で最適化すればよい。なお、透明樹脂層としては、以下の実施例で後述するアクリル樹脂などを採用することができる。透過部に適用できる液晶層の厚みは、2〜6μmであり、4μm前後である。反射部における液晶層の厚みは、透過部の略1/2となる。透明樹脂層の平面視形状は、矩形状でも良いが 画素長手方向に連続すするストライプパターンで形成することが望ましい。
(着色層、着色画素)
着色層は、後述する有機顔料を透明樹脂に分散させた塗膜であり、これをフォトリソグラフィの手法で矩形画素上にパターン形成したものを着色画素という。着色画素は、赤色、緑色、青色などの3原色のほか、黄色、マゼンタ、シアンや白色などから複数色を採用することができる。着色層の平面視形状は、矩形状でも良いが 画素長手方向に連続するストライプパターンで形成することが望ましい。
着色層は、後述する有機顔料を透明樹脂に分散させた塗膜であり、これをフォトリソグラフィの手法で矩形画素上にパターン形成したものを着色画素という。着色画素は、赤色、緑色、青色などの3原色のほか、黄色、マゼンタ、シアンや白色などから複数色を採用することができる。着色層の平面視形状は、矩形状でも良いが 画素長手方向に連続するストライプパターンで形成することが望ましい。
本明細書では、ブラックマトリクスを構成する遮光層を含めた複数色の着色画素からなるものをカラーフィルタと呼称し、このカラーフィルタをガラスなどの透明基板上に形成したものをカラーフィルタ基板と称する。本明細書において、略同一の膜厚とは、遮光層や着色層の形成においてその製造プロセスで制御することができる、例えば、カラーフィルタの製造工程における設定膜厚に対して、その製造マージンである±0.2μm以内に入る膜厚を指す。
着色画素の膜厚は、透明基板の面からそれぞれ着色画素の中心(ここでは透過部の着色層での画素中心を指す)における表面までの高さを指す。反射部の着色層の膜厚と透過部の着色層の膜厚の比を1/2〜1/4の範囲とすることが好ましい。なお、膜厚比1/2の反射部の着色層の膜厚は、着色層の厚みに対して±0.2μmの誤差の範囲内で1/2であることを言う。反射部の着色層の膜厚と透過部の着色層の膜厚の比を略1/2とすることで、透過部と反射部の光路差を考慮した本来のカラー表示を得ることができる。
反射部は、戸外などの明るい環境下で観察するためのものであり、明るさが重要である。透過部と反射部の色度域が一致していることは望ましいが、明るさを最大限重視する場合には、色がついていると認識できる程度でも十分である。例えば、反射表示は、透過部表示の色合わせより“明るさ”を重視せざるを得ない用途(たとえば太陽光のある屋外での使用)では、膜厚比1/3や1/4とすることにより、明度の高い色とすることが望ましい。
スタティック表示(静止画)での透過部の色度域を標準的であるNTSC比70%程度とすると、反射部については1/4膜厚の時(2回透過で)NTSC比がおおむね35〜40%程度となる。NTSC比が35〜40%であれば色がついていることを容易に認識することができるが、これを大きく下回ると色がついていることを認識しにくくなる。したがって、反射部の膜厚は、NTSC比が35〜40%程度となる1/4以上であることが望ましい。
動画階調表示での色の視認性は、静止画表示より低下する傾向にある。使用者(観察者)による個人差があるものの、着色層の膜厚に対して1/4の凹部着色層の膜厚が、動画階調表示を行った時にカラー表示であるとの認識しやすさのほぼ下限の膜厚である。凸部の高さは、凸部のトップから透過部の着色層の表面までの高さとする。複数色の着色画素は、青色画素、赤色画素、緑色画素、黄色画素、白色画素(透明な画素)などと表現する。
凸部上の着色層の厚みは、着色層の材料として用いる感光性着色組成物の組成や粘度、塗布条件、あるいは、凸部の高さや幅で調整できる。凸部上に着色層は、透過部の着色層の膜厚より薄く形成できる。
着色層は、後述する有機顔料を複数種、透明樹脂に混合分散させたものであるが、有機顔料は、それぞれ微妙に異なる比誘電率や異なる誘電損失を持っていることが多い。本実施形態に係る半透過型液晶表示装置用基板では、これら異なる電気特性をもつ着色層(あるいは着色画素)を透明導電膜で覆う構成が可能であり、このような構成では、液晶層にかかる印加電圧に対して着色層の影響をなくすことができ、斜め電界を有効に活用することができる。
(セルギャップ調整層)
セルギャップ調整層は、半透過型液晶表示装置の透過部と反射部の液晶層の光路差を調整する目的で配設する。セルギャップ調整層は、透明樹脂からなるものであってもよいが、後述するように、反射部に必要な光散乱層を兼ねることができる。また、セルギャップ調整層は、上述した樹脂層と同じ材料でグレートーンマスクを用いて1回のフォトリソ工程で形成しても良い。グレートーンマスクは、2種以上の透過率の異なるパターンを有するフォトマスクであり、膜厚の異なる構造物形成に用いられることが多い。
セルギャップ調整層は、半透過型液晶表示装置の透過部と反射部の液晶層の光路差を調整する目的で配設する。セルギャップ調整層は、透明樹脂からなるものであってもよいが、後述するように、反射部に必要な光散乱層を兼ねることができる。また、セルギャップ調整層は、上述した樹脂層と同じ材料でグレートーンマスクを用いて1回のフォトリソ工程で形成しても良い。グレートーンマスクは、2種以上の透過率の異なるパターンを有するフォトマスクであり、膜厚の異なる構造物形成に用いられることが多い。
一般に、垂直配向型の半透過型液晶表示装置の反射部には、透過部の液晶と反射部の位相差を補う1/4波長の位相差層(以下1/4波長層)が必要となるため、セルギャップ調整層に位相差機能を持たせることができる。なお、光散乱層や1/4波長層は、透明導電膜の下の透明基板側のカラーフィルタ側に配設しても良い。
セルギャップ調整層の表面と透過部の着色画素の表面の高さの差は、液晶表示装置を構成したときの液晶層の厚みの略1/2とすることができる。なお、液晶層の厚みの略1/2とは、液晶層の厚みの10%以内の範囲で変動してもよく、かつ、カラーフィルタの製造工程においてその製造マージンである±0.2μm以内であることが望ましい。
通常、透過型液晶表示装置では、バックライトからの光透過を前提として位相差層や液晶の厚み等の光学部材の光学特性をチューニングしてホワイトバランスを最適化している。透過型液晶表示装置を反射表示や半透過型の液晶表示装置として用いる場合、光路差や入射光の差異があり、光学部材の複屈折率を透過表示の場合と同一にできないため、微妙な色ずれが発生する。本実施形態に係るカラーフィルタ基板を、透過表示のみでなく、反射表示や半透過型の液晶表示装置として用いる場合、セルギャップ調整層の幅、高さを色により調整することで着色層の厚みや面積を変えて、色バランスを調整することができる。
なお、セルギャップ調整層は、図1等では、紙面垂直方向に延びているが、紙面水平方向に、即ち横方向に延びていてもよい。この場合、櫛歯状の第1及び第2電極もまた、横方向に配列される必要がある。
(光散乱層)
セルギャップ調整層として、光散乱層を用いることが出来る。光散乱層は、単一あるいは複数種の非晶質微粒子が屈折率の異なるマトリクス樹脂(以下、透明樹脂として記載する場合がある)中に分散して成るもので、入射光を散乱させて観察者の目にペーパーホワイト様の効果を持たせる光機能膜である。マトリクス樹脂は、耐熱性があり、可視域透過である透明樹脂であれば良い。光散乱層の膜厚は、非晶質微粒子径、光の波長、及び製造工程での適合しやすさの関係で、おおよそ1.5μm〜5μmの範囲が好ましい。
セルギャップ調整層として、光散乱層を用いることが出来る。光散乱層は、単一あるいは複数種の非晶質微粒子が屈折率の異なるマトリクス樹脂(以下、透明樹脂として記載する場合がある)中に分散して成るもので、入射光を散乱させて観察者の目にペーパーホワイト様の効果を持たせる光機能膜である。マトリクス樹脂は、耐熱性があり、可視域透過である透明樹脂であれば良い。光散乱層の膜厚は、非晶質微粒子径、光の波長、及び製造工程での適合しやすさの関係で、おおよそ1.5μm〜5μmの範囲が好ましい。
光散乱層の非晶質微粒子としては、無機物から成る微粒子及び有機ポリマーから成る微粒子を例示することができる。特に、非晶質であるということから有機ポリマー微粒子が主としてあげられるが、無機物微粒子であっても、非晶質であれば問題ない。後述する相分離によりマトリクス樹脂中に非晶質微粒子を発現する方式であっても良い。非晶質微粒子をフォトリソグラフィの手法で形成し、その上に透明樹脂を塗布する方法で形成しても良い。
例えば、無機物微粒子としては、シリカやアルミナの酸化物等の球状の非晶質微粒子、有機ポリマー微粒子としては、アクリル微粒子やスチレンアクリル微粒子及びその架橋体、メラミン微粒子、メラミン−ホルマリン縮合物、(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー、シリコン樹脂微粒子等を例示することができる。そのなかでも、架橋アクリル樹脂微粒子は屈折率が1.5未満であり、更にシリカ粒子あるいはシリコン樹脂微粒子は屈折率が1.42〜1.45(ハロゲンランプD線589nm)と小さいため、特に好ましい。
例えば、微粒子の屈折率が1.49(ハロゲンランプD線589nmを用いての値)の架橋アクリル微粒子である場合、マトリクス樹脂の屈折率は1.55〜1.65であることが好ましい。また、微粒子が屈折率1.42〜1.45のシリカ粒子あるいはシリコン樹脂微粒子である場合、マトリクス樹脂は、屈折率1.50〜1.60であることが好ましい。
また、これらの微粒子は、光散乱層中に微粒子として主として含まれていれば良く、例えば、微粒子の70%程度以上が含まれていれば良い。これらの微粒子の他に、塗液中での微粒子の分散安定性や、光散乱特性の微調整等を目的として、不定形微粒子等の非球状微粒子や結晶性微粒子を、30%程度以下の少量加えても良い。
非晶質微粒子の形状は特に限定するものではないが、球形または球形に類似する形状とすることができる。球形微粒子は、サイズ、粒径分布等のコントロールが容易であり、従って、光散乱層の光学特性の制御が容易になる。微粒子の粒径としては、目的とする光散乱層の膜厚や着色有無により許容範囲が異なり、特に限定されない。しかし、通常、光散乱層の膜厚よりも大きい微粒子を使用すると、光散乱層の表面が非常に粗くなってしまい、あまり好ましくない。上記微粒子の粒径は、特に限定しないが、好ましい粒径範囲としては、平均粒子径0.8μm〜3μm程度、好ましくは平均粒子径1μm〜2μmである。
微粒子を分散させるマトリクス樹脂としては、可視光線透過率が高く、また液晶表示装置の製造工程中における熱処理や薬品処理に対する十分な耐性を具備するものが望ましく、例えば、屈折率の高い樹脂としてエポキシ変性アクリル樹脂、フローレン樹脂、ポリイミド樹脂が、また屈折率の低い樹脂としてフッ素変性アクリル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂が適用できる。その他アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等が適宜使用することができる。
光散乱層中の非晶質微粒子としては、二つの樹脂を混合し、相分離することにより形成可能な微粒子を例示することができる。異なる屈折率を有する二つ以上の樹脂、添加材を適量選定し、溶剤中に溶解した塗液を基板上に塗布乾燥することにより、非晶質微粒子を形成することができる。
相分離は二つの樹脂を溶液中に混合した時点で、或いは基板上に塗布乾燥して溶剤が揮発していく過程で成長し、塗膜が乾燥した時点で透明な非晶質微粒子を形成することができる。このとき、溶液中では相分離した一方の樹脂が球形に成長しようとするが、基板上に塗布した場合、塗膜中の溶剤が揮発するに従い、膜容積が減少し、且つ該球形は成長して容積を増していくが、上面からの応力で球形から円盤状に変形しながら成長する。
二つの樹脂溶液から一方の樹脂が液滴として生成成長し、非晶質微粒子が形成する条件は、一方の樹脂をA、他の樹脂をBとすると
1)Aの量がBの量より少ないこと、
2)A溶液の表面張力がB溶液の表面張力より大きいこと、
3)A溶液の蒸発速度がB溶液の蒸発速度より大きいこと、
4)Aの分子量がBの分子量より大きいこと
等があげられるが、特に量の大小は強度の制約条件である。
1)Aの量がBの量より少ないこと、
2)A溶液の表面張力がB溶液の表面張力より大きいこと、
3)A溶液の蒸発速度がB溶液の蒸発速度より大きいこと、
4)Aの分子量がBの分子量より大きいこと
等があげられるが、特に量の大小は強度の制約条件である。
非晶質微粒子が、屈折率の異なる2種類以上の樹脂溶液から相分離で生成し、形成されると、非晶質微粒子が膜の内部に留まり、表面に出ることがないので、光散乱膜層の表面が平坦になり、さらにカラーフィルタの膜厚も均一なものとなる。
非晶質微粒子が微小樹脂パターンを溶融解して形成された半球形状のマイクロレンズであると、パターン形状(大きさと形、密度)を変更することで光散乱特性を調整することができる。あるいは、マイクロレンズの断面形状を非対称にするか放物線形状にすることによって、指向性ある光散乱層とすることができる。
光散乱膜層をフォトリソグラフィ工程でパターン状に設ける場合には、感光性と現像性とを有するアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が利用することができる。また、これらの樹脂に熱硬化や紫外線硬化を付与し、併用することも可能である。
(比誘電率)
本明細書で言う比誘電率は、液晶駆動に用いる周波数50Hzから500Hzにおいて、室温での測定を前提としている。液晶駆動周波数が500Hzを超える場合には、その適用される周波数で部材の電気特性を測定することが望ましい。
本明細書で言う比誘電率は、液晶駆動に用いる周波数50Hzから500Hzにおいて、室温での測定を前提としている。液晶駆動周波数が500Hzを超える場合には、その適用される周波数で部材の電気特性を測定することが望ましい。
(アレイ基板、第1電極、第2電極)
本実施形態に係る半透過型液晶表示装置のアレイ基板側の第1電極、第2電極の材料は、上述したITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Garium Zinc Oxide)などの導電性の金属酸化物の薄膜を用いることができる。金属酸化物より導電性の良い金属を採用しても良い。反射型や半透過型の液晶表示装置の場合には、第1電極、第2電極のいずれかにアルミニウム、アルミニウム合金の薄膜を用いても良い。あるいは、TFTのゲート配線などに用いる金属薄膜を、電気的に独立するパターンの光の反射膜として形成することができる。
本実施形態に係る半透過型液晶表示装置のアレイ基板側の第1電極、第2電極の材料は、上述したITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IGZO(Indium Garium Zinc Oxide)などの導電性の金属酸化物の薄膜を用いることができる。金属酸化物より導電性の良い金属を採用しても良い。反射型や半透過型の液晶表示装置の場合には、第1電極、第2電極のいずれかにアルミニウム、アルミニウム合金の薄膜を用いても良い。あるいは、TFTのゲート配線などに用いる金属薄膜を、電気的に独立するパターンの光の反射膜として形成することができる。
第1電極と第2電極とは、後述するように、厚み方向において絶縁層で電気的に絶縁される。着色層、樹脂層、絶縁層の厚みは、液晶層の厚み・誘電率・印加電圧や駆動条件によって調整することができる。絶縁層をSiNx(窒化ケイ素)により構成する場合、絶縁層のおよそ実用的な膜厚範囲は0.1μmから0.5μmである。第1電極と第2電極の膜厚方向の構成位置は逆の位置でも良い。また、本実施形態では、斜め電界をより有効に活用できるため、駆動電圧印加時の電気力線のおよぶ範囲を、液晶層や樹脂層を含む膜厚方向に拡げたことにより透過率をアップすることができる。
以下に、透過部Tでの液晶分子17の動作を代表して説明するが、反射部Rでの電極 それぞれは反射部の第1電極1、反射部の第2電極2と置き換えて解釈することができる。
図3は、透明導電膜である第3電極3、及び第1電極1、第2電極2に電圧が印加されていない状態での、垂直配向の液晶である液晶分子17a,17b,17c,17dの配向状態を示している。液晶分子17a,17b,17c,17dは、それぞれ凹部23及び凸部34のショルダー部(9a、9b、8a、8b)の影響で斜めの初期配向となる。換言すれば、凸部34のショルダー部8a,8bの近傍の液晶17b,17c、及び凹部23のショルダー部8bの近傍の液晶17cは、電圧が印加されていない状態で、やや斜めに配向している。
凸部34及び凹部23を設けることによって、ラビングなどの配向処理を実施しなくとも液晶分子17a,17b,17c、17dは、実質的にチルトを付与していることになる。この斜めの配向の状態で、液晶駆動の電圧が印加されると、液晶分子17a,17b,17c、17dは、図4に示す矢印の方向に倒れることになる。図示していない他の液晶分子17は、駆動電圧印加前の状態で基板面に垂直に配向している。垂直配向膜の図示は省略した。
本実施形態においては、誘電率異方性が負であるものと正であるものの両者を用いることができる。たとえば、負の液晶としては、室温付近で複屈折率Δnが0.1程度であるネマチック液晶を用いることができる。正の液晶は選択範囲が広いため、種々の液晶材料を用いることができる。液晶層の厚みは特に規定する必要はないが、本実施形態において実効的に用いることの可能な液晶層のΔndは、おおよそ300nmから500nmの範囲である。図示を省略した配向膜は、たとえば、ポリイミド系有機高分子膜を加熱硬膜して用いることができる。偏光板に貼り合わせる形で1から3枚の位相差板を用いても良い。なお、図2に示すように、第1電極1及び第2電極2は、SiNxやSiOxなどの絶縁層25を介して、異なるレイヤーに形成する。反射部Rに入射する外光は、アルミニウム合金薄膜からなる反射膜18により反射される。
なお、本実施形態において、液晶の倒れる動作は、誘電率異方性が負の液晶の場合には、初期配向が垂直である液晶が駆動電圧印加時に水平方向に倒れていく動作となる。誘電率異方性が正の液晶の場合には、初期配向が水平となるので、液晶が駆動電圧印加時に垂直方向に立ち上がっていく動作を意味する。
図4は、駆動電圧の印加直後の、倒れ始めた液晶分子の動きを説明する模式断面図である。電圧印加にともない、まず、ショルダー部8a,8b,9a,9b近傍の液晶分子17a,17b,17c,17dが倒れ始め、続いてこれら液晶分子周辺の液晶分子が倒れていく。凸部34及び凹部23は、誘電体である樹脂層4が薄いか、あるいは存在しないか、もしくは第3電極3と第1電極1の距離が近いので、印加される駆動電圧が液晶分子に伝搬しやすく、液晶の倒れる動作の強いトリガーとなる。
なお、図4の左右のそれぞれ1/2画素では、液晶の倒れる方向が逆向きとなる。このことは、中間調表示での光学的補償を駆動電圧の大きさだけで実施することができ、MVA液晶のように4つのマルチドメインを形成しなくとも広い視野角が確保できることになる。中間調(例えば、液晶分子それぞれが斜めの状態)では、図3の1/2画素と反対側の1/2画素が反対向きの傾斜勾配をもつ液晶配向となり、これら2つの1/2画素で透過光の平均化を行って視野角を拡げることができる。
図5は、駆動電圧印加後の安定した白表示時(図では中央の緑画素を代表して示しているので、緑色表示時)の液晶分子の配向状態であり、液晶分子は、若干の傾斜を持ってほぼ基板面に平行となる。
以上は、本実施形態に係るBM基板側に近い液晶分子の挙動を説明したものである。本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置では、アレイ基板側にも上記BM基板側で示した液晶動作と同様の方向に液晶分子を倒していく技術を提案している。以下、そのような技術を、誘電率異方性が負である液晶の場合について説明する。
以上は、本実施形態に係るBM基板側に近い液晶分子の挙動を説明したものである。本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置では、アレイ基板側にも上記BM基板側で示した液晶動作と同様の方向に液晶分子を倒していく技術を提案している。以下、そのような技術を、誘電率異方性が負である液晶の場合について説明する。
図6は、櫛歯状パターンである第1電極1a,1b、これと同様に櫛歯状パターンである第2電極2a,2b、及び第1電極1a,1b近傍の垂直に配向した液晶分子27a,27bを図示している。第2電極2aは、液晶27aを倒す方向である凸部34の方向にはみ出でている。このはみ出し部28の量は、用いる液晶材料や駆動電圧、液晶セル厚みなどのディメンションで種々調整することができる。はみ出し部28は、1μmから6μmの小さい量でも十分である。なお、配向膜は図示を省略した。本実施形態に係る液晶表示装置の断面図である図6は、矩形画素中央の凸部34を中心に線対称となる。従って、相対する液晶分子27c,27dは、逆方向の動作となる。
図7に、液晶を駆動する電圧を印加した直後の液晶分子27a,27b,27c,27dの動作と、電気力線26a,26b,26c,26dとを併せて示した。電圧の印加により、電気力線30a,30b,30c,30dの方向に液晶分子27a,27b,27c,27dが倒れ始める。この液晶分子の倒れる方向は、図4に示した液晶分子17a,17b、あるいは17c,17dの倒れる方向と同一方向なので、図示した液晶分子は、同じ方向に瞬時に倒れることになり、液晶の応答性を大きく向上させる。
なお、図6及び図7は、矩形画素14の画素の断面を図示しているが、片側1/2画素でのはみ出し部28の方向は、図6及び図7の矩形画素の中央から線対称、それぞれ逆の方向としている。櫛歯状電極のパターンは、平面視、V字状や斜め方向でも良い。あるいは、1/4画素単位に90°向きを変えた櫛歯状パターンでも良い。あるいは、透明導電膜に複数の線状スリットの開口部を形成するパターンであっても良い。これら電極の櫛歯状パターンは矩形画素の中心から見て線対称もしくは点対称であることが望ましい。
なお、凸部34の平面視形状は、縦長の矩形画素であれば、矩形画素を2分する形で中央に帯状に入れることが好ましいが、第1電極や第2電極の櫛歯パターン形状によって、矩形画素の中心から十字状あるいはX字状に形成することができる。矩形画素の長手方向あるいは短手方向の中央に帯状(太い線状)で形成することができる。十字状あるいはX字状に凹部を形成した場合、第2電極のはみ出し部は、第1電極に対して矩形画素の4辺(ブラックマトリクス)に向かう方向に配設することが望ましい。第1電極や第2電極の櫛歯パターンは、矩形画素中央から点対称あるいは線対称であることが望ましい。画素を分割して液晶を駆動することにより、光学補償を完全に行うことができ、視野角が広く、どの角度から見ても色変化のない垂直配向液晶表示装置を提供できる。
なお、第1電極1には液晶を駆動する電圧を印加するが、第2電極1、第3電極3は共通の電位(コモン)とすることができる。図6に示した第1電極1と第2電極1の重なり部分29は、補助容量として利用することができる。
(透明樹脂)
遮光層あるいは着色層を形成するために用いる感光性着色組成物は、上記顔料分散体に加え、さらに、多官能モノマー、感光性樹脂ないし非感光性樹脂、重合開始剤、溶剤等を含有する。感光性樹脂及び非感光性樹脂など、本実施形態に用いることの可能な透明性の高い有機樹脂を総称して透明樹脂と呼ぶ。
遮光層あるいは着色層を形成するために用いる感光性着色組成物は、上記顔料分散体に加え、さらに、多官能モノマー、感光性樹脂ないし非感光性樹脂、重合開始剤、溶剤等を含有する。感光性樹脂及び非感光性樹脂など、本実施形態に用いることの可能な透明性の高い有機樹脂を総称して透明樹脂と呼ぶ。
透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれる。熱可塑性樹脂としては、例えば, ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、下記のメラミン樹脂とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させてなるものを用いてもよい。
(アルカリ可溶性樹脂)
本実施形態に用いる遮光層、光散乱層、着色層、セルギャップ規制層には、フォトリソグラフィによるパターン形成可能な感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。これらの透明樹脂は、アルカリ可溶性を付与された樹脂であることが望ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はない。例えば、エポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂等が挙げられる。中でもエポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、特に、エポキシアクリレート系樹脂やノボラック系樹脂が好ましい。
本実施形態に用いる遮光層、光散乱層、着色層、セルギャップ規制層には、フォトリソグラフィによるパターン形成可能な感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。これらの透明樹脂は、アルカリ可溶性を付与された樹脂であることが望ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はない。例えば、エポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂等が挙げられる。中でもエポキシアクリレート系樹脂、ノボラック系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、特に、エポキシアクリレート系樹脂やノボラック系樹脂が好ましい。
(アクリル樹脂)
本実施形態に採用可能な透明樹脂の代表として、以下のアクリル系樹脂を示することができる。即ち、単量体として、例えば(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートペンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエーテル基含有(メタ)アクリレート;及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等を使用した、重合体が挙げられる。
本実施形態に採用可能な透明樹脂の代表として、以下のアクリル系樹脂を示することができる。即ち、単量体として、例えば(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートペンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のエーテル基含有(メタ)アクリレート;及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等を使用した、重合体が挙げられる。
なお、以上挙げた単量体は、単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。さらに、これら単量体と共重合可能なスチレン、シクロヘキシルマレイミド、及びフェニルマレイミド等の化合物の共重合体でもよい。
また、例えば(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基を有するカルボン酸を共重合し、得られた共重合体と、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基及び不飽和二重結合を含有する化合物とを反応させることや、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートの重合体、又はそれとその他の(メタ)アクリレートとの共重合体に、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸含有化合物を付加させることによって、感光性を有する樹脂を得ることができる。
さらに、例えばヒドロキシエチルメタアクリレート等のモノマーの、水酸基を有する重合体に、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基及びエチレン性不飽和基を有する化合物とを反応させることによっても、感光性を有する樹脂を得ることができる。
また、上述したように、複数の水酸基を有するヒドロキシエチルメタクリレート等の共重合体と多塩基酸無水物を反応させて、共重合体にカルボキシル基を導入し、カルボキシル基を有する樹脂を得ることが出来る。その製造方法は、上記記載の方法のみに限るものではない。
上記の反応に用いる酸無水物の例として、例えばマロン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、及びトリメリト酸無水物等が挙げられる。
上述したアクリル系樹脂の固形分酸価は、20〜180mgKOH/gであることが好ましい。酸価が20mgKOH/gより小さい場合には、感光性樹脂組成物の現像速度が遅すぎて現像に要する時間が多くなり、生産性に劣る傾向となる。また、固形分酸価が180mgKOH/gより大きい場合には、逆に現像速度が速すぎて、現像後でのパターンハガレやパターン欠けの不具合が生じる傾向となる。
さらに、上記アクリル系樹脂が感光性を有する場合、このアクリル樹脂の二重結合当量は100以上であることが好ましく、より好ましくは100〜2000であり、最も好ましくは100〜1000である。二重結合当量が2000を越える場合には十分な光硬化性が得られない場合がある。
(光重合性モノマー)
光重合性モノマーの例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
光重合性モノマーの例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)-N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、
カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。 感度向上にオキシム誘導体類(オキシム系化合物)が有効である。これらは1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリルs−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)-N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、
カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。 感度向上にオキシム誘導体類(オキシム系化合物)が有効である。これらは1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(増感剤)
光重合開始剤と増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
光重合開始剤と増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。
増感剤は、光重合開始剤100質量部に対して、0.1質量部から60質量部の量を含有させることができる。
(エチレン性不飽和化合物)
上記の光重合開始剤は、エチレン性不飽和化合物と共に用いることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。中でも、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部との現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。また、その不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来する(メタ)アクリレート化合物が更に好ましい。
上記の光重合開始剤は、エチレン性不飽和化合物と共に用いることが好ましい。エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味する。中でも、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部との現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。また、その不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来する(メタ)アクリレート化合物が更に好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等が挙げられる。 エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、例えば、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記光重合性開始剤、増感剤、及びエチレン性不飽和化合物は、後述する位相差層の形成に用いられる重合性液晶化合物を含む組成物に加えても良い・
(多官能チオール)
感光性着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
(多官能チオール)
感光性着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールは、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.2〜150質量部、好ましくは0.2〜100質量部の量で用いることができる。
(貯蔵安定剤)
感光性着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1質量部から10質量部の量で含有させることができる。
感光性着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、トリエチルホスフィン、トリフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.1質量部から10質量部の量で含有させることができる。
(密着向上剤)
感光性着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.01質量部から100質量部で含有させることができる。
感光性着色組成物には、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。シランカップリング剤は、感光性着色組成物中の顔料100質量部に対して、0.01質量部から100質量部で含有させることができる。
(溶剤)
前記感光性着色組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、水や有機溶剤等の溶剤が配合される。また、本発明の組成物がカラーフィルタの着色層である場合、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、800質量部から4000質量部、好ましくは1000質量部から2500質量部で含有させることができる。
前記感光性着色組成物には、基板上への均一な塗布を可能とするために、水や有機溶剤等の溶剤が配合される。また、本発明の組成物がカラーフィルタの着色層である場合、溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100質量部に対して、800質量部から4000質量部、好ましくは1000質量部から2500質量部で含有させることができる。
(有機顔料)
赤色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等を用いることができる。
赤色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等を用いることができる。
黄色顔料としては、例えば、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
青色顔料としては、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80等を用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Blue 15:6が好ましい。
紫色顔料として、例えば、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等を用いることができ、これらの中では、C.I. Pigment Violet 23が好ましい。
緑色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等を用いることができ、これらの中では、C.I.Pigment Green58が好ましい。
以下、C.I.Pigmentの顔料種の記載において、単にPB(Pigment Blue)、PV(Pigment Violet)、PR(Pigment Red)、PY(Pigment Yellow)、PG(Pigment Green)などと省略して記載することがある。
(分散剤・分散助剤)
顔料分散剤として高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性に優れるので好ましい。高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。中でも、特に窒素原子を含有するグラフト共重合体からなる分散剤が、顔料を多く含む本発明の遮光性感光性樹脂組成物としては、現像性の点で好ましい。
顔料分散剤として高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性に優れるので好ましい。高分子分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。中でも、特に窒素原子を含有するグラフト共重合体からなる分散剤が、顔料を多く含む本発明の遮光性感光性樹脂組成物としては、現像性の点で好ましい。
これら分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbik(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)等を挙げることができる。これらの分散剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。
分散助剤としては、例えば色素誘導体等を用いることができる。色素誘導体としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもキノフタロン系が好ましい。
色素誘導体の置換基としては、例えばスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられる。これらの中では、スルホン酸基が好ましい。また、これら置換基は、一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
色素誘導体の具体例としては、フタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。
以上の分散助剤及び色素誘導体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
(遮光層の色材)
遮光層あるいはブラックマトリクス含まれる遮光性の色材は、可視光波長領域に吸収を有することにより遮光機能を示す色材である。本発明において遮光性の色材には、例えば、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。有機顔料については、前記した有機顔料が採用できる。なお、遮光性成分は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、これら色材の表面による樹脂被覆による高体積抵抗化、逆に、樹脂の母材に対して色材の含有比率を上げて若干の導電性を付与することによる低体積抵抗化を行っても良い。しかし、こうした遮光性材料の体積抵抗値は、およそ1×108〜1×1015Ω・cmの範囲であるので透明導電膜の抵抗値に影響するレベルではない。同様、遮光層の比誘電率も 色材の選択や含有比率でおよそ3〜11の範囲で調整できる。
遮光層あるいはブラックマトリクス含まれる遮光性の色材は、可視光波長領域に吸収を有することにより遮光機能を示す色材である。本発明において遮光性の色材には、例えば、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン等が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。有機顔料については、前記した有機顔料が採用できる。なお、遮光性成分は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、これら色材の表面による樹脂被覆による高体積抵抗化、逆に、樹脂の母材に対して色材の含有比率を上げて若干の導電性を付与することによる低体積抵抗化を行っても良い。しかし、こうした遮光性材料の体積抵抗値は、およそ1×108〜1×1015Ω・cmの範囲であるので透明導電膜の抵抗値に影響するレベルではない。同様、遮光層の比誘電率も 色材の選択や含有比率でおよそ3〜11の範囲で調整できる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
実施例で用いた着色組成物の調製例は、下記の通りである。
(着色組成物の調製)
[顔料製造例R2]
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB-CF」;R1)100部、色素誘導体(D−1)18部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。
[顔料製造例R2]
ジケトピロロピロール系赤色顔料PR254(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガフォアレッドB-CF」;R1)100部、色素誘導体(D−1)18部、粉砕した食塩1000部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、60℃で10時間混練した。
この混合物を温水2000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、115部のソルトミリング処理顔料(R2)を得た。
[顔料製造例R3]
アントラキノン系赤色顔料PR177(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(D−2)8部、粉砕した食塩700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、102部のソルトミリング処理顔料(R3)を得た。
アントラキノン系赤色顔料PR177(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「クロモフタルレッドA2B」)100部、色素誘導体(D−2)8部、粉砕した食塩700部、およびジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水4000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、102部のソルトミリング処理顔料(R3)を得た。
[顔料製造例R4]
スルホン化フラスコにtert−アミルアルコール170部を窒素雰囲気下において装填し、ナトリウム11.04部を添加し、この混合物を92〜102℃に加熱した。溶融したナトリウムを激しく撹拌しながら100〜107℃に一晩保持した。
スルホン化フラスコにtert−アミルアルコール170部を窒素雰囲気下において装填し、ナトリウム11.04部を添加し、この混合物を92〜102℃に加熱した。溶融したナトリウムを激しく撹拌しながら100〜107℃に一晩保持した。
得られた溶液に、4−クロロベンゾニトリルの44.2部およびジイソプロピルスクシナートの37.2部を、80℃でtert−アミルアルコール50部中に溶解した溶液を、80〜98℃で2時間かけて導入した。導入後、この反応混合物を80℃でさらに3時間撹拌し、同時にジイソプロピルスクシナート4.88部を滴下添加した。
この反応混合物を室温に冷却し、メタノール270部、水200部、および濃硫酸48.1部の20℃の混合物に添加し、20℃で攪拌を6時間続けた。得られた赤色混合物を濾過し、残留物をメタノールと水とで洗浄した後、80℃で乾燥して、46.7部の赤色顔料(R4)を得た。
[顔料製造例G2]
塩化アルミニウム356部および塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタ
ロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し、1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。
塩化アルミニウム356部および塩化ナトリウム6部の200℃の溶融塩に、亜鉛フタ
ロシアニン46部を溶解し、130℃まで冷却し、1時間攪拌した。反応温度を180℃に昇温し、臭素を1時間あたり10部で10時間滴下した。その後、塩素を1時間あたり0.8部で5時間導入した。
この反応液を水3200部に徐々に注入したのち、濾過、水洗して107.8部の粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を得た。粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の1分子内に含まれる平均臭素化数は14.1個、平均塩素数は1.9個であった。なお、当実施例において、臭素化数を限定するものでない。
得られた粗製ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール270部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、117部のソルトミリング処理顔料(G2)を得た。
[顔料製造例Y2]
セパラブルフラスコに水150部を仕込み、さらに攪拌しながら35%塩酸63部を仕込み、塩酸溶液を調製した。発泡に注意しながらベンゼンスルホニルヒドラジド38.7部を仕込み、液温が0℃以下になるまで氷を追加した。冷却後、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込み、0〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙で着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。
セパラブルフラスコに水150部を仕込み、さらに攪拌しながら35%塩酸63部を仕込み、塩酸溶液を調製した。発泡に注意しながらベンゼンスルホニルヒドラジド38.7部を仕込み、液温が0℃以下になるまで氷を追加した。冷却後、30分かけて亜硝酸ナトリウム19部を仕込み、0〜15℃の間で30分撹拌した後、ヨウ化カリウムでんぷん紙で着色が認められなくなるまでスルファミン酸を仕込んだ。
次に、バルビツール酸25.6部を添加した後、55℃まで昇温し、2時間そのまま撹拌した。次いで、バルビツール酸25.6部を投入し、80℃まで昇温した後、pHが5になるまで水酸化ナトリウムを投入した。さらに80℃で3時間撹拌した後、70℃まで温度を下げ、濾過し、温水洗浄を行った。
得られたプレスケーキを1200部の温水にリスラリーした後、80℃で2時間攪拌した。その後、そのままの温度で濾過を行い、80℃の水2000部で温水洗浄を行い、ベンゼンホンアミドが濾液側へ移行していることを確認した。得られたプレスケーキを80℃で乾燥し、アゾバルビツール酸ジナトリウム塩61.0部を得た。
次いで、セパラブルフラスコに水200部を仕込み、さらに撹拌しながら、得られたアゾバルビツール酸ジナトリウム塩の粉末8.1部を投入して分散した。均一に分散した後、溶液を95℃まで昇温した、メラミン5.7部、ジアリルアミノメラミン1.0部を添加した。さらに、塩化コバルト(II)6水和物6.3部を水30部に溶解した緑色溶液を30分かけて滴下した。滴下終了後、90℃で1.5時間錯体化を行った。
その後、pHを5.5に調整し、さらにキシレン4部、オレイン酸ナトリウム0.4部、水16部をあらかじめ攪拌してエマルジョン状態とした溶液20.4部を添加し、さらに4時間加温撹拌した。70℃まで冷却した後、速やかに濾過し、無機塩が洗浄できるまで70℃で温水洗を繰り返した。
その後、乾燥、粉砕の工程を経て、14部のアゾ系黄色顔料(Y2)を得た。
[顔料製造例B1]
銅フタロシアニン系青色顔料PB15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
銅フタロシアニン系青色顔料PB15:6(東洋インキ製造社製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。
この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部のソルトミリング処理顔料(B1)を得た。
[顔料製造例V1]
LIONOGEN VIOLET RL(東洋インキ製造製)300部を96%硫酸3000部に投入し、1時間撹拌した後、5℃の水に注入した。1時間撹拌後、濾過し、温水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、70℃で乾燥した。
LIONOGEN VIOLET RL(東洋インキ製造製)300部を96%硫酸3000部に投入し、1時間撹拌した後、5℃の水に注入した。1時間撹拌後、濾過し、温水で洗浄液が中性になるまで洗浄し、70℃で乾燥した。
得られたアシッドペースティング処理顔料を120部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、90℃で18時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、118部のソルトミリング処理顔料(V1)を得た。
(樹脂溶液(P1)の調製)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記のモノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下し
て重合反応を行った。
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記のモノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下し
て重合反応を行った。
スチレン 70.0部
メタクリル酸 10.0部
メタクリル酸メチル 65.0部
メタクリル酸ブチル 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部に溶解したものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて樹脂溶液を合成した。
メタクリル酸 10.0部
メタクリル酸メチル 65.0部
メタクリル酸ブチル 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後、さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部に溶解したものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて樹脂溶液を合成した。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%となるようにシクロヘキサノンを添加してアクリルの樹脂溶液(P1)を調製した。
(顔料分散体および着色組成物の調製)
下記表1に示す組成(質量部)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色、緑色、青色の顔料分散体を得た。
下記表1に示す組成(質量部)の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色、緑色、青色の顔料分散体を得た。
その後、下記表2に示すように、顔料分散体アクリル樹脂溶液(P1)、モノマー、重合開始剤、増感剤、有機溶剤などの混合物を混合撹拌した後、5μmのフィルタでろ過し、赤色、緑色、青色のそれぞれ着色組成物を得た。以下の実施例では、下記表2の着色組成物を用いて、赤色画素、緑色画素、青色画素を形成した。
〔実施例1〕
以下、図1を参照して、本実施例に係る半透過型液晶表示装置用基板について説明する。
以下、図1を参照して、本実施例に係る半透過型液晶表示装置用基板について説明する。
(ブラックマトリクス形成用分散液)
カーボン顔料#47(三菱化学社製)20質量部、高分子分散剤BYK-182(ビックケミー社製)8.3質量部、銅フタロシアニン誘導体(東洋インキ製造社製)1.0質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71質量部を、ビーズミル分散機にて攪拌して、カーボンブラック分散液を作製した。
カーボン顔料#47(三菱化学社製)20質量部、高分子分散剤BYK-182(ビックケミー社製)8.3質量部、銅フタロシアニン誘導体(東洋インキ製造社製)1.0質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71質量部を、ビーズミル分散機にて攪拌して、カーボンブラック分散液を作製した。
(ブラックマトリクス形成用感光性樹脂組成物)
ブラックマトリクス形成用感光性樹脂組成物として、以下の材料を使用した。
ブラックマトリクス形成用感光性樹脂組成物として、以下の材料を使用した。
カーボンブラック分散液:顔料#47(三菱化学社製) 3.0質量部
樹脂:V259−ME(新日鐵化学社製) 1.4質量部
光重合モノマー:DPHA(日本化薬社製) 0.3質量部
光重合開始剤:OXE−02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.17質量部
OXE−01(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.67質量部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 14.0質量部
エチル- 3- エトキシプロピオネート 5.0質量部
レベリング剤;BYK-330(ビックケミー社製) 1.5質量部
上記の如き材料を攪拌・混合し、ブラックマトリクス形成用レジストとした(固形分中の顔料濃度:約20%)。
樹脂:V259−ME(新日鐵化学社製) 1.4質量部
光重合モノマー:DPHA(日本化薬社製) 0.3質量部
光重合開始剤:OXE−02(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.17質量部
OXE−01(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.67質量部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 14.0質量部
エチル- 3- エトキシプロピオネート 5.0質量部
レベリング剤;BYK-330(ビックケミー社製) 1.5質量部
上記の如き材料を攪拌・混合し、ブラックマトリクス形成用レジストとした(固形分中の顔料濃度:約20%)。
(ブラックマトリクスの形成)
上記フォトレジストをガラスからなる透明基板10a上にスピンコートし、乾燥させ、ブラックマトリクス形成用の塗膜を作製した。かかる塗膜を100℃で3分間乾燥した後、パターン幅(ブラックマトリクスの画線幅に相当)20.5μmの開口のある露光用フォトマスクを用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて、200mJ/cm2の照射量を照射した。
上記フォトレジストをガラスからなる透明基板10a上にスピンコートし、乾燥させ、ブラックマトリクス形成用の塗膜を作製した。かかる塗膜を100℃で3分間乾燥した後、パターン幅(ブラックマトリクスの画線幅に相当)20.5μmの開口のある露光用フォトマスクを用い、光源として超高圧水銀灯ランプを用いて、200mJ/cm2の照射量を照射した。
次に、2.5%炭酸ナトリウム水溶液を用いて60秒間現像し、現像後よく水洗し、さらに乾燥した後、230℃で60分加熱処理してパターンを定着させて、図1に示すように、透明基板1a上にブラックマトリクス2を形成した。このブラックマトリクス19は、画線幅約22μmであり、複数の矩形画素開口部を有するBM基板とした。ブラックマトリクス2の膜厚は1.8μmであり、透明基板10aの面からの画線端部の傾斜角度は約45度とした。
(セルギャップ調整層/光散乱層の形成)
感光性の光散乱層用樹脂組成物Aを以下に示す組成で調製した。
感光性の光散乱層用樹脂組成物Aを以下に示す組成で調製した。
樹脂:V259−ME(新日鐵化学社製) 4.5質量部
透明粒子:MX150(綜研化学社製) 2.0質量部
光重合開始剤:イルガキュア819
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.45質量部
溶剤:シクロヘキサノン 21質量部
光重合モノマー:M400(東亞合成社製) 2質量部
透明樹脂、光重合開始剤、及び光重合モノマーを混合し、塗布し、乾燥し、露光(200mJ/cm2 )し、現像し、230℃で60分間硬膜した後の透明樹脂の屈折率は、1.58(D線589nm)であった。
透明粒子:MX150(綜研化学社製) 2.0質量部
光重合開始剤:イルガキュア819
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.45質量部
溶剤:シクロヘキサノン 21質量部
光重合モノマー:M400(東亞合成社製) 2質量部
透明樹脂、光重合開始剤、及び光重合モノマーを混合し、塗布し、乾燥し、露光(200mJ/cm2 )し、現像し、230℃で60分間硬膜した後の透明樹脂の屈折率は、1.58(D線589nm)であった。
上記材料をメディアレス分散機で3時間混合撹拌し、光散乱層用樹脂組成物を得た。
次に、前記BM基板上に光散乱層樹脂組成物の塗膜を形成した。光散乱層のパターンを有するフォトマスクを用いて、200mJ/cm2の紫外線を露光し、アルカリ現像液で現像した後、230℃で40分の熱処理にて硬膜し、図1に示すように、矩形画素中央かつ、矩形画素長手方向に画線幅24μm、線状の光散乱層5を形成した。光散乱層5の膜厚は、2.8μmであった。
(透明導電膜の成膜)
スパッタリング装置を用いて、ブラックマトリクス19、開口部、光散乱層5の全面を覆うように、ITO(インジウム・スズの金属酸化物)薄膜を0.14μmの膜厚で形成し、透明導電膜3とした。(なお、透明導電膜3までを積層したBM基板は、次の実施例2でBM中間製品基板として使用する。)
(透明樹脂層の形成)
(樹脂溶液P2の合成)
セパラブルフラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート686質量部、グリシジルメタクリレート332質量部、アゾビスイソブチロニトリル6.6質量部を加え窒素雰囲気下において80℃で6時間加熱し、樹脂溶液を得た。
スパッタリング装置を用いて、ブラックマトリクス19、開口部、光散乱層5の全面を覆うように、ITO(インジウム・スズの金属酸化物)薄膜を0.14μmの膜厚で形成し、透明導電膜3とした。(なお、透明導電膜3までを積層したBM基板は、次の実施例2でBM中間製品基板として使用する。)
(透明樹脂層の形成)
(樹脂溶液P2の合成)
セパラブルフラスコ中で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート686質量部、グリシジルメタクリレート332質量部、アゾビスイソブチロニトリル6.6質量部を加え窒素雰囲気下において80℃で6時間加熱し、樹脂溶液を得た。
次に、得られた樹脂溶液に、アクリル酸168質量部、メトキノン0.05質量部、トリフェニルフォスフィン0.5質量部を加え、空気を吹き込みながら100℃で24時間加熱し、アクリル酸付加樹脂溶液を得た。
更に、得られたアクリル酸付加樹脂溶液に、テトラヒドロフタル酸無水物186質量部を加え、70℃で10時時間加熱し、樹脂溶液P2を得た。
(感光性透明樹脂液Bの調整)
以下の組成にて、ネガ型の感光性透明樹脂液Bを調製した。
以下の組成にて、ネガ型の感光性透明樹脂液Bを調製した。
樹脂:樹脂溶液P2 ・・・200質量部
光重合モノマー :DPHA(日本化薬社製)
・・・100質量部
光重合開始剤:イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・15重量部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・400質量部
上記感光性透明樹脂液、および平面視でブラックマトリクスの長手方向の画線幅中央に、線状のパターン(遮光部)のあるフォトマスクを使用し、公知のフォトリスグラフィの手法にて、透明樹脂層4を形成し、あわせて矩形画素中央に線状の凹部13を画線幅8μmで形成して半透過型液晶表示装置用基板とした。凹部の深さDは、0.7μmであり、また、凸部24高さHは1.8μmであった。凸部高さHは、液晶表示装置としたときの透過部の液晶層の厚み3.6μmを、反射部の液晶層に必要な1/2厚みに調整する高さとなる。なお、反射部は、透過部と異なり、入射と反射の光路差を調整するためその液晶層厚みは1/2となる。
さらに、本実施例の凸部24は、前記したようにそのショルダー部8a、8bの液晶配向を利用して、液晶駆動電圧印加時のスムーズな液晶駆動を行い、ディスクリネーションを解消する役目がある。高さのある光散乱層5上に、液晶層により近い距離にて形成された透明導電膜(第3電極)は、このショルダー部での液晶駆動をさらに増長する。
光重合モノマー :DPHA(日本化薬社製)
・・・100質量部
光重合開始剤:イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・15重量部
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・400質量部
上記感光性透明樹脂液、および平面視でブラックマトリクスの長手方向の画線幅中央に、線状のパターン(遮光部)のあるフォトマスクを使用し、公知のフォトリスグラフィの手法にて、透明樹脂層4を形成し、あわせて矩形画素中央に線状の凹部13を画線幅8μmで形成して半透過型液晶表示装置用基板とした。凹部の深さDは、0.7μmであり、また、凸部24高さHは1.8μmであった。凸部高さHは、液晶表示装置としたときの透過部の液晶層の厚み3.6μmを、反射部の液晶層に必要な1/2厚みに調整する高さとなる。なお、反射部は、透過部と異なり、入射と反射の光路差を調整するためその液晶層厚みは1/2となる。
さらに、本実施例の凸部24は、前記したようにそのショルダー部8a、8bの液晶配向を利用して、液晶駆動電圧印加時のスムーズな液晶駆動を行い、ディスクリネーションを解消する役目がある。高さのある光散乱層5上に、液晶層により近い距離にて形成された透明導電膜(第3電極)は、このショルダー部での液晶駆動をさらに増長する。
なお、本実施例に係る半透過型液晶表示装置用基板(BM基板)は、カラーフィルタをアレイ基板側に形成する、いわゆるCOA方式液晶表示装置、あるいは、フィールドシーケンシャル(複数色のLED光源をバックライトに用い、時分割の光源駆動により、カラーフィルタなしでカラー表示を行う手法)の半透過型カラー液晶表示装置に適用することができる。
〔実施例2〕
実施例2は、図8を用いて説明する。
実施例2は、図8を用いて説明する。
本実施例では、実施例1にて透明導電膜まで形成したBM中間製品基板をもちいて、当透明基板10a上に、前記した表2で示す感光性着色組成物RR−5、GR−4、BR−1を用いて、それぞれ赤色画素15、緑色画素14、青色画素16を矩形画素開口部の第3電極3上に形成した。なお、当実施例では第3電極3と透明導電膜は同義である。
透明樹脂層4の形成材料は、下記の感光性樹脂液Cを用いた。
(樹脂溶液P3の合成)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら加熱して、下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を滴下して重合反応を行った。
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら加熱して、下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を滴下して重合反応を行った。
スチレン ・・・ 60.0質量部
メタクリル酸 ・・・ 60.0質量部
メチルメタクリレート ・・・ 65.0質量部
ブチルメタクリレート ・・・ 65.0質量部
アゾイソブチロニトリル ・・・ 10.0質量部
デカンジチオール ・・・ 3.0質量部
滴下後十分に加熱した後、熱重合開始剤2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製し、樹脂溶液P3とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約10,000であった。
メタクリル酸 ・・・ 60.0質量部
メチルメタクリレート ・・・ 65.0質量部
ブチルメタクリレート ・・・ 65.0質量部
アゾイソブチロニトリル ・・・ 10.0質量部
デカンジチオール ・・・ 3.0質量部
滴下後十分に加熱した後、熱重合開始剤2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに反応を続けてアクリル樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液に固形分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製し、樹脂溶液P3とした。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約10,000であった。
(感光性樹脂溶液C)
下記組成の混合物を均一に拡販混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルターで濾過して樹脂塗布液Bを得た。
下記組成の混合物を均一に拡販混合した後、直径1mmのガラスビーズを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルターで濾過して樹脂塗布液Bを得た。
樹脂溶液P3 ・・・ 150質量部
光重合モノマー:M400(東亞合成社製 ・・・ 20質量部
光重合開始剤:イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
16質量部
溶剤:シクロヘキサノン 250質量部
上記感光性樹脂溶液Cをさらに粘度調整して、ブラックマトリクスと着色層全面を覆うように 0.3μm膜厚の保護層を塗布形成した。
光重合モノマー:M400(東亞合成社製 ・・・ 20質量部
光重合開始剤:イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
16質量部
溶剤:シクロヘキサノン 250質量部
上記感光性樹脂溶液Cをさらに粘度調整して、ブラックマトリクスと着色層全面を覆うように 0.3μm膜厚の保護層を塗布形成した。
なお、ブラックマトリクス線幅方向の中央部には着色層のない平面視で線上の凹部23を形成した。異なる色の着色層で挟まれる凹部23の深さDは、約0.7μmとした。
凸部34の高さHは約1.8μmとした。凸部34の傾斜は、透明基板面からの角度で約45度であった。なお、凸部34の高さHは、緑色画素14の保護層である透明樹脂層4表面から凸部34のトップまでの高さとした。
さらに、本実施例に係る凸部34は、前記したようにそのショルダー部8a,8bの液晶配向を利用して、液晶駆動電圧印加時のスムーズな液晶駆動を行い、ディスクリネーションを解消する役目がある。液晶層により近い距離にて、高さのある光散乱層5上に形成された透明導電膜(第3電極)は、このショルダー部での液晶駆動をさらに増長する。透明基板10aに対して垂直な光路を前提とすると、凸部34傾斜部の着色層(透過部Tと反射部Rとの境界部分の着色層)は実効的に厚膜となり、この部分の厚い着色層の作用により透過部Tと反射部Rの境界部での漏れ光を出さず、透過表示での淡色化のない副次的効果を付与できる。
〔実施例3〕
(液晶表示装置の作製)
図2を参照して、本実施例に係る液晶表示装置について説明する。
(液晶表示装置の作製)
図2を参照して、本実施例に係る液晶表示装置について説明する。
本実施例は、第1電極1と絶縁層25を介して第2電極2である櫛歯状の画素電極を備えるアレイ基板30と、実施例2と同一構成の半透過型液晶表示装置用基板20を用いて液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の外面に貼付した偏光板、位相差板及びバックライト光源は図示を省略した。なお、図2は、半透過型液晶表示装置の部分断面図である。
本実施例に用いた半透過型液晶表示装置用基板20では、ブラックマトリクス19の上方に透明導電膜である第3電極3が形成されているため、液晶表示装置を構成したときに、ブラックマトリクス19の膜厚分だけ、アレイ基板の側の第1電極1と近い距離となり、斜め電界の形成がスムーズとなるという利点がある。第1電極1による斜め電界形成のため、ブラックマトリクス19の膜厚を調整することができる。
図3に示すように、凸部34のショルダー8a,8bの近傍の液晶17b,17cは初期に既に斜め配向しているため、液晶駆動の電圧印加時にこれらから凸部34方向に液晶が倒れる。アレイ基板側の液晶も第1電極1、第2電極2のはみ出し部付近の液晶分子も同様に、図6及び図7に示すように、凸部(矩形画素の中心)方向へ倒れる。これら液晶動作により、高速での液晶応答が確保できるとともに、矩形画素端部や凸部周辺での液晶のディスクリネーションを解消でき、表示ムラのない半透過液晶表示装置となった。
本実施例に係る液晶表示装置は、画像表示も極めて均質であり、良好であった。着色画素の周辺や反射部である光散乱層5と透過部との境界での液晶配向の乱れもなく、光漏れのない高画質の液晶表示装置が得られた。
なお、第2電極2は、透過部TではITOなどの透明導電性薄膜で形成し、反射部では、アルミニウム合金などの金属薄膜からなる光反射性の金属薄膜を画素電極(第1電極)として用いても良い。第1電極や第2電極は、櫛歯状のパターンに形成しても良く、あるいは、透明導電膜に複数のスリット状の開口部を形成し、平面視、当開口部から矩形画素中心方向に第2電極2のはみ出し部28を形成しても良い。当実施例の第2電極2は、第3電極3である透明導電膜の電位と同じ共通電位(コモン)とした。
〔実施例4〕
図9を参照して、本実施例に係る半透過型液晶表示装置について説明する。
図9を参照して、本実施例に係る半透過型液晶表示装置について説明する。
透明基板10a上に、実施例1で用いたブラックマトリクス形成用レジストを用いて、図9に示すように、ブラックマトリクス19を形成した。次いで、実施例1で用いた光散乱層樹脂組成物Aから透明粒子を除き、粘度調整したアルカリ可溶性の樹脂組成物を用い、実施例1において光散乱層を形成した工程と同様の手順で、矩形画素の中央部に、高さ2.6μm、画線幅24μmの、透明樹脂からなる線状のセルギャップ調整層5’を形成した。
次に、下記表3に示す組成の感光性着色組成物RR−6、GR−5、BR−2を用いて、それ自体公知のフォトリソグラフィにより、赤色画素16、緑色画素14、青色画素15を形成した。これら着色画素を形成した基板に対し、230℃で40分間の硬膜処理を施した。
その後、ブラックマトリクス19及び着色画素14,15,16上に、スパッタリングによりITO薄膜を0.14μmの厚さに形成することにより、第3電極である透明導電膜3を形成した。
そして、実施例1と同様にして、感光性樹脂Aを塗布し、平面視でブラックマトリクス19の長手方向の画線幅中央に、線状の遮光パターンを有するフォトマスクを用いて、公知のフォトリソグラフィの手法により、ブラックマトリクス19幅方向の中央に線状の凹部23、および矩形画素中央部に線状凸部34を有する透明樹脂層4を形成した。凹部23の深さは約1.2μmであり、凸部34の高さHは約1.8μmであった。
なお、上記した実施例は、透明導電膜上に透明樹脂層(または着色層)を積層する構成で示したが、光学補償のため、1/4波長層あるいは1/2波長層をこれらの層間に挿入する構成であっても良い。光の散乱性は、例えば、上述した特許文献5に開示されているアレイ基板側の反射領域に設けられる凹凸を有する反射電極(光反射性の画素電極)で補完しても良い。また、図2から図7では、TFT素子およびゲート配線、ソース配線などのメタル配線は図示を省略した。ITOとの低コンタクト性を持ちながら、ゲート配線及びソース配線をそれぞれアルミニウム合金の単層で形成する技術は、例えば特開2009−105424号公報に開示されている。反射膜18は、アルミニウム合金の薄膜で形成した。
さらに、液晶表示装置の画素は、線状凸部にて線対称に1/2画素、あるいは点対称に1/4画素に区分されるが、TFTを一画素に2個ないし4個サブ画素を形成し、さらにそれぞれ異なる電圧を印加する駆動方式をとることにより、区分したサブ画素において透過率の異なる表示を行うことができ、視差制御や立体表示などに活用できる。
以上説明したように、本発明の実施形態によると、半透過型液晶表示装置に最適な半透過型液晶装置用基板、及びそのような半透過型液晶装置用基板を備えた、より明るい半透過型液晶表示装置を提供するが出来る。また、そのような半透過型液晶表示装置は、カラーフィルタ基板やアレイ基板の配向処理を軽減することができるとともに、液晶の応答性を改善することができる。また、段差部や凹部のショルダー部における液晶配向、及び第1電極、第2電極、及び透明導電膜からなる電極構成による斜め電界により、液晶のディスクリネーションを軽減し、液晶表示を向上させることができる。
また、本発明の実施形態によると、1/2画素あるいは1/4画素の単位で駆動電圧印加後の液晶の傾き角に分布を持たせることができ、かつ、透明導電膜上に樹脂層を積層する構成により、従来の液晶表示装置に生じていた階調シフト(中間調が白側あるいは黒側にシフトし、十分な階調表示ができないこと)を解消することができる。
また、本実施形態に係る半透過型液晶装置用基板及び半透過型液晶表示装置では、電圧印加時に異なる配向状態の領域が一画素内に2つ以上あるので、液晶表示を平均化し、広い視野角を得ることができる。また、反射部において誘電体である樹脂層とセルギャップ調整層を透明導電膜上に積層することにより、反射部の液晶層の厚みが透過部の略1/2であるにも係わらず、反射部と透過部それぞれの液晶層に印加する電圧をほぼ等しくすることができる。そのため、反射部の反射光と透過部の透過光の電圧依存性を同等とすることで、反射部と透過部で違和感のない均質な表示が可能となる。
本実施形態では、カラーフィルタの有効表示画素を覆うように透明導電膜を積層することにより、副次的効果として、IPS(横電界で液晶を駆動する)やFFS(櫛歯電極のフリンジに生じる電界で液晶を駆動する)方式と異なり、外部電場の影響を受けにくい半透過型液晶表示装置を提供することができる。
1,1a,1b,1c,1d・・・第1電極、
2,2a,2b,2c,2d・・・第2電極、
3・・・第3電極(透明導電膜)、
4・・・透明樹脂層、
5・・・光散乱層、
5’・・・セルギャップ調整層、
8a,8b,9a,9b・・・ショルダー部、
10,20・・・半透過型液晶表示装置用基板、
10a,10b・・・ 透明基板、
17・・・液晶、
14・・・ 緑色画素、
15・・・ 赤色画素、
16・・・ 青色画素、
17a,17b,17c,17d・・・液晶分子、
18・・・反射膜、
19・・・ブラックマトリクス、
23・・・凹部、
24,34・・・凸部、
27a,27b,27c,27d・・・液晶分子、
28・・・はみ出し部、
30・・・ アレイ基板。
2,2a,2b,2c,2d・・・第2電極、
3・・・第3電極(透明導電膜)、
4・・・透明樹脂層、
5・・・光散乱層、
5’・・・セルギャップ調整層、
8a,8b,9a,9b・・・ショルダー部、
10,20・・・半透過型液晶表示装置用基板、
10a,10b・・・ 透明基板、
17・・・液晶、
14・・・ 緑色画素、
15・・・ 赤色画素、
16・・・ 青色画素、
17a,17b,17c,17d・・・液晶分子、
18・・・反射膜、
19・・・ブラックマトリクス、
23・・・凹部、
24,34・・・凸部、
27a,27b,27c,27d・・・液晶分子、
28・・・はみ出し部、
30・・・ アレイ基板。
Claims (14)
- 透明基板上に形成された、複数の矩形画素を区分する開口部を有するブラックマトリクスと、前記矩形画素の中央に形成されたセルギャップ調整層と、前記ブラックマトリクス及びセルギャップ調整層を覆うように形成された透明導電膜と、前記透明導電膜上に形成され、前記ブラックマトリクスの上方に凹部を形成し、前記セルギャップ調整層の上方に凸部を形成する透明樹脂層とを具備し、前記複数の矩形画素は、前記セルギャップ調整層を中心に対称に、中心に近い側から透過部及び反射部の順で構成され、前記透過部では透明導電膜上に前記透明樹脂層が積層され、前記反射部では、前記セルギャップ調整層上に前記透明導電膜及び透明樹脂層がこの順に積層されていることを特徴とする半透過型液晶表示装置用基板。
- 前記矩形画素を区分する開口部に形成された着色層を更に具備するカラーフィルタ基板であって、前記着色層は、前記透明導電膜上に形成され、前記着色層上に前記透明樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の半透過型液晶表示装置用基板。
- 前記矩形画素を区分する開口部に形成された着色層を更に具備するカラーフィルタ基板であって、前記着色層上に前記透明導電膜及び透明樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の半透過型液晶表示装置用基板。
- 前記透明基板の表面からの、前記凹部の底部の高さと、前記透過部の透明樹脂層の表面の高さと、前記凸部の頂部の高さが、この順で高く形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置用基板。
- 前記透過部における透明樹脂層の表面の高さと、前記反射部における透明樹脂層の表面の高さの差が、液晶表示装置を構成したときの液晶層の厚みの略1/2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置用基板。
- 前記セルギャップ調整層が、前記複数画素の矩形画素それぞれにおいて平面視、帯状パターンに配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置用基板。
- 前記セルギャップ調整層が、マトリクス樹脂中に非晶質微粒子を分散させた光散乱層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置用基板。
- 前記セルギャップ調整層が、透明樹脂からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置用基板。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置用基板と、液晶を駆動する素子をマトリクス状に配設したアレイ基板とを液晶を介して対向させて配置し、貼り合わせてなる液晶表示装置であって、前記アレイ基板が、それぞれ矩形画素を駆動するために異なる電位が印加される第1電極及び第2電極を具備することを特徴とする半透過型液晶表示装置。
- 前記矩形画素での液晶の動作が、液晶を駆動する電圧を印加したときに平面視で、矩形画素中心の凸部について点対象あるいは線対称に、前記矩形画素の中央の方向に液晶が倒れる動作であることを特徴とする請求項9に記載の半透過型液晶表示装置。
- 前記矩形画素での液晶の動作が、液晶を駆動する電圧を印加したときに平面視で、矩形画素中心から平面視、点対象に4つに区分される動作であることを特徴とする請求項7又は10に記載の半透過型液晶表示装置。
- 前記第1電極が、液晶を駆動するアクティブ素子と接続された櫛歯状パターンを有し、前記第2電極が、前記第1電極と同様の櫛歯状パターンを有し、絶縁層を介して前記第1電極の下に配設され、かつ、前記第2電極の櫛歯状パターンが、前記矩形画素中心の凸部について点対称あるいは線対称に、前記矩形画素の中央方向に、前記第1電極の櫛歯状パターンからはみ出ていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置。
- 前記第1電極及び第2電極が、可視域透明な導電性の金属酸化物から構成されることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置。
- 前記液晶が、負の誘電率異方性を有する液晶であることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の半透過型液晶表示装置。
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